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ROBOT PAYMENT(4374)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 決済インフラ提供
    ROBOT PAYMENT社は、企業が商取引をスムーズに行えるよう、決済と請求管理のインフラを提供しています。特に、サブスクリプションビジネス(定額制サービス)に特化した決済システム「サブスクペイ」と、企業の請求業務を自動化する「請求管理ロボ」が主力で、これらを通じて企業の非効率な業務を解決し、収益を上げています。
  • サブスクリプション支援
    主力サービスである「サブスクペイ」は、クレジットカード決済だけでなく、サブスクリプションビジネスに不可欠な顧客管理や定期課金機能を自動化します。これにより、事業者は決済関連の手間を省き、顧客の解約防止やリピート促進に注力できるようになり、ROBOT PAYMENT社はその利用料から収益を得ています。
  • 請求業務の効率化
    もう一つの主力サービス「請求管理ロボ」は、請求書の発行から集金、入金確認、催促まで、一連の請求業務を自動化・効率化します。特にサブスクリプションビジネスのように毎月発生する定型業務の負担を軽減し、会計システムなど他システムとの連携も可能にすることで、企業の業務フロー全体を円滑にし、利用料を収益としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ペイメント事業
    この事業は、主にECサイトなどのインターネット販売事業者や企業間取引を行う事業者向けに、決済サービス「サブスクペイ」を提供しています。クレジットカード決済やコンビニ収納、口座振替など多様な決済手段を一元的に提供し、特にサブスクリプションビジネスの自動継続課金や顧客管理機能を強みとしています。最新年度の売上は約19.87億円、営業利益は約9.72億円と、同社の稼ぎ頭となっています。
  • フィナンシャルクラウド事業
    この事業では、企業の請求業務(請求・集金・消込・催促)を効率化・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」を提供しています。サブスクリプションビジネスを行う企業を中心に利用されており、Salesforce®や会計システムとの連携により、顧客管理から会計まで一貫した業務フローを構築できます。最新年度の売上は約12.69億円、営業利益は約2.84億円です。
  • 事業ポートフォリオの構成
    ROBOT PAYMENT社は、ペイメント事業とフィナンシャルクラウド事業の二つの柱で収益を上げており、特定の事業に過度に依存しない事業構成を目指しています。ペイメント事業が売上・利益ともに大きく貢献しており、同社の主要な収益源となっています。両事業ともにアカウント数とARPA(1アカウントあたりの月間平均売上高)が着実に増加しており、成長を続けています。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Payment 事業 20 10 48.9%
FinancialCloud 事業 13 3 22.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,829 文字
3【事業の内容】 当社は、「商取引を自由にする決済インフラで再び日本を強くする」というビジョンを掲げております。商取引を阻む社会課題である「慣習」「非効率」「与信」という3つの壁に対して、お金をつなぐ様々な革新的サービスで解決し、日本における中小企業や基幹産業が持つ本来の力を発揮できるよう、お金の流れを潤滑にすることで、商取引が円滑に進み、新たな価値が次々と生まれる機会を創出してまいります。そのビジョンの下、現在当社はペイメント事業において「サブスクペイ」「サブスクペイ Professional」「1click後払い」「1click早マール」を提供しており、フィナンシャルクラウド事業において「請求管理ロボ」「請求管理ロボ for Enterprise」「請求まるなげロボ」「ファクタリングロボ for SaaS」を提供しており、企業の課題を解決しております。 主な収益を生み出している「サブスクペイ」は、当社の顧客である事業者が、購買者に対して、インターネットを介してクレジットカードなどで決済ができる仕組みを提供するだけでなく、サブスクリプションビジネス(注)の運営において重要な顧客管理や定期課金の機能を提供しております。そのため、サブスクリプションビジネスを営む事業者をはじめとする様々な事業者にご利用頂いております。「請求管理ロボ」は、「サブスクペイ」と同様に、決済の機能をベースに、企業内での一連の請求業務(請求・集金・消込・催促)の効率化・自動化を実現する機能が付加されており、企業内における請求管理業務の効率化・自動化を実現するものであります。 以下に当社の各事業の具体的な内容を記載いたします。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。(注)サブスクリプション:一定期間の利用権の対価として定期定額の課金をするサービス体系のことです。 (1)事業の種類① ペイメント事業 ペイメント事業では、主に消費者向け(以下、BtoC)ECをはじめとしたインターネット上で販売等を行う事業者、および企業間ビジネス(以下、BtoB)を行う事業者(以下、加盟店)向けに「サブスクペイ」を提供しております。加盟店に代わり、当社が一元して金融機関やカード会社といった各決済事業者との契約手続き、決済情報連携を行うため、加盟店がそういった手続きの手間や時間を割くことなく、クレジットカード決済・コンビニ収納・口座振替・銀行決済等の様々な決済を利用できる決済サービスを提供しております。「サブスクペイ」のサービスの特徴としては、毎月や毎週など継続的な課金を自動で行うエンジンを搭載している等特にサブスクリプションビジネスを支援する機能が充実していることが挙げられます。これにより、加盟店のサブスクリプションビジネスにおける決済のみならず幅広い関連業務の効率化が実現され、継続的な課金に応じて生じる毎月の業務を削減することができます。また、多様な課金スケジュールを柔軟に設計でき、柔軟なサービス設計の一助となります。さらに、サブスクリプションビジネスに必要な顧客管理機能も搭載されており、加盟店は当社のセキュアな環境において決済に紐づいた様々な顧客データを管理することが可能になり、それらのデータを用いることで、会員の解約の防止やリピート促進などの施策を講じることができ、顧客価値の最大化が可能となります。また、「サブスクペイ」に対して、さらに高度な顧客分析やアクションのレコメンド機能、顧客データの統合を可能とする「サブスクペイ Professional」を2022年より提供しております。顧客の解約防止や顧客生涯価値の最大化を実現し、顧客の事業成長を実現するプロダクトであります。 加えて、2022年10月に提供開始した「1click後払い」、2024年12月に提供開始した「1click早マール」では、クレジットカード決済の仕組みをベースに、顧客の資金繰り改善を実現しております。 ペイメント事業におけるアカウント数、及びARPA(注)の最近5事業年度の推移は以下の通りです。(注)ARPA:Average Revenue Per Accountの略称で1アカウントあたりの月間平均売上高を指します。 2021年12月期末2022年12月期末2023年12月期末2024年12月期末2025年12月期末アカウント数(AC)5,8976,8107,7698,4878,818ARPA(円)13,12013,94916,02917,93219,634 ② フィナンシャルクラウド事業 フィナンシャルクラウド事業では、主にBtoBビジネスを行う事業者(以下、事業者)をはじめ、BtoCビジネスを行う事業者などに対して「請求・集金・消込・催促」という請求に関する業務を効率化・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」、それに加えてカスタマイズ性や拡張性を備え、さらには請求書の大量処理を可能とする「請求管理ロボ for Enterprise」を提供しております。これらはサブスクリプションビジネスを営む事業者を中心に幅広い顧客に利用頂いております。サブスクリプションビジネスにおいては、定期定額課金のビジネスであるために毎月同じような請求業務を繰り返しミスなく行わなければいけないという課題を解決します。事業者は、請求書の自動発行・送付、請求先の未収状況等の管理に加え、クレジットカード決済・コンビニ収納・口座振替・銀行決済など幅広い決済情報の一元管理が可能となります。また、Salesforce®・Kintone等の顧客管理システムや、マネーフォワード・freee・PCA会計・弥生会計・勘定奉行等の会計システムなど、請求業務を起点とした周辺業務向けのシステムとの連携も可能であることから、顧客管理から会計までの一気通貫の業務フローの構築が可能となり、かつ事業者の様々なニーズ、業務フローに対応した商品設計となっております。また、請求管理業務を当社が代行し、売掛債権の保証も行う「請求まるなげロボ」、資金繰り改善を実現する「ファクタリングロボ for SaaS」を提供し、様々な顧客のニーズに応えております。 フィナンシャルクラウド事業におけるアカウント数、及びARPAの最近5事業年度の推移は以下の通りです。 2021年12月期末2022年12月期末2023年12月期末2024年12月期末2025年12月期末アカウント数(AC)5947348679361,031ARPA(円)78,80377,51687,216100,348107,716 (2)各事業のビジネスフローについて① ペイメント事業 当社は「サブスクペイ」をお客様である加盟店に提供しております。具体的には、加盟店に代わり、各決済事業者との決済処理を行うシステムの提供、包括した契約を行うため、一度当社に売上が入金され、その後当社が以下のサービス利用料を徴収したうえで、当社から加盟店へ送金(注)します。 当社は、サービス利用料として以下を加盟店から得ております。・イニシャル:当社決済システムを利用するためのアカウント発行、各種初期設定、接続サポート等に対する初期導入費用、他社への顧客紹介の際に発生するフィー・ストック:システム利用や利用期間中のカスタマーサポート等に対する月額固定費用・スプレッド:加盟店の売上に対して料率で課金される、当社の精算処理に対する手数料、対面決済における手数料・フィー:決済データ処理の件数に応じて課金される決済処理に対する費用(注)これを「精算」と呼んでおります。 ペイメント事業の事業系統図は以下の通りです。 ② フィナンシャルクラウド事業 当社は利用企業に「請求管理ロボ」を提供しており、サービス利用料として以下の収益を得ております。・イニシャル:「請求管理ロボ」のアカウント発行、各種初期設定(請求書フォーマットカスタマイズ等含む)などのサービス開始時における導入支援費用・MRR(注):「請求管理ロボ」の利用や利用期間中のカスタマーサポート等に対する月額固定費用、請求書の郵送代行や各プランの上限を超過した請求件数の処理等に対する従量課金の費用 なお、クラウド版の「請求管理ロボ」の他に、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するエンタープライズ企業向けのクラウドプラットフォームSalesforce®において、ビジネス用アプリケーションマーケットプレイスであるAppExchange上で「請求管理ロボ for Salesforce」を提供しており、この場合、株式会社セールスフォース・ドットコムからライセンスの付与を提供され、その対価としてライセンス利用料を支払うフローが入ります。 フィナンシャルクラウド事業の事業系統図は以下の通りです。(注)MRR:Monthly Recurring Revenueの略称で、毎月繰り返し得られる収益のことです。 (3)各事業の収益構造について① ペイメント事業 ペイメント事業の「サブスクペイ」「サブスクペイ Professional」において、サービスの内容に従って「イニシャル」「ストック」「スプレッド」「フィー」の4つに売上を区分しております。顧客である加盟店数が増えると、主に初期費用である「イニシャル」が計上され、サービス利用期間中は、月額固定費用の「ストック」が計上される他、加盟店の取扱高や件数の増加に伴い、「スプレッド」「フィー」が増加し、一加盟店からの収益増加に寄与します。「イニシャル」のうち継続的に発生するフィー、「ストック」「スプレッド」「フィー」はサービス利用期間に渡って顧客から継続的に繰り返し当社の売上に寄与するものとして、「リカーリング収益」と定義しております。 ② フィナンシャルクラウド事業 フィナンシャルクラウド事業の「請求管理ロボ」「請求管理ロボ for Enterprise」「請求まるなげロボ」において、サービスの内容に従って「イニシャル」「MRR」の2つに売上を区分しております。顧客企業数が増えると、主に初期費用・導入支援費用である「イニシャル」が計上され、サービス利用期間中は、月額固定費用を中心に、請求書の郵送費用や請求件数の超過件数等に応じた従量課金の費用も加えた「MRR」が増加し、一顧客企業からの収益増加に寄与します。「MRR」はペイメント事業と同じくその性質から、「リカーリング収益」と定義しております。  上記の通り当社の安定的な収益基盤として、「リカーリング収益」というものを定義しております。リカーリング収益比率(注)は2025年12月期末時点で両事業においてそれぞれ98%以上となっており、当社の収益構造の特徴となっております。(注)リカーリング収益比率:ペイメント事業においては、「ストック」「スプレッド」「フィー」、「イニシャル」のうち継続的に売上があがるもの、の合計金額をペイメント事業の全売上高で除したもの、フィナンシャルクラウド事業においては、「MRR」の金額をフィナンシャルクラウド事業の全売上高で除したものをそれぞれ当事業のリカーリング収益比率と定義しております。  各事業におけるリカーリング収益比率の最近5事業年度の推移は以下の通りです。ペイメント事業 2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期リカーリング収益比率97.0%97.0%97.1%97.8%98.1% フィナンシャルクラウド事業 2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期リカーリング収益比率95.1%93.6%96.3%97.8%98.3%

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
競合他社の参入や新サービスの出現により価格競争が激化する可能性を認識しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
「PCI DSS」や「プライバシーマーク」取得による高いセキュリティ基準と、継続的な技術革新への対応。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:インターネット商取引の急激な落ち込み / クラウドサービス市場の拡大鈍化・縮小 / 競合他社による価格競争激化や新サービス出現
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

現時点では、特許、ブランド、規制ライセンスなどの明確な無形資産に関する情報は確認できません。事業の性質上、将来的に開発される可能性はありますが、現時点での評価は困難です。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ROBOT PAYMENTは、主に後払い決済サービスを提供しており、導入企業は決済システムを刷新する手間やコストを考慮すると、安易な乗り換えは難しいと考えられます。特に、既存の顧客基盤との連携が深まるほどスイッチング・コストは上昇します。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ユーザー数が増えることでサービスの価値が指数関数的に向上するようなネットワーク効果は確認されていません。決済サービスは一般的にネットワーク効果が働きにくい構造です。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

後払い決済サービスは、参入障壁が比較的低く、価格競争に陥りやすい業界です。ROBOT PAYMENTが構造的に他社よりも大幅に低いコストでサービスを提供できるという優位性は現時点では見られません。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

後払い決済市場は成長していますが、まだ多数のプレイヤーが存在し、寡占化は進んでいません。ROBOT PAYMENTが業界規模に対して最適な規模の少数寡占を形成しているとは言えませんが、一定の規模は確保しつつあります。

  • サブスク特化の決済機能
    ROBOT PAYMENT社の「サブスクペイ」は、サブスクリプションビジネスに特化した自動継続課金エンジンや顧客管理機能を強みとしています。これにより、多様な課金スケジュールに柔軟に対応し、顧客データの活用で解約防止やリピート促進を支援することで、他社との差別化を図り、顧客のスイッチングコストを高めています。
  • 請求業務の一気通貫支援
    フィナンシャルクラウド事業の「請求管理ロボ」は、請求・集金・消込・催促といった一連の請求業務を効率化・自動化するだけでなく、Salesforce®やマネーフォワードなどの主要な顧客管理・会計システムと連携可能です。これにより、顧客管理から会計までを一貫してカバーする業務フローを構築でき、企業の多様なニーズに応えることで競争優位性を確立しています。
  • 高いセキュリティ基準
    ペイメント事業では、クレジットカード情報の国際セキュリティ基準である「PCI DSS」に2010年から毎年準拠し、フィナンシャルクラウド事業でも「プライバシーマーク」を取得しています。これにより、顧客の重要な個人情報や企業情報を安全に管理する体制を構築しており、信頼性の高さが競争優位性につながっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社は、「商取引を自由にする決済インフラで再び日本を強くする」というビジョンを掲げております。「慣習」「非効率」「与信」という3つの壁に対して、お金をつなぐ様々な革新的サービスで解決し、日本における中小企業や基幹産業が持つ本来の力を発揮できるよう、お金の流れを潤滑にすることで、商取引が円滑に進み、新たな価値が次々と生まれる機会を創出してまいります。 また、収益構造については、安定的な経営基盤を引き続き強化すべく、リカーリングビジネスを志向し、収益が地層構造のように着実に積み上がるビジネスモデルを今後も推し進めてまいります。 (2)経営環境 当社の各事業を取り巻く経営環境については、以下の通りです。① ペイメント ペイメントが立脚するネット決済代行サービス市場は国内EC市場の成長を背景に今後も堅調な伸びが予想されています。それを後押しする材料としては、スマートフォンなどの利便性の高まりや新型コロナウイルス感染症に伴う新たな生活様式に関わるオンライン消費の浸透、さらにはそれを受けたより多様なサービスのオンライン化などが挙げられると考えております。 株式会社矢野経済研究所「EC決済サービス市場に関する調査を実施(2024年)」(2024年4月)によれば、2022年度のEC決済サービス市場は28兆円超であり、2027年度には49兆円規模へ成長すると予測されています。 また、「サブスクペイ」はサブスクリプションサービスを展開する事業者に多くご利用頂いておりますが、株式会社矢野経済研究所「サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2023年)」(2023年12月)によると、サブスクリプションサービス市場はこれまでデジタルコンテンツ業界を中心に拡大してきたが、それ以外の業界でも継続的にサービスを提供する形態が広がっており、全体として今後も堅調な成長が見込まれると予測されております。 以上の通り、EC市場、サブスクリプションサービス市場ともに、堅調な成長が見込まれていると認識しており、「サブスクペイ」の経営環境は良好に推移するものと認識しております。 ② フィナンシャルクラウド 総務省が発行した「情報通信白書平成30年版」(2018年7月)によると、急速に進む少子高齢化の結果、我が国の15歳から64歳の生産年齢人口は既に減少の一途をたどっており、2017年の7,596万人が2040年には5,978万人まで減少することが推計されており、社会的・経済的な課題として労働力不足は深刻化していくことが見込まれます。また、日本生産性本部「労働生産性の国際比較」2023年版(2023年12月)によると、日本における就業者一人当たり労働生産性はOECD加盟38か国中31位となっております。一方、フィナンシャルクラウドが立脚しているSaaS市場はソフトウエア投資において、その占有率を徐々に増やしており、そのトレンドは今後も継続されることが見込まれております。また、総務省公表の「我が国のICT現状に関する調査研究」(2018年3月)によると、2017年の日本のSaaS導入率は41%に対して米国の導入率は79%であり、国内のSaaS市場は米国と比較するとまだまだ拡大する余地があることが推察されます。さらに、総務省が発行した「令和4年版 情報通信白書」(2022年7月)では、企業のクラウドサービス利用率が2021年には70.4%となっており、様々な企業でクラウドサービスが活用されてきていることが窺えるとともに、今後も普及が進むものと言及されております。それらを背景に、ソフトウエア投資における提供形態別の市場規模の推移では、今後SaaS型での提供のシェアが益々上がるものと予測されております。 また、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」で謳われている「2025年の崖」、電子帳簿保存法や電子インボイス制度などにより、請求業務を含む様々な業務改善やデータ活用といった切り口でソフトウエア投資が国内において広まっていくものと考えております。 以上の通り、人口減少及び相対的に低い労働生産性が我が国の経済成長の大きな壁となりうると考えられる中で、我が国経済の発展のために、人手不足を補い、労働生産性を向上させるために、ソフトウエア投資、特にその中でもSaaSの利活用がその利便性などから今後さらに注目されることが見込まれることから、フィナンシャルクラウドの大きな成長機会が存在していると考えております。 (3)経営上の目標の達成状況を客観的に判断するための指標等 当社の事業はこれまでのご説明の通り、既存顧客から継続的に上がるリカーリング収益が売上の大半を占め、安定的かつ主要な収益基盤となっております。そのため、両事業におけるリカーリング収益比率、さらにそのリカーリング収益を生み出している既存のアカウント数やアカウント毎の平均単価であるARPAを当社の経営上重要な指標として定めております。また、中長期的な企業価値向上の観点から利益を創出していくことも重要と考えており、その観点より営業利益も重要な指標と定めております。 (4)経営戦略 当社は上記の通り、経営上重要な指標を定めております。各指標を着実かつ持続的に向上させる取り組みを行い、企業価値の最大化を目指してまいります。具体的な取り組みについては、下記「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご覧ください。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 新規契約アカウントの増加・当社及び当社が提供するサービス「サブスクペイ」・「請求管理ロボ」の認知度はまだ改善の余地が多いと考えており、webマーケティングを中心に投資対効果に留意しつつマーケティングを強化し、認知向上・お問い合わせの増加を目指してまいります。・マーケティングの強化に伴い増加するお問い合わせに適時適切に対応し、新規契約に結び付けるために、営業人員の増員や教育にさらに注力してまいります。・全国各地に販売網を有する大手販売パートナー等との連携を強化し、当社のみではアプローチが難しい企業への拡販も強化してまいります。 ② ARPAの向上 現在提供しているサービス機能強化・新規プロダクト開発、エンタープライズ顧客向け営業組織の構築を通じてエンタープライズ顧客へのアプローチを開始し、ARPAの向上を実現することが収益性の向上には必要と考えております。また、それを可能とする体制の整備・強化、外部パートナー等との連携が必要不可欠と考えております。 ③ 解約率の低減 当社が提供している「サブスクペイ」・「請求管理ロボ」は、ビジネスモデルの特性上、顧客の事業成長に比例して、1顧客あたりの収益が増加していく特徴があります。そのため、事業が成長している既存顧客の解約率を低減させることは当社の収益力の向上に必要不可欠と考えております。サービスの機能強化を継続的に実行するとともに、カスタマーサクセス部隊を中心に顧客満足度向上を目指し、解約率の低減を引き続き目指してまいります。 ④ 優秀な人材の確保 当社は、今後、上述したようなミッションを達成し、中長期的に事業拡大を継続していくためには、営業、カスタマーサクセス、エンジニア、経営企画等において優秀な人材の確保が不可欠であると考えております。当社のミッション、ビジョンに共感してもらえる優秀な人材を獲得し、合わせて、教育プラン、評価制度、働きやすい環境を整備することで、個人のスキルアップを促しつつ、当社への定着率の向上に努めてまいります。 ⑤新たなビジョンに基づく新規事業開発、ビジネスの多角化 当社は、「商取引を自由にする決済インフラで再び日本を強くする」というビジョンを新たに制定いたしました。我が国において商取引を阻む「慣習」「非効率」「与信」という3つの壁を破壊し問題を解決していくために、既存事業をさらに拡販することともに、新規事業の開発・展開が必要であると考えております。既存事業に加え、新規事業の展開により、リカーリング収益をさらに積み上げていくことで、中長期的な収益の多角化、最大化を目指してまいります。 ⑥ 利益およびキャッシュ・フローの創出 当社の収益構造については、リカーリング収益が収益の大半であり、顧客のサービス利用が継続すればするほど収益が地層のように積み上がるモデルとなっております。特に「請求管理ロボ」においては、ITサービス業界における伝統的なシステムの一括売り切り型のモデルと比較すると、サービス開始直後において、売上高に対する開発費用や顧客獲得費用の割合が相対的に大きくなる傾向があり、収支的には赤字が先行するという特徴があります。 一方で、当社が創業以来サービスを継続している「サブスクペイ」は、ネット決済代行サービス市場の堅調な成長にも支えられ、当社のキャッシュカウビジネスとして売上、利益ともに安定的に成長をしております。そのため全社で見るとキャッシュ・フローが安定しており、外部からの資金調達に大きくは依存しない体制となっております。 当社としては、売上高成長のために引き続き積極的に投資は継続しながらも、全社の営業利益率の改善を目指し、全社的な利益やキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。 ⑦ 内部管理体制とコーポレート・ガバナンスの強化 当社が持続的な成長を維持していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化・効率化が重要であると考えております。それらの実効性を高めるための環境を整備し、組織的な統制・管理活動を通じてリスク管理を徹底するとともに、業務の標準化と効率化を目指しております。また、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に従い、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーからの社会的信頼に応えていくことを企業経営の基本的使命とし、コンプライアンス体制の強化、迅速かつ正確な情報開示の充実に努め、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。2020年10月には取締役会の諮問機関として指名・報酬諮問委員会を設置いたしました。同委員会は委員の過半数が社外役員によって構成されており、取締役の指名、報酬体系の決定プロセス等について、より透明性と客観性を確保してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社は、「商取引を自由にする決済インフラで再び日本を強くする」というビジョンを掲げております。「慣習」「非効率」「与信」という3つの壁に対して、お金をつなぐ様々な革新的サービスで解決し、日本における中小企業や基幹産業が持つ本来の力を発揮できるよう、お金の流れを潤滑にすることで、商取引が円滑に進み、新たな価値が次々と生まれる機会を創出してまいります。 また、収益構造については、安定的な経営基盤を引き続き強化すべく、リカーリングビジネスを志向し、収益が地層構造のように着実に積み上がるビジネスモデルを今後も推し進めてまいります。 (2)経営環境 当社の各事業を取り巻く経営環境については、以下の通りです。① ペイメント ペイメントが立脚するネット決済代行サービス市場は国内EC市場の成長を背景に今後も堅調な伸びが予想されています。それを後押しする材料としては、スマートフォンなどの利便性の高まりや新型コロナウイルス感染症に伴う新たな生活様式に関わるオンライン消費の浸透、さらにはそれを受けたより多様なサービスのオンライン化などが挙げられると考えております。 株式会社矢野経済研究所「EC決済サービス市場に関する調査を実施(2024年)」(2024年4月)によれば、2022年度のEC決済サービス市場は28兆円超であり、2027年度には49兆円規模へ成長すると予測されています。 また、「サブスクペイ」はサブスクリプションサービスを展開する事業者に多くご利用頂いておりますが、株式会社矢野経済研究所「サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2023年)」(2023年12月)によると、サブスクリプションサービス市場はこれまでデジタルコンテンツ業界を中心に拡大してきたが、それ以外の業界でも継続的にサービスを提供する形態が広がっており、全体として今後も堅調な成長が見込まれると予測されております。 以上の通り、EC市場、サブスクリプションサービス市場ともに、堅調な成長が見込まれていると認識しており、「サブスクペイ」の経営環境は良好に推移するものと認識しております。 ② フィナンシャルクラウド 総務省が発行した「情報通信白書平成30年版」(2018年7月)によると、急速に進む少子高齢化の結果、我が国の15歳から64歳の生産年齢人口は既に減少の一途をたどっており、2017年の7,596万人が2040年には5,978万人まで減少することが推計されており、社会的・経済的な課題として労働力不足は深刻化していくことが見込まれます。また、日本生産性本部「労働生産性の国際比較」2023年版(2023年12月)によると、日本における就業者一人当たり労働生産性はOECD加盟38か国中31位となっております。一方、フィナンシャルクラウドが立脚しているSaaS市場はソフトウエア投資において、その占有率を徐々に増やしており、そのトレンドは今後も継続されることが見込まれております。また、総務省公表の「我が国のICT現状に関する調査研究」(2018年3月)によると、2017年の日本のSaaS導入率は41%に対して米国の導入率は79%であり、国内のSaaS市場は米国と比較するとまだまだ拡大する余地があることが推察されます。さらに、総務省が発行した「令和4年版 情報通信白書」(2022年7月)では、企業のクラウドサービス利用率が2021年には70.4%となっており、様々な企業でクラウドサービスが活用されてきていることが窺えるとともに、今後も普及が進むものと言及されております。それらを背景に、ソフトウエア投資における提供形態別の市場規模の推移では、今後SaaS型での提供のシェアが益々上がるものと予測されております。 また、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」で謳われている「2025年の崖」、電子帳簿保存法や電子インボイス制度などにより、請求業務を含む様々な業務改善やデータ活用といった切り口でソフトウエア投資が国内において広まっていくものと考えております。 以上の通り、人口減少及び相対的に低い労働生産性が我が国の経済成長の大きな壁となりうると考えられる中で、我が国経済の発展のために、人手不足を補い、労働生産性を向上させるために、ソフトウエア投資、特にその中でもSaaSの利活用がその利便性などから今後さらに注目されることが見込まれることから、フィナンシャルクラウドの大きな成長機会が存在していると考えております。 (3)経営上の目標の達成状況を客観的に判断するための指標等 当社の事業はこれまでのご説明の通り、既存顧客から継続的に上がるリカーリング収益が売上の大半を占め、安定的かつ主要な収益基盤となっております。そのため、両事業におけるリカーリング収益比率、さらにそのリカーリング収益を生み出している既存のアカウント数やアカウント毎の平均単価であるARPAを当社の経営上重要な指標として定めております。また、中長期的な企業価値向上の観点から利益を創出していくことも重要と考えており、その観点より営業利益も重要な指標と定めております。 (4)経営戦略 当社は上記の通り、経営上重要な指標を定めております。各指標を着実かつ持続的に向上させる取り組みを行い、企業価値の最大化を目指してまいります。具体的な取り組みについては、下記「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご覧ください。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 新規契約アカウントの増加・当社及び当社が提供するサービス「サブスクペイ」・「請求管理ロボ」の認知度はまだ改善の余地が多いと考えており、webマーケティングを中心に投資対効果に留意しつつマーケティングを強化し、認知向上・お問い合わせの増加を目指してまいります。・マーケティングの強化に伴い増加するお問い合わせに適時適切に対応し、新規契約に結び付けるために、営業人員の増員や教育にさらに注力してまいります。・全国各地に販売網を有する大手販売パートナー等との連携を強化し、当社のみではアプローチが難しい企業への拡販も強化してまいります。 ② ARPAの向上 現在提供しているサービス機能強化・新規プロダクト開発、エンタープライズ顧客向け営業組織の構築を通じてエンタープライズ顧客へのアプローチを開始し、ARPAの向上を実現することが収益性の向上には必要と考えております。また、それを可能とする体制の整備・強化、外部パートナー等との連携が必要不可欠と考えております。 ③ 解約率の低減 当社が提供している「サブスクペイ」・「請求管理ロボ」は、ビジネスモデルの特性上、顧客の事業成長に比例して、1顧客あたりの収益が増加していく特徴があります。そのため、事業が成長している既存顧客の解約率を低減させることは当社の収益力の向上に必要不可欠と考えております。サービスの機能強化を継続的に実行するとともに、カスタマーサクセス部隊を中心に顧客満足度向上を目指し、解約率の低減を引き続き目指してまいります。 ④ 優秀な人材の確保 当社は、今後、上述したようなミッションを達成し、中長期的に事業拡大を継続していくためには、営業、カスタマーサクセス、エンジニア、経営企画等において優秀な人材の確保が不可欠であると考えております。当社のミッション、ビジョンに共感してもらえる優秀な人材を獲得し、合わせて、教育プラン、評価制度、働きやすい環境を整備することで、個人のスキルアップを促しつつ、当社への定着率の向上に努めてまいります。 ⑤新たなビジョンに基づく新規事業開発、ビジネスの多角化 当社は、「商取引を自由にする決済インフラで再び日本を強くする」というビジョンを新たに制定いたしました。我が国において商取引を阻む「慣習」「非効率」「与信」という3つの壁を破壊し問題を解決していくために、既存事業をさらに拡販することともに、新規事業の開発・展開が必要であると考えております。既存事業に加え、新規事業の展開により、リカーリング収益をさらに積み上げていくことで、中長期的な収益の多角化、最大化を目指してまいります。 ⑥ 利益およびキャッシュ・フローの創出 当社の収益構造については、リカーリング収益が収益の大半であり、顧客のサービス利用が継続すればするほど収益が地層のように積み上がるモデルとなっております。特に「請求管理ロボ」においては、ITサービス業界における伝統的なシステムの一括売り切り型のモデルと比較すると、サービス開始直後において、売上高に対する開発費用や顧客獲得費用の割合が相対的に大きくなる傾向があり、収支的には赤字が先行するという特徴があります。 一方で、当社が創業以来サービスを継続している「サブスクペイ」は、ネット決済代行サービス市場の堅調な成長にも支えられ、当社のキャッシュカウビジネスとして売上、利益ともに安定的に成長をしております。そのため全社で見るとキャッシュ・フローが安定しており、外部からの資金調達に大きくは依存しない体制となっております。 当社としては、売上高成長のために引き続き積極的に投資は継続しながらも、全社の営業利益率の改善を目指し、全社的な利益やキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。 ⑦ 内部管理体制とコーポレート・ガバナンスの強化 当社が持続的な成長を維持していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化・効率化が重要であると考えております。それらの実効性を高めるための環境を整備し、組織的な統制・管理活動を通じてリスク管理を徹底するとともに、業務の標準化と効率化を目指しております。また、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に従い、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーからの社会的信頼に応えていくことを企業経営の基本的使命とし、コンプライアンス体制の強化、迅速かつ正確な情報開示の充実に努め、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。2020年10月には取締役会の諮問機関として指名・報酬諮問委員会を設置いたしました。同委員会は委員の過半数が社外役員によって構成されており、取締役の指名、報酬体系の決定プロセス等について、より透明性と客観性を確保してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態の状況(資産) 当事業年度末における流動資産は前事業年度末に比べ1,158,779千円増加し、7,174,603千円となりました。これは主に、預り金の増加により現金及び預金が1,770,847千円増加したことによるものです。 固定資産は前事業年度末に比べ748,707千円増加し1,340,248千円となりました。これは主に、投資有価証券が803,926千円増加したことによるものです。 この結果、資産合計は前事業年度末に比べ1,907,487千円増加し8,514,851千円となりました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は前事業年度末に比べ1,764,480千円増加し、7,220,903千円となりました。これは主に、ペイメントにおける加盟店の預り金増加により預り金が1,583,854千円増加したことによるものです。 固定負債は前事業年度末に比べ4,591千円減少し、233千円となりました。これは繰延税金負債が4,591千円減少したことによるものです。 この結果、負債合計は前事業年度末と比べ1,759,888千円増加し、7,221,137千円となりました。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比べ147,598千円増加し、1,293,714千円となりました。これは主に、2025年2月13日実施の自己株式の取得等により自己株式が320,084千円増加した一方、当期純利益542,126千円を計上したことによるものです。 ② 経営成績の状況当事業年度におけるわが国の経済は、雇用や所得の改善やインバウンド需要の回復により景気回復の兆しがみられるものの、原材料価格の高騰や円安による物価上昇に伴う実質賃金の停滞による個人消費の低迷、国際情勢不安等により、依然として景気の先行きについては不透明な状況が続いております。 一方、当社サービスが属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界では、2023年10月施行のインボイス制度など、国の法制度改正も後押しとなり、企業におけるバックオフィス業務のDX化を目的としたクラウドサービスの需要がより高まっております。 このような状況の中、当社はCPS(Corporate Purpose Statement、企業が社会的課題を解決するために行う活動や目標)を2025年2月に制定し、「商取引を自由にする決済インフラで、再び日本を強くする」というビジョンの下、当社サービスの提供により商取引を阻む社会課題である「慣習」「与信」「非効率」という3つの壁を解決することで、企業が持続的に成長できる環境を提供してまいります。具体的には、「決済」を軸としたサービスとして、ペイメント事業において「サブスクペイ」「サブスクペイProfessional」、フィナンシャルクラウド事業において「請求管理ロボ」「請求まるなげロボ」等を展開し、変化し続ける消費者や企業のニーズに応じて生じる課題に対して、ソリューション提供を日々進めており、また上述したCPSに則り、新たなサービス展開を進めております。具体的な事業の状況については以下の通りです。 ペイメント事業においては、「サブスクペイ」が引き続き商取引のオンライン化という構造的なトランスフォーメーションの影響も受け、新規顧客獲得及び既存顧客の取扱高が好調に推移しております。また、サブスクビジネスの収益最大化をより包括的に支援するサービスである「サブスクペイProfessional」もサービス開始以降、着実に顧客数が拡大してきており、収益に貢献しております。 フィナンシャルクラウド事業においては、企業におけるバックオフィス業務の効率化、デジタル化の需要の盛り上がり、インボイス制度の開始など、請求書を電子化して保存するニーズの高まりを受け、「請求管理ロボ」の新規顧客獲得が順調に推移しております。 加えて、両事業への成長投資を継続するとともにさらなる収益拡大に向けて新規事業の展開に向けた投資も実行しつつ、売上高と営業利益の双方のバランスの良い成長を目指す経営方針の下、費用管理を徹底し、利益創出力の向上にも注力してまいりました。 その結果、両事業における順調な契約件数の積み上がり等を主な背景として当事業年度の売上高は3,256,436千円(前年同期比17.9%増)となり、過去最高となりました。増収効果及び費用管理の徹底により営業利益は774,392千円(前年同期比61.4%増)となり、こちらも過去最高となりました。経常利益は789,875千円(前年同期比64.5%増)、当期純利益は542,126千円(前年同期比69.0%増)となり、いずれも過去最高となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(ペイメント) 当セグメントにおきましては、商取引のオンライン化や利用者層の広まり等により、わが国におけるEC市場の拡大の追い風を受け、「サブスクペイ」の既存顧客の取扱高や決済処理件数が拡大したことや、継続的なサービス機能拡充、積極的なマーケティング施策の実行、営業体制の強化による営業活動の拡大などを背景とした「サブスクペイ」の新規顧客の獲得により、リカーリング収益が順調に積み上がりました。また、「サブスクペイProfessional」も顧客数が着実に増加することで、リカーリング収益がさらに積みあがりました。この結果、売上高は1,987,250千円(前年同期比17.0%増)となり、セグメント利益は、主に増収効果により、972,050千円(前年同期比33.1%増)となりました。 (フィナンシャルクラウド) 当セグメントにおきましては、より一層高まっている企業におけるクラウドサービスによる業務効率化ニーズ、デジタルトランスフォーメーションへの関心の高まりなどを受け、「請求管理ロボ」の継続的なサービス機能拡充、積極的なマーケティング施策の実行、営業体制の強化による営業活動の拡大などを背景とした新規顧客の獲得を推進するとともに、既存顧客の解約防止への取り組みを進めることで顧客数を増加させてまいりました。この結果、売上高は1,269,185千円(前年同期比19.6%増)となり、セグメント利益は、主に増収効果により、283,967千円(前年同期比54.7%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、1,839,775千円増加し、5,723,604千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動による資金の増加は、3,825,730千円(前事業年度は638,557千円の増加)となりました。主な要因はペイメントにおける前渡金の減少1,508,466千円、預り金の増加1,583,854千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動による資金の減少は、1,652,834千円(前事業年度は82,285千円の減少)となりました。主な要因は有価証券の増加による支出600,000千円及び投資有価証券の取得による支出1,002,156千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動による資金の減少は、333,119千円(前事業年度は5,385千円の減少)となりました。主な要因は自己株式の取得による支出320,084千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。 b.受注実績 受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。 c.販売実績 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)前年同期比(%)ペイメント1,987,25017.0フィナンシャルクラウド1,269,18519.6合計3,256,43617.9 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。 なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (固定資産の減損) 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況 ②経営成績の状況」をご参照ください。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社の事業活動における主な資金需要は、既存事業の安定的かつ持続的な成長にかかる運転資金(主に人件費、広告宣伝費)及びソフトウエア投資であります。これらの事業活動に必要な資金については、営業活動によるキャッシュ・フローでまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関からの調達を実施する予定であります。 また、当社の事業は仕入れ等が無く、提供するサービスに対するシステム利用料等をお客様から受領するビジネスモデルであり、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はないものと考えておりますが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めて参ります。 なお、現金及び現金同等物の残高は、当事業年度末において5,723,604千円であり当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を客観的に判断するための指標等」に記載の通り、主な経営上の重要な指標としてリカーリング収益比率、アカウント数、ARPAを重視しており、各セグメントの各指標の推移は以下の通りであります。 ペイメント 2024年12月期実績2025年12月期実績リカーリング収益比率(%)97.898.1アカウント数(AC)8,4878,818ARPA(円)17,79219,634 フィナンシャルクラウド 2024年12月期実績2025年12月期実績リカーリング収益比率(%)97.898.3アカウント数(AC)9361,031ARPA(円)100,348107,716 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑦ 経営者の問題意識と今後の方針 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の経営陣は、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。また、当社を取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。

事業リスク

  • 市場変動による業績影響
    ペイメント事業はインターネット上の商取引の増加に支えられていますが、経済情勢や法的規制の変化によりEC化率が低下したり、インターネット上の商取引が急激に落ち込んだ場合、売上が減少する可能性があります。同様に、フィナンシャルクラウド事業が立脚するクラウドサービス市場の拡大が鈍化・縮小した場合も、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 競合激化と技術革新の遅れ
    インターネット関連事業は新規参入の障壁が低く、資金力のある大手企業や新たな技術を持つ企業が類似サービスを開発する可能性があります。これにより価格競争が激化したり、より画期的なサービスが出現した場合、競争力が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、技術革新への対応が遅れると、サービスの競争力低下や予期せぬシステム投資が必要となるリスクもあります。
  • 情報漏洩と法規制変更
    ペイメント事業ではクレジットカード情報、フィナンシャルクラウド事業では企業機密情報など、重要な個人情報や機密情報を取り扱っています。外部からの不正アクセスや内部の過失による情報漏洩が発生した場合、顧客からの信頼失墜、損害賠償請求などにより、経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、割賦販売法などの関連法規制の制定や改正、または取引先の法令違反があった場合も、業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,036 文字
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業環境について① ペイメント事業の市場動向について 当社は、ペイメント事業において「サブスクペイ」を提供しております。インターネットの発展や各種高機能モバイル端末の普及などによりEC化率が上昇し、インターネット上の商取引が増加傾向にあるため、当事業の売上拡大余地は大きいものと考えております。しかしながら、経済情勢や法的規制など様々な要因により、インターネット上の商取引が急激に落ち込んだ場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② フィナンシャルクラウド事業の市場動向について 当社は、フィナンシャルクラウド事業において「請求管理ロボ」を提供しております。当事業が立脚するクラウドサービス市場はその利便性から今後も拡大が期待されており、当事業は今後も引き続き同市場を基盤とした事業を展開する計画であります。しかしながら、今後、経済情勢や景気動向により同市場の拡大が鈍化、縮小するような場合には、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競合他社について インターネットの利用者は年々増加しており、それに伴い、インターネットに関連する事業への参入も年々増加しております。当社は顧客のニーズに合ったサービスの継続開発を行うことで優位性を高めております。しかしながら、インターネットを介したサービスの開発、提供は新規参入の技術的な障壁が必ずしも高いとは言えず、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社により類似したサービスが開発され、価格を始めとする競合環境が激化した場合や、より画期的な機能を包含した新たなサービスが出現した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 技術革新への対応について 当社が各種サービスを提供するインターネット業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、変化の激しい業界となっております。そのため優秀なエンジニアの人材確保に取り組み、常に新しい技術要素をエンジニアに習得させておりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、当社が提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。 また、新技術への対応のため、予定していないシステムへの投資が必要となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを回避するためにエンジニアの採用強化、資格取得補助等を実施し、リスクの低減を図っております。 ⑤ 法規制について 当事業年度末において、当社の事業が国内において事業を行う上で、適用を受ける直接的かつ特有の法規制等は「割賦販売法の一部を改正する法律」により改正された割賦販売法上の規制を除いては存在しないと考えております。ただし、会社法や電気通信事業法をはじめとする企業活動に関わる一般的な法令諸規制の適用を受けております。当社はこれらの法規制を遵守してサービス提供をしておりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社が提供するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ ペイメント事業における関連法令について ペイメント事業においては、2021年4月1日に「割賦販売法の一部を改正する法律」が施行され、当社のような決済代行業者についても、クレジットカード番号等の適切管理が義務化されました。現状、当社は、当改正で求められるクレジットカード番号等の適切管理のための「必要な措置」として、後記のとおり、「PCI DSS」に準拠した対応をとっているほか、法改正に適切に対応しており、当改正は、ペイメント事業の業績に影響があるものではありません。 他方、当社の重要な契約の締結先であるクレジットカード会社は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の適用を受けており、当社の加盟店の中には「特定商取引法」の適用を受ける先があります。これらの法律の適用を受けるペイメント事業の取引先が法令に違反した場合や行政の指示・指導により事業に制約を受けた場合、ペイメント事業が取扱う決済件数や決済金額の変動等を通じて、ペイメント事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、現時点の法規制等に従って業務を遂行しており、また、弁護士や外部諸団体を通じて新たな法規制及び加盟店を含めた取引関係先の法規制改正の情報を直ちに入手できる体制を整えております。 しかしながら、今後クレジットカード業界に関する法規制、及びペイメント事業の顧客である加盟店の事業に関連する法規制等の制定により、ペイメント事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 個人情報の保護について 当社は、提供サービスに関連して個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。具体的には、ペイメント事業の決済システムにおいては、クレジットカード情報などの重要な情報を管理しており、フィナンシャルクラウド事業においては、企業情報、取引情報をはじめとした機密情報を取り扱っております。そのため、個人情報保護に関しては重要課題と認識しております。ペイメント事業における決済システムは、JCB・American Express・Discover・Visa・Mastercardのクレジットカードの国際ブランド5社が共同で策定した、国際セキュリティ基準「PCI DSS」については、2010年5月に最初の認証を取得した後、毎年更新される最新の認証を取得しております。その他、個人情報の取扱いに関しては、日本工業規格「JIS Q 15001:個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定するプライバシーマークを取得しており、法律への適合性に加え、自主性により高いレベルの個人情報保護マネジメントシステムを確立及び運用しております。 このように当社は、個人情報の外部漏洩防止施策に加えて、法令及び各種ガイドラインに基づき、個人情報保護基本規程を制定し、個人情報取扱フローの明確化を図っております。また、同規程に基づき、定期的に役職員への教育を実施し、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。 しかしながら、外部からの不正アクセスや当社関係者の故意又は過失によりペイメント事業における当社が保持するカード情報などの個人情報が流出する等の問題が発生した場合には、当社の顧客等に対する信頼の著しい低下、賠償金支払い等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 知的財産権について 当社が運営するサービスにおいて使用する商標、ソフトウエア、システム等については、現時点において、第三者の知的財産権を侵害するものではないと認識しております。今後も、第三者の知的財産権の侵害を回避するため、弁理士等の外部専門家と連携していく方針であります。 しかしながら、当社の事業分野で当社が認識していない知的財産権が既に成立している可能性は否定できません。そのような場合、当社が第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や使用差し止め、権利に関する使用料等の支払請求がなされ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 自然災害及び事故等について 当社は、自然災害及び事故等に備え、定期的システム等バックアップ、システム稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2)当社の事業内容及びサービスについて① 特定サービスへの依存について 当社はペイメント事業・フィナンシャルクラウド事業の2事業を有し、特定の事業に依存しない事業ポートフォリオを構築しておりますが、ペイメント事業は「サブスクペイ」、フィナンシャルクラウド事業は「請求管理ロボ」に依存した事業になっております。今後も両事業において既存サービスの取引拡大に努め、競合企業のサービスとの差別化をより図るとともに、新サービスの企画、開発に積極的に取り組んでまいります。 しかしながら、これらが計画通りに進まず、上記依存度が変わらない場合には、当該サービスの売上高の変動が当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報処理センターネットワークの利用について 当社は、株式会社日本カードネットワークが運営するCARDNETを利用することにより、「サブスクペイ」を提供しています。CARDNETは、加盟店とクレジットカード会社の間で決済データの中継を行うオンラインネットワークシステムで、当社は加盟店に代わり、決済データをCARDNET経由でクレジットカード会社へ伝送しており、「サブスクペイ」提供に不可欠なものであります。そのため、CARDNETの障害等の理由によりサービス利用が困難になるといった不測の事態が起こった場合には、当社は「サブスクペイ」の提供が困難になります。一方で、CARDNETは20年以上に及ぶ豊富な運用実績と高い信頼性を有するものであり、クレジットカード会社や決済代行会社の多くが決済情報の授受に利用していることから、当該ネットワークの利用が困難になるという事態が発生する可能性は極めて低いと考えております。 ③ 業務代行に関する契約について 当社は、ペイメント事業においてクレジットカード会社と加盟店間の加盟店契約において発生するクレジットカード決済に係る売上承認請求業務及び売上請求業務等を事務代行するために、必要な提携契約を各クレジットカード会社と締結しております。常に主要なクレジットカード会社との連絡を密にし、より強固な関係を築いていく所存でありますが、万が一、主要なクレジットカード会社から契約解除の申し出や条件変更等の接続制限がなされた場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 代表加盟に関する契約について 当社は、ペイメント事業において加盟店のクレジットカード決済業務に係る事務を代行する目的として、各クレジットカード会社と包括加盟に関する契約を締結しております。但し、通常クレジットカード会社が加盟店に対して行う売上代金支払いを当社の責任範囲で行うため、当社が加盟店に代金支払いを完了した後に、加盟店の不正な売上請求や倒産等の契約解除に相当する状態となったことが判明した場合には、その回収が困難になるチャージバックリスクが生じます。このようなリスクを回避するために、加盟店の契約時にクレジットカード会社の審査に加え、当社においても開設サイトの存在確認、及び特定商取引に関するサイト上の表記確認等を行うと共に、月毎に滞留債権管理を実施しております。また、前払い式の継続的サービス提供を行っている加盟店が倒産した場合に、当該加盟店の顧客が継続的サービス提供の対価として当該加盟店に対して前払いした金額のうち、加盟店が倒産した時点において、顧客が未だ提供を受けていないサービスに対する対価の金額の相当分を当社が負担するリスクがあります。 ⑤ 加盟店等からのクレジットカード情報の流出について ペイメント事業において、万が一、当社の加盟店等からクレジットカード情報が漏洩した際は、原則、加盟店等が賠償負担を行うため当社に影響はありません。しかしながら、加盟店等に賠償負担する支払い能力がない場合、当社が連帯責任として、クレジットカード再発行手数料等の賠償を負担する可能性があります。当該リスクを軽減するため、当社では、クレジットカード情報を加盟店等ではなく当社が保持するフローの促進などを行っております。 ⑥ 信用リスク及び貸倒リスクについて 当社は、事業活動を行う中で、取引先への信用供与を行っております。当社として取引先への与信情報は社内規程に従って審査しております。 また、当社は、取引開始時に信用調査や与信管理を実施し、売掛債権が発生した場合に貸倒れが出ないように努め、過去の貸倒実績率等に基づいて貸倒引当金を計上しておりますが、予期せぬ貸倒れが発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ パブリッククラウドについて 当社は、サービス及びそれを支えるシステム、並びにインターネット接続環境の安定した稼働が、事業運営の前提であると認識しております。当社の提供する「サブスクペイ」、「請求管理ロボ」は、外部クラウドサーバ(例:Amazon Web Services、以下「AWS」という。)にてユーザーの企業情報をはじめとする情報や、サービスに関するシステムの全てを管理することによってサービスを提供しており、利用しているAWSなどのパブリッククラウドの安定的な稼働が当社の業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社では利用しているAWSなどのパブリッククラウドが継続的に稼働しているかを監視しており、障害が発生した場合には、当社の役職員が迅速に当該事実を認識し、早急に復旧するための体制を整えております。しかしながら、利用しているAWSなどのパブリッククラウドの不備や人為的な破壊行為、役職員の過誤、自然災害等、当社の想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の逸失等を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社が社会的信用を失うこと等が想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ システムトラブルについて 当社のサービスは、通信事業者が提供する公衆回線、専用回線及びインターネット網を利用することを前提としたものであるため、自然災害または事故・外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入・コンピュータウイルス・サイバー攻撃等により、通信ネットワークの切断やアプリケーションの動作不良が予測されます。また、予期せぬクレジットカード会社など決済事業者のシステムダウンや当社のシステムの欠陥により、当サービスが停止する可能性もあります。このようなリスクを回避するために、外部・内部からの不正侵入に対するセキュリティ対策、24時間のシステム監視態勢、システム構成の冗長化、並びに社内規程の整備運用等により然るべき対応を適宜図っております。しかしながら、このような事象が発生した場合は、当社に損害賠償請求や障害事後対応により営業活動に支障をきたし機会損失が発生し、さらに当サービスへの信用が失墜し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 訴訟について 当社は当事業年度末において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社が事業活動を行う中で、当社が提供するサービスの不備及びアプリケーションの不具合、個人情報及びクレジットカード情報等の漏洩等により、訴訟を受けた場合には、当社の社会的信用が毀損され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)当社の事業体制について① 代表者への依存について 当社代表取締役清久健也は、当社の重要事項に関する意思決定、基幹事業の推進等において、重要な役割を果たしております。従いまして、同氏が何らかの理由により当社の業務を遂行することが不可能あるいは困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 小規模組織であることについて 当社は、組織規模が小さく、規模に応じた業務執行体制となっており、各業務分野、内部管理において少人数の人材に依存しております。当社では特定の人員に過度の依存をしないよう組織的な経営体制を整備し、全般的な経営リスクの軽減に努めると共に、内部管理体制の整備・強化を図ってまいりますが、何らかの理由で従業員等に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは従業員が社外に流出した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材の獲得・定着及び育成について 当社は、競争力の向上及び今後の事業展開のため、優秀な人材の獲得・定着及び育成が重要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の獲得・定着及び育成が計画通りに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因になる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 内部管理体制の構築について 当社は、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。今後は人材採用及び育成を行うこと等により内部管理体制の強化を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ コンプライアンス体制について 当社は、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要と考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として外部研修及び社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化に全社を挙げて取り組んでおります。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の企業価値及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブの目的で新株予約権を付与しております。また、一部社外協力者に対しても継続的な協力関係の維持のため新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。 なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は278,922株であり、発行済株式総数(自己株式を除く)の7.6%に相当しております。 ② ベンチャーキャピタル等の株式保有割合について 当事業年度末現在において、当社の発行済株式総数(自己株式を除く)の7.0%に相当する258,612株についてはベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)が保有しております。 一般的に、ベンチャーキャピタル等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後には保有する株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、当社におきましても、上場後既に当初の株主であるベンチャーキャピタル等が保有する当社株式の一部が売却されていますが、今後もベンチャーキャピタル等の保有株式の売却により、短期的に当社株式の需給バランスが悪化し当社の株価が低下する可能性があります。

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