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日本アクア(1429)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

日本アクアは、建設業において断熱材と防水材の開発、販売、施工を主な事業としています。主力は、戸建住宅やマンション、病院、学校、オフィスビル、工場など多様な建築物向けの吹付け硬質ウレタンフォーム断熱材の施工販売です。また、ポリウレアを原料とした防水材「アクアハジクン」の施工販売も手掛けています。さらに、吹付施工機械や断熱材の原料、遮熱材などの関連資材の販売、24時間全館空調システムなどの住宅機器販売も行い、多角的に収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

日本アクアの事業セグメントは、主に「戸建住宅向け断熱材の施工販売」、「建築物向け断熱材の施工販売」、「戸建・建築物向け防水材の施工販売」、「商品販売」、「リフォーム断熱への取り組み」、「環境(脱炭素)への取り組み」で構成されています。稼ぎ頭は戸建住宅および建築物向けの断熱材施工販売であり、多様なポリオール原料を使い分け、幅広い建築物に対応しています。防水材事業は2020年から参入し、今後の成長が期待されます。商品販売では施工機械や関連資材、住宅機器などを提供し、リフォームや環境対策にも力を入れています。海外比率や地域構成に関する具体的な記述はありません。

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FY2025|4,724 文字
3 【事業の内容】 (1) 当社の事業の具体的内容                  当社は、建設業法による建設工事業種区分で熱絶縁工事業及び防水工事業に属し、断熱材(建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム(注))および防水材(ポリウレア)の開発・販売・施工を主な事業としております。  注. 硬質ウレタンフォームとは、NCO(イソシアネート)基を有するポリイソシアネートとOH(水酸)基を    有するポリオールを、触媒(アミン化合物等)、発泡剤(水等)、整泡剤(シリコーン系)などと一    緒に混合して、泡化反応と樹脂化反応を同時に行わせて得られるプラスチック発泡体です。この硬質    ウレタンフォームは、小さな泡の集合体で、泡の中に熱を伝えにくいガスが封じ込められるため、長    期にわたって優れた断熱性能を維持します。 ① 戸建住宅向け断熱材の施工販売戸建住宅分野での受注先は、全国展開のハウスメーカーや地域のハウスビルダー、工務店等です。また、受注機能の強化や代金決済の安定化を目的として大手建材商社の商流を活用しており、建材商社を直接の受注先とする場合もあります。施工に際して、当社は全国に認定施工店網をもって施工対応しております。認定施工店とは、当社が断熱材の施工を委託する工事業者をいい、品質・安全管理及び施工能力を有する等、当社の定める一定基準を満たしていることが認定の要件です。 ② 建築物向け断熱材の施工販売当社は、戸建住宅以外の建造物を「建築物」と定義しております。受注先は主に総合建設業者(ゼネコン)であり、施工対象はマンションのほか、病院、学校、オフィスビル、工場、データセンタービル、冷凍倉庫、穀物倉庫などであります。建築物分野では、多くが鉄筋コンクリート造又は鉄骨造であり、戸建住宅の場合とはポリオール原料の種類が異なるほかに、吹付け作業に要求される技術や作業環境等に違いがあります。建築物分野に進出した結果、当社が工事に使用するポリオール原料は、下表の4種類となっております。 取り扱いポリオール原料  原料種類(JIS規格区分)ポリオール原料名施工対象主な発泡方法発泡倍率(注2)A種3アクアフォーム(注1)木造戸建住宅化学発泡 発泡剤 水100倍A種3アクアフォームLITE(注5)木造戸建住宅化学発泡 発泡剤 水120倍A種1HアクアフォームNEO(注1、3)木造戸建住宅コンクリート建造物物理発泡 発泡剤HFO 30倍A種1HアクアモエンNEO(注4)コンクリート建造物物理発泡 発泡剤HFO 20倍 (注) 1.「アクアフォーム」、「アクアフォームNEO」には防蟻(防虫)性能を有する仕様の製品があります。2.発泡倍率とは、原料と比較して同じ質量の断熱材が何倍の体積となったかを示す値をいいます。3.A種1Hで使用している発泡剤HFOは、ハイドロフルオロオレフィンの略称で熱伝導率が小さい発泡剤です。オゾン破壊係数がゼロである上に地球温暖化係数が1以下ときわめて低く、地球温暖化防止に役立ちます。4.「アクアモエンNEO」は、高い耐炎性能を発揮し、建築現場や日常の火災リスクから安全を確保します。5.「アクアフォームLITE」は、「アクアフォーム」の品質を維持したまま、環境負荷低減に貢献する植物由来の原料を配合し、人・家・環境にやさしく持続可能な社会に貢献する断熱材です。また、原料使用量を約30%削減することを可能とした革新的な断熱材であり、企業価値向上にも貢献いたします。 ③ 戸建・建築物向け防水材の施工販売当社は、2020年9月より「アクアハジクン」をもって戸建、建築物の防水市場に参入しました。「アクアハジクン」はポリウレアを原料とした防水材で、超速硬化による短工期とリファレンスサービスライフ15年の長寿命性能を有するうえ、建築基準法に定める飛び火認定を取得しております。飛び火認定とは、火災時の延焼防止を目的としたもので防火・準防火地域の住宅・建築物の屋根、ベランダ、バルコニーの防水工事に適用されるものです。戸建向けでは屋根、バルコニーなどの防水工事に需要があり、大手共同住宅建設会社から共用廊下、ベランダなどに引き合いを受けております。建築物向けでも需要のすそ野は広く工場や鉄道駅舎の屋根やマンションの屋上、立体駐車場のスロープ向けなど新築及び改修物件に販売をしており今後も施工力強化によって増収を図ります。 ④ 商品販売当社は、以下の商品販売を行っております。ⅰ.吹付施工機械の販売 主に認定施工店に対して、吹付け作業に使用する吹付施工機械・機械部品を販売しております。ⅱ.原料の販売 認定施工店への原料有償支給とは別に、原料のみを施工業者に販売しております。ⅲ.副資材(断熱関連商品)の販売 断熱材工事に併せて使用し、断熱効果及びその他の住居快適性を強化するための遮熱材、透湿・防水材などの関連資材を自社ブランドで販売しております。 主な取り扱い断熱関連商品商品名用途販売方法アクエアーシルバー通気層確保用遮熱スペーサー ①アクアフォームシリーズの受注工事と一緒に工事使用分を販売②受注工事とは別に単品で販売アクアシルバーウォール壁用遮熱・透湿・防水シートアクアパッキン基礎気密パッキンアクアスルー棟換気部材アクアフォーム1液性ハンドタイプ断熱補助・結露防止など (注)アクエアーシルバー、アクアシルバーウォールは当社の登録商標です。 ⅳ.住宅機器・システムの販売 省エネ住宅志向の高まりを受けて、24時間全館空調システムなどの機器・システムの販売取り扱いを開始し、断熱材の施工販売に留まらない総合的な提案営業を推進しております。 ⑤ リフォーム断熱への取り組みについて当社は、住宅政策において、中古住宅・リフォームが強化されたことに対応するため、新しいシステムにて断熱リフォームへの以下の取り組みを行っております。[1] 断熱リフォーム用施工システムの開発  ・小型化、軽量化した移動可能な発泡機械システムの開発(特許取得済)。  ・狭小地、マンション等あらゆる現場に対応するため、持ち運びを可能に。 [2] 断熱リフォーム事業者の開拓  ・小規模現場に対応可能な施工協力店を全国で募集。  ・断熱専門メーカーとして、省エネ・性能向上リフォームの促進・提案。[3] 新たな商流の開拓・断熱リフォームの市場を構築するために、ホームセンターの商流を通して一般消費者に断熱リフォーム工事の施工・販売を促進。 ・マンション・ディベロッパー系列の大手リフォーム会社との提携を強化。 ⑥ 環境(脱炭素)への取り組みについて 当社は環境省広域認定制度(認定番号第253号)の下、施工現場からウレタン端材を回収し、ブローイング断熱材として再製品化することで産廃処理で発生するCO2排出量の削減に取り組んでおり、仙台、関東、関西、九州の国内4ケ所にリサイクル工場を設置しています。  (2) 当社の事業の特徴                 当社の事業の特徴は、以下の3点です。① 事業体制断熱材施工販売について、国内全域を受注可能とする45事業所(2025年12月末現在)の全国ネットワークを有しております。また、当社仕様による原材料の調達・製造・販売から、断熱設計、遮熱材など関連資材の販売、現場施工までのサービスを一貫して提供する体制を構築しております。 ② 施工体制全国で提携する認定施工店と自社施工部門との2つを組み合わせて、迅速かつフレキシブルに対応できる施工体制を構築しております。受注と施工のバランスは当社事業の重要な鍵であり、受注工事を全て顧客の要望通りに施工できる体制作りに注力しております。また、国家資格の熱絶縁施工技能士1級の資格取得など現場スキルの向上やテクニカルセンターでの研究開発の成果を、自社のみならず認定施工店に対する指導に反映させ、施工品質の維持向上を図っています。2017年3月に環境建築省エネルギー機構(IBEC)より現場施工型優良断熱施工システムの認定を取得いたしました。  ③ 原料製造・供給体制全国で受注した断熱施工を一定の品質で提供するために、当社は断熱材の施工に必要な原料の製造を2015年から開始いたしました。当社の断熱材に必要な素材を国内外から調達し、全国の提携している委託製造会社にて製造して当社の拠点及び倉庫にて保管します。当社の製造する鉱工業品(自社製造原料)及びその加工技術の工場並びに事業場について、2016年10月にJISマーク表示製品として認証を取得いたしました。当社はこれまでも北米やアジア諸国を含めたグローバルな分散調達を行い調達価格の上昇を抑制しているうえ、供給ルートの多様化の取り組みにより、断熱工事に影響が出ないように努めております。  (3) 当社の断熱材施工の特徴当社の主力製品「アクアフォーム」は、グラスウール(注1)等の繊維系断熱材と異なり、住宅等建設現場で施工機械を用いてウレタン原料のポリオール(注2)とイソシアネート(注3)を混合、吹付け、発泡させ、原料が有する自己接着力により接着・硬化し、断熱材としての機能を発揮します。このような現場発泡による断熱施工は、建物の壁、床、屋根裏等に行っており、その特徴は以下のとおりです。注1.グラスウールとは、短いガラス繊維でできた綿状の断熱材。優れた吸音効果があるため、スピーカー等や防音室の素材として用いられています。 2.ポリオールとは、水酸基(OH)を含有する化合物のこと。ポリウレタンの原料となります。 3.イソシアネートとは、NCO(イソシアネート)基構造を持つ化合物のことです。水酸基(OH)を有する化学成分及び水と化学的な結合をしポリウレタンの原料となります。 ① 断熱性「アクアフォーム」は、発泡後の硬質ウレタンで密閉された細かな空気の層で断熱することにより、熱伝導率が 0.033 W/(m・k) 以下と、経済産業省及び国土交通省の定める「H28省エネ基準」や「ZEH基準」にも対応しています。 ※ 熱伝導率とは熱の伝わりやすさを表すもので数値が小さいほど断熱性に優れています。 ※ W/(m・k)は、熱伝導率の単位(ワット/メートル・ケルビン)であり、数値が少ないほど断熱性能が優れていることを示しています。 ② 気密性原料のイソシアネートは、水を含む原料のポリオールと混ざることにより化学反応を起こし、化学的な結合により基材に密着する性質を持っています。アクアフォームを使った現場発泡吹付けにより断熱材が隙間なく充填され、施工面に密着し、高い気密性を発揮します。 ③ 吸音性「アクアフォーム」は、発泡したウレタンで空気を閉じ込め、連続した気泡を作り断熱を行う構造のため、断熱材が隙間なく充填されることにより、隙間から入り込んでいた外部の騒音や気になる内部の生活音の漏れを防ぐとともに、優れた吸音性を有します。 ④ 透湿性年間を通して湿度が相対的に高いという日本固有の気候に適合するよう、適度な透湿性を保つ機能を有し、木造建築物の結露を防ぎます。 ⑤ 燃焼性「アクアフォーム」は、約300~400℃で固体の状態で燃焼、炭化するため、火災の際にも熱で溶けて一気に燃え上がる危険はありません。また、「アクアモエンNEO」はさらに高い耐熱性を有しており不燃材料の国土交通大臣認定を得ております。   (4) 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原油価格上昇や円安による原料価格高騰、競合他社による安価な原料供給リスクがあるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
断熱材の品質・安全管理及び施工能力を有する認定施工店網の構築、新製品開発力
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:住宅建築市場の悪化 / 原料の調達環境の悪化 / 素原料の調達環境の悪化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

特許やブランド力は限定的。独自の技術やノウハウの蓄積はあるが、模倣困難性は低い。建設業という性質上、無形資産による強力なモートは築きにくい。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

断熱材の施工は、一度採用されると、建物のライフサイクル全体で変更が困難。リフォーム時や新築時の初期採用が重要となる。施主や設計士との関係性がスイッチングコストを生む。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果はほとんど見られない。個別の建設プロジェクトごとの関係性が中心であり、プラットフォーム型のような広範なネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的。材料調達や施工効率の改善努力はあるが、競合他社も同様の努力をしており、決定的なコスト差を生み出すのは難しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

断熱材施工事業において、一定の事業規模と実績を持つ。全国展開しており、一定の認知度と施工能力を有している。しかし、大手ゼネコン等と比較すると規模の優位性は限定的。

日本アクアの強みは、全国45事業所のネットワークと、原材料の調達・製造から設計、施工までを一貫して提供できる体制です。全国の認定施工店と自社施工部門を組み合わせることで、迅速かつ柔軟な施工対応が可能です。また、2015年から自社での原料製造を開始し、JISマーク表示製品の認証も取得しており、安定した品質と供給体制を確立しています。さらに、テクニカルセンターでの新製品開発により、高性能断熱材市場での優位性を維持し、環境負荷低減に貢献する製品開発にも注力しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」することを経営理念としております。 (2)目標とする経営指標経営の基本方針を遂行し、サービスを持続するためには、スケールメリットを活かせる一定規模以上の売上高と、高い収益性の維持が当社経営に不可欠と認識しております。すでに現場発泡ウレタン断熱施工の実績では日本トップとなっておりますが、さらに高い売上高を目指します。2024年度から2026年度における収益性の目標については、売上高の年平均成長率13.1%、経常利益の年平均成長率15.6%、サステナブル成長率10%、営業利益率10%、自己資本利益率(ROE)20%、配当方針としては配当性向50%以上とし、かつ累進配当制度を導入しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社の2024年度から2026年度における経営成績・財政状態に関する見通しは、2024年2月14日に開示した「中期経営計画策定に関するお知らせ」、2025年2月7日に開示いたしました「中期経営計画の一部変更のお知らせ」及び2026年2月13日公表の決算短信に記載しており、その骨子は以下の通りです。 ① 安定した3本柱の確立当社の事業の中核を占める施工販売において、防水部門の早期黒字化と認知度の向上を背景とした事業規模の拡大を図り、戸建部門、建築物部門と並ぶ3本柱として確立します。② 事業領域の拡大事業領域の拡大を図るため、商品販売等の強化を進めます。特に原料販売は、認定施工店以外の施工業者にウレタン原料を販売するものであり、当社のメーカーとしての認知度向上と全国物流拠点の整備により、販売量の伸長に取り組んでまいります。③ 成長と利益配分の好循環当社の持続的な成長を通じてステークホルダーへの利益配分を実施いたします。株主の皆様には配当性向目標50%以上、かつ累進配当制度をベースとした配当による還元、当社の施工を請け負う認定施工店に対しては認定施工店支援費を通じた還元、そして当社は中長期の成長に向けた物流拠点(営業所)の整備、防水部門強化に向けた投資等を行ってまいります。④ 業績目標およびKPI目標 上記(2)目標とする経営指標の通りです。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」することを経営理念としております。 (2)目標とする経営指標経営の基本方針を遂行し、サービスを持続するためには、スケールメリットを活かせる一定規模以上の売上高と、高い収益性の維持が当社経営に不可欠と認識しております。すでに現場発泡ウレタン断熱施工の実績では日本トップとなっておりますが、さらに高い売上高を目指します。2024年度から2026年度における収益性の目標については、売上高の年平均成長率13.1%、経常利益の年平均成長率15.6%、サステナブル成長率10%、営業利益率10%、自己資本利益率(ROE)20%、配当方針としては配当性向50%以上とし、かつ累進配当制度を導入しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社の2024年度から2026年度における経営成績・財政状態に関する見通しは、2024年2月14日に開示した「中期経営計画策定に関するお知らせ」、2025年2月7日に開示いたしました「中期経営計画の一部変更のお知らせ」及び2026年2月13日公表の決算短信に記載しており、その骨子は以下の通りです。 ① 安定した3本柱の確立当社の事業の中核を占める施工販売において、防水部門の早期黒字化と認知度の向上を背景とした事業規模の拡大を図り、戸建部門、建築物部門と並ぶ3本柱として確立します。② 事業領域の拡大事業領域の拡大を図るため、商品販売等の強化を進めます。特に原料販売は、認定施工店以外の施工業者にウレタン原料を販売するものであり、当社のメーカーとしての認知度向上と全国物流拠点の整備により、販売量の伸長に取り組んでまいります。③ 成長と利益配分の好循環当社の持続的な成長を通じてステークホルダーへの利益配分を実施いたします。株主の皆様には配当性向目標50%以上、かつ累進配当制度をベースとした配当による還元、当社の施工を請け負う認定施工店に対しては認定施工店支援費を通じた還元、そして当社は中長期の成長に向けた物流拠点(営業所)の整備、防水部門強化に向けた投資等を行ってまいります。④ 業績目標およびKPI目標 上記(2)目標とする経営指標の通りです。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当事業年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績当事業年度におけるわが国経済は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかな回復基調が続いています。一方で、物価上昇の継続が消費者マインドに影響を与えており、米国の通商政策や金融市場の変動も、景気の下振れリスクとなっています。当社が属する住宅・建築業界においては、2025年4月より新築されるほぼ全ての住宅・建築物に、省エネルギー基準への適合が義務化されることとなりました。本基準は、断熱性能を示す「外皮性能」と、エネルギー消費量を示す「一次エネルギー消費性能」の2つの指標から構成されており、現行基準では断熱等性能等級(以下、「断熱等級」と言います。)「4」に相当する水準が求められます。政府は、2030年を目途に、現状普及が進むZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準である断熱等級「5」への引き上げ方針を示しています。さらに、2025年9月には、経済産業省より現行のZEH基準を強化した「GX ZEH」の定義が発表され、2027年4月からの適用が予定されており、断熱等級は「6」へと引き上げられます。こうした政策動向を受け、断熱等級「4」は既に過去の基準となりつつあり、断熱等級「6」以上の上位等級への関心が一層高まっています。また、断熱性や気密性の結露抑制や劣化防止を通じて、住宅の耐久性や長寿命化に寄与するとの認識も、一般消費者の間で広がりつつあります。一方、非住宅分野においては、情報関連分野を中心に企業の設備投資が拡大し、省力化・合理化を目的とした高断熱化のニーズが高まっています。特に、低PUE(Power Usage Effectiveness:IT機器の消費電力に対する施設全体の消費電力の比率)が求められるデータセンターでは、省エネルギー対策や運用効率の向上を目的とした断熱性能の強化が顕著です。冷凍・冷蔵倉庫や低温物流施設などを対象とするコールドチェーン分野も、温度管理の高度化とエネルギー効率化の観点から、高性能断熱材の需要が見込まれる有望な市場として注目されています。さらに、首都圏を中心に都市再開発が進展しており、高層マンションや複合商業施設の建設においても、高い環境性能の確保が一層重視されています。また、1980~1990年代に建築された建物の老朽化を背景に、防水改修工事の需要も増加しています。防水層の耐用年数を超えた建物では、雨漏りや劣化が進行しており、加えて気候変動対応や法規制の強化といった外部要因も、改修需要を後押ししています。当社では、断熱・遮熱機能を一体化した独自の施工技術「FUKUGEN工法」を中心に複合的な防水ソリューションを展開しており、建物の快適性及び省エネルギー性の向上により、市場における優位性を高めております。こうした市場環境のもと、当社は、高断熱・高気密を実現する「アクアフォームシリーズ」及び超速硬化型防水材「アクアハジクン」の製品競争力と、全国に展開する施工ネットワークを活かし、各事業部門において積極的な受注活動を展開いたしました。戸建部門では、「気密なき断熱は無力なり」を掲げ、断熱施工に気密測定サービスを組み合わせた提案により差別化を進め、市場シェア拡大に取り組みました。さらに、2025年7月からは「まるっとアクアフォーム」として、住宅ごとに最適な断熱プランを提供する体制を整備しました。こうした差別化戦略が奏功し、広域展開する大手ビルダーからの受注が拡大したほか、2024年秋に取引を開始した新規大口顧客からの施工案件も通期で寄与いたしました。なお、4号特例(小規模建築物に対する建築審査の簡略化)の縮小による駆け込み需要の影響は限定的であり、当社の成長は、構造的な需要拡大及び提案力の強化によるものと認識しております。その結果、施工棟数は前年比11.1%増加し、当部門の売上高は15,765百万円となりました。建築物部門では、データセンターや商業施設、高層マンションなどの新設案件を着実に獲得しましたが、一部案件における建設費の高騰や資材価格の変動を背景とした設計変更や着工判断の遅れの影響を受ける結果となりました。一方で、当期は、受注から施工までの一貫した対応力を高める転換期と位置付け、より確度の高い案件選定と現場対応力の向上を目的に建築工事管理部を新設いたしました。同部門による追加工事の獲得や仕様変更への柔軟な対応が進み、施工単価は堅調に推移し、収益性向上に寄与しました。その結果、同部門の売上高は9,896百万円となりました。防水部門では、施工実績の拡充に伴う認知度向上により、大型物流センターや全国チェーンストアなどの受注を着実に獲得したことで、前年の2倍超となる売上高1,515百万円となりました。今後も新規及びリピート受注が拡大すると見込んでおります。原料販売は2,072百万円、副資材・機械等を含むその他部門の売上高は4,420百万円となりました。                                     (単位:百万円、%) 第21期2024年度第22期2025年度増減額増減比戸建部門13,70415,765+2,061+15.0建築物部門9,4999,896+397+4.2防水部門7191,515+795+110.5原料販売2,2262,072△154△6.9その他(商品販売)部門4,1154,420+305+7.4売上高合計30,26533,670+3,405+11.3 この結果、当事業年度の売上高は、33,670百万円(前年比11.3%増)となりました。売上総利益は7,738百万円、売上総利益率は23.0%(同0.3ポイント増)となりました。営業利益は2,774百万円(同7.7%増)となった一方、営業利益率は8.2%と前年比で0.3ポイント低下しました。なお、販売費及び一般管理費は677百万円増加の4,964百万円となり、その主な内訳は、施工体制の拡充をはじめとする今後の成長に必要不可欠な人的資本投資としての人件費2,487百万円、実習生関連費634百万円、地代家賃285百万円となっております。経常利益は2,794百万円と前年同期比で7.3%の増益、当期純利益につきましては1,895百万円と前年同期比で3.1%の増益となりました。 (経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)当社は2024年2月14日に、2024年度から2026年度までの3ヶ年を対象とした中期経営計画「3 Pillars of Stability(安定した3本柱)」を策定し、目標とする経営指標としてサステナブル成長率10%、営業利益率10%、ROE20%、配当性向50%を掲げています。さらに、2025年12月期より、利益成長を通じてより安定的な配当(維持・増配)を実現するため、累進配当制度を導入しました。その後、2026年2月13日公表の決算短信に記載のとおり、事業環境の変化を踏まえ、2026年12月期の業績予想について見直しを行い、売上高目標は37,000百万円、経常利益目標は2,910百万円といたしました。主な要因は、建築物部門において、大型建設工事を中心に着工の遅延や計画の見直しが引き続き複数発生しており、施工量が当初想定を下回る見込みとなったことによるものです。これに伴い、当該部門では市場規模の一時的な縮小を背景に競争環境が厳しさを増しており、短期的には利益水準に影響を及ぼすことが想定されます。一方で、これらの市場環境の変化は一過性のものと認識しており、中長期的な成長戦略、事業基盤の強化方針及び安定的な株主還元方針に変更はありません。なお、売上高については、他部門が堅調に推移していることから、当初予想どおりの水準を見込んでおります。引き続き、収益性の確保と企業価値の向上に向けた取り組みを推進してまいります。2025年12月期につきましては、ROEは17.1%、1株当たり当期純利益金額は59円42銭となりました。これに合わせ目標配当性向50%及び累進配当制度を踏まえ、1株当たり配当額は35円といたしました。将来の見通しに関する記述は、現在入手可能な情報に基づく当社の経営陣の仮定及び判断に基づくものであり、既知または未知のリスク及び不確実性が内在しています。また、今後の当社の事業を取り巻く経営環境の変化、市場の動向、その他様々な要因により、これらの記述または仮定は、将来実現しない可能性があります。将来の見通しに影響を与えうる潜在的リスクや不確定要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。なお、潜在的リスクや不確定要因はこれらのみに限定されるものではありませんのでご留意ください。 ・業績目標                                  (単位:百万円) 2023年度12月期実績2024年度12月期実績2025年度12月期実績2026年度12月期売上高28,34130,26533,67037,000戸建部門13,79813,70415,76517,097建築物部門8,2679,4999,89610,948防水部門4897191,5152,096原料販売1,9162,2262,0722,377その他部門3,8694,1154,4204,480営業利益2,8812,5752,7742,900経常利益2,9172,6042,7942,910当期純利益2,0041,8391,8951,9721株当配当金(円)32.034.035.035.0 (2) 財政状態(総資産)  当事業年度末における総資産は25,810百万円(前事業年度末比7.2%増)となり、前事業年度末に比べ1,738百万円の増加となりました。(流動資産)  当事業年度末における流動資産は20,015百万円(前事業年度末比6.4%増)となり、前事業年度末に比べ1,195百万円の増加となりました。これは主として原料及び貯蔵品513百万円、電子記録債権292百万円、未収入金179百万円、商品155百万円増加したことなどに対し、受取手形、売掛金及び契約資産が140百万円減少したことなどによるものであります。(固定資産)  当事業年度末における固定資産は5,795百万円(前事業年度末比10.3%増)となり、前事業年度末に比べ543百万円の増加となりました。これは主として熊本営業所及び鹿児島営業所建設用地の取得により384百万円増加、従業員に対する譲渡制限付株式割り当てに伴う自己株式の処分により長期前払費用が125百万円増加、繰延税金資産が99百万円増加、投資その他の資産のその他に含まれる保険積立金が96百万円増加したことに対し、減価償却による資産の減少が214百万円、貸倒引当金が57百万円増加したことなどによるものであります。(負債合計)  当事業年度末における負債合計は14,176百万円(前事業年度末比4.8%増)となり、前事業年度末に比べ650百万円の増加となりました。(流動負債)  当事業年度末における流動負債は14,090百万円(前事業年度末比5.0%増)となり、前事業年度末に比べ674百万円の増加となりました。これは主として短期借入金が300百万円、未払法人税等が395万円増加したことなどによるものであります。(固定負債)  当事業年度末における固定負債は85百万円(前事業年度末比21.9%減)となり、前事業年度末に比べ24百万円の減少となりました。これは主としてリース債務が12百万円減少したことなどによるものであります。(純資産)  当事業年度末における純資産は11,633百万円(前事業年度末比10.3%増)となり、前事業年度末に比べ1,087百万円の増加となりました。これは主として当期純利益が1,895百万円となったこと、従業員に対する譲渡制限付株式割り当てに伴う自己株式の処分により資本剰余金が82百万円増加及び自己株式が194百万円減少したことに対し、配当の支払いにより利益剰余金が1,084百万円減少したことなどによるものであります。 (3) キャッシュ・フロー当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、151百万円増加し、2,415百万円(前年同期2,263百万円)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動による資金の増加は1,510百万円(前年同期は516百万円の減少)となりました。これは主に税引前当期純利益2,796百万円に加え、減価償却費214百万円による資金の増加の一方、売上債権の増加290百万円、棚卸資産の増加525百万円、仕入債務の減少107百万円、未収入金の増加100百万円、法人税等の支払618百万円による資金の減少等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動による資金の減少は603百万円(前年同期は338百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得472百万円、無形固定資産の取得31百万円、保険積立金の積立96百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)  当事業年度における財務活動による資金の減少は755百万円(前年同期は1,084百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金の純増加300百万円、配当金の支払いによる支出1,084百万円によるものであります。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報現状における当社の資金需要の主なものは、運転資金、納税資金、固定資産への投資資金です。運転資金の主な内容は、ウレタン原料の製造及び仕入代金、認定施工店への外注費、副資材の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用です。販売費及び一般管理費の内訳は、人件費、旅費交通費、地代家賃等です。固定資産への投資資金の主な内容は、営業所建設の土地及び建物等の有形固定資産、ソフトウエア等の無形固定資産、並びに敷金及び保証金等の投資その他の資産への投資資金です。資金調達については、主に銀行借入と内部留保資金により調達しております。今後、大きな資金需要が発生した場合には、増資等による資金調達の可能性もありますが、当面必要な運転資金、固定資産への投資資金については、銀行借入と内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローにより十分調達可能であると考えております。 (5) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や現在の取引状況ならびに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。また、財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(1) 経営成績、(2) 財政状態、(3) キャッシュ・フローをご参照ください。 (生産、受注及び販売の状況) 当社は、熱絶縁工事業及び付帯業務の単一セグメントのため、生産、受注及び販売の状況についてはセグメント別に代えて品目別に示しております。 (1) 生産実績 当社の主たる事業である断熱材の施工販売は、受注を契機として施工を行い、かつ主力の戸建住宅分野では施工期間が原則1日間と短期であることから、生産実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。 (2) 受注実績 当事業年度における建築物分野の受注実績は以下のとおりであります。品目受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)建築物向け断熱材10,168,239106.74,389,95597.5 (注)1. 戸建住宅分野において、受注から施工実施、販売までの期間が短期であることから、受注実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。 2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(3) 販売実績 当社は、単一セグメントでの事業を行っておりますが、当事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)における販売実績を品目別及び地域別に示すと、次のとおりであります。品目別販売実績 品目当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(千円)前年同期比(%)戸建住宅向け断熱材15,765,263115.0建築物向け断熱材9,896,414104.2戸建及び建築物向け防水材1,515,587210.5原料販売2,072,86293.1商品販売4,420,721107.4合計33,670,846111.3 地域別販売実績地域当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(千円)前年同期比(%)北海道・東北ブロック3,966,956114.2関東ブロック10,110,910124.8北信越ブロック3,025,913104.0中部ブロック3,428,024108.9関西ブロック4,513,20696.7中国四国ブロック2,683,847127.9九州ブロック5,123,201103.7営業本部818,78987.9合計33,670,846111.3 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)伊藤忠建材㈱2,672,8438.82,946,2678.8 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

事業リスク

主なリスクとして、新設住宅着工件数の減少など住宅建築市場の悪化が業績に影響を与える可能性があります。また、ウレタン原料が石油製品であるため、原油価格の高騰や円安により原料調達価格が上昇するリスク、および原料調達が困難になるリスクがあります。さらに、施工体制の遅れにより受注機会を逸する可能性や、高性能断熱材市場への新規参入による競争激化のリスクも存在します。施工中の事故や瑕疵による信頼感の低下、売上の季節変動も事業に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,958 文字
3 【事業等のリスク】当社が事業を継続していく上で、リスクとして考えられる事項のうち、主なものは以下のとおりです。なお、文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等に与える定量的な影響については、合理的に予見することが困難であると考えており、記載しておりません。(1) 住宅建築市場の悪化断熱工事に対する需要は、マクロ経済指標である新設住宅着工件数の影響を受けます。これまで当社は新設住宅着工件数が伸び悩む中でも、積極的な営業展開、事業の範囲の拡大などで、業績を拡大してまいりました。金融危機の発生、消費税等の増税、金利の上昇、感染症の発生などにより住宅建築市場が悪化した場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、今後においても、着実な成長を持続するために営業所の新設、施工能力の拡充、価格競争力の強化、建築物向け断熱施工の強化などの施策を実行していく所存です。(2) 原料の調達環境の悪化断熱施工に使用するウレタン原料の主成分は石油製品であります。従いまして原油価格の上昇や円安により原料価格が高騰した場合、当社の原料調達価格が上昇する可能性があります。また、原料メーカーが当社以外の断熱施工会社に安価な原料を供給するようになった場合、当社の価格競争力が低下する可能性があります。加えて、自然災害等の理由により、内外の原料メーカーからの調達が困難になり、施工に使用する原料が不足するという状況に陥った場合、工期に遅延が生じる可能性があります。このように、構造的な要因で長期にわたってこれらの事象が発生した場合には、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は、原料メーカーとの協力関係を強化し、安定購買の継続、中核拠点に原料備蓄倉庫を設置したことにより、これらの事象が発生した場合でもリスクを最小限度に抑えてまいります。(3) 素原料の調達環境の悪化当社が委託製造しております硬質ウレタン原料は、国内外から素原料を調達して生産しており、下記の事象が複合的に発生した場合には、素原料価格が上昇し、当社の業績に悪影響を与える可能性があります。そのため、調達先を多様化することにより長期的、安定的な調達体制を構築することで、リスクを最小限に抑えております。①原油・ナフサ・ベンゼン等の価格が高騰するとき②海外から輸入する素原料に、内国産業の保護の観点からアンチダンピング(不当廉売)関税が発動さ れるとき③為替レートが円安に進行するとき④素原料メーカーの設備稼働率が減少する事象(定期修繕、災害・事故等)が発生した場合、世界的需 要・供給バランスに影響が出て、供給がタイトになるとき(4) 委託加工先との契約委託加工先の生産設備が災害・事故等により、稼働不能となって、当社が原料の供給を受けられなくなった場合、断熱工事の受注ができなくなりますので、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は1社の委託加工先に依存することなく、6社の委託加工先と製造委託契約を締結しております。一部の委託加工先が生産を継続できない事象が発生した場合でも、業績に及ぼす影響を最小限に抑えております。(5) 受注の伸びに対する施工体制の遅れ当社が持続的な成長と競争力を維持するためには、施工人員の増強と強固な施工体制の構築が不可欠です。何らかの理由で工務社員の新規採用や認定施工店の拡大が困難になった場合、受注機会を逸し、当社の業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。これに対応するため、当社は新規採用の強化に加え、既存の認定施工店との関係を一層強化するとともに、認定施工店としての独立支援など、包括的な施工体制の強化に取り組んでいます。(6) 高性能断熱材市場への新規参入「アクアフォーム」は、硬質ウレタンフォーム以外の断熱材に比べ、相対的に高価格である一方、高い断熱性能を有しております。しかしながら、当社と同じ硬質ウレタンフォームを使用して性能等で優位性のある製品を供給する業者が現れた場合や、新しい素材を使用して優れた断熱性能を発揮する強力な断熱材が商品化された場合、当社の事業成長に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、常にテクニカルセンターで新製品を開発していくことで、優位性を保ってまいります。 (7) 自社原料の生産に伴う資金負担の増加当社は、原料の仕入価格を低下させるため、2015年12月期より自社ブランド原料の委託製造を本格化させております。原料は、委託加工先の生産プラントにおいて、素原料、触媒、難燃材等をブレンドして生産します。当社の生産計画に基づき、各委託加工先に有償支給する素原料等は、北米やアジア諸国を含めたグローバル調達を行っております。原料の生産ラインを効率よく動かし、生産計画を実現させるために素原料等を自社で在庫する必要があり、その為の資金負担が増加しております。原料製造代金の回収は断熱工事が完成・引き渡しされた後に、得意先が振り出す約束手形が資金化又は売掛金が現金で回収されますが、原料製造及び原料仕入に係る買掛金の決済がこれに先行して到来することもあり、この場合に資金収支にズレが生じるため、当社の業容拡大によって原料の委託製造量が増大する場合、当社の資金の負担が増加するリスクがあります。対応策としては、資金の回収期間の短縮に取り組んでおります。(8) 事故や瑕疵による当社に対する信頼感の低下当社は、断熱施工会社としてその施工中の事故や施工の瑕疵に対して責任を負います。自社または認定施工店で、施工者の不注意により重大な事故が発生した場合、工事や断熱原料に由来する瑕疵に対して重大なクレームが発生した場合は、当社に対する信頼感が低下し、当社業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は作業の安全と施工品質の確保のため、自社の工務社員はいうまでもなく認定施工店に対しても研修と指導を行っております。また、新しい断熱材の原料を導入する際には、テストを繰り返して仕様を改良してから採用しています。(9) 株式会社東京証券取引所の上場維持基準の不適合当社は、2013年12月に株式会社東京証券取引所マザーズ市場に上場し、その後、市場第一部を経て、2022年4月よりプライム市場に上場しております。上場企業であることは知名度や信用力の面で競争優位性をもたらし、人材の採用活動はもとより、施工主やゼネコンからの受注、さらには原材料の仕入取引においても差別化要因となっています。一方で、当社が上場維持基準を満たせなくなった場合、これらの優位性が低下し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。こうしたリスクへの対応として、当社は業績の向上に努めるとともに、株主・投資家との適切なエンゲージメントを構築し、資本コストや株価を意識した経営を推進することで、上場維持基準への適合を継続的に図ってまいります。(10) 売上の季節変動当社の断熱工事は、住宅が完成する2、3か月前に行いますので、住宅の引渡しが多くなる年度末12月の2、3か月前より完工がピークとなり、その傾向は、第3四半期に増加し始め、第4四半期に集中する傾向があります。その結果、第1四半期及び第2四半期で売上が停滞し経費が過多になるため、損失が発生するリスクがあります。対応策としては、売上時期の分散のため、防水事業及び建築物事業への領域の拡大を図ります。なお、第21期事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)及び第22期事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)の各四半期における売上高を参考までに掲げると以下の通りです。四半期ごとの売上高の推移  第1四半期(1月~3月)第2四半期(4月~6月)第3四半期(7月~9月)第4四半期(10月~12月) 2024年12月期(千円)6,272,6486,840,1447,705,0489,447,504 2025年12月期(千円)7,501,8538,481,3978,305,4889,382,107 (11) 親会社及びその関係会社との関係① 資本的関係について当社は、㈱ヒノキヤグループの子会社であり、同社は㈱ヤマダホールディングスの完全子会社であります。㈱ヒノキヤグループは、2025年12月末現在、当社株式の議決権等の所有割合で54.95%を保有しており、㈱ヤマダホールディングスグループでは、住建事業として戸建住宅を中心とした住宅販売やその周辺事業を営んでおります。② 人的関係について当社取締役11名のうち、㈱ヤマダホールディングス、㈱ヒノキヤグループ及びその子会社出身者及び受入出向者はおりません。③ 取引関係について㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループの関係会社は、断熱材施工販売事業において当社の販売先の位置付けにあります。この取引にかかる価格をはじめとする取引条件は、他の取引先と同水準にて設定しております。④ 経営の独立性について上記のとおり、当社は㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループの子会社であり、今後も両社による当社株式の所有は継続すると見込まれるため、両社の事業戦略やグループ管理方針等の変更がされた場合、当社の経営に影響を及ぼすリスクがあります。しかしながら、当社は、監査等委員会設置会社として過半数の独立社外取締役を選任することで経営の透明性・公正性を担保しており、また当社売上高に占める同社グループへの依存度は1割を下回ることから、経営や取引における独立性は確保している状況にあります。(12) 法的規制当社は、建設業法、建築基準法、住宅の品質確保の推進等に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、消防法、道路交通法、土壌汚染対策法等、多くの法令や規制のもとで事業活動を遂行しております。万一役職員の一部がこれらの法令等の遵守を怠った場合は、当社の社会的信用が失墜し、当社の経営に重大な悪影響が及ぶリスクがあります。また、当社にとって対応が困難な法的規制が新たに設けられた場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、これらの法令等を遵守するため、役職員のコンプライアンス意識の強化に取り組んでおります。(13) 主要な事業活動の前提となる事項について当社の主要な事業活動である熱絶縁工事業は建設業許可が必要な事業であり、当社では一般建設業許可(熱絶縁工事業)を取得しております。建設業許可は、5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2029年1月であります。また、建設業法第29条に建設業許可の取消し、第28条において業務停止等の処分の要件が規定されており、当該要件に抵触した場合には、許可の取消しまたは期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命じられる可能性があります。当社には、現時点において許可の取消しまたは業務の停止等の事由となる事実はないと認識しておりますが、当該許可の取消しまたは業務の停止等を命じられた場合には、社会的信頼の毀損や契約破棄等により当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策としては、免許の更新時期のチェック等や、安全管理を定期的に行っております。(14) 個人情報の取扱い及びサイバーセキュリティについて当社は事業を行う上で入手したお客様に関する個人情報を保有しております。万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、サイバー攻撃等により、当社の技術上、営業上等の秘密情報が流出や改ざん等のリスクがあります。さらに、盗難や紛失等を通じて第三者が不正流用する可能性もあります。対応策としては、これらの情報管理に関しましては、社内規程の整備、社員教育の徹底、管理体制の強化に努めております。

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