経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】アイザワ証券グループは、時代の変化に応じて事業構造の大幅な変革を進めています。この中で、全社員が一体となって歩んでいく基盤を固めるために、私たちの存在意義・あるべき姿・大切にする価値観を明文化した「パーパス・ビジョン・バリュー(以下、PVV)」と、PVV を実現するためにステークホルダーの皆さまにお約束する「アイザワ宣言」を策定いたしました。変化が激しく、将来の見通しが立てにくい時代において、お客さまとそのご家族との信頼関係を深め、社員一人ひとりが自信と誇りを持って働くためには、共通の目的と価値観の共有が不可欠であると考えています。アイザワ証券グループの「PVV」および「アイザワ宣言」は、私たちの全ての原点となるものです。役職員一同が常に心に刻み行動することで、長期的にお客さまとそのご家族に寄り添い続ける資産運用・資産形成の伴走者を目指してまいります。 [パーパス:Purpose (存在意義)]より多くの人に より豊かな生活を [ビジョン:Vision (あるべき姿)]資産運用・資産形成を通じて お客さまとそのご家族の人生の伴走者となる [バリュー:Values (大切にする価値観)]チ ャ レ ン ジ・・・行動力 成長 変革リレーションシップ・・・信頼 思いやり 安心プロフェッショナリズム・・・誠実 責任 使命感チ ー ム ワ ー ク・・・調和 敬意 結束 [アイザワ宣言]お客さまへ 私たちは、お客さまの未来を見据えた金融サービスを提供します。株主の皆さまへ 私たちは、持続的な成長を通じて、企業価値向上に努めます。社会へ 私たちは、地域との繋がりを大切にし、社会の発展に貢献します。従業員の皆さんへ 私たちは、社員一人ひとりを尊重し、成長と挑戦を後押しします。 (1) 経営環境「貯蓄から投資へ」の大きな流れに代表されるように、我が国における個人の資産運用・資産形成はもはや不可避の流れです。その主体である資産形成層や準富裕層を中心に、「対面による継続的対話・アドバイス」へのニーズがますます高まっています。資産運用・資産形成アドバイスを含む「継続的・長期的にお客さまに寄り添う」ビジネスモデルへの転換が証券会社に求められています。このようなニーズに応えていくために、アイザワ証券グループは、資産運用・資産形成を通じてお客さまとそのご家族の人生の伴走者となることを目指しております。当社グループの目指す「伴走者」とは、お客さまとそのご家族の資産運用・資産形成に関して、継続的にお話を傾聴し、それぞれのライフステージに合った提案・アドバイスを送り、世代を超えて対話を続ける、長期にわたる人生のパートナーです。2025年4月には、2028年3月までの3年間を計画期間とする中期経営計画「資産運用・資産形成を通じてお客さまとそのご家族の人生の伴走者となる」を策定しました。中期経営計画に基づき、安定的にROE目標(8%以上)を達成できる事業構造・収益構造への抜本的な変革を実行してまいります。 (2) 事業戦略 財務報告上のセグメントごとの事業戦略は、以下のとおりであります。①証券事業お客さまとそのご家族の資産運用・資産形成の伴走者としてのビジネスモデルを確立するため、ゴールベースアプローチ型営業と地域密着を徹底します。お客さまのライフプラン・将来の夢・希望といった「ゴール」を実現するために、継続的・長期的にお客さまに寄り添い、ゴールベースアプローチによりストック商品のご提案に注力してまいります。また、資産形成層のお客さまを中心とした顧客基盤を拡大するため、保険代理店や地域金融機関等との連携を強化し、プラットフォームビジネスの拡大に努めます。 ②投資事業グループ連結業績の安定化と資産収益性向上に貢献する重要な事業と位置付け、運用成績を中期的に極大化することを最重視し、それを目的としたポートフォリオ運用、リスク管理及びパフォーマンス評価を行います。一定以上の流動性に留意しつつ、プライベートアセット、外国アセット、不動産等への投資を含めて運用を行ってまいります。 ③運用事業非公開市場で取引される資産であるプライベートアセットは、世界的にも注目されており、市場の拡大が続いております。プライベートアセットの投資リターンは上場資産より高い場合もあり、リスクに見合ったリターンが期待できます。そのため、プライベートアセットの運用資産残高の増加に注力いたします。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、後述の中期経営計画『資産運用・資産形成を通じてお客さまとそのご家族の人生の伴走者となる』において、2028年度3月期の達成目標として以下の計数目標を掲げております。 KPI2028年3月期 達成目標ROE(自己資本利益率)8%以上ストック商品預り資産8,000億円以上総預り資産2兆5,000億円以上実質ストック収益(注)1 実質販管費カバー率(注)240%以上女性管理職比率15%以上エンゲージメントスコア(注)380%以上 (注)1 信託報酬とラップ報酬の合計額から金融商品仲介業者等に支払う仲介手数料分を除外した収益額(注)2 アイザワ証券の販売費・一般管理費から金融商品仲介業者等に支払う仲介手数料を除外した額 (注)3 当社グループのエンゲージメント調査において、回答者のうちアイザワ証券グループに愛着や 誇りを感じる、もしくはやや感じると回答する社員の割合 (4) 内部管理体制の整備・運用状況① 内部牽制組織、組織上の業務部門及び管理部門の配置状況、社内規程の整備状況その他内部管理体制の強化のための牽制組織の状況当社グループは、内部監査の独立性を高めるため、内部監査を所管する監査部をいずれの業務ラインにも属さない独立した部署として設置しております。監査部は、「内部監査規程」に基づき、毎期初に策定する「内部監査計画書」に従って監査を実施し、監査結果報告会において監査対象部門と問題点の共有化を図ったうえで改善を指示し、改善状況の確認を行います。また、当社グループの内部統制については、統制組織及び統制手段の両面から内部牽制が有効に機能する仕組みを構築しております。統制組織としては、日本証券業協会の「協会員の内部管理責任者等に関する規則」に基づき、内部管理を担当する取締役1名を「内部管理統括責任者」として定めております。内部管理責任者は組織上、コンプライアンス部に属しており、人事上の評価につきましては組織の上長並びに内部管理統括補助責任者が行うこととし、内部管理体制の充実に努めております。これらの制度を通じ、金融商品取引法その他法令諸規則等の遵守、投資勧誘等の営業活動、顧客管理等が適正に行われるよう社内の監査部門が中心となり、内部管理体制の整備に努めております。② 内部管理体制の充実に向けた取り組みの最近1年間における実施状況(イ) コンプライアンス評価委員会金融商品取引法をはじめとした法令・諸規則遵守の強化を図るため、社内に「コンプライアンス評価委員会」を設置し、法令違反の未然防止策の立案、社内の問題点の洗い出しと改善策の検討・具体化を図っております。(ロ) リスク管理委員会内部統制上の会社のリスクを洗い出し、業務に活かすため「リスク管理委員会」を設け、月一回定期的に業務上のあらゆる問題を討議・検討しております。(ハ) 内部統制構築プロジェクト 監査部内に内部統制専門の担当者を設け、内部統制の運用を行っております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】アイザワ証券グループは、時代の変化に応じて事業構造の大幅な変革を進めています。この中で、全社員が一体となって歩んでいく基盤を固めるために、私たちの存在意義・あるべき姿・大切にする価値観を明文化した「パーパス・ビジョン・バリュー(以下、PVV)」と、PVV を実現するためにステークホルダーの皆さまにお約束する「アイザワ宣言」を策定いたしました。変化が激しく、将来の見通しが立てにくい時代において、お客さまとそのご家族との信頼関係を深め、社員一人ひとりが自信と誇りを持って働くためには、共通の目的と価値観の共有が不可欠であると考えています。アイザワ証券グループの「PVV」および「アイザワ宣言」は、私たちの全ての原点となるものです。役職員一同が常に心に刻み行動することで、長期的にお客さまとそのご家族に寄り添い続ける資産運用・資産形成の伴走者を目指してまいります。 [パーパス:Purpose (存在意義)]より多くの人に より豊かな生活を [ビジョン:Vision (あるべき姿)]資産運用・資産形成を通じて お客さまとそのご家族の人生の伴走者となる [バリュー:Values (大切にする価値観)]チ ャ レ ン ジ・・・行動力 成長 変革リレーションシップ・・・信頼 思いやり 安心プロフェッショナリズム・・・誠実 責任 使命感チ ー ム ワ ー ク・・・調和 敬意 結束 [アイザワ宣言]お客さまへ 私たちは、お客さまの未来を見据えた金融サービスを提供します。株主の皆さまへ 私たちは、持続的な成長を通じて、企業価値向上に努めます。社会へ 私たちは、地域との繋がりを大切にし、社会の発展に貢献します。従業員の皆さんへ 私たちは、社員一人ひとりを尊重し、成長と挑戦を後押しします。 (1) 経営環境「貯蓄から投資へ」の大きな流れに代表されるように、我が国における個人の資産運用・資産形成はもはや不可避の流れです。その主体である資産形成層や準富裕層を中心に、「対面による継続的対話・アドバイス」へのニーズがますます高まっています。資産運用・資産形成アドバイスを含む「継続的・長期的にお客さまに寄り添う」ビジネスモデルへの転換が証券会社に求められています。このようなニーズに応えていくために、アイザワ証券グループは、資産運用・資産形成を通じてお客さまとそのご家族の人生の伴走者となることを目指しております。当社グループの目指す「伴走者」とは、お客さまとそのご家族の資産運用・資産形成に関して、継続的にお話を傾聴し、それぞれのライフステージに合った提案・アドバイスを送り、世代を超えて対話を続ける、長期にわたる人生のパートナーです。2025年4月には、2028年3月までの3年間を計画期間とする中期経営計画「資産運用・資産形成を通じてお客さまとそのご家族の人生の伴走者となる」を策定しました。中期経営計画に基づき、安定的にROE目標(8%以上)を達成できる事業構造・収益構造への抜本的な変革を実行してまいります。 (2) 事業戦略 財務報告上のセグメントごとの事業戦略は、以下のとおりであります。①証券事業お客さまとそのご家族の資産運用・資産形成の伴走者としてのビジネスモデルを確立するため、ゴールベースアプローチ型営業と地域密着を徹底します。お客さまのライフプラン・将来の夢・希望といった「ゴール」を実現するために、継続的・長期的にお客さまに寄り添い、ゴールベースアプローチによりストック商品のご提案に注力してまいります。また、資産形成層のお客さまを中心とした顧客基盤を拡大するため、保険代理店や地域金融機関等との連携を強化し、プラットフォームビジネスの拡大に努めます。 ②投資事業グループ連結業績の安定化と資産収益性向上に貢献する重要な事業と位置付け、運用成績を中期的に極大化することを最重視し、それを目的としたポートフォリオ運用、リスク管理及びパフォーマンス評価を行います。一定以上の流動性に留意しつつ、プライベートアセット、外国アセット、不動産等への投資を含めて運用を行ってまいります。 ③運用事業非公開市場で取引される資産であるプライベートアセットは、世界的にも注目されており、市場の拡大が続いております。プライベートアセットの投資リターンは上場資産より高い場合もあり、リスクに見合ったリターンが期待できます。そのため、プライベートアセットの運用資産残高の増加に注力いたします。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、後述の中期経営計画『資産運用・資産形成を通じてお客さまとそのご家族の人生の伴走者となる』において、2028年度3月期の達成目標として以下の計数目標を掲げております。 KPI2028年3月期 達成目標ROE(自己資本利益率)8%以上ストック商品預り資産8,000億円以上総預り資産2兆5,000億円以上実質ストック収益(注)1 実質販管費カバー率(注)240%以上女性管理職比率15%以上エンゲージメントスコア(注)380%以上 (注)1 信託報酬とラップ報酬の合計額から金融商品仲介業者等に支払う仲介手数料分を除外した収益額(注)2 アイザワ証券の販売費・一般管理費から金融商品仲介業者等に支払う仲介手数料を除外した額 (注)3 当社グループのエンゲージメント調査において、回答者のうちアイザワ証券グループに愛着や 誇りを感じる、もしくはやや感じると回答する社員の割合 (4) 内部管理体制の整備・運用状況① 内部牽制組織、組織上の業務部門及び管理部門の配置状況、社内規程の整備状況その他内部管理体制の強化のための牽制組織の状況当社グループは、内部監査の独立性を高めるため、内部監査を所管する監査部をいずれの業務ラインにも属さない独立した部署として設置しております。監査部は、「内部監査規程」に基づき、毎期初に策定する「内部監査計画書」に従って監査を実施し、監査結果報告会において監査対象部門と問題点の共有化を図ったうえで改善を指示し、改善状況の確認を行います。また、当社グループの内部統制については、統制組織及び統制手段の両面から内部牽制が有効に機能する仕組みを構築しております。統制組織としては、日本証券業協会の「協会員の内部管理責任者等に関する規則」に基づき、内部管理を担当する取締役1名を「内部管理統括責任者」として定めております。内部管理責任者は組織上、コンプライアンス部に属しており、人事上の評価につきましては組織の上長並びに内部管理統括補助責任者が行うこととし、内部管理体制の充実に努めております。これらの制度を通じ、金融商品取引法その他法令諸規則等の遵守、投資勧誘等の営業活動、顧客管理等が適正に行われるよう社内の監査部門が中心となり、内部管理体制の整備に努めております。② 内部管理体制の充実に向けた取り組みの最近1年間における実施状況(イ) コンプライアンス評価委員会金融商品取引法をはじめとした法令・諸規則遵守の強化を図るため、社内に「コンプライアンス評価委員会」を設置し、法令違反の未然防止策の立案、社内の問題点の洗い出しと改善策の検討・具体化を図っております。(ロ) リスク管理委員会内部統制上の会社のリスクを洗い出し、業務に活かすため「リスク管理委員会」を設け、月一回定期的に業務上のあらゆる問題を討議・検討しております。(ハ) 内部統制構築プロジェクト 監査部内に内部統制専門の担当者を設け、内部統制の運用を行っております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)において、世界株式市場は堅調な米国経済とFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ開始、中国の大規模景気対策等を背景に米国と中国の株価が上昇した一方、日本とASEAN主要国(シンガポールを除く。)の株価は軟調に推移しました。米国株式市場は、生成AI関連の投資拡大やトランプ次期政権に向けた政策期待を追い風に循環物色が広がり、ダウ工業株30種平均とS&P500、ナスダック総合の主要3指数はそろって史上最高値を更新しました。その後、第2次トランプ政権による追加関税に対する懸念が高まり、2025年3月から相場は調整局面に入っています。国内株式市場は、脱デフレ期待と賃上げ、円安、不安定な海外情勢等強弱材料が入り交じる中で波乱の相場展開になりました。2024年4月から2025年3月までの日経平均株価の期間騰落率は-11.8%と、主に米国経済に関する不確実性が高まったことや米国による自動車関税への懸念等が相場の重石になりました。アジア株式市場は、中国の景気対策と不安定な海外情勢、各国固有の要因等を背景に国別の明暗が分かれました。その中で中国は政府当局が利下げや住宅の需要喚起、株式市場のテコ入れ、地方隠れ債務の解消を中心とする大規模な景気対策を発表したため、2024年4月から2025年3月にかけて上海総合指数と香港ハンセン指数はそれぞれ+9.7%、+39.8%と上昇が目立ちました。一方ASEANは米国の金融・貿易政策を巡る不透明感と、インドネシアの財政悪化やタイの政情不安に対する懸念により相場は総じて低迷しましたが、ベトナムのVN指数がプラス圏を維持するなど底堅い動きも見られました。 このような状況の中、当社グループは2022年度からスタートした中期経営計画「Define Next 100 ~もっとお客様のために~」に基づき、各種施策に取り組んでまいりました。最終年度となる当期は、ゴールベースアプローチによるストック商品(投資信託とラップ商品)のご提案に注力し、お客さまとそのご家族の資産運用・資産形成の伴走者となることを目指し、本格的な一歩を踏み出しました。 当社グループは、証券事業を主軸とし、投資事業、運用事業を展開しております。各事業における取組みは以下のとおりです。 [証券事業]証券事業を営むアイザワ証券株式会社は、長期にわたるお客さまとそのご家族の資産運用・資産形成の伴走者となることを目指しております。お客さまのライフプラン・将来の夢・希望といった「ゴール」を実現するために、ゴールベースアプローチにより金融サービスのプロフェッショナルとして寄り添い続けてまいります。お客さまの資産形成に資する商品として、ストック商品の残高増加を図っており、2025年3月末時点で総預り資産1兆9,661億円、ストック商品預り資産4,233億円となりました。プラットフォームビジネスにおいては、地域金融機関や保険代理店、一般事業会社等との連携を拡大しており、当期におきましては、島田掛川信用金庫との顧客紹介契約の締結や株式会社佐賀共栄銀行との会社分割(簡易吸収分割)契約の締結、JR九州のグループ会社であるJR九州保険コンサルティング株式会社と金融商品仲介業に関する業務委託契約を締結しました。その他、2024年4月より今村証券株式会社を投資一任契約の媒介業務を委託する金融商品取引業者として、ゴールベースアプローチ型ラップサービス「未来設計」の提供を開始しました。プラットフォームビジネスは、資産形成層のお客さまへアプローチする重要なチャネルであるため、今後も強化してまいります。他方、資産運用・資産形成の伴走者としてのビジネスモデルを確立するためには経営資源を集中することが必要と判断し、2028年3月末までに引受け業務を取り止める方針を決定しました。サステナビリティに関する取組みとして、アイザワ証券は地域金融機関、教育機関及び地方自治体と連携し、地方創生・地域活性化や金融リテラシー教育を推進しております。地方自治体との連携の5例目として、2025年2月に東京都青梅市と地域活性化に関する包括連携協定を締結しました。 [投資事業]投資事業を営むアイザワ・インベストメンツ株式会社は、国内外の成長企業や、配当金を含め安定的な期待収益が見込める上場企業等、中長期投資を基本に上場有価証券への投資を行っております。また、有望なベンチャー企業へ投資し、将来的な上場へ向けてサポートを行っているほか、国内外のベンチャーファンドやバイアウトファンド、プライベートデットファンド、メザニンファンド、ヘッジファンド、不動産開発型ファンド等への投資を行っております。国内不動産に対する直接投資も行い、主に首都圏においてレジデンスを中心に物件を保有し、賃料収入による収益を獲得しております。 [運用事業]運用事業を営むあいざわアセットマネジメント株式会社は、「日本で最も投資家に求められるオルタナティブ資産運用会社」になることを目標に掲げ、プライベートエクイティとヘッジファンドの分野を中心とするオルタナティブ資産の運用を行っております。日本では担い手の少ない「プライベートエクイティセカンダリー投資」分野で日本のリーディングカンパニーを目指し、国内外における認知度の向上を図っております。 アイザワ証券グループは、株主還元の強化の一環として、2025年3月期から2028年3月期までの間、配当(普通配当及び特別配当)と自己株式取得による株主還元を総額200億円以上(約100億円を特別配当、残り約100億円を普通配当及び自己株式取得)実施する方針としております。※ 特別配当の金額は、2024年4月26日時点で入手可能な情報に基づく一定の前提(仮定)及び将来の予測等に基づき見込んでいる金額であり、今後、分配可能額規制その他の法令上の規制や経営環境の変化等の事情により変動する可能性があります。※ 2024年4月1日~2024年6月18日の期間で自己株式の取得(取得株数 6,163,900株、取得価額の総額 10,775,065,200円)を完了しております。 一方、2025年3月14日付で自己株式8,000,000株の消却を実施しております。 また、2024年10月18日に社債に係る発行登録を行い、2024年10月28日(効力発生日)から2026年10月27日までの2年間で上限300億円の社債を発行する予定です。本社債発行は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、当社グループの将来の成長に必要な資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。 これからも当社グループは、各グループ子会社がそれぞれの強みを発揮することで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。 ①財政状態及び経営成績の状況a. 財政状態当連結会計年度末の資産合計は1,095億29百万円と、前連結会計年度末に比べ145億90百万円の減少となりました。当連結会計年度末の負債合計は619億29百万円と、前連結会計年度末に比べ35億32百万円の減少となりました。当連結会計年度末の純資産合計は475億99百万円と前連結会計年度末に比べ110億57百万円の減少となりました。 b. 経営成績当連結会計年度の経営成績は、営業収益は205億88百万円(前年度比8.5%増)、営業利益は18億86百万円(同62.7%増)、経常利益は25億71百万円(同32.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億72百万円(同6.6%増)となりました。 c.セグメント毎の経営成績証券事業の営業収益は178億72百万円(前連結会計年度比0.4%減)、セグメント利益は2億55百万円(同83.2%減)となりました。運用事業の営業収益は4億23百万円(同55.7%増)、セグメント損失は1億16百万円となりました。投資事業の営業収益は24億7百万円(同192.9%増)、セグメント利益は15億39百万円となりました。上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれており、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ95億47百万円減少し、131億61百万円となりました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果支出した資金は57億59百万円となりました。これは主に顧客分別金信託の減少、預り金の減少、信用取引負債の減少によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果獲得した資金は11億80百万円となりました。これは主に投資有価証券の取得、投資有価証券の売却によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は48億86百万円となりました。これは主に自己株式の取得、短期社債の発行によるものです。 ③ トレーディング業務の概要トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)資産の部のトレーディング商品(百万円)232347 商品有価証券等(百万円)232347 株式・ワラント(百万円)―121債券(百万円)232226受益証券等(百万円)00負債の部のトレーディング商品(百万円)―24 商品有価証券等(百万円)―24 株式・ワラント(百万円)―24 トレーディングのリスク管理:トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社グループのリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社の連結子会社であるアイザワ証券株式会社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立したコンプライアンス部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合わせて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。 ④ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、金融商品取引業を営む会社を中核とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」に該当する事項はありません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績等(イ)財政状態(資産合計)当連結会計年度末の資産合計は1,095億29百万円と、前連結会計年度末に比べ145億90百万円の減少となりました。主な要因は、現金・預金95億86百万円の減少、預託金28億48百万円の減少、信用取引資産17億31百万円の減少によるものです。(負債合計)当連結会計年度末の負債合計は619億29百万円と、前連結会計年度末に比べ35億32百万円の減少となりました。主な要因は、信用取引負債25億90百万円の減少、預り金55億16百万円の減少、短期社債60億円の発行によるものです。(純資産合計)当連結会計年度末の純資産合計は475億99百万円と前連結会計年度末に比べ110億57百万円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金72億47百万円の減少、自己株式の増加に伴う純資産23億29百万円の減少、その他有価証券評価差額金13億68百万円の減少によるものです。 (ロ)経営成績(営業収益)当連結会計年度の営業収益は205億88百万円(前年度比8.5%増)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。1)受入手数料当連結会計年度の受入手数料は、141億90百万円(同7.3%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。ⅰ)委託手数料委託手数料は株式委託取引の減少により、57億69百万円(同14.3%減)となりました。ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の増加により32百万円(同221.6%増)となりました。ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、投資信託の販売の増加により32億74百万円(同24.2%増)となりました。ⅳ)その他の受入手数料その他の受入手数料は、ファンドラップの投資顧問報酬の増加等により、51億14百万円(同33.1%増)となりました。2)トレーディング損益当連結会計年度のトレーディング損益は、30億25百万円(同29.4%減)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。ⅰ)株券外国株国内店頭取引売買代金の減少により、25億11百万円(同31.7%減)となりました。 ⅱ)債券外国債券の取扱いに伴う収益の減少により、1億72百万円(同15.0%減)となりました。ⅲ)その他外国為替取引から生じる損益の減少等により、3億41百万円(同16.0%減)となりました。3)金融収益金融収益は受取利息の増加等により8億85百万円(同30.6%増)となりました。金融費用は信用取引費用の増加等により99百万円(同17.5%増)となりました。これにより、金融収支は7億85百万円(同32.4%増)となりました。4)その他の営業収益その他の営業収益は営業投資有価証券売上高の増加等により24億86百万円(同214.7%増)となりました。なお、その他の営業費用は営業投資有価証券売上原価の減少等により4億66百万円(同33.7%減)となりました。 (販売費・一般管理費)販売費・一般管理費は、取引関係費及び事務費の増加等により、181億35百万円(同6.5%増)となりました。(営業外損益)営業外収益は受取配当金4億68百万円、収益分配金2億56百万円等により8億84百万円となりました。営業外費用は支払利息1億28百万円、為替差損27百万円等により1億99百万円となりました。これにより営業外損益は6億84百万円の利益(同12.5%減)となりました。(特別損益)特別利益は投資有価証券売却益により23億45百万円となりました。特別損失は投資有価証券償還損2億56百万円等により2億66百万円となりました。これにより特別損益は20億79百万円の利益となりました。 b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、2022年4月に策定した中期経営計画において「ブローカレッジから資産形成へ」をスローガンに掲げ、ストック収益の増加に邁進してまいりましたが、一方で、年度を通じてストック商品積み上げを優先した事もあり、証券事業全体の収益は伸び悩みました。投資事業においては、投資資産の売却や投資先ファンドによる収益計上により、業績に大きく貢献しました。2025年4月に策定した中期経営計画は、お客さまとそのご家族の資産運用・資産形成の伴走者としてのビジネスモデルを確立し、安定的にROE目標を達成できる事業構造・収益構造に転換する3年間と位置付けております。ゴールベースアプローチ型営業と地域密着を徹底することでストック商品(投資信託とラップ商品)の預り資産増加に努め、証券事業の変革に注力するほか、投資事業のグレードアップや運用事業の再構築を行います。 c. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、「より多くの人に より豊かな生活を」というパーパス:Purpose (存在意義)のもと、2025年4月に策定した中期経営計画において、お客さまとそのご家族の資産運用・資産形成の伴走者としてのビジネスモデルを確立し、安定的にROE目標を達成できる事業構造・収益構造に転換する事を目標としております。この目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、ROE(自己資本利益率)8%以上、証券事業において、ストック商品預り資産8,000億円以上、総預り資産2兆5,000億円以上、実質ストック収益実質販管費カバー率40%以上を目標として掲げております。 d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容証券事業は外国株式国内店頭取引の減少等によりトレーディング損益が減少し、営業収益は178億72百万円(前連結会計年度比0.4%減)、セグメント利益は2億55百万円(同83.2%減)となりました。運用事業は運用報酬の増加に伴い、営業収益は4億23百万円(同55.7%増)、セグメント損失は1億16百万円となりました。投資事業は営業投資有価証券売上高の増加に伴い、営業収益は24億7百万円(同192.9%増)、セグメント利益は15億39百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。b. 資本の財源及び資金の流動性当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社グループは主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、三井住友信託銀行株式会社と総額7億50百万円のコミットメントラインを設定しております。なお、当連結会計年度における当社グループの借入金の総額は190億4百万円です。借入の内訳は金融機関等からの短期借入金96億75百万円、証券金融会社からの信用取引借入金41億73百万円、金融機関からの長期借入金51億56百万円です。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。当社グループの採用した重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。