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フーディソン(7114)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 生鮮流通プラットフォーム事業: フーディソンは「世界の食をもっと楽しく」をミッションに、食産業の生鮮流通に新しい循環を生み出すプラットフォーム事業を展開しています。具体的には、BtoBコマース、BtoCコマース、HRサービスの3つの柱で収益を上げており、これらを統合して「生鮮流通プラットフォーム事業」と定義しています。食産業の労働力不足やEC化の進展といった課題に対し、テクノロジーを活用した新しい仕組みを提供することで、生産性向上と効率化を目指しています。
  • BtoBコマース「魚ポチ」: 主力事業であるBtoBコマース「魚ポチ」は、生産者や卸業者から仕入れた8,000種類以上の生鮮食品をウェブカタログに掲載し、主に飲食店に販売するサービスです。ユーザーはウェブサイトから必要な分量を注文し、最短で翌日に商品を受け取れます。アナログな発注作業や市場へ足を運ぶ手間を省き、購買データに基づいたレコメンデーション機能で発注時間の短縮も実現しています。このサービスは、単価とユーザーエンゲージメントが高く、既存顧客からの売上が91%を占める安定した収益構造を持っています。
  • BtoCコマース「sakana bacca」: BtoCコマースサービスとして、一般のスーパーでは珍しい魚種や産地直送にこだわった鮮魚セレクトショップ「sakana bacca」を首都圏で9店舗展開しています。このサービスは、BtoBコマースと共同で仕入れを行うことで効率化を図っており、多様化する消費者のニーズに応える独自の流通ルートで強みを発揮しています。鮮魚小売店の減少が進む中で、専門性の高い鮮魚を提供することで差別化を図り、収益に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • BtoBコマースサービス: このサービスは、主に飲食店などの事業者向けに生鮮食品を販売する事業です。自社ウェブサイト「魚ポチ」を通じて、生産者や卸業者から仕入れた8,000種類以上の商品をウェブカタログに掲載し、注文に応じて翌日から3日以内に配送します。アナログな発注作業の効率化や、購買データに基づいた商品レコメンデーション機能が特徴で、ユーザーの利便性を高めています。既存顧客からの売上が全体の91%を占める安定した収益源であり、フーディソンの主力事業として成長を牽引しています。
  • BtoCコマースサービス: このサービスは、一般消費者向けに鮮魚を販売する「sakana bacca」という鮮魚セレクトショップを首都圏で9店舗展開しています。一般的なスーパーでは手に入りにくい魚種や産地直送にこだわった水産品を提供することで、多様化する消費者のニーズに応えています。BtoBコマースサービスと共同で仕入れを行うことで、効率的な運営を実現しており、減少傾向にある鮮魚小売店市場において、独自の強みを発揮しています。
  • 生鮮流通プラットフォーム事業(単一セグメント): フーディソンは、BtoBコマースサービス、BtoCコマースサービス、HRサービスを統合し、「生鮮流通プラットフォーム事業」という単一セグメントとして事業を展開しています。これは、食産業全体の課題解決を目指すというミッションのもと、各サービスが連携し、生鮮流通における新しい循環を創出するというビジョンを実現するためのものです。各サービスは異なる販売先を持つものの、調達の共同化などにより効率化を図り、全体として食産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,039 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社関係会社)は「世界の食をもっと楽しく」というミッションのもと、「生鮮流通に新しい循環を」というビジョンを掲げ、食産業にて生鮮流通プラットフォーム事業を展開しております。 これらのミッション及びビジョンを実現するために、BtoBコマースサービス、BtoCコマースサービス及びHRサービスを展開しており、これら3つのサービスを合わせて生鮮流通プラットフォーム事業と定義付けております。 我々の生活の根幹にある食産業は時代の変化と共にバランスが崩れてきており、テクノロジーを活用した新しい仕組みの導入が急務と考えております。少子高齢化や国内の人口減少、労働法規の規制強化により、生産者や中間流通を担う中小事業者、飲食店など食産業における労働力不足は深刻になっており、生産性向上の取り組みによる効率化が課題となっております。一方、消費サイドでは、他の産業と同様にEコマース化が進展しており、多様化する消費者ニーズに合わせた新たな流通やマーケティングの仕組みが必要になっております。さらに地球温暖化による環境変化は、国内における漁獲量の減少など資源問題の一因となっており、気候変動対策は食にかかわる事業者にとって重大な課題となっております。 当社グループでは、創業当初から「フード × テクノロジー」をテーマに様々な仮説検証を行い、生鮮流通におけるノウハウやデータを蓄積してきました。この強みを最大限活かし、食産業のあらゆる事業者の情報をデータベース化し活用することで、生産性と効率性の上昇を可能にし、よりユーザーの求める商品を提供するサービスを展開することで、本質的な価値を提供し、生鮮流通プラットフォームを提供しDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現してまいります。さらに、これまで築いてきた全国の取引先ネットワークを活用して地域社会と連携し、気候変動対策にも取り組むことで、サステナブルな食の流通を実現してまいります。 なお、当社グループは生鮮流通プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えてサービス別に事業内容を記載しております。 [BtoBコマースサービス] BtoBコマースサービスでは、生産者・卸業者・メーカー等から仕入れた食品を自社ウェブサイトの「魚ポチ」上のウェブカタログに掲載し、主に飲食店等のユーザーに直接販売しております。魚ポチは、ユーザーが毎日午後3時30分以降にウェブサイトにアクセスし、当日掲載された8,000種類以上の商品から必要な分量を注文でき、地域に応じて翌日から3日以内に店頭に商品が届くサービスです。魚ポチによってユーザーはアナログな発注の対応や市場へ足を運ぶ手間をかけることなく、趣向性に合った商品を店頭で受け取ることが可能となりました。また、豊富な商品数の中から必要な商品を選定するのは、手間が掛かる作業ですが、魚ポチではユーザーの購買データを活用することで、それぞれの趣向性にあった商品のレコメンデーション(推奨)を自動的に行い、発注時間の短縮を実現する機能を備えております。 当社グループではサービスの質を保つために、バイヤー、品質管理、ロジスティクス及びシステム開発の機能を自社で抱えております。特に関係会社の株式会社フーディソン大田は東京都より東京都中央卸売市場大田市場(以下、大田市場)における仲卸営業許可(注1)を取得しており、商品調達力及び物流能力を強化する観点から戦略的に重要な拠点となっております。また、当社グループは東京都中央卸売市場豊洲市場水産部(以下、豊洲市場)の買参権(注2)を有しており、大田市場と合わせて中央卸売市場を活用した効率的な商品調達を行うことが可能となっております。さらに、当社グループが独自に開拓した全国の産地ネットワークを通じて、市場を介さない商品調達も行っております。調達した商品は大田市場及び2023年8月に開設した大田フルフィルメントセンター(注3)で加工梱包し、距離に応じて自社または外部委託による配送を行っており、本書提出日現在では全国46都道府県(沖縄県、一部離島除く)でサービスを展開しております。(注)1.卸売市場内で一定の区画を確保し仲卸業務を行うための許可のこと。   2.卸売市場内の競り等に参加する権利。仲卸営業許可とは異なり、当権利をもって場内に区画を確保し仲卸     業務を行うことはできない。   3.Eコマースで注文を受けた商品の出荷・配送を行う物流拠点のこと。 (BtoB Eコマースのビジネスモデルの特徴) 業務向けのEコマース(以下、BtoB Eコマース)は個人向けのEコマース(以下、BtoC Eコマース)のビジネスモデルとは違い、一般的に単価とユーザーエンゲージメントが高いという特徴があります。一方で、価格競争力や専門性を高める必要があるため、1つのEコマースサイト上に複数のショップが掲載するモール型ではなく自社でサイト、倉庫、商品調達等を運営する自社Eコマースで事業運営することが多いという特徴もあります。  魚ポチは上記のBtoB Eコマースの特徴があり、ユーザーである飲食店に定常的かつ高頻度で利用されるサービスとなっております。そのため年々ユーザーが積み上がり、利便性の実感や信頼獲得によりユーザー当たりの利用金額も利用期間が長くなるほど増加する傾向があります。BtoBコマースサービスの売上高に占める既存コホート(前会計年度以前に登録したユーザー)の売上高割合は、2025年3月期で91%でした。 また、生鮮品の消費期限が短いという商品特性から、棚卸資産が少なく、倉庫スペースが少なくて良いため、資産投資効率が高くなっております。なお、当社グループの2025年3月期の棚卸資産回転率(注5)は39.2回でした。(注)4.Average Revenue Per Userの略。アクティブユーザー当たりの月間平均売上高を示します。   5.売上高を商品と貯蔵品の合計額で除して算出 (受発注の形態) 商品の仕入販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷機能及びコールセンターにおける顧客サポート機能を本社及びフルフィルメントセンターに集約しており、受注管理は全てインターネットで行い、発注管理はインターネットを中心とし、一部ファクシミリと電話を通じて行っております。また、自社ウェブサイトを通じて商品を購買する顧客の情報をデータベース化し、顧客ごとの購買特性を販売活動に反映させることができる仕組みを構築しております。 (取扱商品とITシステムの特徴) 取扱商品は、飲食店が飲食物を提供するための生鮮食品・冷凍食品・加工食品等を中心とし、それぞれの仕入先は生産者、卸売業者、仲卸業者、メーカー等多岐に渡ります。 一般的なEコマースと異なり、生鮮食品のEコマースは日々品揃えが変化するため掲載商品の更新頻度が高く、鮮度が重要な価値であるため消費期限が短く冷蔵・冷凍・常温の三温度帯での物流対応が必要であり、また商慣行から価格設定が量り売りである等の特徴があり、従来のITシステムでは対応ができませんでした。そこで当社グループは生鮮食品販売に対応した独自のITシステムを構築しております。当該ITシステムにより変動する商品情報を迅速にデータ化した上で、販売データと物流を接続し、スピーディーに商品を出荷する仕組みを実現しております。 [BtoCコマースサービス] BtoCコマースサービスでは、一般のスーパーマーケットではあまり販売していない魚種や産地仕入れにこだわった水産品等を中心に販売する鮮魚セレクトショップの「sakana bacca」を展開しております。なお、BtoCコマースサービスとBtoBコマースサービスは、それぞれ販売先は異なるものの調達を共同で行うことで効率化を図っております。sakana baccaの実店舗は2025年3月末現在、首都圏で9店舗運営しております。昨今消費者の需要は多様化しており、この需要に対して当社グループ独自の流通ルートで仕入れることにより、強みを発揮しサービス提供しております。経済産業省「商業統計」によると1994年に34,935箇所存在した鮮魚小売店は、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス」によると2021年には10,244箇所まで減少していることから、消費者は鮮魚小売店にて鮮魚を購入することが以前より難しくなっており、鮮魚小売店当たりの商圏は拡大しております。こうした背景から、交通の利便性の高い立地に店舗を展開することで、より多くの利用者の獲得を目指しております。[HRサービス] HRサービスでは、食品事業者向けに人材を紹介する「フード人材バンク」を運営しております。中食需要の高まりや食産業全般の労働者不足を背景として、食品を取り扱う技術を持った人材の需要が高まっていることから、主に飲食店やスーパーマーケットに正社員候補者を紹介しております。また、当社グループではBtoBコマースサービスを通じて飲食店のネットワークを保有しており、それも活用し、求人ニーズを得て最適なマッチングを実現しております。 厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2011年度の飲食物調理の職業の有効求人倍率は1.01倍だったものの、2025年3月には同有効求人倍率は2.56倍まで上昇しております。当社グループでは労働集約的な食産業においては、人材の確保とテクノロジーを活用した業務効率化が急務だと考えております。当社グループは「フード人材バンク」を通じて、労働力の紹介を価値提供することで、このような社会的課題の解消に貢献していきたいと考えております。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
卸売市場での優位性構築と商品ラインナップ拡充により競争力を向上させているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
東京都中央卸売市場大田市場での仲卸営業許可や有料職業紹介事業の許可が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:国内食品Eコマース市場が予測通り拡大しない可能性 / 競合激化による競争力低下の可能性 / 法規制の抵触、新設、強化による事業制約の可能性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

フーディソンは卸売業であり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開されていません。事業の性質上、無形資産による競争優位性は限定的と考えられます。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

卸売業という性質上、顧客(小売店など)が取引先を変更する際の切り替えコストは、一定程度存在する可能性があります。しかし、特定のシステム連携や長年の取引関係がない限り、その度合いは限定的であり、強いスイッチング・コストの発生は考えにくいです。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

フーディソンの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではありません。サプライヤーと顧客を繋ぐ仲介業であり、ネットワーク効果による競争優位性は見られません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

卸売業においては、仕入れ交渉力や物流効率などがコスト競争力に影響を与えます。フーディソンが特定のサプライヤーとの強固な関係や効率的な物流網を持っている可能性はありますが、公開情報からはその優位性を明確に判断することは困難です。業界標準からの逸脱は確認できません。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

卸売業は規模の経済が働きやすい業界であり、フーディソンが特定の分野で一定の市場シェアを確保している場合、規模による効率性や仕入れ交渉力で優位に立つ可能性があります。ただし、業界全体における寡占度やフーディソンの具体的な市場シェアに関する情報が不足しています。

  • 独自のITシステムとデータ活用: フーディソンは、生鮮食品の特性(日々品揃えが変化、短消費期限、三温度帯物流、量り売りなど)に対応するため、独自のITシステムを構築しています。このシステムにより、変動する商品情報を迅速にデータ化し、販売データと物流を連携させることで、スピーディーな商品出荷を実現しています。また、ユーザーの購買データを活用したレコメンデーション機能は、顧客の利便性を高め、継続的な利用を促進する強みとなっています。
  • 中央卸売市場と産地ネットワーク: 東京都中央卸売市場の大田市場で仲卸営業許可を、豊洲市場で買参権を取得しており、中央卸売市場を活用した効率的な商品調達が可能です。これにより、豊富な品揃えと安定した供給を実現しています。さらに、独自に開拓した全国の産地ネットワークを通じて市場を介さない商品調達も行っており、多様な仕入れルートを確保することで、他社にはない商品力と調達力を確立しています。
  • 自社一貫体制と高い資産投資効率: バイヤー、品質管理、ロジスティクス、システム開発の機能を自社で抱えることで、サービスの質を高く保っています。特に大田市場と大田フルフィルメントセンターを拠点に、加工梱包から配送までを一貫して行うことで、品質管理と効率的な物流を実現しています。生鮮品の特性から棚卸資産が少なく、倉庫スペースも最小限で済むため、2025年3月期の棚卸資産回転率は39.2回と高く、資産投資効率に優れている点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げ、生鮮食品の流通プラットフォームを構築し、食産業でインターネットサービスを中心とした新しいテクノロジーを活用したDXソリューションを提供することで、社会に貢献してまいります。 (2)経営環境①市場動向について 食産業の中でも、当社グループが戦略的に重視する市場として、4つの領域を認識しております。 a.食品関連市場とそのEコマース化率 経済産業省の調査(注1)によると2014年における食品分野のEコマースの市場規模は1.2兆円、Eコマース化率は1.9%でしたが、2023年には同市場規模は2.9兆円、Eコマース化率は4.29%まで上昇し成長を続けております。一方で、他産業と比べると、例えば生活家電等のEコマース化率は2023年で42.88%と食品分野のEコマース化率と30%を超える大きな開きがあります。加えて、食品流通の合理化と生鮮食料品等の公正な取引環境の確保の促進(注2)を目的として、2020年に卸売市場法が16年ぶりに改定され、産地と市場内仲卸との直接的な取引が解禁されるなど、情報ネットワークが強みのEコマース事業者にとっては追い風の規制緩和が行われております。さらに違法に採捕された水産動植物の流通の防止を目的に、2021年12月に「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)」が施行され、特定の魚種について、採捕事業者や加工・流通事業者は漁獲番号その他の記録の伝達、取引記録の作成・保存等が義務付けられました。これにより取引のデジタル化ニーズが一層高まることになり、Eコマース事業者にとっては追い風の規制強化といえます。今後もEコマース化率の継続的な上昇を背景に、成長余地は大きいものと期待しております。 b.飲食関連市場 飲食関連産業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着き、社会活動も回復したことから、飲食関連業界の活動状況を把握するフード・ビジネス・インデックスの「飲食店、飲食サービス業」の指標は2023年に85.6(注3)を記録(基準値:2015年=100)し、前年に引き続き上昇しております。足元ではインバウンド需要も本格的に回復していることから、飲食関連市場は活況になっております。 c.鮮魚小売店市場 経済産業省「商業統計」によると1994年に34,935箇所存在した鮮魚小売店は、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス」によると2021年には10,244箇所まで減少していることから、消費者は鮮魚小売店にて鮮魚を購入することが以前より難しくなっており鮮魚小売店当たりの商圏は拡大しております。こうした背景から、交通の利便性の高い立地において店舗展開をすることで、より多くの利用者を獲得できるものと考えております。 d.飲食物調理の職業市場 厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2011年度の飲食物調理の職業の有効求人倍率は1.01倍だったものの、2025年3月には同有効求人倍率は2.56倍まで上がっております。特に新型コロナウイルス感染症からの社会活動の回復がなされる中で、労働集約的な食産業においては、2022年4月以降の有効求人倍率は急激に増加しており、人材の確保とテクノロジーを活用した業務をより効率的にする利便性の高いサービスが一層求められていると認識しております。 (注)1.経済産業省「平成 26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市     場調査)」及び同「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」   2.農林水産省「卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律の概要」   3.経済産業省経済解析室「2024年上期 飲食関連産業の動向」 ②競争優位性について 当社グループは創業から生鮮流通のプラットフォームを構築してまいりました。当社の競争優位性は以下の通りであります。 a.規制産業のインサイダー 当社グループは世界最大級の生鮮卸売市場である東京都中央卸売市場の商品調達力や物流機能と独自のEコマースシステムを接続しております。生鮮卸売市場は卸売市場法や各自治体の法律や条例に規制されており、新規参入者にとっては高い参入障壁になっており、当社グループは東京都中央卸売市場において必要な許認可を取得しております。具体的には、大田市場と豊洲市場にそれぞれ仲卸営業許可と買参権を有しております。また、大田市場内に大規模な出荷を行うためのフルフィルメントセンターを確保しており、集荷、分荷、倉庫及び配送機能の重要拠点となっております。 商品調達においては、中央卸売市場内だけでなく全国70ヶ所以上の取引産地があり、飲食店が日々の営業に必要な定番の商品から、差別化に必要な競争力のある商品まで幅広いラインナップを取り揃えることが可能となっております。 以上のように、既存の市場流通機能をフルに活用するための許認可及び施設を確保し、市場内や全国の産地とネットワークを築くことで、生鮮流通の高い参入障壁を乗り越え、強固な事業基盤を形成してきたと認識しております。 b.テクノロジーの活用 当社グループは生鮮流通のアナログかつ複雑な流通構造という参入障壁を乗り越えるため、テクノロジーを駆使することで、利便性の高い流通システムを構築しております。生鮮食品をEコマースで取り扱うためには、生産者、市場業者、物流業者、メーカー等多岐にわたる関係者との取引構築と構造理解が不可欠で、加えて従来の物販Eコマースに比べて求められるソフトウェアの特性が大きく異なるため、それに対応するシステムが必要です。具体的には毎日変わる情報の迅速なデータ化、販売データと物流の接続、ユーザーの業務効率を上げるUX等が挙げられます。当社グループはそれらの特性に合わせたソフトウェアを開発し、商品データ、発注データや受注データ等が蓄積されるシステム化を構築しております。 c.川上から川下まで繋がったシームレスなプラットフォーム 当社グループは、従来分業化されていた物流、商品調達、製造加工・販売及び流通管理の流通機能を一気通貫で連携したシステムを構築し、生産性の向上に努めております。更に、労働者不足に悩まされる食産業において、フード人材バンクを通じて社内外の労働力供給をサポートすることで、産業のサステナビリティにも資する活動をしております。 (3)中長期的な経営戦略 当社グループは、食産業に関わる方々に、生鮮流通のプラットフォームを提供することで、社会課題の解決を図ってまいります。具体的にはプラットフォームの拡大のために、対象を消費者、事業者、従事者に、機能を流通機能と支援機能に分類して、拡大を図ってまいります。 上記の成長を実践するための具体的な経営戦略は以下のとおりであります。 ①コアグロース戦略 当社グループが現在展開する3つのサービスをそれぞれ成長させていくための戦略になります。 a.商品基盤の拡充BtoBコマースサービスはこれまで水産品を中心とした商品構成でユーザーを獲得してきましたが、今後は水産品以外の食品に関しても商品を拡充する体制を強化していきます。加えて、ユーザーが求める商品特性(調理の簡便な商品や、鮮度劣化が起きにくい商品等)に対応した商品も拡充してまいります。これらによって、ARPUの向上及び潜在的なユーザー基盤の拡大を目指してまいります。 b.CRM(注1)強化 BtoBコマースサービスは、ユーザーニーズを正確に把握し、魚ポチのソフトウェア開発や商品開発に反映させることで継続的にサービスを改善してまいりました。今後もユーザー中心のサービス改善を続けていくためにインサイドセールスやフィールドセールスによるCRM機能を強化し、素早くサービス改善を実践することで、アクティブユーザー数(注2)やARPUの向上を図ってまいります。 c.IT及び物流インフラストラクチャーへの投資 当社の競争力の源泉は従来型の流通慣習に適応し、自社のシステムエンジニアによってシステム開発を行い、受発注業務や物流業務等の自動化を進めてきたことにあります。今後の規模拡大に対応するため、フルフィルメントセンターの拡張や自動化機器の導入、さらにシステム開発への継続的な投資を通じて、中期的な出荷能力の確保と生産性の高い業務体制の構築を進めてまいります。 d.sakana baccaの新規出店 BtoCコマースサービスはsakana baccaの店舗数を拡大することで経営指標を向上させてまいりました。近年駅のDX化が進む中で、駅中のスペースの再開発が進んでおり、sakana baccaの出店余地が拡大しているため、エキナカ店舗を中心に立地条件にこだわり継続的に新規出店を行うことでサービスの成長を目指す方針です。 e.フード人材バンクの人材採用とオペレーショナルエクセレンス(注3)追求 HRサービスはフード人材バンクで求人企業の開拓及び人材紹介を担当する営業人員を拡充させることで経営指標を向上させてまいりました。今後も継続的に人材の採用や登用を行うことに加え、営業人員当たりの生産性を向上させる取り組みを通じて、サービスの成長を目指す方針です。 (注)1.CRM(Customer Relationship Management)は、ユーザーとの間に良好な関係を構築し、その維持及び向上を目指すための一連の取り組みをいいます。   2.アクティブユーザー数とは、各月で1回以上注文をした顧客数を指します。   3.オペレーショナルエクセレンスとは、業務の管理や運用(オペレーション)の効率向上を図り、競合     他社が真似できない独自の優位性を確立し、それを維持・向上させていくことをいいます。 ②プラットフォーム戦略 当社がプラットフォームの領域を増強し、拡大させていくための戦略になります。 a.魅力的な商品開発 サプライヤーの基盤拡充を行なっていく中で、商品開発機能が随時強化されております。その機能とsakana baccaのブランド力等を活かし、競争力のある独自の商品を開発し続け、より多様な販売チャンネルを経由した販売機会を狙ってまいります。 b.サービス間シナジーの創出 各サービスの成長と共に各プラットフォーム機能が拡充されていく中で、サービス間シナジーの創出余地が増加するため、その機会を活かして生産性向上を目指してまいります。 c.事業者向けサービスの拡大 プラットフォーム領域の拡大は既存事業の拡充、新規事業開発、M&A等選択肢を幅広く持ちながら常時検討してまいります。事業者向けサービスは現在の食産業が抱える社会課題に特に直面していることから、より注力して、検討をしてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。 ①サービス機能の拡充 インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、サービスの質を担保することで競争優位性を維持していく必要があります。各サービスにおいて顧客視点に立ったデータの活用やユーザビリティの向上を目指し、AIや機械学習の活用やIoT(モノのインターネット)などの先端技術への投資を行い、サービスの拡充に取り組んでまいります。 ②優秀な人材の採用と組織体制の強化 当社グループは、今後の事業拡大のためには、優秀な人材の採用とそれらの人材がモチベーション高く働ける組織体制の整備が重要であると考えております。当社グループの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行なっていくとともに、従業員が中長期で働きやすい環境の整備や社員の能力向上を目的とした育成の仕組化の強化等の人事制度の構築を実施してまいります。 ③コーポレート・ガバナンス体制の強化 当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のためのコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公平性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。 ④健全な財務基盤の構築 当社グループは、これまで事業拡大のための資金として自己資金及び金融機関からの借入を行い充当してまいりました。今後も必要資金のリスクプロファイルに応じて、自己資金と借入を柔軟に選択し、充当していくことを基本方針としており、資金調達方法の多様化と機動力を保つために、引き続き金融機関と良好な関係を維持してまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは持続的な成長に向けて、売上高、売上総利益及び営業利益を重視しており、毎期その向上に努めることで、中長期的に成長させていくことを目指します。また全社の売上高に対して比率の高いBtoBコマースサービスの売上高の成長が収益性の向上に繋がるため、BtoBコマースサービスのアクティブユーザー数及びARPUについては、中長期的に成長させていくことを重視しております。 なお、BtoBコマースサービスの過年度のアクティブユーザー数及びARPUの推移は以下のとおりであります。 期四半期アクティブユーザー数(ユーザー)前年同四半期からの増減比(%)ARPU(円)前年同四半期からの増減比(%)2022年3月期第1四半期2,35622.160,82424.3第2四半期2,261-9.265,2942.7第3四半期3,19310.195,95927.6第4四半期2,76214.573,39832.52023年3月期第1四半期3,28339.388,61045.7第2四半期3,25844.187,71734.3第3四半期3,60112.8106,94411.5第4四半期3,62131.199,13435.12024年3月期第1四半期3,85417.498,43411.1第2四半期3,85218.2100,32514.4第3四半期4,20416.8110,9973.8第4四半期4,01210.8104,5385.52025年3月期第1四半期4,0956.3102,9854.6第2四半期4,0595.4104,1733.8第3四半期4,6179.8111,3470.3第4四半期4,65716.198,975-5.3(注)1.上記の数字には社内取引等は含まれておりません。   2.2022年3月期第2四半期は新型コロナウイルスの感染者数の増加に伴う、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施されたことからアクティブユーザー数及びARPUに一部影響が出ております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げ、生鮮食品の流通プラットフォームを構築し、食産業でインターネットサービスを中心とした新しいテクノロジーを活用したDXソリューションを提供することで、社会に貢献してまいります。 (2)経営環境①市場動向について 食産業の中でも、当社グループが戦略的に重視する市場として、4つの領域を認識しております。 a.食品関連市場とそのEコマース化率 経済産業省の調査(注1)によると2014年における食品分野のEコマースの市場規模は1.2兆円、Eコマース化率は1.9%でしたが、2023年には同市場規模は2.9兆円、Eコマース化率は4.29%まで上昇し成長を続けております。一方で、他産業と比べると、例えば生活家電等のEコマース化率は2023年で42.88%と食品分野のEコマース化率と30%を超える大きな開きがあります。加えて、食品流通の合理化と生鮮食料品等の公正な取引環境の確保の促進(注2)を目的として、2020年に卸売市場法が16年ぶりに改定され、産地と市場内仲卸との直接的な取引が解禁されるなど、情報ネットワークが強みのEコマース事業者にとっては追い風の規制緩和が行われております。さらに違法に採捕された水産動植物の流通の防止を目的に、2021年12月に「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)」が施行され、特定の魚種について、採捕事業者や加工・流通事業者は漁獲番号その他の記録の伝達、取引記録の作成・保存等が義務付けられました。これにより取引のデジタル化ニーズが一層高まることになり、Eコマース事業者にとっては追い風の規制強化といえます。今後もEコマース化率の継続的な上昇を背景に、成長余地は大きいものと期待しております。 b.飲食関連市場 飲食関連産業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着き、社会活動も回復したことから、飲食関連業界の活動状況を把握するフード・ビジネス・インデックスの「飲食店、飲食サービス業」の指標は2023年に85.6(注3)を記録(基準値:2015年=100)し、前年に引き続き上昇しております。足元ではインバウンド需要も本格的に回復していることから、飲食関連市場は活況になっております。 c.鮮魚小売店市場 経済産業省「商業統計」によると1994年に34,935箇所存在した鮮魚小売店は、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス」によると2021年には10,244箇所まで減少していることから、消費者は鮮魚小売店にて鮮魚を購入することが以前より難しくなっており鮮魚小売店当たりの商圏は拡大しております。こうした背景から、交通の利便性の高い立地において店舗展開をすることで、より多くの利用者を獲得できるものと考えております。 d.飲食物調理の職業市場 厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2011年度の飲食物調理の職業の有効求人倍率は1.01倍だったものの、2025年3月には同有効求人倍率は2.56倍まで上がっております。特に新型コロナウイルス感染症からの社会活動の回復がなされる中で、労働集約的な食産業においては、2022年4月以降の有効求人倍率は急激に増加しており、人材の確保とテクノロジーを活用した業務をより効率的にする利便性の高いサービスが一層求められていると認識しております。 (注)1.経済産業省「平成 26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市     場調査)」及び同「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」   2.農林水産省「卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律の概要」   3.経済産業省経済解析室「2024年上期 飲食関連産業の動向」 ②競争優位性について 当社グループは創業から生鮮流通のプラットフォームを構築してまいりました。当社の競争優位性は以下の通りであります。 a.規制産業のインサイダー 当社グループは世界最大級の生鮮卸売市場である東京都中央卸売市場の商品調達力や物流機能と独自のEコマースシステムを接続しております。生鮮卸売市場は卸売市場法や各自治体の法律や条例に規制されており、新規参入者にとっては高い参入障壁になっており、当社グループは東京都中央卸売市場において必要な許認可を取得しております。具体的には、大田市場と豊洲市場にそれぞれ仲卸営業許可と買参権を有しております。また、大田市場内に大規模な出荷を行うためのフルフィルメントセンターを確保しており、集荷、分荷、倉庫及び配送機能の重要拠点となっております。 商品調達においては、中央卸売市場内だけでなく全国70ヶ所以上の取引産地があり、飲食店が日々の営業に必要な定番の商品から、差別化に必要な競争力のある商品まで幅広いラインナップを取り揃えることが可能となっております。 以上のように、既存の市場流通機能をフルに活用するための許認可及び施設を確保し、市場内や全国の産地とネットワークを築くことで、生鮮流通の高い参入障壁を乗り越え、強固な事業基盤を形成してきたと認識しております。 b.テクノロジーの活用 当社グループは生鮮流通のアナログかつ複雑な流通構造という参入障壁を乗り越えるため、テクノロジーを駆使することで、利便性の高い流通システムを構築しております。生鮮食品をEコマースで取り扱うためには、生産者、市場業者、物流業者、メーカー等多岐にわたる関係者との取引構築と構造理解が不可欠で、加えて従来の物販Eコマースに比べて求められるソフトウェアの特性が大きく異なるため、それに対応するシステムが必要です。具体的には毎日変わる情報の迅速なデータ化、販売データと物流の接続、ユーザーの業務効率を上げるUX等が挙げられます。当社グループはそれらの特性に合わせたソフトウェアを開発し、商品データ、発注データや受注データ等が蓄積されるシステム化を構築しております。 c.川上から川下まで繋がったシームレスなプラットフォーム 当社グループは、従来分業化されていた物流、商品調達、製造加工・販売及び流通管理の流通機能を一気通貫で連携したシステムを構築し、生産性の向上に努めております。更に、労働者不足に悩まされる食産業において、フード人材バンクを通じて社内外の労働力供給をサポートすることで、産業のサステナビリティにも資する活動をしております。 (3)中長期的な経営戦略 当社グループは、食産業に関わる方々に、生鮮流通のプラットフォームを提供することで、社会課題の解決を図ってまいります。具体的にはプラットフォームの拡大のために、対象を消費者、事業者、従事者に、機能を流通機能と支援機能に分類して、拡大を図ってまいります。 上記の成長を実践するための具体的な経営戦略は以下のとおりであります。 ①コアグロース戦略 当社グループが現在展開する3つのサービスをそれぞれ成長させていくための戦略になります。 a.商品基盤の拡充BtoBコマースサービスはこれまで水産品を中心とした商品構成でユーザーを獲得してきましたが、今後は水産品以外の食品に関しても商品を拡充する体制を強化していきます。加えて、ユーザーが求める商品特性(調理の簡便な商品や、鮮度劣化が起きにくい商品等)に対応した商品も拡充してまいります。これらによって、ARPUの向上及び潜在的なユーザー基盤の拡大を目指してまいります。 b.CRM(注1)強化 BtoBコマースサービスは、ユーザーニーズを正確に把握し、魚ポチのソフトウェア開発や商品開発に反映させることで継続的にサービスを改善してまいりました。今後もユーザー中心のサービス改善を続けていくためにインサイドセールスやフィールドセールスによるCRM機能を強化し、素早くサービス改善を実践することで、アクティブユーザー数(注2)やARPUの向上を図ってまいります。 c.IT及び物流インフラストラクチャーへの投資 当社の競争力の源泉は従来型の流通慣習に適応し、自社のシステムエンジニアによってシステム開発を行い、受発注業務や物流業務等の自動化を進めてきたことにあります。今後の規模拡大に対応するため、フルフィルメントセンターの拡張や自動化機器の導入、さらにシステム開発への継続的な投資を通じて、中期的な出荷能力の確保と生産性の高い業務体制の構築を進めてまいります。 d.sakana baccaの新規出店 BtoCコマースサービスはsakana baccaの店舗数を拡大することで経営指標を向上させてまいりました。近年駅のDX化が進む中で、駅中のスペースの再開発が進んでおり、sakana baccaの出店余地が拡大しているため、エキナカ店舗を中心に立地条件にこだわり継続的に新規出店を行うことでサービスの成長を目指す方針です。 e.フード人材バンクの人材採用とオペレーショナルエクセレンス(注3)追求 HRサービスはフード人材バンクで求人企業の開拓及び人材紹介を担当する営業人員を拡充させることで経営指標を向上させてまいりました。今後も継続的に人材の採用や登用を行うことに加え、営業人員当たりの生産性を向上させる取り組みを通じて、サービスの成長を目指す方針です。 (注)1.CRM(Customer Relationship Management)は、ユーザーとの間に良好な関係を構築し、その維持及び向上を目指すための一連の取り組みをいいます。   2.アクティブユーザー数とは、各月で1回以上注文をした顧客数を指します。   3.オペレーショナルエクセレンスとは、業務の管理や運用(オペレーション)の効率向上を図り、競合     他社が真似できない独自の優位性を確立し、それを維持・向上させていくことをいいます。 ②プラットフォーム戦略 当社がプラットフォームの領域を増強し、拡大させていくための戦略になります。 a.魅力的な商品開発 サプライヤーの基盤拡充を行なっていく中で、商品開発機能が随時強化されております。その機能とsakana baccaのブランド力等を活かし、競争力のある独自の商品を開発し続け、より多様な販売チャンネルを経由した販売機会を狙ってまいります。 b.サービス間シナジーの創出 各サービスの成長と共に各プラットフォーム機能が拡充されていく中で、サービス間シナジーの創出余地が増加するため、その機会を活かして生産性向上を目指してまいります。 c.事業者向けサービスの拡大 プラットフォーム領域の拡大は既存事業の拡充、新規事業開発、M&A等選択肢を幅広く持ちながら常時検討してまいります。事業者向けサービスは現在の食産業が抱える社会課題に特に直面していることから、より注力して、検討をしてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。 ①サービス機能の拡充 インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、サービスの質を担保することで競争優位性を維持していく必要があります。各サービスにおいて顧客視点に立ったデータの活用やユーザビリティの向上を目指し、AIや機械学習の活用やIoT(モノのインターネット)などの先端技術への投資を行い、サービスの拡充に取り組んでまいります。 ②優秀な人材の採用と組織体制の強化 当社グループは、今後の事業拡大のためには、優秀な人材の採用とそれらの人材がモチベーション高く働ける組織体制の整備が重要であると考えております。当社グループの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行なっていくとともに、従業員が中長期で働きやすい環境の整備や社員の能力向上を目的とした育成の仕組化の強化等の人事制度の構築を実施してまいります。 ③コーポレート・ガバナンス体制の強化 当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のためのコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公平性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。 ④健全な財務基盤の構築 当社グループは、これまで事業拡大のための資金として自己資金及び金融機関からの借入を行い充当してまいりました。今後も必要資金のリスクプロファイルに応じて、自己資金と借入を柔軟に選択し、充当していくことを基本方針としており、資金調達方法の多様化と機動力を保つために、引き続き金融機関と良好な関係を維持してまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは持続的な成長に向けて、売上高、売上総利益及び営業利益を重視しており、毎期その向上に努めることで、中長期的に成長させていくことを目指します。また全社の売上高に対して比率の高いBtoBコマースサービスの売上高の成長が収益性の向上に繋がるため、BtoBコマースサービスのアクティブユーザー数及びARPUについては、中長期的に成長させていくことを重視しております。 なお、BtoBコマースサービスの過年度のアクティブユーザー数及びARPUの推移は以下のとおりであります。 期四半期アクティブユーザー数(ユーザー)前年同四半期からの増減比(%)ARPU(円)前年同四半期からの増減比(%)2022年3月期第1四半期2,35622.160,82424.3第2四半期2,261-9.265,2942.7第3四半期3,19310.195,95927.6第4四半期2,76214.573,39832.52023年3月期第1四半期3,28339.388,61045.7第2四半期3,25844.187,71734.3第3四半期3,60112.8106,94411.5第4四半期3,62131.199,13435.12024年3月期第1四半期3,85417.498,43411.1第2四半期3,85218.2100,32514.4第3四半期4,20416.8110,9973.8第4四半期4,01210.8104,5385.52025年3月期第1四半期4,0956.3102,9854.6第2四半期4,0595.4104,1733.8第3四半期4,6179.8111,3470.3第4四半期4,65716.198,975-5.3(注)1.上記の数字には社内取引等は含まれておりません。   2.2022年3月期第2四半期は新型コロナウイルスの感染者数の増加に伴う、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施されたことからアクティブユーザー数及びARPUに一部影響が出ております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化を背景に、緩やかに回復基調を示しました。一方で、国際的にはロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域の不安定化、米国の保護主義的な通商政策への懸念など、不透明な要因が継続しており、国内外経済の先行きには依然として注意が必要な状況です。当社グループが属する食産業においては、コロナ禍で大きく減退した個人消費が回復し、訪日外国人観光客によるインバウンド需要も増加傾向にあります。しかしながら、長期化する原材料費やエネルギーコストの高騰など事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。このような事業環境のなか、当社グループは「世界の食をもっと楽しく」をミッションとし、「生鮮流通に新しい循環を」をビジョンに掲げ、事業運営に取り組んでまいりました。BtoBコマースサービスでは、新規ユーザーの獲得および休眠ユーザーの掘り起こしなど、アクティブユーザー数の増加に向けた施策を実施いたしました。BtoCコマースサービスでは、商品構成の改善やイベントによる集客強化を進め、既存店の売上維持とともに、新店舗の出店も行い、都市型小売の展開を拡大しました。HRサービスにおいては、生鮮スーパーマーケットや飲食店に特化した人材紹介業を展開し、営業活動の強化を通じて顧客基盤の拡大をしました。これらの結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高6,866,324千円(前年同期比8.1%増)、営業利益167,387千円(前年同期比14.7%減)、経常利益169,042千円(前年同期比13.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益142,798千円(前年同期比25.5%減)となりました。主要なサービス別の概況は以下のとおりであります。当社グループは生鮮流通プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとに記載しておらず、サービス別に区分して記載しております。 a.BtoBコマースサービス当連結会計年度における売上高は5,471,053千円(前年同期比9.9%増)となりました。魚ポチのアクティブユーザー数が堅調に推移した結果、売上高は前連結会計年度と比較して増加いたしました。 b.BtoCコマースサービス当連結会計年度における売上高は1,004,869千円(前年同期比0.3%増)となりました。2023年9月に1店舗を閉店した影響はありましたが、その他の店舗が比較的好調に推移したため、売上高は前連結会計年度と比較して微増いたしました。なお、2025年3月末時点において9店舗を運営しております。 c.HRサービス当連結会計年度における売上高は390,401千円(前年同期比5.7%増)となりました。既存エリアにおけるスーパーマーケットや小売店への営業に加え飲食店への営業も進捗した結果、売上高は前連結会計年度と比較して増加いたしました。 ②財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産は3,217,623千円(前連結会計年度末:3,407,786千円)となり、前連結会計年度末と比較して190,162千円の減少となりました。流動資産は2,893,110千円(前連結会計年度末:3,089,506千円)となり、前連結会計年度末と比較して196,395千円の減少となりました。主な要因として、売掛金が33,625千円、商品が40,182千円及び未収入金が10,692千円増加した一方で、現金及び預金が285,776千円減少したこと等によります。固定資産は324,512千円(前連結会計年度末:318,279千円)となり、前連結会計年度末と比較して6,233千円の増加となりました。主な要因として、有形固定資産が4,795千円、投資その他の資産のその他に含まれる敷金が3,500千円増加した一方で、繰延税金資産が1,320千円減少したこと等によります。 (負債)当連結会計年度末における負債は925,321千円(前連結会計年度末:1,210,824千円)となり、前連結会計年度末と比較して285,503千円の減少となりました。流動負債は622,838千円(前連結会計年度末:877,625千円)となり、前連結会計年度末と比較して254,787千円の減少となりました。主な要因として、未払金が29,085千円、株主優待引当金が9,292千円増加した一方で、一年内返済予定長期借入金が253,100千円、未払法人税等が14,583千円減少したこと等によります。固定負債は302,483千円(前連結会計年度末:333,198千円)となり、前連結会計年度末と比較して30,715千円の減少となりました。主な要因として、資産除去債務が3,557千円増加した一方で、長期借入金が31,890千円減少したこと等によります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は2,292,302千円(前連結会計年度末:2,196,961千円)となり、前連結会計年度末と比較して95,341千円の増加となりました。主な要因として、自己株式の取得により88,838千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益142,798千円の計上、新株の発行に伴う払込資本40,200千円の増加などにより、株主資本が94,159千円増加したこと等によります。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ265,776千円減少し、2,035,954千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は74,119千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益169,042千円、減価償却費26,511千円、仕入債務の増加額13,919千円等の増加要因と、棚卸資産の増加額40,317千円、法人税等の支払額39,367千円、売上債権の増加額33,625千円等の減少要因によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は2,530千円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入20,000千円等の増加要因と、有形固定資産の取得による支出16,872千円、敷金及び差入保証金の差入による支出13,500千円等の減少要因によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は337,365千円となりました。これは主に、株式の発行による収入40,200千円の増加要因と、長期借入金の返済による支出284,990千円、自己株式の取得による支出88,838千円等の減少要因によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供する性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループが提供する性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当社グループは生鮮流通プラットフォーム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度におけるサービス別の売上高は以下のとおりであります。 サービスの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)売上高(千円)前期比(%)BtoBコマースサービス5,471,053109.9BtoCコマースサービス1,004,869100.3HRサービス390,401105.7合計6,866,324108.1(注)主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産及び負債の報告のうち、報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に棚卸資産の評価、有形固定資産の評価、貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性及び返金負債であり、継続して評価を行っております。見積り及び判断、評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表を作成するに当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は6,866,324千円となりました。なお、詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,285,401千円(前期比:188,763千円増)となりました。主な要因として、組織拡大に伴う人員増加により給料及び手当が53,324千円増加したこと、売上増加に伴い荷造運送費が39,329千円増加したこと等によります。その結果、当連結会計年度の営業利益は167,387千円(前期比:28,245千円減)となりました。 (営業外損益、経常利益) 当連結会計年度における営業外収益は、違約金収入、講演料等収入等を計上し、5,143千円(前期比:1,229千円増)となりました。当連結会計年度における営業外費用は、支払利息等を計上し、3,488千円(前期比:285千円減)となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は169,042千円(前期比:27,330千円減)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等を計上し、142,798千円(前期比:48,932千円減)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フロー分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は、人件費、広告宣伝費、新規出店及び改装等に係る設備投資です。これらの資金需要は、自己資金及び借入金により充当しております。また、運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、複数の取引銀行と当座貸越契約を確保しており、将来に対して充分な財源及び流動性を確保しております。また、現時点において重要な資本的支出の予定はございません。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与えるようについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、当該リスクが顕在化した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。そのため、当社を取り巻く事業環境の変化に留意しつつ、優秀な人材の確保や組織体制の整備を行い、経営資源を適切に配分し、適切な対応を図ってまいります。 ⑥ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析 当社グループは経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断する財務KPIとして、売上高、売上総利益、EBITDA(注1)、OPEX比率を重要指標とし、事業KPIとしてBtoBコマースサービスのアクティブユーザー数及びARPUを経営戦略上の重要指標と位置付けております。 重要指標当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前期比(%)売上高(千円)6,866,324108.1売上総利益(千円)2,452,789107.0EBITDA(千円)193,89999.7OPEX比率(%)32.9100.9アクティブユーザー(ユーザー)(注2)4,657116.1ARPU(円)(注2)98,97594.7(注)1.EBITDAは営業利益に減価償却費を加えた指標2.アクティブユーザー及びARPUは第4四半期の実績

事業リスク

  • 食品EC市場の成長性: フーディソンの主力サービスであるBtoBコマースは、食品EC市場の拡大を背景に成長を続けていますが、国内食品EC市場が予測通りに拡大しない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。現在の食品分野のEC化率は4.29%と他産業に比べて低く、今後の成長が期待される一方で、その進展が遅れるリスクも存在します。
  • 競合激化と競争力維持: 国内には複数の食品EC事業者が存在し、競争環境にあります。フーディソンは水産品カテゴリーの強化や商品ラインナップの拡充、マーケティング活動、カスタマーサポートの充実、ウェブサイトの利便性向上、自社配送網の拡充等で競争力を高めていますが、これらの取り組みが期待通りの成果を上げられない場合や、競合他社がより魅力的なサービスを提供した場合、財政状態や経営成績に影響が出る可能性があります。
  • 法規制の変更と遵守: 食品の仕入・加工・販売、EC販売、HRサービスは、「食品衛生法」「食品表示法」「卸売市場法」「特定商取引法」「職業安定法」など、様々な法令の規制を受けています。これらの法令に抵触した場合や、新たな法令の制定、既存法令の強化が行われ、サービスが規制対象となる場合、事業活動に制約が生じ、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。フーディソンはコンプライアンス体制の整備と従業員教育を徹底していますが、リスクは常に存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|10,278 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 当社グループのリスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 各リスクについて、顕在化可能性、影響度、発生時期については、下表のとおりです。 分類リスク顕在化可能性影響度発生時期(1) 事業環境に関するリスク① 産業の成長性について中大長期② 競合について低中中期③ 法規制について低中長期④ 卸売市場の動向について低中長期⑤ 市況変動等について低小中期⑥ 自然災害等について低中長期⑦ 気候変動について低中長期⑧ 感染症拡大について低中長期(2) 事業に関するリスク① 食品の安全について低大中期② システムトラブルについて低大中期③ 業績の季節性について中中中期④ 個人情報の取り扱いについて低中短期⑤ 許認可について低大長期⑥ 外食市場について中中長期⑦ 特定の仕入先への依存について低中中期⑧ フルフィルメントセンターについて低中中期⑨ 企業買収、戦略的提携について中小中期⑩ 配送コスト・物流網について中小中期⑪ インターネット等による風評被害について中小中期⑫ 新規出店計画について低小中期⑬ 知的財産権について低小長期(3) 経営・組織に関するリスク① 優秀な人材確保・育成について中大中期② 内部管理体制の構築について低中中期③ 繰越欠損金について低小中期④ 特定の経営者への依存について低小長期⑤ 配当政策について低小長期(4) その他① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について中小中期 各リスクの具体的な内容は下記のとおりです。(1) 事業環境に関するリスク① 産業の成長性について(顕在化可能性:中、影響度:大、発生時期:長期) 当社グループの主力サービスであるBtoBコマースサービスは、スマートフォンの普及やEコマース市場の拡大等を背景として、売上、アクティブユーザー数及びARPU等の事業指標は順調に拡大を続けております。経済産業省の「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」によると、食品分野のEコマース化率は4.29%ですが、他産業の生活家電、AV機器、PC・周辺機器等のEコマース化率は42.88%と30%を超える大きな開きがあることから、今後も食品Eコマース市場はEコマース化率の継続的な上昇を背景に、成長を続けるものと考えております。しかしながら、上記の予測通りに国内食品Eコマース市場が拡大しなかった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:中期) 現在、国内で食品Eコマース事業を展開する競合企業が複数存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。当社グループは、主力としている水産品カテゴリーの更なる強化に加え、青果や精肉等の商品ラインナップの拡充を進めるとともに、積極的なマーケティング活動やカスタマーサポートの充実、ウェブサイトの利便性向上、自社配送網の拡充等に取り組んでおり、卸売市場において優位性を構築し、競争力を向上させてまいりました。今後も顧客ニーズへの対応を図り、サービスの充実に結び付けていく方針ではありますが、これらの取り組みが予測通りの成果を上げられない場合や、より魅力的なサービスや競争力のある条件でサービスを提供する競合他社の出現により競争が激化した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法規制について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:長期) 当社グループは、食品の仕入・加工・販売を行うにあたり、「食品衛生法」、「食品表示法」、「卸売市場法」「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」等、Eコマース販売を行うにあたり、「景品表示法」、「特定商取引法」等の法令による規制を受けております。また、当社グループが運営するHRサービスは「職業安定法」の対象となっており、「有料職業紹介事業」の登録を受け、厚生労働省の許可の下、事業を営んでおります。 当社グループでは、これらの法令等を遵守するための管理体制及び従業員教育を徹底し、コンプライアンス体制の整備に努めております。しかしながら、今後これらの法令等に抵触した場合や、新たな法令の制定や既存法令の強化等が行われ、当社グループが運営するサービスが規制対象となる等制約を受ける場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 卸売市場の動向について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:長期) 当社グループは、東京都中央卸売市場である大田市場へ仲卸として参入しており、豊洲市場も含め商品の調達や物流機能の大部分について卸売市場に依存しております。市場内のルールを遵守し、市場関係者及び関係各所との良好な関係を保つことで、卸売市場を活用してのビジネスが円滑になるよう努めておりますが、卸売市場関連法令の新設・改正や市場内環境の変化、大企業の新規参入等、卸売市場を取り巻く状況が変化した場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 市況変動等について(顕在化可能性:低、影響度:小、発生時期:中期) 当社グループは、水産物を始めとした生鮮食材・加工食材を購入し、販売を行っております。仕入商品、仕入ルートの多様化にも取り組んでおりますが、天候不順・海流等自然条件による漁獲量の変動や漁獲資源に対する漁獲制限・輸出入制限等や為替相場の変動により市況が大きく悪化し食材の仕入価格が高騰した場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 自然災害等について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:長期) 大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、物流網の分断・混乱や事業・物流拠点の損壊・消滅、電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループによるサービス提供に支障が生じる可能性があり、ひいては当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 気候変動について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:長期) 当社グループのBtoBコマースサービス及びBtoCコマースサービスにおける主要取扱商品は水産物を中心とする生鮮品となっております。地球温暖化による気温上昇は、海洋における海水温と海水面の上昇、海水温の分布や海流の変化をもたらし、海洋環境を変化・悪化させる可能性があります。さらに陸上環境においても、各地の気温の上昇や天候不順などの変化・悪化が予想されます。これにより、海洋・陸上における水産物資源、農畜産物資源の生態系への影響が懸念されております。また消費者・取引先など社会における環境問題への関心は年々高まっており、環境問題に対する活動に後れが生じた場合は、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社では2023年5月1日付で取締役会の付属機関としてサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ経営を推進しております。 ⑧ 感染症拡大について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:長期)当社グループにおける営業エリアにおいて大規模かつ深刻な感染症が流行した場合、国政府や自治体によるロックダウン(都市封鎖)や活動自粛要請等により外出機会が減少し、取引先や消費者の価値観や消費行動が変容する可能性があります。BtoBコマースサービスやHRサービスの取引先である飲食店に対する制限、BtoCコマースサービスの小売店舗に対する直接的な制限が長引く場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業に関するリスク① 食品の安全について(顕在化可能性:低、影響度:大、発生時期:中期) 当社グループは、食品を取り扱っている会社として、食品の安全性確保を経営上の最重要課題として認識し、食品を取り扱う施設においては「HACCP(注)の考え方を取り入れた衛生管理」に対応すると共に、食品表示法及び計量法に基づき、商品を販売するにあたって原産地、食品添加物、アレルギー、保存方法、消費期限、内容量などの表示の義務を順守し、品質保証体制の構築並びに強化に取り組んでおります。しかし、予期せぬ品質事故により大規模な回収や製造物責任賠償等が発生した場合には、多額のコスト負担や当社グループの信用に重大な影響を与え、ひいては当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(注)HACCP(ハサップ)とは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法のことをいいます。 ② システムトラブルについて(顕在化可能性:低、影響度:大、発生時期:中期) 当社グループの事業は、その多くがインターネットを介して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存しております。安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っておりますが、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大、コンピュータウィルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な要因によってシステムがダウンした場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 業績の季節性について(顕在化可能性:中、影響度:中、発生時期:中期) 当社グループの四半期における業績は、第3四半期(10月~12月)及び第4四半期(1月~3月)において、売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。これは、当社グループの売上高の過半を占めるBtoBコマースサービスの主要顧客である飲食店において忘年会や送別会等の宴会需要、年末年始のイベント需要、鍋料理等魚介類を使った料理への需要等が集中することによるものであります。一方、当社グループの第2四半期(7月~9月)は、年末年始等に比べ宴会やイベントが少なく魚介類への需要が減ること等の理由から、他の四半期と比較して売上が減少する傾向があります。したがって、当社の上半期又は四半期別の業績のみを基に、当社グループの通期の業績を見通すことは困難であることに留意する必要があります。 当社グループは、当該季節的要因を踏まえた予算を策定し、売上高及び利益の確保に努めておりますが、何らかの事情により計画通りに需要が伸びなかった場合等には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループの直近2年間の四半期ごとの売上高、年間売上高に占める割合及び営業利益は以下の通りであります。 前連結会計年度(2024年3月期)当連結会計年度(2025年3月期)売上高(千円)構成比(%)営業利益(千円)構成比(%)売上高(千円)構成比(%)営業利益(千円)構成比(%)第1四半期1,474,52423.237,33519.0%1,629,16323.768,89241.2%第2四半期1,502,52523.715,1947.7%1,582,11323.017,34210.4%第3四半期1,766,92927.898,36750.1%1,912,54627.970,92442.4%第4四半期1,607,69425.345,33623.1%1,742,50025.410,2286.1% ④ 個人情報の取り扱いについて(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:短期) 当社グループは、HRサービスにおける求職者の登録情報を始めとする個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報については、社内規程である「個人情報保護基本規程」に基づき適切に管理するとともに、プライバシーマークを取得し社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。しかしながら、何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 許認可について(顕在化可能性:低、影響度:大、発生時期:長期) 当社の子会社である株式会社フーディソン大田は、大田市場の仲卸業者としての許可を東京都から受けております。株式会社フーディソン大田が有している仲卸業者の許可の取消については、東京都中央卸売市場条例第六十四条に定められております。現時点において認識している限りでは、法令に定める許可取消事由に該当する事実を有しておりません。しかしながら、将来何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、当社グループの財政状態や経営成績に大きな影響を与える可能性があります。また、当該法規の改正等により法的規制が強化された場合には、当社グループの事業に制限が加わる可能性があります。 株式会社フーディソン大田が保有している仲卸業務許可の許可番号及びその取得年月日等は次のとおりであります。 所轄官庁等取得者名許可番号取得年月日東京都株式会社フーディソン大田27中大業第1096号2016年2月1日 また、当社グループは、HRサービスを行うため、有料職業紹介事業者としての許可を厚生労働大臣から受けております。HRサービスは当社グループの売上に占める割合は5.7%(2025年3月期)であるものの、2025年3月期において、当社グループのサービスの中で、営業損益に対して重要な影響を与えるサービスとなっています。当社グループが有している有料職業紹介事業者の許可の取消については、職業安定法第32条の9に欠格事項が定められております。現時点において認識している限りでは、当社グループは法令に定める欠格事由に該当する事実を有しておりません。しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。また、当該法規の改正等により法的規制が強化された場合には、当社グループの事業に制限が加わる可能性があります。当社グループが保有している有料職業紹介事業許可の許可番号及びその取得年月日等は次のとおりであります。 所轄官庁等取得者名許可番号取得年月有効期限厚生労働省株式会社フーディソン13-ユ-3082342017年1月1日2029年12月31日 ⑥ 外食市場について(顕在化可能性:中、影響度:中、発生時期:長期) 当社グループの主要な顧客は飲食店であり、BtoBコマースサービスにおける2025年3月期の連結売上高に対する割合は79.7%となっております。外食市場は国内景気動向に影響を受けやすい市場でもあり、政治情勢の変化、自然災害の発生、感染症の流行等、何らかの要因により景気が後退し、当社顧客の業績が悪化した場合には、客単価が減少することで、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 特定の仕入先への依存について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:中期) 当社グループの主要な仕入先は大都魚類株式会社であり、2025年3月期の連結仕入高に対する割合は24.1%となっております。これは当社グループが大田市場の水産物の仲卸営業許可を取得している関係で、基本的には大田市場の水産物部を経由する商品については唯一の卸売業者である同社から調達する割合が高いためです。なお、同社とは水産物の仕入に関する契約を締結していることや同社が取引卸売市場法に定められる規制を受け、公共的な側面を有することから、取引関係は安定しております。当社グループは今後もこの関係を継続する方針でありますが、銀行取引停止処分等の契約解除事由の発生や、同社の政策の変更や事業の再編等により今後の取引関係が継続困難となった場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ フルフィルメントセンターについて(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:中期) 当社グループは、2023年8月に在庫保管や出荷業務のオペレーション変更を伴う大田フルフィルメントセンターを開設しました。開設後は順調に稼働しておりますが、何かしらの理由でその運営に支障が生じ、出荷業務が滞る等の事態が発生した場合、BtoBコマースサービスの営業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、大田フルフィルメントセンターでは一定の設備投資を行う予定ですが、これらの投資に見合う効果が十分に得られない場合やコスト上昇等が生じた場合、投資が想定よりも長期に及ぶことにより計画通りの収益が得られない場合等には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 企業買収、戦略的提携について(顕在化可能性:中、影響度:小、発生時期:中期) 当社グループは、既存の事業基盤を拡大するため、あるいは新たな事業への進出のため、事業戦略の一環として企業買収や資本提携を含む戦略的提携を行なう可能性があります。企業買収や戦略的提携にあたっては、十分な調査・分析検討を行ないますが、買収・提携後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する場合などが考えられます。また、買収・提携後の事業計画が当初計画どおりに進捗しない場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 配送コスト・物流網について(顕在化可能性:中、影響度:小、発生時期:中期) 当社グループが運営するBtoBコマースサービスは、商品販売に際し即日又は数日内の商品配送をサービスとして提供しております。主要なエリアに関しては、自社の配送ドライバーまたは専属委託による配送を行っておりますが、遠方のエリアや顧客が少ないエリアに関しては複数の運送会社に配送業務を委託しております。今後配送料の値上げ等により配送コストが上昇した場合、またはBtoBコマースサービスの拡大に応じ適時適切に物流網を確保・構築できなかった場合等には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ インターネット等による風評被害について(顕在化可能性:中、影響度:小、発生時期:中期) 当社グループは、プレスリリース及び適時情報開示等により信頼の維持・向上を図り、リスク顕在化の未然防止に努めております。しかしながらインターネット上の掲示板への書き込みや、それらを要因とするマスコミ報道等による風評・風説の流布が発生・拡散した場合には、当社グループのブランドイメージ及び社会的信用低下によって、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 新規出店計画について(顕在化可能性:低、影響度:小、発生時期:中期) 当社グループは、事業の拡大のため、BtoCコマースサービスにおいて新規出店を推進しております。新規出店機会を逃さないよう常に情報収集に努めております。また、新規出店にあたっては、各種調査を実施し、十分な検討時間を設けて様々な角度から事業計画及び採算性等を十分に検討した上で実施しております。 しかしながら、希望する立地に物件を確保できない場合や、事業計画と実績に大幅な乖離が生じた場合は、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 知的財産権について(顕在化可能性:低、影響度:小、発生時期:長期) 当社グループは、当社グループが運営するサービスに関する知的財産権の取得に努め、当社グループが使用する商標・技術・コンテンツ等についての保護を図っておりますが、当社グループの知的財産権が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが使用する技術・コンテンツについて、第三者から知的財産権の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生し、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。   (3) 経営・組織に関するリスク① 優秀な人材確保・育成について(顕在化可能性:中、影響度:大、発生時期:中期) 当社グループは、今後の業容拡大に伴い、当社グループの理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用・育成し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後、積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、当社グループの求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 内部管理体制の構築について(顕在化可能性:低、影響度:中、発生時期:中期) 当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守を徹底してまいりますが、事業が急速に拡大することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 繰越欠損金について(顕在化可能性:低、影響度:小、発生時期:中期) 2025年3月期末には、当社グループに税務上の繰越欠損金が存在しております。当社グループの経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合、または当社グループの業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ④ 特定の経営者への依存について(顕在化可能性:低、影響度:小、発生時期:長期) 当社の代表取締役CEO山本徹は、当社の創業者であり、経営方針や事業戦略等について、当社グループの経営の重要な役割を果たしております。現在、当社グループでは当該役員に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備、人材の育成を行う等体制の整備に努めておりますが、現在の状況においては、何らかの理由により、当該役員が当社グループの業務を遂行することが困難となった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 配当政策について(顕在化可能性:低、影響度:小、発生時期:長期) 当社グループは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けております。本書提出日現在では、当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。 (4) その他① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化可能性:中、影響度:小、発生時期:中期) 当社グループは、取締役及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権その他のエクイティ・インセンティブプランを発行する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合等には、当社株式が新たに発行又は交付されることにより、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があるとともに、かかる株式が一度に大量に市場へ流入することとなった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。2025年5月末現在でこれらの新株予約権に係る潜在株式数は288,300株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計4,883,440株の5.90%に相当します。

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