1377

サカタのタネ(1377)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

水産・農林業 食品

事業の概要

  • 主力事業
    野菜や花の種子、球根、苗木などを国内外の種苗会社や生産者へ卸売しています。
  • 収益源
    国内と海外の卸売事業が主な収益源で、特に海外事業の比重が大きいです。
  • その他事業
    一般消費者向けの小売販売(ホームセンター、通販)や造園工事なども行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 海外卸売事業
    売上高719.77億円、営業利益200.21億円と、グループ全体の稼ぎ頭です。
  • 国内卸売事業
    売上高126.61億円、営業利益47.6億円で、国内の種苗会社等へ卸販売しています。
  • 小売事業
    売上高45.31億円、営業利益-2.56億円で、一般消費者向けに商品を販売しています。
2025-05 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DomesticWholesalingReportableSegment 事業 127 48 37.6%
OverseasWholesalingReportableSegment 事業 720 200 27.8%
RetailingReportableSegment 事業 45 -3 -5.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,203 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社36社および関連会社3社により構成されており、園芸商材(野菜種子、花種子、球根、苗木、農園芸資材)の販売業務を営んでおります。事業内容と、当社および関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりです。(1) 国内卸売事業野菜種子、花種子、球根、苗木および農園芸資材等を生産もしくは仕入れ、国内の種苗会社等へ卸販売しております。 (2) 海外卸売事業野菜種子、花種子および苗木等を生産もしくは仕入れ、海外の種苗会社等へ卸販売しております。 (3) 小売事業一般園芸愛好家を対象とした商品を仕入れ、国内のホームセンター向けに販売しているほか、通信販売での販売を行っております。 (4) その他、全社(共通)官公庁・民間向け造園工事の施工・管理、人材派遣業務、研究開発の受託業務を行っております。 事業内容と当社および関係会社の当該事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりです。事業区分主な業務内容主要な会社国内卸売事業種苗会社、生産者への農園芸商材の卸売(扱い品目:野菜種子・花種子・球根・苗木)当社含む計3社当社(連結子会社)㈱サカタ ロジスティックス㈱ブロリード種苗会社、生産者への農園芸商材の卸売(扱い品目:農園芸資材)当社当社種苗会社、生産者への農園芸商材の生産(扱い品目:苗木)計3社(連結子会社)㈱山形セルトップ㈱飛騨セルトップ㈱福岡セルトップ海外卸売事業種苗会社、生産者への農園芸商材の卸売および生産(扱い品目:野菜種子・花種子・苗木)当社含む計32社当社(連結子会社)Sakata Seed America, Inc.Sakata Vegetables Europe S.A.S.Sakata Ornamentals Europe A/SSakata Seed Sudamerica Ltda.Sakata Seed Chile S.A.Sakata Korea Co., Ltd.坂田種苗(蘇州)有限公司Sakata Siam Seed Co., Ltd.Sakata Seed India Pvt Ltd.Sakata Vietnam Co., Ltd. ほか計29社(関連会社)NewBreed Ltd.Domina S.R.L.小売事業ホームセンターを通じた園芸愛好家への販売(扱い品目:野菜種子・花種子・球根・苗木・園芸資材)当社当社通信販売(扱い品目:野菜種子・花種子・球根・苗木・園芸資材)当社当社その他、全社(共通)造園工事・管理、人材派遣業、研究開発受託業務計3社(連結子会社)㈲サカタテクノサービスサカタのタネ グリーンサービス㈱(関連会社)Genetwister Holding B.V. 以上の企業集団等の状況について事業系統図を示すと次のとおりです。(2025年5月31日現在)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
育種開発による差別化と知的財産権保護により一定の価格決定力を持つ
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
10年以上を要する育種開発、育種工学の拡充、遺伝資源の保護、品種登録・特許
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:天候・自然災害リスク / 育種開発・知的財産権侵害リスク / 保有資産の価値変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
  • グローバル展開
    世界170カ国以上で事業を展開し、生産・販売のリスクを分散しています。
  • 育種技術力
    10年以上の歳月をかけて新品種を開発し、多様な環境に適応する品種を提供しています。
  • 知的財産保護
    品種登録や特許により、開発した優良品種の知的財産権を保護しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は、「品質・誠実・奉仕」を社是に掲げ、良質な商品とサービスの提供により世界の人々の生活文化向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指すこと、そして顧客、取引先、サカタグループの三者が共に栄える「三者共栄」、社員、経営者、株主は一体であり共に繁栄する「三位一体」、地球上の自然とその自然に内包される社会、そして社会に帰属する企業の持続的な共生を目指す「三層共生」を経営理念として掲げています。当社は、採算性と財務の健全性を重視する堅実な経営と株主利益の追求によって企業価値の増大に努めます。また、生産者にも消費者にも喜んでいただける「野菜と花の種苗」をいち早く開発するとともに、高品質種子の安定生産と供給を実現することによって、世界の種苗界をリードする種苗会社として躍進することを目指します。 (2) 経営環境及び対処すべき課題世界的な大規模自然災害や地球温暖化などの大きな課題が山積する中で、今まで以上の高い付加価値を種苗に付与し、それを生産者の方々に安定供給すること、そして、持続可能な農業の実現、ひいては世界の人々の豊かな暮らしに貢献していくことが、私ども種苗会社に託された使命です。当社グループでは、事業活動を通じて、より良い社会の実現に貢献するとともに、企業としての更なる成長を目指してまいります。具体的には、下記の5つの事業戦略に基づき、当社の事業計画を推進しております。 ① 高収益ビジネスモデルの確立生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、当社では高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を確立いたします。 ② 各地域における健全な収益構造の構築と重点戦略の推進成長市場における市場拡大、成熟市場における高収益モデルの確立を行うことによって、アジア・北米・南米・欧州アフリカの各地域における健全な収益構造を確立いたします。また、成熟市場においては、戦略品目でのシェアの拡大、新興市場においては、野菜や花の消費需要喚起と地域栽培環境に応じた商品の開発等、具体的な重点戦略を立案、実行いたします。 ③ 安定供給と効率化を実現するサプライチェーンインフラの整備種子の安定供給を実現する生産体制・技術・機能を強化し、効率的なグローバルサプライチェーンマネジメント体制の実現に向けた仕組みづくりを行い、コストと在庫の削減を目指します。 ④ グローバルカンパニー実現に向けた人財育成、組織、マネジメント体制の構築日本国籍のグローバルカンパニー実現に向けた人的資源の管理体制の構築や、経営体制の整備とグループマネジメントの高度化をさらに進めます。 ⑤ 経営の効率化を実現するグローバルIT基盤の整備情報系、会計、サプライチェーン管理のシステムを再整備し、グローバルに最適な事業管理、経営判断を支援するITシステム基盤を構築します。 当社グループは、「良質な商品とサービスの提供により世界の人々の生活文化向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指す」こと、そして顧客、取引先、サカタグループの三者が共に栄える「三者共栄」、社員、経営者、株主は一体であり共に繁栄する「三位一体」、地球上の自然とその自然に内包される社会、そして社会に帰属する企業の持続的な共生を目指す「三層共生」を経営理念として掲げております。このうち、「三層共生」はサステナビリティへの取り組みを明確にするため、2022年に新たに経営理念に位置付けられました。自然環境は地球上の生命維持システムであり、社会は人の暮らしや企業活動を支える基盤です。そして企業は、自然や社会から新たな価値を創出していきます。引き続き、当社グループの持つ資本と強みを生かした価値創造プロセスを通じて、これらの重要課題を解決し、より良い社会の実現に貢献してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は、「品質・誠実・奉仕」を社是に掲げ、良質な商品とサービスの提供により世界の人々の生活文化向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指すこと、そして顧客、取引先、サカタグループの三者が共に栄える「三者共栄」、社員、経営者、株主は一体であり共に繁栄する「三位一体」、地球上の自然とその自然に内包される社会、そして社会に帰属する企業の持続的な共生を目指す「三層共生」を経営理念として掲げています。当社は、採算性と財務の健全性を重視する堅実な経営と株主利益の追求によって企業価値の増大に努めます。また、生産者にも消費者にも喜んでいただける「野菜と花の種苗」をいち早く開発するとともに、高品質種子の安定生産と供給を実現することによって、世界の種苗界をリードする種苗会社として躍進することを目指します。 (2) 経営環境及び対処すべき課題世界的な大規模自然災害や地球温暖化などの大きな課題が山積する中で、今まで以上の高い付加価値を種苗に付与し、それを生産者の方々に安定供給すること、そして、持続可能な農業の実現、ひいては世界の人々の豊かな暮らしに貢献していくことが、私ども種苗会社に託された使命です。当社グループでは、事業活動を通じて、より良い社会の実現に貢献するとともに、企業としての更なる成長を目指してまいります。具体的には、下記の5つの事業戦略に基づき、当社の事業計画を推進しております。 ① 高収益ビジネスモデルの確立生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、当社では高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を確立いたします。 ② 各地域における健全な収益構造の構築と重点戦略の推進成長市場における市場拡大、成熟市場における高収益モデルの確立を行うことによって、アジア・北米・南米・欧州アフリカの各地域における健全な収益構造を確立いたします。また、成熟市場においては、戦略品目でのシェアの拡大、新興市場においては、野菜や花の消費需要喚起と地域栽培環境に応じた商品の開発等、具体的な重点戦略を立案、実行いたします。 ③ 安定供給と効率化を実現するサプライチェーンインフラの整備種子の安定供給を実現する生産体制・技術・機能を強化し、効率的なグローバルサプライチェーンマネジメント体制の実現に向けた仕組みづくりを行い、コストと在庫の削減を目指します。 ④ グローバルカンパニー実現に向けた人財育成、組織、マネジメント体制の構築日本国籍のグローバルカンパニー実現に向けた人的資源の管理体制の構築や、経営体制の整備とグループマネジメントの高度化をさらに進めます。 ⑤ 経営の効率化を実現するグローバルIT基盤の整備情報系、会計、サプライチェーン管理のシステムを再整備し、グローバルに最適な事業管理、経営判断を支援するITシステム基盤を構築します。 当社グループは、「良質な商品とサービスの提供により世界の人々の生活文化向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指す」こと、そして顧客、取引先、サカタグループの三者が共に栄える「三者共栄」、社員、経営者、株主は一体であり共に繁栄する「三位一体」、地球上の自然とその自然に内包される社会、そして社会に帰属する企業の持続的な共生を目指す「三層共生」を経営理念として掲げております。このうち、「三層共生」はサステナビリティへの取り組みを明確にするため、2022年に新たに経営理念に位置付けられました。自然環境は地球上の生命維持システムであり、社会は人の暮らしや企業活動を支える基盤です。そして企業は、自然や社会から新たな価値を創出していきます。引き続き、当社グループの持つ資本と強みを生かした価値創造プロセスを通じて、これらの重要課題を解決し、より良い社会の実現に貢献してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要① 経営成績の状況当社グループの当連結会計年度(2024年6月1日から2025年5月31日まで)における業績は、売上高は929億20百万円(前期比42億42百万円、4.8%増)、営業利益は122億57百万円(前期比17億61百万円、16.8%増)、経常利益は123億11百万円(前期比11億86百万円、10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は97億11百万円(前期比64億50百万円、39.9%減)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)資産合計は、1,909億86百万円(前連結会計年度末比17億31百万円減少)となりました。・流動資産:商品及び製品が増加した一方、現金及び預金が減少したことなどにより29億98百万円減少・固定資産:投資有価証券が減少した一方、土地が増加したことなどにより12億67百万円増加 (負債)負債合計は、292億17百万円(前連結会計年度末比29億66百万円減少)となりました。・流動負債:支払手形及び買掛金が増加した一方、未払法人税等が減少したことなどにより28億69百万円減少・固定負債:繰延税金負債が増加した一方、長期借入金が減少したことなどにより97百万円減少 (純資産)純資産合計は、1,617億68百万円(前連結会計年度末比12億35百万円増加)となりました。・株主資本:親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払などにより44億88百万円増加・その他の包括利益累計額:その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の減少などにより32億64百万円減少 以上の結果、自己資本比率は84.5%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比21億81百万円増加し、224億45百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、51億円(前期比18億66百万円の収入の減少)となりました。・主な増加要因:税金等調整前当期純利益135億46百万円の計上、減価償却費46億10百万円の計上・主な減少要因:法人税等の支払額86億62百万円の計上、棚卸資産の増加40億44百万円の計上、固定資産売却益24億20百万円の計上 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、40億66百万円(前期比83億15百万円の収入の増加)となりました。・主な増加要因:定期預金の払戻による収入101億71百万円の計上、有形固定資産の売却による収入29億64百万円の計上・主な減少要因:有形固定資産の取得による支出70億円の計上、定期預金の預入による支出12億42百万円の計上 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、△66億69百万円(前期比24億51百万円の支出の増加)となりました。・主な減少要因:配当金の支払額30億69百万円の計上、自己株式の取得による支出21億54百万円の計上 ④ 仕入および販売の実績a.仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)前期比(%)国内卸売事業(百万円)6,813△10.5海外卸売事業(百万円)26,3793.9小売事業(百万円)2,999△10.6報告セグメント計(百万円)36,192△0.5その他(百万円)3,1527.8合計(百万円)39,3450.1 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)前期比(%)国内卸売事業(百万円)12,6612.8海外卸売事業(百万円)71,9775.8小売事業(百万円)4,531△7.9報告セグメント計(百万円)89,1704.6その他(百万円)3,74910.4合計(百万円)92,9204.8 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2024年6月1日から2025年5月31日まで)におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の復調などにより緩やかな回復基調が続いたものの、物価上昇が個人消費改善の重石となりました。世界経済においては、ウクライナ、中東情勢を巡る地政学リスクや中国経済への懸念に加え、関税をはじめとする米国政策動向の不確実性など、先行き不透明な状況が続きました。このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、海外で野菜種子と花種子の販売が好調に推移したこと、国内でも野菜種子と資材が好調に推移したことから、売上高は929億20百万円(前期比42億42百万円、4.8%増)となりました。品目別では、野菜種子はブロッコリー、トマト、カボチャ、スイカ、ネギ、花種子はトルコギキョウ、ヒマワリ、ストック、キンギョソウが好調に推移いたしました。 売上総利益は、増収と利益率の向上により、大幅な増益となりました。販売費及び一般管理費は、海外での事業拡大による人員増加や、欧米を中心に給与水準の大幅な上昇により人件費が大きく伸びたこと、また業務委託費や減価償却費なども伸び、前期比増加いたしましたが、売上総利益の増益額が販管費の増加分を吸収し、営業利益は122億57百万円(前期比17億61百万円、16.8%増)となりました。経常利益は、為替差損益が悪化いたしましたが、営業利益の増加により、123億11百万円(前期比11億86百万円、10.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した遊休資産売却による固定資産売却益の剥落により減少し、97億11百万円(前期比64億50百万円、39.9%減)となりました。 2025年1月に公表した業績予想に対しては、売上高は5億79百万円下回りましたが、営業利益は12億57百万円、経常利益は13億11百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7億11百万円、それぞれ上回りました。なお、売上高と営業利益、経常利益は過去最高を更新いたしました。 セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。a.国内卸売事業国内卸売事業は、花種子は減収となりましたが、野菜種子、資材の売上が伸びたことから、前期比増収となりました。品目別では、野菜種子は、ブロッコリー、キャベツ、ネギ、トマトが増加いたしました。ブロッコリーとキャベツは、耐暑性などが高く評価されたこと、トマトは新品種や台木用品種が新規導入されたこと、ネギも新品種の拡大により、好調に推移いたしました。花種子は、パンジー・ビオラが増加いたしましたが、花の需要停滞の影響を受け、全般的に低調に推移いたしました。資材は、農業用フィルム、遮光遮熱資材のほか、環境制御機器、新商品「GAXY(ギャクシー)」をはじめとするバイオスティミュラント資材などの売上が増加いたしました。これらの結果、外部顧客への売上高は126億61百万円(前期比3億41百万円、2.8%増)、営業利益は47億60百万円(前期比2億13百万円、4.3%減)となりました。また、国内卸売事業の総資産は前期比12億69百万円増(6.3%増)の214億45百万円となりました。 b.海外卸売事業海外卸売事業は、アジアでは減収となりましたが、その他の北中米、欧州・中近東、南米において野菜種子、花種子ともに売上を伸ばし、前期比増収となりました。地域ごとの現地通貨ベースの業績は次の通りです。北中米は、スイカが大きく伸びたほか、ブロッコリー、トマト、ペッパー、ヒマワリなども好調に推移いたしました。欧州・中近東は、カボチャ、ブロッコリー、トマト、トルコギキョウが増加いたしました。カボチャはスペインでズッキーニタイプの品種、トマトは中央アジアと北アフリカ向けが増加いたしました。南米は、メロン、ペッパー、トマト、ヒマワリが増加いたしました。また、2023年12月に取得した連結子会社Isla Sementes Ltda.による増収効果も寄与いたしました。アジアは、ブロッコリー、ネギ、キャベツ、トルコギキョウが増加いたしましたが、ニンジンが市況の悪化などから大幅に減少したほか、ペッパーやヒマワリも減少し、減収となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は719億77百万円(前期比39億35百万円、5.8%増)、営業利益は200億21百万円(前期比17億81百万円、9.8%増)となりました。また、海外卸売事業の総資産は前期比46億4百万円増(4.0%増)の1,190億72百万円となりました。 c.小売事業通信販売分野は、SNSを活用した販売促進活動の強化などにより野菜種子が好調に推移し、前期比増収となりました。量販店向けのホームガーデン分野は、天候不順によりマーケット全般が低調に推移し、前期比減収となりました。なお、直営店舗のガーデンセンター横浜を2023年12月に閉店したため、当該店舗における売上1億96百万円が前期比剥落しております。これらの結果、外部顧客への売上高は45億31百万円(前期比3億88百万円、7.9%減)、営業損益は2億56百万円の損失(前期は2億21百万円の損失)となりました。また、小売事業の総資産は前期比7百万円増(0.5%増)の14億18百万円となりました。 d.その他造園緑花分野は、資材や燃料の価格高騰など厳しい状況下にありましたが、大型公共工事が竣工したことにより、前期比増収となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は37億49百万円(前期比3億54百万円、10.4%増)、営業利益は1億5百万円(前期比54百万円、107.7%増)となりました。また、その他の総資産は前期比2億71百万円増(14.4%増)の21億47百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。 2021年5月期2022年5月期2023年5月期2024年5月期2025年5月期自己資本比率(%)83.984.985.783.184.5時価ベースの自己資本比率(%)124.5133.3107.676.878.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)24.514.817.652.256.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)94.694.3106.832.214.8 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。※2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。※3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。※4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。※5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 b.資金需要の主な内容当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等です。また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。 c.資金調達の可能性資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外各子会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、適切な対応が可能な体制をとっております。 ③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間を要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針としております。2025年1月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。一方、将来に向けた資本効率向上策や利益成長戦略が、外部からは見えにくいとのご指摘もあり、現行の長期経営計画が2026年5月期に最終年度を迎えるため、現在策定中の次期長期経営計画については、成長シナリオおよび目指す経営指標も含めて2026年7月に開示し、株主の皆様にその方針をご理解いただけるよう、ご説明の機会を設ける予定です。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。 a.棚卸資産の評価見積りによる影響「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。 b.固定資産の減損判定による影響当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産および遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。回収可能価額は、将来の利益計画に基づく将来キャッシュ・フローや不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。

事業リスク

  • 天候・自然災害
    種子の生育が天候に左右され、不作や災害が販売・生産に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 育種開発
    新品種開発には時間とコストがかかり、市場ニーズの変化や他社との競争で成果が出ないリスクがあります。
  • 為替変動
    海外での生産・販売が多いため、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,734 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 天候・自然災害リスク当社グループの主要販売商材である「種苗」の生育は天候に大きく左右されるため、天候状況は販売および生産に影響を与えます。まず販売面では、暴風雨などの自然災害や天候不良による不作などは生産者の活動に影響を与え、当社商材の販売が減少するリスクがあります。販売地域を世界170か国以上に広げたり、厳しい生育環境にも適応する品種を開発することなどによりリスクの軽減に努めていますが、世界的に異常気象は増加傾向にあると認識しており、各地における天候不良は売上の低迷をもたらす可能性があります。また、商品種子の生産については、天候不良により充分な品質や数量を確保できないリスクや生産コストが上昇するリスクがあります。このため世界19か国に生産を分散し、かつ同一地域でも複数の種子生産者にその生産を委託してリスク分散を図っているほか、一定量の安全在庫を保有することとしております。しかしながら、特に主要な産地において播種期から採種期までに大規模な天候変化や自然災害が生じた場合、欠品による売上減少や生産コストの大幅な上昇など、業績に悪影響を与える可能性があります。 (2) 育種開発リスク・知的財産権の侵害リスク育種開発リスクとしては、育種目標を設定してから10年以上を必要とする育種開発の性格上、投資コスト負担リスク、開発実現性リスク、商品ニーズが変化してしまうリスク、他社との開発競争リスク、新規育種技術の普及により参入障壁が下がり開発競争が激化するリスクなどがあります。さらに、育種研究者であるブリーダーが社外流出することにより、担当する品種の育成に障害が出て良質な商品の完成が難しくなるリスクや、遺伝資源の流出により模倣品が出回り知的財産が侵害されるリスクを有しております。当社グループでは、育種工学の拡充や社外研究機関との連携などを含めた研究開発体制の整備、開発者に対する報奨制度の導入やチーム体制での育種の採用、種苗法に基づく品種登録や特許などを用いての知的財産権保護などを行っておりますが、急激に需要が変化した場合や強力な他社品種が出現した場合などは、業績に悪影響を与える可能性があります。 (3) 保有資産の価値変動リスク当社グループは様々な資産を保有しておりますが、定期的な不動産の現状確認や政策保有株式に関する社内規程整備などの管理体制を構築し、適切な評価・管理に努めております。しかしながら、土地や有価証券などの資産価値が急激に下落した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、『(1) 天候・自然災害リスク』にて記載したとおり、商品種子の生産は天候条件に大きく左右されるという当社グループの事業の特性上、顧客への安定供給責任を果たし、事業を安定的に継続するための安全策として、棚卸資産である種子を一定量確保しているため、種子の品質低下や商品の需要変化などにより、棚卸資産の廃棄・評価損が増加するリスクがあります。品質や販売動向に基づき定期的に評価の見直しを行っておりますが、生産や販売実績が計画から大きく乖離した場合などには、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (4) 品質と安全性に関するリスク当社グループでは、創業者坂田武雄の唱えた社是「品質・誠実・奉仕」に則り、品質と安全性に対する信頼を最重要課題のひとつと位置づけ、品質管理部を設け当社の品質基準に照らした商品チェックを行うと同時に、お客様相談室を設けるなどして商品クレームに適切に対応できる体制を採っております。しかしながら、「生き物」である商品の性質上、品質の水準や均一性などに不測の事態が生じるケースや、種子に由来しない環境や生産技術面からのリスクが発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。 (5) カントリーリスク当社グループは、生産・研究開発・販売拠点として、日本を含めて全世界で23か国に事業展開を行っております。うち、農場および研究施設として、国内5か所、海外で12か国16か所に拠点を持っております。これらの事業展開地域の一部においては、次のようなリスクが内在しております。a.予期しない法律又は規制の制定又は改廃b.政治・経済の混乱c.テロ・紛争の発生などによる社会的混乱d.地震などの天変地異の発生e.コンピューターウイルスや諸情報の漏洩など、情報化に伴う問題の発生グローバルに事業を展開することで、販売や生産のリスク分散が図れるメリットはありますが、一定の地域において何らかのリスク事象が生じる可能性が高まる面もあります。拠点展開先の各国からは、常に情報を早期に収集し、迅速な意思決定ができるように、経営やリスク管理体制の強化を図っておりますが、これらの事象が発生した場合、当地での事業の継続、需要の大幅な低下、種子生産から撤退などのリスクがあり、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (6) 為替変動に関するリスク当社グループは海外各地において商品を生産・販売しており、各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、為替相場の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、業績に影響を与えます。また、当社グループが原材料および商品の一部を調達あるいは輸出している海外との取引は、為替変動の影響を受けます。こうした影響を最小限に止めるべく、当社グループでは通貨別金額の変化に常時注意を払っており、適切な管理体制の下、先物為替予約取引や通貨オプションなどを活用し、リスクの軽減に努めております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合などには、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (7) 取引先の信用リスク当社グループでは、国内外の様々な顧客や仕入先との取引を行っており、売掛金、前渡金などの信用供与を行っております。当社グループでは、定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額の設定、貸倒引当金の計上など、信用リスク管理のための施策を講じておりますが、取引先の財政状態の悪化や経営破綻等が生じた場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

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