事業の概要
- マルチ決済サービスStarPayネットスターズは、複数のQRコード決済(Alipay, WeChat Payなど40種類以上)を一つのアプリでまとめて使える「StarPay」を提供しています。これにより、お店は多くの決済ブランドを一括で導入・管理でき、お客様も様々なQRコード決済を利用できるようになります。2023年にはクレジットカード決済や電子マネー決済にも対応し、利便性を高めています。
- 手数料ビジネスモデルStarPayの主な収入源は、お店がキャッシュレス決済を利用した際に発生する手数料です。お客様が決済すると、まず決済事業者からネットスターズに手数料を差し引いた金額が送られ、そこからさらにネットスターズの手数料を差し引いた金額がお店の売上となります。決済額が増えるほど、ネットスターズの収益も増える仕組みです。
- DX製品と海外展開ネットスターズは、決済サービスだけでなく、セルフレジやモバイルオーダーなどのDX(デジタルトランスフォーメーション)製品も開発・販売しています。これらはお店の業務効率化を支援し、StarPayと組み合わせて提供することで、顧客体験の向上と省人化を推進しています。また、シンガポールの子会社を通じて海外の金融機関へのStarPayのOEM提供も進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- フィンテック事業の単一セグメントネットスターズグループは、事業全体を「フィンテック事業」という一つのセグメントとして運営しています。これは、グループの主要な業務がキャッシュレス決済サービス「StarPay」の提供と、それに関連するDX製品の開発・販売に集約されているためです。
- マルチQRコード決済サービスこの事業の中心は、複数のQRコード決済を一つのアプリで利用可能にする「StarPay」の提供です。2023年からはクレジットカード決済や電子マネー決済にも対応し、日本国内外で40種類以上の決済ブランドを統合しており、国内最大級のカバー範囲を誇ります。
- DX製品と海外展開フィンテック事業には、セルフレジやモバイルオーダーなどのDX製品の開発・提供も含まれます。これにより、加盟店の業務効率化を支援し、決済サービスとのクロスセルを図っています。また、シンガポールの子会社を通じて、海外の金融機関へのStarPayのOEM提供を進めるなど、グローバルな事業展開も行っています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社ネットスターズ)、子会社3社(納思達科技(大連)有限公司、NETSTARS ASIA HOLDINGS PTE. LTD.及びNETSTARS VIETNAM CO., LTD.)及び持分法適用会社1社(Netstars Hong Kong Limited)により構成されており、複数のキャッシュレス決済を1つのアプリで決済可能にするマルチQRコード決済サービス「StarPay」の提供とキャッシュレス決済に関連するDX製品(注1)の開発・販売を主たる業務としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、当社グループは、「フィンテック事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (1) 当社グループのサービスについて当社グループは、複数のQRコード決済を1つのアプリで決済可能にするマルチQRコード決済サービス「StarPay」の提供を行っており、2023年2月よりクレジットカード決済、2023年7月より電子マネー決済も提供を開始しております。現在、キャッシュレス決済市場には多くのキャッシュレス決済ブランドが提供されておりますが、「StarPay」を導入することで、加盟店は複数の決済ブランドを一括して契約・運用することが可能となります。特に当社はQRコード決済に強みを持っており、「StarPay」は現在、日本国内外合わせて40種類以上のQRコード決済ブランドを統合しており、QRコード決済ブランドのカバレッジ数は国内最大級となります。また、当社グループは決済端末を提供するだけでなく、既に店舗にあるタブレットやPOS(販売時点情報管理)システムがQRコード決済に対応できるよう、API(注2)を使って決済サービスを提供しており、形式を問わず柔軟に決済サービスを提供することが可能です。また、自社での営業活動に加え、業務提携先(OEM提供先・取次店)を通じて効率的な加盟店の獲得を図っております。業務提携先には、多数の企業と提携している取次店及び当社の「StarPay」をOEMとして提供しているクレジット会社等があり、当社グループではこれらの業務提携先と良好な関係構築に努めております。導入・運用のいずれも人的・金銭的負担が少ないキャッシュレス対応ツールとして、店舗や自動販売機を含め国内約70万アカウント(2025年12月末日時点)に導入されております。子会社であるNETSTARS ASIA HOLDINGS PTE. LTD.は「StarPay」の海外におけるOEM提供先を開拓しており、QRコード決済サービスを立ち上げようとしている海外の金融機関等に対して営業を行っております。納思達科技(大連)有限公司とNETSTARS VIETNAM CO., LTD.は主に当社の開発等の受託先となっております。また、店舗業務の効率化を目的とした様々なDX化の取り組みを行いたい加盟店に対して、セルフレジ・モバイルオーダー等のDX製品を開発・提供し、クロスセルを図っております。当社のDX製品スマートフォン上でのミニアプリ(注3)をはじめとした様々な組み合わせ、導入形態にて、決済と注文の効率化を実現でき、加盟店はStarPayおよびDX製品を組み合わせることで、顧客の購買体験向上および省人化の推進できます。その他に海外向けのインバウンドプロモーションサービスを行っており、主に「StarPay」の顧客向けに中国観光客向けのプロモーションを企画・運営の受託をしております。 (2) 当社グループのビジネスモデルについて現在、キャッシュレス決済市場には多くのキャッシュレス決済ブランドが提供されておりますが、「StarPay」を導入することで、加盟店は多様な決済手段・ブランドを一括して契約・運用することが可能となり、また、決済事業者は自社の決済サービスをより多くの加盟店に導入することが可能となります。当社グループの主力サービスである「StarPay」の収益構造は、利用の対価として加盟店の決済額に応じた手数料を受領するモデルとなっており、決済額に応じた加盟店の手数料から決済事業者の手数料を差し引いた純額が当社収益となります。当社グループはキャッシュレス決済サービスを加盟店に提供し、加盟店と各決済事業者との決済データを処理しております。消費者がQRコード決済を利用し、StarPayを通して、最終的に加盟店にまで決済代金が移動するまでの基本的な流れは次の通りであります。①消費者が、QRコード決済事業者のアプリケーション内の残高にチャージします。当該取引は消費者とQRコード決済事業者間の取引で当社は関与しません。②消費者がQRコード決済を利用した購買活動を行った際に、StarPayを通して、加盟店からQRコード決済事業者に決済情報(決済手段・決済日時・金額等)が連携されます(消費者からもQRコード決済事業者に直接決済情報が連携されています)。当該時点では、QRコード決済事業者が加盟店への支払債務を負っている状態で、当社に加盟店への支払債務は発生しておりません。③QRコード決済事業者が手数料A(※1)を収受し、当社に手数料Aを控除した決済代金が送金されます。当該時点で当社において、加盟店への支払債務が発生し、預り金として計上します。④当社が手数料B(※2)を収受し、加盟店に手数料Bを控除した決済代金を送金します。これにより、預り金の支払いが完了し、一連の決済手続きが完了します。※1 QRコード決済事業者が収受する手数料※2 当社が収受する手数料 直接契約している加盟店に関しては、各キャッシュレス決済事業者から決済手数料を差し引いた決済額を加盟店に代わり受領し、その入金額から当社の手数料を差し引き、翌月に加盟店へ振り込みをしております。OEM提供先からは、決済総額に応じて手数料を受領しております。また、加盟店のニーズがあれば決済端末を販売しております。決済額に応じた手数料は、当社グループの加盟店の増加とキャッシュレス決済の利用者の増加により収益が積みあがっていく構造となっております。また、当社は自社での営業活動に加え、業務提携先(取次店)を介して加盟店を獲得する場合があり、当該取次店には獲得した加盟店の決済額に応じた手数料を支払い、費用として計上しております。提供しているミニアプリ等DX製品の収益構造は、導入時に当社が初期開発・導入サポートを実施した対価として受領する初期売上と提供したDX製品の利用料及び保守運営料として毎月受領する月額利用料とDX製品を通して発生する決済額に応じた手数料売上を受領するモデルとなっております。ミニアプリ等のDX製品では事前予約、出前サービス等の様々な機能が可能で、機能等により月額利用料が変わります。当社グループは「StarPay」の加盟店に対して決済だけでなく、ミニアプリ等のDX製品のクロスセルを図っていきます。 [事業系統図] [用語解説](注)1.DX製品:組織や企業がデジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを改善し、競争力を向上させるための製品やソリューションのこと。2.API:Application Programming Interfaceの略で、ソフトウエアやプログラム等を連携するための仕様のこと。3.ミニアプリ:QRコード決済アプリ等をプラットフォームとし、その中でのみ利用することができるアプリのこと。QRコード決済アプリがダウンロードされていれば、新たにダウンロードすることが不要といった特徴がある。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 競合他社による低価格戦略や機能高度化が進展した場合、手数料率の低下が生じる |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ネットワーク 日本国内外合わせて40種類以上のQRコード決済ブランドを統合しており、国内最大級のカバレッジ数 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経営環境の変化による業績悪化のリスク / 競合について / 特定の製品・サービスへの依存について
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
現時点では、ネットスターズが保有する特許、ブランド、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は公開されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
同社はIoTプラットフォームを提供しており、一度導入されたプラットフォームからの移行には一定の手間やコストが発生する可能性があります。しかし、その規模や顧客の固定化の度合いは現時点では不明確です。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
現時点では、ネットスターズのプラットフォームにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が明確に観察される状況ではありません。
コスト優位☆☆☆☆☆
同社の事業モデルにおいて、競合他社と比較して構造的に低いコストで製品やサービスを提供できるという優位性は現時点では確認されていません。
規模の経済★☆☆☆☆
IoTプラットフォーム市場は成長していますが、ネットスターズが業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているかは不明です。市場シェアや規模の経済性に関する具体的なデータは不足しています。
- 国内最大級の決済ブランド統合ネットスターズの「StarPay」は、日本国内外の40種類以上のQRコード決済ブランドを統合しており、このカバレッジ数は国内最大級です。これにより、加盟店はStarPay一つで多様な決済手段に対応でき、顧客の利便性を高めるとともに、導入・運用にかかる手間やコストを大幅に削減できます。
- 柔軟な決済サービス提供能力同社は決済端末の提供だけでなく、既存のタブレットやPOSシステムにAPIを通じてQRコード決済機能を追加できるため、お店の状況に合わせて柔軟に決済サービスを導入できます。これにより、様々な規模や業態の店舗がキャッシュレス化を進めやすくなっています。
- 効率的な加盟店獲得戦略自社営業に加え、多数の企業と提携する取次店や、StarPayをOEM提供するクレジットカード会社などを通じて、効率的に加盟店を獲得しています。これにより、短期間で国内約70万アカウント(2025年末時点)への導入を実現しており、強固な加盟店基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営方針当社グループは、「お金の流れを、もっと円(まる)く」というミッションを掲げ、世界規模で急速に進むデジタル化により生活様式が大きく変わりつつある時代において、経済の基盤である決済をより安全に、スピーディーにすることで社会の発展の一翼を担っていきたいと考えております。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、事業拡大、事業価値向上を目指し、売上高、売上総利益率及び非財務指標における当社の事業規模を示す決済取扱高を経営における重要な指標としております。 (3) 経営戦略当社グループは、事業拡大及び事業価値向上を計画的かつ確実に実行するために1st Stageから3rd Stageの経営ビジョンを設定し、これに沿って事業の展開方針・経営戦略を策定しております。 (経営ビジョン)① 1st Stage:国内QR決済市場で高シェアの獲得a.国内の小売・飲食業者にとってのオフライン決済(注1)におけるゲートウェイに成長b.世界各国の有力QR決済事業者とのネットワークを確立c.決済のみならず加盟店を支援するDXサービスに着手 ② 2nd Stage:収益源の多様化を実現a.加盟店の経営を決済の視点で広範に支援する企業として必要不可欠な存在に成長b.世界各国でのオフライン決済サービスを拡大 ③ 3rd Stage:新規事業の継続的な創出・拡大で中長期的に成長を加速a.圧倒的な決済データの有効活用で世界中の商品開発や流通の最適化を支援b.知名度や資金力を活かした自社展開、他社提携、M&Aによって新たな領域に参入 (注)1.インターネットを利用しない実店舗における対面での決済サービス (4) 経営環境当社グループが提供するフィンテック事業は、決済サービス業界に属しており、経済産業省がキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%とする政府目標を掲げて普及促進を進めてまいりました。その結果、2024年には当該目標を前倒しで達成し、キャッシュレス決済比率は42.8%まで上昇いたしました。また、2025年12月26日に経済産業省より公表された新たな算定指標に基づくと、2024年のキャッシュレス決済比率は51.7%とされており、中小の飲食店や診療所等における普及促進を通じて、2030年に65%、将来的には引き続き80%を目指す方針が示されております。また、株式会社矢野経済研究所の「2025年版 コード決済市場の実態と展望」によると、以下のような場面での利用も進んでおり、当社としても特にコード決済の活用場面が拡大すると見込んでおります。・コード決済市場においては、オンライン決済領域での利用拡大が進んでおり、ECサイトをはじめとしたオンラインサービスへの導入が拡大している。クレジットカードの不正利用被害が増加する中、コード決済は情報漏洩リスクが相対的に低く、セキュリティ面での優位性が評価されていることから、安全性の高い決済手段としてオンラインでの利用拡大が進む動きがみられる。・また、コード決済の活用領域は、従来導入が進んでいなかった分野を含めて拡大が進んでいる。継続課金型サービスや高単価・対面サービス分野等への対応が進展しており、今後も新たなユースケースの拡大を通じて利用シーンの多様化が進むことが見込まれる。当社は中立的な立ち位置で「Star Pay」というマルチQRコード決済サービスを主軸に既存の決済会社や決済端末会社、POSベンダー等と幅広く競業し、オンライン・オフラインのキャッシュレス決済市場のシェアの拡大に努めております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後当社グループが成長を成し遂げていくために、対処すべき主な課題は以下のとおりであります。 ① 新規加盟店の獲得決済総額の増加による売上高の拡大及び収益性の向上に向け、継続的に加盟店網を拡大する必要があります。そのため当社グループは、新規加盟店を獲得するために、既存の決済会社や決済端末会社、POSベンダー等と幅広く競業を進めてまいります。また、さらなる加盟店網の拡大のためには、自社での営業活動に加え、業務提携先(OEM先等)を通じた効率的な加盟店網の拡大が重要な課題となると認識しており、当社の「StarPay」をOEMとして提供しているクレジット会社等との提携関係のさらなる強化を図り、かかる業務提携先との新たなサービス連携等にも取り組んで参ります。さらに、計画的に必要な投資や人材育成・採用や販促活動を行うことが重要な課題であると認識しております。 ② 決済システムの安定的な稼働消費者と加盟店が安全・安心な環境で決済を実行するためには、決済システムが安定的に稼働しており、トラブルが発生した場合には適時に解決される必要があります。当社グループは、展開領域を拡大しながらも決済システムを安定的に稼働させるために必要な投資や人材育成を行うことが重要な課題であると認識しております。 ③ 事業展開スピードの加速化当社グループは、今後の成長戦略において、マルチキャッシュレス決済サービスの海外展開、ステーブルコイン決済等の新しい決済手段への対応や国内加盟店へのDXサービス提供を進めることが重要であると認識しております。これらの分野においては、市場環境や制度動向、技術進展の変化が速いことから、事業機会を適切に見極めつつ、段階的な検証を行いながら迅速なサービス開発・展開を進めることが重要であると認識しております。当社グループは、自社開発力の強化および外部パートナーとの連携を通じて、既存事業とのシナジーや収益性、リスクを総合的に勘案しながら、持続的な成長に資する事業展開を推進して参ります。 ④ 組織体制の整備及び内部管理体制の強化当社グループは現在、成長途上にあり、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、人材の採用と育成を継続的に行う必要があるとともに、事業規模の拡大にあわせて事務処理能力の充実、業務運営の効率化、加盟店管理体制の強化といった組織体制を整備すること及びコーポレート・ガバナンスにおいてリスク管理体制、コンプライアンス遵守体制といった内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。 ⑤ 財務上の課題について当社グループは、先行投資フェーズを経て黒字化を達成いたしましたが、今後の持続的成長に向けては、安定的な営業キャッシュ・フローの創出および財務基盤の一層の強化が重要な課題であると認識しております。運転資本の適切な管理、投資回収のモニタリング、資金調達手段の多様化等を通じて、財務の健全性と成長投資余力の両立を図るとともに、中長期的な資本政策の検討を進めて参ります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営方針当社グループは、「お金の流れを、もっと円(まる)く」というミッションを掲げ、世界規模で急速に進むデジタル化により生活様式が大きく変わりつつある時代において、経済の基盤である決済をより安全に、スピーディーにすることで社会の発展の一翼を担っていきたいと考えております。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、事業拡大、事業価値向上を目指し、売上高、売上総利益率及び非財務指標における当社の事業規模を示す決済取扱高を経営における重要な指標としております。 (3) 経営戦略当社グループは、事業拡大及び事業価値向上を計画的かつ確実に実行するために1st Stageから3rd Stageの経営ビジョンを設定し、これに沿って事業の展開方針・経営戦略を策定しております。 (経営ビジョン)① 1st Stage:国内QR決済市場で高シェアの獲得a.国内の小売・飲食業者にとってのオフライン決済(注1)におけるゲートウェイに成長b.世界各国の有力QR決済事業者とのネットワークを確立c.決済のみならず加盟店を支援するDXサービスに着手 ② 2nd Stage:収益源の多様化を実現a.加盟店の経営を決済の視点で広範に支援する企業として必要不可欠な存在に成長b.世界各国でのオフライン決済サービスを拡大 ③ 3rd Stage:新規事業の継続的な創出・拡大で中長期的に成長を加速a.圧倒的な決済データの有効活用で世界中の商品開発や流通の最適化を支援b.知名度や資金力を活かした自社展開、他社提携、M&Aによって新たな領域に参入 (注)1.インターネットを利用しない実店舗における対面での決済サービス (4) 経営環境当社グループが提供するフィンテック事業は、決済サービス業界に属しており、経済産業省がキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%とする政府目標を掲げて普及促進を進めてまいりました。その結果、2024年には当該目標を前倒しで達成し、キャッシュレス決済比率は42.8%まで上昇いたしました。また、2025年12月26日に経済産業省より公表された新たな算定指標に基づくと、2024年のキャッシュレス決済比率は51.7%とされており、中小の飲食店や診療所等における普及促進を通じて、2030年に65%、将来的には引き続き80%を目指す方針が示されております。また、株式会社矢野経済研究所の「2025年版 コード決済市場の実態と展望」によると、以下のような場面での利用も進んでおり、当社としても特にコード決済の活用場面が拡大すると見込んでおります。・コード決済市場においては、オンライン決済領域での利用拡大が進んでおり、ECサイトをはじめとしたオンラインサービスへの導入が拡大している。クレジットカードの不正利用被害が増加する中、コード決済は情報漏洩リスクが相対的に低く、セキュリティ面での優位性が評価されていることから、安全性の高い決済手段としてオンラインでの利用拡大が進む動きがみられる。・また、コード決済の活用領域は、従来導入が進んでいなかった分野を含めて拡大が進んでいる。継続課金型サービスや高単価・対面サービス分野等への対応が進展しており、今後も新たなユースケースの拡大を通じて利用シーンの多様化が進むことが見込まれる。当社は中立的な立ち位置で「Star Pay」というマルチQRコード決済サービスを主軸に既存の決済会社や決済端末会社、POSベンダー等と幅広く競業し、オンライン・オフラインのキャッシュレス決済市場のシェアの拡大に努めております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後当社グループが成長を成し遂げていくために、対処すべき主な課題は以下のとおりであります。 ① 新規加盟店の獲得決済総額の増加による売上高の拡大及び収益性の向上に向け、継続的に加盟店網を拡大する必要があります。そのため当社グループは、新規加盟店を獲得するために、既存の決済会社や決済端末会社、POSベンダー等と幅広く競業を進めてまいります。また、さらなる加盟店網の拡大のためには、自社での営業活動に加え、業務提携先(OEM先等)を通じた効率的な加盟店網の拡大が重要な課題となると認識しており、当社の「StarPay」をOEMとして提供しているクレジット会社等との提携関係のさらなる強化を図り、かかる業務提携先との新たなサービス連携等にも取り組んで参ります。さらに、計画的に必要な投資や人材育成・採用や販促活動を行うことが重要な課題であると認識しております。 ② 決済システムの安定的な稼働消費者と加盟店が安全・安心な環境で決済を実行するためには、決済システムが安定的に稼働しており、トラブルが発生した場合には適時に解決される必要があります。当社グループは、展開領域を拡大しながらも決済システムを安定的に稼働させるために必要な投資や人材育成を行うことが重要な課題であると認識しております。 ③ 事業展開スピードの加速化当社グループは、今後の成長戦略において、マルチキャッシュレス決済サービスの海外展開、ステーブルコイン決済等の新しい決済手段への対応や国内加盟店へのDXサービス提供を進めることが重要であると認識しております。これらの分野においては、市場環境や制度動向、技術進展の変化が速いことから、事業機会を適切に見極めつつ、段階的な検証を行いながら迅速なサービス開発・展開を進めることが重要であると認識しております。当社グループは、自社開発力の強化および外部パートナーとの連携を通じて、既存事業とのシナジーや収益性、リスクを総合的に勘案しながら、持続的な成長に資する事業展開を推進して参ります。 ④ 組織体制の整備及び内部管理体制の強化当社グループは現在、成長途上にあり、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、人材の採用と育成を継続的に行う必要があるとともに、事業規模の拡大にあわせて事務処理能力の充実、業務運営の効率化、加盟店管理体制の強化といった組織体制を整備すること及びコーポレート・ガバナンスにおいてリスク管理体制、コンプライアンス遵守体制といった内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。 ⑤ 財務上の課題について当社グループは、先行投資フェーズを経て黒字化を達成いたしましたが、今後の持続的成長に向けては、安定的な営業キャッシュ・フローの創出および財務基盤の一層の強化が重要な課題であると認識しております。運転資本の適切な管理、投資回収のモニタリング、資金調達手段の多様化等を通じて、財務の健全性と成長投資余力の両立を図るとともに、中長期的な資本政策の検討を進めて参ります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。 ① 当期の経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響による消費マインドの慎重さが一部にみられたものの、雇用・所得環境の改善や賃上げの進展を背景とした個人消費の持ち直し、ならびにインバウンド需要の回復・拡大等により、国内景気は総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界経済においては、各国の金融政策や通商政策の動向、中東情勢の緊迫化、ウクライナ情勢の長期化、中国経済の減速懸念などを背景に、先行きの不確実性は依然として高い状況が続いております。 このような経済環境のもと、当社グループが属する決済サービス業界におきましては、経済産業省がキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%とする政府目標を掲げて普及促進を進めてまいりました。その結果、2024年には当該目標を前倒しで達成し、キャッシュレス決済比率は42.8%まで上昇いたしました。また、2025年12月26日に経済産業省より公表された新たな算定指標に基づくと、2024年のキャッシュレス決済比率は51.7%とされており、中小の飲食店や診療所等における普及促進を通じて、2030年に65%、将来的には引き続き80%を目指す方針が示されております。 上記の政府主導の普及促進に加え、消費者の利便性向上や事業者側の業務効率化ニーズ、QRコード決済を含む非接触型決済の利用拡大、インバウンド需要の回復および決済手段の多様化への対応といった外部環境の変化を背景として、決済代行サービスを含む非接触型決済市場の需要は引き続き堅調に推移しております。 当社グループにおいても市場の拡大を取り込むとともに、大型加盟店の獲得等により、当連結会計年度の決済取扱高は2兆1,228億円(前年同期比33.2%増)となり、決済関連売上は順調に成長しております。また、DX関連サービスにおいては、展示会への出展など販促活動に取り組むとともに、顧客ニーズに合わせたプロダクトの開発を進めております。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,788,117千円(前年同期比22.7%増)、営業利益は293,083千円(前年同期営業損失84,305千円)、経常利益は443,116千円(前年同期経常損失22,141千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は485,016千円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失37,617千円)となりました。 なお、セグメントについては、当社グループはフィンテック事業の単一セグメントであるため、記載しておりません。 ② 当期の財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末より2,614,453千円増加し、38,354,191千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末より2,635,615千円増加し、37,242,402千円となりました。これは主に決済取扱高の増加により現金及び預金が2,334,408千円増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末より21,162千円減少し、1,111,788千円となりました。これは主に減価償却に伴いソフトウエアが82,654千円減少、税効果に係る繰延税金資産が149,707千円増加したことによるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末より2,088,283千円増加し、30,721,120千円となりました。これは主に決済取扱高の増加により預り金が2,015,878千円増加したことによるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末より526,170千円増加し、7,633,070千円となりました。これは主に新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ33,000千円増加、その他有価証券評価差額金が34,088千円減少、親会社株主に帰属する当期純利益を485,016千円計上したことによる利益剰余金の増加したことによるものです。 ③ 当期のキャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,334,408千円増加し、36,209,760千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は2,377,131千円(前年同期は7,510,084千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益402,162千円、減価償却費の計上242,955千円、預り金の増加額2,015,981千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は111,547千円(前年同期は200,561千円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得による支出115,781千円、投資有価証券の売却による収入19,128千円、敷金及び保証金の差入による支出15,037千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は66,000千円(前年同期は9,922千円の獲得)となりました。これは主に新株の発行による収入66,000千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績当社グループの事業はフィンテック事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)フィンテック事業(千円)4,788,117122.7合計(千円)4,788,117122.7(注)1.当連結会計年度において、新規大型加盟店の獲得及び前連結会計年度のクレジットカード決済の取扱開始等により、決済手数料売上が増加しました。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)PayPay株式会社1,049,40526.91,220,06025.5株式会社NTTドコモ709,60618.2857,46617.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・結果内容 (1)財政状態 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 (2)経営成績(売上高)当連結会計年度の売上高は、4,788,117千円(前年同期比22.7%増)となりました。これは主に、大型加盟店の獲得等により、決済手数料売上が増加したことによるものであります。 (売上原価及び売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、決済手数料売上が増加したことに伴い、売上原価が増加したことにより1,122,256千円(前年同期比21.5%増)となりました。この結果、売上総利益は、3,665,860千円(前年同期比23.1%増)となりました。 (販売費及び一般管理費並びに営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、営業部門の人件費の増加、販売促進費の増加により3,372,777千円(前年同期比10.1%増)となりました。この結果、営業利益は、293,083千円(前年同期は営業損失84,305千円)となりました。 (営業外損益及び経常利益)当連結会計年度において、受取利息142,277千円等により営業外収益 が167,827千円(前年同期比90.4%増)、持分法による投資損失7,938千円により営業外費用が17,794千円(前年同期比31.5%減)発生しております。この結果、経常利益は、443,116千円(前年同期は経常損失22,141千円)となりました。 (特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度において、事業所閉鎖損失等により特別損失が40,954千円発生しております。また、法人税等調整額は144,281千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、485,016千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失37,617千円)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費等の営業費用であります。運転資金として必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途にあわせて柔軟に検討を行う予定であります。なお、当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は36,209,760千円であります。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況について当社グループは、経済の基盤である決済をより安全に、スピーディーにすることで社会の発展の一翼を担っていくことを経営方針とし、継続的な加盟店網の拡大や世界各国の有力QR決済事業者とのネットワークの確立、決済のみならず加盟店を支援するDXサービスの提供を進めております。当該方針に従って、当社グループでは売上高、売上総利益率及び非財務指標における当社の事業規模を示す決済取扱高を重要な経営指標としております。また、決済取扱高は売上高の成長及び売上総利益率の改善の達成における客観的な指標でもあります。 なお、過去2年間の推移は以下のとおりであります。重要な経営指標前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)売上高(千円)3,902,0464,788,117売上総利益率(%)76.376.6決済取扱高(億円)15,94221,228 上記の記載の通り、当連結会計年度の売上高は4,788,117千円と前年より約22%の増加となり、また決済取扱高は21,228億円と前年より約33%の増加となりました。これは主に大型加盟店の獲得等により、決済手数料売上が増加したことによるものであります。売上総利益率は76.6%と、前年からほぼ横ばいとなりました。当社グループでは、引き続き決済取扱高の堅調な増加を図り、売上高の成長及び売上総利益率の改善を目指しております。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針に関して当社グループは、「お金の流れを、もっと円(まる)く」をミッションに掲げ、事業を拡大してまいりました。当社グループがこのミッションの下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していくことが必要であると認識しております。
事業リスク
- 経営環境の変化による業績悪化日本政府のキャッシュレス推進政策が市場拡大の追い風となっていますが、市場の成長が鈍化したり、政府方針が転換したりすると、キャッシュレス決済の取扱高が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。事業計画のモニタリングと収益の多角化でリスク低減を図っています。
- 競合激化による収益性悪化QRコード決済市場は成熟期に入りつつあり、競合他社との競争が激化しています。低価格戦略や機能高度化が進むと、手数料率の低下や加盟店獲得の鈍化、大口加盟店の他社への切り替えなどが発生し、ネットスターズの業績に影響を与える可能性があります。
- 特定の製品・サービスへの依存ネットスターズの売上は、マルチ決済サービス「StarPay」に大きく依存しています。将来的には収益源の多様化を目指していますが、当面はStarPayへの依存度が高い状態が続くため、StarPayの決済総額が減少した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】次に、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。当社グループでは、リスク管理を適切に実施、管理するためリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。当委員会については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 d.リスク・コンプライアンス委員会」に、リスク管理体制の整備の状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。また、当社グループとして必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、株主及び投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の表記がない場合に限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。 (1) 経営環境の変化による業績悪化のリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:-、影響度:中)当社の主要な事業領域は、日本国政府のキャッシュレス推進の追い風により市場拡大が見込まれておりますが、市場の成長鈍化や政府方針の転換などにより縮小した場合、若しくは当社の成長予測を下回った場合には、キャッシュレス決済の取扱高の減少等によって当社業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては事業計画をモニタリングし、兆候の把握とフィンテック事業内における収益の多角化によってリスクの低減に向けた対応を行っております。 (2) 競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社グループが属するQRコード決済市場は、キャッシュレス化の進展に伴い普及が進み、成熟段階に移行しつつあります。これに伴い、決済事業者間の競争は激化しており、サービス内容や手数料率等による差別化は従前に比べて難しくなっております。当社グループは、マルチ決済サービスの先行開発による技術力、クレジットカード会社等へのOEM提供及び多数の取次店との提携により加盟店基盤の拡大を図っております。しかしながら、競合他社による低価格戦略や機能高度化が進展した場合、手数料率の低下による収益性の悪化、加盟店獲得の鈍化、大口加盟店の他社への切替え等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 技術革新について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)当社グループは、フィンテック事業の一部として複数のQRコード決済等を1つのアプリで決済可能にするマルチ決済サービスの提供を行っております。しかしながら、新しい技術を使った決済サービスが出現し、市場においてより低価格での製品・サービスの展開が行われた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、市場における新技術の調査を継続的に行い、リスクの低減に向けた対応を行っております。 (4) 海外における事業展開について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社グループでは、シンガポールの子会社NETSTARS ASIA HOLDINGS PTE. LTD. において海外の銀行と協力してパートナー開拓を推進しており、海外への事業展開を行っております。しかしながら、海外での事業活動においては、予期せぬ法律又は規制の変更、大規模な自然災害の発生、政治経済の変化、為替変動、商習慣の相違、雇用制度や労使慣行の相違、不利な影響を及ぼす租税制度の変更等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、StarPayでは中国系企業を含む海外QRコード決済(Alipay・WeChat Pay等)を扱っておりますが、国際紛争等何らかの理由によりこれらの取扱いを停止・終了することとなった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、幅広い海外QRコード決済の取扱いや複数国の展開を図ることで、軽減を図っております。 (5) 特定の製品・サービスへの依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)当社グループ全体の売上高に占めるフィンテック事業の割合は大きく、当社グループ全体の業績は、フィンテック事業の中心であるマルチ決済サービス「StarPay」製品・サービスの動向に大きく依存しております。キャッシュレス化は世界規模で拡大しており、当社グループにおきましても将来的には収益源の多様化を図るものの、当面の間は海外展開等を含めその延長線上に事業拡大を図る方針であります。したがって、「StarPay」製品・サービスへの依存度も当面は高水準で推移していくものと予想されることから、その決済総額が減少した場合等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、収益を多角化するために、海外事業展開及びDX商材の展開を進めており、今後も推進する方針です。(6) QRコード決済事業者との取引について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)当社グループは、QRコード決済事業者と連携して事業を行っており、売上高に占める比率が高いQRコード決済事業者が存在します。万が一、主要なQRコード決済事業者から契約解除や条件変更等がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、引き続き中立的な立ち位置で決済サービスを提供することで、リスクの低減を図っております。 (7) 製造委託及び仕入れに関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:-、影響度:中)当社グループはメーカー機能を有していないため、決済端末は取引先からの仕入れにより入手しております。端末の納期管理等は実施しておりますが、メーカーのサプライチェーンに予測不能または管理不能な事象が発生した場合には、納期の遅れ等が発生する場合があります。当社グループでは、仕入先を複数持つことでこれらのリスクを軽減するよう取り組んでおりますが、これらのリスクに対処できなかった場合は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、仕入れた決済端末の不具合等によって当社責任の下交換が生じた場合や、仕入れる決済端末で予期せぬ問題等が発生した場合は、顧客からの信頼性の低下により、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:大)当社グループのフィンテック事業は、通信事業者が提供するインターネット回線及びAmazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービス「AWS」(Amazon Web Services)を基盤として運営しております。そのため当社グループでは、複数の地理的リージョンの利用による冗長性の確保、定期的な脆弱性診断及び各種不正アクセス対策等による当社グループの情報資産の安全保護に努めておりますが、今後、当社グループの製品・サービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) ソフトウエア等固定資産の減損について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社では、固定資産の減損に係る会計基準に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減 損損失の認識・測定を行っております。経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、対象となる資産に減損 損失を計上する必要が生じた場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 法的規制等について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:小)当社グループは、複数のQRコード決済等を一つのアプリで利用可能とするマルチ決済サービスを提供しております。また、クロスボーダー決済の「JPQRグローバル」を運営しております。これらは、割賦販売法をはじめとする関係法令及び業界ガイドライン等に基づき、加盟店管理の強化やセキュリティ対策等の対応が求められております。これらの法令等の改正や新たな規制の適用が行われた場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、一般社団法人キャッシュレス推進協議会等の業界団体に所属し、重要な法制改正の動向を注視するとともに、関係各社と連携しながら法令遵守を最優先として適切に対応してまいります。 (11) 個人情報の管理について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:大)当社グループは、事業を通じて取得した個人情報と個人関連情報を保有しており、「情報セキュリティ保護方針」及び「個人情報保護方針」に沿って個人情報を管理し、その遵守に努めております。しかしながら、不測の事態により個人情報と個人関連情報が漏えいした場合や個人情報と個人関連情報の収集過程で問題が生じた場合には、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の失墜等による損害が発生し、業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。当該リスクにあたって、当社はリスク・コンプライアンス室を設置し、情報管理の徹底を一層強化する方針であり、個人情報保護を徹底する方針です。 (12) 知的財産について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)当社は、複数のQRコード決済等を1つのアプリで決済可能にするマルチ決済サービスの提供を行っており、自社開発をしたQRコード決済システムに関しては特許を取得しております。今後、第三者が当社の当該知的財産権を侵害したり、又は当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害したり、侵害したとして提訴されたりする可能性があります。このような事象等により係争問題が発生した場合には、多額の費用及び経営資源が費やされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 訴訟等の可能性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:-、影響度:中)当社は、現時点において、係争中の訴訟を有してはおりませんが、当社事業分野において、第三者が当社より早く特許権・その他知的財産権が認められ、当社が高額の対価、損害賠償、又は使用差止等の請求を受けた場合や予期せぬトラブルの発生等により訴訟を提起された場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。このような事実が判明したときは直ちに、事例に応じて、弁護士・弁理士等と連携し解決に努める体制が整っております。 (14) 経営管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)当社グループは、今後、フィンテック事業を中心に事業展開を図ってまいりますが、事業推進に係る管理、経営管理業務に係る管理及びコンプライアンス遵守に係る管理等多岐にわたる社内管理体制が、当社グループのサービスの成長速度に追いつかない等の理由により、万が一、関連する法律又は規制上の義務に違反していることが判明した場合、又は事業計画等に遅れが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 人材確保について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社グループが、今後さらなる成長を実現するためには、優秀な人材の確保及び当社グループの成長フェーズに沿った組織体制の強化が不可欠であり、適切な人材採用が想定どおりに進まない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当リスクについては、多国籍な採用を行うことで、リスクの低減を図っております。 (16) 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社代表取締役社長CEO李剛は、当社グループの事業に関する豊富な経験と知識を有し重要な役割を担っており、当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行等についてリーダーシップを発揮しております。当社グループでは、特定の人物に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同役員が退職をする、若しくは業務を続けることが困難になり、適時に代わりとなりうる人物の採用ができない場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの対応策として、当社グループにおける経験豊富な取締役陣に加え、執行役、部長クラスの人材を迎え入れるなど人材の拡充を進めております。 (17) 業績の推移について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)当社グループが展開するマルチQRコード決済サービスが日本で本格化したのは2018年秋からであります。したがって、ユーザー数やユーザーの利用頻度の急激な増加、他社との競合状況、海外展開の進捗状況、新製品・サービスの開発及び提供、それに伴う売上構成の変動等により、期間比較を行うための充分な財務数値が得られない等、過年度の経営成績だけでは、今後の当社グループの経営成績の判断材料としては不十分な面があると考えられます。 (18) 繰越欠損金の解消による影響について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期、影響度:中)当連結会計年度末において当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。当社グループの業績が順調に推移し繰越欠損金が解消した場合や繰越欠損金の期限が切れた場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 (19) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:-、影響度:小)当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、当社の新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与する可能性があります。当事業年度末現在における自己株式を除く発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は11.28%となっております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 (20) 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:-、影響度:小)当社グループの利益分配については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、常に株式価値の向上を念頭に置き、事業投資と配当を比較し、その時々で最適な資本配分を実施していくことを基本方針としております。本書提出日現在、配当対比で株式価値向上に資する有効な事業投資が多数存在している状態であるため、株式価値向上に向けた最適な資本配分の観点から、創業以来配当は実施しておりません。将来的に、経営成績及び財政状態を勘案して、配当を実施する可能性はございますがその時期等については未定です。