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川口化学工業(4361)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 化学工業薬品事業
    川口化学工業グループは、ゴム薬品、樹脂薬品、中間体、その他の関連工業薬品の製造販売を主要な事業としています。これらの化学製品は、自動車部品、医療材料、電子材料など多岐にわたる産業分野で使用されており、幅広い顧客基盤を持つことが特徴です。特にゴム薬品では、タイヤや工業用ゴム製品の性能向上に不可欠な加硫促進剤、老化防止剤などを提供しています。
  • 不動産賃貸事業
    グループは、化学工業薬品事業に加えて、不動産の賃貸事業も展開しています。これは、安定的な収益源を確保し、事業ポートフォリオの多様化を図る目的があると考えられます。化学工業薬品事業が市場の変動を受けやすい性質を持つ中で、不動産賃貸は比較的安定したキャッシュフローをもたらす可能性があります。
  • 多角的な事業構成
    川口化学工業グループは、化学工業薬品の製造販売と不動産賃貸という異なる性質の事業を組み合わせることで、リスク分散と収益安定化を目指しています。化学工業薬品事業は、景気変動や原材料価格の影響を受けやすい一方で、不動産賃貸事業は安定した賃料収入を期待できます。この多角的な事業構成が、グループ全体の収益構造を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 化学工業薬品事業
    この事業は、ゴム薬品、樹脂薬品、中間体、その他の機能性化学品など、多岐にわたる工業用化学薬品の製造販売を行っています。売上高は87.76078億円、営業利益は3.95987億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業です。自動車、医療、電子材料など幅広い産業分野に製品を供給しており、グループの成長を牽引しています。
  • 不動産賃貸事業
    この事業は、不動産の賃貸を通じて収益を得ています。売上高は0.38397億円、営業利益は0.30657億円と、化学工業薬品事業に比べて規模は小さいですが、安定的な収益源としてグループの事業ポートフォリオを補完しています。化学工業薬品事業の変動リスクを分散し、グループ全体の安定性を高める役割を担っています。
  • 事業構成の多様性
    川口化学工業グループは、化学工業薬品事業と不動産賃貸事業という異なる性質のセグメントを持つことで、事業リスクの分散と収益の安定化を図っています。化学工業薬品事業が市場の変動に左右されやすい一方で、不動産賃貸事業は比較的安定した収益をもたらします。この多様な事業構成が、グループの持続的な成長を支える基盤となっています。
2025-11 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PharmaceuticalProducts 事業 88 4 4.5%
RealEstateLeasingReportableSegment 事業 0 0 79.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|331 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社(開溪愛(上海)貿易有限公司)及び非連結子会社(㈲ケーシーアイサービス)の計3社で構成されており、ゴム薬品、樹脂薬品、中間体、その他の関連工業薬品の製造販売を営む化学工業薬品事業及び不動産賃貸事業を展開しております。当社グループの事業におけるセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 事業区分主要品目化学工業薬品事業 ゴム薬品加硫促進剤加硫剤老化防止剤加工助剤しゃく解剤樹脂薬品酸化防止剤重合防止剤・調整剤中間体染料・顔料中間体医薬・農薬中間体その他機能性化学品潤滑油添加剤防錆剤金属除去剤その他工業薬品不動産賃貸事業不動産の賃貸 事業の系統図は下図の通りであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国際競争が激化しており、価格競争にさらされる可能性があり、シェア確保のため価格下落の可能性。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年にわたり蓄積した配合技術、知見を活用した高付加価値スペシャリティーケミカルズの開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:国内外の経済情勢・需要変動 / 原材料価格の高騰 / 価格競争の激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

川口化学工業は、特定の機能性化学品分野で長年の経験とノウハウを蓄積しているが、特許やブランド力が突出しているわけではなく、明確な無形資産による競争優位性は限定的。一部製品で技術的優位性を持つ可能性はあるが、定量的な証明は難しい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の製品は、顧客の製造プロセスに組み込まれる特殊化学品が中心であり、代替が容易でない場合がある。しかし、顧客側での代替材料開発や、競合他社による類似品の投入リスクも存在するため、スイッチング・コストは中程度と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ネットワーク効果を生み出す性質のものではない。製品の価値は、個々の性能や品質に依存し、ユーザー数の増加によって価値が向上するような構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

化学品製造においては、規模の経済や効率的な生産プロセスがコスト競争力に影響を与える。同社は長年の操業で一定の効率化を図っていると推測されるが、業界全体で激しい価格競争が存在するため、突出したコスト優位性を持つとは考えにくい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

川口化学工業は、特定のニッチ市場で事業を展開しており、その市場規模に対しては一定のシェアを持つ可能性がある。しかし、グローバルな化学業界全体で見ると、規模の経済による圧倒的な優位性を確立しているとは言えない。

  • 多様な製品ラインナップ
    川口化学工業グループは、ゴム薬品、樹脂薬品、中間体、機能性化学品など、幅広い種類の化学工業薬品を製造販売しています。これにより、特定の産業や製品に依存することなく、多様な顧客ニーズに対応できる強みがあります。多岐にわたる製品は、市場変動リスクの分散にも寄与し、安定的な事業運営を支えています。
  • 品質管理体制
    グループは、製品の品質について細心の注意を払い、国際規格であるISO9001に基づいた品質マネジメントシステムを確立しています。これにより、高品質な製品を安定的に供給できる体制を整えており、顧客からの信頼獲得に繋がっています。厳格な品質管理は、製品の欠陥によるリスクを低減し、競争優位性を保つ上で重要です。
  • グローバルな事業展開
    川口化学工業グループは、日本国内だけでなく、中国に連結子会社(開溪愛(上海)貿易有限公司)を保有し、海外での事業展開も行っています。これにより、成長著しい海外市場の需要を取り込み、事業規模の拡大を目指しています。グローバルな供給体制は、地域ごとの市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤の構築に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営基本方針 当社は有益な化学品の研究開発、製造、販売によって社会に貢献し、事業の成長発展を通じて社員の生活向上を図り、利潤の適正な配分を以って株主の負託に応えることを経営の基本理念として取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標 継続的な収益基盤の確立を図るため、売上高経常利益率を重視し事業運営にあたっております。また、継続して配当できる財務体質の改善を継続し、収益構造の安定化に向け努めてまいります。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社の事業環境は不安定な原材料価格、為替の変動、他国企業との競争が引き続くなど厳しい状況が続くものと予想されます。 外部環境、内部課題を捉え、経営5ヶ年計画を策定し、収益の改善、体質の強化に努めるともに経営状況の変化に迅速に対応してまいります。 (4)会社の対処すべき課題 当社グループは将来にわたり持続的な成長を続けるために、5つの事業戦略(①新製品開発の推進②市場拡大への挑戦③設備投資による環境負荷の低減④経営資源活用の最大化⑤システムの効率利用)を柱とする中期経営計画「ACCEL2026」を策定し、推進しております。(詳細については当社ウェブサイト https://www.kawachem.co.jp/ir/other/「新中期経営計画策定に関するお知らせ(2021.12.1発表)」をご参照ください。) 最終年となる125期においては、当社グループを取り巻く環境変化に適切に対応し、企業価値の一層の向上を図るため、下記の課題に重点的に取り組むことが重要であると考えております。 1. 新製品開発・設備投資による事業基盤強化  2025年6月に稼働を開始した増強設備を最大限活用し、安定稼働と工程最適化を進めます。研究開発・マーケティングと連動した新製品の市場投入を加速し、投資効果の早期実現と収益構造の強化を図ります。2. 人材戦略・組織力の向上  人材を重要な経営資源と位置づけ、教育・評価・処遇の一体運用を進めます。特に、人事評価制度の改定を計画的に進め、モチベーション向上とキャリアパスの明確化を図ります。加えて、情報共有・目標管理の標準化を推進し、組織力の底上げを目指します。3. リスク管理・品質・環境マネジメントの強化  地政学リスクやサプライチェーン不安定化への備えとして、原材料調達の早期発注・在庫最適化・複数調達先確保 を徹底します。品質・環境マネジメントシステムを基盤に、内部統制・コンプライアンスの継続的強化を図り、事業運営の透明性と適正性を確保します。  当社グループは、上記の課題に持続的かつ機動的に取り組むことで、社会情勢の変化への柔軟な対応と企業価値の向上を実現し、社会への貢献を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営基本方針 当社は有益な化学品の研究開発、製造、販売によって社会に貢献し、事業の成長発展を通じて社員の生活向上を図り、利潤の適正な配分を以って株主の負託に応えることを経営の基本理念として取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標 継続的な収益基盤の確立を図るため、売上高経常利益率を重視し事業運営にあたっております。また、継続して配当できる財務体質の改善を継続し、収益構造の安定化に向け努めてまいります。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社の事業環境は不安定な原材料価格、為替の変動、他国企業との競争が引き続くなど厳しい状況が続くものと予想されます。 外部環境、内部課題を捉え、経営5ヶ年計画を策定し、収益の改善、体質の強化に努めるともに経営状況の変化に迅速に対応してまいります。 (4)会社の対処すべき課題 当社グループは将来にわたり持続的な成長を続けるために、5つの事業戦略(①新製品開発の推進②市場拡大への挑戦③設備投資による環境負荷の低減④経営資源活用の最大化⑤システムの効率利用)を柱とする中期経営計画「ACCEL2026」を策定し、推進しております。(詳細については当社ウェブサイト https://www.kawachem.co.jp/ir/other/「新中期経営計画策定に関するお知らせ(2021.12.1発表)」をご参照ください。) 最終年となる125期においては、当社グループを取り巻く環境変化に適切に対応し、企業価値の一層の向上を図るため、下記の課題に重点的に取り組むことが重要であると考えております。 1. 新製品開発・設備投資による事業基盤強化  2025年6月に稼働を開始した増強設備を最大限活用し、安定稼働と工程最適化を進めます。研究開発・マーケティングと連動した新製品の市場投入を加速し、投資効果の早期実現と収益構造の強化を図ります。2. 人材戦略・組織力の向上  人材を重要な経営資源と位置づけ、教育・評価・処遇の一体運用を進めます。特に、人事評価制度の改定を計画的に進め、モチベーション向上とキャリアパスの明確化を図ります。加えて、情報共有・目標管理の標準化を推進し、組織力の底上げを目指します。3. リスク管理・品質・環境マネジメントの強化  地政学リスクやサプライチェーン不安定化への備えとして、原材料調達の早期発注・在庫最適化・複数調達先確保 を徹底します。品質・環境マネジメントシステムを基盤に、内部統制・コンプライアンスの継続的強化を図り、事業運営の透明性と適正性を確保します。  当社グループは、上記の課題に持続的かつ機動的に取り組むことで、社会情勢の変化への柔軟な対応と企業価値の向上を実現し、社会への貢献を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、ロシアウクライナ戦争の長期化、中東情勢の緊張、トランプ関税による景気下押し懸念が広がる中、AI需要の拡大による景気の下支えにより緩やかながらも世界情勢は底堅い成長を維持しています。米国においては、利下げによる景気下支えを続け、インフレは減速傾向にあるものの個人消費鈍化の兆しが見られています。また、労働市場は徐々に減速しており、雇用の伸びは鈍化傾向にあります。関税政策やインフレの再加速がリスク要因となり、依然として先行き不透明な状況が続いています。中国では、長引く不動産不況に加え政府主導の買い替え策の効果が薄れ、消費の減速が続いています。米中首脳会談において関税の引き下げ、規制延期が合意され、一時的に緊張が緩和しましたが、レアアース規制等火種を残しています。日本経済は、インバウンド需要の回復と底堅い個人消費にも支えられ、内需は堅調に推移していますが、自動車産業を中心に米国の関税政策の影響を強く受け外需の弱さが散見されました。半導体関連輸出はAI需要により好調を維持していますが、全体としては輸出の伸び悩みが続いています。当社グループに関係の深い自動車産業においては、2025年前半(1~6月) の国内生産は昨年の認証不正問題に伴う出荷停止等による減産からの回復が進み、生産台数が前年比で増加しましたが、7月以降輸出環境の厳しさが国内生産にも影響し前年比で減少が続いています。このような環境の中、当社グループは2022年を起点とする5ヵ年中期経営計画(第121期「2022」から第125期「2026」まで)「ACCEL2026-革新を強力に推進し、成長を加速する」の最終年に向け、生産能力増強を目的に成長投資やコスト削減の取り組みを実行、併せて既存設備を柔軟に活用できる環境を整え、成長市場である半導体材料、医薬品用途向け等の有機化合物の需要に対応、長年培った有機合成技術を活かし高付加価値製品の開発を強化、お客様の要望にきめ細かく対応できる体制を確立、策定した目標の実現に向け活動を展開しています。また、労働環境の改善に積極的に取り組み、企業価値を高める活動を継続的に行いました。そのような状況の中、ゴム薬品は、汎用製品の需要が国内向け、海外向け共に低調に推移し販売は前期を下回り、特殊薬品の販売は伸長しましたが、ゴム薬品全体では売上は前期を下回りました。樹脂薬品については、主要製品の販売は低調に推移しましたが、特殊用途向け製品の販売は、国内向け、海外向け共に伸長し売上は前期を上回りました。中間体については、海外向け販売は伸長しましたが、国内向けの需要が低迷し中間体全体では売上は前期を下回りました。その他薬品については、需要低迷により販売が低調に推移した製品もありますが、特殊添加剤を中心に販売が伸長し売上は前期を上回りました。これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 (a)財政状態当連結会計年度の資産合計は88億68百万円(前期比3.9%増)、負債合計は57億34百万円(同1.5%増)、純資産合計は31億33百万円(同8.7%増)となりました。 (b)経営成績当連結会計年度の売上高は88億14百万円(前期比1.2%減)、営業利益4億26百万円(同12.8%増)、経常利益は4億4百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億98百万円(同11.3%減)となりました。 セグメント業績の概況は次のとおりであります。Ⅰ.化学工業薬品事業売上高は87億76百万円(前期比1.2%減)、セグメント利益(営業利益)は3億95百万円(同14.0%増)となりました。 Ⅱ.不動産賃貸事業売上高は38百万円(前期比0.0%増)、セグメント利益(営業利益)は30百万円(同0.4%減)となりました。 (化学工業薬品事業の部門別の概況) <ゴム薬品>ゴム薬品の部門において、国内の工業用品向け製品は、国内における自動車生産が失速した影響を受け自動車部品関連製品の販売は低迷しましたが、医療用ゴム製品向けの需要が伸長し、売上は前期を上回りました。タイヤ向け製品は、主力製品の販売が堅調に推移、特殊製品の販売が安価な海外品の影響を受け低迷しましたが、売上は前期を上回りました。合成ゴム向けは、需要の低迷により、汎用ポリマー向け製品、特殊ポリマー向け製品共に、売上は前期を下回りました。海外向けは、主力老化防止剤の販売を伸ばすことができましたが、東南アジアを中心に市場が低調に推移、特殊用途向け製品の販売も低迷、売上は前期を下回りました。この結果、国内・輸出合わせてのゴム薬品の売上高は49億48百万円(前期比0.2%減)となりました。 <樹脂薬品> 樹脂薬品の部門は、電子材料関連製品は、国内向けの特殊受託合成製品の販売が大幅に増加、海外向けも汎用製品の販売は伸長、主要販売先であるアクリル酸・アクリル酸エステル向けの汎用製品は海外安価品との競合により、販売は減少しましたが、全体では売上は前期を上回りました。この結果、樹脂薬品部門合計の売上高は9億30百万円(前期比4.5%増)となりました。 <中間体>中間体部門においては、医薬中間体は、脱水縮合剤の需要が低迷し売上は減少しました。農薬中間体は、販売を増やした製品もありますが全体では売上は前期を下回りました。染顔料中間体は、海外製品との競争により需要が低迷し、販売は減少しました。界面活性剤中間体は、顧客での需要が安定、売上は前期を上回りました。この結果、中間体部門合計の売上高は8億52百万円(前期比20.4%減)となりました。 <その他> その他の部門においては、一部製品の売上は減少しましたが、当社が強みを持つ合成技術を活用し、電子材料向け製品を中心に販売を増やし、売上は前期を大きく上回りました。特殊用途向け製品は、市場における需要が低迷し販売は減少しました。環境用薬剤においては、顧客での需要拡大に迅速に対応したことにより販売を増やし、売上は前期を上回りました。この結果、この部門合計の売上高は20億43百万円(前期比4.1%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4億4百万円、減価償却費4億26百万円、棚卸資産の減少3億82百万円による資金の増加等に対し、退職給付に係る資産の増加25百万円、退職給付に係る負債の減少1億9百万円、仕入債務の減少2億29百万円、法人税等の支払79百万円による資金の減少等により8億29百万円の資金の増加(前期は1億43百万円の資金の増加)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得7億36百万円による資金の減少等により7億38百万円の資金の減少(前期は3億5百万円の資金の減少)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入9億30百万円による資金の増加に対し、長期借入金の返済4億79百万円、配当金の支払72百万円による資金の減少等により3億59百万円の資金の増加(前期は1億38百万円の資金の減少)となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて4億67百万円増加して12億12百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。  区分当連結会計年度(自 2024年12月1日至 2025年11月30日)(千円)前期比(%) 化学工業薬品事業 ゴム薬品4,785,384△3.9 樹脂薬品847,0257.8 中間体802,415△28.3 その他1,940,745△8.8 不動産賃貸事業-- 計8,375,569△7.1 (注)生産金額は、販売価格で算定しております。 b. 受注実績当社は、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。 C.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 区分前連結会計年度(自 2023年12月1日至 2024年11月30日)当連結会計年度(自 2024年12月1日至 2025年11月30日)(千円)(%)(千円)(%) 化学工業薬品事業8,882,361(1,897,208) (21.4)8,776,078(1,857,025) (21.2) ゴム薬品4,958,068(1,399,845) (28.2)4,948,932(1,347,402) (27.2) 樹脂薬品890,921(321,661) (36.1)930,766(334,325) (35.9) 中間体1,070,960(146,986) (13.7)852,744(156,109) (18.3) その他1,962,411(28,714) (1.5)2,043,635(19,188) (0.9) 不動産賃貸事業38,388( - ) ( - )38,397( - ) ( - ) 計8,920,750( 1,897,208) (21.3)8,814,476( 1,857,025) (21.1) (注)括弧の数字(内書)は、輸出販売高及び輸出割合であります。 最近2連結会計年度における輸出高の総額に対する地域別の輸出の割合は、次の通りであります。輸出先前連結会計年度(%)当連結会計年度(%)アメリカ4.63.5アジア88.887.1その他6.69.4計100.0100.0  最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)山田化成㈱1,832,97220.51,818,36820.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たって、過去の実績や取引状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、その結果を資産・負債及び収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 財政状態の分析(流動資産)当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて32百万円増加し、63億71百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が4億67百万円増加したことに対し、売上債権が69百万円、棚卸資産が3億82百万円減少したことによります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて3億3百万円増加し、24億96百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産が2億73百万円、投資その他の資産が33百万円増加したことによります。 (負債)当連結会計年度末における総負債は、前連結会計年度と比べて85百万円増加し、57億34百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が8億3百万円増加したことに対し、仕入債務が2億29百万円、1年内返済予定の長期借入金が3億52百万円、退職給付に係る負債が1億9百万円減少したことによります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度と比べて2億51百万円増加し、31億33百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が2億25百万円増加したことによります。 b. 経営成績の分析「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 ③経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金状況は、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高が前連結会計年度のそれに比べ4億67百万円増加し、12億12百万円となりました。キャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、運転資金、設備資金等の所要資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。なお、直近5事業年度におけるキャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。 2021年11月期2022年11月期2023年11月期2024年11月期2025年11月期自己資本比率(%)28.529.031.633.835.3時価ベースの自己資本比率(%)20.321.820.919.920.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.0-6.721.44.2インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)45.3-26.56.622.2 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式をベースに計算しております。(注2)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っているすべての負債を対象としております。(注3)利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。(注4)2022年11月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

事業リスク

  • 経済情勢と需要変動
    川口化学工業グループの製品は、自動車、医療、電子材料など幅広い分野で使用されており、国内外の経済状況や需要の変動に大きく影響されます。景気後退や特定産業の需要低迷が発生した場合、製品の販売量や価格が低下し、グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、自動車産業のような主要顧客の動向は重要です。
  • 原材料価格の高騰
    主要な原材料が原油を基礎としているため、ナフサ価格や為替相場の変動が原材料価格に直接影響します。また、需給バランスの変化や地政学的リスクによる供給不足も価格高騰の要因となります。原材料価格の上昇は製造コストを押し上げ、製品価格への転嫁が難しい場合、利益率の低下を通じて業績に悪影響を与える可能性があります。
  • 国際的な価格競争
    化学工業薬品市場では国際競争が激化しており、競合他社との厳しい価格競争にさらされるリスクがあります。新規参入企業の増加や既存競合の競争力強化により、製品の販売価格が下落したり、市場シェアが低下したりする可能性があります。これにより、グループの売上高や収益性が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,611 文字
3 【事業等のリスク】事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。ただし、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、全てを網羅したものではありません。(1)国内外の経済情勢・需要変動 当社グループの製品は、自動車製品、医療・電子材料等を初め多岐にわたる分野で使用されております。当社グループ製品の需要は、製品を販売している様々な分野の経済状況の影響を受けることになります。従いまして、国内外の経済情勢・需要変動により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (2)原材料価格の高騰 当社グループが使用する主要原料は原油を基礎としているため、ナフサ価格や為替相場の変動の影響を受けます。また、需給バランスの変化や地政学的リスクにより供給不足の状況になった場合においても変動の影響を受け原料価格が高騰する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (3)価格競争 当社グループが事業を展開する市場において国際競争が激化しております。競合先は当社グループより競争力を有している可能性があります。また、新しい競合先の市場参入に伴い、当社グループの製品が厳しい価格競争にさらされる可能性もあります。その結果、競争激化によるシェアの確保での価格の下落、又は、シェアの低下により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これらに対応すべく日々合理化を推進しコストダウンに努め製造原価の低減に努めております。 (4)原材料の調達、サプライチェーンに関するリスク 当社グループは、原材料の調達先を複数確保するなど、安定的な原材料の調達に努めておりますが、地政学リスクや国内の働き方改革関連法等に由来する国内外輸送量の低下による原材料の調達遅延、製品の納入遅延の発生、その他原材料メーカーの事故、品質不良、自然災害及びその他要因による供給停止により、当社グループの生産活動に支障をきたす場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5)製品の品質リスク 当社グループは、製品の品質について細心の注意を払いつつ生産を行い、品質保証の国際規格ISO9001に従って品質マネジメントを確立し、厳格な品質管理に努めておりますが、製品について欠陥がなく、クレームが発生する可能性がないという保証はありません。契約不適合責任や製造物責任に係る製品の欠陥が生じた場合は、損害賠償や補修等の費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、製品の不良等による万が一のトラブル発生に備え、PL保険に加入しリスクの低減を図っております。 (6)為替レートの変動 外貨建債権債務について為替予約等のリスクヘッジを行っており、今後とも適切なリスクヘッジ対策を実施してまいりますが、為替変動が業績に与える可能性があります。 (7)事故・災害による影響 当社グループの生産拠点並びに物流拠点は埼玉県に所在しております。埼玉県で地震、台風等の大規模災害の発生又は事故等により生産設備の壊滅、物流機能の停止等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8)人材の確保 当社グループは、人材を重要な経営資源と認識しており、年々激しくなる採用環境の中でさらなる成長を継続的に実現するためには、人材の確保及び育成が重要と考えております。今後も人材の計画的な確保や育成に努めてまいりますが、適切な人材を確保・育成できない場合、計画どおりの事業活動を行うことができず、当社グループの事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。 (9)環境問題及び特有の法的規制 当社グループの製品には、多種多様の化学物質が用いられるため、環境関連法及び当社グループが同意するその他の要求事項を順守し、環境保護に努めております。また、地球環境保護を企業の社会的責任と認識し、省エネルギー化や環境負荷物質の排出抑制にも努めております。しかしながら、厳しい環境関連法等が施行され事業活動が制約を受けた場合、一部製品の製造廃止、新たな設備投資が必要になる等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10)海外事業に潜在するリスク当社グループは、中華人民共和国に子会社を1社有しており、予期し得ない法律や規制の変更など、政治面や経済面での海外事業特有のリスクが潜在しております。これらのリスクが顕在化した場合は、事業活動の停止などにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。そのため、子会社を通じて法律規制、政治・経済等の状況変化の適宜把握に努めております。 (11)退職給付債務に起因するリスク当社グループの主な従業員の退職給付債務算定方法として簡便法を採用しております。そのため、年金資産運用利回りの低下は退職給付費用の増加に繋がり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (12)訴訟事件等当連結会計年度において、当社グループに影響を与える訴訟等は提起されておりませんが、事業に関連して、訴訟、係争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、訴訟事件等が業績に影響を与える可能性があります。 (13)情報セキュリティリスク当社グループは、情報システムの安定運用および情報資産の保護を重要な経営課題と位置付け、各種セキュリティ対策を講じております。しかしながら、サイバー攻撃の高度化・巧妙化、内部不正、システム障害、委託先を含むサプライチェーンの脆弱性等により、情報漏えい、データ改ざん、サービス停止等の事象が発生する可能性を完全に排除することはできません。これらの事象が発生した場合、当社グループの事業運営に重大な影響を及ぼすとともに、顧客・取引先からの信頼失墜、損害賠償請求、行政処分等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)その他のリスク当社グループには、知的財産、取引先に対する債権の貸倒れリスク、情報システムへの不正侵入等のリスクがあり、対策を強化しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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