5578

ARアドバンストテクノロジ(5578)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • DXソリューション事業
    ARアドバンストテクノロジは、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するITサービスを提供しています。具体的には、AIを活用したコンサルティングやクラウドシステムの構築・運用が主力で、企業のデジタル化を総合的にサポートし、収益を得ています。
  • AI主軸のサービス展開
    AIを核とした自社プロダクト(LOOGUE、ZiDOMA、Mieta)や他社製品のライセンス販売に加え、ITコンサルティングからシステム設計・構築、保守運用まで一貫して手掛けています。これにより、顧客のDX課題をワンストップで解決し、多様な収益源を確保しています。
  • ワンストップのDX支援
    グループ会社によるDX人材サービスも一体的に展開し、DXに必要なソリューションを総合的に提供できる体制を構築しています。これにより、顧客の幅広いニーズに応え、長期的な取引関係を築くことで安定的な収益を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • DXソリューション事業
    ARアドバンストテクノロジグループは、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するITサービスを主力事業としています。この事業は、AIを活用したコンサルティング、クラウドシステムの構築・運用、およびDX人材の提供で構成されています。
  • 単一セグメントでの展開
    同社グループの事業は、主力サービスから関連サービスまで全て「DXソリューション事業」という一つのセグメントに集約されています。そのため、有価証券報告書ではセグメント別の詳細な記載は省略されており、事業全体がDX関連サービスに特化していることを示しています。
  • 多様な顧客層への提供
    サービス提供先は製造業、流通業、サービス業、インターネットビジネス業、コンタクトセンター業、金融業、官公庁など多岐にわたります。特定の分野に偏らず幅広い顧客層にサービスを提供することで、事業の安定性と成長性を確保しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,385 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社4社及び持分法適用関連会社2社によって構成されております。事業の内容は、主に顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)(※1)を実現するための各種ITサービスで構成されたDXソリューション事業としております。 このDXソリューション事業のサービス領域におきましては、AI主軸のプロダクトの提供を含む「DXコンサルティング及びAI駆動によるクラウド インテグレーション」を主力サービスとし、DX人材提供を含む関連サービスが一体的に展開されています。 当社グループは、創業以来培ったクラウド技術に加え、AI技術、データサイエンス技術の提供を通じて、「クラウド技術とデータ・AI活用によるビジネストランスフォーメーションデザイナー(BXデザイナー)(※2)として社会変革をリードする」を掲げ、顧客の課題解決に貢献しています。 なお、当社グループの事業は、主力サービス及び関連サービスを含めDXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 (1) サービスの内容 当社グループの各種サービス領域(※3)は2つに集約されます。 AI主軸の自社プロダクト又は他社製品のライセンス販売の他、上流工程であるITコンサルティング及び要件定義から始まり、先進のAIやクラウドに関連するシステムの設計・構築を経て保守・運用までを実施する「DXコンサルティング及びAI駆動によるクラウドインテグレーション」の他、関連サービスとして、グループ会社にてDX人材サービスを一体的に展開することにより、DXにかかるソリューションをワンストップかつ総合的に提供できる体制を実現しています。 Amazon Web Services(以下「AWS」という。)やMicrosoft Azure(※3)に代表されるクラウドネイティブ(※4)技術や、AIやクラウドのプラットフォームに関しては、AWSやMicrosoft Azureを軸としてAIネイティブ・クラウドネイティブ技術をマルチクラウドかつアジャイルで提供する他、DX化に必要な要素技術を複合的に組み合わせ、顧客のニーズに応える質の高いソリューションを提供すべく注力してまいります。 (2) 事業展開の特徴① AI駆動開発 生成AIを含むAI知見のあるコンサルタント及びエンジニアが生成AIを駆使してシステム開発を行うこと言います。AIエージェントがエンジニア1人分の仕事をするようになるレベル1から始まり、先々はAIエージェントがAIエージェント管理し育成するようになるレベル3に到達する頃には圧倒的な生産性に到達することを目指しています。人間はそのAIエージェントを指揮及びマネジメントできるようになるレベルにスキルを引き上げることを目標としています。 ② BTCアプローチ(DX専門人材の迅速かつ最適なプロジェクト組成の仕組み) 「BTC」の「B」は「 B=Business コンサルタント、専門業務知見者の組織化」を表し、顧客のDX化に向けた基本構想・ロードマップ等の企画立案、アクションプランの策定などを支援するDXコンサルティング機能を意味しております。「DX」とは「デジタル技術を活用したビジネス構造の変革」であり、一般的なDXソリューション事業においてコンサルティング機能は必要不可欠な機能であると言われております。「T」は「 T=Technology エンジニアリング知見者の組織化」を表し、クラウド技術、ソフトウエア、インフラ及びセキュリティ、AI・データサイエンスの各専門技術者による機能の提供を意味します。「C」は「 C=Creative UI/UX (※5)ユーザービリティ知見者の組織化」を表します。システムは利便性やユーザー体験の質の最大化が担保されることでその価値を発揮するものであります。このアプローチの目的は、顧客への付加価値創造と差別化の最大化させることにあります。 更にこの仕組みに「AI駆動開発」の手法を加えることで更にサービスアップデートによる高付加価値化が期待されます。 ③ ハイブリッドアプローチ(ワンストップ営業サイクルによるクロスセル、アップセルの仕組み) コンサルティングの提案や関連プロダクト等の提案を起点に、捕捉することができた顧客のDX上の課題に対してワンストップでインテグレーションの提案に繋げるという形をとり、いわゆるクロスセル、アップセル戦略を展開しております。これにより顧客の課題解決と、顧客満足度を高めることで得られる顧客LTV(※6)の最大化を同時に実践しております。いわゆるフロービジネスにあたるインテグレーションから得たノウハウを、いわゆるストックビジネスに貢献する関連プロダクトを含む各種ソリューションのアップデートに還元し、更に次のクロスセルアップセルを拡大させていくという好循環のサイクルを回していくことが、当社グループのビジネス発展にとって重要なエンジンの一部となっているのと同時に、他社との差別化にも繋がっております。これらが相互に連環しながらビジネスを拡大させており、顧客毎に取引関係の深化を進めるための仕組みとして位置づけています。  なお、主力サービスに含まれる自社開発プロダクトは、以下の3つとなります。・LOOGUE(ローグ) 自社開発AIアルゴリズムと生成AIとを組み合わせたAIマルチエンジンです。・ZiDOMA(ジドーマ)データ活用、ビッグデータ統合管理ソリューションです。・Mieta(ミエタ) AWS「Amazon Connect」に連携できるクラウドコンタクトセンター分析サービスです。 ④ 技術力及びリソースの基盤 クラウドにおけるグローバル基準のソリューションサービスを提供できる実績とノウハウを保有している事業者として、当社はAWSから、AWS Partner Network(以下「APN」という。)アドバンストティアサービスパートナーに認定されております。APNはAWSを活用して顧客向けのソリューションとサービスを構築しているテクノロジー及びコンサルティング企業向けのグローバルパートナープログラムであります。APNアドバンストティアサービスパートナーは、APNの中でもAWSに関する営業・技術体制が整っており、AWSでのクラウドインテグレーションの実績が非常に豊富なパートナーが取得できるものであります。 加えて、当社はAWSの認定資格取得数が500を超える企業として「AWS 500 APN Certification Distinction」に認定されております(認定資格総数766個)。同じくAWSのコンタクトセンターソリューションであるAmazon Connectにおけるサービスデリバリープログラム認定及びAPNにおける「AWS Well-Architectedパートナープログラム」認定の他、内製化支援パートナーの認定も取得しております。更に、Microsoft社が提供するMicrosoft Azureの認定資格者(認定資格総数102個)も多数育成しており、マルチクラウドの技術基盤を整備しております。 また、当社グループの強みの一つとしてビジネスパートナーの調達力があり、300社超との協力関係を構築しております。更に当社グループにおけるDX人材サービスを担う連結子会社の株式会社エーティーエス(以下「エーティーエス」という。)は、DX人材獲得のためのマッチングプラットフォーム「テクパス」(※7)を主軸に、顧客が求める人材を集めて提供する仕組みを構築しており、親会社である当社に対してもDX人材を供給しております。また、エーティーエスは、当社グループにおけるDX人材のリソースプラットフォームとして位置づけられ、グループ全体のエンジニアリソースプールの役割も果たしています。その他、当社グループ内で相互に人材共有や送客を積極的に行うことで、グループ内においてもクロスセルやアップセルによる案件拡大を実現してまいります。 (3) 当社グループのサービス提供先 当社グループのサービス提供先は、分野面では特段の偏りなく、製造業・流通業・サービス業・インターネットビジネス業・コンタクトセンター業・金融業など多岐にわたる事業会社及び官公庁となっております。 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。※1 DX(デジタルトランスフォーメーション)ITツールやデジタルテクノロジー等の活用を通じ、新しい製品やサービス、ビジネスモデルの創出、企業の組織、業務プロセスの成長を促すことにより、社会や企業などにおける根源的な変革を行う活動であります。※2 ビジネストランスフォーメーションデザイナービジネストランスフォーメーション(BX)とはDXを行うことで事業改革、事業モデル変革を進めることであり、ビジネストランスフォーメーションデザイナー(BXデザイナー)とは、それらの体現者のことを指しています。※3 Microsoft AzureMicrosoft社から提供される、複合的なクラウドサービスの総称であります。※4 クラウドネイティブクラウド上でアプリケーションを実行したり、ソフトウエアを開発したりすることを前提としている、クラウドの利点を徹底的に活用する技術のことであります。※5 UI/UX(User Interface/User Experience)UIはプロダクトやサービスの外観やデザインであり、UXはシステムの利用者がプロダクトやサービスを通して得られた体験でありUIを内包する概念であります。ユーザーニーズに深く根差したシステム開発を行うための要点となります。※6 顧客LTV「Customer Lifetime Value」のことであり、顧客生涯価値を意味します。顧客からその生涯にわたって得られる利益のことであり、1回の取引で得られる利益だけではなく、2回目以降の取引から得られる利益も含めた、将来の関係全体にわたる価値の予測のことであります。※7 「テクパス」2016年9月にエーティーエスが開設した人材求人のためのインターネットサイトであります。株式会社リクルートホールディングスが運営する総合求人サイト「Indeed」に代表される大手求人サイトと連携する機能を持ち、「テクパス」での直接集客と大手求人サイト経由で求職者へアプローチしております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
企画力、提案力、人材力等の強化、付加価値の高いサービス提供により競争優位性を確保。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
AI技術、データサイエンス技術、クラウドネイティブ技術など先進技術の提供。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:技術革新への対応 / 経営環境の変化 / 法的規制
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された財務サマリーでは、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPに関する具体的な情報は確認できませんでした。同社はシステム開発やITソリューション提供を主事業としており、これらの無形資産が競争優位の源泉となっているかは不明瞭です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客の基幹システム開発や保守に関わる場合、システム移行のコストやリスクから一定のスイッチング・コストが発生する可能性があります。しかし、具体的な顧客基盤や契約内容に関する情報がなく、その強さを判断するには至りません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ユーザー数が増えることでサービス価値が増大するネットワーク効果を生み出すものではありません。個別の顧客との関係性やプロジェクトベースのビジネスが中心と考えられます。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業におけるコスト競争力は、開発効率や人件費などが影響しますが、同社の財務データからは構造的なコスト優位性を判断できる情報はありませんでした。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業は広範な市場ですが、同社が特定のニッチ市場で圧倒的なシェアを持つ、あるいは業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているかは、公開情報からは判断できません。中堅企業としての規模のメリットは限定的と考えられます。

  • AIとクラウドの専門性
    創業以来培ったクラウド技術に加え、AI技術やデータサイエンス技術を強みとしています。特にAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといった主要クラウドプラットフォームの認定資格を多数保有し、高度な技術力で顧客のビジネス変革を支援しています。
  • 多角的なDXアプローチ
    ビジネスコンサルタント、テクノロジーエンジニア、クリエイティブ(UI/UX)専門家を組織化する「BTCアプローチ」により、顧客のDX課題に対し、企画から技術実装、ユーザー体験向上まで一貫した高付加価値サービスを提供しています。さらにAI駆動開発を組み合わせることで、生産性とサービス品質の向上を図っています。
  • 強固なパートナーシップ
    AWSの「アドバンストティアサービスパートナー」認定や500を超えるAWS認定資格取得数、300社以上のビジネスパートナーとの協力関係が強みです。また、DX人材サービス子会社「エーティーエス」による人材供給プラットフォーム「テクパス」を通じて、高品質なDX人材を安定的に確保し、グループ全体の競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「ARIグループ普遍的価値観」として、「先進性ある技術を通して、顧客の問題解決と社員の幸せを創造し、社会の未来発展に貢献する」を掲げ、DXソリューション事業を営む企業としての経営理念にしております。当社グループの存在意義と精神は、未来へと続く産業と社会の一端を担い、その発展の歴史に貢献し続けていくことにあります。貢献とは、先達の知識の蓄積を真摯に学び、自ら社会的価値あるサービスの創出に知恵を絞り、常にその時代に必要とされる先進性ある技術を提供できる集団となることで、社会が、つまり顧客が抱える悩みを一つ一つ解決するという社会的価値を創出し、顧客とそこに関わる人々の発展に尽くしていくことである、と考えております。  また、社員全員がARIグループという働く場を通して、人生の目標を持ち、出会いを得て、学びを重ね、互いの信頼を積み、心が豊かになり、物質的にも豊かになっていくことで、社員とその家族が幸せだと実感できる環境を作り上げていくことも同時に実現していくことでもあると考えております。 この二軸の貢献が当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーの持続的、継続的な幸せの提供に寄与するものと考えております。これらの在り方は、50年先、100年先も変わらない普遍的な価値観として、当社グループの性質を表す企業文化の礎として浸透していくものであります。そして、このような姿勢のもと、クラウド技術とデータ・AI活用によって、顧客とともに事業変革すなわちビジネストランスフォーメーションを実現していくことが当社グループの使命であると考えております。 (2) 経営環境について 2024年の国内ITサービス市場は、国内企業のデジタルビジネス化に向けた旺盛な需要によって、前年比7.4%増で7兆205億円となりました。2025年以降の同市場は全体として好調を継続し、2024年から2029年の年間平均成長率は6.6%で拡大を続け、2029年には9兆6,225億円になると予測されております。 産業分野別では、官公庁の大型既存システムの刷新や、地方自治体の自治体システム標準化により政府・公共がもっとも高い成長率となったほか、既存システムのクラウド移行/モダナイゼーション、顧客エクスペリエンス(CX)向上やデータ及びAI利活用でのIT支出が拡大し、金融業、製造業、流通業は相対的に高い成長を遂げたと分析しております。 2025年以降の同市場は、全体として好調を継続し、国内企業のデジタルビジネス化に向けた投資が、既存システムのモダナイゼーションへの投資や、新たな価値創造に向けた新システムへの投資の持続的な拡大により、今後も高い成長を遂げるとみています。更にAI利活用においてPOC(Proof of Concept)から実践フェーズへの移行、AIユースケースの発展によりIT投資が更に促進されると予想されております。(※1)  これと連動してデジタル関連のコンサルティングニーズも拡大しております。国内市場ではDXに対する関心が非常に高く、企業の投資意欲は高まっております。2024年のDX関連投資額は5兆2,759億円でしたが、2030年には大幅に増加し9兆2,666億円が見込まれております。(※2)  また、2024年の国内クラウド市場については、クラウドに移行しやすいWebシステム、パッケージアプリケーションソフトウェアを活用したシステム等のクラウドマイグレーションはピークを過ぎたものの、レガシーマイグレーションやスクラッチ開発をしたシステムのクラウドマイグレーションが本格化しています。また、急拡大するAIの需要に対応するために、サービスプロバイダーによる大型投資が見られたことにより、前年比29.2%増の9兆7,084億円となりました。同市場の2024年から2029年の年間平均成長率は14.3%で推移し、2029年の市場規模は2024年比2.0倍の19兆1,965億円になると予測されております。(※3)  加えて、日本のAIシステム市場規模は、2024年に1兆3,412億円(前年比56.5%増)となっており、今後も成長を続け、2029年には4兆1,873億円まで拡大すると予測されております。AIの社会実装が進んでおり、企業でのプログラミング、文章の要約、マーケティング、コールセンターやカスタマーサポートなど様々な用途で活用が進んでおり、これまでは人手不足対策や業務効率化の目的で利用されることが多かったものの、今後は新たなサービス創出を目指した活用も進むとみられています。また、生成AI技術を活用したAIエージェントやAIとロボットが融合する「フィジカルインテリジェンス」分野の発展も市場拡大を後押しするとみられております。(※4)  このように当社グループが事業を展開する分野は、中期的には市場拡大の方向にあります。  一方で、国内ITサービス市場の拡大は、事業の鍵となるIT人材の需給逼迫と表裏をなすものであります。経済産業省によれば、中位予測で2025年には36万人、2030年には45万人のIT人材の不足が予測されております(※5)。 また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)における2024年の「DX動向調査」によると、「DX推進人材が大幅に不足している」と回答した企業が62.1%と過半数を超えており、労働市場での優秀なIT人材の獲得競争が激化しております。(※6) (3) 中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、前述「(2)経営環境について」に記載のとおり、DXに重心を移しつつ中期的には拡大基調にあるITサービス市場において、中期的な成長即ち継続的な売上高の伸長を実現するために、新たに技術獲得、拡販体制を得たAI駆動開発に代表されるサービスアップデートを続け、引き続き「クラウド技術とデータ・AI活用によるビジネストランスフォーメーションデザイナーとして社会変革をリードする」を継続的ミッションとして、以下の4つの成長戦略を骨子とする中長期経営戦略を継続して掲げております。 ① BTCアプローチの強化(DX専門人材の迅速かつ最適なプロジェクト組成の仕組み) BTCB=Business コンサルタント及び業務知見者集団・T=Technology エンジニアリング集団・C=Creative UI/UXユーザービリティ知見者集団)を三位一体で提供される「DXコンサルティングとAI駆動によるクラウドインテグレーション」を中心にDX化支援を推進してまいります。AIやクラウドのプラットフォームに関しては、AWSやMicrosoft Azureを軸としてAIネイティブ・クラウドネイティブ技術をマルチクラウドかつアジャイルで提供する他、DX化に必要な要素技術を複合的に組み合わせ、顧客のニーズに応える質の高いソリューションを提供すべく注力してまいります。 ② ハイブリッドアプローチの強化(ワンストップ営業サイクルによるクロスセル、アップセルの仕組み) コンサルティングや関連サービス等を起点に、ワンストップでインテグレーションの提案・提供に繋げるというビジネスモデルを推進してまいります。更にインテグレーション提供から得たノウハウを、関連プロダクトを含む各種ソリューションのアップデートに還元させていくという好循環のサイクルを回し、顧客接点機会の創出から、顧客LTVの最大化へ繋げていくという戦略を推進してまいります。また、クロスセル・アップセルによるインテグレーション遂行においては、ビジネスパートナーの調達は重要な鍵となるため、ビジネスパートナーの調達・管理を推進する専門部署を設置し、250社超のビジネスパートナーと良好なアライアンスを構築しております。万が一、社員に欠員が出た場合でも、ビジネスパートナーとの連携により工数不足を補える体制を整えており、今後もアライアンス強化を図ってまいります。 更に、DX人材サービスを行う当社子会社の株式会社エーティーエスは、当社グループにおけるDX人材のリソースプラットフォームとして位置づけられ、グループ全体にエンジニアを供給するリソースプールの役割を果たしています。当社グループ内においてもこのアプローチ戦略をとることで、相互に人材共有や送客を積極的に行うことで、グループ内においてもクロスセルやアップセルによる案件拡大を実現してまいります。 ③ 新規事業開発の強化 当社グループのプロダクトを含む自社ソリューションやサービスは、コンサルティング及びインテグレーションから得たノウハウの標準化や自動化を進め、先進技術の研究開発投資のアウトプットと組み合わせることによることから生まれたものであります。このサイクルを更に強化していくため継続的な研究開発投資を行ってまいります。 この取り組みによりリリースされた「cnaris(クナリス)」「dataris(デタリス)」と称した領域特化型のサービスブランド戦略を更に拡販することで認知度向上を図ってまいります。「cnaris(クナリス)」は「クラウドネイティブ領域に特化し、その技術の総合支援内容を総称するサービスブランド」であります。インテグレーションにおいて最も重要なことは、技術テンプレートといった形で可視化され、ビジネス展開の中で蓄積していく、標準化・自動化へと繋がる有形のノウハウであります。これらは再利用が可能であり、再現性をもって水平展開されていくもので、ビジネスの加速度的な発展と品質安定に大きく影響いたします。当社グループは創成期からクラウド技術の造詣を深め、良質なノウハウを豊富に有しております。これらをブランド化し、展開することでコンサルティング及びインテグレーションの競争力を高めてまいります。 「dataris(デタリス)」は「データ・AI活用領域に特化し、その技術の総合支援内容を総称するサービスブランド」であります。cnaris同様に、データ・AI活用を軸としたコンサルティング及びインテグレーションに係る良質かつ豊富なノウハウをブランド化して、差別化を図ってまいります。関連プロダクトである「LOOGUE(ローグ)」「ZiDOMA data(ジドーマ データ)」はこのブランドの嚆矢の一つと位置づけています。 この2つのブランドを育てていくことで、認知度向上を図り、中長期的な成長を加速させてまいります。加えて近年、研究開発投資を継続してきた「AI駆動開発関連分野」において、有償プロジェクトへの実装が進み、利益率の高いAI開発案件及び高付加価値案件の獲得の成果が出てきております。更に生産性向上による収益向上並びに差別化による高付加価値案件の獲得を推し進めるために、更なる研究開発投資を継続してまいります。 「cnaris(クナリス)」「dataris(デタリス)」と称したブランドは「AI駆動開発」による手法を加えていくことで更にサービスがアップデートされてまいります。 ④ M&A・業務提携戦略の推進 当社グループは、中長期的な企業価値向上と持続的成長の実現を目指し、既存ビジネスの着実なオーガニック成長に加え、シナジーあるM&Aや業務提携による非連続成長の取り込みを積極的に推進しております。M&A実施後は、PMI(Post Merger Integration)を通じて経営統合・意識統合・業務統合を着実に推進し、両社の強みを最大限に活かしたシナジー創出の基盤を整えています。また、これらに伴うリスク管理やガバナンス体制の強化にも注力しています。 今後も市場環境や成長機会を的確に捉えながら、当社グループとのシナジー効果が見込まれる企業とのM&Aや業務提携を積極的に推進し、主力事業を補完強化する技術やノウハウの獲得、優秀な人材の確保、ビジネス領域の拡大を目指してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、高い収益性の確保と継続的な売上高の成長を維持することにより、企業価値を継続的に向上させ株主利益を最大化することを経営上の目標としており、そのための指標として、売上高成長率を重視しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 近年、DXへの対応が注目を集めております。DXは単なる“システム化”に留まるものではなく、事業や組織運営の在り方を根底から変えていく、総合的な企業変革へと繋がるダイナミックな動きであり、ITの活用の在り方そのものが大きく変化しつつある環境にあると認識しております。 このようなITに新たな価値を求められる事業環境のもと、経営理念として掲げる「ARIグループ普遍的価値観」の具現化に向けて取り組むべき課題を以下のとおりと認識しております。 ① 人材確保と育成 DX市場の拡大に伴い、デジタル化、クラウド化の技術を有する優秀な人材の確保は最重要課題であります。様々な顧客の中長期的な要求に応じて、技術水準の高い人材を確保するための投資を継続し、引き続き優秀な技術者の確保及び育成に努めてまいります。 また、クラウド市場の拡大により多様化する顧客ニーズに対応できるよう、人材育成施策に積極的に取り組んでまいります。具体的には、社員の育成・研修等を推進する専門部署を設置し、コンサル、PM、AI技術、データ技術、クラウド技術を中心とした社内外での育成機会を設けるとともに、当該関連する技術の資格取得支援を積極推進し、技術力の更なる向上に努めてまいります。 ② 収益基盤の強化 当社グループのDXソリューション事業は、顧客のDXにおけるあらゆる工程において、DXを先進技術で支援するワンストップサービスの提供を中核として事業展開しております。具体的には、上流工程であるシステム開発の要件定義から、下流工程にあたる保守・運用までを総合的にサービス提供するとともに、顧客に対して状況に応じた最適な契約形態をとっております。請負・準委任に加え人材派遣によるサービス提供も行っております。従って受注案件ごとの利益率に相応の振幅があり、持続的な成長のためには、安定的な収益基盤を強化し続ける必要があります。そのために、クラウド技術を中軸に、より利益率の高い上流工程案件への取り組みの一層の増強を図りつつ、新規事業分野の開拓、関連プロダクトを含む自社ソリューションの強化を進めてまいります。加えて、株式会社エーティーエスを中心とした人材派遣・人材紹介といったDX人材サービスの推進により、グループ全体の安定成長を下支えしてまいります。 ③ 内部統制の強化 当社グループは、継続的に事業規模を拡大しており、また新規事業の展開の検討・実施を恒常的に行っていることもあり、内部統制整備に関わる課題が経常的に発生いたします。当社グループにおきましては、監査役による監査や内部監査の過程において、状況変化に応じた内部統制の整備状況に係る変更の必要性を認識するとともに、対応策の早期構築に努めてまいります。 ④ 営業力の強化 継続的成長のためには、新規顧客の開拓と既存顧客との関係深化に取り組む必要があります。これまで蓄積してきた技術ノウハウや業務知識、研究開発による先行技術知識を活用し、案件の獲得に向けた提案力の強化に注力し、全社的な営業力の向上を図り受注拡大に努めてまいります。 ⑤ 資金繰りの更なる安定化 当社グループは、売掛金回収サイトと買掛金支払サイトの差が常に一定以上あるうえ、銀行からの資金借入もあり、現時点では資金繰りについては充分な余裕があります。しかしながら買掛金支払サイトは僅かではあるものの短縮化の傾向にあるうえ、業容拡大に伴い、今後、売掛金回収サイトの長い大型の請負契約が多く発生した場合には資金繰りに余裕がなくなる可能性も否定できないことから、直接金融も含めた資金調達の更なる多様化を検討してまいります。 (出典)※1 IDC Japan株式会社「国内ITサービス市場予測」2025年3月※2 富士キメラ総研「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」2025年4月※3 IDC Japan株式会社「国内クラウド市場予測」2025年8月※4 総務省「情報通信白書令和7年版」2025年7月※5 経済産業省「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)」2019年3月※6 独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2024」2025年7月
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、「ARIグループ普遍的価値観」として、「先進性ある技術を通して、顧客の問題解決と社員の幸せを創造し、社会の未来発展に貢献する」を掲げ、DXソリューション事業を営む企業としての経営理念にしております。当社グループの存在意義と精神は、未来へと続く産業と社会の一端を担い、その発展の歴史に貢献し続けていくことにあります。貢献とは、先達の知識の蓄積を真摯に学び、自ら社会的価値あるサービスの創出に知恵を絞り、常にその時代に必要とされる先進性ある技術を提供できる集団となることで、社会が、つまり顧客が抱える悩みを一つ一つ解決するという社会的価値を創出し、顧客とそこに関わる人々の発展に尽くしていくことである、と考えております。  また、社員全員がARIグループという働く場を通して、人生の目標を持ち、出会いを得て、学びを重ね、互いの信頼を積み、心が豊かになり、物質的にも豊かになっていくことで、社員とその家族が幸せだと実感できる環境を作り上げていくことも同時に実現していくことでもあると考えております。 この二軸の貢献が当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーの持続的、継続的な幸せの提供に寄与するものと考えております。これらの在り方は、50年先、100年先も変わらない普遍的な価値観として、当社グループの性質を表す企業文化の礎として浸透していくものであります。そして、このような姿勢のもと、クラウド技術とデータ・AI活用によって、顧客とともに事業変革すなわちビジネストランスフォーメーションを実現していくことが当社グループの使命であると考えております。 (2) 経営環境について 2024年の国内ITサービス市場は、国内企業のデジタルビジネス化に向けた旺盛な需要によって、前年比7.4%増で7兆205億円となりました。2025年以降の同市場は全体として好調を継続し、2024年から2029年の年間平均成長率は6.6%で拡大を続け、2029年には9兆6,225億円になると予測されております。 産業分野別では、官公庁の大型既存システムの刷新や、地方自治体の自治体システム標準化により政府・公共がもっとも高い成長率となったほか、既存システムのクラウド移行/モダナイゼーション、顧客エクスペリエンス(CX)向上やデータ及びAI利活用でのIT支出が拡大し、金融業、製造業、流通業は相対的に高い成長を遂げたと分析しております。 2025年以降の同市場は、全体として好調を継続し、国内企業のデジタルビジネス化に向けた投資が、既存システムのモダナイゼーションへの投資や、新たな価値創造に向けた新システムへの投資の持続的な拡大により、今後も高い成長を遂げるとみています。更にAI利活用においてPOC(Proof of Concept)から実践フェーズへの移行、AIユースケースの発展によりIT投資が更に促進されると予想されております。(※1)  これと連動してデジタル関連のコンサルティングニーズも拡大しております。国内市場ではDXに対する関心が非常に高く、企業の投資意欲は高まっております。2024年のDX関連投資額は5兆2,759億円でしたが、2030年には大幅に増加し9兆2,666億円が見込まれております。(※2)  また、2024年の国内クラウド市場については、クラウドに移行しやすいWebシステム、パッケージアプリケーションソフトウェアを活用したシステム等のクラウドマイグレーションはピークを過ぎたものの、レガシーマイグレーションやスクラッチ開発をしたシステムのクラウドマイグレーションが本格化しています。また、急拡大するAIの需要に対応するために、サービスプロバイダーによる大型投資が見られたことにより、前年比29.2%増の9兆7,084億円となりました。同市場の2024年から2029年の年間平均成長率は14.3%で推移し、2029年の市場規模は2024年比2.0倍の19兆1,965億円になると予測されております。(※3)  加えて、日本のAIシステム市場規模は、2024年に1兆3,412億円(前年比56.5%増)となっており、今後も成長を続け、2029年には4兆1,873億円まで拡大すると予測されております。AIの社会実装が進んでおり、企業でのプログラミング、文章の要約、マーケティング、コールセンターやカスタマーサポートなど様々な用途で活用が進んでおり、これまでは人手不足対策や業務効率化の目的で利用されることが多かったものの、今後は新たなサービス創出を目指した活用も進むとみられています。また、生成AI技術を活用したAIエージェントやAIとロボットが融合する「フィジカルインテリジェンス」分野の発展も市場拡大を後押しするとみられております。(※4)  このように当社グループが事業を展開する分野は、中期的には市場拡大の方向にあります。  一方で、国内ITサービス市場の拡大は、事業の鍵となるIT人材の需給逼迫と表裏をなすものであります。経済産業省によれば、中位予測で2025年には36万人、2030年には45万人のIT人材の不足が予測されております(※5)。 また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)における2024年の「DX動向調査」によると、「DX推進人材が大幅に不足している」と回答した企業が62.1%と過半数を超えており、労働市場での優秀なIT人材の獲得競争が激化しております。(※6) (3) 中長期的な会社の経営戦略 当社グループは、前述「(2)経営環境について」に記載のとおり、DXに重心を移しつつ中期的には拡大基調にあるITサービス市場において、中期的な成長即ち継続的な売上高の伸長を実現するために、新たに技術獲得、拡販体制を得たAI駆動開発に代表されるサービスアップデートを続け、引き続き「クラウド技術とデータ・AI活用によるビジネストランスフォーメーションデザイナーとして社会変革をリードする」を継続的ミッションとして、以下の4つの成長戦略を骨子とする中長期経営戦略を継続して掲げております。 ① BTCアプローチの強化(DX専門人材の迅速かつ最適なプロジェクト組成の仕組み) BTCB=Business コンサルタント及び業務知見者集団・T=Technology エンジニアリング集団・C=Creative UI/UXユーザービリティ知見者集団)を三位一体で提供される「DXコンサルティングとAI駆動によるクラウドインテグレーション」を中心にDX化支援を推進してまいります。AIやクラウドのプラットフォームに関しては、AWSやMicrosoft Azureを軸としてAIネイティブ・クラウドネイティブ技術をマルチクラウドかつアジャイルで提供する他、DX化に必要な要素技術を複合的に組み合わせ、顧客のニーズに応える質の高いソリューションを提供すべく注力してまいります。 ② ハイブリッドアプローチの強化(ワンストップ営業サイクルによるクロスセル、アップセルの仕組み) コンサルティングや関連サービス等を起点に、ワンストップでインテグレーションの提案・提供に繋げるというビジネスモデルを推進してまいります。更にインテグレーション提供から得たノウハウを、関連プロダクトを含む各種ソリューションのアップデートに還元させていくという好循環のサイクルを回し、顧客接点機会の創出から、顧客LTVの最大化へ繋げていくという戦略を推進してまいります。また、クロスセル・アップセルによるインテグレーション遂行においては、ビジネスパートナーの調達は重要な鍵となるため、ビジネスパートナーの調達・管理を推進する専門部署を設置し、250社超のビジネスパートナーと良好なアライアンスを構築しております。万が一、社員に欠員が出た場合でも、ビジネスパートナーとの連携により工数不足を補える体制を整えており、今後もアライアンス強化を図ってまいります。 更に、DX人材サービスを行う当社子会社の株式会社エーティーエスは、当社グループにおけるDX人材のリソースプラットフォームとして位置づけられ、グループ全体にエンジニアを供給するリソースプールの役割を果たしています。当社グループ内においてもこのアプローチ戦略をとることで、相互に人材共有や送客を積極的に行うことで、グループ内においてもクロスセルやアップセルによる案件拡大を実現してまいります。 ③ 新規事業開発の強化 当社グループのプロダクトを含む自社ソリューションやサービスは、コンサルティング及びインテグレーションから得たノウハウの標準化や自動化を進め、先進技術の研究開発投資のアウトプットと組み合わせることによることから生まれたものであります。このサイクルを更に強化していくため継続的な研究開発投資を行ってまいります。 この取り組みによりリリースされた「cnaris(クナリス)」「dataris(デタリス)」と称した領域特化型のサービスブランド戦略を更に拡販することで認知度向上を図ってまいります。「cnaris(クナリス)」は「クラウドネイティブ領域に特化し、その技術の総合支援内容を総称するサービスブランド」であります。インテグレーションにおいて最も重要なことは、技術テンプレートといった形で可視化され、ビジネス展開の中で蓄積していく、標準化・自動化へと繋がる有形のノウハウであります。これらは再利用が可能であり、再現性をもって水平展開されていくもので、ビジネスの加速度的な発展と品質安定に大きく影響いたします。当社グループは創成期からクラウド技術の造詣を深め、良質なノウハウを豊富に有しております。これらをブランド化し、展開することでコンサルティング及びインテグレーションの競争力を高めてまいります。 「dataris(デタリス)」は「データ・AI活用領域に特化し、その技術の総合支援内容を総称するサービスブランド」であります。cnaris同様に、データ・AI活用を軸としたコンサルティング及びインテグレーションに係る良質かつ豊富なノウハウをブランド化して、差別化を図ってまいります。関連プロダクトである「LOOGUE(ローグ)」「ZiDOMA data(ジドーマ データ)」はこのブランドの嚆矢の一つと位置づけています。 この2つのブランドを育てていくことで、認知度向上を図り、中長期的な成長を加速させてまいります。加えて近年、研究開発投資を継続してきた「AI駆動開発関連分野」において、有償プロジェクトへの実装が進み、利益率の高いAI開発案件及び高付加価値案件の獲得の成果が出てきております。更に生産性向上による収益向上並びに差別化による高付加価値案件の獲得を推し進めるために、更なる研究開発投資を継続してまいります。 「cnaris(クナリス)」「dataris(デタリス)」と称したブランドは「AI駆動開発」による手法を加えていくことで更にサービスがアップデートされてまいります。 ④ M&A・業務提携戦略の推進 当社グループは、中長期的な企業価値向上と持続的成長の実現を目指し、既存ビジネスの着実なオーガニック成長に加え、シナジーあるM&Aや業務提携による非連続成長の取り込みを積極的に推進しております。M&A実施後は、PMI(Post Merger Integration)を通じて経営統合・意識統合・業務統合を着実に推進し、両社の強みを最大限に活かしたシナジー創出の基盤を整えています。また、これらに伴うリスク管理やガバナンス体制の強化にも注力しています。 今後も市場環境や成長機会を的確に捉えながら、当社グループとのシナジー効果が見込まれる企業とのM&Aや業務提携を積極的に推進し、主力事業を補完強化する技術やノウハウの獲得、優秀な人材の確保、ビジネス領域の拡大を目指してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、高い収益性の確保と継続的な売上高の成長を維持することにより、企業価値を継続的に向上させ株主利益を最大化することを経営上の目標としており、そのための指標として、売上高成長率を重視しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 近年、DXへの対応が注目を集めております。DXは単なる“システム化”に留まるものではなく、事業や組織運営の在り方を根底から変えていく、総合的な企業変革へと繋がるダイナミックな動きであり、ITの活用の在り方そのものが大きく変化しつつある環境にあると認識しております。 このようなITに新たな価値を求められる事業環境のもと、経営理念として掲げる「ARIグループ普遍的価値観」の具現化に向けて取り組むべき課題を以下のとおりと認識しております。 ① 人材確保と育成 DX市場の拡大に伴い、デジタル化、クラウド化の技術を有する優秀な人材の確保は最重要課題であります。様々な顧客の中長期的な要求に応じて、技術水準の高い人材を確保するための投資を継続し、引き続き優秀な技術者の確保及び育成に努めてまいります。 また、クラウド市場の拡大により多様化する顧客ニーズに対応できるよう、人材育成施策に積極的に取り組んでまいります。具体的には、社員の育成・研修等を推進する専門部署を設置し、コンサル、PM、AI技術、データ技術、クラウド技術を中心とした社内外での育成機会を設けるとともに、当該関連する技術の資格取得支援を積極推進し、技術力の更なる向上に努めてまいります。 ② 収益基盤の強化 当社グループのDXソリューション事業は、顧客のDXにおけるあらゆる工程において、DXを先進技術で支援するワンストップサービスの提供を中核として事業展開しております。具体的には、上流工程であるシステム開発の要件定義から、下流工程にあたる保守・運用までを総合的にサービス提供するとともに、顧客に対して状況に応じた最適な契約形態をとっております。請負・準委任に加え人材派遣によるサービス提供も行っております。従って受注案件ごとの利益率に相応の振幅があり、持続的な成長のためには、安定的な収益基盤を強化し続ける必要があります。そのために、クラウド技術を中軸に、より利益率の高い上流工程案件への取り組みの一層の増強を図りつつ、新規事業分野の開拓、関連プロダクトを含む自社ソリューションの強化を進めてまいります。加えて、株式会社エーティーエスを中心とした人材派遣・人材紹介といったDX人材サービスの推進により、グループ全体の安定成長を下支えしてまいります。 ③ 内部統制の強化 当社グループは、継続的に事業規模を拡大しており、また新規事業の展開の検討・実施を恒常的に行っていることもあり、内部統制整備に関わる課題が経常的に発生いたします。当社グループにおきましては、監査役による監査や内部監査の過程において、状況変化に応じた内部統制の整備状況に係る変更の必要性を認識するとともに、対応策の早期構築に努めてまいります。 ④ 営業力の強化 継続的成長のためには、新規顧客の開拓と既存顧客との関係深化に取り組む必要があります。これまで蓄積してきた技術ノウハウや業務知識、研究開発による先行技術知識を活用し、案件の獲得に向けた提案力の強化に注力し、全社的な営業力の向上を図り受注拡大に努めてまいります。 ⑤ 資金繰りの更なる安定化 当社グループは、売掛金回収サイトと買掛金支払サイトの差が常に一定以上あるうえ、銀行からの資金借入もあり、現時点では資金繰りについては充分な余裕があります。しかしながら買掛金支払サイトは僅かではあるものの短縮化の傾向にあるうえ、業容拡大に伴い、今後、売掛金回収サイトの長い大型の請負契約が多く発生した場合には資金繰りに余裕がなくなる可能性も否定できないことから、直接金融も含めた資金調達の更なる多様化を検討してまいります。 (出典)※1 IDC Japan株式会社「国内ITサービス市場予測」2025年3月※2 富士キメラ総研「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」2025年4月※3 IDC Japan株式会社「国内クラウド市場予測」2025年8月※4 総務省「情報通信白書令和7年版」2025年7月※5 経済産業省「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)」2019年3月※6 独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2024」2025年7月
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における流動資産は5,023,198千円となり、前連結会計年度末に比べ1,046,471千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が582,187千円、売掛金及び契約資産が441,450千円それぞれ増加したことによるものであります。 固定資産は1,739,743千円となり、前連結会計年度末に比べ968,376千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が120,886千円、のれん723,066千円がそれぞれ増加したことによるものであります。 この結果、資産合計は6,762,941千円となり、前連結会計年度末に比べ2,014,848千円増加いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は4,075,685千円となり、前連結会計年度末に比べ1,315,700千円増加いたしました。これは主に買掛金が285,153千円、短期借入金が60,000千円、1年内返済予定の長期借入金が190,321千円、未払費用が243,935千円、未払法人税等が269,625千円それぞれ増加したことによるものであります。 固定負債は518,225千円となり、前連結会計年度末に比べ497,462千円増加いたしました。これは主に長期借入金が351,128千円、退職給付に係る負債が91,228千円それぞれ増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は4,593,911千円となり、前連結会計年度末に比べ1,813,163千円増加いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は2,169,029千円となり、前連結会計年度末に比べ201,684千円増加いたしました。これは主に利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により445,412千円増加した一方で、自己株式が308,114千円増加したことによるものであります。 この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は31.4%(前連結会計年度末は41.4%)となりました。なお、自己株式取得及び企業買収に伴うのれんの計上により自己資本比率は低下しておりますが、現金及び預金の着実な増加、安定した利益創出、財務基盤の強化施策により、当社グループの財務健全性は引き続き堅調に維持されております。今後も資本効率の向上と持続的な成長を両立させる経営を推進してまいります。 ② 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、賃上げの継続や物価上昇率の鈍化を背景に、実質賃金がプラス圏で推移し、個人消費は底堅く、企業収益も高水準を維持するなど、緩やかな回復基調を示しました。一方で、地域差や先行き不透明感も残る展開となっています。 世界経済は、米国の利下げ再開、中国の構造改革、欧州の財政拡張政策が交錯する中、成長見通しは当初予測より上方修正されました。加えて、米国の関税政策や中東情勢の緊迫化による原油高など、外部環境の変動がリスク要因となっています。 国内においては、半導体・自動車関連を中心に輸出が底堅く、設備投資はDX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)対応を背景に拡大傾向が続いています。 こうした環境下、当社グループではAI駆動型の開発体制を強化し、自然言語処理及び画像認識技術を活用した複数のプロジェクトを推進した結果、開発プロセスの効率化と高付加価値サービスの創出を実現しています。クラウド領域における認定技術者の育成、CRM・ERP導入支援、医療AI分野での共同研究など、先進技術を活用したソリューション展開も加速しており、技術力と実行力の両面から競争力強化を図っています。 また、株式会社ピー・アール・オー及びその子会社3社を2024年11月にグループに迎え入れる等、事業基盤の強化を進めております。当期はM&A費用負担が先行したものの、事業連携の強化や間接業務の最適化などのシナジー効果が表れ始めており、収益性の向上が期待される状況にあります。 更には、渋谷駅隣接の新本社「渋谷アクシュ」への移転を通じて、柔軟な働き方と生産性向上を両立する環境整備を推進いたしました。加えて、AI活用に適応した新卒人材の早期戦力化、高水準な採用の継続、人材の定着に向けた積極的な投資に取り組むなど、人的資本の戦略的強化を進めております。 これらの施策は、当社グループの中長期的な成長戦略の一環として、事業ポートフォリオの高度化と企業価値の持続的かつ安定的な向上に資するものと考えています。  以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高14,152,706千円(前期比27.2%増)、売上総利益3,771,942千円(前期比32.9%増)、営業利益829,271千円(前期比96.7%増)、経常利益777,583千円(前期比73.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益445,412千円(前期比61.6%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は1,021,587千円(前年同期比92.3%増)となりました。 なお、当社グループは、DXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ572,187千円増加し、2,902,067千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は1,141,939千円(前年比214.3%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益729,067千円、減価償却費の計上額133,688千円があった一方で、売上高が順調に伸長したことによる売上債権の増加額318,129千円、法人税等の支払額101,734千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は192,115千円(前年同期は使用した資金361,768千円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出221,688千円、無形固定資産の取得による支出49,652千円があった一方で、敷金及び保証金の回収による収入70,783千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は377,382千円(前年同期は使用した資金56,912千円)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出160,977千円、自己株式の取得による支出308,114千円等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが行う事業では、提供サービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)DXソリューション事業15,003,678132.02,618,571148.1合計15,003,678132.02,618,571148.1 c.販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)金額(千円)前年比(%)DXソリューション事業14,152,706127.2合計14,152,706127.2 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の経営成績は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しておりますが、主に以下のとおりであります。 (売上高、売上原価及び売上総利益) 売上高は14,152,706千円(前期比27.2%増)となりました。これは主にAI開発案件及び高付加価値案件の受注強化策が奏功したことによるものであります。 売上原価は10,380,764千円(前期比25.2%増)となりました。これは主にDXソリューション事業に係るエンジニアの増員等に伴う労務費の増加やビジネスパートナーへの外注費が増加した一方で、新規採用者の早期有償稼働化の取り組みが功を奏したことによるものであります。 この結果、売上総利益は3,771,942千円(前期比32.9%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損益) 販売費及び一般管理費は、2,942,670千円(前期比21.8%増)となりました。これは主に収益基盤の拡張に向け、コンサルタント及びエンジニア採用への積極投資を継続した一方で、研究開発投資に関して重点領域に集中投下し、効率性を追求したことによるものであります。 この結果、営業利益は829,271千円(前期比96.7%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用及び経常損益) 営業外収益は、主に保険解約返戻金を計上したこと等により44,167千円(前期比34.9%増)となりました。営業外費用は、支払利息及び持分法による投資損失等を計上したことにより95,855千円(前期比1,459.8%増)となりました。 この結果、経常利益は777,583千円(前期比73.5%増)となりました。 (特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純損益) 特別利益は、固定資産売却益を計上したことにより255千円(前連結会計年度は-千円)となりました。特別損失は、減損損失及び本社移転費用を計上したことにより48,771千円(前期比50.4%増)となりました。そのため、税金等調整前当期純利益は729,067千円(前期比75.3%増)となりました。これに法人税等283,841千円(前期比102.5%増)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は445,412千円(前期比61.6%増)となりました。 ③ 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの分析については、前述の「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、サービス提供に伴う労務費、外注費、販売費及び一般管理費等の費用であります。また、投資目的の資金需要としては、自社開発プロダクトに係る研究開発費に加え、事業基盤強化のための設備投資及びM&A関連費用が含まれています。 当社グループは、これらの資金需要に対応するため、事業に必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針としております。資金使途や金額に応じ、自己資金の活用に加え、金融機関からの借入を柔軟に検討し、最適な資金調達を行っています。今後も財務健全性を維持しつつ、持続的な成長を支える資金戦略を推進してまいります。④ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは、高い収益性の確保と継続的な売上の成長を維持することにより、企業価値を向上させ、株主利益を最大化することを経営上の目標としております。 そのための指標として、売上高成長率を重視しております。 当社グループのビジネスの構造上、売上総利益率を短期間で大幅に改善することは現実的ではないため、業績拡大の指標として売上高の伸長を重視しております。ITサービス市場の成長率は年数パーセントで推移しておりますが、当社グループの2025年8月期の売上高成長率は+27.2%であります。新型コロナウイルス感染症の影響で停滞した2020年8月期を除けば近年は年平均10%以上の成長率で推移してきており、今後も同程度の水準を目安に売上高成長率を目指してまいります。持続的な成長と資本効率の改善を両立させるため、収益基盤の強化と事業ポートフォリオの高度化を推進してまいります。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。その中でも特に「ビジネスパートナーとの関係について」「人材の確保と育成について」を重大なリスクと認識しております。 これらのリスクに対応するため、積極的な人材育成施策とビジネスパートナーとのアライアンス強化に継続的に取り組んでまいります。

事業リスク

  • 技術革新への対応遅れ
    情報サービス産業は技術革新が非常に速く、AIやクラウド技術の進化に迅速に対応できない場合、顧客ニーズとの乖離が生じ、売上高の停滞や業績悪化につながる可能性があります。常に最新技術の調査・研究・人材育成が求められます。
  • 景気変動による影響
    主要顧客が企業であるため、国内外の経済情勢や景気動向が悪化し、企業の情報システム投資が減少した場合、受注の減少により売上高が低下し、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 法的規制の遵守
    労働者派遣法や下請代金支払遅延等防止法などの法的規制を受けており、これらの法令に違反した場合、事業停止や許可取り消し、または法令改正により事業拡大が困難になる可能性があります。これにより、売上高の減少や事業活動への影響が生じるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,576 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 また、当社グループにとっては必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社グループの経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。  後述「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおり、当社グループは内部統制の機関としてリスク・コンプライアンス委員会を設置し企業リスクの軽減に努めております。 (1) 事業環境に関するリスク① 技術革新への対応について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループの属する情報サービス産業においては、情報技術の進化とそれに伴う市場及び顧客のニーズの変化に迅速に対応することが求められます。当社グループでは情報技術及び開発技術等に係る調査、研究に努めて対応しております。しかしながら、広範な領域において、技術革新が急速に進展し、その対応が適切でなかった場合は、顧客との取引を拡大することが困難となり、売上高の停滞など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、技術動向を常に注視し、必要な調査・研究・人材育成を継続的に行うことで、これらのリスクの低減に努めてまいります。 ② 経営環境の変化について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの事業は、企業を主要顧客としております。これまでにおいて、顧客企業の情報システムへの投資マインドの上昇を背景として事業を拡大しております。プロダクト拡充などの施策展開は図っておりますが、今後、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客企業の情報システム投資が減退するような場合には、顧客企業からの受注が減少し、売上高の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、経済環境や顧客動向の変化を的確に把握し、柔軟な事業運営やコスト管理の徹底により、リスクの最小化に努めてまいります。 ③ 法的規制について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」という。)」、「下請代金支払遅延等防止法」等の規制を受けております。 当社グループは、以下の許可を取得し顧客先に従業員を派遣しているため、労働者派遣法の遵守に努めておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合、関係法令に違反した場合には当該事業の停止、許可の取消しを命じられる可能性があります。また、法令の制定、改正、解釈の変更が行われた場合に、派遣等業務を拡大することが困難となり、当社グループの事業活動に影響が生じ、売上高の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、法令遵守の徹底と社内教育の強化により、法的リスクの回避・低減に努めてまいります。 会社名認定等の内容許可番号監督官庁有効期限ARアドバンストテクノロジ株式会社労働者派遣事業許可派13-308138厚生労働省2030年7月31日株式会社エーティーエス労働者派遣事業許可派13-305965厚生労働省2028年4月30日株式会社ピー・アール・オー労働者派遣事業許可派14-300119厚生労働省2027年10月31日 ④ 競合他社による影響について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、企画力、提案力、人材力等の強化、ビジネスパートナーの活用による競争力の強化、付加価値の高いサービスの提供、等により顧客との良好な取引関係の維持等に積極的に取り組み、競争優位性を確保し、品質及び価格の維持向上に努めております。しかしながら、競合他社のサービス力の向上や価格競争の激化により当社グループの競争力が相対的に低下した場合、収益性の低下等を招き、経常利益の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、競争力強化のための継続的なサービス改善や人材育成、ビジネスパートナーとの連携強化に努めてまいります。 (2) 事業内容に関するリスク① 労務管理に関するリスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) システム受託業務のプロジェクトにおいては、一時的に長時間労働が発生することがあるため、当社グループでは、日々の勤怠を確認することはもちろんのこと、週次ないし月次での適時な労働時間の状況の確認及び残業発生見込みの確認を行う等の労務管理体制を整備しております。しかしながら、やむを得ない事情により長時間労働が発生した場合には、過重労働、それらを起因とした従業員の健康問題の発生及びそれに伴う訴訟、受託業務の生産性の低下等により、経常利益の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、労務管理体制の強化や従業員の健康管理施策を推進し、リスクの未然防止に努めてまいります。 ② プロジェクトの採算管理について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループでは、プロジェクトの各工程を基に発生コストを算出し、適正な利益を付加した見積り金額を用いてプロジェクトの採算管理を行っております。当初想定しえない事象等の発生による追加的コストの発生や、当社グループの過失による納品物の不備、納期の遅延等による損害賠償が発生した場合等においては、当初見込んでいたプロジェクトの採算が悪化するほか、当社グループの信用等が低下することにより、経常利益の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、プロジェクト管理の徹底とリスク発生時の迅速な対応により、採算悪化リスクの低減に努めてまいります。 ③ ビジネスパートナーとの関係について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、事業の遂行にあたって、様々なビジネスパートナーと連携しており、長期的かつ安定的で良好な関係を築いております。受託業務の実施に際し、生産能力の確保、生産効率化、技術力活用等のため、多くのビジネスパートナーに業務の一部を委託しております。ビジネスパートナーの管理については専門部署を設けて強化を図っておりますが、ビジネスパートナーから技術力及び技術者数において適切な生産性と品質を確保できない場合、外注コストに重大な変化が生じた場合等の状況が生じた際には、適正価格による受託サービスの提供が困難になる等により、売上高の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、ビジネスパートナー管理の強化と関係性の維持・向上に努め、リスクの抑制に取り組んでまいります。 ④ プロジェクト総原価の見積りの変更による業績見通しへの影響について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 受注制作のソフトウエア開発案件については、契約に基づく開発作業を進めるにつれ顧客に対する履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度はプロジェクトの見積総原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合によって算定しております。 しかしながら、当初計画からの仕様変更等により、労務費及び外注費に係る作業工数の見直しが必要となることがあります。当社では、各プロジェクトの進捗管理を定期的に実施しており、計画に対して変更が生じれば即座に対応できる体制が構築されておりますが、仕様の変更等によりプロジェクト総原価の見積りを大幅に見直さざるをえない場合には、売上総利益の修正など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、進捗管理の徹底と早期の課題把握・対応により、リスクの最小化に努めてまいります。 ⑤ ソフトウエア資産の減損損失計上の可能性について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社グループは自社開発プロダクトに係るソフトウエアを資産計上しております。資産計上計画は精緻化を図っておりますが、事業環境の変化により保有するソフトウエアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失の発生による当期純利益の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、資産の定期的な評価と事業環境の変化への迅速な対応により、リスクの低減に努めてまいります。 ⑥ M&A(企業買収等)による事業拡大(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、事業拡大のため、M&A等の投資活動を行っております。M&Aにあたっては、対象企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを吟味したうえで決定しておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じ、事業の展開等が計画どおりに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクを適切に管理しつつ、引き続きM&Aを活用した事業拡大に努めてまいります。 ⑦ AIの利活用(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの事業活動においてAI技術の利活用は、業務効率化や新規価値創出の源泉として不可欠な要素となっています。生成AIを含む各種AI技術の活用には、業務の高度化や意思決定支援など多くの利点がある一方で、情報漏えい、知的財産権やプライバシーの侵害、誤判断や予期せぬ動作による品質への影響につながる可能性があり、当社グループの信用・評判の棄損や経済的損失を招くリスクが存在します。また、AI技術に関する国内外の法規制の不確実性は、当社グループの事業活動や財務状況、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループではAI活用に関する社内ガイドラインを策定し、AI利活用におけるリスクの統制とガバナンス強化に取り組んでいます。特に生成AIの利用に際しては、社内情報の取り扱いルールを明確化し、業務での安全な活用を推進しています。また、社員がAIの特性とリスクを正しく理解し、安心して活用できるよう、教育プログラムや啓発活動を継続的に実施しています。 更に、AIに関する法規制や社会的動向を把握・分析し、必要に応じて外部専門家との連携を図ることで、社会変化に即したAIガバナンス体制の強化を進めています。 当社グループは、AIに関するリスクを適切にマネジメントしながら、最先端技術を安全かつ効果的に活用することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 (3) 経営管理体制に関するリスク① 代表者への依存について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 代表取締役社長武内寿憲氏は、当社の創業者であり創業以来代表取締役を務めております。当社グループの経営方針や事業戦略等の重要な決定、事業計画の立案、推進等の当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしており、代表者に依存する部分が相当程度存在しております。 当社グループは、代表者への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化及び人材の育成を進めており、これらの諸施策の取り組みにより、現況の依存を低減することが可能と考えております。 しかしながら、当面の間は依存度が高い状態で推移することを見込んでいることから、何らかの理由により代表者が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、経営力の低下により、売上高の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、経営管理体制の強化や人材育成の推進を通じて、代表者への依存度低減と経営の安定化に継続的に取り組んでまいります。 ② 人材の確保と育成について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、優秀な人材の確保・定着及び育成が重要であると考えており、人材採用・育成については専門部署を設置し強化を図っております。しかしながら、優秀な人材の確保・定着及び育成が計画どおりに進まない場合、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、事業の維持・拡大が困難となり、売上高の停滞など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、専門部署による採用・育成体制の強化や、働きやすい職場環境の整備を推進し、優秀な人材の確保・定着に努めてまいります。 ③ 情報セキュリティ管理について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、業務に関連して多くの機密情報及び個人情報を取り扱っており、厳格な情報管理が求められていることから、当社グループではプライバシーマーク及びISMSを取得し、情報管理の徹底を図っております。しかしながら、何らかの理由により機密情報及び個人情報の外部への漏洩が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜に起因する売上高の減少や損害賠償責任の発生等、特別損失の計上による当期純利益の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、情報管理体制の強化、定期的な教育・訓練、セキュリティ認証の取得・維持等を通じて、情報漏洩リスクの低減と信頼性向上に努めてまいります。 ④ 訴訟リスクについて(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:中) 当社グループは、本書提出日現在において、第三者から訴訟を提起されている事実はありません。当社グループは、法令遵守に努めておりますが、事業活動を行う中で、訴訟、その他の法律的手続の対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受けた場合には、訴訟関連費用や損害賠償等の支払いや、社会的信用の失墜、イメージダウン、レピュテーションリスクの顕現化等により、当期純利益の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、法令遵守の徹底とリスク管理体制の強化により、訴訟リスクの未然防止及び発生時の迅速な対応に努めてまいります。 (4) その他のリスク① 自然災害等の発生について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大) 地震・台風等の自然災害、テロ、パンデミック等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは東京本社以外にも大阪、名古屋にも拠点をおき営業活動を行っているほか、リモートワーク環境の整備による拠点に依存しない業務体制の構築等、事業継続のための体制整備を図っておりますが、災害等の状況によっては、事業活動に支障が生じ、売上高の減少など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、事業継続計画(BCP)の策定や拠点分散、リモートワーク体制の強化等により、リスクの軽減に努めてまいります。 ② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在における潜在株式数は85,520株であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は2.62%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 当社グループは、株主価値の維持・向上を意識したインセンティブ設計と、適切な情報開示に努めてまいります。 ③ 資金使途について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 新規株式上場時に公表した公募増資による資金調達の使途については、今後の事業拡大に向けた人材採用に充当する計画であります。しかしながら、経営環境等の変化に対応するため、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性がありますが、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。また、計画どおりに使用された場合であっても、想定どおりの成果をあげられない可能性があります。当社グループは、外部環境の変化を具に察知するとともに、予め様々なシナリオに備えた投資計画・資金計画を作成することで、当該リスクに対応してまいります。 当社グループは、資金使途の透明性確保と、計画変更時の速やかな開示に努めてまいります。 ④ 大株主について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社の代表取締役社長である武内寿憲氏は、当連結会計年度末現在で同氏の資産管理会社を通じて所有する株式の所有割合は60.00%(自己株式控除後)となっており、大株主であります。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。 当社グループといたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、株主構成が大きく変化することで、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、株主構成の変化を注視し、安定的な経営体制の維持に努めてまいります。 ⑤ 配当政策について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けております。これまで経営基盤の強化及び積極的な事業展開を優先し、内部留保の充実を図ってまいりました。そのため、最近事業年度においては剰余金の配当を実施しておりません。内部留保資金については、経営基盤の長期安定化、財務体質の強化や事業の継続的な拡大・発展を実現するための資金として、有効に活用してまいります。 なお、当事業年度末においては、経営成績や財務状況等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスを考慮したうえで、期末配当の実施を予定しております。配当の実施にあたっては、今後の経営成績や財務状況、事業環境等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスを考慮しつつ慎重に検討してまいります。なお、配当実施の可能性やその時期等については、慎重に判断のうえ決定いたします。 また、過去には第11期に創立10周年の記念配当、第14期に東京証券取引所グロース市場への上場記念配当を実施した実績がございますが、配当方針としては上記のとおりであり、現時点で確定しているものはありません。今後の配当についても、その時点における財務状況や市況等を総合的に勘案しつつ、当該方針に則って対応してまいります。 当社グループは、株主還元と財務健全性のバランスを重視し、配当方針の継続的な見直しに努めてまいります。 ⑥ 当社株式の流動性について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小) 当社の株主構成は、当社の代表取締役社長である武内寿憲氏の資産管理会社が大株主であり、新規株式上場時に実施した公募増資、自己株式処分及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めております。今後、当社大株主への一部売出しの要請、当社グループの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、流動性向上策の検討と、株主・投資家への適切な情報提供に努めてまいります。

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