事業の概要
- 貴金属回収事業プリント基板やコネクタなどの電子部品、歯科材料といった「都市鉱山」から、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を独自の技術で回収し、精製して販売しています。特に「ハイエクト装置」による溶媒抽出法で高純度な貴金属を精製し、商社や電子材料メーカーに供給することで収益を得ています。また、リチウムイオン電池からリチウムを回収・加工し、炭酸リチウムとして販売する事業も展開しています。
- 環境再生事業プリント配線基板メーカーから排出される使用済みの塩化第二鉄廃液や塩化第二銅廃液を引き取り、新しい塩化第二鉄液として再生・販売しています。この再生プロセスで副産物として回収される銅粉は、加工して鉄鋼メーカーなどに販売されます。さらに、再生された塩化第二鉄液は水処理剤として、塩化第一鉄液はクロム廃水の還元剤としても販売され、環境負荷低減と資源循環に貢献しています。
- システム・運搬・分析事業生産現場の検査業務を効率化する自動計測検査システムや品質管理ソリューションの開発・販売を行っています。また、連結子会社のアサカ弘運が産業廃棄物の収集運搬を担い、貴金属事業や環境事業の物流を支えています。多様な分析装置を用いた金属成分や不純物の分析・評価サービスも提供し、多角的な事業展開で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 貴金属事業金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属地金や、炭酸リチウム、蒸着材などの加工用材料の販売、貴金属の回収精製処理、各種治具の洗浄・再生サービスを提供しています。主に電子部品メーカーや歯科医院などから都市鉱山を集荷し、独自の技術で貴金属を回収・精製しています。売上高は72.68億円と、同社グループの主要な収益源となっています。
- 環境事業プリント配線基板メーカーから使用済み塩化第二鉄廃液などを回収し、新液として再生・販売する事業です。この過程で副産物として銅粉や銅ペレットを回収し、鉄鋼メーカーなどに販売しています。また、再生された塩化第二鉄液は水処理剤として、塩化第一鉄液は還元剤としても販売されます。売上高は12.02億円で、貴金属事業に次ぐ規模の事業です。
- システム事業生産・検査現場の合理化・省力化を支援する自動計測検査システムや計測ネットワークシステムの開発・販売を行っています。品質管理ソリューションとして、検査機器のデータ収集・ネットワーク化やISO規格の品質管理体制構築・運用支援も提供しています。売上高は1.96億円で、他の事業と比較すると規模は小さいですが、技術力を活かしたサービスを提供しています。
2025-09 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PreciousMetalDivision | 地域 | 73 | − | − |
| EnvironmentDivision | 事業 | 12 | − | − |
| SystemDivision | 事業 | 2 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、株式会社アサカ理研(当社)と連結子会社アサカ弘運株式会社により構成されております。当社グループの主たる事業は、電子部品屑等から貴金属を回収する貴金属事業、エッチング廃液を再生し、銅を回収する環境事業、各種計測データ処理システム等の開発・販売を行っているシステム事業であります。連結子会社のアサカ弘運株式会社は、主に貴金属事業及び環境事業の運搬業務を行っております。 (1)貴金属事業当事業は、プリント基板メーカー、コネクタメーカー等の電子部品メーカーをはじめ、歯科医院及び歯科技工所等有価金属を含有する材料を扱う業者より集荷した基板屑、不良品、廃棄品等いわゆる都市鉱山から金、銀、白金、パラジウム等の貴金属を当社独自の技術にて分離・回収し、返却又は販売する事業であります。回収した貴金属は当社が開発した「ハイエクト装置」による溶媒抽出法により精製し、当社の刻印を打刻し、主に国内の商社に販売するとともに、材料加工したものを電子材料メーカー等に販売しております。また、水晶関連業界で使用されるスパッタリング装置、蒸着装置といった真空成膜用装置の内部部品として使用されるマスク、防着板等の使用済み治具をクリーンルーム内で精密洗浄し、繰り返して使用できるよう機能を再生するとともに、治具に付着している有価金属を回収し、販売又はお客様へ返却しております。さらに、一次電池から回収・精製したリチウムを加工し、炭酸リチウムとして販売しております。 [概要図] (2)環境事業当事業は、プリント配線基板メーカーより使用済み塩化第二鉄廃液を引き取り、新液として再生し、副産物である銅を回収・販売する事業であります。プリント配線基板メーカーでは、銅を溶解し、電気回路を形成するエッチング工程で塩化第二鉄液を使用しますが、エッチング処理を行うことにより塩化第二鉄液の銅濃度が上がり、新液との入れ替えが必要となります。そのとき排出される使用済みの塩化第二鉄廃液を集荷し、これを原料として塩化第二鉄液を再生販売しております。この再生工程において塩化第二鉄液から副産物として回収される銅粉を、銅ペレット等利用しやすい形状に加工して、鉄鋼メーカー等に販売しております。また、プリント配線基板メーカーのエッチング工程において、塩酸を使用してエッチング処理を行う場合があり、使用済み廃液として塩化第二銅廃液が排出されますが、この廃液についても塩化第二鉄液に再生するとともに、銅粉の回収も行っております。塩化第二鉄廃液、塩化第二銅廃液の再生処理工程において、回収され新液として再利用される必要量を超える塩化第二鉄液が再生されます。この上回る量の塩化第二鉄液は、凝集剤として下水道の廃水処理、各種工場廃水、高濁度水、家畜糞尿の処理に凝集沈降剤としても販売し、塩化第二鉄液の再生工程中の副産物としての塩化第一鉄液は、クロムを含む廃水の還元剤として販売しております。 [概要図] (3)システム事業 生産・検査現場と共にシステムを構築してきた豊富な実績を活かし、検査業務の合理化・省力化を実現します。品質管理ソリューションにおきましては検査機器のデータ収集・ネットワーク化及びISO 9001 や IATF 16949 といった国際規格の品質管理体制の構築・運用を支援しております。お客様の品質管理を支援する最適なシステムソリューションを提供します。 (4)その他・運輸事業 連結子会社アサカ弘運株式会社が産業廃棄物収集運搬業の認可を受け、工業用薬品、電子部品屑等の運搬業を行っております。・分析事業 多様な分析装置を用いて、金属成分含有量測定、不純物含有量測定等の分析・評価サービスを提供しております。 [事業系統図]※アサカ弘運株式会社は、当社の連結子会社であります。 セグメント別の主な製品区分主要製品貴金属事業金地金、銀地金、白金地金、パラジウム、炭酸リチウム、蒸着材等の加工用材料貴金属回収精製処理、各種治具の洗浄・再生環境事業塩化第二鉄液、使用済み廃液の回収、水処理剤、銅粉、銅ペレットシステム事業自動計測検査システム、計測ネットワークシステムその他工業薬品の運搬、廃液の収集運搬、金属成分含有量測定、不純物含有量測定
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 貴金属価格の高騰やリサイクル需要の高まりによる業者間競争激化とコストダウン要求。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 貴金属の分離・回収、エッチング廃液の再生、リチウム回収・精製に関する独自の技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変動 / 金属相場の変動 / 財務・資金に関するリスク
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モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
アサカ理研は非鉄金属メーカーであり、特許やブランド力に依存する無形資産による競争優位性は限定的である。公開情報からは、特定の強力な無形資産の存在を示す具体的な証拠は見当たらない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
非鉄金属製品は汎用品としての性質が強く、顧客が他社製品に切り替える際の直接的な損失は小さいと考えられる。ただし、長年の取引実績や特定の品質要求を満たすことで、一定のスイッチングコストが発生する可能性は否定できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
アサカ理研の事業モデルは、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような特性は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
非鉄金属業界は原材料価格やエネルギーコストの変動が激しく、コスト競争力が重要となる。アサカ理研が長年事業を継続できていることから、一定の生産効率や調達ノウハウを有している可能性はあるが、構造的な圧倒的コスト優位を示す証拠は乏しい。
規模の経済★★☆☆☆
非鉄金属業界は、規模の経済が働きやすい側面がある。アサカ理研は中小規模の企業であり、大手競合と比較して規模の面での優位性は限定的である。ただし、特定のニッチ市場においては、その規模が最適化されている可能性も考えられる。
- 独自の貴金属回収技術プリント基板や歯科材料といった「都市鉱山」から金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属を効率的に分離・回収する独自の技術「ハイエクト装置」による溶媒抽出法を持っています。これにより、高純度の貴金属を精製し、市場に供給できる点が強みであり、他社との差別化に繋がっています。
- 廃液再生と資源循環プリント配線基板メーカーから排出される使用済みエッチング廃液(塩化第二鉄廃液、塩化第二銅廃液)を新液として再生し、同時に副産物である銅を回収・販売する環境事業を展開しています。これは単なる廃棄物処理ではなく、資源を循環させるビジネスモデルであり、環境意識の高まりとともに需要が増す可能性があります。
- 多角的な事業展開貴金属事業と環境事業を主軸としつつ、生産現場の効率化を支援するシステム事業、運搬事業、分析事業も展開しています。これにより、特定の事業や顧客に依存しすぎることなく、リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しようとしていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、地球資源の有効活用や環境保全に目を向け、それら資源の再生技術を柱としております。環境保全意識の高まりや希少資源の重要性の高まりなど、資源のリサイクルに対する経済的、社会的重要性はますます増していくものと捉えており、当社グループの担うべき役割もさらに重要なものになっていくと考えております。当社グループでは長期ビジョンである「新たな挑戦を通じて資源循環社会の実現に貢献できるNo.1企業になる」を実現するため、既存事業の成長と新規事業の創造に取り組んでおります。「市場創造型企業」として、独自の技術で新たな製品・サービスを開発するとともに、社是である「豊かな創造性を発揮し、社会貢献を果たす」の実現を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 経営戦略等①事業戦略当社グループは、持続的な成長を果たすべく、最優先で取り組むべき事項を選択し、経営資源を集中させております。既存事業では主要取引先である電子部品・デバイスメーカーとのリレーション強化に努めるとともに、いち早く市場ニーズに応えるべく、技術開発を含めた既存工程の改善に努め、更なる収益力の強化に取り組んでおります。新規事業であるリチウムイオン電池(LiB)再生事業では世界中で需要の高まりが見込まれている車載用リチウムイオン電池のリサイクルを実現すべく、独自技術の開発及び電池メーカーとの提携を実施し、量産工場の稼働開始に向け注力しております。持続的な成長を果たすべく、既存事業での裾野拡大、新規事業であるLiB再生事業の早期収益化に注力し、企業価値向上に努めてまいります。②財務戦略 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、資本の効率的な運用と高い収益性を追求するために、資本コストや株価を意識した経営の実現に取り組んでおります。 当社の株主資本コストは7~8%と試算しており、当社グループは、株主資本コストを上回るROEおよびROICの継続的に達成することを重要な指標としております。2025年9月期は、LiB再生事業の研究開発や事業開始に向けた成長投資により株主資本コストを下回る水準となりましたが、同事業による収益が安定化していくことで、段階的にROEおよびROICは向上し、株主資本コストを継続的に上回ると見込んでおります。 (3) 経営環境当社グループにおきましては、主に都市鉱山として貴金属を多く使用する電子部品やデバイス工業の部品からの貴金属回収を行っていることから、電子部品・デバイス工業の業界における生産動向や貴金属相場の変動による影響を受けます。当社グループの主要取引先である電子部品・デバイスメーカーにおいては、スマートフォンやパソコン向けの生産は低調に推移しております。一方で、自動車関連部品や生成AI関連投資の分野における需要の拡大により生産量の増加が見込まれております。また、スマートフォンをはじめとした移動体通信機器についても今後緩やかに需要が回復し、生産量も徐々に回復していくと見込んでおります。主要製品のうち、金の価格は米国による関税強化への不安感や紛争に伴う安全資産としての需要の高まりにより、ドル建て価格は過去最高値を更新する高い水準で推移し、円建て価格においても引き続き高水準で推移することが見込まれています。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①事業上の課題当社グループは、持続的な成長に向けた事業構造転換に取り組んでおります。当社グループの主要なお客様は、電子部品・デバイス工業分野に属しており、同分野の生産は、世界経済の変動によって大きくかつ急激に変動する傾向にあります。また、製品では金を中心とした貴金属及び銅の比率が高く、世界各国の財政政策の動向によって、短期間に価格が大きく変動する可能性があります。このように、当社グループの事業は、電子部品・デバイス工業分野の生産と、貴金属及び銅相場の変動の影響を受けやすい状態にあり、持続的かつ安定的な成長を図るためには、これらの影響を受けにくい事業を創出し続けることによって、事業構造の転換を図り、影響度を相対的に引き下げていく必要があります。②財務上の課題当社グループが金融機関と締結しているローン契約には、財務制限条項やその他の誓約事項が規定されている場合があります。当社の経営成績、財政状態が悪化することにより、いずれかの財務制限条項等に抵触した場合には、これらの条項に基づき金融機関から既存借入金の一括返済、金利及び手数料率の引上げ、担保権の設定等を要求される可能性があります。以上のことから、当社グループとして重要課題と捉えているものには、次のものが挙げられます。・研究開発体制の強化新規事業創出のための研究開発に人的リソースを集中し、研究開発力の強化と開発期間の短縮を図る・会社を支える人材の活性化事業環境や社会情勢が大きく変化する中で、イノベーションを牽引する人材の採用・育成・評価・登用に取り組む・新規事業であるLiB再生事業の早期収益化LiB再生事業に対しての調達資金を基に、いわき工場への生産設備の導入を進めることで早期収益化を実現する・既存事業の収益力向上 当社の技術力を活かした独自性のある商品提供による取引市場の拡大、製造工程の効率化によるコスト低減等を通じて収益力の向上を図る
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、地球資源の有効活用や環境保全に目を向け、それら資源の再生技術を柱としております。環境保全意識の高まりや希少資源の重要性の高まりなど、資源のリサイクルに対する経済的、社会的重要性はますます増していくものと捉えており、当社グループの担うべき役割もさらに重要なものになっていくと考えております。当社グループでは長期ビジョンである「新たな挑戦を通じて資源循環社会の実現に貢献できるNo.1企業になる」を実現するため、既存事業の成長と新規事業の創造に取り組んでおります。「市場創造型企業」として、独自の技術で新たな製品・サービスを開発するとともに、社是である「豊かな創造性を発揮し、社会貢献を果たす」の実現を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 経営戦略等①事業戦略当社グループは、持続的な成長を果たすべく、最優先で取り組むべき事項を選択し、経営資源を集中させております。既存事業では主要取引先である電子部品・デバイスメーカーとのリレーション強化に努めるとともに、いち早く市場ニーズに応えるべく、技術開発を含めた既存工程の改善に努め、更なる収益力の強化に取り組んでおります。新規事業であるリチウムイオン電池(LiB)再生事業では世界中で需要の高まりが見込まれている車載用リチウムイオン電池のリサイクルを実現すべく、独自技術の開発及び電池メーカーとの提携を実施し、量産工場の稼働開始に向け注力しております。持続的な成長を果たすべく、既存事業での裾野拡大、新規事業であるLiB再生事業の早期収益化に注力し、企業価値向上に努めてまいります。②財務戦略 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、資本の効率的な運用と高い収益性を追求するために、資本コストや株価を意識した経営の実現に取り組んでおります。 当社の株主資本コストは7~8%と試算しており、当社グループは、株主資本コストを上回るROEおよびROICの継続的に達成することを重要な指標としております。2025年9月期は、LiB再生事業の研究開発や事業開始に向けた成長投資により株主資本コストを下回る水準となりましたが、同事業による収益が安定化していくことで、段階的にROEおよびROICは向上し、株主資本コストを継続的に上回ると見込んでおります。 (3) 経営環境当社グループにおきましては、主に都市鉱山として貴金属を多く使用する電子部品やデバイス工業の部品からの貴金属回収を行っていることから、電子部品・デバイス工業の業界における生産動向や貴金属相場の変動による影響を受けます。当社グループの主要取引先である電子部品・デバイスメーカーにおいては、スマートフォンやパソコン向けの生産は低調に推移しております。一方で、自動車関連部品や生成AI関連投資の分野における需要の拡大により生産量の増加が見込まれております。また、スマートフォンをはじめとした移動体通信機器についても今後緩やかに需要が回復し、生産量も徐々に回復していくと見込んでおります。主要製品のうち、金の価格は米国による関税強化への不安感や紛争に伴う安全資産としての需要の高まりにより、ドル建て価格は過去最高値を更新する高い水準で推移し、円建て価格においても引き続き高水準で推移することが見込まれています。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①事業上の課題当社グループは、持続的な成長に向けた事業構造転換に取り組んでおります。当社グループの主要なお客様は、電子部品・デバイス工業分野に属しており、同分野の生産は、世界経済の変動によって大きくかつ急激に変動する傾向にあります。また、製品では金を中心とした貴金属及び銅の比率が高く、世界各国の財政政策の動向によって、短期間に価格が大きく変動する可能性があります。このように、当社グループの事業は、電子部品・デバイス工業分野の生産と、貴金属及び銅相場の変動の影響を受けやすい状態にあり、持続的かつ安定的な成長を図るためには、これらの影響を受けにくい事業を創出し続けることによって、事業構造の転換を図り、影響度を相対的に引き下げていく必要があります。②財務上の課題当社グループが金融機関と締結しているローン契約には、財務制限条項やその他の誓約事項が規定されている場合があります。当社の経営成績、財政状態が悪化することにより、いずれかの財務制限条項等に抵触した場合には、これらの条項に基づき金融機関から既存借入金の一括返済、金利及び手数料率の引上げ、担保権の設定等を要求される可能性があります。以上のことから、当社グループとして重要課題と捉えているものには、次のものが挙げられます。・研究開発体制の強化新規事業創出のための研究開発に人的リソースを集中し、研究開発力の強化と開発期間の短縮を図る・会社を支える人材の活性化事業環境や社会情勢が大きく変化する中で、イノベーションを牽引する人材の採用・育成・評価・登用に取り組む・新規事業であるLiB再生事業の早期収益化LiB再生事業に対しての調達資金を基に、いわき工場への生産設備の導入を進めることで早期収益化を実現する・既存事業の収益力向上 当社の技術力を活かした独自性のある商品提供による取引市場の拡大、製造工程の効率化によるコスト低減等を通じて収益力の向上を図る
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、各国の通商政策等の影響や物価上昇の影響による消費者マインドの弱さがみられましたが、雇用や所得環境の緩やかな改善に伴う個人消費の増加基調及び企業収益の改善により、緩やかに回復しました。当社グループにおいては、主要製品である貴金属のうち、金はロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊張に伴う安全資産としての需要の高まり、米ドルの信認低下による代替資産としての需要の高まりにより、ドル建て価格は過去最高値を更新する高い水準で推移し、円建て価格も前期を上回りました。銅の価格は、生産国からの供給不安等の要因で需要が高まり、ドル建て価格は高い水準で推移し、円建て価格も前期を上回りました。このような事業環境の中、既存事業では、回収した貴金属をお客様のニーズに沿った材料に加工して返却する等、当社の技術力を活かした多様なビジネススキームの提案により、新規顧客の獲得や既存顧客の維持・拡大に努めました。また、製造工程の効率化によるコスト低減を強みとした収益力向上にも注力しました。新規事業では、リチウムイオン電池(以下、LiB:Lithium-ion Battery)再生事業の開始に向け、研究開発及び電池メーカーとの事業スキーム確立に向けた協業に注力しました。CO₂排出量の削減とレアメタルの高回収率を両立するプロセスを構築し、プロセスの安定化及び生産効率の向上を目的とした研究開発を進めるとともに、当社いわき工場への生産設備の導入を並行して進めました。なお、生産効率の大幅な向上及び安定的な生産体制の確立を目的に2025年5月に本事業への設備投資額を25億円増額し、総額95億円とすることを意思決定しております。事業スキームについては、電池メーカーの工場から排出される工程廃材の一部について、当社がリサイクル業務を受託する覚書(MOU)に基づき、ビジネスモデルの確立に向けた対応を継続しました。本事業は2028年4月の当社いわき工場での量産稼働開始に向けて順調に進捗しております。当連結会計年度の連結業績は売上高8,685,989千円(対前期9.0%増)、営業利益492,944千円(同67.9%増)、経常利益428,742千円(同60.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益300,240千円(同19.2%減)でした。電子部品の需要低下に伴う取引先の減産基調が継続するも、金の相場上昇等により前期比較で売上高は増収となり営業利益と経常利益は増益となりました。一方で前期に補助金収入による特別利益の計上があったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となっております。 各セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、売上高については、セグメント間取引の消去前の数値であり、セグメント利益については、セグメント間取引の消去後の数値であります。また、間接部門の経費負担には、LiB再生事業における研究開発費用を含んでおります。 (貴金属事業)主要製品の金の価格が前期を上回ったことで、売上高は7,267,727千円(対前期11.3%増)、セグメント利益は301,947千円(同111.9%増)の増収増益となりました。 (環境事業)主要製品である銅の生産数量が減少したことで、売上高は1,202,378千円(同0.2%減)、セグメント利益は71,052千円(同5.1%減)の減収減益となりました。 (システム事業)主力製品である品質管理システムの販売において前期に大型案件があった反動により、売上高は196,144千円(同9.5%減)、セグメント利益は16,379千円(同4.9%減)の減収減益となりました。 (その他)その他に含まれる運輸事業等は、連結グループ内の取引額の増加により、売上高は347,522千円(同2.3%増)、セグメント利益は39,362千円(同21.6%増)の増収増益となりました。 ②財政状態の状況(資産の部)前連結会計年度末に比べて5,262,673千円増加し、13,806,370千円となりました。主な要因は、現金及び預金が2,632,975千円、受取手形及び売掛金が112,263千円、棚卸資産が1,351,081千円、その他(流動資産)が106,224千円、機械装置及び運搬具(純額)133,225千円、建設仮勘定が991,568千円増加し、その他(投資その他の資産)が144,760千円減少したことです。(負債の部)前連結会計年度末に比べて4,986,616千円増加し、8,880,622千円となりました。主な要因は、借入金が3,697,719千円、借入金地金が1,245,829千円増加したことです。(純資産の部)前連結会計年度末に比べて276,056千円増加し、4,925,747千円となりました。主な要因は、利益剰余金が260,119千円、自己株式処分により自己株式が12,875千円増加したことです。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ3,160,566千円増加し、4,050,929千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、409,988千円の収入となりました(前期は799,943千円の収入)。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益が380,183千円、減価償却費が343,186千円、売上債権の増加額が107,640千円、棚卸資産の増加額が1,351,081千円、借入金地金の増加額が1,245,829千円です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、801,169千円の支出となりました(前期は254,556千円の支出)。この主な内訳は、定期預金の払戻による収入が527,591千円、有形固定資産の取得による支出が1,541,093千円、保険積立金の解約による収入が218,124千円です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、3,551,265千円の収入となりました(前期は785,432千円の支出)。この主な内訳は、長期借入金の返済による支出が202,280千円、長期借入れによる収入が3,900,000千円です。 なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。 2023年9月期2024年9月期2025年9月期自己資本比率(%)50.454.035.4時価ベースの自己資本比率(%)74.753.246.3キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)3.82.413.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)45.337.76.8(注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)前年同期比(%)貴金属事業(千円)7,651,529109.2環境事業(千円)1,079,674100.3システム事業(千円)196,14490.5報告セグメント計(千円)8,927,348107.6その他(千円)20,239123.0合計(千円)8,947,588107.6(注)金額は販売価格により、セグメント間の取引は含んでおりません。 b.受注実績貴金属事業、環境事業ともに回収量に応じて生産しているため該当事項はありません。システム事業においては、受注生産を行っております。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)システム事業233,475133.9109,228162.6(注)セグメント間の取引は含んでおりません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)前年同期比(%)貴金属事業(千円)7,267,727111.3環境事業(千円)1,201,87699.8システム事業(千円)196,14490.5報告セグメント計(千円)8,665,749109.0その他(千円)20,239123.0合計(千円)8,685,989109.0(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ローム・アポロ株式会社326,4494.11,873,79921.6JX金属サーキュラーソリューションズ株式会社1,089,65813.71,085,87612.5住商マテリアル株式会社1,492,09218.7949,26910.9三菱商事RtMジャパン株式会社1,309,12616.4731,6298.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の連結業績は売上高8,685,989千円(対前期9.0%増)、営業利益492,944千円(同67.9%増)、経常利益428,742千円(同60.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益300,240千円(同19.2%減)でした。電子部品の需要低下に伴う取引先の減産基調が継続するも、金の相場上昇等により前期比較で売上高は増収となり営業利益と経常利益は増益となりました。一方で前期に補助金収入による特別利益の計上があったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となっております。また、セグメント別の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループは貴金属、非鉄金属を主な製品として取り扱っているため、金属相場及び為替相場による影響を受ける可能性があります。また、当社の取引先の多くは電子部品・デバイス工業分野に属しており、この分野の景況の変化に伴い、当社の業績も連動する可能性があります。その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、貴金属事業における材料仕入資金並びに製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要は、主に研究開発投資及び設備投資によるものです。当社グループの事業運営上で必要な資金の確保は、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを中心としつつ、資金使途を踏まえ、調達する時点で最も効率的かつ安定的と判断される方法により資金調達を行っていく方針です。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成に当たって、見積りが必要となる事項については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
事業リスク
- 事業環境と競争激化貴金属事業は電子部品・デバイス業界、環境事業はプリント基板業界の景気変動や需給状況に大きく影響を受けます。特定の仕入先への依存度が高い状況に加え、リサイクル需要の高まりによる業者間競争の激化や顧客からのコストダウン要求により、業績や利益率が低下する可能性があります。
- 金属相場の変動リスク主力製品である貴金属や銅加工品の価格は、世界の政治経済動向や為替相場などにより大きく変動します。相場の急激な変動は、仕入から販売までの間に利益を圧迫したり、損失を発生させたりする可能性があり、業績に影響を及ぼす恐れがあります。
- 財務・資金に関するリスク有利子負債の総資産に対する依存度が高く、金利が大幅に変動した場合、金利負担が増加し業績に影響を与える可能性があります。また、借入金に付されている財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められることで、財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループの事業展開上、様々なリスク要因があります。それら想定されるリスクに対し、事前に軽減する、回避する、ヘッジする等、現実的に可能な範囲での施策を検討実施しておりますが、全てのリスク要因を排除することは不可能であり、想定外の事態、あるいは影響を軽減できない事態が発生した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、これらリスク要因は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断する主要なものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。(1) 事業環境の変動当社グループの主たる事業は、電子部品の製造工程から発生する有価金属を回収する貴金属事業と、エッチング廃液を再生し、銅を回収する環境事業の二つですが、それぞれ主要なお客様が属する業界の需給変動幅が大きいため、その動向により、当社グループの業績は大きく影響を受ける可能性があります。貴金属事業においては電子部品・デバイス業界のお客様、環境事業においてはプリント基板業界のお客様が多く、景気変動や各業界の需給状況等、これら業界の動向に影響を与える事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、貴金属事業に係る仕入について、特定の取引先からの仕入の割合が高い状況が続いております。貴金属価格の高騰や、リサイクル需要の高まりなどから、業者間競争が激化するとともに、お客様からのコストダウン要求も厳しくなってきております。競争激化に伴うお客様の他社への乗換え、利益率の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループでは、既存のお客様との取引維持を図るとともに、これまで培ってきた独自の技術力を武器に積極的な営業活動を実施し、新規取引先の獲得に注力することで、主要なお客様に対する依存度を相対的に低減するよう努めております。また、LiB再生事業をはじめとした新規事業の創出により、収益基盤の多角化を図り、特定のお客様に対する依存度を相対的に低減するよう努めております。(2) 金属相場の変動当社グループの主力製品である貴金属及び銅加工品等は、金属が取引される市場の相場の影響を受けており、その価格は、供給国及び需要国の政治経済動向、為替相場等、世界の様々な要因により変動しております。変動要因の内容によっては貴金属及び銅相場が著しく変動することもあり、その場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループでは、貴金属の仕入を行うタイミングと同時に、販売先と販売価格を約定する「先渡取引」を利用しており、仕入から販売までの価格変動リスクの低減を図っております。また、加工賃取引など、金属相場変動の影響を受けない収益源の確保にも努めております。(3) 財務・資金に関するリスク当社グループの2025年9月末日時点の有利子負債(5,621,357千円)の総資産に対する依存度は40.72%と高い状況にあり、現行の金利水準が大幅に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループでは、長期借入金に関しては原則固定金利での借入とし、変動金利の場合も金利スワップ等のヘッジ取引活用等により金利の固定化を行い、金利変動リスクの低減に努めております。なお、2024年12月に契約を締結した金融機関からの60億円の長期借入金についても、金利スワップによる金利の固定化を実施しております。また、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、純資産及び経常利益が一定金額以上であることを求められております。万一、当社の業績が悪化し、当該財務制限条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、一括返済を求められることとなり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの財政状態は、財務制限条項に照らして問題のない水準にありますが、随時モニタリングを行い、財務制限条項に抵触する可能性がある場合には、早期に財務状況の改善を図るとともに、当該借入金について金融機関と即座に協議を行うことができるよう、良好な関係を維持しております。 (4) 法令規制等当社事業は化学薬品等を数多く使用するため、化学物質排出把握管理促進法や水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、毒物及び劇物取締法などの法令等を遵守する必要があります。これらの法令基準の強化がなされることで、当社グループの設備投資等の追加的負担が求められる可能性があります。責任ある原料調達に関しては、規制の強化、サプライヤーの対応不備等により、原料の調達ができなくなった場合には、製品販売量が減少する可能性があります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループでは、役職員への教育及び研修等の機会を必要に応じて設定し、啓発を行うとともに、紛争鉱物等の不使用に対応した認証取得を実施しております。また、担当部署において遵守すべき法令に関する情報をタイムリーに取得し、改正があった際は速やかに関係部署に情報共有を行う体制を整えることで、発生リスクの低減に努めております。 (5) 毒物や劇物の取扱い当社グループは、毒物や劇物を使用しておりますが、酸廃液及びアルカリ廃液を中和するなど、環境に配慮した適切な処理をしております。しかしながら、工場及び運搬車両の事故等により、これらの管理に何らかの問題が生じ、事故が発生した場合には、従業員及び事故現場周辺地域に被害が生じる可能性があるほか、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループでは、設備の定期点検や老朽化した建物等に対する修繕、防災訓練の実施、業務マニュアルの徹底しております。災害を未然に防止するとともに被害を最小限に抑え速やかに事業復旧が行えるよう備えており、事業継続力強化計画認定制度において、経済産業大臣の認定を取得しております。(6) 災害の発生当社グループは、生産拠点が福島県郡山市に集中しているため、地震、台風、洪水などの自然災害や、水素やチタン等の可燃性の元素による爆発や火災など、予期せぬ事故による災害などにより、事業運営を継続することが困難な状況が発生する可能性があります。また、建物等において老朽化が進んでいるものもあるため、特に地震などの自然災害により事業運営に支障をきたす事態が発生する可能性があります。災害による被害を完全に回避することは不可能であり、被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループでは、設備の定期点検や老朽化した建物等に対する修繕、防災訓練の実施を通じて、災害防止や被害を最小限に抑える、被災時の速やかな事業復旧が行えるよう備えており、事業継続力強化計画認定制度において、経済産業大臣の認定を取得しております。(7) 新規事業投資当社グループは、中長期的に持続的な成長を果たすため、事業ポートフォリオの再構築に取り組んでおり、新規事業の立ち上げに対して積極的に経営資源を投入しております。新規事業には不確定な要因が多く、研究開発において目標を達成できない場合や、事業計画を予定通り達成できない場合には、先行投資分を回収できず、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、計画構想段階より経営企画部を中心として関連部門間の情報交換を活発に行っており、綿密な戦略策定、効率的なスケジュール管理、専門知識・技術の継続的習得により、成功確率の向上に努めております。(8) システム障害当社グループの業務は、ITシステムに大きく依存しております。何らかの事由によりシステムが利用不可能となった場合には、業務に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、ファイアウォールの設置、ウイルス対策、予備機器の準備、定期的なデータのバックアップ等の対策を講じ、発生リスクの低減に努めております。(9) 固定資産の評価当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該会計基準では、それぞれの固定資産について回収可能額を測定し、回収可能額が帳簿価額を下回る場合、その差額を減損損失として認識することとされており、資産価値が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、経営委員会において、事業毎の収益性を把握し、収益力の維持向上を図るとともに、業績悪化の兆候が見られる場合には、適時適切な対策が打てるような体制を構築しております。(10) 人材の確保労働人口が減少する中で、今後、優秀な人材の確保がより困難になると考えております。雇用環境が急速に変化していく中で、優秀な人材の確保ができない場合には、長期的な視点では当社グループの成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対処するため、当社グループでは、新卒者に限らず、経験者の採用を積極的に展開するとともに、教育研修制度の充実や、OJTを通じた経験学習を効果的に循環させる等、人材の育成に注力しております。また、従業員意識調査を定期的に実施し、職場環境の課題抽出及び改善を継続して行っていくことで、離職率の低減を図っております。(11)感染症の拡大による影響当社グループは、新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症が拡大した場合、サプライチェーンの分断や取引先の生産活動の自粛等のマイナス影響を受ける可能性があります。また、当社グループにおける感染者の発生等により、一時的に操業を停止する等、当社グループの経営、財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループでは感染予防や感染拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。