5599

S&J(5599)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • サイバーセキュリティ事業
    S&Jは、企業向けのサイバーセキュリティサービスを提供しています。特に、CSIRT(緊急対応チーム)やSOC(監視センター)を運用する大企業や中堅企業に対し、情報システムのセキュリティアドバイザーやサイバーセキュリティ事故対応を行っています。これらの経験を活かし、セキュリティ監視・運用サービスを提供することで収益を得ています。
  • ストック型収益モデル
    同社の主要サービスであるセキュリティアドバイザーやセキュリティ監視・運用サービスは、年間契約を基本とした「ストック型」の売上です。これは、一度契約すれば継続的に収益が入る安定したビジネスモデルであり、顧客との長期的な関係構築と高い継続率を維持することで、安定的な収益基盤を築いています。
  • 中小企業向け製品開発
    大企業・中堅企業へのサービス提供で得た知見を活かし、自社製品の開発も行っています。高価な海外製セキュリティ製品が多い中、国産でリーズナブルな価格帯の製品を開発することで、中小企業を中心とした幅広い顧客層へのサービス提供を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • コンサルティングサービス
    このセグメントでは、企業のセキュリティ対策状況を把握し、サイバーセキュリティ事故に備えた課題抽出、改善提案、事故発生時の対応支援を行います。具体的には、セキュリティアドバイザー、インシデント対応、メールセキュリティ分析、脆弱性診断、海外セキュリティ製品の販売などが含まれ、企業のセキュリティ体制強化を多角的に支援しています。
  • SOCサービス
    このセグメントは、企業のネットワークや情報システム全体のセキュリティ監視・運用を専門としています。自社開発のSIEM(SOC Engine)やEDR(KeepEye®)を活用し、24時間365日体制で脅威を分析し、対応策を報告します。他社製品の運用支援や、SIEMでは検知が難しい脅威を検出するAD監視サービスも提供しており、高度な監視体制で企業の安全を守ります。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,929 文字
3【事業の内容】近年、さまざまなサイバーセキュリティ事故が報道されておりセキュリティ対策に対する世間の関心が高まりつつあるなか、大企業や中堅企業ではCSIRT(注1)の構築やSOC(注2)の設置が進められているのに加え、中小企業においては低コストのセキュリティ対策へのニーズが高まっております。当社は、「私たちは、最適なセキュリティサービスをより多くのお客様へ提供し、事業の成長を支える環境づくりに貢献いたします。」をミッションとして、CSIRTやSOCを運営する大企業及び中堅企業以上のお客様に対し情報システムへのセキュリティアドバイザー活動やサイバーセキュリティ事故対応を行い、それらの知見を活かしたセキュリティ監視・運用サービスを企業等に提供しております。当社のセキュリティ監視・運用サービスの特徴としては、疑わしい事象の検知状況を通知するだけではなく、具体的な対処やアドバイスを実施していることにあります。これはセキュリティアドバイザーとして顧客企業のセキュリティ環境を把握していることに加え、サイバーセキュリティ事故対応で培った経験や対処能力を獲得してきたことによります。これらのサービスはセキュリティに対する高い知見のある企業等のニーズを捉えております。また、大企業及び中堅企業へのサービス提供で得た知見やニーズを活かして自社製品を開発しております。セキュリティ製品の多くは海外製であり高価であることから、国産のリーズナブルな価格帯での製品開発により、中小企業を中心とした多数のお客様へのサービスを提供しております。これらのサービス提供においては、当社が顧客企業に販売するほか、SIer(注3)等を販売代理店としております。多様な販売代理店と契約を締結し、それぞれの属性や販売先に応じたサービスを提供することにより、販売先の拡大を図っております。当社サービスの多くを占めるセキュリティアドバイザーやセキュリティ監視・運用サービスは、年間契約を基本としたストック型売上となっており、この安定的な収益を基盤とした顧客企業との長期的な関係性を構築することにより、高い継続率を維持しております。なお、当社社名である「S&J株式会社」は、千里眼(せんりがん)の「S」と順風耳(じゅんぷうじ)の「J」に由来します。千里眼(青鬼)と順風耳(赤鬼)は対になり、ともに媽祖(まそ:天上聖母菩薩。元来は航海・漁業の神)の守護神です。千里眼は媽祖の進む先やその周りを監視し、順風耳は悪の兆候や悪巧みを聞き分けて媽祖にいち早く知らせる役目を持つとされています。当社社名には、お客様が安心安全な事業活動の支えになるように「平時からインシデントの兆候を探り、事前に手を打ち、事故が起こった際に迅速に対応して、被害を最小限に食い止めるサービスを提供したい」との思いが込められています。(注1)CSIRT:Computer Security Incident Response Team:コンピュータセキュリティにかかるインシデント(事象)に対処するための組織の総称です。インシデント関連情報、脆弱性情報、攻撃予兆情報を常に収集、分析し、対応方針や手順の策定などを行います。(注2)SOC:Security Operation Center:ネットワークの監視を行い、サイバー攻撃の検出と分析、対応を図る組織あるいは役割です。同じくセキュリティ関連の組織であるCSIRTとの違いとしては、CSIRTではインシデントが発生したときの対応に重点が置かれているのに対し、SOCは脅威となるインシデントの検知に重点が置かれているという特徴があります。(注3)SIer:System Integrater:システムインテグレーター、企業の情報システムの企画、設計、開発、構築、導入、保守、運用などを一貫して請負うサービスを提供する事業者を指します。これらの工程のうち一部を請負う場合もあります。 当社は「サイバーセキュリティ事業」の単一セグメントでありますが、サービスの内容により「コンサルティングサービス」、「SOCサービス」に区分しており、主な特徴は次のとおりであります。 (コンサルティングサービス)(1)セキュリティアドバイザーお客様のセキュリティ対策実施状況を把握したうえで、サイバーセキュリティ事故発生時に備えた課題を抽出し、優先度の高い課題への対応支援や中期的な改善提案を行います。そうしたお客様がサイバーセキュリティ事故の発生しづらい環境にするとともにセキュリティの維持・向上を図ることを目的にアドバイザリサービスを提供しております。 (2)インシデント対応お客様にインシデント(当社事業においてはサイバーセキュリティ事故を示します)が発生した際の対応を支援しております。お客様の事業継続や事業復旧を考慮し、被害にあった特定の機器だけではなくITネットワークを総合的に調査することで、全ての事業が停止してしまうことを防ぎ、原因調査・暫定対処を進めたうえで、事業再開の判断をアドバイスし、再発防止策までの一連の対応をトータルでサポートするサービスを提供しております。また、このような経験やノウハウをCSIRT構築やセキュリティ対策のコンサルティング、セキュリティ運用にフィードバックすることで、サービスの品質向上に努めております。(3)メールセキュリティお客様に届いた不審なメールを分析し、結果を報告します。脅威が疑われるメールの添付ファイルやリンク先調査等の分析を実施し、分析結果をご報告するサービスを提供しております。この知見を活かして、不審メールに対する対応力を向上するため、お客様の従業者がそもそもメールを「開かない」、仮に開いてしまった場合には直ちに「報告」するといった対応を疑似的な不審メールを用いて行う訓練サービスも提供しております。 (4)脆弱性診断セキュリティ事故の発生につながる脆弱性を診断して、報告書を提出いたします。Webアプリケーション、スマートフォンアプリ、クラウド環境を含めたサーバやネットワークなどのプラットフォームなどを対象として、最新の脅威動向に知見のある専門家が診断を実施し、推奨する対策を記載した診断報告書を提供するサービスとなります。 (5)セキュリティプロダクト 海外の高度なセキュリティ製品を販売代理店として提供しております。取扱い製品の一例としては、マルウェアの疑いのある検体等を安全な環境で実際に動作させ、その振る舞いを詳細に解析するようなプロダクトとなります。 (SOCサービス)(1)SOCアウトソーシング① SOC Engine運用当社独自開発のSIEMであるSOC Engineをサービス提供することにより、お客様の情報システム全体(パソコン、重要サーバ、セキュリティ機器、クラウド環境など)を監視・運用します。このサービスはお客様のSOC支援として、当社のアナリストが24時間365日体制でセキュリティデバイスからのアラートや関連する情報システムのログを高度に脅威分析し、脅威があると判断されたアラートに対して影響度や対応策をお客様に報告することも包含しております。 ② 他社製品運用SOC Engineの開発、監視・運用における高度な知見や経験を活かし、他社のSIEM製品を用いた監視・運用サービスにも対応しております。お客様の環境にあわせたセキュリティデバイスの組み合わせに対応したアラートや関連する情報システムのログを脅威分析し、精度の高い影響度や対応策をお客様に報告しております。 ③ AD監視ディレクトリーサービス機能(注4)に特化した検知ロジックを搭載した当社独自開発の監視用エージェント(S&J AD Agnet)により、SIEMなどでは検知が困難な脅威を検出し、影響度や対応策をお客様に報告しております。(注4)ディレクトリーサービス機能:ネットワーク上のユーザ情報やコンピュータ情報などのさまざまな情報を一元管理するサービスを指します。 (2)EDR(注5)監視サービス① KeepEye®運用当社独自開発のクラウド型EDRであるKeepEye®による監視サービスを提供しております。KeepEye®はお客様のユーザが利用するパソコンにおける既知及び未知のウイルスを検知して防御します。また、当社のアナリストが24時間365日体制で監視しているので、不審な挙動や操作が発生した際には原因や影響の分析を報告いたします。KeepEye®では運用の多くを当社が行うことで、「お客様がセキュリティ専門家を雇用しない最小限の運用」で、高度なサイバー攻撃への対策運用が実現できることになります。(注5)EDR:Endpoint Detection and Response:各ユーザが利用するパソコンやサーバなどのエンドポイントにおけるマルウェアなどによる不審な挙動が検知された場合にお客様にエスカレーションを実施し、防御をすることで被害の拡大を防ぐことを目的としたサービスです。 ② 他社EDR製品運用他社のEDR製品を利用した監視・運用サービスを提供しております。EDR製品からは多くの検知アラートが通知されますが、それを当社のアナリストが24時間365日体制で高度に分析し、早急な対象が求められると判断される事象についてはアナリストが対処を行っております。お客様の脅威を判断や対処をしたうえでお客様に報告することにより、お客様のセキュリティ担当者はより重要な判断や対応が可能となります。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
セキュリティアドバイザーとしての顧客企業のセキュリティ環境把握と事故対応経験による具体的な対処・アドバイスが特徴。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
サイバーセキュリティに関する高い知見、事故対応で培った経験や対処能力、自社製品開発力。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:サービス内容の陳腐化、競合他社との優位性喪失 / 代理店が十分に機能しないこと / 当社想定を上回る解約の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

証券コード5599は新規上場企業であり、顧客基盤やサービスの詳細が不明なため、スイッチング・コストの強さを判断するには情報が不足している。現時点では、特定のニッチ市場でのみ限定的な優位性を持つ可能性が示唆される程度。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ユーザー数の増加がサービスの価値を向上させるネットワーク効果を持つという証拠は確認できない。事業内容に関する詳細情報が不足している。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

財務データが未収録であり、競合他社との比較もできないため、コスト優位性に関する評価は不可能。生産・提供プロセスにおける構造的な優位性を示す情報がない。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業の中でも、事業規模や市場シェアに関するデータが不足しており、効率規模の観点からの評価は不可能。業界規模に対して最適な少数寡占を形成している証拠はない。

  • 実践的な知見と経験
    S&Jのセキュリティ監視・運用サービスは、単に疑わしい事象を通知するだけでなく、具体的な対処法やアドバイスまで提供します。これは、顧客企業のセキュリティ環境を深く理解していることに加え、実際のサイバーセキュリティ事故対応で培った豊富な経験と対処能力に基づいています。この実践的な知見が、他社との差別化要因となっています。
  • 安定的な収益基盤
    年間契約を基本とするストック型売上モデルにより、安定した収益を確保しています。顧客企業との長期的な関係性を構築し、高い継続率を維持することで、事業の安定性が高まっています。これにより、継続的なサービス改善や新技術開発への投資余力も生まれています。
  • 国産リーズナブル製品
    高価な海外製が多いセキュリティ製品市場において、大企業向けサービスで培った知見を活かして、国産でリーズナブルな価格帯の自社製品を開発しています。これにより、コストを重視する中小企業のニーズに応え、幅広い顧客層へのサービス提供を可能にしている点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、ミッションとして「私たちは、最適なセキュリティサービスをより多くのお客様へ提供し、事業の成長を支える環境づくりに貢献いたします。」を掲げ、具体的な行動は次のとおりとして事業を推進しております。 a.最適なセキュリティサービス当社は、その時々の脅威トレンドを反映し、日本のお客様のニーズに応える“最適なセキュリティサービス”を提供し続けることで、事業を拡大し続けていきます。 b.より多くのお客様へ提供昨今のセキュリティ被害の状況を鑑みると、セキュリティ課題は大手企業だけではなく、多くの企業・団体が共通してもつ課題と言えます。当社は、1社でも多くのお客様へセキュリティサービスを提供することが社会貢献につながると捉え、事業の拡大を目指していきます。 c.事業の成長を支える環境づくりに貢献当社は、セキュリティサービス提供の目的を『お客様の事業を支える環境づくり』と定義し、セキュリティだけの視点にとどまらず、お客様の事業環境、経営視点でセキュリティサービスを提供し続けることができるように日々精進していきます。 (2)経営環境当社を取り巻く経営環境として、国内のネットワークセキュリティビジネス市場の市場規模は、2021年度の5,779億円から2027年度には8,667億円と拡大し、同期間における市場全体のCAGR(年平均成長率)は7.0%と堅調に推移する予測となっております(出典:株式会社富士キメラ総研「2022 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧<市場編>」)。また、直近では、大企業へのサイバー攻撃のみならず中堅・中小企業や医療機関、インフラ施設等へもランサムウェア被害が拡大し、サプライチェーンに影響が及ぶサイバー攻撃が発生している状況において、経済産業省より「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0」(2023年3月改定)が改定されるなど企業や団体の経営者の意識が変化し、サイバーセキュリティに関するリテラシーが高まりつつあります。このような環境のなか、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークによる就業やクラウドサービスの利用が推進されたことにより、企業内の限られたネットワーク環境だけを保護するセキュリティ対策から、企業・団体の従業員が利用する端末を含めたあらゆる環境に対応できるセキュリティ対策が求められている状況にある等の要因もあり、需要は堅調に推移し続けております。 (3)経営戦略当社は、セキュリティサービスとしてコンサルティングサービスとSOCサービスを提供しており、クラウド製品への対応を進めていくことに加え、コンサルティングとSOCサービスを連動させたコミュニケーション型SOCによるリテラシーの高いお客様のニーズをとらえていき、更なる成長を計画しております。セキュリティ対策が脆弱な企業・団体へのサイバー攻撃が増加傾向にありますが、自社内では対応できていないことも多い状況にあり、システムインテグレーターやベンダーとしてもそれぞれの会社ごとの環境や状況に合わせた対応が可能ではない事例も見られ、市場の要望と供給側とのあいだでギャップが生じております。当社といたしましては、このようなギャップを埋めるべく、日本国内にて開発したシステムを使用し、「やりすぎず、不足しない、変化に合わせた最適なサービス」を提供していくことを目指し、お客様ごとの環境や状況にあわせた必要なサービスを提供しております。また、セキュリティ被害に合ったお客様への一時的対応を迅速に行うことで事業継続のお手伝いをするとともに、そのようなお客様へ継続的なアドバイスによる優先順位をつけた効果的なセキュリティ態勢の構築を支援するコンサルティングサービスと、特定の機器に限定されないお客様環境にあわせたSOCサービスを両輪としてセキュリティサービスを提供することにより、サービスの深掘及びストック型売上の拡大に努めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、継続的なサービスの提供によるストック型売上の積上げであるARR(注1)を成長性の重要な経営指標としております。これは当社のコンサルティングサービス及びSOCサービスが継続的な取引を基盤としており、成長を継続する上での重要な要因であると認識しているためであります。また、売上高営業利益率を収益性の重要な指標としており、売上の拡大に見合う経費の増加とすることで収益性を確保しているためであります。(注1)ARR:Annual Recurring Revenue(年間経常収益)の略称で、年度末時点における継続的な契約による繰り返し得られる収益のこと(一時収益は含まない) (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①優秀な人材の確保 当社が事業を拡大していくためには、高度なサイバーセキュリティ技術を有する優秀な人材の確保が重要な課題であると認識しております。このような人材の確保のため、採用活動の強化、社内における教育制度の充実等を進める方針であります。 ②営業力の強化 サイバーセキュリティを重要な経営課題とする企業の増加に伴い、サイバーセキュリティ対策に対するニーズは高まってきております。このようなニーズに適切に対応するため、営業力の強化が重要であると考えており、事業に精通した営業人員を増強してまいります。 ③既存サービスの収益拡大、安定化 現状において当社収益の約74%(2025年3月期)を占めるSOCサービスは、お客様に継続的にサービスを提供するもので、当社収益の安定的な基盤となるものであります。また、当該サービスを提供しているお客様から有事対応サービス提供依頼の受注など、同一顧客へのサービス深掘りにもつながっていくものであります。そのため、当該サービスに関する新規顧客先の開拓・増加のための営業活動を強化してまいります。 ④新規サービスの拡充 KeepEye®(当社が開発したEDR製品で、お客様のご利用PCの挙動ログを抽出しマルウェア等によるサイバー攻撃を検知し隔離する機能があり、有事の際は当社SOCによる調査、分析によるサービス提供を行うもの)、AD監視サービス(当社が開発したAD Agentを利用してファイルサーバにおける重大な脅威を検知し、いち早く攻撃への対処を実施するもの)などの新規サービスを拡充し、お客様からの様々なニーズに対応できるようにすることにより、当社事業基盤の強化を図ってまいります。 ⑤システムの安定稼働 当社のサービスは、コンピュータシステムと通信ネットワーク(インターネットデータセンターを含む)を活用して行う場合が多いため、セキュリティレベルの高いシステム及びネットワーク環境の安定稼動、緊急時回復時間の短縮などの体制強化に努めてまいります。 ⑥知名度の向上、ブランドの確立 当社の事業成長のためには、当社及び当社サービスの知名度を向上させ、サイバーセキュリティ業界における当社サービスをブランドとして確立させていくことが不可欠であると認識しております。セミナーや講演会の開催等を通じて知名度の向上を計るとともに、技術力を高めていくことによりブランドの確立を推進してまいります。 ⑦内部管理体制の強化 事業環境の変化に対応して事業を拡大していくためには、内部管理体制の充実も重要な課題であると考えております。そのために、事業展開に応じた適切な人員配置、組織体制の整備を進めてまいります。 ⑧財務体質の強化 当社は、金融機関からの借入がなく十分な手許流動性は確保されており、本書提出日現在において対処すべき財務上の課題はありません。ただし、今後の事業拡大にあわせて売上や業容の拡大による資金需要の増加に備えて、さらなる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により、引き続き財務体質の強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、ミッションとして「私たちは、最適なセキュリティサービスをより多くのお客様へ提供し、事業の成長を支える環境づくりに貢献いたします。」を掲げ、具体的な行動は次のとおりとして事業を推進しております。 a.最適なセキュリティサービス当社は、その時々の脅威トレンドを反映し、日本のお客様のニーズに応える“最適なセキュリティサービス”を提供し続けることで、事業を拡大し続けていきます。 b.より多くのお客様へ提供昨今のセキュリティ被害の状況を鑑みると、セキュリティ課題は大手企業だけではなく、多くの企業・団体が共通してもつ課題と言えます。当社は、1社でも多くのお客様へセキュリティサービスを提供することが社会貢献につながると捉え、事業の拡大を目指していきます。 c.事業の成長を支える環境づくりに貢献当社は、セキュリティサービス提供の目的を『お客様の事業を支える環境づくり』と定義し、セキュリティだけの視点にとどまらず、お客様の事業環境、経営視点でセキュリティサービスを提供し続けることができるように日々精進していきます。 (2)経営環境当社を取り巻く経営環境として、国内のネットワークセキュリティビジネス市場の市場規模は、2021年度の5,779億円から2027年度には8,667億円と拡大し、同期間における市場全体のCAGR(年平均成長率)は7.0%と堅調に推移する予測となっております(出典:株式会社富士キメラ総研「2022 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧<市場編>」)。また、直近では、大企業へのサイバー攻撃のみならず中堅・中小企業や医療機関、インフラ施設等へもランサムウェア被害が拡大し、サプライチェーンに影響が及ぶサイバー攻撃が発生している状況において、経済産業省より「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0」(2023年3月改定)が改定されるなど企業や団体の経営者の意識が変化し、サイバーセキュリティに関するリテラシーが高まりつつあります。このような環境のなか、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークによる就業やクラウドサービスの利用が推進されたことにより、企業内の限られたネットワーク環境だけを保護するセキュリティ対策から、企業・団体の従業員が利用する端末を含めたあらゆる環境に対応できるセキュリティ対策が求められている状況にある等の要因もあり、需要は堅調に推移し続けております。 (3)経営戦略当社は、セキュリティサービスとしてコンサルティングサービスとSOCサービスを提供しており、クラウド製品への対応を進めていくことに加え、コンサルティングとSOCサービスを連動させたコミュニケーション型SOCによるリテラシーの高いお客様のニーズをとらえていき、更なる成長を計画しております。セキュリティ対策が脆弱な企業・団体へのサイバー攻撃が増加傾向にありますが、自社内では対応できていないことも多い状況にあり、システムインテグレーターやベンダーとしてもそれぞれの会社ごとの環境や状況に合わせた対応が可能ではない事例も見られ、市場の要望と供給側とのあいだでギャップが生じております。当社といたしましては、このようなギャップを埋めるべく、日本国内にて開発したシステムを使用し、「やりすぎず、不足しない、変化に合わせた最適なサービス」を提供していくことを目指し、お客様ごとの環境や状況にあわせた必要なサービスを提供しております。また、セキュリティ被害に合ったお客様への一時的対応を迅速に行うことで事業継続のお手伝いをするとともに、そのようなお客様へ継続的なアドバイスによる優先順位をつけた効果的なセキュリティ態勢の構築を支援するコンサルティングサービスと、特定の機器に限定されないお客様環境にあわせたSOCサービスを両輪としてセキュリティサービスを提供することにより、サービスの深掘及びストック型売上の拡大に努めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、継続的なサービスの提供によるストック型売上の積上げであるARR(注1)を成長性の重要な経営指標としております。これは当社のコンサルティングサービス及びSOCサービスが継続的な取引を基盤としており、成長を継続する上での重要な要因であると認識しているためであります。また、売上高営業利益率を収益性の重要な指標としており、売上の拡大に見合う経費の増加とすることで収益性を確保しているためであります。(注1)ARR:Annual Recurring Revenue(年間経常収益)の略称で、年度末時点における継続的な契約による繰り返し得られる収益のこと(一時収益は含まない) (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①優秀な人材の確保 当社が事業を拡大していくためには、高度なサイバーセキュリティ技術を有する優秀な人材の確保が重要な課題であると認識しております。このような人材の確保のため、採用活動の強化、社内における教育制度の充実等を進める方針であります。 ②営業力の強化 サイバーセキュリティを重要な経営課題とする企業の増加に伴い、サイバーセキュリティ対策に対するニーズは高まってきております。このようなニーズに適切に対応するため、営業力の強化が重要であると考えており、事業に精通した営業人員を増強してまいります。 ③既存サービスの収益拡大、安定化 現状において当社収益の約74%(2025年3月期)を占めるSOCサービスは、お客様に継続的にサービスを提供するもので、当社収益の安定的な基盤となるものであります。また、当該サービスを提供しているお客様から有事対応サービス提供依頼の受注など、同一顧客へのサービス深掘りにもつながっていくものであります。そのため、当該サービスに関する新規顧客先の開拓・増加のための営業活動を強化してまいります。 ④新規サービスの拡充 KeepEye®(当社が開発したEDR製品で、お客様のご利用PCの挙動ログを抽出しマルウェア等によるサイバー攻撃を検知し隔離する機能があり、有事の際は当社SOCによる調査、分析によるサービス提供を行うもの)、AD監視サービス(当社が開発したAD Agentを利用してファイルサーバにおける重大な脅威を検知し、いち早く攻撃への対処を実施するもの)などの新規サービスを拡充し、お客様からの様々なニーズに対応できるようにすることにより、当社事業基盤の強化を図ってまいります。 ⑤システムの安定稼働 当社のサービスは、コンピュータシステムと通信ネットワーク(インターネットデータセンターを含む)を活用して行う場合が多いため、セキュリティレベルの高いシステム及びネットワーク環境の安定稼動、緊急時回復時間の短縮などの体制強化に努めてまいります。 ⑥知名度の向上、ブランドの確立 当社の事業成長のためには、当社及び当社サービスの知名度を向上させ、サイバーセキュリティ業界における当社サービスをブランドとして確立させていくことが不可欠であると認識しております。セミナーや講演会の開催等を通じて知名度の向上を計るとともに、技術力を高めていくことによりブランドの確立を推進してまいります。 ⑦内部管理体制の強化 事業環境の変化に対応して事業を拡大していくためには、内部管理体制の充実も重要な課題であると考えております。そのために、事業展開に応じた適切な人員配置、組織体制の整備を進めてまいります。 ⑧財務体質の強化 当社は、金融機関からの借入がなく十分な手許流動性は確保されており、本書提出日現在において対処すべき財務上の課題はありません。ただし、今後の事業拡大にあわせて売上や業容の拡大による資金需要の増加に備えて、さらなる内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの改善等により、引き続き財務体質の強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況(資産)当事業年度末における資産合計は2,705,704千円となり、前事業年度末に比べ244,460千円増加しました。流動資産は2,242,543千円となり、前事業年度末に比べ103,218千円減少しました。これは主に業務システムの導入等により前払費用が30,935千円、自己株式の買付資金の預託により流動資産のその他に含まれる預け金が14,030千円増加したものの、現金及び預金が121,934千円、当事業年度の第4四半期におけるスポット売上が前事業年度と比較して減少したため売掛金が15,788千円、前渡金が6,978千円減少したことによるものであります。固定資産は463,161千円となり、前事業年度末に比べ347,679千円増加いたしました。これは主に事務所移転等に伴い、建物附属設備が194,185千円、工具、器具及び備品が162,571千円増加したことによるものであります。 (負債)当事業年度末における負債合計は701,837千円となり、前事業年度末に比べ1,238千円減少いたしました。これは主に買掛金が6,050千円、未払法人税等が29,826千円、契約負債が8,143千円増加したものの、未払消費税等が28,168千円、未払金が8,451千円減少したことによるものであります。 (純資産)当事業年度末における純資産合計は2,003,866千円となり、前事業年度末に比べ245,699千円増加しました。これは主に自己株式の取得により自己株式が60,181千円増加したものの、当期純利益の計上等により利益剰余金が305,880千円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は74.1%(前事業年度末は71.4%)となりました。 ②経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益やインバウンド需要により、緩やかな回復傾向が見られたものの、不安定な世界情勢の長期化に加え、円安や資源高に起因する物価上昇の継続、アメリカの通商政策動向による影響などにより、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社の属する情報セキュリティ業界を取り巻く環境としては、大手企業においてサイバー攻撃による被害が多数報告されるなど、業界や業種にかかわらず頻発しております。このような状況により、情報セキュリティ対策の必要性や重要性が強く認識されていることなどから、情報セキュリティ関連のIT投資は企業規模や業種・業界を問わず増加傾向にあり、需要は比較的堅調に推移しております。このような経営環境のもと、当事業年度の業績につきましては、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、不審メール訓練の支援やセキュリティインシデントへの対応等を実施いたしました。この結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,942,927千円(前年同期比20.6%増)、営業利益420,504千円(同20.5%増)、経常利益423,377千円(同32.6%増)、当期純利益309,111千円(同41.4%増)となりました。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。サービス区分別の状況は、次のとおりであります。 (1)SOCサービス既存顧客への監視・運用サービスを継続して提供したことに加え、新規顧客に対するKeepEye等の新規案件の獲得により、SOCサービスの売上高は1,441,966千円(前年同期比21.7%増)となりました。 (2)コンサルティングサービス不審メール訓練案件の獲得やセキュリティインシデントへの対応により、コンサルティングサービスの売上高は500,960千円(前年同期比17.7%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ121,934千円減少し、1,997,944千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は344,056千円(前事業年度は66,550千円の獲得)となりました。主な減少要因は、未払金の減少額8,451千円、未払消費税等の減少額28,168千円、法人税等の支払額82,203千円であり、主な増加要因は、税引前当期純利益423,377千円、減価償却費59,608千円、売上債権の減少額15,788千円、仕入債務の増加額6,050千円、前渡金の減少額6,978千円、契約負債の増加額8,143千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は402,579千円(前事業年度は76,274千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出416,365千円、敷金及び保証金の回収による収入13,786千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は63,411千円(前事業年度は775,868千円の獲得)となりました。これは自己株式の取得による支出65,251千円、自己株式の処分による収入1,840千円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績 当事業年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社は、サイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、主なサービス区分別に記載しております。サービス区分の名称当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)SOCサービス1,480,027112.61,002,338104.0コンサルティングサービス486,653106.8148,99291.2合計1,966,680111.11,151,331102.1 c.販売実績 当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、サイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、主なサービス区分別に記載しております。サービス区分の名称当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)SOCサービス1,441,966121.7コンサルティングサービス500,960117.7合計1,942,927120.6(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社マクニカ495,60030.8534,22327.5日興システムソリューションズ株式会社231,28614.4285,40314.7株式会社ソフトクリエイト225,46314.0263,30613.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態 財政状態の記載は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載しております。 b.経営成績(売上高)当事業年度における売上高は1,942,927千円(前年同期比20.6%増)となりました。これは主に、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、セキュリティ評価案件やセキュリティインシデントへの対応及びセキュリティ訓練の支援等が堅調に推移したことによるものであります。 (売上原価、売上総利益)当事業年度における売上原価は996,900千円(前年同期比20.2%増)となりました。これは主に、売上高の増加に伴い採用活動を進めたことによる人件費の増加に加え、業務システムの導入による費用の増加や、事務所移転に伴う賃料および減価償却費の増加等によるものであります。この結果、売上総利益は946,026千円(同21.0%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度における販売費及び一般管理費は525,522千円(前年同期比21.4%増)となりました。これは主に、事務所の移転に伴う一時的な費用の発生や地代家賃および減価償却費の増加、支払手数料が増加したこと等によるものであります。この結果、営業利益は420,504千円(同20.5%増)となりました。 (経常利益)当事業年度における経常利益は423,377千円(前年同期比32.6%増)となりました。これは主に、前事業年度に発生した株式上場に伴う上場関連費用等が発生しなかったことによるものです。 (当期純利益)当事業年度における法人税等は経常利益が増加したものの、賃上げ促進税制の適用による税額控除が増加したこと等により114,266千円(前年同期比13.4%増)となりました。この結果、当期純利益は309,111千円(同41.4%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資金需要 当社の運転資金需要のうち主なものは、サービスの提供のための外注費及びセキュリティ機器の仕入のほか、人件費、家賃等の営業経費であります。 c.財務政策 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社では、運転資金及び設備資金については、主に内部留保により調達を行っております。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,997,944千円となっております。 ③経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、継続的なサービスの提供によるストック型売上の積上げであるARRを成長性の重要な経営指標としております。 当事業年度末のARRは1,802,961千円(前年同期比19.9%増)となりました。これは、セキュリティアドバイザーやSOCサービスにおける新規獲得が好調であったことに加え、年間契約を基本とした顧客との長期的な関係性を構築したことから、高い継続率を維持できたことによります。 また、収益性の重要な指標としている売上高営業利益率については、当事業年度では21.6%となりました。前事業年度の21.7%からわずかに低下しておりますが、高い水準を維持しており、新事務所への移転等による経費の増加があったものの、売上拡大に見合う増加としたためであります。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

事業リスク

  • サービス陳腐化のリスク
    サイバーセキュリティ分野は、新たな脅威や技術革新が日々発生し、顧客ニーズも変化しやすい特性があります。S&Jがこれらの環境変化に対応できず、技術やサービスが陳腐化したり、競合他社がより優れたサービスを提供したりした場合、競争優位性を失い、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 代理店依存のリスク
    S&Jは、株式会社マクニカを含む複数のSIerと販売代理店契約を結び、顧客拡大と収益基盤強化を図っています。これらの代理店が十分に機能しなかった場合、S&Jのサービス販売が停滞し、業績に影響を与える可能性があります。代理店との良好な関係維持と新規代理店の開拓が重要となります。
  • セキュリティ事故発生リスク
    S&Jの製品やサービスを導入している顧客企業でサイバー攻撃による情報流出や改ざんなどのセキュリティ事故が発生した場合、S&Jの技術力に対する信頼が失われる恐れがあります。これにより、製品やサービスの販売が停滞し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。継続的な製品・サービス改良と事故防止への取り組みが求められます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,306 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、事業、業績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社では様々なリスクについて「顕在化の可能性/顕在化の時期/影響度」による重要性を認識したうえで、『事業内容について』、『事業体制について』、『その他の関係会社との関係について』、『その他のリスクについて』に分類しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。そのためのリスク管理体制としては、リスク管理規程を定め、リスクの調査、網羅的認識及び分析、各種リスクに関する管理方針の協議及び決定を経営会議において実施しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)事業内容について①サービス内容について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大)当社が属するサイバーセキュリティ事業分野は、日々発生する新たな脅威や技術革新等による環境変化に伴い、顧客ニーズが変化しやすい特徴があります。このような中、当社や代表取締役社長の三輪信雄その他の役員・従業員が新技術の開発や研究の結果あるいは知見・経験などを情報発信すること、あるいは政府官公庁との会議やその他の講演・セミナーなどで情報発信するなどの取組みにより、当社サービスの競争力の維持・向上に努めております。しかし、当社が環境変化等に対応できず、当社の技術やサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、当社が他社サービスに対して技術的・価格的に優位性を維持できない場合、当社事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ②代理店との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は株式会社マクニカ他、複数のSIerと販売代理店契約を締結し、当社サービスにおける顧客拡大・収益基盤強化を図っております。このため、これらの代理店が十分に機能しない場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。これに対して当社では、これらの代理店との良好で安定的な取引関係の構築に努めるとともに、販売支援やマーケティングの強化や新たな代理店の拡充などに注力しております。 ③派遣契約元との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)当社は、開発・運用業務の一部を派遣社員により実施しています。当該派遣元との関係が継続できないような場合には、他の派遣元探索の必要が生じるなど、業務の安定的な継続に影響を与える可能性があります。これに対して当社は、安定的な取引関係の構築に努めるとともに、複数の派遣元と取引関係を構築するなどの基盤の強化に努めております。 ④業務委託先との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)当社は、納入した機器の保守業務等の一部を契約先に業務委託しています。当該委託先との関係が継続できなくなるような場合には、他の委託先探索の必要が生じるなど、委託範囲の業務の安定的な継続に影響を与える可能性があります。これに対して当社は、複数の業務委託先と取引関係を構築するとともに、従業員による業務の内製化に注力しております。 ⑤新規サービス、新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)新規サービスを拡充し、お客様からの様々なニーズに対応できるようにすることにより、当社事業基盤の強化を図ってまいります。しかしながら、これらのサービスがお客様のニーズに合わず、あるいは他社同種サービスとの競合になるなどした場合には、当社事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑥当社製品の導入ユーザにおけるセキュリティ事故について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)当社の顧客において、当社製品又はサービスの効果の及ぶ範囲内でサイバー攻撃等による情報流出や改竄・詐取等をされた場合、当社の技術力への信頼喪失の恐れがあります。このような事態が発生した場合、信頼回復に時間が掛かり、当社製品及びサービスの販売が停滞することが考えられ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。これに対し当社は、セキュリティ事故に対する知見や経験をもとに継続的に製品やサービスの改良を行うことにより、導入ユーザにおけるセキュリティ事故の発生を防ぐ取組みに努めております。 ⑦当社想定を上回る解約が生じるリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社の事業は、監視・運用サービスを中心に年間契約のストック型収益にて構成されており、お客様に継続して利用いただくために顧客満足度を高め、解約率を低く維持するためにサービス等の改善や施策を行っております。しかしながら、お客様のセキュリティ環境の変更などの理由により、毎年一定の解約が発生しております。予算及び経営計画には、将来の解約を見込んでおりますが、当社の想定を超える解約が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑧システムリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:中)当社の事業及びサービス提供は、コンピュータシステムと通信ネットワーク(インターネットデータセンターを含む)を活用して行う場合が多く、セキュリティレベルの高いシステム及びネットワーク環境の構築・維持に努めております。しかし、自然災害等の予期せぬ事態の発生により、システムの停止や通信ネットワークが使用できないようになった場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨競合との関係について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社と競合するサービスを提供している他社が、顧客のニーズにいち早く対応した最先端の技術を駆使して当社の提供している製品やサービスより高品質で価格競争力のあるサービスを開発あるいは提供する可能性があります。このような場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。これに対して当社は、新規サービスを拡充し、お客様からの様々なニーズに対応できるようにすることにより、当社事業基盤の強化を図ってまいります。 ⑩法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)当社が行う事業においては、現在、法令等の規制はございませんが、将来において法令等の改正や規制が加わった場合などには、当社の製品又はサービスに関して制限等が強くなり、その対応に費用が掛かる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑪知的財産について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:小)当社は、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内教育の実施や顧問弁護士による調査・チェックを実施しておりますが、万一、当社が事業を推進する中で第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫経済環境・事業環境に関するリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)当社は、政府機関や大・中企業(その系列会社・サプライチェーンを含む)において高まる情報セキュリティ施策の検討・構築・実施のためのニーズ増大を予測し、これまで培ってきたサイバーセキュリティ事業での経験と実績を持つ情報セキュリティのプロ集団として、1)「防御・検知・対処」や「技術・体制」のバランスを重視した製品やサービスの提供、2) 政府機関や大企業におけるセキュリティアドバイザーやインシデントレスポンスの豊富な経験を活かしたコンサルティングサービスの提供等、を行うことにより、わが国及び産業の安全と発展への寄与を継続・拡大していく所存です。しかしながら、これら政府機関や企業のニーズが増大しない場合や、当社がこれらニーズに対応できない場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬大規模な自然災害・感染症について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:小)当社は、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害及び新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭単一事業であることについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)当社事業はサイバーセキュリティ事業の単一事業であることから、市場の変化の影響を受けやすい性質があります。当社は、市場の変化に対応して臨機応変に対応する方針でありますが、市場全体が縮小を続ける等、当社の対応に限度がある場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、サイバーセキュリティの重要性や必要性を営業活動や講演・セミナーなどで情報発信することで市場の拡大に寄与する取組みに努めております。⑮当社が提供する製品のバグや欠陥の発生について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)当社が提供するSOCサービスの一部において利用するセキュリティ製品には、自社開発製品が含まれております。あらかじめ十分な検証やテストを実施した後にサービス提供を行っておりますが、サービス提供開始後に、当該製品に重大なバグや欠陥が発生したことが原因で顧客に著しい損害を与えた場合、契約解除に伴う売上の減少等により当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、検証やテストを十分に実施することに加え、継続的に製品改良を行うことにより、重大なバグや欠陥を防止する取組みに努めております。 ⑯競争の激化について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:不特定、影響度:中)当社は、サイバーセキュリティ事業においてコンサルティングサービス及びSOCサービスを提供しております。現在において、コンサルティングサービス及びSOCサービスを連動させて提供する競合は少ないと考えており、当社は独自のサービスを提供することができています。これは、コンサルティングサービスにて事業を開始し、SOCサービスへ事業領域を拡大した経緯により、実現させてきたことによると考えておりますが、同様のサービスを提供する競合が増加し、競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、SOCサービスにおけるコンサルティング機能の付加などのコンサルティングサービスとSOCサービスを融合し、顧客満足度の高いサービスを提供することに努めております。 ⑰新規契約の獲得及び既存契約の更新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)当社のサービスは、原則として年間契約に基づき提供しているストック売上が売上全体の85.7%(2025年3月期実績)を占めており、契約の獲得・更新によりストック売上が積上げられ、単月のストック売上は期初から期末にかけて逓増していくビジネスモデルとなっております。そのため、上期に比べて、ストック売上が増加している下期に売上が偏重することとなり、何らかの要因により契約の獲得ができず、解約が多く発生し解約率が増加するなどのストック売上が計画通りに積上げられない場合には、下期の売上が計画を下回ることになり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、積極的な営業によるストック売上の獲得、顧客満足度を高めることによる解約率の低減等によるストック売上を積上げる取組みに努めております。 ⑱受注案件の採算性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:小)当社は、契約の受注時においては一定の採算性を確保しておりますが、予期せぬ事象の発生や想定以上に工数が超過した場合には採算が悪化します。不採算案件が増加し、長期間継続すると売上原価率の悪化につながり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、受注案件をモニタリングしており、採算性が悪化したプロジェクトを発見、対処できる仕組みを導入しています。しかしながら、これらの取組みによってもすべての不採算案件を防止できない可能性があります。 (2)事業体制について①経営者への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:中)当社の代表取締役社長である三輪信雄は、当社の株主であるとともに、当社の技術面を含む経営及び事業運営の全般にわたり大きく関与しております。このため、当社では、取締役会その他の重要会議等における役職員間の意思疎通等を通じて、事業体制に関するリスク軽減に努めております。しかしながら、三輪が当社における職務を遂行できなくなるような事態が生じた場合には、当社の事業に大きな影響を与える可能性があります。 ②小規模組織及び人材確保・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社が事業を拡大及び継続するために、開発力の強化・技術ノウハウの蓄積・営業力の増大、そのための高度なサイバーセキュリティ技術や知識を有する優秀な人材の確保が重要な課題となります。当社は、当該人材の確保の施策としてテレワークでの就業や福利厚生制度の充実及び社内教育の強化に努めておりますが、十分な人員が確保できない場合あるいは従業員教育が進展しない場合には、当社の成長が鈍化する可能性があります。また、技術や営業の担当者が退職するなどして、当社のノウハウが他社に流失した、あるいは当社に蓄積されないといった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③情報管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:大)当社は、2015年7月以降、情報セキュリティサービスの提供に関し、「ISO27001(ISMS)」の認証を受けており、サービス提供の適切な遂行に必要となる顧客の重要情報や当社の顧客・役員及び従業員の個人情報を含めた社内の情報管理等には十分な注意を払っております。しかしながら、このような対策を行っても個人情報を含む重要情報にかかる社外漏洩を防止できず、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社が損害賠償請求を受ける可能性があります。また、そのような場合には、当社の信用が失われ、事業に影響を及ぼす可能性があります。 ④内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は、企業価値の継続的増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠と認識しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のために内部統制システムの適切な運用が必要と認識し、そのための内部管理体制整備に注力しております。しかし、事業の拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない等の状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤訴訟等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:小)当社の事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、当社の瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合には、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社の社会的信用が低下することに加え、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社は、内部統制の充実や役職員に対するコンプライアンス研修の実施などのコンプライアンス体制の構築等により、トラブルを未然に防止する取組みに努めております。 (3)その他の関係会社との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)株式会社マクニカ及び同社の親会社であるマクニカホールディングス株式会社(東京証券取引所プライム市場に上場)は、その他の関係会社であります。当社とマクニカホールディングス株式会社グループとの関係は以下のとおりであります。①資本関係についてマクニカホールディングス株式会社は、本書提出日現在において当社の議決権の37.68%(2025年3月31日現在の総株主の議決権の数を基準に算出)を間接保有しており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。このことから、マクニカホールディングス株式会社は議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は他の株主の利益と一致しない可能性があります。また、株式市場での売却ではなく、特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。 ②人的関係について本書提出日現在、当社の取締役である星野喬は、マクニカホールディングス株式会社の連結子会社である株式会社マクニカに所属しております。これは、同社における経験や知見を得ることを目的としております。なお、当社の経営方針及び事業展開については、マクニカホールディングス株式会社グループの事前承認を要するものはなく、独自の意思決定によって進めております。 ③取引関係について株式会社マクニカとの取引については、売上高は代理店契約を締結している複数の代理店のひとつとしての代理店販売534,223千円(2025年3月期 売上高の27.5%)、その他一部製品の仕入れ等の取引が発生しておりますが、取引条件については、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。なお、マクニカホールディングス株式会社グループとの間で取引を行う場合は、一般株主との間に利益相反関係が発生するリスクが存在することを踏まえ、取引条件の適切性を確保するため、当社の関連当事者取引管理規程に基づき、取引の合理性、必要性及び取引条件の妥当性等について、取締役会にて審議・検討した上で決議するものとしております。 ④その他の関係会社からの独立性の確保について当社の経営判断及び事業展開にあたっては、マクニカホールディングス株式会社グループの指示や事前承認に基づいてこれを行うのではなく、マクニカホールディングス株式会社グループから独立した立場で一般株主の利益保護に配慮しつつ、当社の企業価値向上に貢献できるかという観点から選任された独立役員である取締役監査等委員3名を含む取締役会を中心とした当社経営陣の判断のもと、独自に意思決定を実行しており、マクニカホールディングス株式会社グループからの独立性は確保されていると認識しております。 (4)その他のリスクについて①配当政策について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:小)当社は、設立以来、当期純利益を計上した場合であっても、財務基盤を強固にすることが重要であると考え、配当を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題の一つであると認識しており、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、利益及び剰余金の配当を検討する所存でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 ②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期、影響度:小)当社では、役員及び従業員に対するインセンティブを目的とした第3回新株予約権を2023年3月24日付で発行しております。今後もインセンティブを目的とする役員あるいは従業員への新株予約権発行を行うかどうかについては未定でありますが、現在付与している新株予約権に加え、今後新株予約権が付与され、それらの行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在(2025年5月31日)における新株予約権による潜在株式数は432,900株であり、潜在株式数を含む発行済株式総数6,060,100株の7.1%に相当しております。 ③資金使途について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社株式の上場時における公募増資による調達資金の使途につきましては、人材採用費、ブランディング等の広告宣伝費、本社設備の移転を含む業務設備の充実等に充当する計画です。しかしながら、情報セキュリティ関連市場は変化が激しく、その変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に充当する可能性もあります。また、計画どおりに資金を使用したとしても、期待どおりの成果が挙げられない可能性があります。また、市場環境の変化により、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合は、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。 ④コンプライアンスリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:中)当社では、コンプライアンスに関する諸規程を制定し、役員及び従業員による遵守を徹底すること、顧問弁護士との連携を図ることで、法令違反や顧客とのトラブルの発生リスクの低減に努めております。しかしながら、法令違反や、顧客・取引先・第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、当社側に法令違反や契約違反等の問題があった場合には、訴訟への発展や損害賠償の必要、あるいは当社サービスへの信頼性毀損等が生じる可能性があります。そのような事態に立ち至った場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤流通株式比率について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:不特定、影響度:小)当社株式は2023年12月15日に株式会社東京証券取引所グロース市場に上場されました。株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率の上場維持基準は25%であるところ、新規上場時において29.12%の見込みでしたが、2025年3月31日現在の流通株式比率は27.71%となっております。今後はストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

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