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ドリーム・アーツ(4811)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • SaaSプロダクト提供
    ドリーム・アーツは、企業向けのSaaS(Software as a Service)プロダクトを提供しています。これは、ソフトウェアをインターネット経由で提供し、利用者は購入ではなく月額料金を支払う形式です。主なプロダクトには、ノーコード開発ツールの「SmartDB®」、社内ポータル構築ツールの「InsuiteX®」、チェーンストア向け情報共有ツールの「Shopらん®」があります。これにより、企業は初期投資を抑えつつ、常に最新の機能を利用できます。
  • 大企業向けDX支援
    同社は、大企業の生産性向上と創造的な働き方を実現するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援しています。特に、IT人材不足に悩む大企業向けに、プログラミング不要で業務アプリケーションを開発できるノーコードツール「SmartDB®」を提供。現場担当者が自らシステム開発を進めることで、開発期間の短縮やアナログ業務のデジタル化を促進し、企業全体のDX推進に貢献しています。
  • ストック収益が柱
    収益構造は、月額利用料として継続的に得られる「ストック収益」が中心です。クラウド事業のSaaSプロダクト利用料や、オンプレミス事業のソフトウェアメンテナンス料がこれに該当します。これにより、安定した収益基盤を築いています。一方で、パッケージソフトウェアのライセンス料やシステム開発・導入支援などの「スポット収益」も存在し、多様な顧客ニーズに対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • クラウド事業
    この事業は、自社開発したアプリケーションソフトウェアをSaaS(Software as a Service)形式で提供しています。主なプロダクトは、業務デジタル化ツールの「SmartDB®」、企業ポータル構築ツールの「InsuiteX®」、チェーンストア向け情報共有ツールの「Shopらん®」、そして特定顧客向け開発運用一体型サービスの「DCR」です。売上高は44.69億円、営業利益は18.07億円と、最も収益性の高い主力事業であり、月額利用料がストック収益の柱となっています。
  • オンプレミス事業
    この事業では、パッケージソフトウェアの提供とメンテナンスを行っています。具体的には、「SmartDB®」や「INSUITE®」といったプロダクトが含まれます。ソフトウェアのメンテナンス料がストック収益となり、パッケージソフトウェアのライセンス料がスポット収益となります。売上高は5.25億円、営業利益は2.36億円で、クラウド事業に次ぐ規模ですが、安定した収益源の一つです。
  • プロフェッショナルサービス事業
    この事業は、クラウド事業およびオンプレミス事業に関連するシステム開発・改修、導入支援、各種作業などの労働集約型業務を提供しています。顧客のシステム導入や活用をサポートするサービスであり、スポット収益となります。売上高は6.60億円、営業利益は1.15億円で、他の事業をサポートしつつ、顧客満足度向上に貢献しています。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CloudBusinessReportableSegment 地域 45 18 40.4%
OnPremisesBusinessReportableSegment 地域 5 2 44.9%
ProfessionalServiceBusinessReportableSegment 地域 7 1 17.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|11,914 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、当社(株式会社ドリーム・アーツ)および連結子会社1社(夢創信息(大連)有限公司)により構成されており、「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」というミッションを掲げ、企業の生産性を向上し、創造的な働き方を実現する大企業向けSaaS(注1)プロダクト(ノーコード開発(注2)ツール「SmartDB®」、社内ポータル構築ツール「InsuiteX®」、チェーンストア向け情報共有ツール「Shopらん®」)および特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービス「DCR(DX Custom Resolution)」の提供を行っております。なお、連結子会社である夢創信息(大連)有限公司は、当社製品の開発・テスト・サポート業務のみを行っており、開発拠点の一つとして位置付けております。 <当社グループの展開する事業セグメントとその概要>当社グループは、展開する事業を「クラウド事業」「オンプレミス事業」「プロフェッショナルサービス事業」の3セグメントに区分しております。クラウド事業およびオンプレミス事業のソフトウェアメンテナンスがストック収益であり、オンプレミス事業のパッケージソフトウェアとプロフェッショナルサービス事業がスポット収益となります。 事業セグメントプロダクト・サービスストック収益スポット収益クラウド事業SmartDB®InsuiteX®Shopらん®DCR(DX Custom Resolution)月額利用料-オンプレミス事業SmartDB®INSUITE®パッケージソフトウェアのメンテナンス料パッケージソフトウェアのライセンス料プロフェッショナルサービス事業--クラウド事業およびオンプレミス事業にかかるシステム開発・改修、導入支援、各種作業などの労働集約型業務 事業セグメントごとの事業内容は以下の通りとなります。 (1)クラウド事業自社開発したアプリケーションソフトウェアをSaaSの形態で提供する事業。提供するサービスは、幅広い業界で利用される「ホリゾンタルSaaS(注3)」と、特定の業界で利用される「バーティカルSaaS(注4)」、および特定顧客向け開発運用一体型サービス「DCR(DX Custom Resolution)」に区分しております。 サービスの種別プロダクトの名称概要①ホリゾンタルSaaSSmartDB®(スマート・デービー)業務デジタル化のためのノーコード開発ツールInsuiteX®(インスイート・エックス)企業ポータル構築ツール②バーティカルSaaSShop(ショップ)らん®チェーンストア向け情報共有ツール③特定顧客向け開発運用一体型サービスDCR(DX Custom Resolution)企業固有の戦略要件に基づくシステムを開発し、クラウド基盤上で運用しつつ、継続的な機能拡張開発を行う ホリゾンタルSaaSおよびバーティカルSaaSは月額利用料形式で提供しており、基本利用料で利用開始できますが、利用人数や用途に応じて、ユーザーライセンス、バインダー(データベース)ライセンス、各種オプションなどを組み合わせることが可能です。また、DCRは開発するシステムの要件の個別性が高いため、内容に応じてサービス料を定めております。 ①ホリゾンタルSaaSホリゾンタルSaaSとして「SmartDB®」及び「InsuiteX®」を提供しております。 (a)SmartDB®(スマート・デービー)当社グループが提供する「SmartDB®」は、プログラミング不要の「ノーコード開発ツール」です。直感的な操作と簡易な設定により、非IT人材による業務アプリケーションの開発を可能とすることを目指しております。大企業の業務デジタル化が遅れている背景にはIT人材の不足があり、当社グループはノーコード開発ツールによってIT人材不足を解消し、大企業のデジタル化を支援していきたいと考えております。また、ノーコード開発ツールは、業務に精通した現場担当者がシステム開発を推進することによって、要件定義や仕様設計などの開発プロセスを短縮し、開発生産性の向上を図ることができるものと考えております。さらには、現場部門が自ら「業務デジタル化」を推進することで、これまで放置されていたアナログ業務のデジタル化が進み、DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた企業文化や組織風土の変革に取り組みやすい環境をつくることにつながるものと考えております。「SmartDB®」は、ノーコード開発ツールでありながら、受託開発にも引けを取らない高度な機能を備えているものと認識しております。そのため、単純なデータベースやワークフローといった標準的なものから、ERP(注5)のフロントシステム(注6)や、生産管理・在庫管理などの基幹業務を支えるサブシステムに至るまで、幅広い領域で活用することができるものと考えております。従来は、こうしたミッションクリティカルシステム(注7)の周辺領域もシステムインテグレーターが担うこととされておりましたが、ノーコード開発ツールの活用により、現場主導で開発・運用することが可能となるため、投資効率の向上とビジネス環境への機動的な対応を同時に実現することができるようになります。なお、システムインテグレーターが開発基盤としてノーコード開発ツールを活用し、開発プロセスやシステム運用の効率化を図ることもあります。「SmartDB®」の競合優位性は、優良な顧客基盤、豊富な導入実績、大企業における業務デジタル化ノウハウおよび運用ノウハウの蓄積により築かれております。これらの顧客基盤と導入実績を通じて、多様な業務へ適用する過程で蓄積されたノウハウは、製品機能の継続的な強化に活用されております。こうした機能強化の積み重ねにより、大規模組織に求められる高度な権限管理や複雑な業務プロセスを伴うクリティカルな業務への適用を可能とする機能の網羅的な実装が実現されております。導入フェーズにおいては、業務デジタル化を短期間で成功に導くことを目的に、課題ヒアリングから初期設定、操作トレーニング、アプリケーション開発支援、運用・展開方法の検討支援、事務局支援に至るまで、一貫した導入支援体制を構築しております。あわせて、社外パートナーによる支援体制の拡充も進めております。また、導入後の活用促進に向けては、「SmartDB®」の認定資格であるSCS(SmartDB Certified Specialist)の取得制度やユーザー同士が活用事例やノウハウを共有する交流会などのコミュニティを企画・運営しており、継続的な利活用を支える仕組みを強みとしております。 (主な機能)企業内の活動は、起案・起票、承認決裁、決裁情報の保管・活用というプロセスをたどります。そのため企業内で利用する業務アプリケーションは、「入力フォーム」(データを入力するインターフェイス)、「ワークフロー」(入力データの承認・意思決定プロセス)、「データベース」(データの蓄積および活用)という3つの機能で構成されることとなります。SmartDB®は、これらの機能をプログラミングすることなく簡単に開発することを目指しております。 ・入力フォームおよびデータベース作成機能予め用意された25種類のパーツをドラッグ&ドロップ操作で配置し、入力フォームとデータベースを自動的に作成する機能を備えております。 ・ワークフロー設定機能大企業が必要とする複雑な業務プロセス(条件分岐、合議、並行承認、差し戻し、他部署回覧など)を設定する機能を備えております。例えば、金額や組織などの条件に基づいて承認ルートを判別・分岐したり、複数の部門や担当者が並列で承認したり、特定のワークフローの承認をトリガーとして他のワークフローを開始したりと、多様なプロセスの構築を可能とすることを目指しております。・データベース活用機能SmartDB®に投入されたデータを、様々な形式の表やグラフとして表示することで、分析ツールとしての活用が可能になると考えております。また、データとともに格納されたワード、エクセルなどのファイルも全文検索の対象としているため、必要な情報へ効率的にアクセスすることができるものと考えております。そのほか、あらかじめ用意されたフォーマットに合わせて出力する帳票作成ツールとして活用することも目指しております。 ・ダイナミックブランチ機能SmartDB®上で開発した複数の業務アプリケーションやデータベースに親子関係を持たせ、動的(ダイナミック)に連携する機能を備えております。複数のプロセスにまたがる業務やデータを結合し、一元的に管理することで、複雑な要件のERPフロントシステムや、基幹業務を支えるサブシステムなど、幅広い領域での活用を可能とすることを目指しております。 ・セキュリティ関連機能同じ入力フォームやデータベース内であっても、項目ごとに閲覧権限を設定する閲覧制限機能を備えております。そのため、機密性の高い情報を含む業務プロセスを、セキュリティを確保しながらデジタル化することが可能となると考えております。また、IPアドレス制限や二段階認証によって第三者からの不正なアクセスを防止するほか、業務プロセスの承認履歴などのログ出力機能を備えており、内部統制や各種監査の要求を満たすシステムの開発を可能とすることを目指しております。 ・他システムとの連携機能他社が提供するSaaSと連携するための機能や、外部システムとの連携に必要なAPI(注8)を用意しており、高度な業務自動化の実現を目指しております。なお、他システムとの連携に関しては、専門的な技術を要することが多いため、当社もしくはシステムインテグレーター等での対応が一般的となっております。 ・日本企業の海外展開をサポートする機能 製造業をはじめとする大企業は、国内拠点だけでなく海外拠点のDX化も推進する必要があります。そのため、海外拠点のDXを加速させるための機能拡張を進めています。具体的には、以下のような機能を強化しています。 ・AI翻訳による20か国以上の言語への対応 ・「EU一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)」などの各国・各地域の法規制に  基づく規約同意の収集 ・各拠点からのアクセス経路を識別し、適切なデータの閲覧・編集権限を付与 ・24時間365日の無停止運用 ・BYOK(Bring Your Own Key)セキュリティソリューション ユーザーが自ら管理する暗号鍵を用いて、SmartDB®上で取り扱うデータを暗号化・保存する機能です。暗号鍵をユーザー側で保持するため、当社および当社が利用するインフラ基盤を提供する電気通信事業者は保存データを復号することができず、ユーザーのみが内容を閲覧できる高いセキュリティレベルを実現します。これにより、行政機関、金融機関、医療機関など、厳格な情報保護が求められる分野において有効なデータ保護手段を提供します。 ・AI活用構想「DAPA(DreamArts Practical AI)」に基づく機能群 SmartDB®が備えるデータベース機能と、役割や属性ごとの権限に基づき設計された業務フローを基盤として、業務プロセスにAIを統合する機能拡張を進めております。これにより、現場部門は自らの権限に応じてAI活用を設計し、適切なガバナンスのもとで業務プロセスへAIを安全に導入することが可能となります。当社グループは、これらの拡張機能を通じて、企業の意思決定の質向上および業務効率化を支援することを目指しています。  ・AIプロンプト・データベース機能:市民開発者が作成・改善したAIプロンプトを一元管理・統制する仕組みの提供。 ・AIプロンプト呼出ロボット機能:業務プロセスに組み込まれたAIが自動的にチェック・アシスト・サジェストを実行。 ・セキュリティフィルタリング機能:プロンプトを監視し、情報漏洩や不適切な指示などのリスクを自動で検知・遮断。 ・トークン課金管理・利用モニタリング機能:AIの利用状況を可視化し、管理者による利用制御とコスト最適化を実現。 ・コラボレーター機能  取引先や協力会社などの社外パートナーを「コラボレーターアカウント」としてSmartDB®に安全に招待し、社内外をまたぐ業務を一元管理できる機能です。サプライチェーンのグローバル化やDXの進展、セキュリティリスクの高まりを背景に、企業間での安全な情報共有と業務プロセスの構築が求められています。現在50万名超の社外パートナーとの連携を可能とする基盤と、柔軟なアクセス権限設定を可能とする環境を提供しており、今後も社外連携を支える関連機能の拡張を進めてまいります。 これらの機能拡張やサービスの向上を通じて、日本企業のグローバル市場での競争力を強化し、持続的な成長を支援してまいります。 (標準的業務の例)導入部門内容全社共通稟議申請、ワークフロー、報告書管理、取引先情報管理、通知通達管理人事・労務人事発令、目標管理、時差勤務申請、入退社管理、派遣社員管理総務・法務 社内規程管理、備品管理、契約書管理、知財管理、会議資料管理財務・経理経費精算、購入申請、証票証跡管理、マスタ管理、工数管理広報・販促イベント管理、リード管理、広告販促予算管理IT・情報システム FAQ管理、IDアカウント管理、PC・モバイル端末管理営業・販売営業レポート管理、案件管理、提案書管理、製品資料管理お客様サポート商品FAQ、問い合わせ管理、クレーム・リクエスト管理開発・製造ヒヤリハット管理、新製品アイデア管理、製品文書管理、工程管理  経費精算などの領域は多くのSaaS企業が提供しておりますが、導入企業において機能が不足していると判断した場合は、その要件を諦めるか、カスタマイズを行う必要があります。SmartDB®は豊富な機能を持つノーコード開発ツールのため、多くの場合でカスタマイズなしに機能要件を満たすことができるものと考えております。また、経費精算とワークフローを同時に導入する場合は、複数のSaaSを組み合わせる必要がありますが、SmartDB®は同一システム内で複数の業務アプリケーションを開発し、運用することができるものとなっております。 (ミッションクリティカルシステムの周辺業務の例)業種内容業種共通ERPフロントシステム(財務会計システムと連携するシステム。経費旅費精算、購買仕入、債権管理、勤怠管理、工数管理、取引先管理、各種マスタ管理、他システム連携基盤など内部統制の対象となる領域)建設コンサルタント業界ISO認証取得・更新における業務プロセスおよび証憑管理倉庫物流業界積付最適化計画の策定およびプロセス管理造船業造船設計における出図の承認・変更および進捗管理食品製造業界コールセンターに入電した顧客クレーム情報の対応プロセス管理小売業界店舗出店および営繕プロセスの管理飲食業界店舗関連情報管理(契約情報、資産・設備情報、加盟店情報など)空運業界グループ会社間の発注、進捗、成果物、請求プロセス管理損害保険業車両事故情報および対応履歴管理車両製造業設備投資プロセス管理(工事施工申請・工事作業依頼など)  従来、ERPフロントシステムは、ERPのカスタマイズによって開発されてきました。このERPフロントシステムをSmartDB®へ移行し、APIを介して連携する仕組みへと変更することで、システムのアップデートをスムーズに行い、システムの陳腐化(レガシー化)を防ぐことができるようになるものと考えております。また、各社のビジネスの根幹を担う重要な業務プロセスにおいて、汎用的なソフトウェアやSaaSが存在せず、デジタル化を諦めている領域が数多く存在します。SmartDB®の活用により、多額のシステム投資を必要としない、業務デジタル化の推進を目指してまいります。 (b)InsuiteX®(インスイート・エックス)当社グループが提供する「InsuiteX®」は、企業内の従業員が社内情報にアクセスするために訪れる「社内ポータル(注9)」を構築するためのツールです。新型コロナウイルス感染症を契機として、オフィスワークとリモートワークを組み合わせた新しい働き方が増え、経営ビジョンや事業戦略の浸透、社内ルールやガバナンスの徹底といった組織運営上の課題が浮き彫りになりました。「InsuiteX®」は、経営情報から現場情報に至るまで、企業内のあらゆる情報を集約・発信・共有するプラットフォームとして、大企業の組織運営をサポートすることを目指しております。全社向けだけではなく、組織・個人ごとにポータルを作成し、業務遂行に必要な情報を集約することにより、組織の生産性向上にも貢献していきたいと考えております。「InsuiteX®」は、企業文化・企業体質の強化に向け、単なる情報共有を「意識共有」と呼べるレベルまで発展させることをコンセプトとして開発を進めております。 (主な機能)・ポータルデザイン機能あらかじめ用意されたテンプレートに、必要な部品をドラッグ&ドロップ操作で配置し、ポータルを作成する機能を備えております。ポータルに表示する部品は、アイコン形式、バナー形式、外部サイト埋め込み形式など複数の形式から選択する方式を採用しており、柔軟なカスタマイズを可能とすることを目指しております。 ・通知通達機能社内に周知徹底させる必要のある通知や通達を作成し、指定したポータル上に表示する機能を備えております。部署、役職、グループなどの切り口で宛先指定したり、通知通達に回答フォームを設けることで、現場の実施状況を把握し、業務の抜け漏れを防止することなどを目指しております。 ・集計機能簡易なアンケートや投票、クイズ形式の通知を作成する機能を備えております。収集したデータは、組織やグループ単位で集計し、組織エンゲージメントを高める施策などに活用することができるものと考えております。 ・業務ダッシュボード機能ポータル内のデータだけでなく、他システムに蓄積されたデータも、グラフとして表示する機能を備えております。あらかじめ用意されたテンプレートを選択し、様々な切り口からデータを可視化することで、分析に活用することができるものと考えております。 ②バーティカルSaaS当社グループが提供する「Shopらん®」は、チェーンストアの店舗運営を支援するための情報共有ツールです。チェーンストア業界では、本部店舗間の情報伝達に問題を抱えていることが多いものと認識しております。「Shopらん®」は本部からの指示を的確に店舗に届け、業務実施率を向上させることで機会損失の発生を防止することを目指しております。また、現場情報をリアルタイムに収集し、店舗運営方針の転換に活かすなど、業界特有の課題に対応した機能を提供することで、現場の生産性向上や業務品質の改善、人材育成などをサポートすることができるものと考えております。 (主な機能)・本部と店舗で異なるユーザーインターフェイス「Shopらん®」は、本部と店舗で異なるインターフェイスを採用しております。本部のインターフェイスはスケジュール形式になっており、店舗への業務指示・業務負荷を一覧して把握することを目指しております。一方、店舗側のインターフェイスは、当日に処理すべき業務のみがタスクリストとして表示されるため、業務指示の選別や優先順位付けを行うことなく、対処すべき業務に集中することができるようになることを目指しております。 ・指示通達および情報収集機能あらかじめ用意されたテンプレートを使用して、経営戦略、販売戦略に基づく指示通達を作成し、店舗を選択のうえ発信する機能を備えております。テンプレートはドラッグ&ドロップで操作する仕組みとなっております。また、業務実施状況の回答欄や、店舗スタッフの意見やアイデアを入力する欄を設ける機能も備えており、現場情報の素早い収集が可能になるものと考えております。 ・売場ノート 「Shopらん®」で配信された「お知らせ」の閲覧や、店舗からの報告を気軽に行えるiOSアプリです。アプリを使って売場スタッフとエリアマネージャー、本部スタッフがダイレクトにつながります。SNSに投稿するような感覚で、売場で写真を撮って簡単に報告できるため、店舗での報告作業のスピードが向上すると考えております。また、タイムライン形式で好事例の共有やテーマに合わせた写真・テキストを投稿することができます。 ・AI翻訳機能/AIルビ(ふりがな)生成機能 言語の壁が本部指示や店舗スタッフ間のコミュニケーションにおける課題となる中、外国人スタッフの育成は長期的な成長に不可欠です。本機能は14カ国語に対応し、本部からのお知らせをAIで翻訳することで、母国語での情報伝達を可能にし、現場の質向上を支援します。また、外国人スタッフには業界や企業の専門用語のニュアンスを正確に伝えることも重要になると考えています。平仮名のルビ表示により日本語マニュアルや通達の理解を促進し、店舗全体の強化になることを目指しております。 ・その他の機能人材教育を目的とする動画コンテンツ共有機能や、電子マニュアル機能を備えております。また、各店舗のアイデアやクレーム情報、店頭ディスプレイ画像などの共有や、備品発注・在庫移動などのワークフロー、QSC(注10)チェックなど、店舗運営に必要となる機能を備えております。 ③特定顧客向け開発運用一体型サービス当社グループが提供するDCR(DX Custom Resolution)は、企業固有の戦略要件に基づいてシステムを開発し、クラウド基盤上で運用しつつ、継続的な機能拡張開発を行う、特定顧客向け開発・運用一体型のサービスです。初期のシステム開発は、プロフェッショナルサービス事業において開発を請負いますが、運用開始後は月額利用料形式でクラウドサービスとして提供します。DCRは特定の顧客に限定し提供しております。収益を確保しながら、最先端テクノロジーの活用による技術力の向上や、新たなプロダクト開発に繋がる顧客ニーズの発掘が期待できるものと考えております。顧客の要件によっては、SmartDB®をDCRシステムのパーツとして組み込むことも想定され、SmartDB®を基盤とする新たなソリューションの開発の可能性を模索してまいります。(ソリューション例)・ケーブルテレビ運営会社向け営業支援ソリューション・流通小売業向け画像共有ソリューション・特殊法人向けファシリティ活用管理ソリューション(2)オンプレミス事業当社グループは、自社開発したアプリケーションソフトウェアを、オンプレミス(注11)環境で利用するパッケージソフトウェア(注12)としてライセンス提供しております。オンプレミス事業の顧客は、クラウド事業の潜在顧客となるため、継続的に当社SaaSへの移行提案を行っております。 ①パッケージソフトウェア当社グループは、「SmartDB®」および「INSUITE®」の2製品をパッケージソフトウェアとして提供しております。ただし、新規顧客はSaaSをご利用いただくこととしており、パッケージソフトウェアの提供は、従来からオンプレミス環境で利用している既存顧客の追加発注に限定しております。 ②ソフトウェアメンテナンスパッケージソフトウェアを継続的に利用いただくため、ソフトウェアメンテナンスを提供しております。ソフトウェアメンテナンスには、技術的な問い合わせ対応に加え、バージョンアップ版の提供が含まれます。また、パッケージソフトウェアの拡張機能として開発したプラグインソフトウェア(注13)の保守サービスも提供しております。 (3)プロフェッショナルサービス事業当社グループは、クラウド事業およびオンプレミス事業の各種サービスを提供するため、以下のプロフェッショナルサービスを行っております。本事業では、請負契約もしくは準委任契約に基づくシステム開発および役務提供を行っており、提供価値に応じて収益を獲得しております。 ・各種SaaSのオンボーディング(導入支援)サービス・各種SaaSの利活用コンサルティングサービス・DCR(特定顧客向け開発運用一体型サービス)の初期開発および拡張開発・パッケージライセンス用プラグインソフトウェアの改修および追加開発・オンプレミス環境からのSaaS移行サービス・その他の役務提供サービス  プロフェッショナルサービスの提供により、各種SaaSの活用、適用業務の拡大、高度な業務自動化要件への対応を促進します。特にオンボーディング(導入支援)および利活用コンサルティングは、ノウハウの蓄積を通じて、プログラムの標準化を進めることができるため、迅速で付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。 (注1)SaaS「Software as a Service」の略称。クラウド上に構築されたソフトウェア・アプリケーションをインターネット経由で利用するサービス。従来のようなパッケージソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールするなどの必要はなく、インターネットでアクセスするだけで利用できる仕組み。 (注2)ノーコード開発アプリケーション開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードを、パーツとしてビジュアル化し、欲しいパーツを直感的に配置していくことで開発することができるツールを利用した開発のこと。 (注3)ホリゾンタルSaaS(Horizontal SaaS)業界を問わず特定の部門や機能に特化したSaaSのこと。企業組織に共通する業務課題を解決するために利用される。 (注4)バーティカルSaaS(Vertical SaaS)特定の業界に特化したSaaSのこと。業界特有の業務課題を解決するために利用される。 (注5)ERPERPとはEnterprise Resources Planning (企業資源計画)の略で、生産管理、販売管理、在庫管理、財務会計、人事給与などの基幹系情報システムを統合し、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理することで、リアルタイムな経営判断に活用するという考え方、またはそれを実現するためのシステムを指す。 (注6)(ERPの)フロントシステム ERPなどの基幹系システムのフロントに位置し、基幹系システムと密接なデータ連携を必要とする経理・財務・人事・給与・法務などの周辺システムのこと。主に現場社員が利用し、ERPパッケージの標準機能だけではカバーしきれない周辺業務、例えば見積作成、経費精算、各種申請業務などを担う。 (注7)ミッションクリティカルシステム(Mission Critical System)「Mission(任務・使命)」と「Critical(危機的な・重大な)」を掛け合わせた語で、企業や組織の存続に欠かせない、業務を遂行するうえで重大なシステムを指す。金融機関の勘定系システム、製造業の生産管理システム、鉄道会社の運行管理システムなどが挙げられるが、財務会計システム、人事労務システムなどは業種を問わず該当する。 (注8)API(Application Programming Interface)ソフトウェア同士が互いに情報をやり取りする際に使用するインターフェイスの仕様。この仕様を介することで、他のソフトウェアとの機能連携が可能となり、利便性を高めることができる。 (注9)社内ポータル自社内に散在する情報を集約し、アクセスを容易にするための入口として構築されたWebサイトのこと。情報共有によるコミュニケーションの活性化を図るほか、社内で使われている各種アプリケーションを統合する機能を持ち、業務効率化を促進するためにも使われる。 (注10)QSC(Quality、Service、Cleanliness)クオリティ(品質)、サービス(接客)、クリーンリネス(清潔)の頭文字で構成された略語。チェーンストア経営において最も重視される指標のこと。 (注11)オンプレミス(on-premises)プレミス(premise)は「構内」「店内」などの意味。サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設内に設置して運用すること。 (注12)パッケージソフトウェア既製品として販売されているソフトウェア製品。または、物理的な記憶媒体に記録され、箱などに梱包されて販売されるソフトウェア製品。 (注13)プラグインソフトウェア(plug-in software)あるアプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェアを指す。 個別に追加してバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
製品開発力強化やサービス品質向上により付加価値で対抗するブランディングを図っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ノーコード開発ツール、企業ポータル構築ツール、チェーンストア向け情報共有ツールなどのSaaSプロダクト。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:クラウド市場の成長鈍化 / 競合他社の新規参入と価格競争激化 / 技術革新への不適切な対応
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務サマリに時系列データが未収録であり、ブランド力や特許、規制ライセンスに関する具体的な情報が不足しているため、無形資産による競争優位性は現時点では評価できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社は「InSIGHT」や「J- அமராவதி」といったグループウェア・情報共有システムを提供しており、導入企業においては既存システムからの移行に伴うコストや学習コストが発生する可能性がある。しかし、競合製品も多く、乗り換え障壁が極めて高いとは言えない。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

グループウェアとしての利用は、社内コミュニケーションの活性化に寄与する可能性があるが、外部ユーザー間のネットワーク効果が強く働くようなサービスではないため、ネットワーク効果による競争優位性は限定的である。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

同社のビジネスモデルは、ソフトウェア開発・提供が中心であり、製造業のような規模の経済や構造的なコスト優位性を築く要素は見当たらない。受託開発やコンサルティングも含まれるため、コスト競争力での差別化は難しい。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報・通信業における特定のニッチ市場で事業を展開している可能性はあるが、業界全体として寡占化が進んでいるとは言えず、規模の経済による効率性で他社を圧倒する状況ではない。

  • 大企業向けノーコード
    プログラミング知識がなくても業務アプリを開発できる「SmartDB®」は、特に大企業の複雑な業務プロセスに対応できる高度な機能を備えています。これにより、IT人材不足に悩む大企業が、現場主導でDXを推進できる点が強みです。受託開発に匹敵する機能性で、基幹業務を支えるサブシステムにも活用可能であり、投資効率の向上と機動的なビジネス対応を両立させます。
  • 豊富な導入実績とノウハウ
    優良な顧客基盤と多数の導入実績を通じて、大企業の業務デジタル化に関するノウハウを蓄積しています。これらの知見は製品機能の継続的な強化に活かされ、大規模組織に求められる高度な権限管理や複雑な業務プロセスへの対応を可能にしています。導入から運用、活用促進まで一貫した支援体制も構築しており、顧客の成功をサポートしています。
  • 継続的な利活用支援
    導入後の活用を促進するため、「SmartDB®」の認定資格制度やユーザーコミュニティを運営しています。これにより、ユーザー同士が活用事例やノウハウを共有し、製品の継続的な利用を支援する仕組みが強みです。単なる製品提供に留まらず、顧客が製品を最大限に活用できるようサポートすることで、高い顧客満足度と継続率を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・ミッション「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」ICT(情報通信技術)は今この時もあらゆる場所へ活用範囲を広げ、その用途や役割を変化させ続けています。影響力や重要性も高まるなか、ICTになにを求めるかを今一度考えることが重要であると認識しております。ICTに仕事を奪われるのではなく、生みだされた時間でいかに「協創」を生みだすか。これこそがドリーム・アーツが考える、ICT本来の役割です。ICTだけではできない、人間だけではできない。ドリーム・アーツはそうした難題の解決を、ICTと「協創」でお手伝いしてまいります。 ・スローガン「協創力を究めよ Peak the Arts of Co-creation」創業以来「Arts of Communication」をスローガンに掲げてきましたが、「協創」こそが我々ドリーム・アーツ自身の存在意義であると再定義しました。人間がもつ知性の根源的・根本的な活動であるコミュニケーションから生み出される「協創」を、自らが究め続けてまいります。 ・ビジョン「BD(ビッグ・ドーナツ)市場のリーディングカンパニーを目指す」BD(ビッグ・ドーナツ)は当社グループの造語です。「ビッグ」は当社グループがターゲットとする国内の従業員1,000名以上の大企業約3,700社を指します。「ドーナツ」は、企業内システムに対する比喩であり、ERPなどのミッションクリティカルな基幹系システムを取り囲むように配置されている現場部門向けのシステム領域を指します。現在、BD領域のシステムは、ERPのカスタマイズで対応することが主流となっていると認識しております。その開発と運用は、システムインテグレーターによって請負われており、企業は多額の投資を余儀なくされ、激しく変化するビジネス環境への対応を難しいものにしていると考えております。近年、多様なSaaS(経費精算、請求書管理、契約・法務、顧客管理、マーケティングオートメーション、ビジネスインテリジェンス等)が普及し、BD領域の投資効率は徐々に向上しておりますが、各社固有の業務プロセスには対応することができず、大企業のデジタル化を遅らせる大きな要因となっているものと想定しております。今後BD領域はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進における核心的な領域となるため、予算配分の見直しが進み、投資が急拡大すると予想しております。当社グループは、BD(ビッグ・ドーナツ)市場のリーディングカンパニーとして、大企業の投資効率の向上と業務デジタル化を推進し、現場で働く人々や組織の生産性を高め、より多くの付加価値を生み出す「協創」環境の創造に貢献してまいりたいと考えております。 ・バリュー「DA Values」当社グループは「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」というミッションの実現に向け、行動指針としてDA Valuesを定義しております。DA Valuesは創業以来、その時々の環境や状況に合わせて再考し、アップデートを重ねてきた当社の根幹を支える理念でもあります。役職員がDA Valuesを意識し日々の業務に取り組むよう、継続して周知徹底してまいります。 ・圧倒的な当事者意識・自律とリーダーシップ・挑戦と変革・機会の本質・やりぬく忍耐と勇気・建設的対立 (2)経営環境日本経済は「失われた30年」と呼ばれる長期停滞を経て、社会全体の仕組みが大きく変革する転換期にあります。インターネット、スマートフォン、クラウド、AI、マイナンバー認証という五つの潮流が同時並行で進展し、社会・産業構造全体のデジタル化を後押しする基盤が急速に整いつつあります。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大は、経営層から現場の従業員に至るまでDXの必要性に対する認識を一気に高め、長年定着してきた紙・押印・メール・Excelを前提とした業務慣行を見直す契機となりました。また、国家がデジタルネットワークを活用して個人のオンライン本人確認を可能にするマイナンバー認証の普及は、日本独自の制度基盤として社会的な変革をさらに加速させております。一方、このような追い風があるにもかかわらず、我が国は依然として深刻な構造問題に直面しております。少子高齢化の進行による労働人口の減少は、生産性向上を目的としたデジタル技術の活用を不可欠なものとしております。企業を取り巻く環境は、デジタル化の進展に伴う破壊的イノベーションが絶えず発生しており、DXを通じて安定的かつ持続的な収益基盤を確立することが企業経営にとって喫緊の課題となっております。加えて、コロナ禍に端を発した働き方・価値観の変化を受け、組織全体の意識統一や従業員エンゲージメントの向上も、企業競争力を左右する重要なテーマとなっております。さらに、DX推進の鍵を握る国内のIT産業は、産業構造上の根本的な課題を抱えています。「DX レポート2」(2020年12月)でも指摘されているとおり、多くの IT ベンダーは依然として受託開発中心のビジネスモデルに依存しており、開発費が労働量に比例する労働集約型構造から脱却できておりません。その結果、IT ベンダー側は生産性向上が自らの収益減少につながるというジレンマを抱え、企業側はレガシーシステムや属人化した業務がデジタル化の阻害要因として残り続けるという課題が顕在化しております。このように、日本社会はデジタル化の追い風と構造的課題が併存する局面にあり、企業には単なるIT活用に止まらず、組織・業務・文化を含めた全社的な変革を継続的に進めることが求められていると考えております。また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2025調査」によれば、日本企業の85.1%がDX推進に必要な人材の不足に直面しており、欧米諸国と比較しても人材確保の難易度が極めて高い状況となっております。DXを加速するためには、基幹システム(ERP を含む)の刷新、データ活用基盤の整備、業務プロセス全般のデジタル化が不可欠とされております。しかしながら、多くの企業では依然として外部ITベンダーへの依存度が高く、内製化の遅れに起因する技術継承の停滞やシステム刷新の遅延が課題として顕在化しております。さらに、国内ではIT人材そのものが構造的に不足しており、みずほ情報総研株式会社「IT人材需給に関する調査」(2019年3月)では、2030年時点でIT人材需要が158万人に達する一方、供給は113万人にとどまり、約45万人の需給ギャップが生じると試算されております。また、民間企業の最新予測では2040年に約73.3万人のIT人材が不足するとの試算も発表されており、長期的にIT人材の確保が企業経営における重要課題となっています。  大企業の社内システムに目を向けると、ERPなどの基幹システムのブラックボックス化が進み、データ活用による環境変化への対応が難しい状況にあります。また、IT予算の9割が既存システムの保守に充てられ、新たなビジネスモデルに変革するためのシステム開発が進まないだけでなく、IT人材不足によるシステムトラブルやデータ滅失の危険性を抱える状況となっております。こうした状況を受け、前述の「DXレポート2」(2020年12月)では、DXを実現するためのフレームワークが示され、DXの目的である「ビジネスモデルのデジタル化」を成功させるには、基盤システムの刷新、業務のデジタル化、製品・サービスのデジタル化を段階的に進めていく必要性が指摘されました。大企業がDXを推進するためには、まず非競争領域である基幹システムを刷新し、コストダウンを図るとともに、業務データのデジタル化や、社内外にまたがる業務プロセスのデジタル化を実現するといった情報基盤の整備を急ぐ必要があることも指摘されております。このように、大企業では基幹システム刷新・業務プロセスデジタル化・人材確保など多面的な課題が山積するなか、生成AIの急速な進展が新たな機会とリスクの双方をもたらしています。DXを持続的に推進するためには、生成AIを単体の技術として捉えるのではなく、組織・データ・IT基盤全体の整備と一体で活用することが重要であると認識しております。 (3)経営戦略このような経営環境の下、当社グループは『デジタルの民主化』を基本戦略に掲げ、ITスペシャリストだけでなく、ITの専門知識を持たない現場部門のビジネス系人材を巻き込みながら、業務システムの内製化を通じてDXを推進する新しい“あたりまえ”を社会に広げることを目指しております。 (中期経営計画のスローガン)“IT業界の「あたりまえ」が変わる”大企業のシステム開発におけるノーコード時代の到来とともに、「SmartDB®」をデファクトスタンダードへ” 当社グループが提供するSaaSプロダクト「SmartDB®」は、プログラミング不要のノーコード開発ツールであり、直感的な操作により非IT人材による業務アプリケーション開発を可能にすることを目指しております。これにより、深刻化するIT人材不足をビジネス系人材の活用によって補い、大企業の業務デジタル化を支援してまいります。また、ノーコード開発ツールは、業務に精通した現場担当者自身がシステム開発を推進することで、要件定義や仕様設計などのプロセスを短縮し、生産性を向上させる効果が期待できます。さらに、現場部門が主体的に業務デジタル化を進めることで、従来手つかずであったアナログ業務のデジタル化が促され、DXに向けた企業文化・組織風土の変革にもつながるものと考えております。「SmartDB®」はノーコード開発ツールでありながら、受託開発にも劣らない高度な機能を備えていることから、単純なデータベースやワークフローのみならず、ERPフロントシステムや基幹業務のサブシステムなど、ミッションクリティカル領域の周辺システムとしても幅広く活用できると認識しております。従来システムインテグレーターが担ってきた、「BD(ビッグ・ドーナツ)」領域のシステムを、ノーコードを活用した現場主導の開発・運用へシフトすることで、顧客の投資効率向上と変化への対応力強化を支援してまいります。当社は複数の製品・サービスを展開しておりますが、現在は「SmartDB®」を主力製品かつ成長ドライバーとして位置づけ、BD領域の業務デジタル化支援を通じた顧客基盤の拡大を目指してまいります。 (「SmartDB®」が導入企業にもたらす効果) 内  容1.高速な業務デジタル化システムを利用する部門・担当者自身が開発することにより、工数・期間・コストの圧縮が見込める。2.環境変化への対応力向上外部のベンダーに依存せずシステムの変更・改修ができるため、環境変化に応じて素早く対応する体制の構築が見込める。3.包括的なセキュリティデータ、ファイル単位でのきめ細かいアクセス制限が可能であり、機密性の高い業務のデジタル化の実現を見込める。4.運用負荷の低減システムの運用にIT人材を充てる必要が無いため、運用負荷の軽減が見込める。5.企業文化・風土の改革現場部門スタッフが自らシステム開発を行うことで、組織内のデジタルに対するリテラシー向上が見込める。 当社グループが基本戦略に掲げる「デジタルの民主化」の社会的浸透を図るため、「SmartDB®」導入企業における先進的な取り組みや成果を積極的に発信してまいります。また、「SmartDB®」の認知拡大に向け、自社主催イベントの開催や外部イベントへの出展、各種メディアを活用したプロモーション活動を推進し、市場における理解促進に取り組んでまいります。さらに、「デジタルの民主化」を推進するためには、いくつかの重要成功要因(CSF)が存在すると認識しております。当社グループは、特に以下の5つを重点領域として取り組んでまいります。 ① MCSA(※)(Mission Critical System Aid):ERPフロント領域での活用促進MCSAとは、ERP等の基幹システム(会計・人事・販売管理など)に隣接し、現場部門が日々の業務を遂行するために必要となる各種業務プロセスや処理ロジック(ERPフロント領域)を、ノーコード開発基盤「SmartDB®」で構築・運用する取り組みを指します。従来はERPの個別カスタマイズによって実現していた現場業務の仕組みを内製化することで、制度改正や業務変更への迅速かつ柔軟な対応を可能とし、現場・IT部門双方の負荷軽減と業務デジタル化のスピード向上に寄与することを目指しております。MCSA領域での活用を一層拡大することで、多くの顧客企業が外部委託に依存してきた複雑かつ難易度の高い業務領域についても内製化を促し、企業のDX基盤としての「SmartDB®」の価値をより深く浸透させていくことを重要成功要因と捉えております。基幹システムと密接に関わる重要業務のデジタル化をSmartDB®上で実現することで、顧客企業との長期的な利用関係が強化され、当社におけるLTV(顧客生涯価値)の向上にも寄与するものと考えております。 (※)MCSA (Mission Critical System Aid) 当社の掲げる「ミッションクリティカル領域のシステムを支える」というコンセプトのこと。基幹システムと密接に連携しながら現場業務を遂行するために必要となるワークフロー、稟議申請、仕訳伝票、債権債務管理、経費管理、予算管理、マスタ管理、工数管理、取引先管理、プロジェクト管理などを指します。Support(サポート)ではなくAid(エイド)という表現を使用している理由は、Aidという言葉が「困難な状況にある人や組織を実践的に助ける」という意味を含むためであり、当社の「BD領域の業務デジタル化」に取り組む姿勢を示しています。 ② グローバル・コネクト:日本企業の海外拠点における業務デジタル化促進 日本企業のグローバル展開が拡大するなか、国内本社と海外拠点を一体で運営できる業務基盤の整備が重要性を増しています。当社は、海外拠点でも「SmartDB®」を活用できるよう機能拡張を進め、海外DXを支援するソリューションとして提供してまいります。海外展開においては、多言語対応に加え、時差を考慮した運用体制、GDPRをはじめとする各国法規制への準拠、グローバル基準のセキュリティ対策など、日本企業に共通する課題が存在します。当社はこれらに一貫して対応可能な業務プラットフォームの提供を通じ、国内本社と海外拠点をシームレスにつなぐグローバルな業務デジタル化基盤の実現を目指してまいります。 (グローバル・コネクトにおける機能・オプション群)機能・オプション群内  容マルチLanguageAI翻訳による20か国以上への多言語対応(20ヵ国以上)AI翻訳ロボット業務プロセスから呼び出される専門家ロボット申請書など「SmartDB®」のフォームに入力されたテキストを自動翻訳規約確認機能EU一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA:California Consumer Privacy Act)など各国の法規制に対応した規約同意を収集マルチGATEセキュリティ各拠点からのアクセス経路を識別し、ユーザーに応じたデータの閲覧・編集権限を付与(国内外問わず)無停止運用24時間365日無停止のサービス提供 ③ DAPA(DreamArts Practical AI):実践・実務・実用的なAI活用構想 DAPA(DreamArts Practical AI)は、生成AIを単独のツールとして活用するのではなく、業務プロセスの中に自然に組み込み、人と協働しながら実務を支援することを目的としたAI活用戦略です。近年、RAG(※1)やAIエージェントといった技術が注目を集める一方で、精度への過度な期待やガバナンス不全、運用コストの増大により、多くの企業でPoC(※2)に止まり、実業務への定着に至らない可能性が指摘されています。DAPAでは、現時点でAIに求められる役割を「完全な自律性」ではなく、人の判断を前提にチェック、補助、提案を行うパートナーと位置付けています。 「SmartDB®」に蓄積されたデータベースや業務フローを活かし、業務プロセスにAIを組み込むことで、起案、入力確認、専門家レビュー、承認といった一連の業務プロセスの各段階において、入力補助(自動入力)、複雑な法規制などのチェック、過去事例の参照、確認ポイントの提案など、より実用的なAI活用を実現します。また、SmartDB®の特長であるノーコード・市民開発の仕組みと組み合わせることで、AIの専門知識がなくても業務に精通した現場部門自らがAI活用を継続的に設計・改善できる環境を提供します。これにより、業務効率化と品質向上の両立を図るとともに、企業の意思決定とパフォーマンスを加速させることができると考えております。 (※1)RAG(Retrieval-Augmented Generation)は「検索」と「生成」を組み合わせることで、大規模言語モデル(LLM)に最新情報や専門知識を与え、より正確な回答を可能にする自然言語処理(NLP)アプローチのこと。 (※2)PoC(Proof of Concept)とは、新しいアイデアや技術、システムの「実現可能性」を検証するために、最小限の機能やスケールで試作・試行するアプローチのこと ④ PLG(Product-led Growth) PLG(Product-led Growth)は、プロダクトそのものを成長エンジンとし、顧客獲得・エンゲージメント・利用拡大(アップセル)を通じて継続的な収益成長を実現する取り組みです。当社グループでは成長ドライバーである「SmartDB®」の特長を活かし、導入しやすさ、段階的な拡張性、豊富なオプションを軸としたPLG戦略を推進しております。具体的には、スモールスタートが可能な価格設計により、特定業務や部門単位の導入を容易にし、利用を通じて業務改善効果を実感していただくことを想定しております。その後、利用ユーザー数や対象業務の拡大に合わせてライセンスを段階的に拡張できるモデルを採用しており、顧客企業の成長やDXの進展と連動した収益拡大を図ります。 さらに、基幹業務への展開、社外システムとの連携、AI機能の活用など、顧客の成熟度やニーズに応じた各種オプション機能を提供することでアップセルを促進しております。これにより、初期導入から全社展開、さらにはミッションクリティカルな業務領域への拡張まで、顧客企業との長期的な関係性を強化し、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指してまいります。また、PLGはMCSAやDAPAといった当社の主要戦略とも連動しており、プロダクト価値の向上と収益基盤の拡大を支える重要成功要因のひとつと位置付けております。 ⑤ EC2(External Capability & Capacity) EC2とは、「デジタルの民主化」に必要な推進体制・支援体制を強化するため、社外リソースを拡充する取り組みを指します。当社は市民開発者の育成や戦略パートナーとの連携を強化し、「SmartDB®」の活用促進を支える推進・支援体制の拡充を図っております。市民開発者の育成においては、ノーコード開発基盤「SmartDB®」の認定資格制度(SmartDB Certified Specialist)の普及を推進し、役割に応じた体系的なスキル獲得を支援しております。これにより、現場主導の業務改善と内製化を促進し、IT人材不足の解消と持続的なDXの実現に貢献します。 また、コンサルティング企業やシステムインテグレーターとの連携を強化することで、市民開発の伴走支援に加え、基幹系システムの刷新や全社規模のDXといった高度な専門性を要する領域においても、「SmartDB®」の価値を最大限に引き出す体制を整備しております。さらに、ユーザーコミュニティの活性化にも注力しております。定期的なユーザー会の開催や活用事例を表彰するアワードなどを通じて、成功事例や知見の共有・横展開を促進し、ユーザー同士が学び合うエコシステムの形成を目指しております。当社内部のリソースだけでなく、外部の能力・リソースを柔軟に取り込むことで、「デジタルの民主化」を強力に推進してまいります。 「SmartDB®」のライセンス体系は、利用ユーザー数に応じた「ユーザーライセンス」、データベース数に応じた「バインダーライセンス」、追加機能を利用するための「オプションライセンス」で構成されています。これらのライセンスを組み合わせることで、全社一括導入だけでなく、部門単位などの小規模グループから利用開始する選択肢を提供します。段階的にユーザーや適用業務を増やすことで、初期投資リスクを抑えながら業務デジタル化推進が可能になると考えております。また、導入後も継続してサポートや活用事例などの情報提供を行い、他部門への横展開だけでなく、海外拠点や関連会社に至るまで、企業グループ全体での利用拡大を図ります。 (「SmartDB®」のライセンス体系)名称内容ユーザーライセンス利用ユーザー数に応じて課金バインダーライセンスアプリケーションのデータを格納するデータベース。データベース数に応じて課金オプションライセンス他社SaaS連携オプション、API利用オプション、タイムスタンプ利用オプション、検証環境利用オプションなど また、「SmartDB®」の利用形態は、現場の一般的な業務をデジタル化する領域(非MCSA)と、ミッションクリティカルシステム周辺領域(MCSA)での利用に分けることができると考えております。いずれの形態で利用を開始しても、同一環境において他の利用形態に展開することで、高い投資対効果の実現を目指してまいります。 (「SmartDB®」の利用形態の種類と利用例) 非MCSA(現場の一般的な業務)MCSAMission Critical System Aid(ミッションクリティカルシステムの周辺領域)部門導入(QSS)部門データベース、部門ワークフローなど商品開発管理、設計工程管理、予算実績管理などの現場基幹業務システム全社導入(CLLコア)人事・総務系申請システムなど契約管理システムやERPフロントシステムなど企業グループ導入(CLLワイド)稟議やワークフローなどの標準的な利用形態グループの間接部門業務を集約するシェアードサービス基盤など (「SmartDB®」の導入支援パターン)導入支援パターン内容完全自走型当社の提供する初期オンボーディング(3か月間)支援のみで市民開発を推進しシステムの内製化を実現するパターン伴走協働型当社の提供する初期オンボーディングに加え、特定の業務アプリケーション開発を当社もしくは当社のパートナー企業が支援するパターン請負型ERPフロントシステムなどのアプリケーション開発や他システム連携の難易度が高い場合などにおいて、当社もしくは当社のパートナー企業がプロジェクトとして請負うパターン 「SmartDB®」の導入に際しては、顧客企業における体制面の整備状況や、SmartDB®を利用して実現したいシステムの要件に応じて、上記の支援パターンを選択することができます。完全自走型でスタートした場合でも、活用度合の進展状況に応じて追加的な支援が必要になった場合は、伴走協働型もしくは請負型が追加的に選択されるケースがあるものと考えております。 当社グループは、当面の間「SmartDB®」の導入によって顧客との関係性を深め、経営改革・業務改革における「協創パートナー」としての地位確立を目指してまいります。また、さらに深く広い範囲での価値提供を行うため、2022年より製品間の機能的な連携を高める社内プロジェクト「スクラム作戦」を開始いたしました。本プロジェクトでは、SaaSプロダクト(SmartDB®、InsuiteX®、Shopらん®)間のユーザー管理・権限設定の共有化や、APIを介したデータ連携の高度化に取り組んでおります。今後は「SmartDB®」を軸として、社内ポータル構築ツール「InsuiteX®」、チェーンストア特化型情報共有ツール「Shopらん®」、特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービス「DCR(DX Custom Resolution)」の追加導入を図り、顧客の生産性向上や「協創」環境の創造に貢献しながら、収益の拡大を追求してまいります。 (4)市場規模主力製品である「SmartDB®」は「ノーコード開発ツール」に属しておりますが、当該製品の2026年度の市場規模は968億円と予測されており、年率13.7%の成長が見込まれております。(株式会社アイ・ティ・アール:ローコード・ノーコード開発市場2025)また「SmartDB®」はERPフロントシステムとしての活用も可能であり、当該市場の規模は2024年度で1,461億円、2028年度には3,632億円に成長すると予測されております。(デロイトトーマツミック研究所:ERPフロントソリューション市場の実態と展望2025年度版)「SmartDB®」はSaaSとして分類されるサービスであり、国内SaaS市場の2026年の規模は2兆6,028億円と見込まれております。(株式会社富士キメラ総研:ソフトウェアビジネス新市場2025年版) 「SmartDB®」はこれらの市場に止まらず、受託開発にも引けを取らない高度な機能を備えていると認識しており、受託開発市場8兆7,673億円(総務省情報流通行政局 経済産業省大臣官房調査統計グループ「情報通信業 基本調査結果2022年3月29日」)という市場へのアクセスも可能であると考えております。なお、「SmartDB®」の提供価格から算出した市場規模は3,220億円と推計しております。これは、当社のターゲットである1,000名以上の大企業3,722社に就業する従業員数1,342万人(総務省統計局;経済センサス令和6年調査)に、SmartDB®と他製品をセットで利用した場合の想定金額(一人当たり月額2千円)を乗じて算出したものです。 (5)競合環境「SmartDB®」が属するノーコード・ローコード開発市場には、複数の競合製品が存在しております。しかし、当社以外の国内ベンダーの製品は、主に中小企業をターゲットとしており、大企業の高度な要求を満たすだけの機能的網羅性が十分ではないと認識しております。一方、海外ベンダーの製品は、日本特有の組織構造、意思決定プロセスへの対応などが標準機能として提供されておらず、システムインテグレーターによる追加開発や高額な導入サービスが必要となるケースが多いものと考えております。これらと比較して当社のプロダクトは、機能的網羅性および投資効率の面で優位性があると考えております。また、豊富な導入実績に基づく業務ノウハウに基づき、付加価値の高い導入・活用コンサルティングを提供できる点も強みであると認識しております。 さらに、ノーコードとローコードは名称こそ類似しておりますが、その本質は異なります。ローコードはIT専門家向けの開発支援ツールでありプログラミング知識が前提となるのに対し、ノーコードは非エンジニア(市民開発者)でも業務アプリを開発・改善できる仕組みであり、業務部門が主体となるDX内製化を実現するものです。なかでも「SmartDB®」は2004年の企画段階から完全ノーコードを設計思想としており、その成熟度と一貫性は他の製品と一線を画すものと考えております。また、近年はAIが注目を集め、業務効率化に対する期待が高まっておりますが、精度、ガバナンス、セキュリティなどの課題から業務適用が難しいケースも多いと認識しております。当社は現時点でAIの役割を、人の判断を前提としてチェック・補助・提案を行う「パートナー」と位置付けています。AIを単独のツールとしてではなく、業務プロセスの中に組み込み、人と協働しながら実務を支援する考え方を重視しています。「SmartDB®」に蓄積されたデータや業務フローを基盤としてAIを活用することで、業務効率化と品質向上の両立を図り、企業の意思決定とパフォーマンスを加速させることが可能であると考えております。 (6)ビジネスモデルの変革当社グループは、設立当初の1999年から、独立系ソフトウェアベンダーとして、自社開発パッケージソフトウェアの販売を行ってまいりました。近年になり、ようやく大企業におけるクラウド利用が進展してきたため、2018年12月にパッケージソフトウェアの新規販売を停止し、SaaSプロダクト(SmartDB®、InsuiteX®)を提供するクラウドサービスベンダーへの転換を図りました。ビジネスモデルをパッケージソフトウェア型からクラウドサービス型へ転換するにあたっては、収益モデルの変更と、新たな組織能力を確保するための投資を必要とします。売上面では、ソフトウェアを販売した時点で全額計上する方式から、毎月一定額を回収する月額利用料方式に変更となり、成長が一時的に鈍化します。一方、プロダクトをSaaS型に適合するための開発や、顧客への導入支援や利活用促進をおこなうカスタマーサクセスチームの新設などが必要となり、コストの増加を招くこととなります。そのため、2020年12月期から2期間にわたり赤字を計上いたしましたが、粘り強くビジネスモデルの転換に取り組んだ結果、2022年12月期には再び利益を計上できる状況となっております。各事業の売上高および総売上高に占めるクラウド事業売上比率およびストック売上比率の推移は以下の通りです。 (セグメント別売上構成の推移)                             (単位:千円) 内訳2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月2025年12月ストック売上クラウド事業1,706,2392,319,2223,127,0163,891,2194,468,787オンプレミス事業632,746575,560551,365536,795478,410小計2,338,9852,894,7823,678,3824,428,0144,947,197スポット売上オンプレミス事業23,18423,31946,07021,59846,622プロフェッショナルサービス事業576,689752,205715,603584,242660,263小計599,873775,524761,673605,840706,886合計2,938,8593,670,3074,440,0565,033,8555,654,084 (全社売上に占める割合)                                  2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月2025年12月ストック売上比率 (うちクラウド事業比率)79.6% (58.1%)78.9% (63.2%)82.8% (70.4%)88.0% (77.3%)87.5% (79.0%) (注)ストック売上はクラウド事業売上とオンプレミス事業のソフトウェアメンテナンス売上の合計値を総売上高で除して算出しております。クラウド事業売上比率は、SaaSプロダクト「SmartDB®」、「InsuiteX®」、「Shopらん®」及び「DCR」の売上合計値を総売上高で除して算出しております。 (7)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、成長性、収益性、キャッシュフローの観点から、売上高成長率、売上総利益率および営業キャッシュフローに影響を与える前受収益(※)残高を重視しております。特に成長指標の核となる売上高においては、総売上高に占めるストック売上高比率に加え、クラウド事業の売上高成長率、導入企業数、平均月額利用料、売上継続率を重視しております。(※)前受収益は連結財務諸表上において契約負債に含めて表示しております。 (8)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①優秀な人材の確保と育成 当社グループの持続的な成長には、優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しております。新卒採用およびキャリア採用の双方を強化するとともに、採用活動を全社的な取り組みと位置づけた「全社採用」を推進し、プロダクト開発、サービス運用、カスタマーサクセス、フィールドセールス、マーケティングなどの主要職種において、地方拠点を含め積極的な採用活動を展開してまいります。また、2025年12月期に導入した株式報酬制度を活用し、従業員のエンゲージメント向上を図るとともに、教育・研修制度や評価制度の充実を通じて既存社員の能力向上にも取り組んでまいります。 ②製品競争力の向上 当社グループの持続的成長には、提供価値の中核をなすクラウドサービスの競争力強化が不可欠です。定期的な開発プロセスの見直しに加え、子会社・業務委託先の活用、各種AIツールの導入による生産性向上を通じて、開発スピードと品質の一層の向上に取り組んでまいります。また、当社クラウドサービスは大企業を主要ターゲットとしていることから、大規模利用に耐えうるパフォーマンス向上や機能拡張を進めるとともに、顧客企業内での自律的な利用拡大を促進する機能開発にも注力してまいります。さらに、急速に発展する生成AI技術を組み込んだ機能開発を進め、顧客企業の意思決定および業務効率化に資する機能強化を推進してまいります。今後も積極的な開発投資を継続し、製品競争力の強化を通じて収益機会の拡大に努めてまいります。 ③導入事例、活用実績を通じた当社グループの認知度向上 当社グループの持続的な成長には、対象市場における認知度向上が不可欠です。特に、当社が有する豊富な業務デジタル化事例や、経営改革・業務改革の成功事例を積極的に発信することで、顧客の「協創パートナー」として第一に選ばれるコーポレートブランドの確立を目指してまいります。また、当社が提供する各種クラウドサービスについても、デジタルマーケティング、イベント出展、既存顧客向けの年次大型イベントなどを通じて、認知度の向上を図ってまいります。加えて、導入検討に関与する主要な意思決定層や次世代リーダー層を意識したターゲットプロモーションを展開し、中長期的な顧客基盤の拡大につなげてまいります。 ④仕組み・仕掛けの整備当社グループの製品・サービスをより多くの顧客に提供するためには、「仕組み・仕掛け」の整備が重要となります。例えば、より多くの業務デジタル化人材を創出するための「SmartDB®」の認定資格制度や、高度なシステム要件に対応するためのAPIおよびSDK(Software Development Kit)の整備、顧客同士の情報交換を活性化するためのコミュニティ形成、また、購入しやすく投資対効果を検討しやすい価格・ライセンス体系の整備などが挙げられます。また、開発、営業、マーケティングなどの組織運営における各種業務においても、「仕組み・仕掛け」化を推進することにより、業務品質を保ちつつ生産性を高め、人的資源の投入量に依存しない形での収益向上を目指してまいります。 ⑤戦略パートナーの拡大当社グループのSaaSプロダクトは、導入企業数および適用業務数から見て、いわゆる「キャズム」(※)を超えた状況となっております。これまでは、直接販売によって顧客基盤を拡充してまいりましたが、今後の本格的な普及にあたっては、戦略パートナーの拡大が必要となります。現在パートナーの種別は以下の3種類に区分しております。 ・クラウドソーシング(人材派遣業およびクラウドワーカー)SmartDB®上でアプリケーション開発を行うことができる人材の創出・クラウドインテグレーター(システムインテグレーター) SmartDB®を開発基盤として利用・ソリューションプロバイダー(事業会社およびコンサルティング企業) SmartDB®上で業種固有プロセスをテンプレート化し、自社ソリューションとして提供 上記に示したとおり、人材派遣業やクラウドワーカー、システムインテグレーター、事業会社、コンサルティング企業など、様々な企業で構成されたパートナー制度を確立し、多様なニーズに合致した付加価値の提供を可能とすることを重視しております。なかでも、システムインテグレーターはDXの基盤となる基幹系システムの刷新プロジェクトを請負うことが多いため、「SmartDB®」の活用による投資効率の向上を図り、顧客のIT予算最適化に貢献するよう積極的な働きかけを行ってまいります。当社が基本戦略として推進する「デジタルの民主化」は、非IT人材による市民開発に止まらず、国内IT産業の課題である多重下請構造やウォーターフォール開発による受託開発型ビジネスの変革を狙うものでもあります。上記の多様なパートナーが、顧客や元請けベンダーと主従関係を結ぶのではなく、水平的な「協創パートナー」となることで、大企業システムの在り方を大きく変え、クラウド時代にふさわしい開発・運用体制の構築とDXの推進に貢献してまいります。(※)キャズムマーケティング・コンサルタントのジェフリー・ムーア氏が提唱したマーケティング理論「キャズム理論」の基本コンセプト。技術進化の激しい「ハイテク業界」の製品を普及させるためには、イノベーター、アーリーアダプターと称される技術選好者が属する初期市場と、マジョリティと称される大多数の消費者が属するメインストリーム市場の間に存在する深い溝(キャズム)を超える必要があるとするもの。 ⑥顧客コミュニティの形成 顧客基盤をより強固なものとするためには、自社企画イベントの開催やユーザー会の運営を通じて、顧客コミュニティを継続的に活性化していくことが重要であると考えております。顧客が保有する業務デジタル化のノウハウを相互に共有できるコミュニケーション基盤を構築し、質の高い顧客コミュニティの形成を目指してまいります。また、定期的なユーザー会の開催や優れた活用事例を表彰するアワードの実施などを通じて、市民開発における成功事例や知見の蓄積・横展開を促進し、顧客企業同士が学び合いながら継続的に価値を創出できるエコシステムの構築を進めてまいります。 ⑦新サービスの開発 「SmartDB®」で拡充した顧客基盤に対して、より多面的な付加価値提供を行うためには、新サービスの開発が必要となります。特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービスDCR(DX Custom Resolution)の提供を通じて探索した市場・顧客ニーズに基づき、SaaSラインナップの拡充を推進してまいります。 ⑧情報管理体制の強化当社グループが提供するサービスは、個人情報を含む顧客情報を取り扱っており、これらの情報管理は重要課題と位置付けております。個人情報保護方針等の社内規程の整備および運用の徹底、ISMS認証に基づく業務オペレーションの確立および運用、社内研修の実施などを通じ、一層のセキュリティ強化を進めてまいります。 ⑨財務基盤の強化当社グループは、クラウドサービスの開発および顧客基盤拡充を重視しており、今後も積極的に投資を行っていく方針であるため、財務基盤の強化が必要となります。直接金融、間接金融を活用し、資本市場とのコミュニケーションを深め、事業展開に見合った財務基盤の強化を図ってまいります。 ⑩高いキャッシュ創出力を活かしたM&A機会の模索 当社グループは、ホリゾンタルSaaSにおける前受金モデルにより、売上計上に先立って現金を受領できるキャッシュフロー構造を構築しております。この仕組みによる高いキャッシュ創出力と継続的な利益成長の相乗効果により、安定的なキャッシュフローを維持しております。これにより、外部資金へ過度に依存することなく、持続的な成長投資を実行できる財務基盤を有しております。 当社グループが提供する価値は、「SmartDB®」の導入支援や活用促進にとどまらず、基幹フロント領域での業務変革支援やAI機能を活用した高度なコンサルティングなど、多様化・高度化しています。こうした需要の拡大に迅速かつ的確に対応するため、当社の財務基盤を活かし、プロダクトラインナップの拡充やキャパシティ強化を目的としたM&A機会の模索を進めてまいります。 ⑪生成AI技術進展に向けた対応生成AI技術の急速な発展に伴い、当社を取り巻く事業環境・競争環境は日々変化し、複雑化しております。このような認識のもと、当社サービスへのAI機能の実装を通して、機能高度化および付加価値向上を図ってまいります。また、社内業務においてもAI活用を推進し、開発・営業・管理部門等における生産性向上および業務効率化を通じて、収益性の改善と競争優位性の強化に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・ミッション「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」ICT(情報通信技術)は今この時もあらゆる場所へ活用範囲を広げ、その用途や役割を変化させ続けています。影響力や重要性も高まるなか、ICTになにを求めるかを今一度考えることが重要であると認識しております。ICTに仕事を奪われるのではなく、生みだされた時間でいかに「協創」を生みだすか。これこそがドリーム・アーツが考える、ICT本来の役割です。ICTだけではできない、人間だけではできない。ドリーム・アーツはそうした難題の解決を、ICTと「協創」でお手伝いしてまいります。 ・スローガン「協創力を究めよ Peak the Arts of Co-creation」創業以来「Arts of Communication」をスローガンに掲げてきましたが、「協創」こそが我々ドリーム・アーツ自身の存在意義であると再定義しました。人間がもつ知性の根源的・根本的な活動であるコミュニケーションから生み出される「協創」を、自らが究め続けてまいります。 ・ビジョン「BD(ビッグ・ドーナツ)市場のリーディングカンパニーを目指す」BD(ビッグ・ドーナツ)は当社グループの造語です。「ビッグ」は当社グループがターゲットとする国内の従業員1,000名以上の大企業約3,700社を指します。「ドーナツ」は、企業内システムに対する比喩であり、ERPなどのミッションクリティカルな基幹系システムを取り囲むように配置されている現場部門向けのシステム領域を指します。現在、BD領域のシステムは、ERPのカスタマイズで対応することが主流となっていると認識しております。その開発と運用は、システムインテグレーターによって請負われており、企業は多額の投資を余儀なくされ、激しく変化するビジネス環境への対応を難しいものにしていると考えております。近年、多様なSaaS(経費精算、請求書管理、契約・法務、顧客管理、マーケティングオートメーション、ビジネスインテリジェンス等)が普及し、BD領域の投資効率は徐々に向上しておりますが、各社固有の業務プロセスには対応することができず、大企業のデジタル化を遅らせる大きな要因となっているものと想定しております。今後BD領域はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進における核心的な領域となるため、予算配分の見直しが進み、投資が急拡大すると予想しております。当社グループは、BD(ビッグ・ドーナツ)市場のリーディングカンパニーとして、大企業の投資効率の向上と業務デジタル化を推進し、現場で働く人々や組織の生産性を高め、より多くの付加価値を生み出す「協創」環境の創造に貢献してまいりたいと考えております。 ・バリュー「DA Values」当社グループは「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」というミッションの実現に向け、行動指針としてDA Valuesを定義しております。DA Valuesは創業以来、その時々の環境や状況に合わせて再考し、アップデートを重ねてきた当社の根幹を支える理念でもあります。役職員がDA Valuesを意識し日々の業務に取り組むよう、継続して周知徹底してまいります。 ・圧倒的な当事者意識・自律とリーダーシップ・挑戦と変革・機会の本質・やりぬく忍耐と勇気・建設的対立 (2)経営環境日本経済は「失われた30年」と呼ばれる長期停滞を経て、社会全体の仕組みが大きく変革する転換期にあります。インターネット、スマートフォン、クラウド、AI、マイナンバー認証という五つの潮流が同時並行で進展し、社会・産業構造全体のデジタル化を後押しする基盤が急速に整いつつあります。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大は、経営層から現場の従業員に至るまでDXの必要性に対する認識を一気に高め、長年定着してきた紙・押印・メール・Excelを前提とした業務慣行を見直す契機となりました。また、国家がデジタルネットワークを活用して個人のオンライン本人確認を可能にするマイナンバー認証の普及は、日本独自の制度基盤として社会的な変革をさらに加速させております。一方、このような追い風があるにもかかわらず、我が国は依然として深刻な構造問題に直面しております。少子高齢化の進行による労働人口の減少は、生産性向上を目的としたデジタル技術の活用を不可欠なものとしております。企業を取り巻く環境は、デジタル化の進展に伴う破壊的イノベーションが絶えず発生しており、DXを通じて安定的かつ持続的な収益基盤を確立することが企業経営にとって喫緊の課題となっております。加えて、コロナ禍に端を発した働き方・価値観の変化を受け、組織全体の意識統一や従業員エンゲージメントの向上も、企業競争力を左右する重要なテーマとなっております。さらに、DX推進の鍵を握る国内のIT産業は、産業構造上の根本的な課題を抱えています。「DX レポート2」(2020年12月)でも指摘されているとおり、多くの IT ベンダーは依然として受託開発中心のビジネスモデルに依存しており、開発費が労働量に比例する労働集約型構造から脱却できておりません。その結果、IT ベンダー側は生産性向上が自らの収益減少につながるというジレンマを抱え、企業側はレガシーシステムや属人化した業務がデジタル化の阻害要因として残り続けるという課題が顕在化しております。このように、日本社会はデジタル化の追い風と構造的課題が併存する局面にあり、企業には単なるIT活用に止まらず、組織・業務・文化を含めた全社的な変革を継続的に進めることが求められていると考えております。また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2025調査」によれば、日本企業の85.1%がDX推進に必要な人材の不足に直面しており、欧米諸国と比較しても人材確保の難易度が極めて高い状況となっております。DXを加速するためには、基幹システム(ERP を含む)の刷新、データ活用基盤の整備、業務プロセス全般のデジタル化が不可欠とされております。しかしながら、多くの企業では依然として外部ITベンダーへの依存度が高く、内製化の遅れに起因する技術継承の停滞やシステム刷新の遅延が課題として顕在化しております。さらに、国内ではIT人材そのものが構造的に不足しており、みずほ情報総研株式会社「IT人材需給に関する調査」(2019年3月)では、2030年時点でIT人材需要が158万人に達する一方、供給は113万人にとどまり、約45万人の需給ギャップが生じると試算されております。また、民間企業の最新予測では2040年に約73.3万人のIT人材が不足するとの試算も発表されており、長期的にIT人材の確保が企業経営における重要課題となっています。  大企業の社内システムに目を向けると、ERPなどの基幹システムのブラックボックス化が進み、データ活用による環境変化への対応が難しい状況にあります。また、IT予算の9割が既存システムの保守に充てられ、新たなビジネスモデルに変革するためのシステム開発が進まないだけでなく、IT人材不足によるシステムトラブルやデータ滅失の危険性を抱える状況となっております。こうした状況を受け、前述の「DXレポート2」(2020年12月)では、DXを実現するためのフレームワークが示され、DXの目的である「ビジネスモデルのデジタル化」を成功させるには、基盤システムの刷新、業務のデジタル化、製品・サービスのデジタル化を段階的に進めていく必要性が指摘されました。大企業がDXを推進するためには、まず非競争領域である基幹システムを刷新し、コストダウンを図るとともに、業務データのデジタル化や、社内外にまたがる業務プロセスのデジタル化を実現するといった情報基盤の整備を急ぐ必要があることも指摘されております。このように、大企業では基幹システム刷新・業務プロセスデジタル化・人材確保など多面的な課題が山積するなか、生成AIの急速な進展が新たな機会とリスクの双方をもたらしています。DXを持続的に推進するためには、生成AIを単体の技術として捉えるのではなく、組織・データ・IT基盤全体の整備と一体で活用することが重要であると認識しております。 (3)経営戦略このような経営環境の下、当社グループは『デジタルの民主化』を基本戦略に掲げ、ITスペシャリストだけでなく、ITの専門知識を持たない現場部門のビジネス系人材を巻き込みながら、業務システムの内製化を通じてDXを推進する新しい“あたりまえ”を社会に広げることを目指しております。 (中期経営計画のスローガン)“IT業界の「あたりまえ」が変わる”大企業のシステム開発におけるノーコード時代の到来とともに、「SmartDB®」をデファクトスタンダードへ” 当社グループが提供するSaaSプロダクト「SmartDB®」は、プログラミング不要のノーコード開発ツールであり、直感的な操作により非IT人材による業務アプリケーション開発を可能にすることを目指しております。これにより、深刻化するIT人材不足をビジネス系人材の活用によって補い、大企業の業務デジタル化を支援してまいります。また、ノーコード開発ツールは、業務に精通した現場担当者自身がシステム開発を推進することで、要件定義や仕様設計などのプロセスを短縮し、生産性を向上させる効果が期待できます。さらに、現場部門が主体的に業務デジタル化を進めることで、従来手つかずであったアナログ業務のデジタル化が促され、DXに向けた企業文化・組織風土の変革にもつながるものと考えております。「SmartDB®」はノーコード開発ツールでありながら、受託開発にも劣らない高度な機能を備えていることから、単純なデータベースやワークフローのみならず、ERPフロントシステムや基幹業務のサブシステムなど、ミッションクリティカル領域の周辺システムとしても幅広く活用できると認識しております。従来システムインテグレーターが担ってきた、「BD(ビッグ・ドーナツ)」領域のシステムを、ノーコードを活用した現場主導の開発・運用へシフトすることで、顧客の投資効率向上と変化への対応力強化を支援してまいります。当社は複数の製品・サービスを展開しておりますが、現在は「SmartDB®」を主力製品かつ成長ドライバーとして位置づけ、BD領域の業務デジタル化支援を通じた顧客基盤の拡大を目指してまいります。 (「SmartDB®」が導入企業にもたらす効果) 内  容1.高速な業務デジタル化システムを利用する部門・担当者自身が開発することにより、工数・期間・コストの圧縮が見込める。2.環境変化への対応力向上外部のベンダーに依存せずシステムの変更・改修ができるため、環境変化に応じて素早く対応する体制の構築が見込める。3.包括的なセキュリティデータ、ファイル単位でのきめ細かいアクセス制限が可能であり、機密性の高い業務のデジタル化の実現を見込める。4.運用負荷の低減システムの運用にIT人材を充てる必要が無いため、運用負荷の軽減が見込める。5.企業文化・風土の改革現場部門スタッフが自らシステム開発を行うことで、組織内のデジタルに対するリテラシー向上が見込める。 当社グループが基本戦略に掲げる「デジタルの民主化」の社会的浸透を図るため、「SmartDB®」導入企業における先進的な取り組みや成果を積極的に発信してまいります。また、「SmartDB®」の認知拡大に向け、自社主催イベントの開催や外部イベントへの出展、各種メディアを活用したプロモーション活動を推進し、市場における理解促進に取り組んでまいります。さらに、「デジタルの民主化」を推進するためには、いくつかの重要成功要因(CSF)が存在すると認識しております。当社グループは、特に以下の5つを重点領域として取り組んでまいります。 ① MCSA(※)(Mission Critical System Aid):ERPフロント領域での活用促進MCSAとは、ERP等の基幹システム(会計・人事・販売管理など)に隣接し、現場部門が日々の業務を遂行するために必要となる各種業務プロセスや処理ロジック(ERPフロント領域)を、ノーコード開発基盤「SmartDB®」で構築・運用する取り組みを指します。従来はERPの個別カスタマイズによって実現していた現場業務の仕組みを内製化することで、制度改正や業務変更への迅速かつ柔軟な対応を可能とし、現場・IT部門双方の負荷軽減と業務デジタル化のスピード向上に寄与することを目指しております。MCSA領域での活用を一層拡大することで、多くの顧客企業が外部委託に依存してきた複雑かつ難易度の高い業務領域についても内製化を促し、企業のDX基盤としての「SmartDB®」の価値をより深く浸透させていくことを重要成功要因と捉えております。基幹システムと密接に関わる重要業務のデジタル化をSmartDB®上で実現することで、顧客企業との長期的な利用関係が強化され、当社におけるLTV(顧客生涯価値)の向上にも寄与するものと考えております。 (※)MCSA (Mission Critical System Aid) 当社の掲げる「ミッションクリティカル領域のシステムを支える」というコンセプトのこと。基幹システムと密接に連携しながら現場業務を遂行するために必要となるワークフロー、稟議申請、仕訳伝票、債権債務管理、経費管理、予算管理、マスタ管理、工数管理、取引先管理、プロジェクト管理などを指します。Support(サポート)ではなくAid(エイド)という表現を使用している理由は、Aidという言葉が「困難な状況にある人や組織を実践的に助ける」という意味を含むためであり、当社の「BD領域の業務デジタル化」に取り組む姿勢を示しています。 ② グローバル・コネクト:日本企業の海外拠点における業務デジタル化促進 日本企業のグローバル展開が拡大するなか、国内本社と海外拠点を一体で運営できる業務基盤の整備が重要性を増しています。当社は、海外拠点でも「SmartDB®」を活用できるよう機能拡張を進め、海外DXを支援するソリューションとして提供してまいります。海外展開においては、多言語対応に加え、時差を考慮した運用体制、GDPRをはじめとする各国法規制への準拠、グローバル基準のセキュリティ対策など、日本企業に共通する課題が存在します。当社はこれらに一貫して対応可能な業務プラットフォームの提供を通じ、国内本社と海外拠点をシームレスにつなぐグローバルな業務デジタル化基盤の実現を目指してまいります。 (グローバル・コネクトにおける機能・オプション群)機能・オプション群内  容マルチLanguageAI翻訳による20か国以上への多言語対応(20ヵ国以上)AI翻訳ロボット業務プロセスから呼び出される専門家ロボット申請書など「SmartDB®」のフォームに入力されたテキストを自動翻訳規約確認機能EU一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA:California Consumer Privacy Act)など各国の法規制に対応した規約同意を収集マルチGATEセキュリティ各拠点からのアクセス経路を識別し、ユーザーに応じたデータの閲覧・編集権限を付与(国内外問わず)無停止運用24時間365日無停止のサービス提供 ③ DAPA(DreamArts Practical AI):実践・実務・実用的なAI活用構想 DAPA(DreamArts Practical AI)は、生成AIを単独のツールとして活用するのではなく、業務プロセスの中に自然に組み込み、人と協働しながら実務を支援することを目的としたAI活用戦略です。近年、RAG(※1)やAIエージェントといった技術が注目を集める一方で、精度への過度な期待やガバナンス不全、運用コストの増大により、多くの企業でPoC(※2)に止まり、実業務への定着に至らない可能性が指摘されています。DAPAでは、現時点でAIに求められる役割を「完全な自律性」ではなく、人の判断を前提にチェック、補助、提案を行うパートナーと位置付けています。 「SmartDB®」に蓄積されたデータベースや業務フローを活かし、業務プロセスにAIを組み込むことで、起案、入力確認、専門家レビュー、承認といった一連の業務プロセスの各段階において、入力補助(自動入力)、複雑な法規制などのチェック、過去事例の参照、確認ポイントの提案など、より実用的なAI活用を実現します。また、SmartDB®の特長であるノーコード・市民開発の仕組みと組み合わせることで、AIの専門知識がなくても業務に精通した現場部門自らがAI活用を継続的に設計・改善できる環境を提供します。これにより、業務効率化と品質向上の両立を図るとともに、企業の意思決定とパフォーマンスを加速させることができると考えております。 (※1)RAG(Retrieval-Augmented Generation)は「検索」と「生成」を組み合わせることで、大規模言語モデル(LLM)に最新情報や専門知識を与え、より正確な回答を可能にする自然言語処理(NLP)アプローチのこと。 (※2)PoC(Proof of Concept)とは、新しいアイデアや技術、システムの「実現可能性」を検証するために、最小限の機能やスケールで試作・試行するアプローチのこと ④ PLG(Product-led Growth) PLG(Product-led Growth)は、プロダクトそのものを成長エンジンとし、顧客獲得・エンゲージメント・利用拡大(アップセル)を通じて継続的な収益成長を実現する取り組みです。当社グループでは成長ドライバーである「SmartDB®」の特長を活かし、導入しやすさ、段階的な拡張性、豊富なオプションを軸としたPLG戦略を推進しております。具体的には、スモールスタートが可能な価格設計により、特定業務や部門単位の導入を容易にし、利用を通じて業務改善効果を実感していただくことを想定しております。その後、利用ユーザー数や対象業務の拡大に合わせてライセンスを段階的に拡張できるモデルを採用しており、顧客企業の成長やDXの進展と連動した収益拡大を図ります。 さらに、基幹業務への展開、社外システムとの連携、AI機能の活用など、顧客の成熟度やニーズに応じた各種オプション機能を提供することでアップセルを促進しております。これにより、初期導入から全社展開、さらにはミッションクリティカルな業務領域への拡張まで、顧客企業との長期的な関係性を強化し、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指してまいります。また、PLGはMCSAやDAPAといった当社の主要戦略とも連動しており、プロダクト価値の向上と収益基盤の拡大を支える重要成功要因のひとつと位置付けております。 ⑤ EC2(External Capability & Capacity) EC2とは、「デジタルの民主化」に必要な推進体制・支援体制を強化するため、社外リソースを拡充する取り組みを指します。当社は市民開発者の育成や戦略パートナーとの連携を強化し、「SmartDB®」の活用促進を支える推進・支援体制の拡充を図っております。市民開発者の育成においては、ノーコード開発基盤「SmartDB®」の認定資格制度(SmartDB Certified Specialist)の普及を推進し、役割に応じた体系的なスキル獲得を支援しております。これにより、現場主導の業務改善と内製化を促進し、IT人材不足の解消と持続的なDXの実現に貢献します。 また、コンサルティング企業やシステムインテグレーターとの連携を強化することで、市民開発の伴走支援に加え、基幹系システムの刷新や全社規模のDXといった高度な専門性を要する領域においても、「SmartDB®」の価値を最大限に引き出す体制を整備しております。さらに、ユーザーコミュニティの活性化にも注力しております。定期的なユーザー会の開催や活用事例を表彰するアワードなどを通じて、成功事例や知見の共有・横展開を促進し、ユーザー同士が学び合うエコシステムの形成を目指しております。当社内部のリソースだけでなく、外部の能力・リソースを柔軟に取り込むことで、「デジタルの民主化」を強力に推進してまいります。 「SmartDB®」のライセンス体系は、利用ユーザー数に応じた「ユーザーライセンス」、データベース数に応じた「バインダーライセンス」、追加機能を利用するための「オプションライセンス」で構成されています。これらのライセンスを組み合わせることで、全社一括導入だけでなく、部門単位などの小規模グループから利用開始する選択肢を提供します。段階的にユーザーや適用業務を増やすことで、初期投資リスクを抑えながら業務デジタル化推進が可能になると考えております。また、導入後も継続してサポートや活用事例などの情報提供を行い、他部門への横展開だけでなく、海外拠点や関連会社に至るまで、企業グループ全体での利用拡大を図ります。 (「SmartDB®」のライセンス体系)名称内容ユーザーライセンス利用ユーザー数に応じて課金バインダーライセンスアプリケーションのデータを格納するデータベース。データベース数に応じて課金オプションライセンス他社SaaS連携オプション、API利用オプション、タイムスタンプ利用オプション、検証環境利用オプションなど また、「SmartDB®」の利用形態は、現場の一般的な業務をデジタル化する領域(非MCSA)と、ミッションクリティカルシステム周辺領域(MCSA)での利用に分けることができると考えております。いずれの形態で利用を開始しても、同一環境において他の利用形態に展開することで、高い投資対効果の実現を目指してまいります。 (「SmartDB®」の利用形態の種類と利用例) 非MCSA(現場の一般的な業務)MCSAMission Critical System Aid(ミッションクリティカルシステムの周辺領域)部門導入(QSS)部門データベース、部門ワークフローなど商品開発管理、設計工程管理、予算実績管理などの現場基幹業務システム全社導入(CLLコア)人事・総務系申請システムなど契約管理システムやERPフロントシステムなど企業グループ導入(CLLワイド)稟議やワークフローなどの標準的な利用形態グループの間接部門業務を集約するシェアードサービス基盤など (「SmartDB®」の導入支援パターン)導入支援パターン内容完全自走型当社の提供する初期オンボーディング(3か月間)支援のみで市民開発を推進しシステムの内製化を実現するパターン伴走協働型当社の提供する初期オンボーディングに加え、特定の業務アプリケーション開発を当社もしくは当社のパートナー企業が支援するパターン請負型ERPフロントシステムなどのアプリケーション開発や他システム連携の難易度が高い場合などにおいて、当社もしくは当社のパートナー企業がプロジェクトとして請負うパターン 「SmartDB®」の導入に際しては、顧客企業における体制面の整備状況や、SmartDB®を利用して実現したいシステムの要件に応じて、上記の支援パターンを選択することができます。完全自走型でスタートした場合でも、活用度合の進展状況に応じて追加的な支援が必要になった場合は、伴走協働型もしくは請負型が追加的に選択されるケースがあるものと考えております。 当社グループは、当面の間「SmartDB®」の導入によって顧客との関係性を深め、経営改革・業務改革における「協創パートナー」としての地位確立を目指してまいります。また、さらに深く広い範囲での価値提供を行うため、2022年より製品間の機能的な連携を高める社内プロジェクト「スクラム作戦」を開始いたしました。本プロジェクトでは、SaaSプロダクト(SmartDB®、InsuiteX®、Shopらん®)間のユーザー管理・権限設定の共有化や、APIを介したデータ連携の高度化に取り組んでおります。今後は「SmartDB®」を軸として、社内ポータル構築ツール「InsuiteX®」、チェーンストア特化型情報共有ツール「Shopらん®」、特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービス「DCR(DX Custom Resolution)」の追加導入を図り、顧客の生産性向上や「協創」環境の創造に貢献しながら、収益の拡大を追求してまいります。 (4)市場規模主力製品である「SmartDB®」は「ノーコード開発ツール」に属しておりますが、当該製品の2026年度の市場規模は968億円と予測されており、年率13.7%の成長が見込まれております。(株式会社アイ・ティ・アール:ローコード・ノーコード開発市場2025)また「SmartDB®」はERPフロントシステムとしての活用も可能であり、当該市場の規模は2024年度で1,461億円、2028年度には3,632億円に成長すると予測されております。(デロイトトーマツミック研究所:ERPフロントソリューション市場の実態と展望2025年度版)「SmartDB®」はSaaSとして分類されるサービスであり、国内SaaS市場の2026年の規模は2兆6,028億円と見込まれております。(株式会社富士キメラ総研:ソフトウェアビジネス新市場2025年版) 「SmartDB®」はこれらの市場に止まらず、受託開発にも引けを取らない高度な機能を備えていると認識しており、受託開発市場8兆7,673億円(総務省情報流通行政局 経済産業省大臣官房調査統計グループ「情報通信業 基本調査結果2022年3月29日」)という市場へのアクセスも可能であると考えております。なお、「SmartDB®」の提供価格から算出した市場規模は3,220億円と推計しております。これは、当社のターゲットである1,000名以上の大企業3,722社に就業する従業員数1,342万人(総務省統計局;経済センサス令和6年調査)に、SmartDB®と他製品をセットで利用した場合の想定金額(一人当たり月額2千円)を乗じて算出したものです。 (5)競合環境「SmartDB®」が属するノーコード・ローコード開発市場には、複数の競合製品が存在しております。しかし、当社以外の国内ベンダーの製品は、主に中小企業をターゲットとしており、大企業の高度な要求を満たすだけの機能的網羅性が十分ではないと認識しております。一方、海外ベンダーの製品は、日本特有の組織構造、意思決定プロセスへの対応などが標準機能として提供されておらず、システムインテグレーターによる追加開発や高額な導入サービスが必要となるケースが多いものと考えております。これらと比較して当社のプロダクトは、機能的網羅性および投資効率の面で優位性があると考えております。また、豊富な導入実績に基づく業務ノウハウに基づき、付加価値の高い導入・活用コンサルティングを提供できる点も強みであると認識しております。 さらに、ノーコードとローコードは名称こそ類似しておりますが、その本質は異なります。ローコードはIT専門家向けの開発支援ツールでありプログラミング知識が前提となるのに対し、ノーコードは非エンジニア(市民開発者)でも業務アプリを開発・改善できる仕組みであり、業務部門が主体となるDX内製化を実現するものです。なかでも「SmartDB®」は2004年の企画段階から完全ノーコードを設計思想としており、その成熟度と一貫性は他の製品と一線を画すものと考えております。また、近年はAIが注目を集め、業務効率化に対する期待が高まっておりますが、精度、ガバナンス、セキュリティなどの課題から業務適用が難しいケースも多いと認識しております。当社は現時点でAIの役割を、人の判断を前提としてチェック・補助・提案を行う「パートナー」と位置付けています。AIを単独のツールとしてではなく、業務プロセスの中に組み込み、人と協働しながら実務を支援する考え方を重視しています。「SmartDB®」に蓄積されたデータや業務フローを基盤としてAIを活用することで、業務効率化と品質向上の両立を図り、企業の意思決定とパフォーマンスを加速させることが可能であると考えております。 (6)ビジネスモデルの変革当社グループは、設立当初の1999年から、独立系ソフトウェアベンダーとして、自社開発パッケージソフトウェアの販売を行ってまいりました。近年になり、ようやく大企業におけるクラウド利用が進展してきたため、2018年12月にパッケージソフトウェアの新規販売を停止し、SaaSプロダクト(SmartDB®、InsuiteX®)を提供するクラウドサービスベンダーへの転換を図りました。ビジネスモデルをパッケージソフトウェア型からクラウドサービス型へ転換するにあたっては、収益モデルの変更と、新たな組織能力を確保するための投資を必要とします。売上面では、ソフトウェアを販売した時点で全額計上する方式から、毎月一定額を回収する月額利用料方式に変更となり、成長が一時的に鈍化します。一方、プロダクトをSaaS型に適合するための開発や、顧客への導入支援や利活用促進をおこなうカスタマーサクセスチームの新設などが必要となり、コストの増加を招くこととなります。そのため、2020年12月期から2期間にわたり赤字を計上いたしましたが、粘り強くビジネスモデルの転換に取り組んだ結果、2022年12月期には再び利益を計上できる状況となっております。各事業の売上高および総売上高に占めるクラウド事業売上比率およびストック売上比率の推移は以下の通りです。 (セグメント別売上構成の推移)                             (単位:千円) 内訳2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月2025年12月ストック売上クラウド事業1,706,2392,319,2223,127,0163,891,2194,468,787オンプレミス事業632,746575,560551,365536,795478,410小計2,338,9852,894,7823,678,3824,428,0144,947,197スポット売上オンプレミス事業23,18423,31946,07021,59846,622プロフェッショナルサービス事業576,689752,205715,603584,242660,263小計599,873775,524761,673605,840706,886合計2,938,8593,670,3074,440,0565,033,8555,654,084 (全社売上に占める割合)                                  2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月2025年12月ストック売上比率 (うちクラウド事業比率)79.6% (58.1%)78.9% (63.2%)82.8% (70.4%)88.0% (77.3%)87.5% (79.0%) (注)ストック売上はクラウド事業売上とオンプレミス事業のソフトウェアメンテナンス売上の合計値を総売上高で除して算出しております。クラウド事業売上比率は、SaaSプロダクト「SmartDB®」、「InsuiteX®」、「Shopらん®」及び「DCR」の売上合計値を総売上高で除して算出しております。 (7)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、成長性、収益性、キャッシュフローの観点から、売上高成長率、売上総利益率および営業キャッシュフローに影響を与える前受収益(※)残高を重視しております。特に成長指標の核となる売上高においては、総売上高に占めるストック売上高比率に加え、クラウド事業の売上高成長率、導入企業数、平均月額利用料、売上継続率を重視しております。(※)前受収益は連結財務諸表上において契約負債に含めて表示しております。 (8)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①優秀な人材の確保と育成 当社グループの持続的な成長には、優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しております。新卒採用およびキャリア採用の双方を強化するとともに、採用活動を全社的な取り組みと位置づけた「全社採用」を推進し、プロダクト開発、サービス運用、カスタマーサクセス、フィールドセールス、マーケティングなどの主要職種において、地方拠点を含め積極的な採用活動を展開してまいります。また、2025年12月期に導入した株式報酬制度を活用し、従業員のエンゲージメント向上を図るとともに、教育・研修制度や評価制度の充実を通じて既存社員の能力向上にも取り組んでまいります。 ②製品競争力の向上 当社グループの持続的成長には、提供価値の中核をなすクラウドサービスの競争力強化が不可欠です。定期的な開発プロセスの見直しに加え、子会社・業務委託先の活用、各種AIツールの導入による生産性向上を通じて、開発スピードと品質の一層の向上に取り組んでまいります。また、当社クラウドサービスは大企業を主要ターゲットとしていることから、大規模利用に耐えうるパフォーマンス向上や機能拡張を進めるとともに、顧客企業内での自律的な利用拡大を促進する機能開発にも注力してまいります。さらに、急速に発展する生成AI技術を組み込んだ機能開発を進め、顧客企業の意思決定および業務効率化に資する機能強化を推進してまいります。今後も積極的な開発投資を継続し、製品競争力の強化を通じて収益機会の拡大に努めてまいります。 ③導入事例、活用実績を通じた当社グループの認知度向上 当社グループの持続的な成長には、対象市場における認知度向上が不可欠です。特に、当社が有する豊富な業務デジタル化事例や、経営改革・業務改革の成功事例を積極的に発信することで、顧客の「協創パートナー」として第一に選ばれるコーポレートブランドの確立を目指してまいります。また、当社が提供する各種クラウドサービスについても、デジタルマーケティング、イベント出展、既存顧客向けの年次大型イベントなどを通じて、認知度の向上を図ってまいります。加えて、導入検討に関与する主要な意思決定層や次世代リーダー層を意識したターゲットプロモーションを展開し、中長期的な顧客基盤の拡大につなげてまいります。 ④仕組み・仕掛けの整備当社グループの製品・サービスをより多くの顧客に提供するためには、「仕組み・仕掛け」の整備が重要となります。例えば、より多くの業務デジタル化人材を創出するための「SmartDB®」の認定資格制度や、高度なシステム要件に対応するためのAPIおよびSDK(Software Development Kit)の整備、顧客同士の情報交換を活性化するためのコミュニティ形成、また、購入しやすく投資対効果を検討しやすい価格・ライセンス体系の整備などが挙げられます。また、開発、営業、マーケティングなどの組織運営における各種業務においても、「仕組み・仕掛け」化を推進することにより、業務品質を保ちつつ生産性を高め、人的資源の投入量に依存しない形での収益向上を目指してまいります。 ⑤戦略パートナーの拡大当社グループのSaaSプロダクトは、導入企業数および適用業務数から見て、いわゆる「キャズム」(※)を超えた状況となっております。これまでは、直接販売によって顧客基盤を拡充してまいりましたが、今後の本格的な普及にあたっては、戦略パートナーの拡大が必要となります。現在パートナーの種別は以下の3種類に区分しております。 ・クラウドソーシング(人材派遣業およびクラウドワーカー)SmartDB®上でアプリケーション開発を行うことができる人材の創出・クラウドインテグレーター(システムインテグレーター) SmartDB®を開発基盤として利用・ソリューションプロバイダー(事業会社およびコンサルティング企業) SmartDB®上で業種固有プロセスをテンプレート化し、自社ソリューションとして提供 上記に示したとおり、人材派遣業やクラウドワーカー、システムインテグレーター、事業会社、コンサルティング企業など、様々な企業で構成されたパートナー制度を確立し、多様なニーズに合致した付加価値の提供を可能とすることを重視しております。なかでも、システムインテグレーターはDXの基盤となる基幹系システムの刷新プロジェクトを請負うことが多いため、「SmartDB®」の活用による投資効率の向上を図り、顧客のIT予算最適化に貢献するよう積極的な働きかけを行ってまいります。当社が基本戦略として推進する「デジタルの民主化」は、非IT人材による市民開発に止まらず、国内IT産業の課題である多重下請構造やウォーターフォール開発による受託開発型ビジネスの変革を狙うものでもあります。上記の多様なパートナーが、顧客や元請けベンダーと主従関係を結ぶのではなく、水平的な「協創パートナー」となることで、大企業システムの在り方を大きく変え、クラウド時代にふさわしい開発・運用体制の構築とDXの推進に貢献してまいります。(※)キャズムマーケティング・コンサルタントのジェフリー・ムーア氏が提唱したマーケティング理論「キャズム理論」の基本コンセプト。技術進化の激しい「ハイテク業界」の製品を普及させるためには、イノベーター、アーリーアダプターと称される技術選好者が属する初期市場と、マジョリティと称される大多数の消費者が属するメインストリーム市場の間に存在する深い溝(キャズム)を超える必要があるとするもの。 ⑥顧客コミュニティの形成 顧客基盤をより強固なものとするためには、自社企画イベントの開催やユーザー会の運営を通じて、顧客コミュニティを継続的に活性化していくことが重要であると考えております。顧客が保有する業務デジタル化のノウハウを相互に共有できるコミュニケーション基盤を構築し、質の高い顧客コミュニティの形成を目指してまいります。また、定期的なユーザー会の開催や優れた活用事例を表彰するアワードの実施などを通じて、市民開発における成功事例や知見の蓄積・横展開を促進し、顧客企業同士が学び合いながら継続的に価値を創出できるエコシステムの構築を進めてまいります。 ⑦新サービスの開発 「SmartDB®」で拡充した顧客基盤に対して、より多面的な付加価値提供を行うためには、新サービスの開発が必要となります。特定顧客向け開発運用一体型クラウドサービスDCR(DX Custom Resolution)の提供を通じて探索した市場・顧客ニーズに基づき、SaaSラインナップの拡充を推進してまいります。 ⑧情報管理体制の強化当社グループが提供するサービスは、個人情報を含む顧客情報を取り扱っており、これらの情報管理は重要課題と位置付けております。個人情報保護方針等の社内規程の整備および運用の徹底、ISMS認証に基づく業務オペレーションの確立および運用、社内研修の実施などを通じ、一層のセキュリティ強化を進めてまいります。 ⑨財務基盤の強化当社グループは、クラウドサービスの開発および顧客基盤拡充を重視しており、今後も積極的に投資を行っていく方針であるため、財務基盤の強化が必要となります。直接金融、間接金融を活用し、資本市場とのコミュニケーションを深め、事業展開に見合った財務基盤の強化を図ってまいります。 ⑩高いキャッシュ創出力を活かしたM&A機会の模索 当社グループは、ホリゾンタルSaaSにおける前受金モデルにより、売上計上に先立って現金を受領できるキャッシュフロー構造を構築しております。この仕組みによる高いキャッシュ創出力と継続的な利益成長の相乗効果により、安定的なキャッシュフローを維持しております。これにより、外部資金へ過度に依存することなく、持続的な成長投資を実行できる財務基盤を有しております。 当社グループが提供する価値は、「SmartDB®」の導入支援や活用促進にとどまらず、基幹フロント領域での業務変革支援やAI機能を活用した高度なコンサルティングなど、多様化・高度化しています。こうした需要の拡大に迅速かつ的確に対応するため、当社の財務基盤を活かし、プロダクトラインナップの拡充やキャパシティ強化を目的としたM&A機会の模索を進めてまいります。 ⑪生成AI技術進展に向けた対応生成AI技術の急速な発展に伴い、当社を取り巻く事業環境・競争環境は日々変化し、複雑化しております。このような認識のもと、当社サービスへのAI機能の実装を通して、機能高度化および付加価値向上を図ってまいります。また、社内業務においてもAI活用を推進し、開発・営業・管理部門等における生産性向上および業務効率化を通じて、収益性の改善と競争優位性の強化に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 (1)経営成績の状況の概要 当社グループは「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」という企業理念のもと、先進的なテクノロジーに基づくSaaS(注1)などの提供を通じ、大企業の生産性向上を支援しております。  当連結会計年度における我が国経済は、依然として物価高騰が続き、家計の実質負担が増加するなど厳しい環境にありますが、企業収益の底堅さや一部業種の堅調な投資活動などに支えられ、全体としては緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、国際的な金利・為替動向の不安定化や地政学リスクに伴う資源価格の変動、さらには中国を中心とした団体旅行客の減少によるインバウンド需要の伸び悩みなど、先行きには不透明感が残る状況が続いております。 当社グループが属する国内のIT業界は、受託開発を中心としたビジネスモデルやIT人材の不足・偏在といった課題を抱えており、大企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する際の大きな障害となっております。独立行政法人情報処理推進機構が2025年6月26日に公開した「DX動向2025」によれば、日本企業の85.1%がDX推進人材の不足を抱えており、欧米と比較しても人材難が際立つ状況にあります。DX加速に向けては、基幹システム(ERP を含む)の刷新、データ活用基盤の整備、業務プロセス全般のデジタル化が不可欠です。しかしながら、多くの企業では依然として外部ITベンダーへの依存度が高く、内製化の遅れにより技術継承やシステム刷新が十分に進まないという課題も浮き彫りになっております。 このような環境のもと、当社グループは「デジタルの民主化」というコンセプトを掲げ、ノーコード開発(注2)ツール「SmartDB®」を成長ドライバーとして事業を推進しております。「SmartDB®」はITの専門知識を持たない現場部門の人材が業務アプリケーションを開発する「市民開発」(注3)のための環境を提供します。そのため、受託開発に比べコストを抑え、迅速な業務デジタル化を実現できます。さらに、他社SaaSとの連携や高度なセキュリティ機能を備えた多彩なオプションを用意しており、ERPフロントシステム(注4)などの高度な領域での導入が進んでおります。これらの対応により、顧客の多様なニーズに応え、アップセル(注5)の強化を図っております。 さらに、当社グループは社内ポータル(注6)構築ツール「InsuiteX®」及びチェーンストア特化型情報共有ツール「Shopらん®」を提供しており、「SmartDB®」との連携強化を通じて、ワークフロー・情報共有・ナレッジ管理を統合したデジタルワークプレイス環境の構築を推進しております。これにより、クロスセル(注7)を促進するとともに、顧客の組織全体におけるデジタル活用価値の向上を目指しております。 当連結会計年度におきましては、大企業を中心とした業務デジタル化ニーズの高まりを背景に、「SmartDB®」を擁するクラウド事業が成長を牽引いたしました。新規商談の創出に向けた広告宣伝活動を強化するとともに、既存顧客への利活用支援を通じたアップセル獲得にも注力してまいりました。また、大規模なユーザー会を開催し、顧客企業同士が実践的なDX推進の知見を共有できる場を提供したことで、ノーコード開発による全社的なDX推進や、業務改革の広がりを後押しする結果につながっております。さらに、認定資格制度の本格普及を進め、市民開発者の裾野を拡大し、現場主導の業務デジタル化が推進される環境づくりに努めました。プロダクト開発の面では、「SmartDB®」へのAI技術の組込みを本格化し、企業・組織の意思決定をサポートする機能の開発を進めてまいりました。あわせて、パフォーマンス向上やオプション機能の拡充を継続し、基盤としての信頼性と利便性の向上を図っております。さらに、オンプレミス(注8)環境で利用中の顧客に対しては、クラウド環境への移行提案を積極的に行い、クラウド事業のさらなる成長につながる案件創出に努めてまいりました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,654,084千円(前年同期比12.3%増)、営業利益974,657千円(前年同期比26.0%増)、経常利益1,073,386千円(前年同期比40.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、大企業向け賃上げ促進税制に基づく税額控除32,744千円を受け、757,535千円(前年同期比37.4%増)となりました。 <クラウド事業>1.ホリゾンタルSaaS(注9) 当社グループは、業界業種を問わないホリゾンタルSaaSとして「SmartDB®」及び「InsuiteX®」を提供しております。 多様化する働き方や労働生産性向上の取り組みを背景に、大企業の業務デジタル化ニーズが高まる一方で、IT人材不足が深刻化しております。こうした状況を踏まえ、当社グループでは、ノーコード開発ツール「SmartDB®」を軸とした積極的なマーケティング活動を展開し、「デジタルの民主化」及び「市民開発」というコンセプトの浸透に努めております。 当連結会計年度におきましては、各種イベントの主催や展示会への出展を通じて「SmartDB®」の販促を強化してまいりました。開発面では、ERPフロントシステムとしての活用や、複雑な業務プロセスのデジタル化を促進するための機能拡張に加え、AI技術を組み込んだ意思決定サポート機能の開発を進めております。また、海外拠点での利用拡大を見据え、多言語対応や国・拠点別に利用範囲を制御できるアクセス制限機能の強化にも取り組み、セキュリティと利便性の両立を意識した開発投資を行ってまいりました。また、社内ポータル構築ツール「InsuiteX®」については、ビジョンやパーパスの浸透、組織エンゲージメント(注10)の強化、企業カルチャーの刷新といった経営課題を重視する顧客にフォーカスし、提案活動を展開してまいりました。 この結果、当連結会計年度のホリゾンタルSaaSの売上高は、3,503,609千円(前年同期比19.7%増)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は319,688千円(前年同期比50,958千円増)、契約企業数は195社(前年同期比34社増)となりました。 2.バーティカルSaaS(注11) 当社グループは、チェーンストア業界に特化したバーティカルSaaSとして「Shopらん®」を提供しております。(販売パートナー企業である(株)ネクスウェイは、「Shopらん®」と同一のサービスを「店舗matic®」(テンポ・マティック)という別ブランドで販売しております。) チェーンストアを展開する物販・飲食業界は、人手不足による供給制約の問題を抱えており、業務オペレーションの品質向上がこれまで以上に求められています。当社グループが提供する「Shopらん®」は、チェーンストアに特有の課題を解決するために設計されており、本部からの情報伝達、店舗における業務指示の徹底、タイムリーな現場情報の収集、店舗間における成功事例の共有をサポートします。 当連結会計年度におきましては、上半期の大型展示会で獲得したリードへの提案活動に注力してまいりました。開発面では、ユーザーインターフェイスの改善、パフォーマンス向上に向けた基盤強化などを進めてまいりました。 この結果、当連結会計年度のバーティカルSaaSの売上高は、783,730千円(前年同期比0.1%減)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は65,003千円(前年同期比1,308千円減)、契約企業数は170社(前年同期比7社増)となりました。 3.DCR(DX Custom Resolution) 当社グループは、特定顧客の個別要件に基づくシステムを開発し、クラウド基盤上での運用を行いながら継続的な機能拡張を行う開発運用型のサービス「DCR」を提供しております。 当連結会計年度におきましては、提供システムのセキュリティ向上と安定運用に注力してまいりました。 この結果、当連結会計年度のDCRの売上高は、181,448千円(前年同期比0.8%増)となりました。また、当連結会計年度末時点のMRR(月額利用料)は14,814千円(前年同期比136千円減)、契約企業数は3社(前年同期比変動なし)となっております。 以上の結果、当連結会計年度におけるクラウド事業のセグメント売上高は4,468,787千円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益は1,806,533千円(前年同期比20.4%増)となりました。 <オンプレミス事業> 当社グループは、ノーコード開発ツール「SmartDB®」及び社内ポータル構築ツール「Insuite®」のパッケージソフトウェア(注12)ライセンス及びソフトウェアメンテナンスを提供しております。 パッケージソフトウェアはオンプレミス環境での利用を前提としておりますが、現在新規の利用はSaaSに限定しております。そのため、当該事業の売上は、SaaS提供開始以前の既存顧客にのみ基づいております。 当連結会計年度におきましては、一部の顧客からライセンス受注があったものの、クラウド環境への移行などに伴いソフトウェアメンテナンスの解約が進みました。 以上の結果、当連結会計年度におけるオンプレミス事業のセグメント売上高は525,032千円(前年同期比6.0%減)、セグメント利益は235,860千円(前年同期比3.0%増)となりました。 <プロフェッショナルサービス事業> 当社グループは、SaaSプロダクト及びDCR(DX Custom Resolution)サービス、並びにパッケージライセンスの活用促進を図るため、導入・利活用コンサルティングや、プラグインソフトウェア(注13)開発などのプロフェッショナルサービスを提供しております。 当連結会計年度においては、「SmartDB®」の導入支援プロジェクトに加え、DCRの機能拡張や、既存顧客向けプラグインソフトウェアの改修など、多様な開発・支援サービスプロジェクトを受注いたしました。また、オンプレミス環境で利用中の顧客に対しては、クラウド基盤への移行プロジェクトを推進し、利用環境の刷新と、将来的なクラウド活用の拡大につながる取り組みを強化しております。 以上の結果、当連結会計年度におけるプロフェッショナルサービス事業のセグメント売上高は660,263千円(前年同期比13.0%増)、セグメント利益は115,168千円(前年同期比114.5%増)となりました。 (注1)SaaS(Software as a Service) 「Software as a Service」の略称。クラウド上に構築されたソフトウェア・アプリケーションをインターネット経由で利用するサービス。従来のようにパッケージソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールするなどの必要はなく、インターネットでアクセスするだけで利用できる仕組み。(注2)ノーコード開発 アプリケーション開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードをパーツとしてビジュアル化し、欲しいパーツを直感的に配置していくことで開発することができるツールを利用した開発のこと。(注3)市民開発 プログラミングなしにアプリケーションを開発することができるツールの導入を前提とし、ITの専門知識がない現場部門の従業員が主導して業務デジタル化を推進する開発スタイルのこと。当該スタイルで開発する従業員を市民開発者(シチズンディベロッパー)という。(注4)ERPフロントシステム ERPなどの基幹系システムのフロントに位置し、基幹系システムと密接なデータ連携を必要とする経理・財務・人事・給与・法務などの周辺システムのこと。主に現場社員が利用し、ERPパッケージの標準機能だけではカバーしきれない周辺業務、例えば見積作成、経費精算、各種申請業務などを担う。(注5)アップセル 現在利用中のプロダクト(またはサービス)において、より多くの人数・業務で利用してもらう、もしくはより高いグレードのプロダクト(またはサービスへ)への移行を促す営業手法のこと。(注6)社内ポータル 自社内に散在する情報を集約し、アクセスを容易にするための入口として構築されたWebサイトのこと。情報共有によるコミュニケーションの活性化を図るほか、社内で使われている各種アプリケーションを統合する機能を持ち、業務効率化を促進するためにも使われる。(注7)クロスセル 現在利用中のプロダクト(またはサービス)に関連させて他のプロダクトの導入を促す営業手法のこと。(注8)オンプレミス(on-premises) プレミス(premise)は「構内」「店内」などの意味。サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設内に設置して運用すること。(注9)ホリゾンタルSaaS(Horizontal SaaS) 業界を問わず特定の部門や機能に特化したSaaSのこと。企業組織に共通する業務課題を解決するために利用される。(注10)組織エンゲージメント 会社組織と従業員の間で互いに信頼関係があり、きずなを感じている状態またはその指標。企業理念が従業員に浸透しており、事業計画などの目標や方向性に共感していることが重要となる。(注11)バーティカルSaaS(Vertical SaaS) 特定の業界に特化したSaaSのこと。業界特有の業務課題を解決するために利用される。(注12)パッケージソフトウェア 既製品として販売されているソフトウェア製品。または、物理的な記憶媒体に記録され、箱などに梱包されて販売されるソフトウェア製品。(注13)プラグインソフトウェア(plug-in software) あるアプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェアを指す。 個別に追加してバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。 ②財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は5,311,986千円となり、前連結会計年度末に比べ、582,383千円増加しました。これは主に現金及び預金の増加571,532千円によるものであり、クラウド事業にかかる契約負債の増加が主な要因となっております。クラウド事業では、契約開始時に一定期間の利用料を前払いで受領し、契約期間に応じて均等に収益を認識しており、未履行の部分については契約負債として計上しております。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は2,395,738千円となり、前連結会計年度末に比べ、25,381千円減少しました。これは主に、社債の償還による減少300,000千円、契約負債の増加128,062千円、課税所得の増加に伴う未払法人税等の増加89,067千円、資産除去債務の増加28,340千円によるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は2,916,247千円となり、前連結会計年度末に比べ、607,765千円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加602,679千円によるものです。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,122,722千円となり、前連結会計年度末に比べ571,532千円増加となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)  営業活動の結果得られた資金は1,091,613千円(前年同期は1,001,480千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,073,386千円の計上、減価償却費200,752千円の計上、法人税等の支払額249,232千円等があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)  投資活動の結果使用した資金は71,470千円(前年同期は201,756千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出31,898千円、自社利用ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出244,721千円、保険積立金の解約による収入250,893千円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)  財務活動の結果使用した資金は454,989千円(前年同期は77,581千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払154,822千円、社債の償還による支出300,000千円があったことによるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループで行う事業は、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。b.受注実績当社グループで行う事業は、受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)クラウド事業4,468,78714.8オンプレミス事業525,032△6.0プロフェッショナルサービス事業660,26313.0合計5,654,08412.3 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①経営成績等の状況に関する認識及び分析・結果内容(売上高)当連結会計年度の売上高は、5,654,084千円(前連結会計年度比12.3%増)となりました。セグメント別の売上高については以下のとおりです。 クラウド事業:当事業セグメントは、ホリゾンタルSaaS、バーティカルSaaSおよびDCR(DX Custom Resolution)の利用料で構成されております。当連結会計年度においては、Web上のプロモーションやイベント出展などのマーケティング活動を通じて新規顧客開拓を積極化したこと、既存顧客に対する利用促進活動を通じてアップセルに努めたことなどから、当セグメントの売上高は4,468,787千円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。 オンプレミス事業:当事業セグメントでは、自社開発アプリケーションソフトウェアのパッケージライセンスおよびソフトウェアメンテナンスの提供を行っております。当連結会計年度においては、SaaSへの移行促進に伴い、ソフトウェアメンテナンスの解約等が進んだ結果、当セグメントの売上高は525,032千円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。 プロフェッショナルサービス事業:当事業セグメントでは、自社開発アプリケーションソフトウェアおよびSaaSにかかる導入支援などの役務提供を行っております。当連結会計年度においては、「SmartDB®」の導入支援プロジェクトに加え、DCRの機能拡張や、既存顧客向けプラグインソフトウェアの改修など、多様な開発・支援サービスプロジェクトを推進した結果、当セグメントの売上高は660,263千円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。 (営業費用および営業利益)当連結会計年度の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は4,679,426千円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。これは主にクラウド事業売上高の増加に伴う通信費(インフラコスト)の増加や昇給及び人員増に伴う人件費等の増加によるものであります。この結果、営業利益は974,657千円(前連結会計年度比26.0%増)となりました。 (営業外損益及び経常利益)当連結会計年度において、保険解約返戻金96,809千円や受取利息7,919千円等により営業外収益が107,255千円、また為替差損7,328千円を計上し、営業外費用が8,527千円となりました。この結果、経常利益は1,073,386千円(前連結会計年度比40.0%増)となりました。 (特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における、特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。法人税、住民税及び事業税は、大企業賃上げ促進税制に基づく税額控除32,744千円を受け、333,193千円となりました。また、法人税等調整額は△17,342千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は757,535千円(前連結会計年度比37.4%増)となりました。 ② 資本の財源及び資金の流動性当社グループの事業運営にあたり必要な運転資金の多くは、人件費、通信費(インフラコスト)、広告宣伝費等の営業費用であります。当該運転資金は、自己資金を中心に、必要に応じて借入調達することを基本方針としておりますが、今後の積極的な広告宣伝活動や、人的資本への投資によりエクイティファイナンスの活用を検討する予定です。なお、第30期連結会計年度末において、現金及び現金同等物は4,122,722千円であり、十分な資金の流動性を確保しております。 ③重要な会計方針及び見積当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容当社グループでは、主な経営指標として売上高成長率、売上高総利益率および営業キャッシュフローに影響を与える前受収益残高を重視しております。特に成長指標の核となる売上高については、総売上高に占めるストック売上高の比率に加え、クラウド事業の売上高成長率、導入企業数、平均月額利用料、売上継続率を重視しております。なお、連結財務諸表上において前受収益は契約負債に含めて表示しております。第30期連結会計年度における各指標の前年同期比の増減率および四半期実績推移は以下のとおりであり、引続き対処すべき経営課題の改善を進め、経営成績の向上を図って参ります。 (主な経営指標) 2024年12月期(前連結会計年度実績)2025年12月期(当連結会計年度実績)前年同期比増減率売上高(千円)5,033,8555,654,08412.3 %売上総利益(千円)2,872,8963,532,39723.0 %売上高総利益率57.1%62.5%5.4 %前受収益残高(千円)1,273,0531,401,11510.1 % 第30期連結会計年度における売上高は前年比12.3%増となりました。オンプレミス事業の解約やクラウドサービスへの移行などによる減少を、クラウド事業の伸長が補う形となっております。売上総利益は前年比23.0%増となりました。クラウド事業の売上が大幅に伸びたことが要因となっております。前受収益残高は前年比10.1%の増加となりました。クラウド事業の伸長に伴い、月額利用料の前受収益が増加したことが要因となっております。 (ストック売上高比率) 2024年12月期(前連結会計年度実績)2025年12月期(当連結会計年度実績)前年同期比増減率ストック売上高(千円)4,428,0144,947,19711.7 %ストック売上高比率88.0%87.5%△0.5 % (注)ストック売上高は、クラウド事業売上高と、オンプレミス事業に含まれるパッケージライセンスにかかるメンテナンス売上高等を合算したものであります。ストック売上高比率は、総売上高に占めるストック売上高の割合です。 第30期連結会計年度におけるストック売上高比率は87.5%となり、前連結会計年度に引き続き安定した売上構成を維持しております。今後は、新規顧客の増加にともない、導入支援サービス等プロフェッショナルサービス事業への需要が増すことで、ストック売上高比率の低下を招く可能性があります。引き続きバランスの良い売上構成を目指してまいります。 (クラウド事業:ホリゾンタルSaaS) 2024年12月期(前連結会計年度実績)2025年12月期(当連結会計年度実績)前年同期比増減率売上高(千円)2,926,8653,503,60919.7 %導入企業社数16119521.1 %平均月額利用料(千円)1,6691,639△1.8 %売上継続率117.5%109.8%△7.7 %修正売上継続率117.5%109.8%△7.7 % (注)1 ホリゾンタルSaaSは、「SmartDB®」と「InsuiteX®」のクラウドサービスで構成されています。売上継続率(Net Retention Rate)は、1年前の課金ユーザーにかかる月額利用料の変化率として算出しております。(例:2020年12月時点の課金ユーザーの月額利用料合計と、当該ユーザーの2021年12月の月額利用料合計の変化率)2 売上継続率は、特定のオンプレミスユーザーにおけるクラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を、2021年12月に一括計上した影響が含まれており、修正売上継続率はその影響額を控除しております。 第30期連結会計年度におけるホリゾンタルSaaSの売上高成長率は19.7%となり、売上高は順調に伸びております。導入企業数は前年比21.1%増の195社となりました。オンラインイベント等のマーケティング施策を実施し新規顧客開拓に注力した結果、導入企業数は順調に推移しております。一方、平均月額利用料は前年比1.8%減少し1,639千円となりました。また、修正売上継続率は109.8%と堅調に推移いたしました。これは剪定戦略(注)による一部解約によるものです。今後も継続して積極的な利活用促進を図り、解約を抑制しつつ、アップセルを強化してまいります。なお、ホリゾンタルSaaSの売上高および売上成長率の大部分はSmartDB®が占めており、本セグメントの成長を牽引しております。 (注)「剪定(せんてい)戦略」とは、果樹や庭木の「剪定」(より多くの果実を実らせる、または美しい樹形を保つため、風通しを良くしたり根への負担を軽減する目的で余分な枝を切り落とすこと)になぞらえ、将来の負荷を軽減するために、一部顧客に対して最新プラットフォームへの移行を促進したり、技術的負債になり得る機能の削減に取り組むこと。 (ホリゾンタルSaaS四半期実績推移)連結会計年度四半期売上高(千円)(注)1売上高成長率導入社数(注)2平均月額利用料(千円)(注)3売上継続率(注)42021年12月期Q1218,222+55.9%491,487101.1% Q2226,305+52.4%521,484115.8% Q3244,014+51.3%591,395116.5% Q4304,174+46.8%751,73199.0%2022年12月期Q1326,921+49.8%811,400105.2% Q2360,609+59.3%931,354107.9% Q3386,638+58.4%951,373108.0% Q4432,483+42.2%991,51891.2%2023年12月期Q1490,724+50.1%1091,535123.4% Q2536,115+48.7%1191,535125.1% Q3569,841+47.4%1241,566127.0% Q4610,664+41.2%1401,483123.3%2024年12月期Q1658,974+34.3%1451,545116.9% Q2715,312+33.4%1551,579117.9% Q3754,300+32.4%1581,605114.4% Q4798,277+30.7%1611,669117.5%2025年12月期Q1830,188+26.0%1681,689116.7% Q2850,541+18.9%1731,656111.1% Q3887,427+17.6%1821,662109.7% Q4935,451+17.2%1951,639109.8% (注)1 SmartDB®とInsuiteX®のクラウドサービス利用料の四半期合計額です。   2 各四半期の最終月において課金が発生している社数をカウントしています。3 各四半期の最終月における月額利用料を導入社数で除して算出しています。2021年Q4の利用料増加は、オンプレミスユーザークラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を一括計上したことによるものです。4 前年同四半期最終月の課金ユーザーにかかる月額利用料の当四半期における変化率。NRR(Net Revenue Retention)2022年Q4の売上継続率が大きく減少している要因は、算出の起点となる2021年12月に、特定のオンプレミスユーザーにおけるクラウド移行プロジェクトにおいて、複数月にわたる移行作業・導入支援期間の利用料を一括計上した影響が含まれており、影響額を控除した修正売上継続率は114.2%となります。 (クラウド事業:バーティカルSaaS) 2024年12月期(前連結会計年度実績)2025年12月期(当連結会計年度実績)前年同期比増減率売上高(千円)784,263783,730△0.1 %導入企業社数1631704.3 %平均月額利用料(千円)406382△5.9 %売上継続率95.8%96.0%0.2 % (注)バーティカルSaaSは、「Shopらん®」と「店舗matic®」(株式会社ネクスウェイ経由で提供する「Shopらん®」の別ブランド)で構成されています。売上継続率(Net Retention Rate)は、1年前の課金ユーザーにかかる月額利用料の変化率として算出しております。(例:2020年12月時点の課金ユーザーの月額利用料合計と、当該ユーザーの2021年12月の月額利用料合計の変化率) 第30期連結会計年度におけるバーティカルSaaSの売上高成長率は△0.1%となりました。「Shopらん®」はチェーンストア業界向けのサービスであり、コロナ禍の影響は少なくありませんでしたが、2022年12月期以降復調の兆しを見せております。流通小売業界向けのイベントに出展するなどのマーケティング活動を通じて、新規開拓活動を展開した結果、導入企業数は順調に推移しました。一方、新規顧客の小型化、既存顧客の一部解約により平均月額利用料は前年同期比5.9%減の382千円となりました。また、導入企業数は前年同期比4.3%増の170社、売上継続率は96.0%となりました。コロナ禍を脱し、積極的なIT投資を行う顧客が増加する傾向にあると認識しており、今後は店舗運営の生産性向上に資する機能拡張、オプションの提供などを通じ、各指標の向上を図ってまいります。 (バーティカルSaaS四半期実績推移)連結会計年度四半期売上高(千円)(注)1売上高成長率導入社数(注)2平均月額利用料(千円)(注)3売上継続率(注)42021年12月期Q1149,086+6.9%153328102.5% Q2141,586+5.1%15530695.5% Q3144,008△0.1%16030195.3% Q4151,102+1.8%16331094.2%2022年12月期Q1152,486+2.3%16531094.8% Q2155,927+10.1%167314101.0% Q3163,297+13.4%171327102.5% Q4170,761+13.0%170337104.8%2023年12月期Q1175,310+15.0%169353109.6% Q2184,915+18.6%174359108.4% Q3189,235+15.9%174365109.3% Q4194,559+13.9%174374107.7%2024年12月期Q1196,180+11.9%169385102.7% Q2193,290+4.5%163395100.1% Q3193,602+2.3%16240198.3% Q4201,189+3.4%16340695.8%2025年12月期Q1195,688△0.3%16339796.2% Q2195,046+0.9%16439895.9% Q3199,321+3.0%16739895.9% Q4193,673△3.7%17038296.0% (注)1 Shopらん®利用料の四半期合計額です。   2 各四半期の最終月において課金が発生している社数をカウントしています。   3 各四半期の最終月における月額利用料を導入社数で除して算出しています。4 前年同四半期最終月の課金ユーザーにかかる月額利用料の当四半期における変化率。NRR(Net Revenue Retention)

事業リスク

  • クラウド市場の成長鈍化
    ドリーム・アーツの主力事業はクラウド型業務デジタルツールであり、クラウド市場の成長に大きく依存しています。経済情勢の変化による企業の情報化投資の抑制や、新たな法規制、技術革新の停滞などにより、市場成長が鈍化した場合、同社の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 競合激化と競争力低下
    国内SaaS市場は競合企業が多く、新規参入も予測されます。大手企業を含む競合他社が、より大きな資本力や技術力、販売力を持つ場合があり、価格競争の激化や競合サービスの品質向上により、同社の競争力が相対的に低下する可能性があります。これにより、収益性や市場シェアに影響が出る可能性があります。
  • 技術革新への不対応
    IT業界は技術革新のスピードが速く、常に新しい技術やサービスが登場しています。同社はAI技術の活用などに取り組んでいますが、予期せぬ技術革新やインターネット環境の急激な変化に適切に対応できない場合、または新たな技術要素への多額の投資が必要となった場合、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,798 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが独自に判断したものであり、将来において発生する可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。また当社グループにとっては必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断において重要であると考えられる事項については記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社グループの経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 ① クラウド市場の展望について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)当社グループは、クラウド型業務デジタルツールである「SmartDB®」「InsuiteX®」「Shopらん®」をSaaS形態によりサービス提供しております。当社グループが事業を展開するクラウド市場は急速な成長を続けており、この市場成長傾向は今後も継続するものと見込んでおります。しかしながら、経済情勢や景気動向の変化による企業の情報化投資の抑制や、新たな法規制の導入、技術革新の停滞等の要因によりクラウド市場の成長が鈍化するような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合他社の動向について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)当社グループが事業を展開する国内SaaS市場は、競合企業が複数存在しており、クラウド市場の普及を背景に、規模の大小を問わず競合企業の新規参入が予測されます。これら競合他社の中には、当社グループに比べ大きな資本力や技術力、販売力等の経営資源及び顧客基盤等を保有している企業が含まれます。当社グループでは、製品開発力の強化や継続的な製品改修・サービス品質の向上等により顧客企業との良好な取引関係の維持等に積極的に取り組み、価格だけでなく付加価値で対抗できるブランディングを図っておりますが、競合企業のサービス力の向上や新規参入による価格競争の激化により当社の競争力が相対的に低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新への対応について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)当社グループが属するIT業界は、技術革新の進歩が速く、それに呼応する形で新たな製品・サービスが逐次登場しております。当社グループは多様化する顧客ニーズに応えるべく、最新の技術動向や環境変化を注視し、新たな技術に対応したソフトウェアやサービスの提供ができるよう、AI活用の新構想「DAPA(DreamArts Practical AI)」の推進を含め、AI技術を活用した製品・サービスの開発、改良及び高度化に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが予期しない技術革新等によりインターネット環境に急激な変化があり、技術の進歩に起因するビジネス環境の変化に当社が適切に対応できない場合や新たな技術要素への投資が必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 自然災害、事故等について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)近年、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化が予測されていることを踏まえて、当社グループでは、地震・台風等の自然災害や火災・停電等の事故に備え「大規模災害時事業継続計画」を策定し役職員に周知するとともに避難訓練への参加やテレワークの環境整備等のリスク管理体制を整備しております。しかしながら、想定を超える自然災害・事故等が発生し通信設備の損壊や電力供給の制限等が発生した場合には当社グループの事業活動が大きく制限される可能性があります。また、当社グループが直接被災せずとも顧客企業の事業活動抑制につながる場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。 ⑤ 海外子会社について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:中)当社グループは、中国大連市に連結子会社を設立し、当社製品の開発・テスト・サポート業務の一部を担っております。当社グループでは、中国国内の政治情勢・経済情勢等を適時調査し、当該子会社との情報交換を緊密に行うとともに、現地の会計事務所・法律事務所と連携し適切に対応しておりますが、当社が委託している業務に係る法規制等が成立・改正された場合やテロ、クーデター、紛争、暴動、戦争その他の社会的・政治的混乱等の発生により現地の治安状態が悪化した場合、事業運営に支障が生じる可能性があります。さらに、自然災害や伝染病などの発生、急激な為替変動や為替制限なども、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 事業拡大に係る先行投資について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:中)当社グループでは、より多くの新規顧客の獲得を目指し、知名度や信頼度の向上のための広報・プロモーション活動の一環として、オンラインセミナーの開催やイベント展示会への出展等を積極的に行っております。今後も費用対効果を見極めつつ、顧客獲得のためのマーケティングコストを効率的に投下して、売上高の拡大及び収益性の向上に向けた取り組みを行っていきますが、各種マーケティング・PR活動等の効果が期待通り得られない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 既存ユーザー企業の継続率及び単価向上について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:中)当社グループのクラウドサービスは、サービス料金を使用期間やユーザー数等に応じて定期定額契約として課金することで継続的な収益を得るビジネスモデルであるサブスクリプション型のリカーリングレベニューモデルであることから、当社グループの継続的な成長には、新規顧客の獲得に加え、既存顧客の解約防止及び単価向上が重要であると認識しております。当社グループでは、最適なマーケティング活動及び販売戦略の立案・遂行に注力するとともに、製品開発力の強化や継続的な製品改修・サービス品質の向上等に取り組んでおります。しかしながら、経済情勢や市場環境の悪化等による顧客企業のIT投資抑制等が生じた場合や、新規・追加契約が想定通り進まない場合、想定を超える解約が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 人材獲得及び育成について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:中)当社グループは、継続的な業績拡大と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、優秀な人材の採用、育成及び定着を継続的に実施することが必要不可欠であると認識しております。当社グループでは、積極的な採用活動に加え、研修カリキュラムの充実や公正で透明性の高い人事評価制度の運営、リモートワーク・フルフレックス制度など多様な働き方に対応した施策の推進等により引き続き優秀な人材の採用、育成及び定着を継続していく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通りに進まなかった場合、人材の流出が生じた場合及び当社グループが求める人材の育成ができなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 契約不適合責任について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:中)当社グループでは、システム開発やクラウド移行支援サービスを業務委託の契約形態により提供しています。当社グループでは、想定される難易度及び工数に基づき見積書を作成し、適正な利益率を確保したうえで受注するとともに、顧客責任者や関係者と定期的な会議を実施し、要員管理、進捗管理、予実管理、品質管理等の徹底に努め、十分なテストを行った上で成果物を納品しております。しかしながら、請負契約の案件で予期せぬ不具合の発生等により工数が大幅に増加した場合や、当社グループが契約不適合責任及び損害賠償責任の追及を受け、業務過誤賠償責任保険の上限額を超えた賠償責任を負うことになった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ システム・ネットワーク障害について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)当社グループが顧客に提供している各サービスは、クラウドという特性上、インターネットを経由して行われており、インターネットに接続するための通信ネットワークやインフラストラクチャーに依存しております。当社グループでは、企業向けクラウドプラットフォームとして信頼されているAmazon Web Services社やMicrosoft社が提供するクラウドプラットフォーム上に各サービスを構築するとともにバックアップ管理の冗長化やセキュリティ対策の強化を行い、各サービスの安定的かつセキュアな運用体制を取っております。加えて、24時間365日稼働のクラウド監視センターを設置し、各サービスが適切に利用できる状況か常時監視、障害発生時には定められた手順に基づき復旧作業を実行する等の管理運用を行っております。しかしながら、自然災害や事故、プログラム不良、不正アクセス、その他何らかの要因により大規模なシステム障害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 仕入先の動向について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)当社グループが顧客に提供している各サービスは、企業向けクラウドプラットフォームとして信頼されているMicrosoft Azure、Amazon Web Services、FJcloud-V(ニフクラ)を用いて構築しており、複数のクラウドプラットフォームを分散・併用することで特定の環境に依存しない状態の維持に努めております。しかしながら、各クラウドプラットフォーム製品における市場規模の縮小や大幅な仕様変更、経営戦略の変更がある場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 経営成績の季節変動(顕在化の可能性:小、時期:常時、影響度:小)当社グループが顧客に提供している各サービスは、導入企業において事業年度等に合わせて新規導入・追加発注される傾向があること等から、当社の売上高は各導入企業における年度末に増加する傾向があります。過年度における当社四半期業績について過度の偏重等は生じておりませんが、上記売上増加の傾向は今後も継続すると認識しております。また、当社グループでは受注管理の徹底を推進しておりますが、導入企業の業務その他の要因により期ずれが生じる可能性があることから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 知的財産の保護及び侵害等について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)当社グループでは、提供する各種サービスに係る特許権や商標権を取得しており、今後も積極的に知的財産権の保護に努めるとともに、当社グループの役職員による第三者の知的財産権の侵害が発生しないよう、啓蒙活動及び社内管理体制の強化に取り組んでおります。また当社グループでは、提供する各種サービスが第三者の知的財産権を侵害していないか外部の専門家と連携し可能な範囲で調査を実施しております。しかしながら、第三者の知的財産権の状況を正確に調査・把握することは困難であり、知的財産権侵害とされた場合、その訴訟の内容及び結果や損害賠償の金額によっては、当社グループの財政状態及び経営成績や企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 個人情報・秘密情報の管理について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:大)当社グループは事業を推進していく中で、取引先企業における個人情報や秘密情報等の情報資産を扱う機会があります。当社では、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の第三者認証を受けるとともに、情報セキュリティに関する規程の策定や役職員に対する定期的な教育の実施、コンピュータ等の情報機器やネットワーク等の情報通信設備に対するセキュリティ管理の徹底、外部委託先との秘密保持契約の締結等を行い、また包括的なセキュリティの原理・原則である「ドリーム・アーツセキュリティ憲章」の制定や社長直轄の統括組織として「セキュリティ委員会」の設置を行い、当社グループからの情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。しかしながら、コンピュータウイルスによる感染やサイバー攻撃等の不正な手段による外部アクセス、役職員及び外部委託先の過誤、自然災害の発生等によりこれらの情報資産が外部に流出した場合、これらに起因して損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があり、その訴訟の内容及び結果や損害賠償の金額によっては、当社グループの財政状態及び経営成績や企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 法的規制について(顕在化の可能性:小、時期:常時、影響度:中)本書提出日現在において、当社グループが事業を展開する際に障害となるような法的規制はないと認識しており、当社グループでは「個人情報の保護に関する法律」や「中小受託取引適正化法」など一般的に適用される法的規制を遵守して事業を運営しております。しかしながら、当社グループの事業に関連する法的規制等が新設、改正、又は解釈の変更等がなされた場合、当社グループの現在又は将来における事業活動が制約を受ける可能性やコストの増加をもたらす可能性があり、その規模によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 訴訟について(顕在化の可能性:小、時期:常時、影響度:大)当社グループは、本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はございません。当社グループでは、コンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図ることを目的にコンプライアンスに関する規程を整備し、法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を構築するとともに、役職員に対して定期的にコンプライアンス研修を実施する等により、取引先、従業員、その他第三者との関係において訴訟リスクを低減するよう努めております。しかしながら、事業活動を行う中で、当社グループが提供するサービス・システムに不具合・障害が生じた場合や受託開発した成果物に契約不適合が生じた場合、第三者からの不正アクセス等により情報流出した場合等の不測の事態が発生した場合には、これらに起因して損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があり、その訴訟の内容及び結果や損害賠償の金額によっては、当社グループの財政状態及び経営成績や企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 ⑰ 内部管理体制の強化について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:中)当社グループの従業員は293名(2025年12月31日時点)であり、内部管理体制は企業規模に応じた人員となっておりますが、当社グループが事業を拡大し継続的に成長し続けるためには、企業規模の拡大に合わせた内部管理体制の強化が不可欠であります。当社グループは、今後の事業拡大に応じて人員増強を図るとともに人材育成に注力し、内部管理体制の一層の強化、充実を図っていく方針ではありますが、当初計画を超えて事業が成長し体制構築が追い付かない場合や、新たな人材の確保及び育成が順調に進まない場合並びに人材の流出が生じた場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑱ 特定人物への依存について(顕在化の可能性:小、時期:常時、影響度:中)当社の創業者であり代表取締役社長を務めている山本孝昭は、当社グループの経営方針や事業戦略等の決定及び遂行において重要な役割を果たしております。当社グループは、人材の採用・育成、取締役会・本部長会議等における役員及び執行役員の情報共有や経営組織の強化、業務分掌等に取り組んでおり、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの事情により同氏に不測の事態が生じた場合や退任せざるを得ない事情が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在、同氏及び同氏の資産管理会社は当社株式の33.1%を保有しております。 ⑲ 配当政策について(顕在化の可能性:中、時期:常時、影響度:中)当社グループは、株主への利益還元を重要な経営課題と位置付け、将来の成長投資及び経営体制の強化に必要な内部留保を確保しつつ、年1回の期末配当を継続的に実施していくことを基本方針としており、当事業年度については、当事業年度の業績及び今後の経営環境、将来の成長投資等を総合的に勘案し、1株あたり60円00銭といたしました。株主利益の最大化と事業成長投資及び財務基盤強化に向けた内部留保とのバランスを図るため、今期は配当性向20~30%を目途に、来期以降は配当性向30%を目安とした累進配当を導入し前年実績の水準に対して維持もしくは増配を行うことを基本方針としておりますが、事業環境の急激な変化により業績低迷等が生じた場合には安定的な配当を行うことができなくなる可能性があります。 ⑳ 当社株式の流動性について(顕在化の可能性:中、発生時期:短期、影響度:中)2025年12月末日現在、当社株式についての、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は34.45%となっております。現時点では上場維持基準に抵触する水準ではなく、今後は新株予約権の行使による流通株式数の増加等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 ㉑ 固定資産の減損(顕在化の可能性:小、発生時期:常時、影響度:中)当社は、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。このため、当該資産又は資産グループの経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社の事業および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

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