事業の内容
HENNGEは「テクノロジーの解放」を理念に、企業向けにクラウドサービス(SaaS)を提供しています。特に、パッケージソフトウェアをクラウドサービスとして提供するSaaS形態を効率的な手段と位置づけています。主力は、クラウド利用時のセキュリティと利便性を高める総合サービス「HENNGE One」です。これは、ID管理、情報漏洩対策、サイバーセキュリティ機能を統合したもので、月額定額課金(サブスクリプション)モデルで安定的な収益を上げています。長年の実績と幅広い顧客基盤を背景に、企画から販売・サポートまで一貫して自社で行う強みがあります。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
年度を切り替えて推移を確認できます。
FY2025|5,817 文字|出典 docID: S100XCC9
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社2社(台灣惠頂益股份有限公司、HENNGE Inc.)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」という経営理念を掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を企業が恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態を我々のビジョンの実現のための最も効率的な手段と位置づけております。汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。日本では、2010年頃から、クラウド技術の普及により、パッケージソフトウェアを期間課金のクラウドサービスの形態で提供することが可能になりました。これにより、追加開発等による付加価値を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのため、サービス利用者の拡大に伴い、お客様に対して常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループは安定的な収益を確保することができると考えております。 当社グループの特徴は、25年以上にわたり、銀行のようなセキュリティ需要の高い企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や業種の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培ってきた信頼と実績や、幅広い顧客基盤を背景に、お客様共通のニーズ・課題の抽出、それらを解決するための技術開発、お客様への販売、その後のアフターフォローなど、企画から販売・サポートまでの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」で解決しております。インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期の2000年からは大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。 昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上に資するとの期待があると考えております。 クラウド技術の発達により、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業はますます増加しています。しかしながら、たとえば意図しない場所や端末からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特にこれまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウェアをクラウドに移行する場合、メールを介した誤送信やファイル共有設定ミスによる情報漏洩、年々リスクが高まっている標的型攻撃などといった様々な脅威に対応するクラウドサービスも必要になります。「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤に加えて、メール誤送信対策やファイル共有管理機能といった情報漏洩対策機能、さらにランサムウェアや標的型攻撃対策などのサイバーセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループの経営理念である「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」に合致すると考えております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行っておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加受注の契約金額が解約による収益の減少額を下回らない限りは前年度の収益を上回るという安定性を有し、その収益基盤をもって新たな課題にチャレンジし、持続的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりです。 (1)HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司、HENNGE Inc.) HENNGE One事業では、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制御機能のほか、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするシングルサインオン機能、クラウドメールの誤送信対策・ファイル共有管理・内部監査・証跡調査といった情報漏洩対策機能、大容量ファイルの送受信、脱PPAP対策や標的型攻撃対策等の機能を備える企業向けSaaSです。業種・業態を問わず、また、部署・勤務形態を問わず、様々な企業で、全社一括導入にてご利用いただく性質のサービスであるため、契約企業数及び契約ユーザ数の増加に伴いARR(注6)は年々積み上がっております。また、一度ご契約いただくとその安全性や利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注7)は低水準を維持しております。 「HENNGE One」はIdentity、DLP、そしてCybersecurityの3つで構成され、それぞれの詳細は以下のとおりです。 i. HENNGE One Identity 各種クラウドサービスへのシングルサインオンとセキュアなアクセスを実現する機能です。具体的には、クラウドサービスへのアクセス制御とSAML(注8)認証によるシングルサインオンを行うことができる「HENNGE Access Control」、デバイス証明書(注9)の発行によりクラウドサービスにアクセス可能な端末の制御を行う「HENNGE Device Certificate」、アプリを通じて多要素認証(注10)を行う「HENNGE Lock」、企業のオンプレミスシステムに対してもシングルサインオンを実現する「HENNGE Connect」などを組み合わせることで、利便性と安全性のバランスが取れたクラウド利用をサポートします。 ii. HENNGE One DLP データの紛失や漏洩防止に対応するセキュリティソリューションです。具体的には、メールの一時保留やフィルタリングを行う「HENNGE Email DLP」、送受信メールのアーカイブをする「HENNGE Email Archive」、大容量ファイルの送受信に特化したクラウドストレージサービスである「HENNGE Secure Transfer」、添付ファイルの自動URL化を行う「HENNGE Secure Download」、ファイル共有管理機能である「HENNGE File DLP」などにより、セキュアなクラウド環境を実現します。 ⅲ. HENNGE One Cybersecurity 年々高まるサイバーセキュリティリスク対策機能です。標準的な対策ではすり抜けてしまう、不審なメールやファイルを自動で発見・隔離する「HENNGE Cloud Protection」、継続的・実践的な標的型攻撃メール対策訓練を自動化し、報告フローの定着化で組織のセキュリティレベルの向上を実現する「HENNGE Tadrill」により、テクノロジー・人・プロセスの全方位で組織のサイバー攻撃対策を実現します。 (2)プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、なりすましメール対策に有効な送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)及び送信者ガイドラインに対応し、大量のメールをセキュアかつ高速に配信するメール配信クラウドサービス等を展開しております。主な取り扱い商材は以下のとおりです。 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発する顧客向けシステムには、メールを利用して様々な情報をユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、送信ドメイン認証及び送信者ガイドラインに対応したメール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 (注)1.パッケージソフトウエア:多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。2.クラウド:クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。3.SaaS(Software as a Service):パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。4.オンプレミスプロダクト:パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル:サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。6.ARR(Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注11)×12(12倍することで年額に換算)7.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。8.SAML:Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。9.デバイス証明書:あらかじめクライアントの端末にインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPC又はスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPC又はスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。10.多要素認証:サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。11.MRR(Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。 [系統図]
FY2024|5,847 文字|出典 docID: S100V02M
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」という経営理念を掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を企業が恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態が我々のビジョンの実現のための最も効率的な手段と位置づけております。汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。日本では、2010年頃から、クラウド技術の普及により、パッケージソフトウェアを期間課金のクラウドサービスの形態で提供することが可能になりました。これにより、追加開発等による付加価値を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのため、サービス利用者の拡大に伴い、お客様に対して常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループは安定的な収益を確保することができると考えております。 当社グループの特徴は、20年以上にわたり、銀行のようなセキュリティ需要の高い企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や業種の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培ってきた信頼と実績や、幅広い顧客基盤を背景に、お客様共通のニーズ・課題の抽出、それらを解決するための技術開発、お客様への販売、その後のアフターフォローなど、企画から販売・サポートまでの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期の2000年からは大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。 昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上に資するとの期待があると考えております。 クラウド技術の発達により、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業はますます増加しています。しかしながら、たとえば意図しない場所や端末からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特にこれまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウェアをクラウドに移行する場合、メールを介した誤送信やファイル共有設定ミスによる情報漏洩、年々リスクが高まっている標的型攻撃などといった様々な脅威に対応するクラウドサービスも必要になります。「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤に加えて、メール誤送信対策やファイル共有管理機能といった情報漏洩対先機能、さらにランサムウェアや標的型攻撃対策などのサイバーセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループの経営理念である「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」に合致すると考えております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行っておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加受注の契約金額が解約による収益の減少額を下回らない限りは前年度の収益を上回るという安定性を有し、その収益基盤をもって新たな課題にチャレンジし、持続的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりです。 (1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司) HENNGE One事業では、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制御機能のほか、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするシングルサインオン機能、クラウドメールの誤送信対策・ファイル共有管理・内部監査・証跡調査といった情報漏洩対策機能、大容量ファイルの送受信、脱PPAP対策や標的型攻撃対策等の機能を備える企業向けSaaSです。 業種・業態を問わず、また、部署・勤務形態を問わず、様々な企業で、全社一括導入にてご利用いただく性質のサービスであるため、契約企業数及び契約ユーザ数の増加に伴いARR(注6)は年々積み上がっております。また、一度ご契約いただくとその安全性や利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注7)は低水準を維持しております。 「HENNGE One」は2024年4月にリブランディングを行い、Identity、DLP、そしてCybersecurityの3との構成となり、それぞれの詳細は以下のとおりです。 i. HENNGE One Identity 各種クラウドサービスへのシングルサインオンとセキュアなアクセスを実現する機能です。具体的には、クラウドサービスへのアクセス制御とSAML(注8)認証によるシングルサインオンを行うことができる「HENNGE Access Control」、デバイス証明書(注9)の発行によりクラウドサービスにアクセス可能な端末の制御を行う「HENNGE Device Certificate」、アプリを通じて多要素認証(注10)を行う「HENNGE Lock Plus」、企業のオンプレミスシステムに対してもシングルサインオンを実現する「HENNGE Connect」などを組み合わせることで、利便性と安全性のバランスが取れたクラウド利用をサポートします。 ii. HENNGE One DLP データの紛失や漏洩防止に対応するセキュリティソリューションです。具体的には、メールの一時保留やフィルタリングを行う「HENNGE E-Mail DLP」、送受信メールのアーカイブをする「HENNGE E-Mail Archive」、大容量ファイルの送受信に特化したクラウドストレージサービスである「HENNGE Secure Transfer」、添付ファイルの自動URL化を行う「HENNGE Secure Download」、ファイル共有管理機能である「HENNGE File DLP」などにより、セキュアなクラウド環境を実現します。 ⅲ. HENNGE One Cybersecurity 年々高まるサイバーセキュリティリスク対策機能です。標準的な対策ではすり抜けてしまう、不審なメールやファイルを自動で発見・隔離する「HENNGE Cloud Protection」、継続的・実践的な標的型攻撃メール対策訓練を自動化し、報告フローの定着化で組織のセキュリティレベルの向上を実現する「HENNGE Tadrill」により、テクノロジー・人・プロセスの全方位で組織のサイバー攻撃対策を実現します。 (2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、なりすましメール対策に有効な送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)及び送信者ガイドラインに対応し、大量のメールをセキュアかつ高速に配信するメール配信クラウドサービス等を展開しております。主な取り扱い商材は以下のとおりです。 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発する顧客向けシステムには、メールを利用して様々な情報をユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、送信ドメイン認証及び送信者ガイドラインに対応したメール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 (注)1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。6.ARR (Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注11) × 12(12倍することで年額に換算)7.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。8.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。9.デバイス証明書 : あらかじめクライアントの端末にインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPC又はスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPC又はスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。10.多要素認証 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。11.MRR (Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。 [系統図]
FY2023|5,577 文字|出典 docID: S100SHVB
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」という経営理念を掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を企業が恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態が我々のビジョンの実現のための最も効率的な手段と位置づけております。汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。日本では、2010年頃から、クラウド技術の普及により、パッケージソフトウェアを期間課金のクラウドサービスの形態で提供することが可能になりました。これにより、追加開発等による付加価値を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのため、サービス利用者の拡大に伴い、お客様に対して常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループは安定的な収益を確保することができると考えております。 当社グループの特徴は、20年以上にわたり、銀行のような比較的保守的な企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や業種の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培ってきた信頼と実績や、幅広い顧客基盤を背景に、お客様共通のニーズ・課題の抽出、それらを解決するための技術開発、お客様への販売、その後のアフターフォローなど、企画から販売・サポートまでの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期の2000年からは大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。 昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上に資するとの期待があると考えております。 クラウド技術の発達により、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業はますます増加しています。しかしながら、たとえば意図しない場所や端末からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特にこれまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウェアをクラウドに移行する場合、メールを介した誤送信や標的型攻撃などの様々なセキュリティリスクに対応するクラウドサービスも必要になります。「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤(IDaaS(注5))に加えて、誤送信対策や標的型攻撃対策などのメールセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループの経営理念である「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」に合致すると考えております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行っておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注6)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加受注の契約金額が解約金額を下回らない限りは前年度の収益を上回るという安定性を有し、その収益基盤をもって新たな課題にチャレンジし、持続的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりです。 (1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司) HENNGE One事業では、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制御機能のほか、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするシングルサインオン機能、クラウドメールの誤送信対策・内部監査・証跡調査といった情報漏洩対策機能や、大容量ファイルの送受信、脱PPAP対策や標的型攻撃対策等の機能を備える企業向けSaaSです。 業種・業態を問わず、また、部署・勤務形態を問わず、様々な企業で、全社一括導入にてご利用いただく性質のサービスであるため、契約企業数及び契約ユーザ数の増加に伴いARR(注7)は年々積み上がっております。また、一度ご契約いただくとその安全性や利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注8)は低水準を維持しております。 「HENNGE One」はIdP FeaturesとE-Mail Security Featuresの2つで構成されており、それぞれの詳細は以下のとおりです。 i. HENNGE One IdP Features 各種クラウドサービスへのシングルサインオンとセキュアなアクセスを実現する機能です。具体的には、クラウドサービスへのアクセス制御とSAML(注9)認証によるシングルサインオンを行うことができる「HENNGE Access Control」、デバイス証明書(注10)の発行によりクラウドサービスにアクセス可能な端末の制御を行う「HENNGE Device Certificate」、アプリを通じて多要素認証(注11)を行う「HENNGE Lock Plus」、企業のオンプレミスシステムに対してもシングルサインオンを実現する「HENNGE Connect」などを組み合わせることで、利便性と安全性のバランスが取れたクラウド利用をサポートします。 ii. HENNGE One E-Mail Security Features クラウドメールの送受信双方に対応する統合メールセキュリティ機能です。具体的には、メールの一時保留やフィルタリングを行う「HENNGE E-Mail DLP」、送受信メールのアーカイブをする「HENNGE E-Mail Archive」、大容量ファイルの送受信に特化したクラウドストレージサービスである「HENNGE Secure Transfer」、添付ファイルの自動URL化を行う「HENNGE Secure Download」、送受信メールへのマルウエア対策機能である「HENNGE Clound Protection」などにより、セキュアなクラウドメール環境を実現します。 (2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メールをセキュアに大量かつ高速に配信するメール配信パッケージソフトウエア等を展開しております。主な取り扱い商材は以下のとおりです。 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを携帯・PC・スマートフォンに大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発するシステムには、電子メールをユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、メール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 (注)1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。5.IDaaS (Identity as a Service) : IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。6.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。7.ARR (Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注12) × 12(12倍することで年額に換算)8.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。9.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。10.デバイス証明書 : あらかじめクライアントの端末にインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPC又はスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPC又はスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。11.多要素認証 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。12.MRR (Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。 [系統図]
FY2022|6,083 文字|出典 docID: S100PUKS
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンを掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を企業が恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態が我々のビジョンの実現のための最も効率的な手段と位置づけております。汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することができる量産効果を有する商品です。日本では、2010年頃から、クラウド技術の普及により、パッケージソフトウエアを期間課金のクラウドサービスの形態で提供することが可能になりました。これにより、追加開発等による付加価値を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのため、サービス利用者の拡大に伴い、お客様に対して常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループは安定的な収益を確保することができると考えております。 当社グループの特徴は、20年以上にわたり、銀行のような比較的保守的な企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や業種の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培ってきた信頼と実績や、幅広い顧客基盤を背景に、お客様共通のニーズ・課題の抽出、それらを解決するための技術開発、お客様への販売、その後のアフターフォローなど、企画から販売・サポートまでの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期の2000年からは大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。 昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行ったりすることができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上に資するとの期待があると考えております。 クラウド技術の発達により、クラウドサービスを導入して業務効率化をはかる企業はますます増加しています。しかしながら、たとえば意図しない場所や端末からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特にこれまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウエアをクラウドに移行する場合、メールを介した誤送信や標的型攻撃などの様々なセキュリティリスクに対応するクラウドサービスも必要となります。「HENNGE One」は様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤(IDaaS)に加えて、誤送信対策や標的型攻撃対策などのメールセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループの経営理念である「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」に合致すると考えております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行っておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加の契約金額が解約金額を下回らない限りは前年度の収益を上回るという安定性を有しつつ、その収益基盤をもって安定的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりです。 (1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司) HENNGE One事業では、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的に、セキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「IDaaS (Identity as a Service)(注6)」である「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制御機能のほか、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするシングルサインオン機能、クラウドメールの誤送信対策・内部監査・証跡調査といった情報漏洩対策機能や、大容量ファイルの送受信、脱PPAP対策や標的型攻撃対策等の機能を備える企業向けSaaSです。 業種・業態を問わず、また、部署・勤務形態を問わず、様々な企業で、全社でご利用いただく性質のサービスであるため、契約企業数及び契約ユーザ数の増加に伴いARR(注7)は年々積み上がっております。また、一度ご契約いただくとその利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注8)は低水準を維持しております。 「HENNGE One」はIdP FeaturesとE-Mail Security Featuresの2つで構成されており、それぞれの詳細は以下の通りです。 i. HENNGE One IdP Features 各種クラウドサービスへのシングルサインオンとセキュアなアクセスを実現する機能です。具体的には、クラウドサービスへのアクセス制御とSAML(注9)認証によるシングルサインオンを行うことができる「HENNGE Access Control」、デバイス証明書(注10)の発行によりクラウドサービスにアクセス可能な端末の制御を行う「HENNGE Device Certificate」、アプリを通じて多要素認証(注11)を行う「HENNGE Lock Plus」、企業のオンプレミスシステムに対してもシングルサインオンを実現する「HENNGE Connect」などを組み合わせることで、利便性と安全性のバランスが取れたクラウド利用をサポートします。 ii. HENNGE One E-Mail Security Features クラウドメールの送受信双方に対応する統合メールセキュリティ機能です。具体的には、メールの一時保留やフィルタリングを行う「HENNGE E-Mail DLP」、送受信メールのアーカイブをする「HENNGE E-Mail Archive」、大容量ファイルの送受信に特化したクラウドストレージサービスである「HENNGE Secure Transfer」、添付ファイルの自動URL化を行う「HENNGE Secure Download」、送受信メールへのマルウエア対策機能である「HENNGE Clound Protection」などにより、セキュアなクラウドメール環境を実現します。 (2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メールをセキュアに大量かつ高速に配信するメール配信パッケージソフトウエア等を展開しております。主な取り扱い商材は以下の通りです。 1. 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを携帯・PC・スマートフォンに大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発するシステムには、電子メールをユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、メール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 2. 「HDE Mail Application Server #Delivery」/ 「HDE Mobile MTA」 「HDE Mail Application Server #Delivery」及び「HDE Mobile MTA」はメールを携帯・PC・スマートフォンにセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエアです。 「HDE Mail Application Server #Delivery」は、ATMの引き出し通知など、送信を絶対に止める事ができないようなメールの配信を実現するシステム基盤です。 また「HDE Mobile MTA」は、携帯電話キャリア向けに特化した高速メール配信サーバであり、送信元の身元を明らかにする技術等により確実なメール配信を実現します。 前述のクラウドベースの「Customers Mail Cloud」と異なり、独自にシステムを保有する企業向けに、導入支援と合わせて販売しており、特に、銀行からの入金通知、自治体の防災情報通知などセキュア且つ確実に大量のメール配信を希望するお客様に利用されています。 (注)1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。6.IDaaS (Identity as a Service) : IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。7.ARR (Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注12) × 12(12倍することで年額に換算)8.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。9.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。10.デバイス証明書 : あらかじめクライアントの端末にインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPC又はスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPC又はスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。11.多要素認証 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。12.MRR (Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。 [系統図]
FY2021|7,539 文字|出典 docID: S100N4FX
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンを掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を法人企業がその恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態がこの使命遂行のための最も効率的な手段と位置づけております。 汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。これをクラウドサービスの形態で提供することにより、追加開発等による価値向上を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのためサービス利用者の拡大に伴い、お客様には常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループには安定的な収益が確保されると考えております。 また、2010年頃から、クラウド技術の普及によりパッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせないと利用できない性質をもつ売り切り型のソフトウエア製品ではなく、期間課金のクラウドサービスとして提供することが可能となりました。これにより、お客様はタイムリーで継続的な機能追加・性能強化を享受できるようになり、当社グループは継続的で安定的な売上を得ることができるようになったと考えております。 当社グループの特徴は、幅広いユーザ基盤を背景にお客様共通のニーズ・課題の抽出、解決するための技術開発、お客様への販売と提供まで、企画から販売までの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 『変わらない志、変わり続ける事業領域』 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。 インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期には大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。当社グループは、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。 当社グループのサービスにかかわらず、昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上の解決に資するとの期待があると考えております。 クラウドサービスの普及により、クラウドサービスを導入して業務効率化をはかる企業が増加しています。これらのクラウドサービスの導入は、場所や環境、端末を問わずにサービスを利用することを可能とし、業務に幅広い柔軟性をもたらします。一方で、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特に中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。 このように、クラウドサービスには利点がある一方で、これまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた企業がクラウドサービスに移行しようとすると、多様化するお客様の使用状況に対応するセキュリティ対策などの困難に直面することになります。 また、クラウドサービスを社内で複数利用しようとすると、従業員はクラウドサービス毎にIDとパスワードを用いてログインする煩雑さ、会社は従業員毎に複数保有するクラウドサービスのID管理への煩雑さに直面することになります。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループでは現在取り組んでいる「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」であると位置づけております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行なっておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加の契約金額が解約金額を下回らない限りは収益が前年度を上回るという安定性を有しつつ、その収益基盤をもって安定的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりであります。 (1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司) HENNGE One事業では、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的に、セキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「IDaaS (Identity as a Service)(注6)」である「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするID統合機能のほか、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制限機能、メール暗号化や保管、大容量ファイルの送受信といった情報漏洩対策機能等を備えることで、企業に対し利便性と安全性のバランスのとれた現実解を提供する企業向けSaaSです。そのため、業種、業態を問わず、様々なクラウドサービスを導入する企業でご利用いただけるサービスです。また、部署、勤務形態を問わず、全社でご利用いただける性質のサービスです。 「HENNGE One」を活用いただくことでお客様は利便性と安全性のバランスのとれた業務環境を実現することができると考えております。これを実現するのは、下記の5つの機能です。 i. HENNGE Access Control HENNGE Access Controlとは、クラウドサービスにアクセスする際のアクセス制御を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 「HENNGE One」は、シングルサインオン機能によりユーザ認証を代行することによって、ユーザがSAML2.0(注7)によるシングルサインオンに対応するクラウドサービスに同一アカウントでログインすることが可能になります。 また「HENNGE One」経由で、連携するクラウドサービスにログインすることで、IPアドレス制限(注8)、Cookie制御、デバイス証明書(注9)、二要素認証機能(注10)などのアクセス制御機能を付加することが可能となり、不正アクセスのリスクから企業が利用するクラウドサービスを守ることができます。 ii. HENNGE Secure Browser HENNGE Secure Browserとは、データを端末に残すことなく、クラウドサービスにアクセスすることができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 スマートデバイスやPCからセキュアにクラウドサービスにアクセス可能な専用Webブラウザを提供します。文書ファイル、メール添付ファイルなどを端末に保存させない事で、デバイスの紛失やウイルス感染などによる情報漏洩を防ぎ、また、ブラウザに表示されているテキストのコピーを禁止し、情報漏洩の可能性を低減させることができます。 iii. HENNGE Email DLP HENNGE Email DLPとは、メールの誤送信の抑止を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 クラウド型メールサービスと連携し、メールフィルタリング、メール監査などのメールセキュリティ機能をクラウド上で提供します。送信メールを一時保留した上で送信者以外が承認することで送信プロセスを完了させることができます。 iv. HENNGE Email Archive HENNGE Email Archiveとは、送受信メールの保管や検索などを行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 ユーザによって送受信された全てのメールデータを保管し、システム管理者はメール及び添付ファイルなどの日本語検索や、必要に応じて全てのアーカイブされたメールを閲覧、転送及びダウンロードすることができます。 v. HENNGE Secure Transfer HENNGE Secure Transferとは、大容量のファイルをセキュアに組織内外に対して送受信することができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 ファイル送信者はダウンロード用パスワードを生成、ダウンロード有効期間を指定することで組織の内外の個人へのファイル送信をセキュアに行うことができます。また、ファイルをアップロードできるリンクを生成することで、組織内外から大容量ファイルを送信してもらうことができます。 当社グループは20年以上にわたり企業や自治体向けにIT製品やサービスを提供してまいりました。「HENNGE One」には、銀行のような比較的保守的な企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や種類の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培われた当社グループのナレッジが活かされております。具体的には、これまでの経験と信頼に支えられた直販力、同時に培ってきたパートナー(販売代理店)とのネットワークや、導入支援や導入後のサポート体制などです。 その結果、「HENNGE One」は様々な業種、幅広い企業規模のお客様にご利用いただいており、また企業全体で導入していただくことでその効果をより感じていただける性質のサービスであるため、「HENNGE One」の契約企業数、契約ユーザ数の増加に伴いARR(注11)は年々積み上がっております。そして、「HENNGE One」は一度お使いいただくとその利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注13)は低水準を維持しております。これらによって、当社グループは安定的な収益基盤を形成しております。 (2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メールをセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエア等を展開しております。主な取り扱い商材は以下の通りであります。 1. 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを携帯・PC・スマートフォンに大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発するシステムには、電子メールをユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、メール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 (注14)API連携 (注15)コンバージョン 2. 「HDE Mail Application Server #Delivery」/ 「HDE Mobile MTA」 「HDE Mail Application Server #Delivery」及び「HDE Mobile MTA」はメールを携帯・PC・スマートフォンにセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエアです。 「HDE Mail Application Server #Delivery」は、ATMの引き出し通知など、送信を絶対に止める事ができないようなメールの配信を実現するシステム基盤です。 また「HDE Mobile MTA」は、携帯電話キャリア向けに特化した高速メール配信サーバであり、送信元の身元を明らかにする技術等により確実なメール配信を実現します。 前述のクラウドベースの「Customers Mail Cloud」と異なり、独自にシステムを保有する企業向けに、導入支援と合わせて販売しており、特に、銀行からの入金通知、自治体の防災情報通知などセキュア且つ確実に大量のメール配信を希望するお客様に利用されています。 (注)1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。6.IDaaS (Identity as a Service) : IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。7.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。8.IPアドレス制限 : サービスにログインできるIPアドレスをあらかじめ指定したIPアドレスに限定することでサービスに対する接続元を限定する機能です。9.デバイス証明書 : あらかじめクライアントにインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPC又はスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPC又はスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。10.二要素認証機能 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。11.ARR (Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注12) × 12(12倍することで年額に換算)12.MRR (Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。13.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。14.API連携:API(アプリケーションプログラムインターフェイス)を利用して自社のシステムと他社のシステムとを連携したり、外部サービスから一部機能を呼び出したりすることです。15.コンバージョン:Webサイト上で獲得できる最終的な成果のことです。 [事業系統図]
FY2020|7,612 文字|出典 docID: S100KFMY
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンを掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を法人企業がその恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態がこの使命遂行のための最も効率的な手段と位置づけております。 汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。これをクラウドサービスの形態で提供することにより、追加開発等による価値向上を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのためサービス利用者の拡大に伴い、お客様には常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループには安定的な収益が確保されると考えております。 また、2010年頃から、クラウド技術の普及によりパッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせないと利用できない性質をもつ売り切り型のソフトウエア製品ではなく、期間課金のクラウドサービスとして提供することが可能となりました。これにより、お客様はタイムリーで継続的な機能追加・性能強化を享受できるようになり、当社グループは継続的で安定的な売上を得ることができるようになったと考えております。 当社グループの特徴は、幅広いユーザ基盤を背景にお客様共通のニーズ・課題の抽出、解決するための技術開発、お客様への販売と提供まで、企画から販売までの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 『変わらない志、変わり続ける事業領域』 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。 インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期には大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。当社グループは、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。 当社グループのサービスにかかわらず、昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上の解決に資するとの期待があると考えております。 クラウドサービスの普及により、クラウドサービスを導入して業務効率化をはかる企業が増加しています。これらのクラウドサービスの導入は、場所や環境、端末を問わずにサービスを利用することを可能とし、業務に幅広い柔軟性をもたらします。一方で、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特に中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。 このように、クラウドサービスには利点がある一方で、これまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた企業がクラウドサービスに移行しようとすると、多様化するお客様の使用状況に対応するセキュリティ対策などの困難に直面することになります。 また、クラウドサービスを社内で複数利用しようとすると、従業員はクラウドサービス毎にIDとパスワードを用いてログインする煩雑さ、会社は従業員毎に複数保有するクラウドサービスのID管理への煩雑さに直面することになります。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループでは現在取り組んでいる「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」であると位置づけております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行なっておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加の契約金額が解約金額を下回らない限りは収益が前年度を上回るという安定性を有しつつ、その収益基盤をもって安定的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりであります。 (1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司) HENNGE One事業では、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的に、セキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「IDaaS (Identity as a Service)(注6)」である「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするID統合機能のほか、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制限機能、メール暗号化や保管、大容量ファイルの送受信といった情報漏洩対策機能等を備えることで、企業に対し利便性と安全性のバランスのとれた現実解を提供する企業向けSaaSです。そのため、業種、業態を問わず、様々なクラウドサービスを導入する企業でご利用いただけるサービスです。また、部署、勤務形態を問わず、全社でご利用いただける性質のサービスです。 「HENNGE One」を活用いただくことでお客様は利便性と安全性のバランスのとれた業務環境を実現することができると考えております。これを実現するのは、下記の5つの機能です。 i. HENNGE Access Control HENNGE Access Controlとは、クラウドサービスにアクセスする際のアクセス制御を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 「HENNGE One」は、シングルサインオン機能によりユーザ認証を代行することによって、ユーザがSAML2.0(注7)によるシングルサインオンに対応するクラウドサービスに同一アカウントでログインすることが可能になります。 また「HENNGE One」経由で、連携するクラウドサービスにログインすることで、IPアドレス制限(注8)、Cookie制御、デバイス証明書(注9)、二要素認証機能(注10)などのアクセス制御機能を付加することが可能となり、不正アクセスのリスクから企業が利用するクラウドサービスを守ることができます。 ii. HENNGE Secure Browser HENNGE Secure Browserとは、データを端末に残すことなく、クラウドサービスにアクセスすることができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 スマートデバイスやPCからセキュアにクラウドサービスにアクセス可能な専用Webブラウザを提供します。文書ファイル、メール添付ファイルなどを端末に保存させない事で、デバイスの紛失やウイルス感染などによる情報漏洩を防いだり、ブラウザに表示されているテキストのコピーを禁止し、情報漏洩の可能性を低減させることができます。 iii. HENNGE Email DLP HENNGE Email DLPとは、メールの誤送信の抑止を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 クラウド型メールサービスと連携し、メールフィルタリング、メール監査、添付ファイルのZIP暗号化などのメールセキュリティ機能をクラウド上で提供します。送信メールを一時保留した上で送信者以外が承認することで送信プロセスを完了させたり、添付ファイルの自動ZIP暗号化を行いパスワードを自動的に別送することで手間をかけずに安全に添付ファイルを送付することができます。 iv. HENNGE Email Archive HENNGE Email Archiveとは、送受信メールの保管や検索などを行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 ユーザによって送受信された全てのメールデータを保管し、システム管理者はメール及び添付ファイルなどの日本語検索や、必要に応じて全てのアーカイブされたメールを閲覧、転送及びダウンロードすることができます。 v. HENNGE Secure Transfer HENNGE Secure Transferとは、大容量のファイルをセキュアに組織内外に対して送受信することができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 ファイル送信者はダウンロード用パスワードを生成、ダウンロード有効期間を指定することで組織の内外の個人へのファイル送信をセキュアに行うことができます。また、ファイルをアップロードできるリンクを生成することで、組織内外から大容量ファイルを送信してもらうことができます。 当社グループは20年以上にわたり企業や自治体向けにIT製品やサービスを提供してまいりました。「HENNGE One」には、銀行のような比較的保守的な企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や種類の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培われた当社グループのナレッジが活かされております。具体的には、これまでの経験と信頼に支えられた直販力、同時に培ってきたパートナー(販売代理店)とのネットワークや、導入支援や導入後のサポート体制などです。 その結果、「HENNGE One」は様々な業種、幅広い企業規模のお客様にご利用いただいており、また企業全体で導入していただくことでその効果をより感じていただける性質のサービスであるため、「HENNGE One」の契約企業数、契約ユーザ数の増加に伴いARR(注11)は年々積み上がっております。そして、「HENNGE One」は一度お使いいただくとその利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注13)は低水準を維持しております。これらによって、当社グループは安定的な収益基盤を形成しております。 (2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メールをセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエア等を展開しております。主な取り扱い商材は以下の通りであります。 1. 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを携帯・PC・スマートフォンに大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発するシステムには、電子メールをユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、メール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 (注14)API連携 (注15)コンバージョン 2. 「HDE Mail Application Server #Delivery」/ 「HDE Mobile MTA」 「HDE Mail Application Server #Delivery」及び「HDE Mobile MTA」はメールを携帯・PC・スマートフォンにセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエアです。 「HDE Mail Application Server #Delivery」は、ATMの引き出し通知など、送信を絶対に止める事ができないようなメールの配信を実現するシステム基盤です。 また「HDE Mobile MTA」は、携帯電話キャリア向けに特化した高速メール配信サーバであり、送信元の身元を明らかにする技術等により確実なメール配信を実現します。 前述のクラウドベースの「Customers Mail Cloud」と異なり、独自にシステムを保有する企業向けに、導入支援と合わせて販売しており、特に、銀行からの入金通知、自治体の防災情報通知などセキュア且つ確実に大量のメール配信を希望するお客様に利用されています。 (注)1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。6.IDaaS (Identity as a Service) : IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。7.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。8.IPアドレス制限 : サービスにログインできるIPアドレスをあらかじめ指定したIPアドレスに限定することでサービスに対する接続元を限定する機能です。9.デバイス証明書 : あらかじめクライアントにインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPCまたはスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPCまたはスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。10.二要素認証機能 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。11.ARR (Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注12) × 12(12倍することで年額に換算)12.MRR (Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。13.解約率:既存の契約金額に占める、サービス解約等に伴い減少した契約金額の割合(グロスレベニューチャーンレート)です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。14.API連携:API(アプリケーションプログラムインターフェイス)を利用して自社のシステムと他社のシステムとを連携したり、外部サービスから一部機能を呼び出したりすることです。15.コンバージョン:Webサイト上で獲得できる最終的な成果のことです。 [事業系統図]
FY2019|7,601 文字|出典 docID: S100HO0J
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社1社(台灣惠頂益股份有限公司)により構成されており、創業以来「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンを掲げ、私たちの技術や時代の先端をいく技術を法人企業がその恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することで世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。 当社グループは、現在、特にパッケージソフトウエア(注1)をクラウド(注2)サービスとして提供する「SaaS (Software as a Service)(注3)」の形態がこの使命遂行のための最も効率的な手段と位置づけております。 汎用的な課題を解決するパッケージソフトウエアは、特定の課題を解決する受託開発型サービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して同じものを提供することのできる量産効果を有する商品です。これをクラウドサービスの形態で提供することにより、追加開発等による価値向上を、これから利用を開始するお客様だけでなく既存のお客様に対しても提供することができます。そのためサービス利用者の拡大に伴い、お客様には常に高品質なサービスを短納期・低価格で提供することが可能となると同時に、当社グループには安定的な収益が確保されると考えております。 また、2010年頃から、クラウド技術の普及によりパッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせないと利用できない性質をもつ売り切り型のソフトウエア製品ではなく、期間課金のクラウドサービスとして提供することが可能となりました。これにより、お客様はタイムリーで継続的な機能追加・性能強化を享受できるようになり、当社グループは継続的で安定的な売上を得ることができるようになったと考えております。 当社グループの特徴は、幅広いユーザ基盤を背景にお客様共通のニーズ・課題の抽出、解決するための技術開発、お客様への販売と提供まで、企画から販売までの一連の流れを自社で完結させる力を持っていることです。 『変わらない志、変わり続ける事業領域』 当社グループは、1996年に創業され、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。 インターネット黎明期の1997年にはGUI機能を搭載したLinuxサーバ管理ツール、インターネット本格導入期には大規模メール配信システムやメールセキュリティ製品などのオンプレミスプロダクト(注4)、そして2011年からはSaaSの販売に注力しております。当社グループは、時代に合わせて事業領域を変化させながら、その時代ごとに企業で発生する様々な課題を「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」で解決しております。 当社グループのサービスにかかわらず、昨今クラウドサービスの普及が進んでいる背景には、前述の機能・性能面での利点に加え、場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的に必要なデータにアクセスしたり、必要なメンバーと共同作業を行うことができるという性質が、日本経済が直面している課題である労働生産性向上の解決に資するとの期待があると考えております。 クラウドサービスの普及により、クラウドサービスを導入して業務効率化をはかる企業が増加しています。これらのクラウドサービスの導入は、場所や環境、端末を問わずにサービスを利用することを可能とし、業務に幅広い柔軟性をもたらします。一方で、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念によって、特に中堅規模以上の企業では、クラウドサービスの導入が円滑に進まないことがあります。 このように、クラウドサービスには利点がある一方で、これまで社内のオンプレミスプロダクトをITシステムの中心に据えて業務を行ってきた企業がクラウドサービスに移行しようとすると、多様化するお客様の使用状況に対応するセキュリティ対策などの困難に直面することになります。 また、クラウドサービスを社内で複数利用しようとすると、従業員はクラウドサービス毎にIDとパスワードを用いてログインする煩雑さ、会社は従業員毎に複数保有するクラウドサービスのID管理への煩雑さに直面することになります。 お客様がクラウドサービスの利点を最大限に活かし、スムーズに生産性向上を果たせるよう、これらの困難を解決する手段を提供することは、当社グループでは現在取り組んでいる「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」であると位置づけております。 また、当社グループは主にSaaSの形態でお客様にサービス提供を行なっておりますが、当社グループの主要サービスである「HENNGE One」の収益はサービス料を年額で定額課金するサブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル(注5)となっております。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り継続的に売上高が積み上がる性質を持っております。このため「HENNGE One」は、新規や追加の契約金額が解約金額を下回らない限りは収益が前年度を上回るという安定性を有しつつ、その収益基盤をもって安定的な成長を目指すことが可能となるサービスであると考えております。 なお、当社グループの事業は単一セグメントでありますが、売上区分につきましては、「HENNGE One事業」と「プロフェッショナル・サービス及びその他事業」の2つに区分しております。各売上区分の詳細は以下のとおりであります。 (1) HENNGE One事業(当社、台灣惠頂益股份有限公司) HENNGE One事業では、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的に、セキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「IDaaS (Identity as a Service)(注6)」である「HENNGE One」を展開しております。 「HENNGE One」 「HENNGE One」は、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザによる横断的なログインを可能とするID統合機能のほか、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制限機能、メール暗号化や保管、大容量ファイルの送受信といった情報漏洩対策機能等を備えることで、企業に対し利便性と安全性のバランスのとれた現実解を提供する企業向けSaaSです。そのため、業種、業態を問わず、様々なクラウドサービスを導入する企業でご利用いただけるサービスです。また、部署、勤務形態を問わず、全社でご利用いただける性質のサービスです。 「HENNGE One」を活用いただくことでお客様は利便性と安全性のバランスのとれた業務環境を実現することができると考えております。これを実現するのは、下記の5つの機能です。 i. HENNGE Access Control HENNGE Access Controlとは、クラウドサービスにアクセスする際のアクセス制御を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 「HENNGE One」は、シングルサインオン機能によりユーザ認証を代行することによって、ユーザがSAML2.0(注7)によるシングルサインオンに対応するクラウドサービスに同一アカウントでログインすることが可能になります。 また「HENNGE One」経由で、連携するクラウドサービスにログインすることで、IPアドレス制限(注8)、Cookie制御、デバイス証明書(注9)、二要素認証機能(注10)などのアクセス制御機能を付加することが可能となり、不正アクセスのリスクから企業が利用するクラウドサービスを守ることができます。 ii. HENNGE Secure Browser HENNGE Secure Browserとは、データを端末に残すことなく、クラウドサービスにアクセスすることができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 スマートデバイスやPCからセキュアにクラウドサービスにアクセス可能な専用Webブラウザを提供します。文書ファイル、メール添付ファイルなどを端末に保存させない事で、デバイスの紛失やウイルス感染などによる情報漏洩を防いだり、ブラウザに表示されているテキストのコピーを禁止し、情報漏洩の可能性を低減させることができます。 iii. HENNGE Email DLP HENNGE Email DLPとは、メールの誤送信の抑止を行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 クラウド型メールサービスと連携し、メールフィルタリング、メール監査、添付ファイルのZIP暗号化などのメールセキュリティ機能をクラウド上で提供します。送信メールを一時保留した上で送信者以外が承認することで送信プロセスを完了させたり、添付ファイルの自動ZIP暗号化を行いパスワードを自動的に別送することで手間をかけずに安全に添付ファイルを送付することができます。 iv. HENNGE Email Archive HENNGE Email Archiveとは、送受信メールの保管や検索などを行うことができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 ユーザによって送受信された全てのメールデータを保管し、システム管理者はメール及び添付ファイルなどの日本語検索や、必要に応じて全てのアーカイブされたメールを閲覧、転送及びダウンロードすることができます。 v. HENNGE Secure Transfer HENNGE Secure Transferとは、大容量のファイルをセキュアに組織内外に対して送受信することができる「HENNGE One」が提供する機能の1つです。 ファイル送信者はダウンロード用パスワードを生成、ダウンロード有効期間を指定することで組織の内外の個人へのファイル送信をセキュアに行うことができます。また、ファイルをアップロードできるリンクを生成することで、組織内外から大容量ファイルを送信してもらうことができます。 当社グループは20年以上にわたり企業や自治体向けにIT製品やサービスを提供してまいりました。「HENNGE One」には、銀行のような比較的保守的な企業や、自治体のような予算制約が厳しい団体など、様々な規模や種類の企業・団体の情報システム部門とお取引する中で培われた当社グループのナレッジが活かされております。具体的には、これまでの経験と信頼に支えられた直販力、同時に培ってきたパートナー(販売代理店)とのネットワークや、導入支援や導入後のサポート体制などです。 その結果、「HENNGE One」は様々な業種、幅広い企業規模のお客様にご利用いただいており、また企業全体で導入していただくことでその効果をより感じていただける性質のサービスであるため、「HENNGE One」の契約企業数、契約ユーザ数の増加に伴いARR(注11)は年々積み上がっております。そして、「HENNGE One」は一度お使いいただくとその利便性から継続的に利用されることが多く、解約率(注13)は低水準を維持しております。これらによって、当社グループは安定的な収益基盤を形成しております。 (2) プロフェッショナル・サービス及びその他事業(当社) プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メールをセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエア等を展開しております。主な取り扱い商材は以下の通りであります。 1. 「Customers Mail Cloud」 「Customers Mail Cloud」は、メールを携帯・PC・スマートフォンに大量かつ高速に配信するクラウドベースのメール配信サービスです。 企業が開発するシステムには、電子メールをユーザ向けに通知する機能がありますが、ユーザ数が増加し、通知頻度が高くなってくると遅延や不達が発生しないメール配信を実現するために、メール配信専用の仕組みを構築する必要があります。企業が開発する独自のシステムから「Customers Mail Cloud」をネットワーク経由で利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ高速なメール配信を実現することができます。 (注14)API連携 (注15)コンバージョン 2. 「HDE Mail Application Server #Delivery」/ 「HDE Mobile MTA」 「HDE Mail Application Server #Delivery」及び「HDE Mobile MTA」はメールを携帯・PC・スマートフォンにセキュアに大量かつ高速に配信するオンプレミスのメール配信パッケージソフトウエアです。 「HDE Mail Application Server #Delivery」は、ATMの引き出し通知など、送信を絶対に止める事ができないようなメールの配信を実現するシステム基盤です。 また「HDE Mobile MTA」は、携帯電話キャリア向けに特化した高速メール配信サーバであり、送信元の身元を明らかにする技術等により確実なメール配信を実現します。 前述のクラウドベースの「Customers Mail Cloud」と異なり、独自にシステムを保有する企業向けに、導入支援と合わせて販売しており、特に、銀行からの入金通知、自治体の防災情報通知などセキュア且つ確実に大量のメール配信を希望するお客様に利用されています。 (注)1.パッケージソフトウエア : 多くの企業において共通する汎用的な課題を解決するために利用できるソフトウエアです。特定の課題を解決する受託開発ソフトウエアやコンサルティングサービスと異なり、一度開発すれば複数のお客様に対して個別の開発作業無しに同じものを提供することのできる、量産効果を有する商品です。2.クラウド : クラウドコンピューティングの略語であり、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してITシステムを利用する仕組みの総称です。ソフトウエア、ハードウエアを所有することでITシステムを利用するのに比べ、ITシステムに係る開発や保守・運用の負担が軽減するだけでなく、提供者側が行うバージョンアップなどの機能改善を手間なく受けることができるため、現在普及が進んでいます。3.SaaS (Software as a Service) : パッケージソフトウエアをクラウドサービスとしてネットワーク経由でお客様に提供する形態で販売するサービスです。4.オンプレミスプロダクト : パッケージソフトウエアをお客様や第三者が用意するハードウエアやネットワークと組み合わせて利用する売り切り型のソフトウエア製品です。5.サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデル : サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(定期購読)の形態で受領するビジネスモデルです。一度契約いただくと、解約されない限り継続的に繰り返し収益が獲得できるという意味から、サブスクリプション型のリカーリング・レベニューモデルと呼びます。なお、このビジネスモデルにおいては、前期までに獲得した契約は当期収益の基礎となり、当期の売上高はこの前期までに獲得した契約と当期新しく獲得した契約で構成されることとなります。6.IDaaS (Identity as a Service) : IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。7.SAML : Security Assertion Markup Languageの略であり、ユーザ認証を行うIDプロバイダと、認証を必要とする各種クラウドサービスの間で、認証要求/認証許可/ユーザ認証情報などを送受信するための標準規格です。SAML認証でID/パスワードを利用しないことにより、安全でないパスワードの使いまわしが抑制され、セキュリティ向上につながります。8.IPアドレス制限 : サービスにログインできるIPアドレスをあらかじめ指定したIPアドレスに限定することでサービスに対する接続元を限定する機能です。9.デバイス証明書 : あらかじめクライアントにインストールしておき、サービス側でログインする際に検査を行うことで、サービスに対する接続元を限定するために使う電子証明書です。会社が許可したPCまたはスマートデバイスにデバイス証明書をインストールして利用することにより、会社が管理していないPCまたはスマートデバイスからのアクセスを防ぐことにより情報漏洩、不正アクセスを防ぐ機能です。10.二要素認証機能 : サービスへのログイン時に、ユーザに30秒毎に更新されるワンタイムパスワードなど、パスワード以外の要素の入力を求めることで、パスワードが流出した場合の悪意のログインを困難にするための機能です。11.ARR (Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 期末ARR = 期末月のMRR(注12) × 12(12倍することで年額に換算)12.MRR (Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。13.解約率:既存の契約金額に占める、解約や減アカウント・減機能に伴い減少した契約金額の割合です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。14.API連携:API(アプリケーションプログラムインターフェイス)を利用して自社のシステムと他社のシステムとを連携したり、外部サービスから一部機能を呼び出したりすることです。15.コンバージョン:Webサイト上で獲得できる最終的な成果のことです。 [事業系統図]