経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループの経営方針は以下のとおりであります。(2)経営環境及び経営戦略等 当社グループは、「世の中を、テクノロジーでシンプルに。」をビジョンに掲げ、企業の成長とともに複雑化していく外部環境リスクへの守備体制の構築が不十分である日本企業に対して、テクノロジーを活用した情報管理の効率化等によりリスクの低減と企業成長の最大効率化を支援しております。 近年、様々な社会情勢の変化により企業を取り巻く外部環境が多様化し、規制強化等が行われてきました。ビジネスのグローバル化に伴う海外の法規制の適用拡大、巧妙で執拗なサイバー攻撃の頻発、生成AIの急速な普及、個人情報の規制強化、従来型のガバナンス体制の見直し等が挙げられます。 外部環境の変化により、企業は重要なシステムの停止、多額のリカバリー費用、信用失墜や取引減少等の経営に直結するリスクに晒されております。変化が起きる度に企業は対応を迫られるものの、欧米と比較して日本国内においては、ガバナンスの強化やセキュリティ対策の整備等、GRC及びセキュリティ領域への対応が遅れております。潜在的なリスクへの対応の遅れが不祥事の発生等に繋がり、昨今では情報がSNSの普及等により個人でも簡単に発信・拡散できるようになり、過去と比較して同様の不祥事であっても事業活動に与える影響が大きくなっていると考えております。当社グループはこの課題に対して専門性の高いサービス提供を行いながら、その必要性を啓蒙し、GRC及びセキュリティに対する意識向上を図ってまいります。 当社グループのビジネスモデルはGRC及びセキュリティ領域の様々な課題に対して、分析、解決、維持をワン・ストップで支援し、継続的なPDCAサイクルによりプロジェクトを積み増すフローとなっております。課題解決後に改善状態を維持することが重要であるため、モニタリング(運用支援)取引は継続性が高く売上高のストック部分となっております。 GRC及びセキュリティの領域における課題の可視化から解決までのプロセスは、企業活動の中で定期的に、かつ繰り返し行われることが望ましいことから、顧客との取引関係は長期間に及んでおり、そうした長期の取引関係の中で企業を守る伴走者となれるよう努めております。このプロセスを繰り返し行うことで、顧客の新たなニーズを捉え、解決策を提案しており、既存顧客の受注取引は増加しプロジェクトが継続する傾向にあります。その結果、成長性と安定性を実現する収益構造となっており、直近の売上構成は下記のとおりであります。 (単位:千円) 2023年11月期2024年11月期2025年11月期売上高構成比売上高構成比売上高構成比既存顧客2,529,95590.9%2,932,79389.2%3,140,34394.2%新規顧客253,9539.1%356,03210.8%193,3365.8%合計2,783,909100.0%3,288,826100.0%3,333,680100.0%(注)既存顧客は過年度より取引関係を有している企業とし、新規顧客との取引は翌期以降の既存顧客に含めております。 経営戦略としては、ソリューションとプロダクトの連携を強化・促進することで、顧客1社あたりの収益を拡大させてまいりました。顧客収益を下記のとおり年間取引金額別のフェーズに区分することで管理しております。 戦略①:年間売上高の拡大 フェーズB(取引金額3,000万円超5,000万円以下)以上に該当する顧客の増加に注力いたしました。当連結会計年度の実績は、フェーズB以上に該当する顧客は21社、その売上高合計は2,393,372千円であり、顧客数については前年度と同数となりました。戦略②:顧客層の開拓 将来的にフェーズB以上へ繋がるフェーズA以下の顧客層の開拓に注力いたしましたが、専門人材の不足等が影響しフェーズA以下の顧客数は前期比で2社増加に留まりました。 以上の実績から経営戦略のアップデートが必要と判断し、2026年11月期より経営戦略を転換いたします。これまでソリューションとプロダクトの連携を強化・促進することで、顧客1社あたりの収益を拡大させていく方針でしたが、2030年に向けて、自社プロダクトへのAIの実装による標準化サービスの開発に注力し、取引社数の拡大に重点を置く戦略に変更いたします。 2023年に向けた戦略戦略①:専門的知見の蓄積 当社はこれまで、高い専門性を持つ人材によるソリューション提供と、GRCセキュリティ領域に特化したプロダクトの提供により、15年以上にわたり国内有数のGRC専業企業としての実績がございます。特にレギュレーションが厳しく高水準のリスク管理体制が求められる大企業向けにサービスを提供してきたことで、専門性の高い知見を蓄積してまいりました。今後もサービス提供を通じ、GRCセキュリティ領域における企業課題の解決につながるデータやノウハウがさらに蓄積されてまいります。 戦略②:AI実装による標準化 企業が守るべき資産やリスク管理をすべき範囲は年々広がり複雑さを増していることから、本質的なリスク対策を進めるために運用の高度化や情報の一元管理、可視化に対する需要はますます高まっています。当社が蓄積してきた知見とAI技術を掛け合わせることで、当該領域の複雑な課題を解決するための標準モデルを確立し、サービス導入のハードルを下げてまいります。これにより、従来大企業向けに提供してきた年間取引額3,000万円規模のモデルを、年間取引額1,000万円程度にパッケージ化し、より広いターゲットに向け展開してまいります。 戦略③:取引社数拡大 これまで1社あたりの年間取引の拡大を重要戦略として位置づけてまいりましたが、今後は取引社数の拡大へ転換いたします。その手法としては、既存顧客である大手企業を起点とし、そのグループ会社等の関係各社へ当社サービスを展開いたします。さらに当該取引先とのアライアンスを強化し、取引先の顧客基盤へ共同で当社サービスを展開してまいります。GRCセキュリティ領域の課題をアライアンス先と共に解決していくことで、当社の販路拡大と同時にアライアンス先の顧客付加価値向上を両立してまいります。 戦略④:ストック収益積み上げ 需要が急増するGRCセキュリティ領域の課題に対し、新たなソリューションやプロダクトを提供してまいります。ビジネスを取り巻く環境の急激な変化に対応するソリューション及びプロダクト開発に継続して取り組みつつ、当該領域でのプロダクトを提供するパートナー企業を開拓することで提供可能なラインナップを拡充してまいります。 GRCセキュリティ領域の様々な課題に対して、分析、解決、維持をワン・ストップで支援し継続的なPDCAサイクルによりプロジェクトを積み増すビジネスモデルは今後も維持し、専門人材による支援としてのソリューション提供だけでなく、AIを活用したプロダクトでの支援サービスも拡充することで、継続的な取引としての売上高のストック部分を積み増してまいります。 当社グループの事業環境としては、今後も企業を取り巻く外部環境の変化が続き、顧客が対応を迫られるリスクも日々刻々と変化していくことが想定されます。そのため、GRC及びセキュリティの領域に特化した専門企業としての知見を活かし、顧客の需要が見込まれる新たなソリューションやプロダクトの提供を継続して行ってまいります。当該領域において先進的な海外企業が有する知識を吸収・活用し、また、日本国内において顧客が抱える課題に合致するよう自社でサービスを開発するなど、顧客に対して提供するノウハウの拡充に取り組んでまいります。 当面は、ガバナンス体制の強化やリスク管理等に潜在的な需要があり、対策への投資可能額が多額であると想定される上場企業及びその関連会社をメインターゲットとし、取引拡大に努めてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「(2)経営環境及び経営戦略等」に記載いたしました取引社数に加え、売上高、売上総利益及び売上高総利益率を重要な指標と考えております。また、2025年11月期においては、組織を変革しソリューション事業、プラットフォーム事業、フィナンシャルテクノロジー事業の3事業体制へと移行いたしましたが、2026年11月期からは、当社がコア領域とするGRCセキュリティ事業と、成長を担うフィナンシャルテクノロジー事業の2事業体制といたします。共通の戦略として既存顧客から継続的に収益を上げるリカーリングモデルの強化に取組むことで、安定した収益基盤を整えてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① セキュリティソリューション事業の人材確保と提供体制の拡充 旺盛な需要に対し、専門人材の不足が機会損失に直結している状況を打破するため、採用活動の加速と教育体系の再整備を強化します。自社リソースに加え、外部パートナーとの連携深化により提供体制を拡充するとともに、生成AIやランサムウェア対策等の新サービス展開を通じて、リカーリングモデルの強化と収益の安定化を図ります。 ② AI実装によるプロダクト競争力の強化とモデル転換 2030年に向けた成長戦略として、既存の専門人材によるソリューションビジネスは収益基盤として安定的に継続しつつ、自社プロダクトによる高収益なビジネスモデルへ成長の軸を転換します。具体的には、外部パートナーとの戦略的提携を通じて高度なAI技術を取り入れ、当社が蓄積した専門知見をAI実装プロダクトとして標準化させることで、製品競争力の圧倒的向上と市場シェアの拡大を図ります。 ③ フィナンシャルテクノロジー事業の収益基盤確立 開発が完了した株式トータルソリューションの販売を本格化させるとともに、安定収益が見込めるオペレーションサービスの拡充に注力します。また、アジア圏を中心とした海外市場への展開を本格化させ、海外顧客案件の獲得と現地パートナーとの連携を推進することで、同事業を新たな収益の柱として早期に確立させます。 ④ 人材の確保・育成とエンゲージメントの向上 事業領域の拡大に不可欠な「質の高い人材」の確保を最重要課題と捉えています。積極的な採用に加え、社内の教育基盤や人事評価制度を再整備し、研修や現場を通じたスキルアップを支援します。優秀な人材が定着し、自律的に挑戦し続ける仕組み作りを進めることで、組織の実行力を高めてまいります。 ⑤ プロジェクトマネジメント能力及び品質管理体制の強化 多様化するリスクに対し高品質なサービスを安定提供するため、組織全体でのプロジェクトマネジメント能力の強化を推進します。計画から導入に至る全フェーズにおいてマネジメント技法の標準化を加速させるとともに、プロジェクトレビューの厳格化による「予防的ガバナンス」を徹底いたします。これにより、不採算案件の発生を未然に防ぎ、常に一定水準以上の品質を維持・管理できる体制を構築することで、顧客からの更なる信頼獲得と収益性の向上に努めてまいります。 ⑥ 内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化 今後の更なる事業拡大に向けて、会社規模に応じた適切な内部管理体制の整備を進めるとともに、運用面の徹底を推進し、実効性のある、効率的かつ信頼性の高い組織基盤を構築・運用してまいります。また、社外のステークホルダーとも緊密な関係を維持し、会社運営の透明性を高めるなど、コーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループの経営方針は以下のとおりであります。(2)経営環境及び経営戦略等 当社グループは、「世の中を、テクノロジーでシンプルに。」をビジョンに掲げ、企業の成長とともに複雑化していく外部環境リスクへの守備体制の構築が不十分である日本企業に対して、テクノロジーを活用した情報管理の効率化等によりリスクの低減と企業成長の最大効率化を支援しております。 近年、様々な社会情勢の変化により企業を取り巻く外部環境が多様化し、規制強化等が行われてきました。ビジネスのグローバル化に伴う海外の法規制の適用拡大、巧妙で執拗なサイバー攻撃の頻発、生成AIの急速な普及、個人情報の規制強化、従来型のガバナンス体制の見直し等が挙げられます。 外部環境の変化により、企業は重要なシステムの停止、多額のリカバリー費用、信用失墜や取引減少等の経営に直結するリスクに晒されております。変化が起きる度に企業は対応を迫られるものの、欧米と比較して日本国内においては、ガバナンスの強化やセキュリティ対策の整備等、GRC及びセキュリティ領域への対応が遅れております。潜在的なリスクへの対応の遅れが不祥事の発生等に繋がり、昨今では情報がSNSの普及等により個人でも簡単に発信・拡散できるようになり、過去と比較して同様の不祥事であっても事業活動に与える影響が大きくなっていると考えております。当社グループはこの課題に対して専門性の高いサービス提供を行いながら、その必要性を啓蒙し、GRC及びセキュリティに対する意識向上を図ってまいります。 当社グループのビジネスモデルはGRC及びセキュリティ領域の様々な課題に対して、分析、解決、維持をワン・ストップで支援し、継続的なPDCAサイクルによりプロジェクトを積み増すフローとなっております。課題解決後に改善状態を維持することが重要であるため、モニタリング(運用支援)取引は継続性が高く売上高のストック部分となっております。 GRC及びセキュリティの領域における課題の可視化から解決までのプロセスは、企業活動の中で定期的に、かつ繰り返し行われることが望ましいことから、顧客との取引関係は長期間に及んでおり、そうした長期の取引関係の中で企業を守る伴走者となれるよう努めております。このプロセスを繰り返し行うことで、顧客の新たなニーズを捉え、解決策を提案しており、既存顧客の受注取引は増加しプロジェクトが継続する傾向にあります。その結果、成長性と安定性を実現する収益構造となっており、直近の売上構成は下記のとおりであります。 (単位:千円) 2023年11月期2024年11月期2025年11月期売上高構成比売上高構成比売上高構成比既存顧客2,529,95590.9%2,932,79389.2%3,140,34394.2%新規顧客253,9539.1%356,03210.8%193,3365.8%合計2,783,909100.0%3,288,826100.0%3,333,680100.0%(注)既存顧客は過年度より取引関係を有している企業とし、新規顧客との取引は翌期以降の既存顧客に含めております。 経営戦略としては、ソリューションとプロダクトの連携を強化・促進することで、顧客1社あたりの収益を拡大させてまいりました。顧客収益を下記のとおり年間取引金額別のフェーズに区分することで管理しております。 戦略①:年間売上高の拡大 フェーズB(取引金額3,000万円超5,000万円以下)以上に該当する顧客の増加に注力いたしました。当連結会計年度の実績は、フェーズB以上に該当する顧客は21社、その売上高合計は2,393,372千円であり、顧客数については前年度と同数となりました。戦略②:顧客層の開拓 将来的にフェーズB以上へ繋がるフェーズA以下の顧客層の開拓に注力いたしましたが、専門人材の不足等が影響しフェーズA以下の顧客数は前期比で2社増加に留まりました。 以上の実績から経営戦略のアップデートが必要と判断し、2026年11月期より経営戦略を転換いたします。これまでソリューションとプロダクトの連携を強化・促進することで、顧客1社あたりの収益を拡大させていく方針でしたが、2030年に向けて、自社プロダクトへのAIの実装による標準化サービスの開発に注力し、取引社数の拡大に重点を置く戦略に変更いたします。 2023年に向けた戦略戦略①:専門的知見の蓄積 当社はこれまで、高い専門性を持つ人材によるソリューション提供と、GRCセキュリティ領域に特化したプロダクトの提供により、15年以上にわたり国内有数のGRC専業企業としての実績がございます。特にレギュレーションが厳しく高水準のリスク管理体制が求められる大企業向けにサービスを提供してきたことで、専門性の高い知見を蓄積してまいりました。今後もサービス提供を通じ、GRCセキュリティ領域における企業課題の解決につながるデータやノウハウがさらに蓄積されてまいります。 戦略②:AI実装による標準化 企業が守るべき資産やリスク管理をすべき範囲は年々広がり複雑さを増していることから、本質的なリスク対策を進めるために運用の高度化や情報の一元管理、可視化に対する需要はますます高まっています。当社が蓄積してきた知見とAI技術を掛け合わせることで、当該領域の複雑な課題を解決するための標準モデルを確立し、サービス導入のハードルを下げてまいります。これにより、従来大企業向けに提供してきた年間取引額3,000万円規模のモデルを、年間取引額1,000万円程度にパッケージ化し、より広いターゲットに向け展開してまいります。 戦略③:取引社数拡大 これまで1社あたりの年間取引の拡大を重要戦略として位置づけてまいりましたが、今後は取引社数の拡大へ転換いたします。その手法としては、既存顧客である大手企業を起点とし、そのグループ会社等の関係各社へ当社サービスを展開いたします。さらに当該取引先とのアライアンスを強化し、取引先の顧客基盤へ共同で当社サービスを展開してまいります。GRCセキュリティ領域の課題をアライアンス先と共に解決していくことで、当社の販路拡大と同時にアライアンス先の顧客付加価値向上を両立してまいります。 戦略④:ストック収益積み上げ 需要が急増するGRCセキュリティ領域の課題に対し、新たなソリューションやプロダクトを提供してまいります。ビジネスを取り巻く環境の急激な変化に対応するソリューション及びプロダクト開発に継続して取り組みつつ、当該領域でのプロダクトを提供するパートナー企業を開拓することで提供可能なラインナップを拡充してまいります。 GRCセキュリティ領域の様々な課題に対して、分析、解決、維持をワン・ストップで支援し継続的なPDCAサイクルによりプロジェクトを積み増すビジネスモデルは今後も維持し、専門人材による支援としてのソリューション提供だけでなく、AIを活用したプロダクトでの支援サービスも拡充することで、継続的な取引としての売上高のストック部分を積み増してまいります。 当社グループの事業環境としては、今後も企業を取り巻く外部環境の変化が続き、顧客が対応を迫られるリスクも日々刻々と変化していくことが想定されます。そのため、GRC及びセキュリティの領域に特化した専門企業としての知見を活かし、顧客の需要が見込まれる新たなソリューションやプロダクトの提供を継続して行ってまいります。当該領域において先進的な海外企業が有する知識を吸収・活用し、また、日本国内において顧客が抱える課題に合致するよう自社でサービスを開発するなど、顧客に対して提供するノウハウの拡充に取り組んでまいります。 当面は、ガバナンス体制の強化やリスク管理等に潜在的な需要があり、対策への投資可能額が多額であると想定される上場企業及びその関連会社をメインターゲットとし、取引拡大に努めてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「(2)経営環境及び経営戦略等」に記載いたしました取引社数に加え、売上高、売上総利益及び売上高総利益率を重要な指標と考えております。また、2025年11月期においては、組織を変革しソリューション事業、プラットフォーム事業、フィナンシャルテクノロジー事業の3事業体制へと移行いたしましたが、2026年11月期からは、当社がコア領域とするGRCセキュリティ事業と、成長を担うフィナンシャルテクノロジー事業の2事業体制といたします。共通の戦略として既存顧客から継続的に収益を上げるリカーリングモデルの強化に取組むことで、安定した収益基盤を整えてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① セキュリティソリューション事業の人材確保と提供体制の拡充 旺盛な需要に対し、専門人材の不足が機会損失に直結している状況を打破するため、採用活動の加速と教育体系の再整備を強化します。自社リソースに加え、外部パートナーとの連携深化により提供体制を拡充するとともに、生成AIやランサムウェア対策等の新サービス展開を通じて、リカーリングモデルの強化と収益の安定化を図ります。 ② AI実装によるプロダクト競争力の強化とモデル転換 2030年に向けた成長戦略として、既存の専門人材によるソリューションビジネスは収益基盤として安定的に継続しつつ、自社プロダクトによる高収益なビジネスモデルへ成長の軸を転換します。具体的には、外部パートナーとの戦略的提携を通じて高度なAI技術を取り入れ、当社が蓄積した専門知見をAI実装プロダクトとして標準化させることで、製品競争力の圧倒的向上と市場シェアの拡大を図ります。 ③ フィナンシャルテクノロジー事業の収益基盤確立 開発が完了した株式トータルソリューションの販売を本格化させるとともに、安定収益が見込めるオペレーションサービスの拡充に注力します。また、アジア圏を中心とした海外市場への展開を本格化させ、海外顧客案件の獲得と現地パートナーとの連携を推進することで、同事業を新たな収益の柱として早期に確立させます。 ④ 人材の確保・育成とエンゲージメントの向上 事業領域の拡大に不可欠な「質の高い人材」の確保を最重要課題と捉えています。積極的な採用に加え、社内の教育基盤や人事評価制度を再整備し、研修や現場を通じたスキルアップを支援します。優秀な人材が定着し、自律的に挑戦し続ける仕組み作りを進めることで、組織の実行力を高めてまいります。 ⑤ プロジェクトマネジメント能力及び品質管理体制の強化 多様化するリスクに対し高品質なサービスを安定提供するため、組織全体でのプロジェクトマネジメント能力の強化を推進します。計画から導入に至る全フェーズにおいてマネジメント技法の標準化を加速させるとともに、プロジェクトレビューの厳格化による「予防的ガバナンス」を徹底いたします。これにより、不採算案件の発生を未然に防ぎ、常に一定水準以上の品質を維持・管理できる体制を構築することで、顧客からの更なる信頼獲得と収益性の向上に努めてまいります。 ⑥ 内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化 今後の更なる事業拡大に向けて、会社規模に応じた適切な内部管理体制の整備を進めるとともに、運用面の徹底を推進し、実効性のある、効率的かつ信頼性の高い組織基盤を構築・運用してまいります。また、社外のステークホルダーとも緊密な関係を維持し、会社運営の透明性を高めるなど、コーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策により緩やかに回復しております。しかしながら、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスク、物価上昇の継続による個人消費に及ぼす影響により景気を下押しするリスクに注意が必要な状況であります。 当社グループが属する事業環境においては、サイバーセキュリティ対策、生成AI活用に伴うセキュリティリスクへの対応が進む等、GRC及びセキュリティ領域への対応が注目される状況となりました。 このような環境の中、当社グループは、持続的な企業成長を支えていくため「進化に、加速を。」をミッション、「世の中を、テクノロジーでシンプルに。」をビジョンに掲げ、複雑に変化し続ける世の中で直面する多種多様なリスクへ敏感に迅速に対処するために常に新しいことに挑戦し、進化し続け社会的価値の向上に取り組んでおります。 2025年11月期においては、セキュリティソリューション事業、GRCプラットフォーム事業、フィナンシャルテクノロジー事業の3事業体制の組織へ移行し、事業戦略を定め売上高拡大に向けて注力いたしました。 セキュリティソリューション事業においては、退職等の自然減を補う採用ができず専門人員が減少した影響から売上拡大の機会損失が発生しました。GRCプラットフォーム事業においては、受注時期のズレや解約が発生したものの、売上高が前期比82.7%増加しました。フィナンシャルテクノロジー事業においては、既存顧客からの追加プロジェクトの受注遅延及び前期受注した証券会社の大型プロジェクトが中断となりました。これらが要因となり売上高は前期実績を上回ったものの、期初の計画を下回りました。 利益面においては、人員不足を補うため、また、フィナンシャルテクノロジー事業における株式トータルソリューションシステム開発の追加コストの発生によって外注加工費が増加し売上総利益が減少しました。全社の採用教育費やその他コスト等の販売費及び一般管理費を抑制したものの、為替差損の計上、繰延税金資産の取崩し等が利益率を押し下げ、各段階利益が期初の計画を下回りました。 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高3,333,680千円(前期比1.4%増)、売上総利益953,796千円(同11.1%減)、営業損失67,827千円(前期は営業利益44,162千円)、経常損失97,715千円(前期は経常利益25,599千円)、親会社株主に帰属する当期純損失527,903千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益112,507千円)となりました。 なお、当社グループはGRCソリューション事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載を省略しております。 ② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ209,647千円減少し1,713,769千円となりました。 2023年11月期に実施したフィナンシャルテクノロジーの事業譲受に関して、取得対価に含めていなかった残り200,000千円の支払条件が充足され、支払いを完了したことにより現金及び預金が209,271千円減少いたしました。フィナンシャルテクノロジー事業に関するのれんの追加計上、株式トータルソリューションのリリース等により無形固定資産が133,117千円増加いたしました。繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産が74,142千円減少いたしました。 これらが主な要因となり、資産合計が減少いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ301,653千円増加し1,809,707千円となりました。フィナンシャルテクノロジー事業の新たな取組みであったホスティングサービスに関わるサーバー等のリース債務が270,200千円増加したものの、当該サービスの大型プロジェクトが中断することとなり、当該リース資産を減損処理するとともに、事業構造改善引当金を108,416千円計上いたしました。 また、未払法人税等が32,317千円、未払消費税等が45,467千円減少いたしました。 これらが主な要因となり、負債合計が増加いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ511,301千円減少し△95,937千円となりました。 これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が527,903千円減少したことによるものであります。 これらが主な要因となり、純資産合計が減少いたしました。 以上の結果、自己資本比率は△7.9%(前連結会計年度末20.4%)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、フィナンシャルテクノロジーの事業譲受による支出200,000千円、税金等調整前当期純損失が451,450千円(前期は税金等調整前当期純利益25,540千円)と減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ209,271千円減少し当連結会計年度末には530,760千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、獲得した資金は20,250千円(前期は312,704千円の収入)となりました。 資金の主な増加要因は、非資金取引であるフィナンシャルテクノロジー事業におけるホスティングサービスの大型プロジェクト中断によりリース資産の減損損失245,318千円、事業構造改善引当金の増加108,416千円、フィナンシャルテクノロジーの事業譲受によるのれん償却額149,119千円によるものであります。 資金の主な減少要因は、未払費用の減少額54,961千円、税金等調整前当期純損失451,450千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は297,179千円(前期は224,475千円の支出)となりました。 これは主に、フィナンシャルテクノロジーの事業譲受による支出200,000千円、株式トータルソリューションシステム開発による無形固定資産の取得による支出88,204千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、獲得した資金は70,391千円(前期は41,589千円の収入)となりました。 これは主に、事業投資やM&A等に柔軟に対応することを目的とした長期借入れによる収入250,000千円、社債の発行による収入136,136千円、約定返済となる長期借入金の返済による支出234,963千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループはGRCソリューション事業の単一セグメントであります。事業部門ごとのサービスとしては、ソリューション部門において、専門人材によるコンサルティングを行い、プロダクト部門において、自社開発プロダクト又は他社プロダクトを提供しております。提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。 b.受注実績 生産実績と同様の理由により、記載しておりません。 c.販売実績 当社グループはGRCソリューション事業の単一セグメントでありますが、当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。事業部門の名称当連結会計年度(自 2024年12月1日至 2025年11月30日)前期比金額(千円)構成比(%)増減額(千円)増減率(%)ソリューション部門2,960,15888.8164,0095.9プロダクト部門373,52111.2△119,155△24.2合 計3,333,680100.044,8531.4 (注)1.事業部門間の取引については、ございません。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年12月1日至 2024年11月30日)当連結会計年度(自 2024年12月1日至 2025年11月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)みずほ証券株式会社897,97227.3883,17326.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 当連結会計年度における売上高は3,333,680千円(前期比1.4%増)となりました。これは主に、人員減や受注時期のずれ、大型プロジェクトの中断があったものの、既存顧客の売上高比率は高水準を維持し、自社製品導入の引き合いが増加したことによるものです。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度における売上原価は2,379,883千円(前期比7.4%増)となりました。これは主に、人員不足を補うため、また、フィナンシャルテクノロジー事業における株式トータルソリューションシステム開発の追加コストの発生によって外注加工費が増加したことによるものです。 この結果、売上総利益953,796千円(前期比11.1%減)、売上高総利益率28.6%(同4.0pt減)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,021,624千円(前期比0.6%減)となりました。これは主に、採用費等を抑制したことによるものであります。 この結果、営業損失67,827千円(前連結会計年度は営業利益44,162千円)となりました。 (営業外収益・費用、経常利益) 当連結会計年度における営業外収益は1,292千円(前期比82.4%増)、営業外費用は31,180千円(前期比61.8%増)となりました。営業外費用の増加要因は主に、香港支店に係る外国源泉税の発生によるものであります。 この結果、経常損失97,715千円(前連結会計年度は経常利益25,599千円)となりました。 (特別利益・損失、親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度はフィナンシャルテクノロジー事業の事業用資産に係るサーバー等のハードウェアについて、今後、事業の用に供する予定が無くなったことから、個々の資産を遊休資産とし、245,318千円を減損損失、フィナンシャルテクノロジー事業が提供するホスティングサービスに利用する予定であったソフトウエアのライセンス費用等について、当該サービスの大型プロジェクトが中断したことに伴い、将来的な使用見込みがなくなり、加えて、当該ライセンスに係る契約が原則として中途解約不能であることから、契約の残存期間に支出が見込まれる費用として事業構造改善引当金繰入額を108,416千円計上しております。また、特別利益はありません。 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失527,903千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益112,507千円)となりました。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループの資金需要のうち主なものは、コンサルタントやエンジニアの労務費及びパートナー企業(外注先)への委託料、人材獲得に係る採用関連費用であります。資金需要に対する財源としては、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した自己資金及び金融機関からの借入れにより調達することを基本方針とし、資金使途や資金需要額等に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は530,760千円であり、事業継続のための充分な流動性を確保しております。 ③ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容 当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、取引金額フェーズ別顧客数、売上高、売上総利益、売上高総利益率及び営業利益を重要な経営指標と位置付けております。 各指標の進捗状況については、以下のとおりであります。・フェーズ別顧客数 (単位:社) 第19期2023年11月期第20期2024年11月期第21期2025年11月期 前期比増減数 前期比増減数 前期比増減数フェーズZ4-6+26-フェーズC8+37△16△1フェーズB8+28-9+1フェーズA34+1228△632+4フェーズA未満153+24165+12163△2合計207+41214+7216+2 ・売上高、売上総利益、売上高総利益率、営業利益 第19期2023年11月期第20期2024年11月期第21期2025年11月期 前期比 前期比 前期比売上高2,783,909千円116.0%3,288,826千円118.1%3,333,680千円101.4%売上総利益791,942千円181.4%1,072,326千円135.4%953,796千円88.9%売上高総利益率28.4%+10.3pt32.6%+4.2pt28.6%△4.0pt営業利益又は営業損失(△)△145,537千円-44,162千円-△67,827千円- ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらは過去の実績等を勘案し合理的な判断のもとに見積りを行っております。しかしながら、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループは、様々なリスク要因が当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当該リスク要因に対して、組織体制の整備、リスク管理及び情報管理体制の強化により、適切に対応していく方針であります。 なお、リスク要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。