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AIメカテック(6227)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • FPD・半導体製造装置開発
    AIメカテックは、フラットパネルディスプレイ(FPD)や半導体パッケージの製造に不可欠な装置の開発、製造、販売、アフターサービスを一貫して手掛けています。これにより、顧客は装置導入から運用、保守までを同社に任せることができ、安定した収益源を確保しています。
  • 次世代ディスプレイ技術
    有機ELや量子ドットディスプレイ、マイクロディスプレイといった次世代ディスプレイの製造に用いられるIJP(インクジェット・プリンティング)技術や、スマートグラス向けのナノインプリント技術を応用した装置を提供しています。これにより、最先端技術の進化と共に事業を拡大しています。
  • 半導体パッケージ製造
    半導体パッケージ製造工程で使用されるはんだボールマウンタ装置やウエハハンドリングシステム、UV装置、エッチング・アッシング装置などを提供しています。これらの装置は、半導体の高機能化、小型化、薄型化、積層化に貢献し、現代社会のデジタル化を支える重要な役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • IJPソリューション事業
    この事業は、インクジェット・プリンティング(IJP)やナノインプリント、フィルム応用技術を基盤とした製造装置を提供しています。有機ELディスプレイやスマートグラス、フレキシブルデバイスなどの次世代製品の量産化を支援しており、売上高は約5.7億円で、現在は研究開発投資が先行し営業損失を計上しています。
  • 半導体関連事業
    半導体パッケージ製造工程で使用されるはんだボールマウンタ装置やウエハハンドリングシステム、UV装置、エッチング・アッシング装置などを開発・製造・販売しています。この事業は同社の稼ぎ頭であり、売上高は約195.2億円、営業利益は約37.6億円と、非常に高い収益性を誇っています。
  • LCD事業
    テレビやスマートフォン向けの液晶ディスプレイパネル生産工程で使われるシール塗布装置、液晶滴下装置、真空貼合せ装置などを提供しています。この事業は、売上高が約9.1億円、営業利益が約1.4億円と、安定した収益を上げており、ディスプレイ市場の多様なニーズに対応しています。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
IJPSolutionsBusinessReportableSegment 地域 6 -2 -38.8%
SemiconductorRelatedBusinessReportableSegment 地域 195 38 19.3%
LCDBusinessReportableSegment 地域 9 1 15.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,026 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社と連結子会社1社及び関連会社1社で構成されており、フラットパネルディスプレイ(FPD)・光学系デバイス(※1)製造装置や半導体パッケージ製造装置の開発・製造・販売及びアフターサービスを行っております。(※1)光学系デバイス:ウェーブガイドなど、光を利用して情報を伝達・処理する機能を持つ部品・装置の総称です。 当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付けは、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (IJPソリューション事業)IJP(インクジェット・プリンティング)応用分野、ナノインプリント応用分野、フィルム応用分野の研究開発成果を製品に展開し、先端のプロセスと設備を提案しております。1.IJP応用分野有機ELディスプレイを始めとする次世代ディスプレイの量産化に向けたプロセスと設備の提案を行っております。IJP技術は、微小な液滴を対象物に非接触でダイレクトに塗布、印刷する技術で、液晶ディスプレイ(LCD)に代わる有機ELディスプレイ(OLED)や量子ドットディスプレイ(QD)、マイクロディスプレイ(OLEDoS、μLEDoS)など次世代プレミアム・ディスプレイの製造に用いられるほか、必要な量を必要な場所に塗布できることからローコスト・プロセスの実現に繋がるなど様々な分野での利用が期待されています。2.ナノインプリント応用分野スマートグラスを始めとする次世代コミュニケーションツールの量産化に向けたプロセスと設備の提案を行っております。ナノインプリント技術は、様々な基板上に塗布した樹脂膜に凸凹構造をもった型をプレスし、ナノメートルレベルの微細パターンを転写する技術で、有機ELディスプレイ上の膜形成、ARスマートグラス用ウェーブガイド(※1)形成など、多様な用途での利用が期待されています。(※1)ウェーブガイド:現実世界に融合するデジタル映像の視認を可能にする導光板の構造です。3.フィルム応用分野フレキシブルデバイス(※1)やデジタルサイネージ(※2)に向けたプロセスと設備の提案を行っております。 (※1)フレキシブルデバイス:薄くて柔軟性のある新たな素材を用いたエレクトロニクス製品の総称です。(※2)デジタルサイネージ:ディスプレイなどの電子的な表示機器を用いて情報発信するメディアの総称です。 (主な関係会社)当社、ナノリソティックス株式会社 (半導体関連事業) 半導体パッケージ(※1)製造過程に用いられる、はんだボールマウンタ装置、ウエハハンドリングシステムや、半導体回路形成過程に用いられるUV装置とエッチング・アッシング装置の開発・製造・販売及びアフターサービスを行っております。  (※1)半導体パッケージ:ICチップに電源を供給、衝撃・湿気・ほこり等外部環境から保護、及びICチップの放熱等を行うものであり、ICチップの能力を最大限に引き出す役割を果たしています。 1.はんだボールマウンタ装置  ボール搭載技術とリペア技術を応用し、高歩留まりの量産設備を提供しております。今後更なる高機能・小型化・薄型化が要求される半導体関連の応用設備であります。 2.ウエハハンドリングシステム(ボンダー装置、デボンダー装置)  半導体ウエハを、ガラスキャリアに貼り合わせ分離する技術を応用し、ウエハ研磨・薄板化加工過程に必要な装置を提供しております。今後、更なる高機能・薄型化・積層化が要求される先端半導体パッケージ製造関連の応用設備であります。 3.UV装置とエッチング・アッシング装置  UV装置は、UV照射技術を応用し、回路形成に必要なレジストを硬化(安定化)する装置です。また、エッチング・アッシング装置は、プラズマ技術を応用し、ウエハの溝加工(エッチング処理)による回路形成、レジストの除去(アッシング処理)をする装置です。いずれも、パワー半導体関連の応用設備であります。   (主な関係会社)当社、南京新創機電科技有限公司 (LCD事業)テレビやスマートフォン等の液晶ディスプレイパネル生産工程で使われるシール塗布装置、液晶滴下装置、真空貼合せ装置等の開発・製造・販売及びアフターサービスを行っております。1.シール塗布装置細線塗布技術を応用し、対象となる基板上にシール剤(接着剤)を高速・高精度に塗布する装置であります。2.液晶滴下装置微量IJP塗布技術を応用し、液晶剤をパネルに高精度に塗布する装置であります。3.真空貼合せ装置高精度貼合せ技術を応用し、真空中で2枚のガラス基板の間に液晶を封じ込めるための装置であります。 (主な関係会社)当社、南京新創機電科技有限公司 事業の系統図は、次のとおりであります。 (注)南京新創機電科技有限公司は連結子会社であり、ナノリソティックス株式会社は持分法適用関連会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
ディスプレイ・半導体市場は需給動向を反映した価格変動が激しい
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高精度塗布・位置決め・貼合せ等のコア技術、ナノメートルレベルの微細パターン転写技術
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済動向による影響 / 海外販売に関するリスク / 技術革新の動向による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

公開情報からは、特許、ブランド力、規制ライセンスなどの具体的な無形資産に関する情報は確認できない。技術力は存在する可能性はあるが、それが競争優位に直結するほどの無形資産として認識できるかは不明。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

産業用ロボットの周辺機器や自動化装置は、既存の生産ラインとの互換性やオペレーションの習熟度から、顧客が安易に他社製品へ切り替えることは難しい可能性がある。しかし、切り替えコストが極めて高いというレベルではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業内容からは、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を向上させるネットワーク効果が発生するビジネスモデルは見られない。BtoBの設備投資が中心であり、直接的なユーザーコミュニティ形成はない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造業としての経験から、一定の生産効率や調達ノウハウは蓄積されていると考えられる。しかし、競合他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を持つという情報は確認できない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

産業用ロボット周辺機器や自動化装置の分野で一定の市場シェアを有している可能性はある。しかし、グローバルな巨大企業と比較すると、規模の経済による圧倒的な優位性を確立しているとは言えない。

  • 先端技術の研究開発力
    IJP応用分野、ナノインプリント応用分野、フィルム応用分野において、研究開発成果を製品に展開し、先端プロセスと設備を提案しています。特に有機ELディスプレイやスマートグラス向けウェーブガイド形成など、次世代技術に対応する能力は競争優位の源泉です。
  • 多様な製造装置ラインナップ
    FPD・光学系デバイス製造装置、半導体パッケージ製造装置、LCD製造装置と多岐にわたる製品を提供しており、顧客の多様なニーズに応えることが可能です。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した事業基盤を築いています。
  • グローバルな事業展開
    売上高の大半が海外向けであり、特に中国、台湾、韓国に事業を集中させています。これにより、アジア地域の活発なディスプレイ・半導体市場の成長を取り込み、グローバルな競争力を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等①企業理念「先進・革新技術で未来を創造」Create the Next by Advanced and Innovative technologies先進・革新技術により、人々がより便利に、より豊かに生活する社会の実現に貢献いたします。 ②目標当社グループは、「先進・革新技術で未来を創造」という企業理念のもと、以下の姿を目指してまいります。・お客様に、確かなソリューション提供力を評価・支持され、新たな取り組みにあたり、常に1番に声がかかる 会社・半導体、光学デバイス分野におけるグローバルニッチトップの会社・従業員がプライドを持って能動的に働き、自らの成長、仲間の成長を実感できる会社・人々の生活を、より安全・安心・便利で豊かにすることで、社会に貢献し続ける会社 ③経営方針(a) お客様の要望を迅速に具体化し、他に先んじて高品質な製品を提供する、不断のモノづくり力強化(b) 半導体・光学系デバイス分野の技術革新を捉え、お客様や事業パートナーとともに、当社コア技術を活かし、社会に求められる新たな用途、事業領域を開拓(c) きめ細かなLCS(ライフサイクルサポート)活動によるお客様の満足度向上 ④経営戦略当社グループは、上記の経営方針のもと、デジタル化社会への移行を支えるFPD・光学系デバイスや半導体の製造に不可欠な高品質の製品・サービスをお客様に提供するため、時代の先を見据えた事業展開を考え、お客様のニーズ具現化に最も適した材料・装置・プロセスを一体不可分なソリューションとして提供し、それを梃子にお客様の新たな取り組みに参画し、新たな市場創出や他社との差別化に取り組んで参ります。具体的には、FPD・光学系デバイス分野では、当社のデファクトスタンダード技術を梃子にした拡販に加え、ナノインプリント技術応用分野の拡大による新規事業創出、半導体関連分野では、強みのある先端半導体パッケージ製造装置において、フラッグシップ企業との取引実績や事業パートナーとの協働を梃子に、装置ラインアップ拡充、新製品の開発・投入による市場開拓等に積極的に取り組み、更なる事業拡大を図ってまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題 1.経営環境 米国外交・通商政策動向や中国経済の足踏みなど、今後も世界経済は先行き不透明な状況が続くと思われますが、半導体業界におきましては、AI用先端半導体需要拡大に加え、次世代先端半導体パッケージ向け投資意欲の高まりを受け、引続き積極的な設備投資が見込まれます。FPD業界におきましては、LCDの新規投資増加は大きく見込めないものの、IT機器向けディスプレイの有機EL化、AR/VRスマ-トグラス等の量産計画を踏まえた、マイクロディスプレイや光学系デバイス向け投資の積極化などにより、設備投資は底堅い推移が予想されます。中長期的にも、超高速・超低遅延・多数同時接続通信がキーワードとなる超スマート社会に向けた移行の基盤として、先端半導体や次世代ディスプレイの需要は一層の拡大が期待されます。 2.中長期的な成長に向けた取り組み斯かる環境下、当社グループでは、液晶からOLED等のプレミアム・ディスプレイへの流れの中、売上の大幅伸長が望めないLCD事業については安定的な収益確保を図る一方、今後、事業機会の一層の拡大が期待できるIJPソリューション事業と半導体関連事業に経営資源を投入し、持続的な成長を実現してまいります。IJPソリューション事業においては、これまで培ってきた微細塗布や高精度位置合わせのコア技術により開発した、OLEDoS、μLEDoS等のマイクロディスプレイ向け装置の拡販に注力しております。また、当社が有するナノメートルレベルの微細加工が可能なナノインプリント技術、インクジェット方式のパターニング塗布技術を活用し、他社との合弁を梃子に、新たなコミュニケーションツール向けの光学系デバイス加工システムなど、新規事業創出を目指してまいります。半導体関連事業においては、半導体の微細化・積層化が進む中、一層の需要拡大が見込まれる先端半導体パッケージ向け装置に注力しております。積層化に必要なウエハ薄板化プロセスに活用されるウエハハンドリングシステム(ボンダー装置、デボンダー装置)について、2.5/3D実装向け拡販に加え、パネルレベルパッケージング(※1)や、先端HBM(※2)向けへの応用・拡販に取り組みます。これらに、はんだボールマウンタやパワー半導体向け装置も含む多様な製品ラインアップにより、一層の業容拡大に努めてまいります。(※1)パネルレベルパッケージング:矩形のパネル基板上で複数のパッケージ製造を一括で実施することで、従来のウエハレベルとの比較で、パッケージ1個当たりの製造コストを低減する工法です。(※2)HBM(High Bandwidth Memory):複数のメモリ層を垂直に積み重ねる3次元スタッキング技術を使用し、非常に高い帯域幅(データ転送速度)を持つ先端メモリです。LCD事業は、新規の大口設備投資需要は望めませんが、取引先の既存設備の改造・リプレース等のニーズは継続しております。当社には、多くの納入実績に加え、LCS活動により築き上げた顧客との信頼関係があり、今後も安定した売上の確保を目指してまいります。アフターサービスは装置本体よりも採算性が良く、収益面でも一定の貢献が期待できると考えております。 尚、当社グループは、これらの取り組みをより具体化し目標として掲げる姿の実現に向けた第一歩として、中期経営計画(2026年6月期から2028年6月期)を策定いたしました。概要は次のとおりです。 (a)今次中期経営計画のテーマ「グローバルニッチトップのポジション確立と、売上高300億円・営業利益率12%・ROE17%以上の達成」 (b)基本戦略① 持続的成長・A-PI戦略(※3)によるお客様との協創・フラッグシップ企業との取引によるブランド力向上・新たなお客様への拡販・新市場創出・プロセスサポート・LCSによるリレーション強化(※3)A-PI(Advanced Process Integration)戦略:お客様のニーズ具現化に最も適した材料・装置・プロセスを、一体不可分なソリューションとして提供してまいります。それを梯子に新規プロジェクトに参画し、新たな市場創出・差別化による装置拡販に繋げる戦略です。 ② 収益力向上・新工場稼働などによる生産能力向上・新業務システム導入などによる生産性・業務効率向上・リードタイム短縮などによる収益性向上・CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)短縮など資産効率向上 ③ サステナブル経営推進・事業を通じた社会問題解決(気候変動への対応/ダイバーシティ等への取組みなど)・利益創出に向けた基盤強化(ガバナンスの強化/人的資本の活性化など) (c)今次中期経営計画の期間目標① 定性目標・グローバルニッチトップのポジション確立・次なる成長ドライバー事業の創出・持続的成長の基礎となる収益力向上・持続的成長を支える経営基盤整備・持続的成長を牽引する人財活性化 ② 定量目標 2025年6月期(実績)2028年6月期(最終年度)売上高210億円300億円営業利益21億円38億円営業利益率10.0%12%ROE3.1%17% 上記に記載されている戦略、目標等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 3.開発方針当社は、お客様に信頼・支持されるグローバル企業、先進・革新技術により製造装置分野で性能・品質世界一を目指しております。2018年7月に開設したプロセス開発センタ、2025年12月に竣工予定の新装置組立建屋内のクリーンルームなどの活用により、さらには大学の研究者・材料メーカーとの連携を梃子に、当社のコア技術である微細塗布・高精度位置合わせ技術を応用した研究開発に不断に取り組み、時代の先を見据えた装置を上市してまいります。 (3)経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、連結売上高及び連結営業利益・連結営業利益率・自己資本利益率(ROE)を重視し、収益力の向上に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等①企業理念「先進・革新技術で未来を創造」Create the Next by Advanced and Innovative technologies先進・革新技術により、人々がより便利に、より豊かに生活する社会の実現に貢献いたします。 ②目標当社グループは、「先進・革新技術で未来を創造」という企業理念のもと、以下の姿を目指してまいります。・お客様に、確かなソリューション提供力を評価・支持され、新たな取り組みにあたり、常に1番に声がかかる 会社・半導体、光学デバイス分野におけるグローバルニッチトップの会社・従業員がプライドを持って能動的に働き、自らの成長、仲間の成長を実感できる会社・人々の生活を、より安全・安心・便利で豊かにすることで、社会に貢献し続ける会社 ③経営方針(a) お客様の要望を迅速に具体化し、他に先んじて高品質な製品を提供する、不断のモノづくり力強化(b) 半導体・光学系デバイス分野の技術革新を捉え、お客様や事業パートナーとともに、当社コア技術を活かし、社会に求められる新たな用途、事業領域を開拓(c) きめ細かなLCS(ライフサイクルサポート)活動によるお客様の満足度向上 ④経営戦略当社グループは、上記の経営方針のもと、デジタル化社会への移行を支えるFPD・光学系デバイスや半導体の製造に不可欠な高品質の製品・サービスをお客様に提供するため、時代の先を見据えた事業展開を考え、お客様のニーズ具現化に最も適した材料・装置・プロセスを一体不可分なソリューションとして提供し、それを梃子にお客様の新たな取り組みに参画し、新たな市場創出や他社との差別化に取り組んで参ります。具体的には、FPD・光学系デバイス分野では、当社のデファクトスタンダード技術を梃子にした拡販に加え、ナノインプリント技術応用分野の拡大による新規事業創出、半導体関連分野では、強みのある先端半導体パッケージ製造装置において、フラッグシップ企業との取引実績や事業パートナーとの協働を梃子に、装置ラインアップ拡充、新製品の開発・投入による市場開拓等に積極的に取り組み、更なる事業拡大を図ってまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題 1.経営環境 米国外交・通商政策動向や中国経済の足踏みなど、今後も世界経済は先行き不透明な状況が続くと思われますが、半導体業界におきましては、AI用先端半導体需要拡大に加え、次世代先端半導体パッケージ向け投資意欲の高まりを受け、引続き積極的な設備投資が見込まれます。FPD業界におきましては、LCDの新規投資増加は大きく見込めないものの、IT機器向けディスプレイの有機EL化、AR/VRスマ-トグラス等の量産計画を踏まえた、マイクロディスプレイや光学系デバイス向け投資の積極化などにより、設備投資は底堅い推移が予想されます。中長期的にも、超高速・超低遅延・多数同時接続通信がキーワードとなる超スマート社会に向けた移行の基盤として、先端半導体や次世代ディスプレイの需要は一層の拡大が期待されます。 2.中長期的な成長に向けた取り組み斯かる環境下、当社グループでは、液晶からOLED等のプレミアム・ディスプレイへの流れの中、売上の大幅伸長が望めないLCD事業については安定的な収益確保を図る一方、今後、事業機会の一層の拡大が期待できるIJPソリューション事業と半導体関連事業に経営資源を投入し、持続的な成長を実現してまいります。IJPソリューション事業においては、これまで培ってきた微細塗布や高精度位置合わせのコア技術により開発した、OLEDoS、μLEDoS等のマイクロディスプレイ向け装置の拡販に注力しております。また、当社が有するナノメートルレベルの微細加工が可能なナノインプリント技術、インクジェット方式のパターニング塗布技術を活用し、他社との合弁を梃子に、新たなコミュニケーションツール向けの光学系デバイス加工システムなど、新規事業創出を目指してまいります。半導体関連事業においては、半導体の微細化・積層化が進む中、一層の需要拡大が見込まれる先端半導体パッケージ向け装置に注力しております。積層化に必要なウエハ薄板化プロセスに活用されるウエハハンドリングシステム(ボンダー装置、デボンダー装置)について、2.5/3D実装向け拡販に加え、パネルレベルパッケージング(※1)や、先端HBM(※2)向けへの応用・拡販に取り組みます。これらに、はんだボールマウンタやパワー半導体向け装置も含む多様な製品ラインアップにより、一層の業容拡大に努めてまいります。(※1)パネルレベルパッケージング:矩形のパネル基板上で複数のパッケージ製造を一括で実施することで、従来のウエハレベルとの比較で、パッケージ1個当たりの製造コストを低減する工法です。(※2)HBM(High Bandwidth Memory):複数のメモリ層を垂直に積み重ねる3次元スタッキング技術を使用し、非常に高い帯域幅(データ転送速度)を持つ先端メモリです。LCD事業は、新規の大口設備投資需要は望めませんが、取引先の既存設備の改造・リプレース等のニーズは継続しております。当社には、多くの納入実績に加え、LCS活動により築き上げた顧客との信頼関係があり、今後も安定した売上の確保を目指してまいります。アフターサービスは装置本体よりも採算性が良く、収益面でも一定の貢献が期待できると考えております。 尚、当社グループは、これらの取り組みをより具体化し目標として掲げる姿の実現に向けた第一歩として、中期経営計画(2026年6月期から2028年6月期)を策定いたしました。概要は次のとおりです。 (a)今次中期経営計画のテーマ「グローバルニッチトップのポジション確立と、売上高300億円・営業利益率12%・ROE17%以上の達成」 (b)基本戦略① 持続的成長・A-PI戦略(※3)によるお客様との協創・フラッグシップ企業との取引によるブランド力向上・新たなお客様への拡販・新市場創出・プロセスサポート・LCSによるリレーション強化(※3)A-PI(Advanced Process Integration)戦略:お客様のニーズ具現化に最も適した材料・装置・プロセスを、一体不可分なソリューションとして提供してまいります。それを梯子に新規プロジェクトに参画し、新たな市場創出・差別化による装置拡販に繋げる戦略です。 ② 収益力向上・新工場稼働などによる生産能力向上・新業務システム導入などによる生産性・業務効率向上・リードタイム短縮などによる収益性向上・CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)短縮など資産効率向上 ③ サステナブル経営推進・事業を通じた社会問題解決(気候変動への対応/ダイバーシティ等への取組みなど)・利益創出に向けた基盤強化(ガバナンスの強化/人的資本の活性化など) (c)今次中期経営計画の期間目標① 定性目標・グローバルニッチトップのポジション確立・次なる成長ドライバー事業の創出・持続的成長の基礎となる収益力向上・持続的成長を支える経営基盤整備・持続的成長を牽引する人財活性化 ② 定量目標 2025年6月期(実績)2028年6月期(最終年度)売上高210億円300億円営業利益21億円38億円営業利益率10.0%12%ROE3.1%17% 上記に記載されている戦略、目標等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 3.開発方針当社は、お客様に信頼・支持されるグローバル企業、先進・革新技術により製造装置分野で性能・品質世界一を目指しております。2018年7月に開設したプロセス開発センタ、2025年12月に竣工予定の新装置組立建屋内のクリーンルームなどの活用により、さらには大学の研究者・材料メーカーとの連携を梃子に、当社のコア技術である微細塗布・高精度位置合わせ技術を応用した研究開発に不断に取り組み、時代の先を見据えた装置を上市してまいります。 (3)経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、連結売上高及び連結営業利益・連結営業利益率・自己資本利益率(ROE)を重視し、収益力の向上に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、個人消費が堅調な米国を中心に総じてプラス成長を維持しましたが、米国外交・通商政策動向、中国の不動産市場の停滞継続、ウクライナや中東における紛争長期化による地政学リスクの高まり等により、先行きへの不透明感が強まりました。国内経済は、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しや堅調な設備投資など、内需を中心に緩やかな回復傾向が続きました。当社グループの事業環境について、半導体業界において、最終需要の低迷によりIT機器や汎用サーバー向け半導体投資需要は停滞する一方、AI用先端半導体向け投資需要は引き続き堅調に推移しました。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、全般的に投資需要が低迷する中、AR/VR用マイクロディスプレイ向け投資再開や、LCD向け設備投資に底入れの動きも見受けられました。このような環境下、当社は、AI用先端半導体パッケージ向け装置の開発・拡販、株式会社オプトランとの資本業務提携など、更なる事業拡大への取り組みを強化いたしました。このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の受注金額は26,946百万円(前年度比78.6%増)、受注残高は26,193百万円(前年度比29.4%増)となりました。売上高は21,005百万円(前年度比36.2%増)、営業利益は2,095百万円(前年度比701.8%増)、経常利益は1,884百万円(前年度比1,059.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は337百万円(前年度比202.3%増)となりました。尚、受注金額及び受注残高には、発注内示段階のものも含まれます。  セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (IJPソリューション事業)マイクロディスプレイ向け一括封止ラインについて、AR/VRグラス等の最終アプリケーション市場動向の見極めが進む中、顧客により投資需要に跛行性が窺われ、出荷の翌期以降へのずれ込みが見られた一方、投資再開に伴う新規受注の獲得もありました。今後は、引き合いが続くマイクロディスプレイ向け需要を確り捕捉することに加え、タブレット等の反射防止パターン形成システムなど、合弁会社を通じたナノインプリントリソグラフィー事業の立ち上げに引続き注力し、受注・売上の積み上げを図ってまいります。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は573百万円(前年度比70.5%減)、セグメント損失は222百万円(前年度は155百万円の利益)となりました。 (半導体関連事業)はんだボールマウンタについて、IT機器・汎用サーバー用半導体の投資低迷を受け、受注・出荷の翌期以降へのずれ込みが顕在化したものの、AIサーバー用などの先端半導体パッケージ向けウエハハンドリングシステムが牽引し、出荷・受注とも順調に推移しました。今後は、活発な引き合いが続くウエハハンドリングシステムの追加需要の着実な捕捉に加え、更なる事業成長の鍵となる、パネルレベルパッケージ(PLP)向けやシリコンフォトニクス向け等のボンダー・デボンダー装置の開発・拡販に注力し、一層の受注・売上拡大に取り組んでまいります。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は19,520百万円(前年度比70.5%増)、セグメント利益は3,759百万円(前年度比134.7%増)となりました。 (LCD事業)パネル市況を受けた投資需要の低迷は続いたものの、部品・改造需要の掘り起こしに加え、一部大型パネル向け増設需要により一定の出荷・受注を確保しました。今後は、部品等のアフターサービス、引き合いが続く封止用装置需要の捕捉に注力し、受注・売上の積み上げを図ってまいります。  このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は911百万円(前年度比55.1%減)、セグメ ント利益は140百万円(前年度は60百万円の損失)となりました。 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,800百万円増加し、23,649百万円となりました。主として、現金及び預金773百万円、売掛金及び契約資産1,736百万円の増加によるものであります。  有形固定資産は、前連結会計年度末から369百万円増加し、3,162百万円となりました。無形固定資産は、前連結会計年度末から187百万円増加し、209百万円となりました。投資その他の資産は、前連結会計年度末から241百万円増加し、351百万円となりました。これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から4,599百万円増加し、27,373百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,811百万円増加し、12,804百万円となりました。主として、電子記録債務627百万円、買掛金1,719百万円の増加、並びに、短期借入金1,100百万円の減少によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,882百万円増加し、3,708百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ94百万円減少し、10,861百万円となりました。主として、自己株式の取得244百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は39.7%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ773百万円増加し、3,647百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果取得した資金は、1,526百万円となりました。資金の取得は、主に営業利益2,095百万円の計上、仕入債務の増加2,337百万円に伴う資金の増加、及び売上債権の増加1,521百万円、棚卸資産の増加1,163百万円に伴う資金の減少によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、2,482百万円となりました。資金の使用は、主に有形固定資産の取得による支出1,060百万円、条件付取得対価の支払額1,422百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果取得した資金は、1,774百万円となりました。資金の取得は、主に長期借入れによる収入3,194百万円によるものであります。 ③ 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年度比(%)受注残高(千円)前年度比(%)IJPソリューション事業1,341,952195.04,447,05620.9半導体関連事業23,834,40276.718,755,25730.0LCD事業1,770,31155.02,991,36040.3合計26,946,66678.626,193,67429.4 (注) 1.セグメント間取引はありません。2.金額は、販売価格によっております。 ④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年度比(%)IJPソリューション事業573,396△70.5半導体関連事業19,520,80670.5LCD事業911,374△55.1合計21,005,57736.2 (注) 1.セグメント間取引はありません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)MIC-TECH(SHANGHAI) CORP.2,108,19413.77,417,98535.3MARKETECH INTERNATIONAL CORP.--6,597,13731.4 3.前連結会計年度のMARKETECH INTERNATIONAL CORP.につきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から4,599百万円増加し、27,373百万円となりました。これは主に現金及び預金773百万円、売掛金及び契約資産1,736百万円、半製品751百万円の増加によるものです。負債は、前連結会計年度末から4,693百万円増加し、16,512百万円となりました。主として、買掛金1,719百万円、長期借入金3,139百万円の増加によるものです。純資産は、前連結会計年度末から94百万円減少し、10,861百万円となりました。主として、自己株式の取得244百万円によるものです。この結果、自己資本比率は39.7%となり、前年度より8.4%減少しました。  b. 経営成績当連結会計年度において、ウエハハンドリングシステムが牽引する半導体関連事業の大幅増収により、当社グループの連結業績は、売上高21,005百万円(前年度比36.2%増)、営業利益2,095百万円(前年度比701.8%増)、経常利益1,884百万円(前年度比1,059.9%増)となりました。また、条件付取得対価の支払い及び減損損失の発生に伴い、特別損失を1,531百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益337百万円(前年度比202.3%増)となりました。 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、各セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に対応しております。 (IJPソリューション事業)当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から1,370百万円減少し、573百万円となりました。セグメント利益は、前連結会計年度の155百万円から378百万円減少し、222百万円の損失となりました。顧客の設備投資見直し等により、主にマイクロディスプレイ向け装置の受注・出荷が翌期以降にずれ込んだ結果、斯かる減収・減益となったものです。 (半導体関連事業)当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から8,074百万円増加し、19,520百万円となりました。セグメント利益は、同じく2,157百万円増加し、3,759百万円となりました。AI用などの先端半導体パッケージ向けウエハハンドリングシステムが堅調に推移した結果、斯かる増収増益となったものです。 (LCD事業)当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から1,120百万円減少し、911百万円となりました。セグメント利益は、前連結会計年度60百万円の損失から201百万円増加し、140百万円となりました。液晶パネル市況の低迷、有期ELパネルへの移行といった構造的要因により、新規投資需要の減少やアフターサービス案件の期ずれが発生し減収となった一方、貸倒引当金の戻し入れ等により増益となりました。 ②資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの事業活動における主な資金需要は、部品の仕入代金、製品の製作代金、販売費及び一般管理費等の費用及び設備投資資金であります。上記運転資金につきましては、内部資金、銀行からの借入及び売上債権の回収により調達を行うことを基本としております。日常的な手元流動性は金利費用削減のため必要最小限の残高で運用しておりますが、取引銀行とコミットメントライン契約(極度額10,400百万円)、当座貸越契約(極度額7,400百万円)を締結しており、資金の流動性は確保されております。なお今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益、費用及びキャッシュ・フローの報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 a.貸倒引当金の計上基準当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 b.棚卸資産の評価基準当社グループは、原材料は最終仕入原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、製品及び仕掛品は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、半製品のうち保守部品は移動平均法による原価法、それ以外は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。 c.繰延税金資産の回収可能性当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断しております。将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 d.固定資産の減損処理当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。 e.退職給付債務の算定当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づき算定されております。将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。

事業リスク

  • 経済動向と設備投資
    ディスプレイ・半導体市場の需給変動や顧客企業の設備投資計画の変更は、受注キャンセルや売上計上時期の変動を通じて業績に大きな影響を与える可能性があります。同社は、事業拡大とコスト削減で収益体質強化を目指しています。
  • 海外事業と地政学リスク
    売上の大半が中国、台湾、韓国に集中しているため、これらの国々での政治状況の急変、法改正、経済変動、自然災害、テロなどが業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。国際情勢の不安定さは常に注視すべき点です。
  • 技術革新と陳腐化
    属する事業分野では技術革新が急速に進むため、市場ニーズへの迅速な対応が不可欠です。適切な対応ができない場合、既存製品が陳腐化し、競争優位性を失う恐れがあります。継続的な研究開発と外部連携でリスク低減を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,553 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経済動向による影響 当社グループが販売する製造装置は、ディスプレイ・半導体市場の需給動向に影響を受けます。加えて、当社製品は企業向け生産設備であることから、企業の設備投資の凍結や計画変更等、その設備投資需要に大きく影響を受けます。したがいまして、ディスプレイ・半導体市場の需給や顧客の設備投資需要に大幅な変動がある場合、受注のキャンセル、売上計上時期の変動などにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループは、IJPソリューション事業、半導体関連事業及びLCD事業を中核事業と位置づけその事業拡大を図るとともに、生産性の向上及び固定費・変動費の削減を推進し、事業環境の変化に影響されにくい収益体質づくりを目指して参ります。 (2)海外販売に関するリスク 当社グループの売上高の大半は海外向けであり、かつ中国、台湾、韓国に集中しております。したがいまして、中国、台湾、韓国において、政治状況の急変、法律・税制の予期しない変更、産業政策の変更、経済状況の急変、地震・洪水等の自然災害及びテロ・戦争等の社会的混乱が生じた場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (3) 技術革新の動向による影響 当社グループの属する事業分野においては、技術革新の急速な進展とそれに伴う市場ニーズの変化に迅速に対応することが絶えず求められております。この変化に適切な対応をすることができない場合、当社グループの既存の製品・サービスは急速に陳腐化し競争の優位性を失うおそれがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。このため、当社グループでは技術動向の調査を不断に進めるとともに、研究・開発機関と連携する等、新たな技術・製品の研究開発に努めております。 (4) 価格競争による影響 当社グループの主要顧客であるディスプレイ・半導体市場においては、需給動向を反映した価格変動が激しいことが特徴としてあります。当社グループでは、原価低減に努めるとともに、自動化・省人化を可能とする装置開発や、各装置のパッケージ化等により顧客サイドのコストダウンを実現し、価格の維持に注力しております。しかしながら、当社も単に他社と価格のみで比較、競合するおそれは否めず、過度の価格競争が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (5) 法的規制に関するリスク 当社グループでは、ISO9001やISO14001の認証を取得した工場として生産活動を行っております。このような活動を行うに際して、製造物責任法・独占禁止法・下請代金支払遅延等防止法・廃棄物の処理及び清掃に関する法律・工場立地法・消防法・毒物及び劇物取締法等の法的規制を受けております。今後、新たな法令の制定等規制の動向によっては、当社の事業展開が制約され、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (6)売上計上時期の変動に関するリスク当社グループの生産計画、販売計画及び業績の見通しは、顧客都合による納期の変更等により急な見直しを余儀なくされることがあります。このため顧客の工場建設の遅れや設備投資計画の見直し等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (7)ノウハウ及び知的財産権に関するリスク 当社グループは、製造装置需要の変動に柔軟に対応すべく、一部の製品組立を協力会社へ委託しているため、当社独自のノウハウや技術情報が社外に流出するリスクが想定されます。協力会社との間では、当社の技術・ノウハウの他への転用・利用を禁止する旨の契約を締結し、ノウハウの社外流出の防止に努めております。 また、当社は、技術流出の危険性に対する防止策及び競合他社に対する知的財産権上の優位性の維持及び獲得のため、特許・実用新案の出願を積極的に行っております。しかしながら、特定の国や地域では、当社の知的財産権の保護が十分にされない場合があり、当社の知的財産権を使用して類似製品を製造することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。一方、第三者の知的財産権については、これを侵害しないよう努めておりますが、万が一抵触した場合には、多額の係争費用や損害賠償金等が発生するおそれがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (8)研究開発等の先行投資に関するリスク 当社グループは、将来成長が期待できる市場分野での事業展開に有益と考える技術に関わる研究開発及び関連設備に先行投資をしております。しかし、想定を上回る革新的な技術の登場やマクロ経済環境の急変等により、先行投資の成果が必ずしも収益に繋がらないリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (9)製品の契約不適合に関するリスク 当社グループは、製品の品質管理に関して十分な注意を払い、PL保険にも加入しておりますが、先端技術あるいは新技術を用いた製品を扱うことも多く、事前の想定が困難な契約不適合が発生する等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (10)装置代金の回収及び営業キャッシュ・フローの健全化に関するリスク 当社グループの装置代金の回収については、中国などの商慣習により、契約代金の1割前後の回収が長期化するケースがあります。前受金やFOB(本船渡し)により代金の8割前後の回収が行われますが、残金は当社装置の稼働ではなく、生産ライン全体の稼働後に最終的な検収を行い、そこから1年など一定の保証期間経過後に支払われる契約となっているためです。代金回収を計画的に行うために、装置納入後の状況や課題等について顧客と情報共有するなど様々な取り組みを進めておりますが、顧客設備の稼働スケジュールや検収作業の長期化等が、当社グループの財務状況及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。当社グループでは、契約時に検収条件の明確化を図るとともに、納入後は子会社及び代理店等と連携し検収の早期化に努めるなど、売上代金の計画的な回収実現に向け取り組んでおります。 (11) 大規模災害の影響・感染症等に関するリスク当社グループの生産拠点は、本社工場、守谷サテライト工場とも茨城県にあります。よって、茨城県において大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、物流機能の麻痺等が生じ、生産拠点の操業停止等、当社の生産体制が重大な影響を被る可能性があります。また、感染症によるパンデミックが発生した場合、開発・製造・営業・調達・保守等の事業活動の継続が困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (12) 棚卸資産の滞留リスク当社グループ半製品には、顧客との納期等を考慮して、汎用部分の製造に先行着手している製品が含まれております。半導体事業の急拡大に伴い当該製品は増加傾向にあることから、これらの製品の受注が遅延またはキャンセルとなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (13) 固定資産の減損リスク当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損損失を認識すべきであると判定した場合にはそれぞれの固定資産について回収可能性を評価することとなります。回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額は減損損失として当該期の損失として計上されるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (14) 退職給付債務について 当社は、将来に関する一定の前提を置いた年金数理計算に基づいて退職給付債務を計上しております。したがいまして、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件に変動が生じた場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (15)情報管理について 当社グループは、事業遂行にあたり、各種技術情報、顧客情報、個人情報を有しております。当社では、情報セキュリティマネジメント規程を制定し、当社が管理する文書、電子情報の適切な管理に努めております。しかしながら、情報漏洩のリスクは常に存在しており、万一情報が漏洩した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (16) 人財の確保・育成 当社グループが培ってきた技術やノウハウの伝承、延いては当社グループの将来の成長は、従業員の能力による部分が大きく、よって優れた能力を有する従業員の確保と育成は、当社グループの重要な経営課題であります。必要な人財を確保、育成できなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況、さらには当社の成長に影響を与える可能性があります。 (17) 日立製作所グループとの関係について当社は、日立テクノエンジニアリング株式会社(注:同社はグループ内での合併の後、2013年に株式会社日立製作所により吸収合併された。)が1990年3月に開設した竜ケ崎工場を母体とし、2016年7月、株式会社日立製作所からの新設分割により設立されました。新設分割にあたり、当社は株式会社日立製作所より竜ケ崎工場の不動産及び製造設備等の資産、従業員、特許権等知的財産権並びに事業に関連する海外事業拠点(台北、南京)を継承しております。現在の当社と日立製作所グループとの関係について、株式会社日立ハイテクとの販売契約、株式会社日立マネジメントパートナーへの給与計算・経費精算等に係る委託契約等はありますが、いずれも第三者である他の取引先と同じく、サービスの質、価格等の条件の妥当性を総合的に判断し決定しております。一方、当社と同社グループとの間に、ライセンス契約、技術または製造工程に関する支援・コンサルティング契約、出向関係等はありません。 (18) 主要株主との関係について東京応化工業株式会社及び株式会社オプトランは、当社の主要株主に該当しております。東京応化工業株式会社とは、当社装置事業展開にあたり協業し、株式会社オプトランとは資本業務提携契約を締結しております。これら主要株主の方針転換又は株主構成に変更があった場合、当社の株価、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19) サプライチェーンに関するリスク当社グループでは、製品を製造するにあたり複数のサプライヤーからの部材の調達を行っております。需給の逼迫や供給遅延・停止、価格高騰の要因等により、製品の製造遅延・供給停止が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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