1384

ホクリヨウ(1384)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

水産・農林業 食品

事業の概要

ホクリヨウは、鶏卵の生産と販売を主な事業とする会社です。北海道内で初生雛(孵化したばかりのひな鳥)の育成から鶏卵の生産、選別、包装、そして流通会社への直接販売までを一貫して自社で行っています。これにより、消費者のニーズを素早く生産に反映させることが可能です。主な収益源は鶏卵販売で、スーパーやホテル、レストラン、製菓業界など幅広い顧客に提供しており、北海道内では高い市場シェアを占めています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ホクリヨウの事業は、鶏卵事業の単一セグメントで構成されています。この事業は、大きく分けて「生産業務」「製造業務」「販売業務」の3つの部門で成り立っています。生産業務では、北海道内でひな鳥の育成から成鶏の飼育までを一貫して行い、安全な卵を生産しています。製造業務では、生産された卵を選別・包装し、液卵や温泉卵などの加工品も製造しています。販売業務では、これらの製品を直接取引先に販売しています。事業の大部分は国内、特に北海道が中心です。

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FY2025|2,934 文字
3【事業の内容】 当社は、鶏卵の生産・販売(鶏卵事業)を主たる業務としております。 当社の最大の特徴は、多くは生産から流通会社(取引先)への販売まで、自社内で一貫して行っている点であり、流通会社と直接取引することによって消費者サイドのニーズを素早く生産に反映させることができます。 また、サルモネラ菌による食中毒、鳥インフルエンザ等近年食の安全を脅かす様々な問題が発生する中、当社は、北海道内(以下道内)においては初生雛(孵化したばかりの鶏の雛)から自社にて育成、野生動物の侵入を防ぐウインドレスの鶏舎構造、サルモネラワクチンの接種、植物性飼料の使用、FSSC22000の認証を取得したGP工場(GP工場:Grading & Packing 選別・包装の略)など、食の安全を作り出す様々な取組みを常に実行し安全対策を進めてまいりました。 鶏卵販売は、多くのスーパーで取扱われるとともに、ホテル、レストラン、パン・ケーキなどの業務用にも幅広く利用されております。また、2024年2月時点での北海道の採卵鶏飼養羽数約452万羽(農林水産省の畜産統計)に対して、道内における当社の飼養羽数は2024年3月末時点で約230万羽となっており、高いシェアを占めております。 当社の事業内容の詳細は次のとおりであります。 なお、当社は鶏卵事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 鶏卵事業 鶏卵事業については、生産業務を行う生産部、製造業務を行う製造部、販売業務を行う営業部の部門毎に事業の内容を説明いたします。① 生産業務(生産部) 道内においては、独自の強健な清浄雛を育てるために雛専用の育成農場を早くから北海道安平町早来に設置、雛を鶏舎単位で入れ替えるオールイン・オールアウトという方法で飼育しております。道内における雛は、他社から購入した大雛(120日令前後の鶏)ではない自社育成の雛です。サルモネラ食中毒に備え、全ての雛にサルモネラワクチンを接種しております。育成農場で育成した強健な雛は札幌、登別、北見、十勝、千歳の道内自社成鶏5農場に送られ産卵をはじめます。道内の鶏舎は、窓のないウインドレス鶏舎で鳥獣の侵入を防ぎサルモネラ等の危険を効果的に防備しております。また、ウインドレス鶏舎は舎内換気、温度管理、給餌、採卵、鶏糞処理を全自動で管理し、快適な飼養環境を維持することによって、1年中安定した環境の中で安全で清浄な卵を産むとともにコストダウンにも大きく寄与しております。 道内の成鶏5農場では同一の飼料、HACCP(注)手法も取り入れた同一の飼養管理がなされており、どの農場も同一品質の鶏卵を生産しております。 なお、技術部では専任の獣医、スタッフが衛生飼料、栄養学、獣医学等の観点から様々な研究を行っており、飼料は安全性を考慮して動物性蛋白質を一切含まないオリジナル植物性飼料が主流になっております。 道外においては岩手県に盛岡、はまなすの2農場、宮城県に吉目木農場の現在3農場を保有しております。道内とは異なり、雛は大雛を外部から購入しております。尚、2020年より吉目木農場にて平飼い卵の生産を、また2022年からは同農場でエビアリー卵(多段式平飼い卵)の生産を開始しましたが、ここで使用している雛は外部購入ではなく、当社育成農場で育成したものです。(注) HACCP --- Hazard Analysis Critical Control Point食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚染等の危害をあらかじめ分析(Hazard Analysis)し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという重要管理点(Critical Control Point)を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法です。 ② 製造業務(製造部) 道内の成鶏5農場で生産された卵はすべてFSSC22000(注)の認証を取得した5GP工場で製品化されます。道内の5GP工場は2000年~2011年にかけて、統一された設計思想に基づき、従来のGP工場を廃止し新築された工場で、同一品質の製品を製造できることが大きな特徴となっております。 GP工場は多くの農場鶏舎とバーコンベアで連結されており、その日に生産されたほぼ全ての卵をその日の内に製品化しております。GP工場は、HACCPに準拠した手法を取り入れた最新鋭の工場で品質検査も全自動で行われております。2005年6月よりトレーサビリティ(卵の生産農場、製造工場の追跡が可能)の手法も導入し、卵殻に直接賞味期限とトレーサビリティ番号(ユビキタスコード)を印字し、一旦製造したパックの日付改ざんは不可能です。 2016年12月には輪厚液卵工場を新設し、翌年1月より液卵・温泉卵の製造を本格稼働しております。将来の加工品分野拡大へのファーストステップを踏み出しております。 東北においては現在3GP工場(岩手2GP、宮城1GP)が稼働しており当社の盛岡支店、仙台支店に鶏卵製品を供給する役割を担っております。これらの3GP工場の内、はまなすGP(岩手)は2017年4月に、多賀城GP(宮城)は2020年6月にFSSC22000の認証を取得しております。 (注) FSSC22000 --- Food Safety System Certification(食品安全認証財団)FSSC22000は、食品安全の基本である前提条件プログラム(PRP)をより具体的にするため、食品安全マネジメントシステムISO22000のPRPに関する要求事項を産業分野ごとに規定しており、フードディフェンス(Food defense=食品防御)が含まれた国際規格です。 ③ 販売業務(営業部) 道内5つのGP工場で製造された鶏卵製品は問屋を通さず取引先に直接販売(道内直売率96%)をしており、道内取引先にGP工場から均一な品質の安全な卵を迅速にお届けしております。 当社の鶏卵の特徴は「PG卵モーニング」、「サラダ気分」、「雛の巣」などの自社ブランドのほか、安心安全の当社の品質が評価され各取引先別にプライベートブランドもOEM提供しており、消費者が求める価値(栄養素等)を付与し高価格設定が可能な特殊卵の販売比率が高いという点があげられます。 また、従来東北地区での販売は問屋売りが主流でしたが、現在は当社盛岡支店・仙台支店におきまして直接地場取引先への販売を拡大しており、直接販売の比率を高めております。 さらに2022年秋からはアニマルウェルフェアへの取り組みの一環として宮城県吉目木農場にてエビアリー鶏舎(多段式平飼い)で生産を開始した平飼い卵を関東、東海、東北、北海道エリアにて販売開始しております。 また、2021年3月より香港市場向けに当社道産卵の輸出を開始いたしました。今後輸出数量の拡大を通じ、当社ブランドの香港市場での定着を図って参ります。  事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
鶏卵相場の変動リスクにさらされており、相場に左右されない特殊卵へのシフトを進めているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
初生雛から自社育成、ウインドレス鶏舎、サルモネラワクチン接種、FSSC22000認証GP工場など。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 維持投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:鶏卵相場の変動性 / 原料価格(飼料費)の変動 / 卵価安定基金制度及び飼料安定基金制度の基金不足
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ブランド力や特許などの無形資産は限定的。主力事業である鶏卵生産・販売においては、特定のブランドによる強い優位性は見られない。技術的な差別化も目立たない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客にとっての乗り換えコストは低い。鶏卵は汎用品としての側面が強く、生産者や販売チャネルの変更に対する顧客の抵抗感は小さいと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果はほとんど見られない。鶏卵の生産・流通においては、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が働く要素は少ない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的。ただし、長年の経験に基づく生産効率の改善や、原料調達における交渉力などが一部コスト優位性につながる可能性はある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内有数の鶏卵生産・販売事業者であり、一定の規模の経済を享受している。大規模な生産設備や広範な販売網は、新規参入者にとって障壁となりうる。

ホクリヨウの強みは、鶏卵の生産から販売までを一貫して自社で行う体制と、食の安全に対する徹底した取り組みです。北海道内で初生雛から自社育成し、サルモネラワクチン接種、野生動物の侵入を防ぐウインドレス鶏舎、植物性飼料の使用、国際的な食品安全認証FSSC22000を取得したGP工場など、高い安全基準を維持しています。これにより、高品質で安全な卵を安定供給できる点が競争優位性となっています。また、北海道内での高いシェアも強みです。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針及び経営環境等① 経営方針当社は「グローバルな競争社会で成長発展していくために、常に将来を見通し、大胆に変化していく。」を経営方針としております。いまや鶏卵といえども国内情勢だけを見て経営判断できる時代ではなくなったと認識しております。国内、国外の動向を把握し、常に10年後の近未来を予測し、過去、現在の仕事のやり方に固執することなく積極的かつ大胆に変化していく事が肝要です。 ② 経営環境 当事業年度における日本経済は、堅調な企業業績と2年連続のベースアップに支えられ、個人消費も持ち直しの傾向を示してきました。しかしながら本年1月に発足した第2次トランプ政権によるアメリカファースト型通商政策により世界経済は混乱状態に陥り、ウクライナ情勢、中東情勢にも改善の兆しが見えず、国内外の政治、経済情勢は急速に不透明感を増しております。 鳥インフルエンザについては日本でも3年前の秋から大流行し全国で「卵ショック」と言われる極端な卵不足が起こったことは記憶に新しいところですが、昨年秋に再び感染が広がり今年2月までに全国で840万羽を超える採卵鶏が淘汰されました。世界的には北米でも昨年秋から大流行し、さらに感染が牛や人にまで広がるなど経営上最大のリスクとなっています。 (2)経営戦略等① 事業領域の拡大当社の持続的成長のため、引き続き事業領域の拡大に注力してまいります。当社が3年前に市場に投入したエビアリー(多段式平飼い)卵は販売地域の拡大、販売チャネルの多様化を通じ順調に販売数量を増加させています。またエビアリー卵を生産している宮城県の農場から発生する鶏糞についても2年前から東南アジアへの輸出を本格化させ、順調に数量を伸ばしております。当社の事業領域拡大を達成するためのもう一つの手段がM&Aです。当社はこれまでの国内でM&Aにより規模を拡大してきましたが、今後とも国内、アジアにおける資本参加案件、M&A案件について事業性を見極めつつ積極的に検討を続けてまいります。 ② 相場に左右されない収益体質の構築鶏卵は相場商品であり、このため当社収益も相場動向に左右されやすい収益構造になりがちです。当社は相場に左右されない収益体質構築のため、販売価格が比較的安定し、相場の影響を受けにくい「付加価値卵」(各種栄養成分を強化した卵、アニマルウェルフェアを意識した平飼い卵)の生産、拡販に引き続き注力してまいります。 ③ 農場生産成績向上による鶏卵生産コストの引き下げ生産コストの引き下げはメーカーでもある当社にとって永遠の取り組み課題です。最新技術を導入した鶏舎への建替え、飼料成分・飼育環境の改良、徹底した防疫対策を通じ、鶏卵生産成績の向上とコスト削減に取り組んでまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社の事業は製品の定価販売が可能な製造業と異なり、製品たる鶏卵、原料である飼料ともその価格が相場に大きく左右されます。このため売上高総利益率等の指標を計画や経営上の目標とすることはかえって経営の本質を見誤る危険性を含んでいるため、事業計画上これらの指標に目標を設定しておりません。代わりに各事業毎の事業成績目標の達成状況を判断するため、産卵率、平均卵重、飼料要求率(卵を産むためにどれだけの餌が必要かを示す指標)、一人一時間当たり製造量(パック詰め等作業)、相場差(販売単価と鶏卵相場の価格差)等の生産・製造・販売に関連する指標を当社では重視しており、結果として売上高総利益率の改善につながるような事業活動を行っております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題  ①高病原性鳥インフルエンザ感染防止対策の徹底一昨年4月に当社千歳農場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されてから当社はこの事故を教訓に鳥インフルエンザ再発防止のための投資を毎年行っております。昨年度は野生動物が農場に入ることを防ぐための塀の建設や、ウイルスを媒介すると考えられているカラスが鶏舎に飛来するのを防ぐための投資を行いました。今年はさらに千歳農場において、古い鶏舎を野生動物の進入が困難な鶏舎に建て替えるなどの対策を実行していきます。  ②ケージフリー卵の生産・販売当社はアニマルウェルフェアへの取組の一つとして3年前より宮城県において生産したケージフリー卵の東海、関東、東北、北海道での販売を開始、順調に販売量を伸ばしていますが、本年度はさらに販売チャネルの多角化、業務用用途の拡大を通じて販売数量の増加に取り組んでまいります。  ③人材の確保当社拠点がある北海道、岩手、宮城では生産年齢人口減少から採用環境は年々厳しくなってきています。当社としてはこれまでも年間休日の増加、初任給の引上げ等の対策を講じてきましたが、今後は採用ルートの多角化、雇用形態の多様化、入社後の社員研修の充実等を通じて優秀な人材の採用、確保につなげていきます。  ④事業領域の拡大日本は少子化により14年連続で人口が減少していますが、特に当社の主たる市場である北海道では全国平均の倍以上のスピードで人口減少が進んでいます。当社としては販売市場の拡大策として、アジア向け鶏卵、発酵鶏糞肥料輸出に引き続き注力しています。これに加え、国内外においてM&A、資本参加案件を積極的に検討し、これらを通じて事業領域の拡大に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針及び経営環境等① 経営方針当社は「グローバルな競争社会で成長発展していくために、常に将来を見通し、大胆に変化していく。」を経営方針としております。いまや鶏卵といえども国内情勢だけを見て経営判断できる時代ではなくなったと認識しております。国内、国外の動向を把握し、常に10年後の近未来を予測し、過去、現在の仕事のやり方に固執することなく積極的かつ大胆に変化していく事が肝要です。 ② 経営環境 当事業年度における日本経済は、堅調な企業業績と2年連続のベースアップに支えられ、個人消費も持ち直しの傾向を示してきました。しかしながら本年1月に発足した第2次トランプ政権によるアメリカファースト型通商政策により世界経済は混乱状態に陥り、ウクライナ情勢、中東情勢にも改善の兆しが見えず、国内外の政治、経済情勢は急速に不透明感を増しております。 鳥インフルエンザについては日本でも3年前の秋から大流行し全国で「卵ショック」と言われる極端な卵不足が起こったことは記憶に新しいところですが、昨年秋に再び感染が広がり今年2月までに全国で840万羽を超える採卵鶏が淘汰されました。世界的には北米でも昨年秋から大流行し、さらに感染が牛や人にまで広がるなど経営上最大のリスクとなっています。 (2)経営戦略等① 事業領域の拡大当社の持続的成長のため、引き続き事業領域の拡大に注力してまいります。当社が3年前に市場に投入したエビアリー(多段式平飼い)卵は販売地域の拡大、販売チャネルの多様化を通じ順調に販売数量を増加させています。またエビアリー卵を生産している宮城県の農場から発生する鶏糞についても2年前から東南アジアへの輸出を本格化させ、順調に数量を伸ばしております。当社の事業領域拡大を達成するためのもう一つの手段がM&Aです。当社はこれまでの国内でM&Aにより規模を拡大してきましたが、今後とも国内、アジアにおける資本参加案件、M&A案件について事業性を見極めつつ積極的に検討を続けてまいります。 ② 相場に左右されない収益体質の構築鶏卵は相場商品であり、このため当社収益も相場動向に左右されやすい収益構造になりがちです。当社は相場に左右されない収益体質構築のため、販売価格が比較的安定し、相場の影響を受けにくい「付加価値卵」(各種栄養成分を強化した卵、アニマルウェルフェアを意識した平飼い卵)の生産、拡販に引き続き注力してまいります。 ③ 農場生産成績向上による鶏卵生産コストの引き下げ生産コストの引き下げはメーカーでもある当社にとって永遠の取り組み課題です。最新技術を導入した鶏舎への建替え、飼料成分・飼育環境の改良、徹底した防疫対策を通じ、鶏卵生産成績の向上とコスト削減に取り組んでまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社の事業は製品の定価販売が可能な製造業と異なり、製品たる鶏卵、原料である飼料ともその価格が相場に大きく左右されます。このため売上高総利益率等の指標を計画や経営上の目標とすることはかえって経営の本質を見誤る危険性を含んでいるため、事業計画上これらの指標に目標を設定しておりません。代わりに各事業毎の事業成績目標の達成状況を判断するため、産卵率、平均卵重、飼料要求率(卵を産むためにどれだけの餌が必要かを示す指標)、一人一時間当たり製造量(パック詰め等作業)、相場差(販売単価と鶏卵相場の価格差)等の生産・製造・販売に関連する指標を当社では重視しており、結果として売上高総利益率の改善につながるような事業活動を行っております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題  ①高病原性鳥インフルエンザ感染防止対策の徹底一昨年4月に当社千歳農場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されてから当社はこの事故を教訓に鳥インフルエンザ再発防止のための投資を毎年行っております。昨年度は野生動物が農場に入ることを防ぐための塀の建設や、ウイルスを媒介すると考えられているカラスが鶏舎に飛来するのを防ぐための投資を行いました。今年はさらに千歳農場において、古い鶏舎を野生動物の進入が困難な鶏舎に建て替えるなどの対策を実行していきます。  ②ケージフリー卵の生産・販売当社はアニマルウェルフェアへの取組の一つとして3年前より宮城県において生産したケージフリー卵の東海、関東、東北、北海道での販売を開始、順調に販売量を伸ばしていますが、本年度はさらに販売チャネルの多角化、業務用用途の拡大を通じて販売数量の増加に取り組んでまいります。  ③人材の確保当社拠点がある北海道、岩手、宮城では生産年齢人口減少から採用環境は年々厳しくなってきています。当社としてはこれまでも年間休日の増加、初任給の引上げ等の対策を講じてきましたが、今後は採用ルートの多角化、雇用形態の多様化、入社後の社員研修の充実等を通じて優秀な人材の採用、確保につなげていきます。  ④事業領域の拡大日本は少子化により14年連続で人口が減少していますが、特に当社の主たる市場である北海道では全国平均の倍以上のスピードで人口減少が進んでいます。当社としては販売市場の拡大策として、アジア向け鶏卵、発酵鶏糞肥料輸出に引き続き注力しています。これに加え、国内外においてM&A、資本参加案件を積極的に検討し、これらを通じて事業領域の拡大に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a.財政状態(資産合計) 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べて1,451百万円増加し19,216百万円となりました。 流動資産は、前事業年度末に比べて450百万円増加し6,795百万円となりました。これは、主として現金及び預金が293百万円、売掛金が189百万円増加した一方で、未収入金が74百万円減少したこと等によるものです。 固定資産は、前事業年度末に比べて1,001百万円増加し12,420百万円となりました。これは、主として建物が777百万円、構築物が181百万円増加したこと等によるものです。 なお、当事業年度において実施いたしました設備投資の総額は2,129百万円であります。これらの資金は自己資金でまかなっております。 (負債合計) 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べて383百万円減少し5,062百万円となりました。 流動負債は、前事業年度末に比べて93百万円減少し3,555百万円となりました。これは、主として未払法人税等が202百万円、その他が43百万円増加した一方で、買掛金が175百万円、電子記録債務が67百万円、設備関係支払手形が104百万円それぞれ減少したこと等によるものです。 固定負債は、前事業年度末に比べて289百万円減少し1,507百万円となりました。これは主として長期借入金が294百万円減少したこと等によるものです。 (純資産合計) 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて1,835百万円増加し14,153百万円となりました。これは、剰余金の配当を338百万円計上したものの、当期純利益を2,181百万円計上したこと等によるものです。 b.経営成績 鶏卵業界におきましては、昨年1月以降相場は低迷を続けてまいりましたが、10月以降高病原性鳥インフルエンザの感染により840万羽を超える採卵鶏が淘汰され、相場は秋以降上昇に転じました。この結果当事業年度平均鶏卵相場は、北海道Mサイズが1キロ264円65銭と前年比31円1銭安、東京Mサイズは1キロ258円99銭と前年比17円50銭安となりました。 当社は高止まりする飼料価格や物流費、人件費の増加に対応するため、販売価格の改定、差別化卵の拡販に注力してきました。この結果、当事業年度の業績は、売上高は19,397百万円(前期比2.6%増)、営業利益は1,925百万円(前期比14.2%減)、経常利益は2,001百万円(前期比13.6%減)、当期純利益は2,181百万円(前期比31.7%増)となりました。 なお、当社は鶏卵事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。  ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べて293百万円増加し、4,194百万円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、3,216百万円の収入(前事業年度は3,376百万円の収入)となりました。これは主として、税引前当期純利益3,080百万円、減価償却費1,126百万円等による資金の増加が、法人税等の支払額677百万円、仕入債務の減少額243百万円等による減少を上回ったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、2,258百万円の支出(前事業年度は1,282百万円の支出)となりました。これは主として有形固定資産の取得2,122百万円等による資金の減少等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、663百万円の支出(前事業年度は722百万円の支出)となりました。これは主として長期借入金の返済302百万円、配当金の支払338百万円等による資金の減少によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社の事業は鶏卵事業の単一セグメントであり、当事業年度における生産実績は区分別に記載しております。区分別当事業年度(百万円)(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)前年同期比(%)鶏 卵14,9335.9鶏糞肥料1020.9レンダリング1938.2食 品1256.5合計15,3545.9 (注)金額は製造原価によっております。 b.商品仕入実績 当社の事業は鶏卵事業の単一セグメントであり、当事業年度における商品仕入実績は区分別に記載しております。区分別当事業年度(百万円)(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)前年同期比(%)鶏 卵109△16.5食 品124△65.3その他0△5.7合計234△52.3 (注)金額は仕入価格によっております。 c.受注実績 当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 d.販売実績 当社の事業は鶏卵事業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は区分別に記載しております。区分別当事業年度(百万円)(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)前年同期比(%)鶏 卵18,9724.0鶏糞肥料242.0レンダリング9133.0食 品308△45.3その他0△3.4合計19,3972.6 (注)総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りです。 当社鶏卵販売数量は2年前に鳥インフルエンザが発生した千歳農場で生産量が回復したことから前期比12.64%増加しましたが、鶏卵相場は全国で鶏卵供給量が増加したことでMサイズ平均の前期比で北海道相場は10.5%、東京相場は6.3%下落しました。その結果、売上高は前期比2.6%の増加の19,397百万円となりました。 売上高総利益率は19.6%と前期比1.1ポイント悪化しました。営業利益については、主に卵価相場の下落等により前期比319百万円減少の1,925百万円となりました。また、当期純利益は特別利益としてへい殺畜等手当金及び家畜防疫互助金合計1,064百万円を計上したことから2,181百万円となりました。 当社が経営管理上重視している道内市場占有率、販売重量、農場における飼料要求率、製造部門における稼働率等の管理指標はほぼ計画通りとなりました。これらの点から当社の収益構造を支える基礎的な体力は維持されていると判断しております。 今後については経営戦略に掲げた事業領域の拡大、付加価値卵の拡販、農場成績向上に加え、販売単価の改定や物流の合理化によるコスト削減等を確実に実行し、当社収益構造の改善を達成してまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当事業年度キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資金需要動向については以下の通りです。 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは飼料費、初生雛費、大雛費、各事業についての一般管理費等があります。設備資金需要としては、鶏舎の建替え、GP工場の機械更新、情報処理投資等があります。 資金調達及び流動性確保に関する認識は以下の通りです。 当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入による資金調達を行っております。尚、当社のD/Eレシオは0.10と極めて低く、当面の資金調達余力に問題はないと認識しております。 新型コロナウイルス感染症による当事業年度のキャッシュ・フローへの影響につきましては、「3 事業等のリスク (1)事業環境に関するリスク ⑤新型コロナウイルスの影響について」に記載の通りであります。また、鳥インフルエンザ感染による影響につきましては、「3 事業等のリスク (2)事業活動に関するリスク ③鳥インフルエンザ発生による殺処分、移動制限等」に記載の通りであります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

主なリスクとして、鶏卵の市場価格変動が挙げられます。鶏卵は相場商品であるため、価格の低迷が長期化すると業績に影響が出る可能性があります。また、鶏卵生産コストの約60%を占める飼料の価格変動もリスクです。さらに、食品の安全・衛生問題、特にサルモネラ食中毒や鳥インフルエンザの発生は、殺処分や移動制限により生産能力の低下や売上減少に繋がり、経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,071 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)事業環境に関するリスク① 鶏卵相場の変動性 当社は鶏卵を主力商品として生産及び販売しており、鶏卵相場の変動によるリスクにさらされております。当社では、相場変動リスクを軽減するため、鶏卵相場に左右されない固定単価で販売可能な特殊卵へのシフトを進めてきた結果、鶏卵販売重量の約40%が特殊卵となっております。また、鶏卵相場の変動に対する負担増が軽減される卵価安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、国内の需要バランスが崩れ供給過剰となり、鶏卵相場の低迷が長期にわたった場合は、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (注) 鶏卵生産者経営安定対策事業(通称 卵価安定基金制度)について 本制度は卵価低落時に価格差補填交付金を交付することによって鶏卵生産者の経営の安定を図るもので現在は一般社団法人日本養鶏協会が事業主体となっています。 まず、毎年「補填基準価格」が決められますが、2025年度(2025年4月~2026年3月)は230円となっております。「標準取引価格」(JA全農たまご株式会社の東日本営業所(東京相場)と同西日本営業所(大阪相場)の加重平均取引価格…取引の実績)が補填基準価格を下回った場合、下回った価格の90%が交付される仕組みです。加入者はキロ当たり5円程度の積立てを行います。また、支給額の16.7%は国からの補助金となります。 卵価安定基金支払及び卵価安定基金収入は販売費及び一般管理費で処理しております。 ② 業績の季節変動について 当社の売上高及び営業利益は上述の通り、鶏卵相場の推移によって大きく変動します。例年、鶏卵相場は1月の初市で大きく下落しますが2月にかけて上昇し、4月までは比較的高値圏で推移し、5月の連休以降は下落傾向になり、夏場にかけてかなり下落し、8月後半から9月にかけて上昇し、10~12月の需要期に高値推移という一定のリズムの季節変動性を持っています。 この要因は気候の良くなる春先から一羽あたりの産卵が向上する反面、暑い夏場に向けて外食産業や一般家庭の消費が減退し、供給過剰になるためです。逆に、秋から冬にかけて卵価は高くなりますが、これは鍋物、クリスマスケーキなどに代表される冬季食品の伸びによる需要の増加のためです。 このような鶏卵相場特有の季節的変動のため、業績の比重が下期に高く、当社の利益は第3四半期会計期間に偏重する傾向があります。 ③ 原料価格の変動 当社の鶏卵生産の原価の60%程度は飼料費であります。飼料価格は、作況、船運賃、為替変動や世界的な需要動向に左右されるため、当社では自社の研究鶏舎において飼料コスト低減のために給餌方法の試験を実施しております。飼料コストの低減を研究することによって、飼料価格の上昇を吸収し生産原価の低減に努めております。また、飼料価格の変動に対する負担増が軽減される飼料安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、飼料価格が大きく上昇し十分なコスト削減ができなかった場合、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (注) 配合飼料価格差補填事業(通称 飼料安定基金制度)について 本制度は原料価格に起因する配合飼料価格の変動によって生ずる畜産経営者の損失を補てんすることにより畜産経営の安定を図るもので、現在は一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金と一般社団法人全国配合飼料供給安定基金が事業主体となっています。 当社が加入している全日本配合飼料価格畜産安定基金を例にとると生産者がトン当たり800円、配合飼料製造会社がトン当たり1,600円(2025年度)を積立てます。そして、当該四半期の配合飼料の輸入原料価格が直前1年間に係る配合飼料輸入原料価格の平均価格を上回るとき、その上回る額を限度として補てん金が交付されます。 飼料安定基金支払及び飼料安定基金収入は製造原価で処理しております。 ④ 卵価安定基金制度及び飼料安定基金制度の基金不足 養鶏経営の健全な発展を目的として、既述の通り卵価安定基金制度と飼料安定基金制度の仕組みが形成されています。 当社も、同制度が相場の変動及び飼料価格の変動に対する負担増が軽減される仕組みとなっていることから、これらの安定基金制度に加入(積立て)しております。しかしながら、これらの基金制度は、卵価低迷又は飼料価格高騰が長期化する場合には基金不足により充分に機能せず、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 新型コロナウイルスの影響について 2020年以降感染が拡大した新型コロナウイルス感染症とそれに伴う緊急事態宣言、まん延防止等重点措置は、鶏卵消費にとっても大きなマイナスの影響を与え鶏卵相場の下落要因となりました。昨年から感染症は沈静化の様相を示し、その影響は徐々に薄れてきております。しかしながら、もし再び感染者やそれに伴う死者が急増し、まん延防止等重点措置を含む緊急対策が実施された場合には、相場の急落を通じて当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業活動に関するリスク① 単品経営(鶏卵依存) 当社の売上のほとんどは鶏卵販売が占めており、かつ上述の(1)①において記載のとおり、相場商品であることから、利益は鶏卵相場により大きく変動する可能性があります。当社としては、鶏卵生産コスト低減のため、自社研究鶏舎において生産性向上のための様々な研究の実施により有効な研究結果を一般鶏舎に適用し、鶏卵相場が低迷しても利益を計上できるような体質づくりを進めております。しかしながら、これらの対策を上回る価格変動が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ② 食品の安全・衛生問題について 当社におきましては、安全・安心で高品質な製品を提供するために最新鋭設備の導入や製品の品質管理、従業員への衛生教育を行うなど、衛生問題には万全の注意を払っております。卵が原因であるサルモネラ食中毒は我が国では近年大きく減少しておりますが、生で食べる食品であるため食中毒のリスクを完全に排除することはできません。道内におきましては、健康な雛を当社農場で育成し、かつ鶏舎単位で雛をすべて入れ替えるオールイン・オールアウト方式を採用し、鳥獣の侵入を防ぐウインドレス鶏舎での育成を実施しております。成鶏舎におきましてもウインドレス鶏舎にてHACCP手法を取入れた飼養管理をする他、GP工場においてパッキングする前に卵殻の塩素殺菌等を実施するなど様々なサルモネラ対策を実施しております。しかしながら、今後、偶発的な事由によるものも含めて、当社製品を起因とした安全衛生問題が発生する可能性があり、もし発生した場合は当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 鳥インフルエンザ発生による殺処分、移動制限等 当社は2年前の千歳農場における感染を教訓に感染防止対策にはより一層注力して参りますが、今後とも感染リスクを100%排除することは出来ません。 当社の成鶏で鳥インフルエンザが発生した場合、原則として鶏は殺処分となり、淘汰した羽数に対応した鶏卵供給力が減少します。感染前の供給力に戻るまでには1年程度の時間がかかることから、この間の売上減少を通じて当社の経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼすことになります。 当社の育成農場に鳥インフルエンザが感染した場合、当社は育成農場を予め分散して建設しているため生産機能が全滅することはありませんが、育成農場から成鶏農場への大雛供給に支障を来たし、生産計画に重要な影響を及ぼす可能性があります。 また当社農場の近隣で鳥インフルエンザが発生した場合、近隣農場は一時的に鶏や鶏卵の移動制限を受けるため、その間出荷が出来なくなる可能性があります。 ④ 鶏糞処理 家畜の糞尿処理については「家畜排せつ物の管理適正化及び利用の促進に関する法律」により適切に処理することとなっています。家畜排せつ物は不適切な管理によって、環境問題の発生源となりうる側面を有する一方で、堆肥化など適切な処理を施すことによって土地改良資材や肥料としての有効活用が期待され貴重な資源としての側面も有するものといえます。当社では鶏の排せつ物がこの対象となり、鶏糞のほとんどは肥料として近隣農家へ無償で譲渡しております。 しかしながら、鶏糞処理が円滑に行われなければ当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制によるリスク 当社では、コンプライアンスを経営上の重要な課題と位置付け、その強化に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできません。当社の事業活動が法令や規制に抵触するような事態が発生したり、予期せぬ法令や規制の新設・変更が行われたりした場合、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (4)自然災害のリスク 当社では自然災害への対策として生産、製造、営業、管理の各部門毎にBCPを作成しております。しかしながら、地震、台風などの自然災害が発生し、当社の農場・GP工場が想定外の大規模な被害を受けた場合には、事業活動が停滞し、また損害を被った設備の修復のため多額の費用が発生するなど、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

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