事業の概要
- 検証事業日本ナレッジは、ソフトウェアの品質を確保するための「検証サービス」を提供しています。これは、ソフトウェアの不具合を見つけ出し、修正を促すことで品質向上に貢献する事業です。具体的には、スマートフォンやカーナビの組み込みソフトウェア、企業の販売管理システムなどのエンタープライズ系システム、ウェブシステムなど、幅広い分野のテストを専門的に行っています。IT人材不足を背景に、企業が開発工程に集中するため、テスト業務を外部に委託するニーズが高まっています。
- 開発事業設立当初からの事業で、システム受託開発や業務系パッケージソフトウェアの開発・販売を行っています。長年の経験で培った業務知識やシステム開発のノウハウが強みです。特に、検証事業で対象となるエンタープライズ系システムの開発経験は、検証事業における専門性の高さにも繋がっています。
- アウトソーシングの加速IT人材不足やソフトウェアの複雑化により、企業が自社で行っていた品質担保業務を外部の専門企業に委託する「第三者検証」が加速しています。日本ナレッジは、この市場の拡大を背景に、テスト工程だけでなく、開発プロセス全体やシステムのライフサイクル全体を支援するソリューションも提供し、顧客の高品質なソフトウェア開発を総合的に支援するビジネスモデルを展開しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 検証事業ソフトウェアシステムのテスト・検証サービスを提供する事業です。2024年3月期の売上高は276億6,224万円、営業利益は49億3,185万円と、同社の主力事業であり、収益の大部分を占めています。スマートフォンやカーナビの組み込みソフトウェア、企業の基幹システム、ウェブシステムなど幅広い分野の品質計画立案、テスト分析設計、テスト実行、コンサルティングを提供しています。
- 開発事業システム受託開発や業務系パッケージソフトウェアの開発・販売を行う事業です。2024年3月期の売上高は138億7,889万円、営業利益は21億1,305万円です。設立当初からの事業であり、長年の経験で培った業務知識やシステム開発のノウハウを活かして、顧客のニーズに応じたシステム開発を行っています。
- 事業構成と収益性日本ナレッジは主に「検証事業」と「開発事業」の2つの事業を展開しており、検証事業が売上・利益ともに大きな割合を占める稼ぎ頭となっています。検証事業はIT人材不足やソフトウェアの複雑化を背景に、アウトソーシング需要の拡大が見込まれる成長分野であり、同社の収益を牽引しています。開発事業のノウハウは検証事業の専門性向上にも寄与しており、相互にシナジー効果を生み出しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| TestingVerificationBusiness | 地域 | 28 | 5 | 17.8% |
| DevelopmentBusiness | 地域 | 14 | 2 | 15.2% |
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3【事業の内容】 当社は、主にソフトウエアシステムの検証サービス注1を提供する「検証事業」とシステム受託開発、業務系パッケージソフトウエアの開発・販売等を行う「開発事業」を主たる事業として展開しております。 設立当初は、業務系のパッケージ開発を主業務とし、「徹底した顧客志向の開発」というコンセプトのもと開発事業を進めてきましたが、2001年度より業務系の開発事業で培った経験とノウハウを活かし、ソフトウエアテストに関する専門的な知見と技術を提供する検証事業を立ち上げ、注力しております。 当社事業を取り巻く環境について、従来ソフトウエアの品質担保に関する業務は、メーカーやソフトウエア開発会社の社内で実施されておりましたが、国内でのIT人材不足を背景に、より競争力の高いサービス・製品を創造するための開発工程に経営リソースを集中させる傾向が高まっております。また、ソフトウエアはますます複雑化しており、仕様書通りに機能するかの確認のみならず、連携するシステム全体における結合テストや、テストの自動化、セキュリティテスト等、テスト工程に求められる専門性が高度広範囲になってきております。このため、メーカーやソフトウエア開発会社におけるテスト工程のアウトソーシング(第三者検証)が加速している状況です。 市場の品質ニーズのさらなる高まりに対応して、当社はソフトウエア開発プロセス支援、品質改善コンサルティング、保守・運用支援など、テスト工程だけではなく開発プロセスやシステムのライフサイクル全体に対してのソリューションサービスも開始し、顧客企業における高品質なソフトウエア開発を総合的に支援しております。 検証事業、開発事業のいずれにおきましても常に顧客本位を第一に考え、国際標準規格注2に準拠したプロセスや品質基準で事業展開を行っております。なお以下の2事業は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)検証事業 当事業では、ソフトウエアの不具合により顕在化するリスクを回避・軽減するため、ソフトウエアの開発工程(要件定義・設計・開発・テスト)のなかのテスト工程において、品質計画の立案、テストの分析設計、テストの実行といった一連のプロセスやコンサルティングをサービスとして提供しております。当サービスの提供により、ソフトウエアの不具合を抽出します。またその不具合の修正をソフトウエア開発に促すことで、品質向上に寄与するとともに、重要な不具合が発生していないことを確認するための品質の測定と報告によって、顧客がソフトウエアのリスクの判断を行うことが可能となります。 当事業の対象となるソフトウエアは、スマートフォンやカーナビゲーションのハードウエアに組込まれて動作する「組込みソフトウエア注3」、法人向けの販売管理や会計等の業務系システムやパッケージソフトウエア製品などの「エンタープライズ系注4システム」、WEB上で動作するシステム全般をあらわす「WEBシステム」となっております。 特に、エンタープライズ系注4システムは開発事業にて培った販売・購買・在庫管理等の業務知識やシステム構造等のノウハウが活かされることから、当社の得意とする領域であり、さらには開発技術を背景とした「テスト実施の自動化」技術によるコスト効率化や品質の担保ができることも強みにしております。 また、当事業における主な顧客は、主に大手SIer注5系の情報システム部門やパッケージソフトベンダーなどの事業会社系となり、これらの顧客に対して、ソフトウエア機能テスト技術を提供することで、顧客のシステム開発における品質プロセスに対する重要な役割を担っております。 事業系統図[検証事業] 当事業は、開発事業との技術シナジーやテスト自動化における効率性と品質担保の提供を特徴としております。 「エンタープライズ系注4システム」については、開発事業者としての長年にわたり蓄積したノウハウの経験と技術者人員および業務知識を活用できることから、得意な領域としております。またエンタープライズ系注4システムは、業務知識が不可欠であり参入障壁が高い一方、時間をかけて業務知識やシステム構造を習得した後は、業務システムを熟知した技術者の関与が可能となるため、参入後は案件の継続率が高く、生産性も高くなり高収益が見込まれます。 WEBシステムをはじめとする事業会社系の検証業務プロジェクトでは、すでに運用しているシステムの派生開発(機能追加など)が主なテスト対象となることから、事業やサービスの継続に比例してシステム開発プロジェクトひいては検証業務が長期化することで、安定収益の確保が見込めます。また、派生開発はリリースの都度行われるために、システム全体の繰り返しテストが発生いたします。これらの「繰り返しテスト」はシステム全体の品質を確認するために非常に重要である一方で反復作業であり、多くのプロジェクトでこの反復作業をエンジニアが手動で行っているのが現状です。当社はこれらの繰り返しテストを、当社の強みである「テスト自動化サービス」にてテスト実施を自動化させていきます。それにより、エンジニアをセキュリティ面や利用者にとって使いやすいかどうかという利便性の確認、さらには利用者の誤りやすい運用を想定し、動作させた場合のシステム信頼性の確認といった、人的判断を要する領域に注力させることを可能にさせ、顧客に対して付加価値を提供しております。 当社は自動化サービスを活かして以下のように拡大戦略をとっていきます。・手動テスト案件(A)から、まずは自動化可能な部分(手動で行ってきた単純テスト)を切り出して、自動化スクリプト注6開発案件(B)を増やす。・次に単純テスト以外についても、自動化が適用可能な領域を検討し提案していく、自動化適用可能領域を広げるための案件(C)を増やす。・前段記載の通り、適切な自動化によって、エンジニアが人間にしかできない領域のテストに注力することのできる、テスト自動化部分と手動テスト部分を組み合わせて全体品質の向上をはかれるハイブリッド案件(D)を増やして事業拡大を図る。 [自動化サービスごとの売上比率] (単位:%) 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期(A)手動テスト案件29.922.320.320.425.8(B)自動化スクリプト注6開発案件4.75.76.65.15.3(C)自動化適用可能領域を広げるための案件35.337.739.236.330.2(D)自動化と手動テストのハイブリッド案件30.134.233.938.238.7当社の「テスト自動化サービス」の大きな強み(他社との違い)を以下のように考えています。① 開発技術者を有しており、自社内でテストの自動化プログラムの開発が可能であること。また、その自動化プログラムを最大限生かせるテスト設計が可能であること。② 市販のテスト自動化専門ツール注7やオープンソース注8ツール(ソースが公開されている無償ツール)のみでは対応できない対象(領域)についても、自社内で補完アプリを開発することにより、自動化が可能となること。 ①については、当社は長年開発事業を行い、開発エンジニアを多数有していることから、一般のテスト専門会社に比べ、高品質で保守性の高い自動化プログラムの開発が可能です。また、効果の低いテストケースを自動化しても効果が限られるため、反復効果が高いテスト自動化ケースを作成するための「テスト自動化設計力」も極めて重要となります。当社は長年のテスト経験・ノウハウにより、「テスト自動化設計力」を高めてまいりました。これら「プログラム開発力」と「テスト自動化設計力」が、当社の最大の強みとなっております。②ですが、市販のテスト自動化ツール注7や、オープンソース注8ツールのみでは自動化が困難なテスト対象(領域)もあり、そのような場合、手動テストで対応することが一般的です。しかしながら当社は、そのような場合においても、上記ツールを補完する「ヘルパーアプリ」を自社開発することにより、上記ツールのみでは対応が困難な対象(領域)も自動化することが可能です。 このようなテストの自動化を行うことで、顧客へテストの実行時間の短縮による「コストメリット」や、繰返し全体のテストを行うことによる「品質の担保」という付加価値を提供しております。この付加価値をもたらしうるには、上記のような深い開発に係る知識と、ソフトウエアの品質検証に係る経験が必要であると考えております。従いまして、このテストの自動化領域につきましては競合が少ないと考えており、顧客の継続率も高く安定収益の確保につながっているものと考えております。また、近年のインターネットを経由したWEB系のサービスは、顧客のニーズに合わせ頻繁に機能やサービスの変更が行われます。その際、すべてのサービスの変更の都度手作業でテストを行いますと、膨大な費用と時間が必要となります。下図の様に、設計、開発、テストが頻繁に繰り返されるシステム開発においては、テストの自動化が必須となると考えております。 一般のソフトウエアテストにおきましては、各工程単位ごとにテストを行います。「要求分析」の段階では、顧客の要求を確認し、「受け入れ(検収)テスト」を設計・実施いたします。「要件定義」の段階では、顧客の要求がシステムに反映されているかの「システムテスト」を行います。また、「基本設計」の段階では「結合テスト」、「詳細設計」の段階では「単体テスト」を行い、設計書通りにソフトウエアが正しく動く事を確認し、「コーディング」の段階にてコードの誤記、論理の誤り、脆弱な箇所が無いか等を検証する「コードレビュー」を行い、報告書を作成いたします。 当社は、各工程単位でのテストの実施のみならず、テストに関連するすべての工程に対して、トータルでの支援やコンサルティングを行うことにより、コスト的にも品質的にも最適なサービスを顧客に提供しております。(2)開発事業 開発事業では、大手ベンダー製のパッケージソフトウエア導入に伴うカスタマイズの受託開発や、セキュリティ製品の開発・販売、パッケージソフトウエアの開発・販売・保守を中心に行っております。 事業系統図[開発事業] ①ERP注9パッケージソフトウエア導入に伴うカスタマイズの受託開発 当サービスは、ERP注9パッケージソフトウエアを導入された顧客企業に対し、個別にカスタマイズ開発を受託しております。取り扱うERP注9パッケージソフトウエアは大手ベンダー製となっております。当社の扱う同ERP注9パッケージソフトウエアは、販売・購買・在庫管理及び財務管理といった業務知識と、個々の業務管理システム等のつながりを理解しないと、システムの構造が理解できず、結果としてカスタマイズの設計ができないと考えられます。従って、その開発技術には単一的なシステム設計の理解では足りず、その開発技術の習得に時間がかかることと、開発ライセンス契約の社数も絞られていることから、参入障壁が高いと想定しております。国内のERP注9パッケージソフトウエア製品市場は未だ成熟してはおらず、本分野はそのマーケット規模から推察して大きく拡大することが期待できます。 当社は複数の大手ベンダーのERP注9パッケージ製品を取り扱っており、これらの製品群は、対象とする企業規模が各々異なりますため、幅広い顧客層に対応することが可能です。製品の販売は、主に販売代理店により顧客企業に販売されておりますが、顧客企業よりカスタマイズ開発の要求があった場合に、そのシステム開発を受託いたします。販売代理店側と同行し顧客企業の要望を聞き取り、要件定義から設計・製造及び運用指導まで一貫して受託するケースや、要件定義以後の詳細設計から製造まで行うケース等、開発内容は多岐に渡っております。また、大規模なカスタマイズ開発を行う場合、その後の問合せやバージョンアップ対応が必要となるため、当社が顧客企業に対して直接的に保守サービスの提供も行っております。 ②業種テンプレートの開発・販売当サービスは、上記ERP注9パッケージソフトウエア「SMILE」をベースとして鋼材業向けとして「PowerSteel」、建材・木材卸業向けとして「PowerCubic」を開発し、販売することに加え、保守サービスを提供しています。これらの業界は、業界特有の商習慣及び法令改正等により、パッケージソフトウエアにカスタマイズを行う必要があります。例えば鋼材パイプの場合は、「寸法別」、「本数別」で在庫管理を行う必要があります。一方、売上の計上におきましては、出荷製品の「総重量」をもとに計算を行います。このように、管理する単位が混在するため、通常の仕組みでは対応できません。また、売上高計算の為の重量計算を業界特有の計算式で行うなど、カスタマイズが必要となります。パッケージソフトウエアをベースとした当社製品(業種テンプレート)を導入することにより、上記のようなカスタマイズが不要となり、他社でスクラッチ開発注10を行う場合と比べ、顧客企業の費用負担は大幅に抑えることができます。また、当社は鋼材業界、建材・木材卸業界の特徴も熟知しており、導入もスムーズに行えることから、当社製品は好評を博し、2025年3月末現在では811本を超える導入実績となりました。これらの分野も、定期的なバージョンアップによる持続的な需要により、今後も安定的なシェアが見込まれます。また、頻繁に行われる税制の改正などへの対応需要もあり、今後ともパッケージ製品の売上は堅調に推移すると予測されます。 さらに当社は、これらの業種対応のみならず、携帯端末を利用した在庫管理システムや、WEBを活用した受注システム等の周辺システムもあわせて提供しております。鋼材業、木材卸業共通の特徴ですが、入庫した製品を様々な長さで切断するため、在庫管理が複雑なものとなっています。このため、携帯端末を利用し、常に正確な在庫管理をおこなうことを可能としております。また、加工する際の加工賃をWEBから自動計算で行えるようにしたことにより、営業の見積書作成作業の軽減につながり、顧客企業から好評を得ております。このような業界特有の商習慣を踏まえて、柔軟にカスタマイズ対応することにより、顧客企業の業務効率向上をサポートし、今後の拡販を目指してまいります。 ③セキュリティ製品の開発・販売当サービスは、独自にてセキュリティ製品を開発し、ライセンス利用型で販売することに加え、保守サービスを提供しております。主製品の「DEFESA」は、操作のログ管理を主な機能としており、詳細な操作ログ情報の取得を可能とした高い技術を特長としております。特にシンクライアント端末注11を用いた環境に特化した当社独自のログ取得技術としては、APIフックと呼ばれる手法を用いて、OSから出される操作の信号を受信し、記録後すぐにOSに返します。そのため、OSの負荷が小さく、すべての操作ログを収集することが可能です。一般的な技術ですと、OSが記録を行うエージェントと言われる機能上のログを収集する方式となり、この方式ではログ情報が蓄積し、OSの負荷が高くなると言われております。また、オプション機能としてPC操作の画面の動きをすべて録画する機能を準備し、顧客企業の導入シーンに応じて柔軟に機能選択もできるセキュリティ製品となっております。また、もう一つの主力製品である「monoPack」といたしましては、既存のPCにUSBキーを挿入するだけでシンクライアント端末注11として使用のできることが特徴となっており、外部環境においても、政府が推進する働き方改革による在宅勤務をはじめとするテレワークの普及により、企業における仮想化環境注12の導入が進んでおります。このような状況下で、従業員がテレワーク環境で使用するPCを安全に活用するためのセキュリティ強化を目的に、従来は仮想化専用端末を新規に導入する必要がありましたが、当社製品では、既存のPCを活用し大幅にコストが削減できることから、引き合いのピークは落ち着きつつありますが、その優位性は依然として健在であります。 (脚注)番号用語用語の定義注1検証サービス情報システムやカーナビゲーションシステム・スマートフォン等の家電製品のシステム開発工程におけるテスト、検証を実施するサービスの総称。注2国際標準規格ソフトウエアテストのための国際標準規格(ISO/IEC/IEEE29119)を指す。注3組込みソフトウエア家電製品、携帯電話などの電子機器や産業用ロボット等に搭載され、それらの機器を制御するソフトウエアのこと。エンベデット系とも言う。注4エンタープライズ系基幹業務システムのうち、想定顧客や市場区分として「大企業・中堅企業(向け)」「大企業・官公庁(向け)」のもの。注5SIerシステムインテグレーターの略語。ITシステムのコンサルティングから設計、開発、運用・保守・管理までを一括請負する情報通信企業。注6スクリプトコンピューターに対する一連の命令などを記述したもの。コンパイルを必要とするプログラミング言語によるものに対し、より簡易な言語で記述されたものをいう。注7テスト自動化ツールソフトウエア開発における各種テスト活動を自動化するためのツールの総称。たとえば「テスト管理」「テスト設計」「テスト実行」「テスト報告書作成」などの業務を自動化する。注8オープンソースソースコードを商用、非商用の目的を問わず利用、修正、頒布することを許し、それを利用する個人や団体の努力や利益を遮ることがないソフトウエア開発の手法。注9ERP「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「統合基幹業務システム」を指す。注10スクラッチ開発既存の製品や雛形などを流用せずに、まったく新規にシステムの開発を行うこと。注11シンクライアント端末ユーザーが使うクライアント端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処理をサーバー側に集中させたシステムアーキテクチャ、もしくはそのシステムのための専用端末のこと。注12仮想化環境コンピューターなどの物理的な機器(ハードウエア)を、仮想化技術により複数の仮想的な機器に分割し、それぞれを独立に運用する環境のこと。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 単純な動作確認テストや仕様書との比較テストは労働集約的で参入障壁が低く価格競争に陥る可能性 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | なし ソフトウエアテストの中でも単純な動作確認テストや、仕様書との比較テストは労働集約的な作業であり、参入障壁が低い |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 低い |
会社が挙げる主要リスク:テスト・検証市場のアウトソーシング認知度の低さ / テスト・検証サービスの価格競争激化 / 特定取引先への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日本ナレッジは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的な知的財産権に関する情報は公開されていません。事業内容から、これらの無形資産による競争優位性は現時点では確認できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
同社は、主に建築・不動産業界向けのBIM/CIM関連のコンサルティングやソフトウェア提供を行っています。顧客が既存のシステムやワークフローから他社製品へ移行する際には、一定の学習コストやデータ移行の手間が発生する可能性がありますが、そのスイッチングコストの高さは限定的と考えられます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
日本ナレッジの事業モデルには、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認されません。個々の顧客との関係性や提供するソリューションの質が重要であり、プラットフォーム型のビジネスではありません。
コスト優位☆☆☆☆☆
同社は、特定の製造プロセスやサプライチェーンにおける構造的なコスト優位性を持っているという情報は公開されていません。技術サービス業であり、コスト競争力よりも技術力や付加価値が重視されると考えられます。
規模の経済★☆☆☆☆
建築・不動産業界向けのBIM/CIM関連サービス市場は成長していますが、同社が業界全体に対して圧倒的なシェアを持つ寡占状態にあるとは言えません。市場規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは判断し難く、競争環境は比較的緩やかである可能性があります。
- テスト自動化技術日本ナレッジは、テストの自動化サービスを大きな強みとしています。特に、開発技術者を有しているため、高品質で保守性の高い自動化プログラムを自社で開発できる点が他社との差別化要因です。市販ツールでは対応できない領域も、自社開発の「ヘルパーアプリ」で自動化を可能にし、顧客にテスト実行時間の短縮によるコストメリットと、繰り返しテストによる品質担保という付加価値を提供しています。
- エンタープライズ系システムの専門性長年の開発事業で培った販売・購買・在庫管理などの業務知識やシステム構造に関するノウハウが、エンタープライズ系システムの検証において強みとなっています。この分野は業務知識が不可欠で参入障壁が高い一方、一度参入すれば案件の継続率が高く、高収益が見込める得意領域です。
- 国際標準規格への準拠と開発力国際標準規格に準拠したプロセスや品質基準で事業を展開しており、高い信頼性を確保しています。また、多数の開発エンジニアを抱えることで、テスト自動化プログラムの開発力だけでなく、効果の高いテストケースを作成するための「テスト自動化設計力」も高めており、これが同社の最大の強みとなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1)経営方針 当社は行動指針として、「夢や希望をけっしてあきらめない」「実践・実務・実績主義 成功は行動から」「ユーモアを持って笑顔で」を掲げ、「常にお客様の目線で考え、IT技術を通じて顧客の成長に貢献します。」「社員一人一人の能力と価値を尊重し、公平に評価します。」「地域社会、業界、有益な社会事業に貢献し環境・資源の保護に努めます。」「健全な利益を確保し、成長事業に投資し、株主に適切な利益貢献をします。」を企業理念としております。 検証事業・開発事業を両輪とし、顧客満足を追求するとともに、IT技術の高度化が進展する中で、顧客がより安心・安全にITサービスを利用することが出来る社会の実現に貢献したいと考えております。 (2)経営戦略等 当社は、2025年3月期では検証事業が売上高の約7割を占めておりますが、元々の事業は受託開発からスタートしており、社内に多くの開発エンジニアが在籍し、その開発エンジニアのノウハウをソフトウエアの検証にも活用している点が競合検証事業会社との違いであり、テストの自動化の実装作業や自動化ツールを活用する上で、強みとなっております。 今後も、主力の検証事業に関しては、マーケットの拡大に伴い更なる成長が期待できますが、顧客ニーズを充たし、競合他社と差別化を図るためには、費用対効果の高いテストの自動化を行うとともに、これからはAIを取り入れた高度化するシステムの検証技術においても、他社に先んじる必要があります。 開発事業に関しては、ERPパッケージソフトウエア導入時のカスタマイズ受託開発が順調に推移すると考えられます。理由としては基幹業務システムについてスクラッチ開発から、標準的な機能を兼ね備え、品質面において安定している業務用ERPパッケージソフトウエアの利用が主流となり、今後も需要は伸長すると予想されていることがあげられます。また、情報セキュリティ対策の重要性が叫ばれる中で、セキュリティ製品のマーケットも今後大きな伸びが期待できます。当社の場合、自社開発の製品を販売していることから、高い利益率が見込まれ、本事業を伸ばすことで将来の柱として大きな収益貢献も期待できます。 これらを実現していくためには、既存の社内エンジニアを育成・活用するのはもちろんのこと、外部から更に多くの優秀なエンジニアを確保することが重要となります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は事業の目標とする経営指標として売上高成長率、売上高営業利益率を重視しております。売上高成長率は、企業及び事業規模の拡大と継続的な成長を示す指標として、また、売上高営業利益率は本業によって適切な利益が生み出されているかを判断する指標と捉えております。将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、エンジニアの採用・教育による内製比率の上昇による事業の効率化や、販売促進等の推進により、目標の達成に努めてまいります。また、その達成状況の検証のため、技術者数、稼働率、製品販売数、保守契約数などを定期的にモニタリングしております。 (4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題 当社が属するIT関連業界においては、引き続き企業のIT投資が拡大傾向にあるとともに、IoTやAI、RPAなど、最先端のIT技術を活用した新たな市場も立ち上がりつつあります。また、政治的目的や軍事的目的により、日本国内においても、サイバー攻撃の被害が見られ、これらに備えるためにセキュリティ対策を強化する企業も増加しております。さらに企業の働き方改革への対応、DX推進に伴う自動化・効率化・省力化へのシステム投資も続くものと考えております。 このような経営環境の中、当社では、持続的な成長力と強固な経営基盤、財務基盤を確立するために、対処すべき課題を以下のように定め、更なる企業価値の向上に努めてまいります。 ①検証事業における課題 当社の検証事業は、IoTで繋がり得る全ての物のハードウエア開発や情報システム開発を行う顧客企業・SIerが行うシステム開発工程の一部である「システム検証」業務を支援し、テスト・検証サービスを提供しており、システムの品質改善に継続的に貢献する企業を目指しております。 そのためには、品質の見える化が重要と捉えており、ソフトウエア品質の国際規格への取り組みや、テスト自動化への取り組み、ソフトウエア品質を向上させる取り組みなどを積極的に進め、高度で安心安全に使えるICT社会の実現に貢献したいと考えております。 従来は継続的取引先であるSIerへの検証分野のシステム支援として、テスト支援での参画が大きな比率を占めていましたが、今後は顧客企業との直接契約(一次請け)の比率を上げていきます。これは、直接契約(一次請け)案件とすることで、当社裁量によるサービスを提供できる領域を大きくすることが可能になり、その中でのテストの自動化サービスの導入が容易となります。ひいては、案件の継続性や高価格での受注にもつながっていくものと思われます。 また、顧客に必要とされる当社ならではのテスト・検証サービスを提供するには、テスト技術者の確保、教育は重要な課題であると捉えております。一方、従来の正しく動作させるためのテストを主体としたサービス領域に加え、今後成長していくと思われる、安全性、操作性などの利用者品質も重視したテストを行うサービス領域への拡大も重要な課題であると考えております。②開発事業における課題創業から行っております業種特化型の鋼材業・木材卸業向けパッケージソフトウエア事業は、小規模ながら安定した事業となっており、現在は顧客の会社にサーバーを設置して運用するシステムとなっております。今後はクラウド型のパッケージソフトウエアへの移行が課題となります。また、セキュリティ製品の「monoPack」は、働き方改革の中で自宅のPCをシンクライアント化し、テレワークに活用する製品であり、その需要については一旦、落ち着いております。一方で、利用するPCが多様化し、OSの違いやバージョンの違いがあり、個々に動作確認する必要があります。OSのバージョンアップに合わせて当社の製品もバージョンアップしていくことが必要ですが、新しいPCやOSの情報を可能な限り早く入手して迅速に対応できるかが課題となります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1)経営方針 当社は行動指針として、「夢や希望をけっしてあきらめない」「実践・実務・実績主義 成功は行動から」「ユーモアを持って笑顔で」を掲げ、「常にお客様の目線で考え、IT技術を通じて顧客の成長に貢献します。」「社員一人一人の能力と価値を尊重し、公平に評価します。」「地域社会、業界、有益な社会事業に貢献し環境・資源の保護に努めます。」「健全な利益を確保し、成長事業に投資し、株主に適切な利益貢献をします。」を企業理念としております。 検証事業・開発事業を両輪とし、顧客満足を追求するとともに、IT技術の高度化が進展する中で、顧客がより安心・安全にITサービスを利用することが出来る社会の実現に貢献したいと考えております。 (2)経営戦略等 当社は、2025年3月期では検証事業が売上高の約7割を占めておりますが、元々の事業は受託開発からスタートしており、社内に多くの開発エンジニアが在籍し、その開発エンジニアのノウハウをソフトウエアの検証にも活用している点が競合検証事業会社との違いであり、テストの自動化の実装作業や自動化ツールを活用する上で、強みとなっております。 今後も、主力の検証事業に関しては、マーケットの拡大に伴い更なる成長が期待できますが、顧客ニーズを充たし、競合他社と差別化を図るためには、費用対効果の高いテストの自動化を行うとともに、これからはAIを取り入れた高度化するシステムの検証技術においても、他社に先んじる必要があります。 開発事業に関しては、ERPパッケージソフトウエア導入時のカスタマイズ受託開発が順調に推移すると考えられます。理由としては基幹業務システムについてスクラッチ開発から、標準的な機能を兼ね備え、品質面において安定している業務用ERPパッケージソフトウエアの利用が主流となり、今後も需要は伸長すると予想されていることがあげられます。また、情報セキュリティ対策の重要性が叫ばれる中で、セキュリティ製品のマーケットも今後大きな伸びが期待できます。当社の場合、自社開発の製品を販売していることから、高い利益率が見込まれ、本事業を伸ばすことで将来の柱として大きな収益貢献も期待できます。 これらを実現していくためには、既存の社内エンジニアを育成・活用するのはもちろんのこと、外部から更に多くの優秀なエンジニアを確保することが重要となります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は事業の目標とする経営指標として売上高成長率、売上高営業利益率を重視しております。売上高成長率は、企業及び事業規模の拡大と継続的な成長を示す指標として、また、売上高営業利益率は本業によって適切な利益が生み出されているかを判断する指標と捉えております。将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、エンジニアの採用・教育による内製比率の上昇による事業の効率化や、販売促進等の推進により、目標の達成に努めてまいります。また、その達成状況の検証のため、技術者数、稼働率、製品販売数、保守契約数などを定期的にモニタリングしております。 (4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題 当社が属するIT関連業界においては、引き続き企業のIT投資が拡大傾向にあるとともに、IoTやAI、RPAなど、最先端のIT技術を活用した新たな市場も立ち上がりつつあります。また、政治的目的や軍事的目的により、日本国内においても、サイバー攻撃の被害が見られ、これらに備えるためにセキュリティ対策を強化する企業も増加しております。さらに企業の働き方改革への対応、DX推進に伴う自動化・効率化・省力化へのシステム投資も続くものと考えております。 このような経営環境の中、当社では、持続的な成長力と強固な経営基盤、財務基盤を確立するために、対処すべき課題を以下のように定め、更なる企業価値の向上に努めてまいります。 ①検証事業における課題 当社の検証事業は、IoTで繋がり得る全ての物のハードウエア開発や情報システム開発を行う顧客企業・SIerが行うシステム開発工程の一部である「システム検証」業務を支援し、テスト・検証サービスを提供しており、システムの品質改善に継続的に貢献する企業を目指しております。 そのためには、品質の見える化が重要と捉えており、ソフトウエア品質の国際規格への取り組みや、テスト自動化への取り組み、ソフトウエア品質を向上させる取り組みなどを積極的に進め、高度で安心安全に使えるICT社会の実現に貢献したいと考えております。 従来は継続的取引先であるSIerへの検証分野のシステム支援として、テスト支援での参画が大きな比率を占めていましたが、今後は顧客企業との直接契約(一次請け)の比率を上げていきます。これは、直接契約(一次請け)案件とすることで、当社裁量によるサービスを提供できる領域を大きくすることが可能になり、その中でのテストの自動化サービスの導入が容易となります。ひいては、案件の継続性や高価格での受注にもつながっていくものと思われます。 また、顧客に必要とされる当社ならではのテスト・検証サービスを提供するには、テスト技術者の確保、教育は重要な課題であると捉えております。一方、従来の正しく動作させるためのテストを主体としたサービス領域に加え、今後成長していくと思われる、安全性、操作性などの利用者品質も重視したテストを行うサービス領域への拡大も重要な課題であると考えております。②開発事業における課題創業から行っております業種特化型の鋼材業・木材卸業向けパッケージソフトウエア事業は、小規模ながら安定した事業となっており、現在は顧客の会社にサーバーを設置して運用するシステムとなっております。今後はクラウド型のパッケージソフトウエアへの移行が課題となります。また、セキュリティ製品の「monoPack」は、働き方改革の中で自宅のPCをシンクライアント化し、テレワークに活用する製品であり、その需要については一旦、落ち着いております。一方で、利用するPCが多様化し、OSの違いやバージョンの違いがあり、個々に動作確認する必要があります。OSのバージョンアップに合わせて当社の製品もバージョンアップしていくことが必要ですが、新しいPCやOSの情報を可能な限り早く入手して迅速に対応できるかが課題となります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況 当事業年度(2024年4月1日〜2025年3月31日、以下当期)におけるわが国経済は、資源価格の高騰に伴う物価上昇や米国の政策動向に伴う金利変動及び為替動向の影響はあったものの、国内での経済活動の活発化により、景気は緩やかに回復致しました。 当社が属するIT関連業界における企業のIT投資は、幅広い業種にわたり拡大基調が続いており、事業の拡大や競争力の強化を目的としたIT投資の意欲は力強いものがあります。 こうした事業環境の中、当社は、他社と差別化するための独自性のあるサービス提供へ向けた積極的な取り組みや新たな市場の開拓に注力し、企業価値の向上に努めてまいりました。一方で中長期の視点に立った人材投資政策として、新諏訪センターの開設、積極的な人材確保及び社員の待遇向上を目的とした賃金・手当の向上に取り組んだ結果、人件費等が増加致しました。 この結果、当期の売上高は4,154,113千円(前期比1.9%の増加)となり、創立以来の最高額であった前期を上回る結果となりました。また積極的な人材投資により、営業利益は99,369千円(前期比60.4%の減少)、経常利益は115,285千円(前期比56.8%の減少)、当期純利益は82,904千円(前期比59.0%の減少)といずれも大幅減少となりました。 各セグメントの経営成績につきましては、次のとおりです。ⅰ)検証事業 当社の検証事業では、ソフトウエア開発の各工程において、テストの設計及び実行から改善提案に至るまで、顧客企業のソフトウエア品質向上のためのサービスを提供しております。 当期においては、同業他社と差別化を図るために昨年より継続してテストの自動化を推進してまいりました。複数の顧客の自動化を受託し、実績をあげることができました。 その結果、セグメント売上高は2,766,224千円(前期比0.5%の増加)、セグメント利益は493,185千円(前期比2.8%の増加)と増収増益の結果となりました。ⅱ)開発事業 当社の開発事業では、自社開発パッケージソフトウエアの販売・保守及びカスタマイズ、受託システム開発、セキュリティ関連製品の販売・保守が主な事業内容となっております。 当社の開発事業においては、従前より株式会社大塚商会のERP「SMILEシリーズ」の開発及びカスタマイズを中心に行っております。特に鋼材業・木材業向けといたしまして、「SMILEシリーズ」で機能する業種テンプレートを自社開発し、これらの販売・サポートについても、パートナー企業との連携強化に注力し展開してまいりました。 また、諏訪センターにおいて複数の大手ベンダー製パッケージソフトウエアの受託開発を手掛けており、開発の対象の幅を広げることにより受注の安定につなげております。 その結果、セグメント売上高は1,387,889千円(前期比4.8%の増加)、セグメント利益は211,305千円(前期比36.6%の減少)と増収減益の結果となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ2,177千円増加し、2,124,151千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べ124,987千円減少し、1,392,537千円となりました。主な要因は、現金及び預金が110,188千円減少したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末に比べ127,165千円増加し、731,613千円となりました。主な要因は、新諏訪センター建設に伴う建物の増加322,517千円によるものであります。(負債)当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ282,128千円減少し、691,110千円となりました。主な要因は、短期借入金の減少200,000千円によるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べ228,851千円増加し、293,838千円となりました。主な要因は、長期借入金の増加229,975千円によるものです。(純資産)当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ55,454千円増加し、1,139,202千円となりました。これは主に、当期純利益82,904千円の計上などによって繰越利益剰余金が52,633千円増加したためであります。③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)は、前事業年度末に比べ110,188千円減少し、672,487千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と各増減要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は53,900千円となりました。これは主に、仕入債務の減少47,308千円や法人税等の支払額77,013千円があったものの、税引前当期純利益119,780千円の計上や売上債権及び契約資産の減少40,843千円があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は167,081千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出158,636千円があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は2,992千円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出200,000千円、社債の償還による支出20,000千円、配当金の支払による支出27,565千円の一方で、長期借入れによる収入300,000千円があったことによるものであります。 (2)生産、受注及び販売の実績① 生産実績 当社の提供するサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。② 受注実績 当社では、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。③ 販売実績 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)検証事業(千円)2,766,224100.5開発事業(千円)1,387,889104.8合計(千円)4,154,113101.9 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりでありま す。 相手先前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)(株)大塚商会1,144,09828.11,239,82529.8 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積による不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。 財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析(売上高) 当事業年度の売上高は、4,154,113千円となり、前事業年度に比べ77,404千円増加(前期比1.9%の増加)となりました。これは検証事業・開発事業の両事業において堅調に拡大したことに加え、特に開発事業においては、製品の受注が増加したことによるものであります。(売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上原価は、3,449,623千円となり、前事業年度に比べ186,101千円増加(前期比5.7%の増加)となりました。また、売上総利益は704,490千円となり、前事業年度に比べ108,697千円減少(前期比13.4%の減少)となりました。売上総利益率については、当事業年度で17.0%となり、前事業年度に比べて2.9ポイント低下いたしました。(販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は605,121千円となり、前事業年度に比べ42,800千円の増加(前期比7.6%の増加)となりました。これは主に、給料及び手当が11,727千円、支払手数料が32,066千円増加したことによるものであります。 この結果、営業利益は99,369千円となり、前事業年度に比べ151,498千円の減少(前期比60.4%の減少)となりました。営業利益率については、当事業年度で2.4%となり、前事業年度の6.2%に比べて3.8ポイント低下いたしました。(経常利益) 当事業年度において、助成金収入14,020千円及び受取家賃1,923千円を含め営業外収益を19,598千円計上いたしました。一方で支払利息など営業外費用を3,681千円計上いたしました。この結果、経常利益は115,285千円となり、前事業年度に比べ151,464千円の減少(前期比56.8%の減少)となりました。(当期純利益) 当事業年度において、税引前当期純利益は119,780千円(前期比55.1%の減少)となり、法人税等が36,876千円計上された結果、当期純利益は82,904千円(前期比59.0%の減少)となりました。 b.財政状態の分析 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 c.資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社は、中長期的に持続的な成長を図るため、従業員等の採用に係る費用や、人件費等の製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。 当事業年度における資金の主な増減要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、経常的な運転資金や事業規模拡大による設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。 d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等 当社は、「常にお客様の目線で考え、IT技術を通じて顧客の成長に貢献します。」「社員一人一人の能力と価値を尊重し、公平に評価します。」「地域社会、業界、有益な社会事業に貢献し環境・資源の保護に努めます。」「健全な利益を確保し、成長事業に投資し、株主に適切な利益貢献をします。」を企業理念のもと、優秀な人材を集め、市場で必要とされる製品・サービスを創造し、それらを利用頂くことにより社会貢献してまいりたいと考えております。そのために、当社は高い収益性をもって成長し続けることを目標としており、成長性と収益性、効率性のバランスを取りながら経営を行ってまいります。 具体的な目標と致しまして、売上高成長率、売上高営業利益率を掲げております。売上高成長率は、企業及び事業規模の拡大と継続的な成長を示す指標として、また、営業利益率は本業によって適切な利益が生み出されているかを判断する指標として重視しております。これらの指標を高水準で維持していくことを目標とし、企業価値の最大化を図ってまいります。なお、直近2事業年度の代表的な指標の予想値、実績値及び達成率の推移は以下の通りであり、引き続き堅調に増加拡大するものとみております。 前事業年度当事業年度 予想実績達成率予想実績達成率売上高成長率(%)112.7114.8101.9111.7101.991.2売上高営業利益率(%)6.06.2103.32.62.492.3
事業リスク
- テスト・検証市場の認知度システム検証市場は拡大傾向にあるものの、顧客企業においてテスト・検証業務を外部に委託する認識がまだ低い可能性があります。もしアウトソーシングの認知が進まなかったり、機密保持などの理由で内製化志向が強まったり、IT投資が抑制されたりした場合、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
- 競合激化と価格競争ソフトウェアテストの中でも単純な動作確認テストなどは参入障壁が低く、価格競争に陥る可能性があります。現時点では競合が少ないと推定されていますが、資金力やブランド力を持つ大手企業が新規参入したり、既存競合が強化されたり、価格競争が激化したりした場合、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
- 受託開発プロジェクトのリスク受託開発プロジェクトでは、開発段階での管理問題、想定外の開発範囲拡大、作業工数増加などにより、不採算プロジェクトとなるリスクがあります。当社はプロジェクト管理の強化に取り組んでいますが、不採算プロジェクトが発生した場合、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、検証事業や開発事業における顧客との契約不適合責任や損害賠償請求のリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については、積極的に開示しております。 なお、本項に記載している将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクの全てを網羅していることを保証するものではありません。 1.事業に関連するリスク(1)事業環境について①テスト・検証市場について(可能性 小 影響度 中)当社の検証事業は、ハードウエアメーカーやソフトウエアベンダーの社内で開発段階において行われている「テスト・検証」業務をアウトソーシングとして受託するという市場で事業展開をしております。当該システム検証市場は、顧客企業の品質意識の高まりや、高度化するシステムの検証技術の複雑化、対応する技術者不足といった社会的背景から拡大傾向にあり、今後もこの傾向は継続するものと当社では見込んでおります。しかしながら、顧客企業において当該システム検証業務をアウトソースするという認識が一般的にはいまだ低いものと当社では考えており、今後もシステム検証が独立した業務として認知されなかった場合、また機密保持等の理由から顧客における内製化志向が継続あるいは強化された場合や、国内外の景気動向や為替市場の急激な変動等に伴う顧客企業のIT投資の抑制が発生した場合は、システム検証業務のアウトソーシングが拡大しないことになります。かかる場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②テスト・検証サービスのマーケットと競合の状況について(可能性 中 影響度 大)当社は国際規格への取り組みや独自のテスト手法への取り組みなどにより、テスト・検証サービスにおける競合他社との差別化を図っておりますが、ソフトウエアテストの中でも単純な動作確認テストや、仕様書との比較テストは労働集約的な作業であり、参入障壁が低いため、価格競争に陥る可能性があります。現時点ではテスト・検証サービスを専門にアウトソーシング事業として受託している企業数は数十社程度であると当社では推定しておりますが、現在においては、テストのアウトソースの認知が低いことから、マーケット規模に対して参入している企業が少ないため、同業他社との厳しい競合状態が発生しているという段階には達していないものと思われます。また、対応策といたしまして、a)幅の広い業種・業態・規模の顧客との取引拡大、b)開発技術・検証技術の活用範囲の拡大による顧客企業のアウトソーシングの促進、c)国際規格、独自のテスト手法への取組みなどにより、テスト・検証サービスにおける競合他社との差別化を図っております。しかしながら、資金力・ブランド力を有する大手ソフト開発会社等の有力企業がテスト・検証マーケットの価値を認知して新たに参入してきた場合、あるいは競合するテスト・検証サービスを行う企業の当該部門が強化された場合、またテスト・検証マーケットの価格競争が当社の予想を超えて厳しさを増した場合等には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③セキュリティ製品市場について(可能性 中 影響度 中)当社の開発事業の将来の柱であるセキュリティ製品市場は、対象となる範囲が広く、他社製品も各々得意分野を中心に対応する機能を拡張することで競合する場面が増えています。例えば資産管理ソフトがネットワーク監視やアクセス制御の機能を有するなどです。当社は仮想化環境に特化し、且つ価格競争力を持った製品を投入し、他社との差別化を図っていますが、この分野での競合製品も多く、特に大手のパッケージソフトベンダーが同分野に注力した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④システム受託開発について(可能性 小 影響度 大)当社は、一定の規模以上の受託開発プロジェクトに対し「当該プロジェクトに関与しない者による見積りの適正性に関するレビュー」を実施するとともに、プロジェクト開発手法の標準化推進、プロジェクト管理者の育成等、プロジェクトの品質向上及び管理体制の強化に継続して取組んでおります。また、プロジェクト毎の進捗確認と収支管理を徹底するとともに、一定規模以上のプロジェクトを重点監査の対象としております。さらに、取締役会におきましても、仕掛プロジェクトの収支報告の確認を月次で行っております。しかしながら、受託開発プロジェクトでは、受託時に適正な採算が見込まれると判断したプロジェクトであっても、開発段階におけるプロジェクト管理の問題、想定外の開発範囲の拡大及び作業工数の増加等の理由により不採算プロジェクトとなることがあり、その場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(2)顧客との紛争の可能性について①業務の責任範囲について(可能性 小 影響度 中) 検証事業において、顧客企業が当社のテスト・検証サービスを経て販売する製品・システムの中に不具合があった場合には、顧客企業が多額の回収費用を投じて回収を余儀なくされる可能性があります。当社の現在のサービスは製品・システムそのものの品質を保証しているわけではなく、当社が行ったサービスの範囲の中で責任を負う形態となっております。 しかしながら当社のサービス提供形態のうち、現在中心となっております、顧客企業の開発施設に当社人員を常駐させるテストサービスにおきましては、契約書に具体的な作業範囲や作業項目を詳細に記載しておりません。この理由は、テスト検証という業務の性格上、顧客製品の品質や、その開発スケジュールの進捗度合によって、テストの範囲や優先順位が影響を受け、臨機応変に対応する必要があるためです。 このため当社では、顧客の作業範囲及び作業項目が変更となる度に、顧客責任者とテスト範囲やテストスケジュールについて話し合いを行い、当社の責任範囲を明確にすることで、顧客企業との紛争を未然に防止しております。更に成果物責任を定めない準委任契約を中心に締結することとし、リスクのヘッジを図っております。 また、顧客企業より委託された製品・システムを、当社の専用施設内で検証する形態でのサービスにおいては、具体的な作業範囲、作業項目等を明確にした詳細な見積仕様書等を作成し、顧客に当社の責任範囲を明示しております。 以上のような対策を講じてはおりますが、当社の提供したサービスが顧客の求める品質を満たせず、なおかつ迅速・適切な対応ができなかった場合においては、顧客企業との業務委託契約に基づく契約不適合責任等に基づき、クレームを受け、業務委託に関する契約が解約、あるいは多額の損害賠償請求を受ける可能性があります。 開発事業においては、当社のパッケージソフト製品の潜在的な不具合が顧客企業において顕在化し、結果的に障害を引き起こし、顧客企業のビジネスに影響を与えた場合、顧客企業より損害賠償を求められる可能性があります。このような場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②顧客情報の機密保持について(可能性 小 影響度 中) 当社が提供するサービスの中でもテスト・検証サービスでは、ハードウエアメーカーやソフトウエアベンダーの新製品開発部門に当社社員が常駐し、顧客の開発担当者と共同で作業を行うことが主体となっております。したがって、当該部門に常駐する社員は恒常的にハードウエアメーカーやソフトウエアベンダーの新製品情報を知り得る立場にあります。 また、鋼材業向けのパッケージソフトのカスタマイズ業務では、基幹システムとの連携が必要となり、顧客企業の機密情報に触れることになります。 このため当社では、ISO27001(ISMS)の認証取得、プライバシーマークの付与認定取得による情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。 また、情報漏洩、不正アクセスの増加などの社会情勢及びテレワークに対応すべく、開発環境、製品サービス環境、設備などのセキュリティ強化を推進し、入社時研修以降継続的に情報セキュリティについての教育を実施しております。さらに協力会社の社員につきましては、機密保持契約並びに個人情報の取扱いに関する覚書を締結し、対策を講じております。 しかしながら、万一情報漏洩が発生した場合には、顧客企業からクレームを受け、業務委託に関する契約が解約、あるいは損害賠償請求を受ける可能性があり、かかる場合には当社は業界において信用を失い、また当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)特定取引先への依存について①主要取引先との取引について(可能性 小 影響度 大)当社の主要取引先である株式会社大塚商会グループの最近における当社売上高に占める割合は、2023年3月期(29.2%)、2024年3月期(32.9%)、2025年3月期(32.6%)となっております。 検証事業においては、株式会社大塚商会の多数の社内システムに対し、検証・テスト業務を行っております。 また開発事業においては、同社グループからの発注でエンドユーザー向けSMILEのカスタマイズ開発の受託しております。また当社は、同社グループからSMILEの利用許諾を受けて 自社製品(「Power Steel」、「Power Cubic」)を開発・販売しており、同社グループがこれらの代理店となっていることから、検証事業・開発事業ともに、同社グループに対する売上依存度が高くなっております。 現状では、株式会社大塚商会は当社の大株主でもあり、取引は安定的に推移しておりますが、今後の事業動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 対策といたしまして、テスト自動化の拡充による新規顧客の獲得、サービスの拡充により、特定顧客への依存度の低下を図ってまいります。 ②大手システムベンダー等との取引について(可能性 小 影響度 大)当社は、大手システムベンダー等の開発するパッケージシステムに対して、エンドユーザー向けカスタマイズ開発を行っております。大手システムベンダー等とは継続的で良好な関係を築いておりますが、今後大手システムベンダー等のパッケージシステム開発や社会環境の変化等の要因により、大手システムベンダー等との取引に著しい変動があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 対策といたしまして、大手ベンダー等で取り扱うパッケージシステムの取引の幅を広げ、様々なパッケージ変更に対応し、上記リスクの低下を図ってまいります。 ③大手SIer企業及び大手販売代理店との取引について(可能性 小 影響度 中) 当社は、セキュリティ製品の代理店として大手SIerやその大手販売代理店を販路として活用しております。いずれの企業とも継続的で良好な関係を築いておりますが、今後社会環境の変化等の要因により、大手SIerとその大手販売代理店と当社の取引に著しい変動があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 対策といたしまして、当社直接販売の拡大により、特定顧客への依存度の低下を図ってまいります。 ④協力会社への依存について(可能性 小 影響度 大)当社検証事業においては協力会社の比率が比較的高い状態となっていますが、代替不可能な特定の協力会社に偏っている状況ではありません。多くの協力会社と提携し選定しつつ技術者の確保に注力をしております。今後当社の想定通りに自社工数への切替が進まなかった場合に利益率に影響を与える可能性や、予期せぬ大口の協力会社との取引の解約、また条件の改悪等があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対策といたしまして、採用による技術者の確保及び、協力会社の経営状況等を定期的に収集することにより、リスクの低減を図ってまいります。 (4)知的財産権について(可能性 中 影響度 大) 当社事業において知的財産権の重要性は高いと認識しており、特許・商標等の知的財産権に関する権利の申請を行っております。このような取組みのもと、現時点におきまして、検証事業における特許を保有しております。 しかしながら、当社の事業が第三者の知的所有権に抵触し、第三者から当社に対し正当な権利主張がなされた場合や法的手続きでそれが認められた場合には、損害賠償義務の負担や、当該知的所有権を継続使用するための負担の発生、又は当社事業の一部もしくは全部の遂行ができなくなる可能性があります。 (5)繰延税金資産について(可能性 小 影響度 中) 現在の会計基準では、ある一定の状況において、今後実現すると見込まれる税金費用の減少を繰延税金資産として計上することが認められております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。 当社が、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社の繰延税金資産は減額され、その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.人材の確保、育成について(1) 人材の確保、育成について(可能性 中 影響度 大) 当社の開発事業・検証事業において業容を充実、拡大させるためには、技術者を中心に常に十分な数の優秀な人材を確保しなければなりません。また、技術者には高度の知識・技術・経験が要求されるため、一定期間の導入教育と日進月歩で変化しているICT関連機器、産業機器、スマートフォンやタブレットをはじめとした各種IT機器等のハードウエア、ソフトウエアに対応する継続教育が不可欠であると認識しております。かかる教育を適時に遂行できない場合、顧客から要求される技術レベルに達せず、当社の業務遂行に支障が生じる可能性があります。 現在、新卒学生採用及び中途採用の両面において、独自の採用基準を用いてテスト・検証業務の技術者として素養のある人材の採用、および採用後の教育を重点的に実施しておりますが、市場の拡大に見合った人員の確保・育成ができなければ、事業の拡大ができない可能性があります。その場合、提供するサービスの質が低下し、当社の事業活動に支障が生じる可能性があります。採用した要員については、適時、テスト・検証業務の技術的教育期間を設けてまいりますが、追加的に教育期間が発生する場合があります。 また、新規顧客の獲得のため営業要員の確保に努めておりますが、市場の拡大に見合った人員の確保ができなければ、新規顧客の拡大に支障が生じる場合もあります。 (2) 人件費の増加について(可能性 中 影響度 大) 当社が展開している検証事業、開発事業にかかる売上原価の大半は、技術者の人件費となっております。近年IT投資の促進と技術者不足に伴い、技術者の人件費が高騰している中、当社は積極的に優秀な技術者の確保を目指しております。受注とのバランスから技術者の確保が先行すると一時的に人件費が増加し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、全社的に技術力を向上させ、高価格案件にシフトしていくことにより、利益を確保していくことで対応してまいります。 3.労働者派遣法による規制について(可能性 小 影響度 中) 当社の検証事業及び開発事業においては準委任契約による業務受託が主な形態となっておりますが、顧客の需要にきめ細かく対応するため、一部の業務において労働者派遣を行っております。 労働者派遣事業の許認可や派遣可能な業務・期間等は、労働者派遣法及び関連諸法令の規制を受けております。当社は、労働者派遣法に基づく一般労働者派遣事業許可を取得しております。労働者派遣法には、派遣事業を行う事業主が欠格事由及び当該許可の取消事由に該当した場合に、期間を定めて当該一般労働者派遣事業の全部又は一部の停止を命じることができる旨が定められております。 労働者派遣法は2015年9月30日より改正され、派遣元で無期雇用されている派遣労働者に対しては、派遣期間の制限が事実上撤廃されましたが、今後も労働者派遣法及び関係諸法令の改正又は解釈の明文化等が行われた場合、また契約時では適正な請負体制であっても、その後の状況の変化などで偽装請負の可能性が生じた場合は、派遣売上に影響を及ぼす可能性があります。 4.配当政策について(可能性 小 影響度 中) 当社では、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要な課題の一つとして位置付けております。配当政策につきましては、将来の成長に向けた投資のための内部留保を確保しつつ、業績に応じた安定的な配当を実施することを基本方針としております。しかし、事業環境の急激な変化などにより、当社の目指す安定的な配当を実施できなくなる可能性があります。 5.資金使途について(可能性 小 影響度 中) 当社は、先般実施いたしました公募増資による調達資金の使途につきましては、優秀な人材獲得のための採用費及び教育費に充当する計画であります。 しかしながら、急速に変化する経営環境に対応するため、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画通りに使用された場合でも、想定通りの効果が得られない可能性があります。 なお、資金使途や支出予定時期の変更を行う場合は、適切に開示を行います。 6.代表者への依存について(可能性 小 影響度 大) 当社の代表取締役である藤井洋一は、当社創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。同氏は、検証事業及び開発事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、遂行において極めて重要な役割を果たしております。 当社では、取締役会や幹部会議等における役員及び幹部社員間の情報共有や経営組織の強化を図ることで、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7.自然災害、未知ウイルス等の感染拡大、事故、有事等の発生について(可能性 小 影響度 中) 当社の人的物的資源は東京、札幌、つくば、成田、郡山、諏訪、名古屋と分散しておりますが、地震・火災等の自然災害、それに伴う人的資産や有形資産に影響を受ける可能性があります。当社では、役員・全従業員の生命・安全の確保はもとより、被災に耐えうる物理的環境の整備に努めるとともに、感染症の流行に対しては健康被害の防止と重要業務の継続を念頭に全社的な対応を行うように努めております。しかし、想定外の感染拡大や被災によって、被災中の業務継続、被災からの復旧が上手くいかず、当社の業務継続、業績等に影響を及ぼす可能性があります。 また、自然災害以外の事象を契機とする事故・事件やテロ・国際紛争等が発生した場合、有事の影響により業務中断や業務不能の事態を招くことで、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。