5660

神鋼鋼線工業(5660)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 特殊鋼線関連事業
    PC鋼線やばね用鋼線、めっき鋼線、ステンレス鋼線などを製造・販売しています。これらは、橋梁や建築物の補強に使われるPC関連製品や、自動車・家電製品に使われるばね・特殊線関連製品として、幅広い産業の基盤を支える重要な素材となっています。同社グループの主要な収益源の一つです。
  • 鋼索関連事業
    ワイヤロープ製品(一般ロープ、特殊ロープ、鋼より線、ステンレスロープなど)の製造・販売を手掛けています。これらの製品は、クレーンやエレベーター、漁業用など、様々な用途で利用されており、安全性と耐久性が求められる分野で活躍しています。親会社である神戸製鋼所から主要原材料を調達し、安定的な供給体制を構築しています。
  • エンジニアリング関連事業
    架設・緊張用部材や機器、線材三次加工製品などの製造・販売を行っています。これは、主に土木・建築工事における構造物の組み立てや補強に使われる専門的な製品群です。特定の工程作業を子会社や関連会社に委託することで、効率的な生産体制を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 特殊鋼線関連事業
    PC鋼線やばね用鋼線、めっき鋼線、ステンレス鋼線などの製造・販売が中心です。橋梁や建築物の補強、自動車や家電製品のばねなどに使われる基幹材料を提供しており、売上高は180.44億円、営業利益は4.85億円と、同社グループの主要な収益源の一つとなっています。
  • 鋼索関連事業
    ワイヤロープ製品(一般ロープ、特殊ロープ、鋼より線、ステンレスロープなど)の製造・販売を行っています。クレーン、エレベーター、漁業など幅広い分野で利用され、売上高は139.36億円、営業利益は5.49億円と、特殊鋼線関連事業に次ぐ規模で、安定した収益を上げています。
  • エンジニアリング関連事業
    架設・緊張用部材や機器、線材三次加工製品などの製造・販売を手掛けています。主に土木・建築工事向けの専門的な製品群であり、売上高は22.51億円、営業利益は0.81億円となっています。他の二つの事業に比べると規模は小さいですが、特定の専門分野で貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SpecialSteelWireRelated 事業 180 5 2.7%
WireRopeRelated 事業 139 5 3.9%
EngineeringRelated 事業 23 1 3.6%
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FY2025|771 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、親会社、子会社7社、関連会社2社で構成されており、特殊鋼線関連事業、鋼索関連事業、エンジニアリング関連事業、その他にわたる事業活動を展開しております。(1) 当社グループの事業に係わる位置づけ、及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 イ) 特殊鋼線関連事業PC関連製品(PC鋼線、PC鋼より線、ケーブル加工製品、これらに付随する部材及び機器等)、ばね・特殊線関連製品(ばね用鋼線、めっき鋼線、ステンレス鋼線、特殊金属線等)の製造及び販売を行っております。 当社グループは、製造販売する製品の主要原材料を親会社の㈱神戸製鋼所から商社を通じて購入しております。製品の製造販売については当社が行い、一部の工程作業については、神鋼鋼線ステンレス㈱、コウセンサービス㈱、尾上ロープ加工㈱、㈱ケーブルテックに委託しております。 ロ) 鋼索関連事業ワイヤロープ製品(一般ロープ、特殊ロープ、鋼より線、ステンレスロープ等)の製造及び販売を行っております。 当社グループは、製造販売する製品の主要原材料を親会社の㈱神戸製鋼所から商社を通じて購入しております。製品の製造販売については当社が行い、一部の工程作業については、尾上ロープ加工㈱、テザックエンジニアリング㈱に委託しております。 ハ) エンジニアリング関連事業架設・緊張用部材及び機器、線材三次加工製品等の製造及び販売を行っております。製品製造の一部については、コウセンサービス㈱、尾上ロープ加工㈱、㈱ケーブルテックに委託しております。 ニ) その他不動産の賃貸等の資産活用事業を行っております。 (2) 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料、部品およびサービス等の市況価格の上昇に応じた販売価格改定の実施による販売価格への転嫁を図っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
PC鋼材、ばね用鋼線、ステンレス関連製品の高強度化・高品質化、高機能製品開発に取り組んでいる。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:特定業界の市場動向が業績に及ぼすリスク / 大規模自然災害・感染症等のリスク / 原材料・部品の調達のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

神鋼鋼線工業は特定のブランド力や特許、規制ライセンスに依存する事業モデルではなく、汎用性の高い鋼線製品を製造している。そのため、無形資産による競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の鋼線製品に仕様を合わせて設備投資を行っている場合があり、サプライヤー変更には一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、代替可能な製品も多く、スイッチング・コストは高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鋼線製品の製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を向上させるネットワーク効果は基本的に存在しない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄鋼業は規模の経済が働きやすく、神鋼鋼線工業も長年の操業で培われた生産ノウハウや効率的な生産体制により、一定のコスト競争力を有していると考えられる。ただし、原材料価格の変動リスクは存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

鋼線業界は、特定の用途向けに高度な技術や品質が求められる場合、大手メーカーが寡占化する傾向がある。神鋼鋼線工業は、その規模と生産能力から、業界内で一定の地位を占め、効率規模の優位性を享受している可能性がある。

  • 親会社からの安定的な原材料調達
    主要原材料である特殊鋼線材などを親会社である株式会社神戸製鋼所から商社を通じて購入しており、安定した品質と供給量を確保できる体制が強みです。これにより、製造コストの安定化や生産計画の確実性が高まり、顧客への安定供給に繋がっています。
  • 多岐にわたる製品ラインナップと用途
    PC関連製品、ばね・特殊線関連製品、ワイヤロープ製品、エンジニアリング関連製品など、幅広い特殊鋼線製品とその加工品を提供しています。これにより、土木・建築、自動車、電機、建機など多様な業界のニーズに対応でき、特定の業界の景気変動リスクを分散する効果も期待できます。
  • 専門的な製造技術と加工能力
    特殊鋼線の製造から、ケーブル加工、ワイヤロープ製造、架設・緊張用部材の加工まで、高度な技術と専門的な加工能力を有しています。一部の工程を子会社や関連会社に委託することで、効率的かつ高品質な製品供給を実現しており、顧客からの信頼を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 ①企業理念体系当社グループは、理念体系として、社会の一員として果たすべき役割を示した「神鋼鋼線ミッション」、すべての従業員・役員で共有する価値観と行動を示した「神鋼鋼線クレド」を策定しております。理念体系に基づき、一人ひとりが、ミッションを胸に、クレドを実践することで、「なくてはならない価値」を提供し続け、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 ②経営戦略当社グループは、神鋼鋼線ミッションを実現し、長期的に企業価値を向上させるため、サステナビリティ経営を中心に据えた経営戦略を推進しております。不透明かつ不確実性の高い経営環境だからこそ、お客様と社会に対して誠実に向き合うことで、社会貢献および事業成長の両立を目指します。 ③経営計画、2026年に目指す姿当社グループは、中期経営計画「Next Innovation 2026」のもと、“環境変化に適応し、持続的に成長できる企業基盤の構築”を目指し、サステナビリティ経営の実践による社会貢献および事業成長の両立と、ROIC5%以上、経常利益21億円以上を継続できる安定収益基盤の確立に向けた各種施策に取り組んでまいります (2024年度実績 ROIC2.9% 経常利益12億円)。 (2) 当社グループを取り巻く事業環境当社グループを取り巻く事業環境は、諸コストの上昇、米国の政策動向、為替変動、金融資本市場の変動等、不透明な状況が継続すると想定しております。 公共事業分野における新設工事発注数は減少が継続すると見込んでおります。自動車分野においては、今後、ガソリン車から新エネルギー車への移行が進展することにより、需要が長期的に減少すると見込んでおります。加えて、足元では米国の通商政策の先行きが不透明であり、当該市場における当社グループの事業環境に影響を及ぼす可能性も懸念されます。一方で、建設関連分野では、物流施設等の需要が増加すると想定しております。 各分野において、諸コストの上昇や各業界の労働力不足影響等により、足元の低水準な需要環境は継続すると想定しております。一方で、労働力不足問題等に貢献する長寿命製品や労務負担軽減・作業効率を重視した製品等の高付加価値製品の需要は高まると想定しております。 橋梁分野では複数の大型ケーブル橋案件が見込まれるほか、メンテナンス分野では既設ケーブル橋の点検・補修需要の増加、耐震防災分野では自然災害に備えた建築物の耐震補強ニーズの高まり等、様々な分野において需要が高まると想定しております。 (3) 対処すべき重点課題このような事業環境の中、当社グループは、これまで培ってきた技術やノウハウを活かし、サステナビリティ分野を始めとした新たな需要開拓やコスト競争力向上に取り組むと共に、諸コストの上昇に対する販売価格改定を強化してまいります。 殊鋼線関連事業>・価格転嫁や生産性向上による収益改善 ・市場ニーズにマッチした製品提供の強化 ・新エネルギー分野を始めとした新分野の市場開拓と新事業育成 ・価格転嫁や生産管理見直しによる安定収益基盤の構築・高付加価値製品と輸出販売拡大・新エネルギー分野向け製品、長寿命・メンテナンスフリー製品等のサステナビリティ貢献製品の開発と市場開拓 エンジニアリング関連事業>・大型新設橋梁案件の供給体制確立・防災・減災と強靭化向けを始めとしたサステナビリティ貢献製品・サービスの拡大・価格転嫁による収益改善
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 ①企業理念体系当社グループは、理念体系として、社会の一員として果たすべき役割を示した「神鋼鋼線ミッション」、すべての従業員・役員で共有する価値観と行動を示した「神鋼鋼線クレド」を策定しております。理念体系に基づき、一人ひとりが、ミッションを胸に、クレドを実践することで、「なくてはならない価値」を提供し続け、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 ②経営戦略当社グループは、神鋼鋼線ミッションを実現し、長期的に企業価値を向上させるため、サステナビリティ経営を中心に据えた経営戦略を推進しております。不透明かつ不確実性の高い経営環境だからこそ、お客様と社会に対して誠実に向き合うことで、社会貢献および事業成長の両立を目指します。 ③経営計画、2026年に目指す姿当社グループは、中期経営計画「Next Innovation 2026」のもと、“環境変化に適応し、持続的に成長できる企業基盤の構築”を目指し、サステナビリティ経営の実践による社会貢献および事業成長の両立と、ROIC5%以上、経常利益21億円以上を継続できる安定収益基盤の確立に向けた各種施策に取り組んでまいります (2024年度実績 ROIC2.9% 経常利益12億円)。 (2) 当社グループを取り巻く事業環境当社グループを取り巻く事業環境は、諸コストの上昇、米国の政策動向、為替変動、金融資本市場の変動等、不透明な状況が継続すると想定しております。 公共事業分野における新設工事発注数は減少が継続すると見込んでおります。自動車分野においては、今後、ガソリン車から新エネルギー車への移行が進展することにより、需要が長期的に減少すると見込んでおります。加えて、足元では米国の通商政策の先行きが不透明であり、当該市場における当社グループの事業環境に影響を及ぼす可能性も懸念されます。一方で、建設関連分野では、物流施設等の需要が増加すると想定しております。 各分野において、諸コストの上昇や各業界の労働力不足影響等により、足元の低水準な需要環境は継続すると想定しております。一方で、労働力不足問題等に貢献する長寿命製品や労務負担軽減・作業効率を重視した製品等の高付加価値製品の需要は高まると想定しております。 橋梁分野では複数の大型ケーブル橋案件が見込まれるほか、メンテナンス分野では既設ケーブル橋の点検・補修需要の増加、耐震防災分野では自然災害に備えた建築物の耐震補強ニーズの高まり等、様々な分野において需要が高まると想定しております。 (3) 対処すべき重点課題このような事業環境の中、当社グループは、これまで培ってきた技術やノウハウを活かし、サステナビリティ分野を始めとした新たな需要開拓やコスト競争力向上に取り組むと共に、諸コストの上昇に対する販売価格改定を強化してまいります。 殊鋼線関連事業>・価格転嫁や生産性向上による収益改善 ・市場ニーズにマッチした製品提供の強化 ・新エネルギー分野を始めとした新分野の市場開拓と新事業育成 ・価格転嫁や生産管理見直しによる安定収益基盤の構築・高付加価値製品と輸出販売拡大・新エネルギー分野向け製品、長寿命・メンテナンスフリー製品等のサステナビリティ貢献製品の開発と市場開拓 エンジニアリング関連事業>・大型新設橋梁案件の供給体制確立・防災・減災と強靭化向けを始めとしたサステナビリティ貢献製品・サービスの拡大・価格転嫁による収益改善
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績等の状況当期におけるわが国経済は、物価上昇の継続や米国の政策動向による影響等がわが国の景気を下押しするリスクとなっておりますが、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、当社グループを取り巻く需要環境は、原材料・人件費を始めとした諸コストの上昇、米国の政策動向等、不透明な状況が継続しております。このような状況の中、当社グループでは、諸コストの上昇に対する販売価格改定、高付加価値製品の販売拡大、徹底したコスト削減等に努めたことにより、当期における当社グループの連結業績は、売上高は34,293百万円と前期に比べ1,566百万円の増収、営業利益、経常利益はそれぞれ1,167百万円(前期比143百万円の増益)、1,235百万円(前期比168百万円の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,034百万円(前期比128百万円の増益)となりました。 経営成績の推移(連結) 売上高 (百万円)営業利益又は営業損失 (百万円)経常利益 (百万円)親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)1株当たり当期純利益(円)2025年3月期34,2931,1671,2351,034175.042024年3月期32,7261,0231,066906153.322023年3月期31,2809381,044832140.87 セグメント別の経営成績は、次のとおりとなりました。 <特殊鋼線関連事業>(PC関連製品)主力分野の橋梁において、老朽化に伴う補修・補強案件が増加する一方で、PC鋼材の使用量が多い新設案件が減少する厳しい事業環境が継続し、販売数量は前期に比べ減少しました。 (ばね・特殊線関連製品)主力の自動車分野における販売数量は、中国における日系自動車メーカーの販売不振影響等により、前期に比べ減少しました。一方で、プリンター分野における販売数量は、在庫調整が解消したことによる需要回復影響等により、前期に比べ増加し、全体の販売数量は前期に比べ微増となりました。 特殊鋼線関連事業全体の販売数量は前期に比べ減少しましたが、諸コストの上昇に対する販売価格改定や、徹底したコスト削減等に努めたことにより、売上高は18,044百万円と前期に比べ556百万円の増収となり、営業利益は485百万円(前期比166百万円の増益)となりました。<鋼索関連事業>各業界の労働力不足や諸コストの上昇影響等により、需要は依然として低水準で推移しておりますが、為替影響による輸出案件の増加等により、販売数量は前期に比べ微増となりました。加えて、諸コストの上昇に対する販売価格改定、高付加価値製品の販売拡大に努めたことにより原材料価格やエネルギー価格、運送費等の高騰や各業界の人手不足による影響等により、需要が低水準に推移したことで、販売数量は前期に比べ減少しましたが、一方で、高付加価値製品の販売拡大や販売価格の改定効果の寄与等により、売上高は13,936百万円と前期に比べ903百万円の増収となり、営業利益は549百万円(前期比33百万円の増益)となりました。 <エンジニアリング関連事業>土木分野における一部大型案件終了の影響がありましたが、一方で、建築分野における万博関連受注の増加影響等により、売上高は2,251百万円と前期に比べ106百万円の増収となりました。一方で、諸コストの上昇影響等により、営業利益は81百万円(前期比58百万円の減益)となりました。 <その他>不動産関連事業の売上高、営業利益はそれぞれ61百万円、50百万円と前期並みとなりました。財政状態については、次のとおりとなりました。(資産の状況)総資産は、前連結会計年度末の43,197百万円に比べ883百万円(2.0%)増加し、44,081百万円となりました。流動資産は789百万円(3.3%)増加し、24,471百万円となりました。これは主に電子記録債権827百万円(21.2%)の増加によるものです。有形固定資産は116百万円(0.8%)増加し、13,979百万円となりました。これは主に建設仮勘定147百万円(115.5%)の増加によるものです。無形固定資産は13百万円(5.1%)減少し、247百万円となりました。投資その他の資産は8百万円(0.2%)減少し、5,382百万円となりました。 (負債の状況)負債合計は、前連結会計年度末の20,366百万円に比べ306百万円(1.5%)減少し、20,059百万円となりました。流動負債は1,196百万円(11.5%)増加し、11,615百万円となりました。これは主に短期借入金1,143百万円(23.3%)の増加によるものです。また、固定負債は1,503百万円(15.1%)減少し、8,443百万円となりました。これは主に長期借入金949百万円(18.0%)が減少したことによるものです。これらの結果、当座比率(当座資産÷流動負債、短期的安全性指標)は110.2%(前連結会計年度末は110.8%)と十分な流動性を確保していると認識しております。 (純資産の状況)純資産合計は、前連結会計年度末の22,831百万円に比べ1,190百万円(5.2%)増加し、24,022百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の52.9%から54.5%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。) の期末残高は前連結会計年度末の3,025百万円に比べ305百万円増加し、3,330百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によって得た資金は、前連結会計年度に比べ236百万円減少の1,133百万円となりました。主な内訳は税金等調整前当期純利益1,283百万円、減価償却費973百万円があった一方で、売上債権の増加額952百万円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べて235百万円増加の697百万円となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出907百万円があった一方で、投資有価証券の売却による収入238百万円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べ150百万円減少の132百万円となりました。主な内訳は、配当金の支払額324百万円があった一方で、長期借入金の純増加193百万円があったことによるものです。 財政状態の推移(連結) 総資産(百万円)純資産(百万円)自己資本比率(%)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)社債及び借入金2025年3月期44,08124,02254.51,133△697△13210,3702024年3月期43,19722,83152.91,369△462△28310,1772023年3月期42,00621,71351.7583△617△39010,163 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)特殊鋼線関連事業18,05913.0鋼索関連事業15,8493.9エンジニアリング関連事業2,2515.0合計36,1608.3 (注) 金額は、販売価格(セグメント間の内部振替前の数値)によっております。 (2) 受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)特殊鋼線関連事業18,1921.91,9788.1鋼索関連事業16,18716.34,338107.9エンジニアリング関連事業3,21259.11,837109.8合計37,59311.28,15470.1 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)特殊鋼線関連事業18,0443.2鋼索関連事業13,9366.9エンジニアリング関連事業2,2515.0その他61-合計34,2934.8 (注) 1. セグメント間の取引は含まれておりません。2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)神商鉄鋼販売㈱7,89824.79,00626.3㈱メタルワン4,96415.54,92114.4㈱メタルワン鉄鋼製品販売3,95012.44,38012.8神鋼商事㈱3,39210.63,0228.8   (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実績の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 (繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異が将来課税所得を減算する可能性が高いと見込まれるものについて、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予測される将来課税所得を考慮しております。繰延税金資産に関する会計処理は、事業計画を基礎としており、当社をとりまく社会情勢の変化により、将来課税所得の予測に不確実性を伴うことから、会計上の見積りに該当すると考えております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 財政状態当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」をご参照ください。 b. 経営成績イ. 売上高当連結会計年度の売上高は34,293百万円、前年同期比で1,566百万円(4.8%)の増収となりました。主な要因として特殊鋼線関連事業部において前年同期比で増収となったことによるものです。 ロ. 売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は28,425百万円、前年同期比で1,257百万円(4.6%)の増加となりました。売上総利益は5,867百万円、前年同期比で308百万円(5.6%)の増益となりました。販売費及び一般管理費は4,700百万円、前年同期比で165百万円(3.6%)増加しましたが、売上高の増加により、売上高に占める販売費及び一般管理費の割合は前期の13.9%から13.7%と減少しました。これらの結果、営業利益は1,167百万円、前年同期比で143百万円(14.1%)の増益となりました。営業利益率は前期の3.1%から3.4%となりました。 ハ. 営業外損益、特別損益営業外損益の純額は受取利息及び配当金を計上したことにより67百万円の利益となりました。この結果、経常利益は1,235百万円、前年同期比で168百万円(15.8%)の増益となり、経常利益率は3.3%から3.6%となりました。これらの結果、税金等調整前当期純利益は1,283百万円、前年同期比で84百万円(7.0%)の増益となりました。 ニ. 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は1,034百万円、前年同期比で128百万円(14.2%)の増益となり、売上高純利益率は2.8%から3.0%となりました。また、1株当たり当期純利益は、前期の153.32円に対して175.04円となりました。 c. 財務方針について(資本の財源及び資金の流動性についての分析)当社グループは、健全な財務体質を維持しながら、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務上の基本方針としております。資本の財源に関しては、主要な取引先金融機関からの継続的な調達に加え、当社及び連結子会社の資金を一元管理することにより、計画通り確保することができました。その結果、自己資本比率54.5%を維持しました。資金流動性に関しては、様々なリスクに備えた適正な現預金水準を確保した上で、資金需要に応じた適切な配分を実施いたしました。なお、主な資金需要について、営業活動に係る資金支出では、材料購入費、人件費等があり、投資活動に係る資金支出では、安全・安定生産に不可欠な設備や施設への投資、企業価値向上に資する生産設備への投資、生産性向上に関するIT投資等がありました。 d. 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 特定業界の市場変動リスク
    土木・建築、建機、自動車、電機業界を主要顧客としているため、公共投資の減少や国内外の景気後退による一般消費水準の減退は、製品需要の減少に直結し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特定の産業への依存度が高いことがリスク要因となります。
  • 大規模災害・感染症による事業停止リスク
    日本は地震、津波、台風などの自然災害が多く、感染症拡大のリスクも存在します。これらの事象により、主要施設の事業運営が一時的に困難になったり、需要家の活動水準が低下して製品需要が大幅に減少したりする可能性があります。事業継続計画(BCP)や保険加入で対応していますが、影響を完全に排除することは困難です。
  • 原材料調達と価格変動リスク
    生産活動はサプライヤーからの原材料、部品、サービスの安定供給に依存しています。需要過剰、サプライヤーの廃業、災害、感染症などにより供給が滞る可能性や、原材料価格の高騰は製造コストを押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。複数のサプライヤーからの調達や販売価格への転嫁で対応を図っていますが、市場環境によっては対応が難しい場合もあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,926 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 特定業界の市場動向が業績に及ぼすリスクについて当社グループは、土木・建築業界、建機業界、自動車業界及び電機業界を主要顧客としております。財政健全化等を目的として公共投資が減少した場合や、国内外の景気後退等による一般消費水準が減退した場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 大規模自然災害・感染症等のリスクについて当社グループが主要施設を有する日本は、過去において、地震、津波、台風等の多くの自然災害や新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症拡大の影響を受けております。今後も大規模な自然災害および感染症等により事業運営が一時的に困難になる場合や、国内・海外ともに需要家の活動水準が低下し、製品需要の大幅な下振れが発生する場合、当社グループの生産から販売に至る一連の事業活動、経営成績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、大規模自然災害に関しては、大規模地震を想定した事業継続計画(BCP)を定め、有事の際に適切に対応するために、「従業員」、「生産設備」、「製品・調達」、「情報その他」について、「事前」、「直後」、「初期」、「復旧期」のフェーズごとに対応の標準化・迅速化を図っております。また、様々な種類の資産、死傷および他のリスクについての第三者保険を付保しております。感染症等に関しては、従業員およびその家族の健康を最優先とし、政府が発出する要請事項や市中感染状況を踏まえ、事業活動継続と感染リスク抑制の両面の観点より、当社グループ全体に対して行動ガイドラインや関連する通達を適宜発信し、感染予防・感染拡大防止の周知・徹底を図っております。 (3) 原材料・部品の調達のリスクについて当社グループの生産活動は、サプライヤーが合理的な価格で適切な品質及び量の原材料、部品およびサービス等を当社グループに供給する能力に依存しております。需要過剰、後継者不足による廃業、大規模自然災害、感染症等様々な要因により、サプライヤーが当社グループの要求を満たす供給ができないという事象が発生する場合、当社グループの生産から販売に至る一連の事業活動、経営成績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、原材料、部品およびサービス等の不足、インフレ等による原材料、部品およびサービス等の市況価格の上昇は、当社グループの製造コストの上昇要因であり、当社グループの経営成績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、サプライヤーに生産拠点やその代替拠点の有無、有事の際の対応策等についてのヒアリングを実施した上で、事業活動に必要な原材料、部品およびサービス等を可能な限り2社以上から調達可能にする取り組みを実施しております。また、原材料、部品およびサービス等の市況価格の上昇に応じた販売価格改定の実施による販売価格への転嫁を図っております。 (4) 人材確保・育成及び職場環境の整備当社グループでは、労働力や有能な人材を確保するための各種施策の強化、人材育成による個々の能力向上、省力化による労働生産性向上に取り組んでおります。しかしながら、国内の生産年齢人口の減少および人材の流動化の加速等によって、労働力や有能な人材の確保および人材育成が計画通りにできない場合、適切な販売・生産体制が損なわれ、当社グループの生産から販売に至る一連の事業活動、経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) コンプライアンスに関するリスクについて当社グループは、事業を行っている国内外における法令、規制、政策、行動規範、その他の社会規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行なうことを指針としております。しかしながら、当社グループ各社および従業員が、製造物責任法や知的財産権の問題等で訴訟を提起され若しくはその他のクレームを受ける可能性や、法令違反等を理由として罰金等を課される可能性があり、その結果によっては、当社グループの経営成績や社会的信用力に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、全社員を対象としたコンプライアンス研修、社内業務に関連する法令対応についてのeラーニング等の教育を定期的に実施しております。また、コンプライアンス意識の向上、仕組みの浸透および定着を目的に、コンプライアンス推進制度の更なる充実を図っております。

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