事業の概要
- VTuberプロダクション運営カバー社は「ホロライブプロダクション」というVTuberグループを運営しています。所属VTuberのキャラクター開発から、動画・楽曲配信、ライブコンサート、グッズ販売、ライセンスビジネスまで、VTuber活動全般をサポートし、そこから収益を得ています。特に、VTuberのIP(知的財産)を活用したグッズ販売やライセンス事業が収益の大きな柱となっています。
- IPコマース中心の収益構造2025年3月期には、グッズ販売やライセンスビジネスといったIPコマースからの収益が全体の60.6%を占める見込みです。これは、単なる動画配信だけでなく、VTuberというキャラクターを軸にした多角的なコンテンツビジネスへと事業モデルが進化していることを示しており、収益の安定性と成長性を高めています。
- 多角的な収益源主な収益源は、YouTubeなどの動画配信プラットフォームでのメンバーシップやSuper Chat(投げ銭)、広告収益、音楽ストリーミングサービスでの楽曲販売です。これに加え、VTuberのキャラクターIPを活用したマーチャンダイジング(グッズ販売)やライセンス・タイアップ事業も展開し、多様な方法で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- VTuber事業カバー社の主要な事業は、VTuber事業とその関連業務で構成されています。この事業は、VTuberのキャラクター開発、プロモーション、コンテンツ制作、そしてそれらを活用した収益化までを一貫して行っています。具体的には、配信/コンテンツサービス、ライブ/イベントサービス、マーチャンダイジングサービス、ライセンス/タイアップサービスの4つの分野で展開されています。
- 配信/コンテンツサービスYouTubeなどの動画配信プラットフォームやSNSを通じて、VTuberのライブ配信、楽曲ミュージックビデオ、アニメーションなどの動画コンテンツを提供しています。また、音楽ストリーミングサービスでの楽曲配信も行っています。主な収益は、視聴者からのメンバーシップ料金、Super Chat(投げ銭)、広告収益、楽曲販売収益などです。
- ライブ/イベントサービスVTuberの認知度向上とファンの獲得、コミュニティの活性化を目的として、ライブコンサートやイベントを企画・実施しています。これらの活動を通じて、VTuberのブランド力を高め、その後のグッズ販売やライセンス事業に繋げています。収益はチケット販売やイベント関連グッズ販売などから得られます。
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3【事業の内容】(1)企業ミッション当社は「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を企業ミッションとしております。日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 日本の誇るアニメ、ゲーム関連産業は海外市場が牽引する形で成長を続けており、その規模はアニメ関連市場で約3.3兆円(注1)、ゲームコンテンツ市場で約29.5兆円(注2)まで拡大しております。当社は、AR(注3)やライブストリーミング(注4)といった最新技術を使って日本発のエンターテインメント・カルチャーを世界に広めていくことにより、クリエイターの活躍や日本文化のさらなる発展を後押しすることを目指しております。 (注)1.2023年のアニメ関連市場規模(出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2024」)2.2023年のゲームコンテンツ市場規模(出所:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2024」)3.ARとはAugmented Realityの略称であり、ありのままに知覚される情報に、デジタル合成などによって作られた情報を付加し、人間の現実認識を強化する技術のことであります。例えば、当社の提供するARアプリケーション「ホロリー」では、VTuberの3D映像を現実空間に投影して写真や動画を撮影できます。4.ライブストリーミングとは、インターネット上で音声や動画をリアルタイムで配信することであります。 (2)サービス概要当社はモーション・キャプチャー技術(注5)とアニメルック・アバター(注6)を用いて活動するバーチャル・エンターテイナー「VTuber」のキャラクター開発、及びVTuberプロダクション「hololive production(以下、「ホロライブプロダクション」という)」の運営を行っております。 当社のVTuberは当社が提供する配信技術とアニメルック・アバターを用いて、動画・楽曲配信プラットフォームでのコンテンツ配信や会場で観客を伴ってのライブコンサート・パフォーマンス等の活動を行います。 VTuberの開発は国内及び海外の主要なクリエイターとの協働により行っており、クオリティの高いキャラクター・アバターモデルが多くのファンからの支持を得ております。VTuberによるアバターを用いた臨場感のあるライブパフォーマンスや視聴者との双方向性コミュニケーションは、視聴者にクリエイターの創作に対する強い親近感を与え、これまでのアニメ等では見られなかった新しいエンターテインメント体験をもたらします。 所属VTuberのキャラクターIP権利は当社に帰属しており、VTuberを起点とするマーチャンダイジングやライセンスビジネス等の多様なコマース展開を可能としております。また、VTuberの影響力の拡大に伴って、コマース展開の規模も拡大しており、売上高全体に占めるIPコマース展開からの収益(注7)の構成比は、2021年3月期には39.8%だったところから2025年3月期では60.6%まで増加しており、当社のビジネスモデルは単なる配信ビジネスではなく、VTuberを中心とした多面的なキャラクターコンテンツビジネスとしての性質が一層強くなりつつあります。 2025年3月末時点でホロライブプロダクションのVTuber在籍数(注8)は89名(言語地域別で日本が54名、インドネシアが9名、英語圏が26名)となっており、そのうち44名はYouTubeのチャンネル登録数が100万登録を超える等幅広く支持を得ていると認識しております。また、ホロライブプロダクションの所属VTuberのYouTubeチャンネル登録総数は9,700万登録(注9)を超えており、世界的に見ても、登録数ランキング上位のVTuberが多く所属しております。 ホロライブプロダクションの所属VTuberによるライブ配信コンテンツは、2025年3月期において27,000以上もの本数がYouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームに提供されており、それらのアーカイブ(Archive:保存記録による配信)を含む動画コンテンツの累計投稿件数は2025年3月末時点で約12万本に上ります。視聴者はライブ配信内でVTuberに向けたコメント等を通して双方向性と没入感のあるライブエンターテインメントを楽しむことができます。VTuberは立上げに長い期間と多額のコストが必要なTVアニメやゲーム等のコンテンツのキャラクターIPと比較して、相対的に低コストで継続的に視聴者との接点を持つことができる優位性を持っていると考えられます。 また、VTuberとのコミュニケーションの一環で、日常的に数多くのファンアートや多言語翻訳コンテンツが視聴者によって作成されており、そうしたUser Generated Contents(UGC)(注10)コミュニティの存在がVTuberコンテンツに深みをもたせております。当社コンテンツの視聴者による切り抜きコンテンツ(注11)のYouTube上での再生回数は84億回を超えており(注12)、新規の視聴者の拡大にも寄与していると考えられます。 こうした高頻度かつ双方向のコミュニケーションを背景とした当社のVTuber IPコンテンツのファンエンゲージメント(注13)の高さは従来のアニメコンテンツ等と比較した際の当社コンテンツの独自性となっております。 (注)5.モーション・キャプチャー技術とは、カメラ等を使って人やモノの動きをデジタル化する技術のことであります。6.アニメルック・アバターとは、デフォルメされた色調の2Dアニメのような3Dモデル制作技法等を使って作られたアニメのような外見のキャラクターモデルのことであります。7.マーチャンダイジング分野とライセンス/タイアップ分野の収益の和。8.チャンネルを複数名で共有している場合も1chに対し1名とみなし集計。9.YouTubeチャンネル登録数の総数は所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和として算出。2025年3月31日時点。10.User Generated Contents(UGC)とは、主にソーシャルメディア等のオンライン・プラットフォーム上でユーザーによって投稿されるコンテンツのことであります。11.切り抜きコンテンツとは、公式コンテンツとして配信された動画の一部をファンが切り抜き、字幕等の一部編集を加えたうえで配信する非公式コンテンツのこと。当社では二次創作ガイドラインを公開し、一定の制限の下、こうした活動を認めております。12.出所:ユーザーローカル。2025年3月31日時点。YouTube上に存在する当社コンテンツの切り抜きを扱うチャンネルのうち、総再生回数が上位の200チャンネルについて実績を集計しております。13.ファンエンゲージメントとは、ブランドやコンテンツとファンが積極的に関与し合うことで構築される愛着等の結びつきのことであります。 (3)当社の事業分野別の内容当社の事業は、VTuber事業並びにその付帯業務の単一セグメントで構成されております。事業分野別では、①配信/コンテンツサービスと②ライブ/イベントサービスを通じて、ホロライブ等のグループ及び所属VTuberそれぞれの認知度の向上、ファンの獲得及びコミュニティの熱量上昇を図っており、その結果として醸成されたグループや個々のVTuber IPのブランドを基盤として、③マーチャンダイジングサービスと④ライセンス/タイアップサービスを展開しております。事業分野別の詳細は以下のとおりであります。 ①配信/コンテンツYouTubeを中心とした動画配信プラットフォームや各種SNS等を通じて、VTuberのライブ配信、楽曲MV、又はアニメーション等の動画コンテンツを提供している他、音楽ストリーミングサービスでの楽曲コンテンツの提供も行っております。 主な収益項目は視聴者からのメンバーシップ加入、Super Chat、動画配信プラットフォーム上での広告収益、及び音楽ストリーミングサービス上での楽曲コンテンツの販売収益等となっており、主なコスト項目はプラットフォーム手数料、コンテンツ制作費及びVTuberとしてアバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイター(演者)(注14)への収益分配等となっております。 VTuberのキャラクターIPは当社によって企画・制作されており、それぞれのVTuberの活動は当社からコンテンツ・クリエイターに対して貸与されるモーション・キャプチャーハードウェア/ソフトウエア、キャラクターアバター、及びYouTubeやX等の配信プラットフォーム/SNSアカウントを用いて提供されております。 当社はホロライブプロダクションのブランドとコミュニティを拡大させながら、オーディションにより選抜された演者、影響力の大きい外部クリエイター等との共創を通して、付加価値の高いIPを継続的に生み出す仕組みを構築しており、その結果として新規のVTuberでもデビュー時から大規模な集客を行うことが可能となっております。 当社のVTuber IPは海外でも浸透が進んでおり、2025年3月末時点の当社の海外地域向けVTuberのYouTubeチャンネル登録数は、全体の35%を占めます(注15)。字幕等を通したVTuberコンテンツのローカライズやSNSを通したコミュニティ運営等により、グローバルにUGCコミュニティの拡大を推進しつつローカル言語でのVTuberをデビューさせることにより、着実な海外展開を実施しております。 また、当社では多様かつ安定的なサービスの提供とコミュニティの健全な拡大のために、各種ガイドラインの整備、外部エンターテインメント企業とのアライアンスの拡充、及び関連する業界団体への参画等を行っております。 (注)14.コンテンツ・クリエイターとはアニメルック・アバターを用いてVTuberとしてライブ配信活動やコンテンツ制作を行う演者のことであります。15.2025年3月末時点の所属VTuberのYouTubeチャンネル登録数の総和を元に算出。 ②ライブ/イベント所属VTuberのライブコンサート及びファンミーティング並びに当社IPの国内外出展等のイベントをオフライン又はオンラインで提供しております。 主な収益項目はオフライン、オンラインでのチケット販売収益、イベントに際した物販収益及びイベントの様子を収録した映像ソフトウェアの販売収益等となっており、主なコスト項目はイベント制作費及び演者出演費等となっております。 当社ではイベントの企画、制作を行っており、各イベントは外部制作会社、イベント会場運営会社、オンライン配信プラットフォーム等との協働によって提供されております。ライブコンサートやファンミーティングといったイベントの実施にあたっては、大規模なモーション・キャプチャー及び配信が可能なスタジオ設備、並びにAR技術等を用いることにより、ファンが当社VTuberをより身近に感じることができるユニークな体験の提供を実現しております。 ライブコンサートイベントの多くは、映像設備を導入したコンサート会場に観客を動員して実施するオフラインでの実施と、インターネット上で配信プラットフォームを通してコンサートの様子をライブ配信するオンラインでの実施を同時に行っており、現地を訪れることのできない遠方のファンもオンライン配信を通してイベントに参加することが可能となっております。イベントを通じたファン同士の交流は、ファンにとってもコミュニティ規模の成長を実感できる大きな機会となっております。また、イベントは国内だけでなく、海外でも多数実施しており、2022年より「hololive Meet」と題して、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア等、世界各地での出展やファンミーティングイベントを開催しているほか、2023年3月期より海外大規模コンサートを毎年開催しているほか、2024年8月にはアメリカ・ニューヨークでの公演を皮切りに、ワールドツアー「hololive STAGE World Tour ’24 Soar!」を開催するなど、積極的なグローバル展開を図っております。 ③マーチャンダイジング当社VTuberをベースにしたキャラクターグッズ及びデジタルコンテンツの販売を行っております。主な収益項目はEC(Electronic Commerce:電子商取引)又は小売店を通じた商品販売収益となっており、主なコスト項目は材料費等の製造費用、演者収益分配及び販売・決済手数料等となっております。 従来の芸能人等と比較した際のVTuberの独自性の一つとして、アニメのキャラクターのようにIPとしての多様なコマース展開を行いやすいことが挙げられます。これにより、当社EC上でも1つのキャラクターIPについて多種多様なグッズやデジタルコンテンツの企画販売が可能となっております。 当社では商品の企画・デザイン、販売、プロモーション等を行っております。商品販売は自社EC「hololive production OFFICIAL SHOP」からの受注又は在庫販売が主となっており、当該ECから国内及び海外の顧客に向けた販売を行っております。加えて、自社ECからの発送や現地独自決済手段の導入が未対応の一部海外地域への販売等を目的とした外部ECサイトからの販売も行っております。また、2024年3月期以降では、国内及び海外の小売店を通じた商品販売も拡大してきており、ECでの購買を行わない消費者層に対してのマーケティングとしての役割も担っております。 マーチャンダイジングの売上構成は現状、VTuberのアニバーサリー等に際した特別受注生産・販売前提の商品のほか、プロダクションとしてのブランド力やIP商品の企画・販売体制の拡充に伴い、例えば、2024年9月より自社企画のトレーディングカードゲーム「hololive OFFICIAL CARD GAME」の販売を開始するなど、販売商品の多様化も進み、より幅広い消費者層に向けて常時販売可能な収益性の高い商品の開発も進んでおります。 ④ライセンス/タイアップ外部商品又はコンテンツのメーカー等に対する当社保有IPの使用権利の提供(以下、「ライセンスアウト」という)又はタイアップ広告を通じた当社所属VTuberによる他社企業のプロモーションやメディア出演を提供しております。 主な収益項目はライセンスアウトの対価としてのロイヤリティ収益及び広告出稿企業やメディアからのプロモーション料・出演料収益となっており、主なコスト項目は個別の案件実施に係る一部制作費負担や演者への出演料分配となっております。 当社では具体的なライセンスアウト案件に係る制作監修、又はVTuberによる出演・プロモーション協力等を提供しております。 VTuberはライブ配信等で活動するインフルエンサーであることに加えてキャラクターIPとしての性質を有しているため、当社IPが他社のゲーム等のコンテンツ内でキャラクターとして活用されるような事例もあり、そうした事例は規模の大きさから案件あたりの収益性も高くなっております。また、タイアップ広告でもVTuberの直接の稼働無しに商品パッケージやポスター等で活用される事例があり、そうした事例は直接の演者稼働を伴う一般的なインフルエンサー広告の事例よりも効率性の観点から収益性が高くなるケースが多くなっております。 前述のようにVTuberのライセンス/タイアップビジネスは演者の稼働制約に縛られずに案件数を増加させられる事例もあるため、プロダクションや各VTuberの影響力と集客力の高まりに伴って本ライセンス/タイアップの収益規模も堅調に成長してきております。 [事業系統図]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 VTuberのキャラクターIP権利を当社に帰属させ、多様なコマース展開が可能 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド クオリティの高いキャラクター・アバターモデルとVTuberプロダクション「ホロライブプロダクション」のブランド力 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:外部の動画配信プラットフォームへの依存 / 所属VTuberの人気、活動頻度、活動継続等に係るリスク / 競合他社の動向
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
現時点では、カバー社が保有する特許、ブランド、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は公開されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
VTuberというコンテンツの性質上、ファンが他のVTuberへ移行する際の直接的な金銭的・時間的コストは低く、スイッチング・コストによる優位性は限定的と考えられます。
ネットワーク効果★★★☆☆
カバー社が運営する「ホロライブプロダクション」は、所属VTuberの増加と共にファンコミュニティが拡大し、コンテンツ視聴やグッズ購入といったエンゲージメントが高まるネットワーク効果が見られます。所属タレントの総再生時間やチャンネル登録者数も増加傾向にあります。
コスト優位☆☆☆☆☆
VTuberの制作・運営コストは一般的に高額であり、他社と比較して構造的なコスト優位性を持つという情報は現時点では確認できません。
規模の経済☆☆☆☆☆
VTuber業界は競争が激化しており、カバー社が業界規模に対して最適化された少数寡占を形成しているとは言えません。新規参入や競合の台頭により、規模の経済による優位性は限定的です。
- 強力なVTuber IPとファンエンゲージメントホロライブプロダクションには、YouTubeチャンネル登録者数100万人を超えるVTuberが多数所属し、総登録者数は9,700万を超えています。これらのVTuberが生み出すコンテンツは、視聴者との双方向なコミュニケーションを通じて高いファンエンゲージメント(ファンとの強い結びつき)を築いており、これが他社にはない強力な競争優位となっています。
- UGCによるコミュニティ形成ファンが作成する「切り抜きコンテンツ」やファンアートといったUGC(User Generated Contents)が活発に生成され、YouTubeでの切り抜きコンテンツの総再生回数は84億回を超えています。これにより、新規視聴者の獲得や既存ファンのエンゲージメント強化に繋がり、VTuberコンテンツの魅力をさらに深めています。
- 技術力と多角的な展開モーション・キャプチャー技術やアニメルック・アバターといった最新技術を駆使し、高品質なVTuberコンテンツを提供しています。また、配信だけでなく、ライブイベント、グッズ販売、ライセンス事業と多角的に展開することで、単一の収益源に依存しない安定したビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を企業ミッションとしております。日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 (2)中長期的な経営戦略等当社はこれまで「VTuberビジネスの確立」「IPビジネスへの進化」「クリエイター経済圏の拡大」の三段階からなる事業戦略を基盤とし、ライブ配信を中心としたコンテンツ供給、VTuber IPの多面的なコマース展開、さらにはゲームやメタバース領域への進出を通じて、事業規模とブランド価値の拡大を実現してまいりました。今後は、2030年3月期において売上高1,000億円、営業利益250億円以上を達成することを中期経営目標とし、さらなる事業拡大とグローバルな成長を支える経営基盤の強化に取り組んでまいります。 この中期目標に向けて、当社は、①共創によるコンテンツ供給の強化、②グローバル収益基盤の確立、③新規事業領域の収益拡大、④人的資本の高度活用、という4つの成長ドライバーを軸に、段階的かつ戦略的な投資を進めております。 ①共創によるコンテンツ供給の強化ライブ配信、音楽、ゲーム、アートなどの多様な表現領域でトップタレントを輩出し、コミュニティの拡大と当社のブランド価値の継続的な向上を目指します。制作体制の高度化と効率化を進めるとともに、他社の大型メディアコンテンツとの協業を通じて、ブランドの認知をさらに拡大してまいります。こうした取り組みは、表現技術への研究開発投資や、アニメなどの長期制作コンテンツに対する共同制作の仕組み構築によって支えられています。 ②グローバル収益基盤の確立北米やアジアをはじめとする大消費市場において、現地でのグッズ生産・流通体制の構築に加え、各地域のニーズに即したライセンス商品の展開を推進してまいります。これらを実現するため、海外イベントの拡充によるマーケティング活動の強化、現地拠点の運営体制の整備、地域別のサプライチェーン・マネジメントの強化を進めるとともに、必要に応じて資本業務提携やM&Aの活用も視野に入れ、グローバル展開を支える強固なインフラの構築を検討してまいります。 ③新規事業領域の収益拡大既に事業拡大が進展しているトレーディング・カードゲーム(TCG)に加え、ゲーム/ホロアースといったデジタルコンテンツ・サービスの事業規模を拡大し、収益の多角化を推進してまいります。TCGでは、年間を通じた大会運営や海外言語版のグローバル展開を通じて、ゲームプレイヤー数の拡大を推進し、安定的な収益基盤の確立を図ってまいります。ゲーム分野では外部開発パートナーとの連携を強化しつつ、自社で開発を進めるホロアースにおいても、ユーザー体験価値の拡張と長期的な経済圏の形成を目指しております。 ④人的資本の高度活用人材の最適配置と育成により、組織全体のパフォーマンスを最大化し、持続的な成長を支える経営基盤を強化してまいります。これには、管理部門の体制整備による全社オペレーションの高度化も含まれており、成長を下支えする組織的対応力の向上を進める想定です。 これらの成長戦略の実現に向けて、2030年3月期までの5年間で累計500億円程度を上限とする成長投資およびM&Aの実施枠を想定しています。これらは、海外展開の加速、制作機能の強化、生産・物流の最適化、事業ポートフォリオの拡張、そして経営基盤の強化といった、中長期的な企業価値の向上を意図したものです。M&Aについても、戦略性と実効性を重視し、投資効果を慎重に見極めながら機動的に実施してまいります。 今後も、VTuberという新たな文化の担い手として、タレント、クリエイター、ファン、企業をつなぐプラットフォームとしての価値を高め、継続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社はこれまで、VTuberのファン規模を示す代表的な指標として「YouTubeチャンネル登録数」を重視してまいりましたが、近年ではタレントの活動領域がYouTube以外の配信プラットフォームやリアルイベント・音楽・ゲームなどへ多様化していることから、同指標を経営目標としては用いない方針といたしました。 今後は、中期経営目標に掲げる「売上高」および「営業利益」の水準を、企業価値向上に向けた主要な客観的指標として位置付けております。売上高は多様な事業活動の成果を示す指標であり、営業利益は成長投資の回収や経営効率の改善状況を示すものと捉えています。 また、補足的な指標として「サービス別売上高」も引き続き参照し、事業ポートフォリオの構造や成長領域の変化を多面的に把握してまいります。 (4)経営環境当社が展開するVTuber事業は、VTuberを起点として、ライブ配信、ライブコンサート、イベント、商品展開、企業タイアップなど多岐にわたる分野に広がっております。近年では、VTuber市場自体がアニメ市場と類似した構造を持ちながらも、圧倒的なコンテンツ供給量とファンとの双方向性を武器に、これまでにないスピードでファンベースを拡大しており、文化としての浸透も急速に進んでいます。当社では、2025年3月期通年において27,000本超の動画コンテンツを供給するなど、日々の継続的な発信が大規模なファンコミュニティの形成とエンゲージメント向上に寄与しています。 より広義には、国内のアニメコンテンツ市場は2023年度時点で1.6兆円、海外展開を含むグローバル市場では約3.3兆円規模となっており(注1)、当社が取り組む領域もこの拡大市場の一角を担う存在として成長余地を有していると考えております。さらに、映像、音楽、ゲーム、商品などを含む広義のグローバルコンテンツ市場全体では、2023年時点で約123兆円規模にのぼる(注2)とされ、当社としてはこれらの成長分野と接続しながら、多面的な展開を進めてまいります。 実際に、国内VTuber市場は2024年度時点で約1,050億円規模に達すると推定されており(注3)、2021年度から2024年度までの年平均成長率(CAGR)は約50%と、引き続き高い成長を示しております。VTuber市場は商品展開や企業タイアップ、イベントなどの周辺分野における収益拡大が引き続き見込まれていることに加え、VTuberという表現形式がグッズや音楽、アニメ、ゲームなど他のエンターテインメント分野と親和性高く連動していることも今後この成長を後押ししていくと考えられます。 当社としても、こうした市場環境を踏まえ、トレーディング・カードゲームや音楽配信、アニメーション作品への参画、自社および協業によるゲーム開発など、周辺領域とのシナジーを活かした事業展開を強化しており、これらは今後の成長を牽引する中核的要素と位置付けています。 また、日本政府が推進する「新たなクール・ジャパン戦略」では、日本発コンテンツの海外市場規模を2033年までに20兆円へ拡大することが掲げられており、コンテンツ産業全体が輸出産業としてより重視される中、VTuber産業も国策的な支援の恩恵を受ける可能性があります。 一方で、インディーズVTuberの増加や海外VTuberの活躍など、グローバルにおけるVTuber文化の裾野も広がりを見せておりますが、当社が長年培ってきた制作能力と、クリエイター・ファンによる大規模な共創コミュニティは、引き続き当社の持続的な成長を支える競争優位性として機能していると認識しております。 今後は、国内外における商品・サービスの提供体制をより一層強化していくとともに、各国の税制、物価、為替動向などグローバル展開に伴う不確実性についても注視しながら、継続的な成長に向けた戦略を推進してまいります。 (注)1.出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート 2024」2023年のアニメ関連市場規模2.出所:内閣官房『第23回新しい資本主義実現会議の基礎資料』にて記載の2019年のコンテンツ産業の世界市場規模3.出所:矢野経済研究所「2024年 VTuber市場の徹底研究 ~市場調査編~」 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①魅力的なVTuberタレント及びブランドの開発VTuberの人気はアニメルック・アバターや関連するグループ又はユニットの魅力の影響を大きく受けるため、魅力あるVTuberを継続的に開発することは当社の経営課題であります。当社は、コンテンツを共創するクリエイターにとっても意義深い活動の機会を継続的に提供するために、当社ブランドの認知及び一層の価値向上に努めております。 ②コンテンツ・クリエイターの発掘及び育成VTuberの活動はアニメルック・アバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイターの創作活動に依存しているため、能力のあるコンテンツ・クリエイターの発掘、及びその能力を一層開花させるための育成は当社の課題であります。当社では定期的なオーディションの実施により新しいコンテンツ・クリエイターの発掘ができるよう努めている他、採用後も社内外のクリエイター・企画チームを活用し、継続的なグッズ企画・衣装企画・ライブ企画等の多様な活動支援によってコンテンツ・クリエイターの個性をより発揮できるような環境を構築しております。 ③事業拡大と収益性向上を両立した事業運営当社は魅力あるVTuberの継続的な開発と育成を主軸に、動画配信プラットフォーム上でのサービス展開のみに留まらない、多面的な事業展開を推進しております。そのため、より大きな市場を捉えるために複数の先行投資を実施しております。具体的には、より付加価値の高いコンテンツ開発と集客力の向上に向けた、3Dモデリング、3Dアニメーションに関する人材投資、大型モーション・キャプチャー・スタジオの取得、統合IDサービスの開発及びユーザーの体験価値の向上に向けたゲーム・メタバースサービスの開発等を行っております。また、マーチャンダイジングやライセンス/タイアップといった収益性の高いコマース領域では更なる事業拡大を計画しており、トレーディングカードゲーム等のシリーズ商品の企画や海外地域でのライセンシー拡充による現地商流への商品・サービスの配荷拡大等を推進しております。 ④組織体制の整備当社の成長には多様な専門性を持った優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が中長期的に働きやすい職場環境や人事制度を整備してまいります。 ⑤技術力の強化当社はコンテンツ・クリエイターの活動について、モーション・キャプチャー技術を駆使した自社開発のアプリケーション等で支えており、今後の継続的な技術改善が視聴者に新しいエンターテインメント体験を届けるために重要であると考えております。高度なスタジオ配信を可能にするアプリケーションのアップデートや豊かな表現を可能にする3Dモデリング技術の向上等、継続的な改善を進めてまいります。 ⑥コミュニティの健全性維持当社は多数のVTuberを擁しており、それぞれのコンテンツ・クリエイターの裁量で日常的に膨大な数の視聴者との双方向コミュニケーションがライブ配信を通して行われております。継続的な創作活動や視聴者とのコミュニケーションが維持されるよう、誹謗中傷対策などのコミュニティ健全化の施策は重要であると考えております。外部専門家と連携しての誹謗中傷対策等、コンテンツ・クリエイター保護のための施策を継続的に実施してまいります。 ⑦その他財務上の課題当社は、これまで金融機関からの借入に大きく依存せず、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした財務基盤を維持していることから、先述の「事業拡大と収益性向上を両立した事業運営」の他には、優先的に対処すべき財務上の課題はありませんが、上記事業上の課題に対する対処及び継続的な成長に資する設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処するなど、財務体質のさらなる強化に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を企業ミッションとしております。日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。 (2)中長期的な経営戦略等当社はこれまで「VTuberビジネスの確立」「IPビジネスへの進化」「クリエイター経済圏の拡大」の三段階からなる事業戦略を基盤とし、ライブ配信を中心としたコンテンツ供給、VTuber IPの多面的なコマース展開、さらにはゲームやメタバース領域への進出を通じて、事業規模とブランド価値の拡大を実現してまいりました。今後は、2030年3月期において売上高1,000億円、営業利益250億円以上を達成することを中期経営目標とし、さらなる事業拡大とグローバルな成長を支える経営基盤の強化に取り組んでまいります。 この中期目標に向けて、当社は、①共創によるコンテンツ供給の強化、②グローバル収益基盤の確立、③新規事業領域の収益拡大、④人的資本の高度活用、という4つの成長ドライバーを軸に、段階的かつ戦略的な投資を進めております。 ①共創によるコンテンツ供給の強化ライブ配信、音楽、ゲーム、アートなどの多様な表現領域でトップタレントを輩出し、コミュニティの拡大と当社のブランド価値の継続的な向上を目指します。制作体制の高度化と効率化を進めるとともに、他社の大型メディアコンテンツとの協業を通じて、ブランドの認知をさらに拡大してまいります。こうした取り組みは、表現技術への研究開発投資や、アニメなどの長期制作コンテンツに対する共同制作の仕組み構築によって支えられています。 ②グローバル収益基盤の確立北米やアジアをはじめとする大消費市場において、現地でのグッズ生産・流通体制の構築に加え、各地域のニーズに即したライセンス商品の展開を推進してまいります。これらを実現するため、海外イベントの拡充によるマーケティング活動の強化、現地拠点の運営体制の整備、地域別のサプライチェーン・マネジメントの強化を進めるとともに、必要に応じて資本業務提携やM&Aの活用も視野に入れ、グローバル展開を支える強固なインフラの構築を検討してまいります。 ③新規事業領域の収益拡大既に事業拡大が進展しているトレーディング・カードゲーム(TCG)に加え、ゲーム/ホロアースといったデジタルコンテンツ・サービスの事業規模を拡大し、収益の多角化を推進してまいります。TCGでは、年間を通じた大会運営や海外言語版のグローバル展開を通じて、ゲームプレイヤー数の拡大を推進し、安定的な収益基盤の確立を図ってまいります。ゲーム分野では外部開発パートナーとの連携を強化しつつ、自社で開発を進めるホロアースにおいても、ユーザー体験価値の拡張と長期的な経済圏の形成を目指しております。 ④人的資本の高度活用人材の最適配置と育成により、組織全体のパフォーマンスを最大化し、持続的な成長を支える経営基盤を強化してまいります。これには、管理部門の体制整備による全社オペレーションの高度化も含まれており、成長を下支えする組織的対応力の向上を進める想定です。 これらの成長戦略の実現に向けて、2030年3月期までの5年間で累計500億円程度を上限とする成長投資およびM&Aの実施枠を想定しています。これらは、海外展開の加速、制作機能の強化、生産・物流の最適化、事業ポートフォリオの拡張、そして経営基盤の強化といった、中長期的な企業価値の向上を意図したものです。M&Aについても、戦略性と実効性を重視し、投資効果を慎重に見極めながら機動的に実施してまいります。 今後も、VTuberという新たな文化の担い手として、タレント、クリエイター、ファン、企業をつなぐプラットフォームとしての価値を高め、継続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社はこれまで、VTuberのファン規模を示す代表的な指標として「YouTubeチャンネル登録数」を重視してまいりましたが、近年ではタレントの活動領域がYouTube以外の配信プラットフォームやリアルイベント・音楽・ゲームなどへ多様化していることから、同指標を経営目標としては用いない方針といたしました。 今後は、中期経営目標に掲げる「売上高」および「営業利益」の水準を、企業価値向上に向けた主要な客観的指標として位置付けております。売上高は多様な事業活動の成果を示す指標であり、営業利益は成長投資の回収や経営効率の改善状況を示すものと捉えています。 また、補足的な指標として「サービス別売上高」も引き続き参照し、事業ポートフォリオの構造や成長領域の変化を多面的に把握してまいります。 (4)経営環境当社が展開するVTuber事業は、VTuberを起点として、ライブ配信、ライブコンサート、イベント、商品展開、企業タイアップなど多岐にわたる分野に広がっております。近年では、VTuber市場自体がアニメ市場と類似した構造を持ちながらも、圧倒的なコンテンツ供給量とファンとの双方向性を武器に、これまでにないスピードでファンベースを拡大しており、文化としての浸透も急速に進んでいます。当社では、2025年3月期通年において27,000本超の動画コンテンツを供給するなど、日々の継続的な発信が大規模なファンコミュニティの形成とエンゲージメント向上に寄与しています。 より広義には、国内のアニメコンテンツ市場は2023年度時点で1.6兆円、海外展開を含むグローバル市場では約3.3兆円規模となっており(注1)、当社が取り組む領域もこの拡大市場の一角を担う存在として成長余地を有していると考えております。さらに、映像、音楽、ゲーム、商品などを含む広義のグローバルコンテンツ市場全体では、2023年時点で約123兆円規模にのぼる(注2)とされ、当社としてはこれらの成長分野と接続しながら、多面的な展開を進めてまいります。 実際に、国内VTuber市場は2024年度時点で約1,050億円規模に達すると推定されており(注3)、2021年度から2024年度までの年平均成長率(CAGR)は約50%と、引き続き高い成長を示しております。VTuber市場は商品展開や企業タイアップ、イベントなどの周辺分野における収益拡大が引き続き見込まれていることに加え、VTuberという表現形式がグッズや音楽、アニメ、ゲームなど他のエンターテインメント分野と親和性高く連動していることも今後この成長を後押ししていくと考えられます。 当社としても、こうした市場環境を踏まえ、トレーディング・カードゲームや音楽配信、アニメーション作品への参画、自社および協業によるゲーム開発など、周辺領域とのシナジーを活かした事業展開を強化しており、これらは今後の成長を牽引する中核的要素と位置付けています。 また、日本政府が推進する「新たなクール・ジャパン戦略」では、日本発コンテンツの海外市場規模を2033年までに20兆円へ拡大することが掲げられており、コンテンツ産業全体が輸出産業としてより重視される中、VTuber産業も国策的な支援の恩恵を受ける可能性があります。 一方で、インディーズVTuberの増加や海外VTuberの活躍など、グローバルにおけるVTuber文化の裾野も広がりを見せておりますが、当社が長年培ってきた制作能力と、クリエイター・ファンによる大規模な共創コミュニティは、引き続き当社の持続的な成長を支える競争優位性として機能していると認識しております。 今後は、国内外における商品・サービスの提供体制をより一層強化していくとともに、各国の税制、物価、為替動向などグローバル展開に伴う不確実性についても注視しながら、継続的な成長に向けた戦略を推進してまいります。 (注)1.出所:一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート 2024」2023年のアニメ関連市場規模2.出所:内閣官房『第23回新しい資本主義実現会議の基礎資料』にて記載の2019年のコンテンツ産業の世界市場規模3.出所:矢野経済研究所「2024年 VTuber市場の徹底研究 ~市場調査編~」 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①魅力的なVTuberタレント及びブランドの開発VTuberの人気はアニメルック・アバターや関連するグループ又はユニットの魅力の影響を大きく受けるため、魅力あるVTuberを継続的に開発することは当社の経営課題であります。当社は、コンテンツを共創するクリエイターにとっても意義深い活動の機会を継続的に提供するために、当社ブランドの認知及び一層の価値向上に努めております。 ②コンテンツ・クリエイターの発掘及び育成VTuberの活動はアニメルック・アバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイターの創作活動に依存しているため、能力のあるコンテンツ・クリエイターの発掘、及びその能力を一層開花させるための育成は当社の課題であります。当社では定期的なオーディションの実施により新しいコンテンツ・クリエイターの発掘ができるよう努めている他、採用後も社内外のクリエイター・企画チームを活用し、継続的なグッズ企画・衣装企画・ライブ企画等の多様な活動支援によってコンテンツ・クリエイターの個性をより発揮できるような環境を構築しております。 ③事業拡大と収益性向上を両立した事業運営当社は魅力あるVTuberの継続的な開発と育成を主軸に、動画配信プラットフォーム上でのサービス展開のみに留まらない、多面的な事業展開を推進しております。そのため、より大きな市場を捉えるために複数の先行投資を実施しております。具体的には、より付加価値の高いコンテンツ開発と集客力の向上に向けた、3Dモデリング、3Dアニメーションに関する人材投資、大型モーション・キャプチャー・スタジオの取得、統合IDサービスの開発及びユーザーの体験価値の向上に向けたゲーム・メタバースサービスの開発等を行っております。また、マーチャンダイジングやライセンス/タイアップといった収益性の高いコマース領域では更なる事業拡大を計画しており、トレーディングカードゲーム等のシリーズ商品の企画や海外地域でのライセンシー拡充による現地商流への商品・サービスの配荷拡大等を推進しております。 ④組織体制の整備当社の成長には多様な専門性を持った優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が中長期的に働きやすい職場環境や人事制度を整備してまいります。 ⑤技術力の強化当社はコンテンツ・クリエイターの活動について、モーション・キャプチャー技術を駆使した自社開発のアプリケーション等で支えており、今後の継続的な技術改善が視聴者に新しいエンターテインメント体験を届けるために重要であると考えております。高度なスタジオ配信を可能にするアプリケーションのアップデートや豊かな表現を可能にする3Dモデリング技術の向上等、継続的な改善を進めてまいります。 ⑥コミュニティの健全性維持当社は多数のVTuberを擁しており、それぞれのコンテンツ・クリエイターの裁量で日常的に膨大な数の視聴者との双方向コミュニケーションがライブ配信を通して行われております。継続的な創作活動や視聴者とのコミュニケーションが維持されるよう、誹謗中傷対策などのコミュニティ健全化の施策は重要であると考えております。外部専門家と連携しての誹謗中傷対策等、コンテンツ・クリエイター保護のための施策を継続的に実施してまいります。 ⑦その他財務上の課題当社は、これまで金融機関からの借入に大きく依存せず、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした財務基盤を維持していることから、先述の「事業拡大と収益性向上を両立した事業運営」の他には、優先的に対処すべき財務上の課題はありませんが、上記事業上の課題に対する対処及び継続的な成長に資する設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処するなど、財務体質のさらなる強化に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態の状況(資産)当事業年度末における資産合計は、前事業年度末より10,346百万円増加し、33,060百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加2,831百万円、商品の増加2,129百万円、売掛金の増加1,919百万円及びソフトウエア勘定を中心とした無形固定資産の増加1,625百万円によるものであります。 (負債)当事業年度末における負債合計は、前事業年度末より4,542百万円増加し、16,112百万円となりました。これは主に、前受金の増加2,849百万円、買掛金の増加411百万円、未払法人税等の増加373百万円及び諸外国間接税引当金の増加350百万円によるものであります。 (純資産)当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末より5,803百万円増加し、16,947百万円となりました。これは主に、利益剰余金が5,559百万円増加したことによるものであります。 ②経営成績の状況当事業年度における国内外の経済環境は、エンターテインメント需要の回復が見られた一方で、物価上昇や為替変動などに起因する先行き不透明感が継続しました。 こうした環境下において、当社はミッションとして「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を掲げ、日本発のエンターテインメント・カルチャーを創出し、世界中のユーザーに届けることで、日本が持つアニメやゲームといったユニークな文化に関わるクリエイターの活躍の場を広げることを目指してまいりました。 当事業年度は、所属タレントの多様なメディアでの露出増加に加え、イベント出演のグローバル化、マーチャンダイジング商品の多様化、ライセンス・タイアップ案件のスケール拡大などが進展し、国内外における事業規模は着実に拡大しました。 サービス分野別の業績は、以下のとおりです。 配信/コンテンツ分野においては、所属タレントによる大型配信企画のヒットが継続したほか、2023年以降にデビューした国内外のタレントが着実に人気を獲得し、ファン層の拡大が進みました。また、アニメ主題歌の担当など音楽を軸とした露出が増加し、新たな層へのリーチも広がりました。その結果、同分野の売上高は9,323百万円(前期比21.9%増)となりました。 ライブ/イベント分野においては、英語圏向けVTuberグループ「ホロライブEnglish」による北米地域での2ndライブコンサートや、ホロライブプロダクション初のワールドツアーを実施するなど、海外市場における実績を着実に積み上げました。加えて、国内外の人気タレントによる大型会場でのソロライブも多数成功し、リアルイベントを通じたファンエンゲージメントの強化とコンテンツのモメンタム創出に貢献しました。年度末には、例年開催している「hololive SUPER EXPO」および「hololive fes.」において過去最大の動員数を記録することができました。これらの結果、同分野の売上高は7,793百万円(前期比39.1%増)となりました。 マーチャンダイジング分野においては、2024年9月に販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が想定を大きく上回る販売実績を記録しました。これに加え、小売店販路の拡充やグッズ展開の多様化といった取り組みにより、広範なユーザー層へのリーチに成功しました。その結果、同分野の売上高は20,539百万円(前期比64.6%増)となりました。 ライセンス/タイアップ分野においては、営業体制の強化により、国内外の取引代理店数および案件数が順調に拡大しました。これに伴い、法人取引における認知向上と商機の拡大が進み、ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が進展しました。その結果、同分野の売上高は5,744百万円(前期比29.4%増)となりました。 以上の結果、当事業年度における売上高は43,401百万円(前期比43.9%増)、営業利益は8,001百万円(前期比44.5%増)、経常利益は7,962百万円(前期比41.6%増)、当期純利益は5,559百万円(前期比34.4%増)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2,831百万円増加し、11,498百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動により獲得した資金は5,285百万円(前事業年度は4,765百万円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益7,448百万円及び前受金の増加による収入2,849百万円があった一方で、減少要因として、棚卸資産の増加額2,129百万円及び売上債権の増加額1,919百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動により支出した資金は2,696百万円(前事業年度は3,893百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,852百万円及び有形固定資産の取得による支出623百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動により獲得した資金は244百万円(前事業年度は0百万円の支出)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入244百万円によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.仕入実績当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。サービスの名称金額(百万円)前期比(%)マーチャンダイジング8,041217.4合計8,041217.4 (注)当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 c.受注実績当社は概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。 d.販売実績当事業年度における販売実績を主要サービスごとに示すと次のとおりであります。サービスの名称金額(百万円)前期比(%)配信/コンテンツ9,323121.9ライブ/イベント7,793139.1マーチャンダイジング20,539164.6ライセンス/タイアップ5,744129.4合計43,401143.9 (注)1.当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、上記ではサービス別の販売実績を記載しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。相手先前事業年度当事業年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)Google LLC6,41321.37,27516.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (売上高)当事業年度の配信/コンテンツ分野におきましては、所属タレントによる大型配信企画のヒットが継続したほか、2023年以降にデビューした国内外のタレントが着実に人気を獲得し、ファン層の拡大が進みました。また、アニメ主題歌の担当など音楽を軸とした露出が増加し、新たな層へのリーチも広がりました。ライブ/イベント分野におきましては、英語圏向けVTuberグループ「ホロライブEnglish」による北米地域での2ndライブコンサートや、ホロライブプロダクション初のワールドツアーを実施するなど、海外市場における実績を着実に積み上げました。加えて、国内外の人気タレントによる大型会場でのソロライブも多数成功し、リアルイベントを通じたファンエンゲージメントの強化とコンテンツのモメンタム創出に貢献しました。年度末には、例年開催している「hololive SUPER EXPO」および「hololive fes.」において過去最大の動員数を記録することができました。マーチャンダイジング分野におきましては、2024年9月に販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が想定を大きく上回る販売実績を記録しました。これに加え、小売店販路の拡充やグッズ展開の多様化といった取り組みにより、広範なユーザー層へのリーチに成功しました。ライセンス/タイアップ分野におきましては、営業体制の強化により、国内外の取引代理店数および案件数が順調に拡大しました。これに伴い、法人取引における認知向上と商機の拡大が進み、ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が進展しました。これらの結果、当事業年度の売上高は、43,401百万円(前期比43.9%増)となりました。 (売上原価、売上総利益)当事業年度の売上原価は、21,596百万円(同33.5%増)となりました。主な要因は、マーチャンダイジング分野における販売拡大に伴う仕入や外注費の増加、売上高の増加に伴う演者報酬の増加及びライブやイベントの開催に伴う費用の増加によるものであります。この結果、売上総利益は21,805百万円(同55.9%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度の販売費及び一般管理費は、13,803百万円(同63.3%増)となりました。主な要因は、グッズ販売に関する諸経費の増加及び、事業規模拡大に伴う人件費や外注費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、8,001百万円(同44.5%増)となりました。 (営業外収益、営業外費用及び経常利益)当事業年度の営業外収益は、75百万円(同35.2%減)となりました。これは主に、受取和解金66百万円を計上したことによるものであります。当事業年度の営業外費用は、114百万円(同275.1%増)となりました。これは主に、支払和解金69百万円、為替差損43百万円を計上したことによるものであります。この結果、経常利益は、7,962百万円(同41.6%増)となりました。 (特別損益、当期純利益)当事業年度の特別損失は514百万円となりました。これは主に、諸外国間接税引当金繰入額350百万円、固定資産除却損153百万円を計上したことによるものであります。 法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)1,888百万円を計上した結果、当期純利益は5,559百万円(同34.4%増)となりました。 なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の運転資金需要のうち主要なものは、所属VTuberへの報酬やグッズ制作原価等の売上原価の他、人件費や地代家賃、グッズ販売に伴う倉庫費用や決済手数料等の販売費及び一般管理費といった営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、配信用スタジオの設備更新や新規事業・新規サービスの開発費用等であります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金及び設備投資資金共に自己資金での運用を基本としておりますが、資金繰りが悪化する傾向が見受けられる場合には、金融機関による借入やエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較したうえで実施することを想定しております。なお、第9期事業年度末(2025年3月31日)における現金及び現金同等物の残高は11,498百万円となっております。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社の経営成績に影響を与えるおそれがあるリスクが存在していることを認識しております。これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等」に記載のとおり、主な経営指標としてYouTubeチャンネル登録数、売上高、サービス別売上高を経営上重要な指標として位置付けております。当社ではYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて、所属VTuberによる高頻度なライブ配信、3Dモーション・キャプチャー・スタジオを用いたバーチャルライブ・コンサート、IPアセットを用いたアニメーション・コンテンツ等の供給を行うことに加え、二次創作ガイドラインを定めたうえでファンによる二次創作活動を幅広く奨励しております。この結果、当社のVTuberは幅広いファンからの支持を得ていると認識しており、当社が保有するホロライブプロダクションのYouTubeチャンネル登録数は延べ9,714万登録を超えました。こうした大きなファンベースの存在が魅力的な演者や国内外の主要なクリエイターとの継続的な共創を可能としております。 YouTubeチャンネル登録数の推移 (単位:人)前事業年度末当事業年度末88,409,800 97,147,600 サービス別売上の推移(単位:百万円)サービスの名称前事業年度当事業年度配信/コンテンツ 7,647 9,323ライブ/イベント 5,601 7,793マーチャンダイジング 12,477 20,539ライセンス/タイアップ 4,440 5,744合計 30,166 43,401
事業リスク
- 外部プラットフォームへの依存YouTubeなどの動画配信プラットフォームは、VTuberのライブ配信に不可欠です。もしこれらのプラットフォームの運営方針や経済条件が大きく変わった場合、カバー社のコンテンツ提供が困難になったり、収益が減少したりする可能性があります。ただし、カバー社は自社プラットフォームの開発や収益源の多様化でリスク軽減を図っています。
- VTuberの人気・活動継続リスクカバー社の業績は、所属VTuberの人気や活動頻度に大きく左右されます。VTuberのスキャンダル、炎上、誹謗中傷、健康問題などにより、活動が困難になったり、ファンからの支持を失ったりした場合、IP価値の低下や収益減少に繋がる可能性があります。会社は対策を講じていますが、個別のVTuberに影響が出る可能性はあります。
- 競合他社との競争激化VTuber事業を含む動画配信市場には、国内外に多くの競合企業が存在します。カバー社が優れたIP開発や技術革新を続けられない場合、視聴者が競合他社に流れたり、魅力的なクリエイターの確保が難しくなったりする可能性があります。これにより、事業の成長が鈍化し、業績に影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。また、顕在化可能性又は影響度が「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又は当社の事業、業績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではなく、発生時期の記載と異なる時期に当該リスクが発生する可能性を否定するものではありません。当社は、これらのリスク発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 (1)事業環境に関するリスク①外部の動画配信プラットフォームへの依存について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:長期)当社はYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて視聴者にライブ配信コンテンツを提供しております。これらの動画配信プラットフォーム事業者の動向及び事業戦略並びに当社との関係の変化等により、当社のライブ配信コンテンツ提供の継続が困難になった場合、又は経済条件に大幅な変更があった場合には、当該プラットフォーム経由で当社のコンテンツを消費していた顧客層からの収益の減少を通じて当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社では、ライブ配信のみに依存せず、マーチャンダイジング、イベント、ライセンスアウトといった収益機会の多様化が進んでいる他、コンテンツ・クリエイターの活動もYouTube以外を含む複数の動画配信プラットフォーム上で行われており、また開発中の自社プラットフォームでの活動も予定されていることから、単一のプラットフォームのみに依存することの無い体制となっております。 ②外的要因による消費者需要動向の変化について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は動画配信プラットフォーム上でのVTuberによるライブ配信、関連グッズ及びコンテンツの販売等を主な収益としております。近年のインターネット上での動画メディア視聴の世界的な広がり、また、アニメ、ゲーム等のコンテンツ消費の国際的な拡大などを背景として、当社コンテンツの視聴者数や当社の売上高も順調に拡大を続けており、今後も当面はこの傾向は継続するものと認識しております。しかしながら、関連する法規制、景気動向、個人の嗜好等の変化等により、関連市場の成長が鈍化し、それに伴い、当社コンテンツの視聴者数の減少が起きる等、当社のビジネスモデルを長期的に維持できない場合や、これらの変化に対応した新しいビジネスモデルを十分に構築できない場合には、顧客数の減少を背景とした売上高成長の鈍化等を通じて当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では事業展開を行う領域の多面化、及び地域の多様化を行うことにより、当該リスクの軽減を企図しております。 ③広告市場動向の変化について(顕在化可能性:中、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社のサービスの一部であるタイアップ広告の受注高は企業の広告出稿予算の変化等の影響を受けることが予想され、景気変動等の要因によって企業の広告出稿予算が増減した場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社ではタイアップ広告以外にも、自社所有IPに基づく商品販売等収益源の多角化を行うことにより、当該リスクの軽減を企図しております。 ④法規制・動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:長期)当社が提供するサービスを規制する主な法律として「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」、及び「不当景品類及び不当表示防止法」等があります。当社は、これらの規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施などを行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社が運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤海外ユーザーに向けたサービスのリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は、視聴者層の拡大に向けて英語及びインドネシア語をメインにライブ配信を行うVTuberグループ「hololive English」、「HOLOSTARS English」及び「hololive Indonesia」を展開しております。外国語圏の視聴者に向けたサービスの提供にあたっては、文化・ユーザーの嗜好・商習慣の違い、為替変動、法制度・税制度を含む各種規制、経済的及び政治的不安等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開言語地域において競争力を有する競合他社との競争リスク等が存在します。当社がこのようなリスクに対処できない場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では現地文化や法令規制等に精通した外部専門家との協働や展開地域の多角化により当該リスクの軽減を企図しております。 ⑥競合他社の動向について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)現在、VTuber事業を含む動画配信関連事業を展開する競合企業は国内外に複数存在しております。当社は、今後とも優れたIPの開発や技術的改善等により市場における優位性を維持しつつ競争力を向上させていく方針ですが、これらの取り組みが予想通りの成果を上げられない場合や、より競争力のある競合他社の出現により、当社が提供するコンテンツの視聴者離れ等につながる場合、又は魅力的なコンテンツ・クリエイターの継続的な確保が難しくなる場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業に関するリスク①所属VTuberの人気、活動頻度、活動継続等に係るリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社の業績は、当社所属のVTuberの人気及びコンテンツ供給頻度に一定程度依存しております。当社は平時から、当社所属のVTuberに関するスキャンダル、炎上、誹謗中傷等に対処し、健康的な活動をサポートする技術的、組織的体制の拡充等を通じて対策を図っておりますが、VTuberの活動内容や頻度はアニメルック・アバターを用いて活動するコンテンツ・クリエイターの動向に依存しており、不適切なコンテンツの配信、スキャンダル、炎上、誹謗中傷、その他健康上の理由等により、当社所属コンテンツ・クリエイターが視聴者からの継続的な支持を得ることができなくなった場合、活動頻度が著しく低下した場合、又は活動の継続が困難になった場合等には、関連するIP、コンテンツ又は商品等の付加価値の低下を通じて当社のレピュテーション、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。個別のコンテンツ・クリエイターを見た場合、これらのリスクは高くない頻度で顕在化する可能性がありますが、当社では健全なコンテンツ配信を推進し、スキャンダル、炎上、誹謗中傷等に対処し、コンテンツ・クリエイターの健康的な活動をサポートする技術的、組織的体制の拡充、関連する業界団体との連携、及び多様な人気VTuberによるプロダクション全体としてのコンテンツ供給の安定化等により対策を図っております。 ②動画内容に不適切な内容が入ることによるレピュテーションリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は所属するコンテンツ・クリエイターによる公序良俗の違反や知的財産権の侵害が発生することを未然に防止するために、ガイドライン等の拡充やコンテンツ・クリエイターの指導に努めております。また、そのような事象若しくはその兆候が発生した場合には、速やかにそれを認識し対処を行うための配信動画のモニタリング等の管理体制の整備にも努めております。しかしながら、日々のコンテンツ配信の中で予期せぬ事象が発生した場合には、当社や所属コンテンツ・クリエイターのレピュテーションの低下や紛争につながる等、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③情報セキュリティについて(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社は事業活動を通して、顧客や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上の機密情報を保有しております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し社内で運用する他、従業員研修の実施等、これらの情報管理には万全な方策を講じておりますが、万一当社の従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、当社が企業としての社会的信用を喪失し、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④知的財産権について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社は当社が運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、当社が使用する商標・技術・コンテンツ等についての保護を図っておりますが、模倣品の流通、海賊版の制作等により当社の知的財産権が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が使用する技術、コンテンツについて、知的財産権の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤顧客、取引先又はその他第三者との係争について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は、法令及び契約などの遵守のため、リスク・コンプライアンス管理規程を定めて社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。しかしながら、今後当社が事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があり、係る訴訟の内容及び結果によっては、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や当社の社会的信用の毀損によって、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥新規事業について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社はUGCコミュニティの強化及びファン層の拡大・維持を企図して、新規事業としてメタバースサービスの開発を行っております。同サービスにより、3D仮想空間の中でVTuberとファンが直接交流できる機会等を提供できるようになる予定であります。同新規事業は、そのリスク等について企画及び開発段階から十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針であります。しかしながら、同新規事業の展開においては、不確定要素が多く存在することから、当社の想定通りに進捗しない、期待するシナジーが得られない又は法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生する等の可能性があり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦新スタジオの稼働について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は配信コンテンツの拡充及び制作リソースの拡充を企図して、2023年4月より新しい配信用スタジオの稼働を開始しております。稼働開始後は十分な人員を確保したうえで、投資回収を図っていく想定でおりますが、人的リソースの不足や、稼働管理の不備等により期待した機能を達成できない可能性があり、減損損失の発生等による当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)会社組織に関するリスク①人材の確保・育成について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社が今後とも企業規模を拡大し、より良いサービスを提供していくためには、個性豊かなコンテンツ・クリエイター、専門性の高い技術者等の他、コーポレート部門等においても当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠であります。当社は、規模拡大やサービス向上に必要な人材確保のために、今後もより一層積極的な採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、想定通りの採用が進まない等優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②レピュテーションリスクについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社の事業においては、当社及び当社が提供するサービスの認知度、ブランドイメージや社会的信用の維持及び向上に努めておりますが、当社によるプロモーション活動が奏功する保証はありません。また、当社サービスの欠陥や個人情報及び機密情報の流出等並びに当社や当社が提供するサービスに関する風評被害の発生等により、ブランドイメージや社会的信用が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③事業体制及び内部管理体制について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:中期)当社は2016年6月に設立され、未だ社歴が浅く成長途上にあり、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社の事業体制及び内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した事業体制及び内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)経営成績及び財政状態などについて①社歴が浅いことについて(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は2016年6月に設立されており、設立後の経過期間は9年程度と社歴の浅い会社であります。また、当社は急速な成長過程にあり、業績は新規IPの公表や大型イベントの実施等に関連した季節性にも依存するため、過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。 ②業績の季節変動について(顕在化可能性:大、影響度:中、顕在化の時期:短期)当社の業績は消費者の長期休暇期間や大型イベントの実施時期等に関連した売上高の季節性に依存するため、特定の四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難であります。 ③配当政策について(顕在化可能性:小、影響度:小、顕在化の時期:未定)当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題と位置づけております。現時点では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点においては配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 (5)その他①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化可能性:中、影響度:中、顕在化の時期:中期)当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与している他、今後も優秀な人材確保のため新株予約権その他のエクイティ・インセンティブプランを発行する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合等には、当社株式が新たに発行又は交付されることにより、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があるとともに、係る株式が一度に大量に市場へ流出することとなった場合などには、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在でこれらの新株予約権に係る潜在株式数は1,443,000株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計67,093,100株の2.1%に相当します。