有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,810 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは言えない内容についても、投資家の判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な開示の観点から開示いたします。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関する事項① 建設業界の動向について当社グループは、建設業に特化したソリューションを提供する「SPIDER+」を主力製品としておりますが、当社事業の発展のためには、建設市場及び当該市場におけるDXニーズの拡大が重要であると考えております。現在、建設業界においては、建設投資額が拡大傾向にある一方で慢性的な人手不足等が常態化しており、DXや業務のデジタル化など、生産性向上を実現するための重要な施策の1つとして、ITツールやSaaS等ソフトウエアへの投資意欲が旺盛に推移しております。当社グループにおいては、今後も建設業界におけるDX市場が拡大していくことを見込んでおり、市場シェアの拡大や顧客内の導入ID数増加及びオプション浸透率上昇を進めていくことでDXニーズをいち早く取り込んでいく方針であります。また、顧客ごとに異なるDXニーズに対してプロフェッショナルサービスを通じて顧客の業務プロセスに深く浸透していくことにより顧客基盤を強固にしてまいります。しかしながら、建設市場の収縮傾向やソフトウエアへの投資意欲の減衰が急激、長期的に発生した場合には、業況悪化や倒産等の発生懸念先が出現する可能性が高く、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定のサービス「SPIDER+」への依存について当社グループの事業はICT事業の単一セグメントであり、売上高の大部分を「SPIDER+」が占めております。「SPIDER+」は、直ちに契約が解約される性質のサービスでなく、現場説明会の実施や、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施しているため、安定的な収益を見込んでおります。また、現場の「ヒト」・「コト」・「モノ」の課題を統合的に解決するプラットフォーム「SPIDER+ Workspace構想」によりサービスの提供範囲を広げ多角的観点から新たな収益の拡大を見込んでおりますが、当該サービスに何らかの深刻な問題が生じた場合や、競合企業や新規参入企業との競争激化等が生じた場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境について当社グループは、顧客のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、建設業に特化したSaaSソリューションを提供しております。第三者が新たに建設業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社グループと同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、資金力やブランド力を有する有力な競合企業が、そのリソースを現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組み、当社の想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品やサービスの開発及び提供を進めるとともに、積極的なマーケティング活動と営業力強化による「SPIDER+」の導入社数及び利用者数の増加と、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化による高い顧客満足度を実現することにより、競争力を高めていく方針であります。また当社グループは、知財戦略を重要度の高い経営事項と認識し、当社グループの競争優位を更に高めています。 ④ 技術革新への対応について当社グループの主力製品である「SPIDER+」は、顧客ニーズに対応したサービスの拡充、開発を適時かつ継続的に行うことが重要です。とりわけ、クラウドサービス及びAI技術を取り巻く技術革新のスピードは大変速く、先端的なニーズに合致するサービスを提供し続けるためには、常に先進的な技術ノウハウを獲得し、当社グループの開発プロセス・組織に取り入れていく必要があります。また、建設業界のDX進展に伴い、顧客がクラウドサービスに求めるセキュリティ水準は急速に高まっております。特に大手ゼネコン等においては、独自のセキュリティチェック基準や監査への対応が、サービス選定及び継続利用の必須条件となる傾向が強まっております。 そのため当社グループは、エンジニアの採用や教育、創造的な職場環境や開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見やノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、又は競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社グループの競争力が低下し、当社グループの技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして業界での地位の低下を招き、また、対応のための支出の増大により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムリスクについて当社グループは、PC、スマートフォン、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績は影響を受けます。当社グループのサービスは、外部クラウドサーバーを活用し提供しており、外部クラウドサーバーの安定的な稼働が当社グループの事業運営上重要な事項となっております。そのため当社グループでは、外部クラウドサーバーが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社グループの役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社グループの想定していない事象の発生により外部クラウドサーバーが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又は外部クラウドサーバーとの契約が解除される等により既存のクラウドサーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社グループの追加費用負担、又は当社グループのブランドの毀損などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システムの継続的な改善について当社グループのサービスは、販売開始から15年以上稼働と改修を重ねたことでシステムが複雑化し、その結果、必要以上にシステム改修や障害対応、社員のオンボーディングに時間を要するようになっております。そのため、2024年12月期期末において、改修や障害により早く対応するための開発基盤に関する方針変更を行い、新たな方針のもと、当該課題を解消する開発に着手しております。新たな方針に基づくシステム開発における不具合の発生リスクに対しては、機能リリース時の十分なテストを行うことや、部門横断的なプロジェクトチームによる多方面からの検討を行うことにより備えております。しかしながら、想定しえない理由により、顧客要望に応えられない場合やシステムの障害や不具合が発生した場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ Apple Inc.の動向について「SPIDER+」アプリは、Apple Inc.が提供するアプリマーケット上においてのみ提供しております。当社顧客が「SPIDER+」サービスをiPadデバイス上で利用する場合、当該iOSアプリが必要です。Apple Inc.によるiOSの利用規約変更などプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、又はデバイスの陳腐化、競合デバイスのシェア拡大等によってiOS自体の競争力が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、iOSデバイスの市場シェアは一定期間持続するものと想定しておりますが、上記リスクが顕在化した場合に備え、Androidデバイス対応も含めた取組を進めております。 ⑧ 自然災害等について大地震や台風等の自然災害や事故などにより、当社グループの従業員や協力会社の被災、事業活動に必要な設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社グループが提供するサービスの継続に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、事業継続計画に基づきバックアップサーバーの整備などの事業継続に関する取組を実施しており、被災時における従業員の安全の確保や確認、迅速なサービス復旧が行えるように備えておりますが、これらの事象が発生した場合、損害を被った設備等の修復や、被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生する可能性があります。 (2) 事業体制に関する事項① 既存ユーザ企業の継続率及び単価向上について当社グループのICT事業はサブスクリプション型のビジネスモデルであるため、当社グループの継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び単価向上が重要と考えております。既存顧客の維持については、その継続率が非常に重要な要素であり、機能の追加開発やサポートの充実により継続率の維持と向上を図っております。予算及び中期経営方針には、実績を基に一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社グループのサービスの魅力の低下、競合他社に対する競争力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下等により、当社グループの想定を大幅に下回る継続率となる可能性があります。また単価向上については、ARPUの上昇や既存顧客へのアップセル、クロスセルを促進する戦略をとっております。しかしながら、既存顧客への浸透や中堅以上の規模の顧客の新規獲得が想定どおり進行しない、または当社グループのサービスが顧客のニーズに合致しないこと等により、想定した顧客単価の向上が実現しない可能性があります。これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② オプション開発を含む機能の充実が想定どおりに進まないことによるリスクについて「SPIDER+」のオプション開発を含む機能の充実について、何らかの理由で開発が想定どおりに進まなかった場合には、当社グループの想定する事業展開ができない、または遅延することにより、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、最新の技術動向に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積などに積極的に取り組んでおります。 ③ 販売パートナー企業との関係について当社グループは、「SPIDER+」の事業拡大を図るにあたって、国内の販売パートナー企業と販売取次契約を締結し、販売の取次及び債権回収などを委託しています。当社グループは、販売パートナー企業に対して、営業・技術支援の強化を推進しており、各販売パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。なお、現状では大口取引先などを含め、全体売上の過半数の債権回収をジャパンギャランティサービス株式会社に依頼しており、当連結会計年度末の連結貸借対照表における営業債権のうち55.1%が同社に対するものであります。今後、主要販売パートナー企業との取引関係継続が困難となった場合や競合企業への契約切替えなど、各販売パートナー企業の事業戦略に変化が生じた場合または信用リスクが生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、販売パートナー企業に対して、毎月定例の情報交換の場を設けるなど、営業・技術支援の強化を推進しており、各販売パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。 ④ 先行投資から得られる効果が期待どおりに実現しないリスクについて建設業界は、長時間労働や就業者数の減少による人手不足という深刻な課題を抱えております。加えて、2024年4月から「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」による残業時間上限規制が適用開始されました。これらの市場環境により、建設業界各社は生産性向上への取組を強化しており、生産性向上に資するDXサービスへの需要、ひいては主力サービスである「SPIDER+」に対する需要は今後、一層強くなると想定しております。「SPIDER+」は、サブスクリプションモデルであり、顧客のサービス導入後から数年かけて顧客内の導入ID数増加及びオプション浸透率上昇を推進するビジネスモデルでもあります。これらの特長を踏まえ、新規顧客の導入後から一定年数は継続的な営業の他、カスタマーサクセスを中心とした重点的なサポートによって、顧客のDXを建設現場から推進することが重要です。また、高度化・多様化しながら拡大する顧客のDXニーズや建設現場の施工管理に関する課題を解決するプロダクトの継続的な開発、顧客接点となるセールス部門の強化、建設業界大手が取り組む海外展開への対応も必要です。これらを踏まえ当社グループはこれまで売上高成長率を重視し、先行投資を継続してまいりました。2026年12月期においては通期黒字化を見込み、収益性を伴った事業成長を進めてまいります。しかしながら、経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制に関する事項① 知的財産権について当社グループが建設DXにおいて培ってきた知的財産は、当社グループの競争優位の源泉であると認識しております。また、「コーポレートガバナンス・コード」にも知的財産の重要性が明記されるなど、その重要性は近年高まりを見せております。当社グループでは、知的財産の担当部門を設け専門家と密に連携をとりながら知的財産管理体制を構築することで、運営するサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要性が発生する可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社グループが保有する知的財産の権利化ができていない場合もあります。こうした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟について当社グループは、有価証券報告書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開する中で、当社グループが提供するサービスの不備や増加傾向にあるサイバー攻撃による情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合、これらに起因した損害賠償の請求や訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御のために費用と時間を要するほか、訴訟内容及び結果によっては損害賠償が生じる、当社グループの社会的信用が毀損されるなどにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 経営管理体制に関する事項 ① 内部管理体制について当社グループでは、企業価値の持続的な増大を図るには内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、事業運営のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実や、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っております。しかしながら、これらの取組にも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは2024年3月にベトナムに連結子会社を立ち上げており海外事業等に対する管理体制を強化しておりますが、当該国の政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクが顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定の人物への依存に係るリスクについて創業者である伊藤謙自は、当社グループの代表取締役社長かつ大株主(2025年12月31日現在において議決権保有割合52.9%)であり、当社グループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として、重要な役割を果たしております。同氏は、業界内での知名度も高く、総合的に当社グループの経営に多大な影響力を有しております。当社グループでは、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進める組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材の確保及び育成について当社グループにおいて、優秀な人材の確保、育成及び定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。しかしながら、必要な人材が十分に確保、育成できなかった場合、または採用後の人材流出が進んだ場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 顧客から預かる情報の管理について当社グループは、サービス利用者の登録情報等を利用していることから、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者に該当しております。当社グループは、個人情報の外部漏洩や改竄等の防止のため、個人情報の厳正な管理を事業運営上の重要課題と位置付けており、個人情報取扱管理規程、秘密情報管理規程など、重要な情報資産の保護に関する規程等を整備運用するとともに、個人情報、機密事項を格納するファイルサーバーへの適切なアクセス権限の付与や、パソコンと外部記憶媒体の接続を物理的に不可とするなど、重要な情報資産の管理について組織的かつ技術的、物理的な安全管理措置を講じております。また、すべての役員、従業員を対象に情報セキュリティ教育を実施するとともに「機密保持及び個人情報管理に関する誓約書」を徴求するなど、個人情報を含む重要な情報資産の保護並びに外部漏洩の未然防止に努めております。加えて、当社グループでは情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)のISO27001認証を取得しています。しかしながら、万が一、外部からの不正アクセス等を防止できず、個人情報等を含む重要な情報が社外に漏洩した場合、風評被害や社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求の対象となる可能性があります。 (5) その他の事項① ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について当社グループでは、株主価値の最大化を図るための中長期的なインセンティブを与え、株主との一層の価値共有を目的として、役員、従業員、社外協力者等に対するストック・オプション制度を採用しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。これらの新株予約権について行使が行われた場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、有価証券報告書提出日の前月末現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は1,300,200株であり、発行済株式総数35,507,400株の3.7%に相当しております。 ② 税務上の繰越欠損金について当社グループは、当連結会計年度末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。当社グループの業績が中期経営方針どおりに順調に推移しない場合には、繰越欠損金を使用できなくなることによって当社グループのタックス・プランニングに影響を与える可能性があります。
FY2024|8,481 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは言えない内容についても、投資家の判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な開示の観点から開示いたします。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関する事項① 建設業界の動向について当社グループは、建設業に特化したソリューションを提供する「SPIDERPLUS」を主力製品としておりますが、当社事業の発展のためには、建設市場及び当該市場におけるDXニーズの拡大が重要であると考えております。現在、建設業界においては、建設投資額が拡大傾向にある一方で慢性的な人手不足等が常態化しており、DXや業務のデジタル化など、生産性向上を実現するための重要な施策の1つとして、ITツールやSaaS等ソフトウエアへの投資意欲が旺盛に推移しております。当社グループにおいては、今後も建設業界におけるDX市場が拡大していくことを見込んでおり、市場シェアの拡大や顧客内の導入ID数増加及びオプション浸透率上昇を進めていくことでDXニーズをいち早く取り込んでいく方針であります。しかしながら、建設市場の収縮傾向やソフトウエアへの投資意欲の減衰が急激、長期的に発生した場合には、業況悪化や倒産等の発生懸念先が出現する可能性が高く、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定のサービス「SPIDERPLUS」への依存について当社グループの事業はICT事業の単一セグメントであり、売上高の大部分を「SPIDERPLUS」が占めております。「SPIDERPLUS」は、直ちに契約が解約される性質のサービスでなく、現場説明会の実施や、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施しているため、安定的な収益を見込んでおりますが、当該サービスに何らかの深刻な問題が生じた場合や、競合企業や新規参入企業との競争激化等が生じた場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境について当社グループは、顧客のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、建設業に特化したSaaSソリューションを提供しております。第三者が新たに建設業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社グループと同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、資金力やブランド力を有する有力な競合企業が、そのリソースを現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組み、当社の想定している以上に競争が激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品やサービスの開発及び提供を進めるとともに、積極的なマーケティング活動と営業力強化による「SPIDERPLUS」の導入社数及び利用者数の増加と、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化による高い顧客満足度を実現することにより、競争力を高めていく方針であります。また当社グループは、知財戦略を重要度の高い経営事項と認識し、当社グループの競争優位を更に高めています。 ④ 技術革新への対応について当社グループの主力製品である「SPIDERPLUS」は、顧客ニーズに対応したサービスの拡充、開発を適時かつ継続的に行うことが重要です。とりわけ、クラウドサービスを取り巻く技術革新のスピードは大変速く、先端的なニーズに合致するサービスを提供し続けるためには、常に先進的な技術ノウハウを獲得し、当社グループの開発プロセス・組織に取り入れていく必要があります。そのため当社グループは、エンジニアの採用や教育、創造的な職場環境や開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見やノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、又は競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社グループの競争力が低下し、当社グループの技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして業界での地位の低下を招き、また、対応のための支出の増大により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムリスクについて当社グループは、PC、スマートフォン、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績は影響を受けます。当社グループのサービスは、外部クラウドサーバーを活用し提供しており、外部クラウドサーバーの安定的な稼働が当社グループの事業運営上重要な事項となっております。そのため当社グループでは、外部クラウドサーバーが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社グループの役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社グループの想定していない事象の発生により外部クラウドサーバーが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又は外部クラウドサーバーとの契約が解除される等により既存のクラウドサーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社グループの追加費用負担、又は当社グループのブランドの毀損などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システムの継続的な改善について当社グループのサービスは、販売開始から10年以上稼働と改修を重ねたことでシステムが複雑化し、その結果、必要以上にシステム改修や障害対応、社員のオンボーディングに時間を要するようになっております。そのため、2024年12月期期末において、改修や障害により早く対応するための開発基盤に関する方針変更を行い、新たな方針のもと、当該課題を解消する開発に着手しております。新たな方針に基づくシステム開発における不具合の発生リスクに対しては、機能リリース時の十分なテストを行うことや、部門横断的なプロジェクトチームによる多方面からの検討を行うことにより備えております。しかしながら、想定しえない理由により、顧客要望に応えられない場合やシステムの障害や不具合が発生した場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ Apple Inc.の動向について「SPIDERPLUS」アプリは、Apple Inc.が提供するアプリマーケット上においてのみ提供しております。当社顧客が「SPIDERPLUS」サービスをiPadデバイス上で利用する場合、当該iOSアプリが必要です。Apple Inc.によるiOSの利用規約変更などプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、又はデバイスの陳腐化、競合デバイスのシェア拡大等によってiOS自体の競争力が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、iOSデバイスの市場シェアは一定期間持続するものと想定しておりますが、上記リスクが顕在化した場合に備え、Androidデバイス対応も含めた取組みを進めております。 ⑧ 自然災害等について大地震や台風等の自然災害や事故などにより、当社グループの事業活動に必要な設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社グループが提供するサービスの継続に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、事業継続計画に基づきバックアップサーバーの整備などの事業継続に関する取り組みを実施しており、被災時における従業員の安全の確保や確認、迅速なサービス復旧が行えるように備えておりますが、これらの事象が発生した場合、損害を被った設備等の修復や、被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生する可能性があります。 (2) 事業体制に関する事項① 既存ユーザ企業の継続率及び単価向上について当社グループのICT事業はサブスクリプション型のビジネスモデルであるため、当社グループの継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び単価向上が重要と考えております。既存顧客の維持については、その継続率が非常に重要な要素であり、機能の追加開発やサポートの充実により、継続率の維持と向上を図っております。予算及び中期経営方針には、実績を基に一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社グループのサービスの魅力の低下、競合他社に対する競争力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下等により、当社グループの想定を大幅に下回る継続率となる可能性があります。また単価向上については、ARPUの上昇や既存顧客へのアップセル、クロスセルを促進する戦略をとっております。しかしながら、既存顧客への浸透や中堅以上の規模の顧客の新規獲得が想定どおり進行しない、または当社グループのサービスが顧客のニーズに合致しないこと等により、想定した顧客単価の向上が実現しない可能性があります。これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② オプション開発を含む機能の充実が想定どおりに進まないことによるリスクについて「SPIDERPLUS」のオプション開発を含む機能の充実について、何らかの理由で開発が想定どおりに進まなかった場合には、当社グループの想定する事業展開ができない、または遅延することにより、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、最新の技術動向に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積などに積極的に取り組んでおります。 ③ 販売パートナー企業との関係について当社グループは、「SPIDERPLUS」の事業拡大を図るにあたって、国内の販売パートナー企業と販売取次契約を締結し、販売の取次及び債権回収などを委託しています。当社グループは、販売パートナー企業に対して、営業・技術支援の強化を推進しており、各販売パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。なお、現状では大口取引先などを含め、全体売上の過半数の債権回収をジャパンギャランティサービス株式会社に依頼しており、当連結会計年度末の連結貸借対照表における営業債権のうち59.3%が同社に対するものであります。今後、主要販売パートナー企業との取引関係継続が困難となった場合、各販売パートナー企業の事業戦略に変化が生じた場合または信用リスクが生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループでは、販売パートナー企業に対して、毎月定例の情報交換の場を設けるなど、営業・技術支援の強化を推進しており、各販売パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。 ④ 先行投資から得られる効果が期待どおりに実現しないリスクについて建設業界は、長時間労働や就業者数の減少による人手不足という深刻な課題を抱えております。加えて、2024年4月から「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」による残業時間上限規制が適用開始されました。これらの市場環境により、建設業界各社は生産性向上への取り組みを強化しており、生産性向上に資するDXサービスへの需要、ひいては主力サービスである「SPIDERPLUS」に対する需要は今後、一層強くなると想定しております。「SPIDERPLUS」は、サブスクリプションモデルであり、顧客のサービス導入後から数年かけて顧客内の導入ID数増加及びオプション浸透率上昇を推進するビジネスモデルでもあります。これらの特長を踏まえ、新規顧客の導入後から一定年数は継続的な営業の他、カスタマーサクセスを中心とした重点的なサポートによって、顧客のDXを建設現場から推進することが重要です。また、高度化・多様化しながら拡大する顧客のDXニーズや建設現場の施工管理に関する課題を解決するプロダクトの継続的な開発、顧客接点となるセールス部門の強化、建設業界大手が取り組む海外展開への対応も必要です。これらを踏まえ当社グループはこれまで売上高成長率を重視し、先行投資を継続してまいりました。2025年12月期においては通期黒字化を見込み、収益性を伴った事業成長を進めてまいります。しかしながら、経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制に関する事項① 知的財産権について当社グループが建設DXにおいて培ってきた知的財産は、当社グループの競争優位の源泉であると認識しております。また、「コーポレートガバナンス・コード」にも知的財産の重要性が明記されるなど、その重要性は近年高まりを見せております。当社グループでは、専門家と密に連携をとりながら知的財産管理体制を構築することで、運営するサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要性が発生する可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社グループが保有する知的財産の権利化ができていない場合もあります。こうした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟について当社グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開する中で、当社グループが提供するサービスの不備、情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合、これらに起因した損害賠償の請求や訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御のために費用と時間を要するほか、訴訟内容及び結果によっては損害賠償が生じる、当社グループの社会的信用が毀損されるなどにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 経営管理体制に関する事項 ① 内部管理体制について当社グループでは、企業価値の持続的な増大を図るには内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、事業運営のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実や、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っております。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは2024年3月にベトナムに連結子会社を立ち上げており海外事業等に対する管理体制を強化しておりますが、当該国の政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクが顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定の人物への依存に係るリスクについて創業者である伊藤謙自は、当社グループの代表取締役社長かつ大株主(本書提出日の前月末現在において議決権保有割合53.2%)であり、当社グループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として、重要な役割を果たしております。同氏は、業界内での知名度も高く、総合的に当社グループの経営に多大な影響力を有しております。 当社グループでは、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進める組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材の確保及び育成について当社グループにおいて、優秀な人材の確保、育成及び定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。しかしながら、必要な人材が十分に確保、育成できなかった場合、または採用後の人材流出が進んだ場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 顧客から預かる情報の管理について当社グループは、サービス利用者の登録情報等を利用していることから、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者に該当しております。当社グループは、個人情報の外部漏洩や改竄等の防止のため、個人情報の厳正な管理を事業運営上の重要課題と位置付けており、個人情報取扱管理規程、秘密情報管理規程など、重要な情報資産の保護に関する規程等を整備運用するとともに、個人情報、機密事項を格納するファイルサーバーへの適切なアクセス権限の付与や、パソコンと外部記憶媒体の接続を物理的に不可とするなど、重要な情報資産の管理について組織的かつ技術的、物理的な安全管理措置を講じております。また、すべての役員、従業員を対象に情報セキュリティ教育を実施するとともに「機密保持及び個人情報管理に関する誓約書」を徴求するなど、個人情報を含む重要な情報資産の保護並びに外部漏洩の未然防止に努めております。加えて、当社グループでは情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)のISO27001認証を取得しています。しかしながら、万が一、外部からの不正アクセス等を防止できず、個人情報等を含む重要な情報が社外に漏洩した場合、風評被害や社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求の対象となる可能性があります。 (5) その他の事項① ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について当社グループでは、株主価値の最大化を図るための中長期的なインセンティブを与え、株主との一層の価値共有を目的として、役員、従業員、社外協力者等に対するストック・オプション制度を採用しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。これらの新株予約権について行使が行われた場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は1,623,100株であり、発行済株式総数35,306,500株の4.6%に相当しております。 ② 税務上の繰越欠損金について当社グループは、当連結会計年度末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。当社グループの業績が中期経営方針どおりに順調に推移しない場合には、繰越欠損金を使用できなくなることによって当社グループのタックス・プランニングに影響を与える可能性があります。
FY2023|8,109 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは言えない内容についても、投資家の判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な開示の観点から開示いたします。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に務める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関する事項① 建設業界の動向について当社は、建設業に特化したソリューションを提供する「SPIDERPLUS」を主力製品としておりますが、当社事業の発展のためには、建設市場の拡大が重要であると考えております。しかしながら、建設市場の収縮傾向が急激、長期的に発生した場合には、業況悪化や倒産等の発生懸念先が出現する可能性が高く、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社では、与信管理を徹底するとともに、市場シェア拡大による特定顧客に依存しない顧客基盤づくりに努めることでリスクの低減を図ってまいります。 ② 特定のサービス「SPIDERPLUS」への依存について当社の事業はICT事業の単一セグメントであり、売上高の大部分を「SPIDERPLUS」が占めております。「SPIDERPLUS」は、直ちに契約が解約される性質のサービスでなく、現場説明会の実施や、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施しているため、安定的な収益を見込んでおりますが、当該サービスに何らかの深刻な問題が生じた場合や、競合企業や新規参入企業との競争激化等が生じた場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境について当社は、顧客のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、建設業に特化したSaaSソリューションを提供しております。第三者が新たに建設業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社と同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、資金力やブランド力を有する有力な競合企業が、そのリソースを現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組み、当社の想定している以上に競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品やサービスの開発及び提供を進めるとともに、積極的なマーケティング活動と営業力強化による「SPIDERPLUS」の導入社数及び利用者数の増加と、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化による高い顧客満足度を実現することにより、競争力を高めていく方針であります。また当社は、知財戦略を重要度の高い経営事項と認識し、当社の競争優位を更に高めています。 ④ 技術革新への対応について当社の主力製品である「SPIDERPLUS」は、顧客ニーズに対応したサービスの拡充、開発を適時かつ継続的に行うことが重要です。とりわけ、クラウドサービスを取り巻く技術革新のスピードは大変速く、先端的なニーズに合致するサービスを提供し続けるためには、常に先進的な技術ノウハウを獲得し、当社の開発プロセス・組織に取り入れていく必要があります。そのため当社は、エンジニアの採用や教育、創造的な職場環境や開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見やノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、又は競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社の競争力が低下し、当社の技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして業界での地位の低下を招き、また、対応のための支出の増大により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムリスクについて当社は、PC、スマートフォン、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績は影響を受けます。当社のサービスは、外部クラウドサーバーを活用し提供しており、外部クラウドサーバーの安定的な稼働が当社の事業運営上重要な事項となっております。そのため当社では、外部クラウドサーバーが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社の想定していない事象の発生により外部クラウドサーバーが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又は外部クラウドサーバーとの契約が解除される等により既存のクラウドサーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社の追加費用負担、又は当社のブランドの毀損などにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システムリニューアルについて当社のサービスは、販売開始から10年以上稼働しており、改修を重ねたことでシステムが複雑化しています。その結果必要以上にシステム改修や障害対応、社員のオンボーディングに時間を要していたことから、システムリニューアルに着手してまいりました。今後機能を拡充していくとともに、順次リニューアル版への移行を進めてまいります。これにより、改修や障害対応への高速化を予定しております。システムリニューアルにかかる障害や、不具合の発生リスクに対しては、十分なテストを行ったうえでのリリースだけでなく、部門横断的なプロジェクトチームにより多方面からの検討を行って備えております。またリリース後、何らかの理由で大きな障害が発生し、すぐに復旧ができない際には、改めて既存のシステムでの利用ができる体制となっております。しかしながら、想定しえない理由により、システムリニューアルの障害や不具合が発生しリニューアル版への移行が遅れた場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ Apple Inc.の動向について「SPIDERPLUS」アプリは、Apple Inc.が提供するアプリマーケット上においてのみ提供しております。当社顧客が「SPIDERPLUS」サービスをiPadデバイス上で利用する場合、当該iOSアプリが必要です。Apple Inc.によるiOSの利用規約変更などプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、又はデバイスの陳腐化、競合デバイスのシェア拡大等によってiOS自体の競争力が低下した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、iOSデバイスの市場シェアは一定期間持続するものと想定しておりますが、上記リスクが顕在化した場合に備え、Androidデバイス対応も含めた取組みを進めております。 ⑧ 自然災害等について大地震や台風等の自然災害や事故などにより、当社の事業活動に必要な設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社が提供するサービスの継続に支障をきたし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害を被った設備等の修復や、被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生する可能性があります。そのため当社では、事業継続計画に基づきバックアップサーバーの整備などの事業継続に関する取り組みを実施しており、被災時における従業員の安全の確保や確認、迅速なサービス復旧が行えるように備えております。 (2) 事業体制に関する事項① 顧客から預かる情報の管理について当社は、サービス利用者の登録情報等を利用していることから、「個人情報保護法」が定める個人情報取扱事業者に該当しております。当社は、個人情報の外部漏洩や改竄等の防止のため、個人情報の厳正な管理を事業運営上の重要課題と位置付けており、個人情報取扱管理規程、秘密情報管理規程など、重要な情報資産の保護に関する規程等を整備運用するとともに、個人情報、機密事項を格納するファイルサーバーへの適切なアクセス権限の付与や、パソコンと外部記憶媒体の接続を物理的に不可とするなど、重要な情報資産の管理について組織的かつ技術的、物理的な安全管理措置を講じております。また、すべての役員、従業員を対象に情報セキュリティ教育を実施するとともに「機密保持及び個人情報管理に関する誓約書」を徴求するなど、個人情報を含む重要な情報資産の保護並びに外部漏洩の未然防止に努めております。加えて、当社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)のISO27001認証を取得しています。 しかしながら、万が一、外部からの不正アクセス等を防止できず、個人情報等を含む重要な情報が社外に漏洩した場合、風評被害や社会的信用の失墜により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社が損害賠償請求の対象となる可能性があります。 ② 既存ユーザ企業の継続率及び単価向上について当社のITC事業はサブスクリプション型のビジネスモデルであるため、当社の継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び単価向上が重要と考えております。既存顧客の維持については、その継続率が非常に重要な要素であり、機能の追加開発やサポートの充実により、継続率の維持と向上を図っております。予算及び中期経営計画には、実績を基に一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社のサービスの魅力の低下、競合会社に対する競争力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下等により、当社の想定を大幅に下回る継続率となる可能性があります。また単価向上については、ARPUの上昇や既存顧客へのアップセル、クロスセルを促進する戦略をとっております。しかしながら、既存顧客への浸透や中堅以上の規模の顧客の新規獲得が想定通り進行しない、または当社のサービスが顧客のニーズに合致しないこと等により、想定した顧客単価の向上が実現しない可能性があります。これらの結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ オプション開発を含む機能の充実が想定どおりに進まないことによるリスクについて「SPIDERPLUS」のオプション開発を含む機能の充実について、何らかの理由で開発が想定どおりに進まなかった場合には、当社の想定する事業展開ができない、または遅延することにより、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、最新の技術動向に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積などに積極的に取組んでおります。 ④ 販売パートナー企業との関係について当社は、「SPIDERPLUS」の事業拡大を図るにあたって、国内の販売パートナー企業と販売取次契約を締結し、販売の取次及び債権回収などを委託しています。当社は、販売パートナー企業に対して、営業・技術支援の強化を推進しており、各販売パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。なお、現状では大口取引先などを含め、全体売上の過半数の債権回収をジャパンギャランティサービス株式会社に依頼しており、当事業年度末の貸借対照表における営業債権のうち62.1%が同社に対するものであります。今後、主要販売パートナー企業との取引関係継続が困難となった場合、各販売パートナー企業の事業戦略に変化が生じた場合または信用リスクが生じた場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、販売パートナー企業に対して、毎月定例の情報交換の場を設けるなど、営業・技術支援の強化を推進しており、各販売パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。 ⑤ 特定の人物への依存に係るリスクについて当社創業者である伊藤謙自は、当社の代表取締役社長かつ大株主(本書提出日の前月末現在において議決権保有割合53.5%)であり、当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として、重要な役割を果たしております。同氏は、業界内での知名度も高く、総合的に当社の経営に多大な影響力を有しております。当社では、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進める組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 人材の確保及び育成について当社において、優秀な人材の確保、育成及び定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。しかしながら、必要な人材が十分に確保、育成できなかった場合、または採用後の人材流出が進んだ場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 内部管理体制について当社では、企業価値の持続的な増大を図るにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 継続的な先行投資と赤字計上について建設業界は、長時間労働や就業者数の減少による人手不足という深刻な課題を抱えております。加えて、「働き方改革関連法」の適用による労働時間の上限規制を2024年4月に控え、建設業界各社は生産性向上への取り組みを強化しており、業界各社の生産性向上に資するDXサービスへの需要、ひいては当社主力サービスである「SPIDERPLUS」に対する需要は今後、一層強くなると想定しております。「SPIDERPLUS」は、サブスクリプションモデルであり、顧客のサービス導入後から数年かけて顧客内の導入ID数増加及びオプション浸透率上昇を推進するビジネスモデルでもあります。これらの特長を踏まえ、新規顧客の導入後から一定年数は継続的な営業の他、カスタマーサクセスを中心とした重点的なサポートによって、顧客のDXを建設現場から推進することが重要です。また、高度化・多様化しながら拡大する顧客のDXニーズや建設現場の施工管理に関する課題を解決するプロダクトの継続的な開発、顧客接点となるセールス部門の強化、建設業界大手が取り組む海外展開への対応も必要です。これらを踏まえ売上高成長率を重視した先行投資は引き続き継続してまいりますが、2025年度の通期黒字化を見据え、コストコントロールも計画的に進め、収益性を伴った事業成長を進めてまいります。しかしながら、経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制に関する事項① 知的財産権について当社が建設DXにおいて培ってきた知的財産は、当社の競争優位の源泉であると認識しております。また、「コーポレートガバナンス・コード」にも知的財産の重要性が明記されるなど、その重要性は近年高まりを見せております。当社では、執行役員に知的財産責任者を配置した知的財産管理体制のもと、運営するサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要性が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社が保有する知的財産の権利化ができていない場合もあります。こうした場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟について当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、当社が提供するサービスの不備、情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合、これらに起因した損害賠償の請求や訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御のために費用と時間を要すほか、訴訟内容及び結果によっては損害賠償が生じる、当社の社会的信用が毀損されるなどにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他の事項① 調達資金の使途について株式上場時における公募増資及び自己株式の処分による調達資金の使途については、主に既存事業の拡大に係る人件費、その採用費、広告宣伝費及びシステム開発費、システムリニューアル費に充当しており、今後も引き続きこれらの使途に充当していく想定です。しかしながら、当社が属する業界においては事業環境の変化が著しく、環境変化に柔軟に対応するため、調達資金を現時点の計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあります。このような場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について当社では、株主価値の最大化を図るための中長期的なインセンティブを与え、株主との一層の価値共有を目的として、役員、従業員、社外協力者等に対するストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。これらの新株予約権について行使が行われた場合や譲渡制限付株式報酬制度に基づき新株式が発行された場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は1,906,900株であり、発行済株式総数35,116,600株の5.4%に相当しております。 ③ 税務上の繰越欠損金について当社は、当事業年度末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が中期経営計画どおりに順調に推移しない場合には、繰越欠損金を使用できなくなることによって当社のタックス・プランニングに影響を与える可能性があります。
FY2022|8,427 文字
2 【事業等のリスク】以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは言えない内容についても、投資家の判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な開示の観点から開示いたします。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に務める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関する事項① 建設業界の動向について当社は、建設業に特化したソリューションを提供する「SPIDERPLUS」を主力製品としておりますが、当社事業の発展のためには、建設市場の拡大が重要であると考えております。しかしながら、建設市場の収縮傾向が急激、長期的に発生した場合には、業況悪化や倒産等の発生懸念先が出現する可能性が高く、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社では、与信管理を徹底するとともに、市場シェア拡大による特定顧客に依存しない顧客基盤づくりに努めることでリスクの低減を図ってまいります。 ② 特定のサービス「SPIDERPLUS」への依存について当社は、エンジニアリング事業を2022年1月4日に譲渡しており、当期よりICT事業の単一セグメントとなっております。また、売上高の大部分を「SPIDERPLUS」が占めております。「SPIDERPLUS」は、直ちに契約が解約される性質のサービスでなく、現場説明会の実施や、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施しているため、安定的な収益を見込んでおりますが、当該サービスに何らかの深刻な問題が生じた場合や、競合企業や新規参入企業との競争激化等が生じた場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境について当社は、顧客のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、建設業に特化したSaaSソリューションを提供しております。第三者が新たに建設業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社と同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、資金力やブランド力を有する有力な競合企業が、そのリソースを現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組み、当社の想定している以上に競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品やサービスの開発及び提供を進めるとともに、積極的なマーケティング活動と営業力強化による「SPIDERPLUS」の導入社数及び利用者数の増加と、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化による高い顧客満足度を実現することにより、競争力を高めていく方針であります。また当社は、知財戦略を重要度の高い経営事項と認識し、当社の競争優位を更に高めています。 ④ 技術革新への対応について当社の主力製品である「SPIDERPLUS」は、顧客ニーズに対応したサービスの拡充、開発を適時かつ継続的に行うことが重要です。とりわけ、クラウドサービスを取り巻く技術革新のスピードは大変速く、先端的なニーズに合致するサービスを提供し続けるためには、常に先進的な技術ノウハウを獲得し、当社の開発プロセス・組織に取り入れていく必要があります。このため当社は、エンジニアの採用や教育、創造的な職場環境や開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見やノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、又は競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社の競争力が低下し、当社の技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして業界での地位の低下を招き、また、対応のための支出の増大により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムリスクについて当社は、PC、スマートフォン、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績は影響を受けます。また、当社のサービスは、外部クラウドサーバーを活用し提供しており、外部クラウドサーバーの安定的な稼働が当社の事業運営上重要な事項となっております。当社では、外部クラウドサーバーが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社の想定していない事象の発生により外部クラウドサーバーが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又は外部クラウドサーバーとの契約が解除される等により既存のクラウドサーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社の追加費用負担、又は当社のブランドの毀損などにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システムリニューアルについて当社のサービスは、販売開始から10年以上稼働しており、改修を重ねたことでシステムが複雑化しています。その結果必要以上にシステム改修や障害対応、社員のオンボーディングに時間を要していたことから、システムリニューアルに着手してまいりました。今後機能を拡充していくとともに、順次リニューアル版への移行を進めてまいります。これにより、改修や障害対応への高速化を予定しております。システムリニューアルにかかる障害や、不具合の発生リスクに対しては、十分なテストを行ったうえでのリリースだけでなく、部門横断的なプロジェクトチームにより多方面からの検討を行って備えております。またリリース後、何らかの理由で大きな障害が発生し、すぐに復旧ができない際には、改めて既存のシステムでの利用ができる体制となっております。しかしながら、想定しえない理由により、システムリニューアルの障害や不具合が発生しリニューアル版への移行が遅れた場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ Apple Inc.の動向について「SPIDERPLUS」アプリは、Apple Inc.が提供するアプリマーケット上においてのみ提供しております。当社顧客が「SPIDERPLUS」サービスをiPadデバイス上で利用する場合、当該iOSアプリが必要です。Apple Inc.によるiOSの利用規約変更などプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、又はデバイスの陳腐化、競合デバイスのシェア拡大等によってiOS自体の競争力が低下した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、iOSデバイスの市場シェアは一定期間持続するものと想定しておりますが、上記リスクが顕在化した場合に備え、Androidデバイス対応も含めた取組みを進めております。 ⑧ 自然災害等について大地震や台風等の自然災害や事故などにより、当社の事業活動に必要な設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社が提供するサービスの継続に支障をきたし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害を被った設備等の修復や、被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生する可能性があります。当社では、事業継続計画に基づきバックアップサーバーの整備などの事業継続に関する取り組みを実施しており、被災時における従業員の安全の確保や確認、迅速なサービス復旧が行えるように備えております。なお、新型コロナウイルス等の感染症がまん延した場合には、当社及び取引先の事業活動が休止するなどの影響が発生する可能性があります。その場合には、当社のサービスの提供等に支障をきたし、多額の費用や機会損失が発生するなど、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対して、当社は従業員の在宅勤務や時差出勤等の感染防止対策を引き続き講じてまいります。 (2) 事業体制に関する事項① 顧客から預かる情報の管理について当社は、サービス利用者の登録情報等を利用していることから、「個人情報保護法」が定める個人情報取扱事業者に該当しております。当社は、個人情報の外部漏洩や改竄等の防止のため、個人情報の厳正な管理を事業運営上の重要課題と位置付けており、個人情報取扱管理規程、秘密情報管理規程など、重要な情報資産の保護に関する規程等を整備運用するとともに、個人情報、機密事項を格納するファイルサーバーへの適切なアクセス権限の付与や、パソコンと外部記憶媒体の接続を物理的に不可とするなど、重要な情報資産の管理について組織的かつ技術的、物理的な安全管理措置を講じております。また、すべての役員、従業員を対象に情報セキュリティ教育を実施するとともに「機密保持及び個人情報管理に関する誓約書」を徴求するなど、個人情報を含む重要な情報資産の保護並びに外部漏洩の未然防止に努めております。加えて、当社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)のISO27001認証を取得しています。 しかしながら、万が一、外部からの不正アクセス等を防止できず、個人情報等を含む重要な情報が社外に漏洩した場合、風評被害や社会的信用の失墜により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社が損害賠償請求の対象となる可能性もあります。 ② 既存ユーザ企業の継続率及び単価向上について当社のSaaSサービスのビジネスモデルは、サブスクリプション型のリカーリングモデルであることから、当社の継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び単価向上が重要と考えております。既存顧客の維持については、その継続率が非常に重要な要素であり、機能の追加開発やサポートの充実により、継続率の維持と向上を図っております。予算及び中期経営計画には、実績を基に一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社のサービスの魅力の低下、競合会社に対する競争力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下等により、当社の想定を大幅に下回る継続率となる可能性があります。また単価向上については、当社は、ユーザ企業当たりのユーザID数の増加によるARPU(1契約ID当たりの契約単価)上昇、既存顧客へのアップセルやクロスセルを促進する戦略をとっております。しかしながら、既存顧客への浸透や中堅以上の規模の顧客の新規獲得が想定通り進行しない、または当社のサービスが顧客のニーズに合致しないこと等により、想定した顧客単価の向上が実現しない可能性があります。これらの結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ オプション開発を含む機能の充実が想定どおりに進まないことによるリスクについて「SPIDERPLUS」のオプション開発を含む機能の充実について、何らかの理由で開発が想定どおりに進まなかった場合には、当社の想定する事業展開ができない、または遅延することにより、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、最新の技術動向に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積などに積極的に取組んでおります。 ④ 販売取次パートナー企業との関係について当社は、「SPIDERPLUS」の事業拡大を図るにあたって、国内のパートナー企業と販売取次契約を締結し、販売の取次及び債権回収などを委託しています。当社は、パートナー企業に対して、営業・技術支援の強化を推進しており、各パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。なお、現状では大口取引先などを含め、全体売上の過半数の債権回収をジャパンギャランティサービス株式会社に依頼しており、当事業年度末の貸借対照表における営業債権のうち64.0%が同社に対するものであります。今後、主要取次パートナー企業との取引関係継続が困難となった場合、各パートナー企業の事業戦略に変化が生じた場合または信用リスクが生じた場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、パートナー企業に対して、毎月定例の情報交換の場を設けるなど、営業・技術支援の強化を推進しており、各パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。 ⑤ 特定の人物への依存に係るリスクについて当社創業者である伊藤謙自は、当社の代表取締役社長かつ大株主(本書提出日の前月末現在において議決権保有割合54.6%)であり、当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として、重要な役割を果たしております。同氏は、業界内での知名度も高く、総合的に当社の経営に多大な影響力を有しております。当社では、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進める組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 人材の確保及び育成について当社において、優秀な人材の確保、育成及び定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。しかしながら、必要な人材が十分に確保、育成できなかった場合、または採用後の人材流出が進んだ場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 内部管理体制について当社では、企業価値の持続的な増大を図るにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 継続的な先行投資と赤字計上について建設業界は、長時間労働や就業者数の減少による人手不足という深刻な課題を抱えております。加えて、「働き方改革関連法案」の適用による労働時間の上限規制を2024年4月に控え、建設業界各社は生産性向上への取り組みを強化しており、業界各社の生産性向上に資するDXサービスへの需要、ひいては当社主力サービスである「SPIDERPLUS」に対する需要は今後、一層強くなると想定しております。「SPIDERPLUS」は、サブスクリプションモデルであり、顧客のサービス導入後から数年かけて顧客内の導入ID数増加及びオプション浸透率上昇を推進するビジネスモデルでもあります。これらの特長を踏まえ、新規顧客の導入後から一定年数は継続的な営業の他、カスタマーサクセスを中心とした重点的なサポートによって、顧客のDXを建設現場から推進することが重要です。これらの需要を当社が確実に獲得し事業成長につなげていくためには、顕在化した建設現場の施工管理に関する課題を解決するプロダクトが必要です。加えて、今後も高度化・多様化しながら拡大する顧客のDXニーズに応えるためのプロダクト開発力や、顧客接点となる部門や人員の強化の他、建設業界大手が取り組む海外展開への対応も必要です。これらを踏まえ、売上高成長率を重視した戦略的な先行投資は引き続き継続するとともに、早期の黒字化も見据えたコストコントロールも計画的に進め、収益性を伴った事業成長を進めてまいります。しかしながら、経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制に関する事項① 知的財産権について当社が建設DXにおいて培ってきた知的財産は、当社の競争優位の源泉であると認識しております。また、「コーポレートガバナンス・コード」にも知的財産の重要性が明記されるなど、その重要性は近年高まりを見せております。当社では、執行役員に知的財産責任者を配置した知的財産管理体制のもと、運営するサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要性が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社が保有する知的財産の権利化ができてない場合もあります。こうした場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟について当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、当社が提供するサービスの不備、情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合、これらに起因した損害賠償の請求や訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御のために費用と時間を要すほか、訴訟内容及び結果によっては損害賠償が生じる、当社の社会的信用が毀損されるなどにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他の事項① 調達資金の使途について株式上場時における公募増資及び自己株式の処分による調達資金の使途については、主に既存事業の拡大に係る人件費、その採用費、広告宣伝費及びシステム開発費、システムリニューアル費に充当しており、今後も引き続きこれらの使途に充当していく想定です。しかしながら、当社が属する業界においては事業環境の変化が著しく、環境変化に柔軟に対応するため、調達資金を現時点の計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあります。このような場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について当社では、株主価値の最大化を図るための中長期的なインセンティブを与え、株主との一層の価値共有を目的として、役員、従業員、社外協力者等に対するストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。これらの新株予約権について行使が行われた場合や譲渡制限付株式報酬制度に基づき新株式が発行された場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は2,675,900株であり、発行済株式総数34,426,600株の7.8%に相当しております。 ③ 税務上の繰越欠損金について当社は、当事業年度末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が中期経営計画どおりに順調に推移しない場合には、繰越欠損金を使用できなくなることによって当社のタックス・プランニングに影響を与える可能性があります。
FY2021|8,506 文字
2 【事業等のリスク】以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは言えない内容についても、投資家の判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な開示の観点から開示いたします。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に務める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関する事項① 建設業界の動向について当社は、建設業に特化したソリューションを提供するSPIDERPLUSを主力製品としておりますが、当社事業の発展のためには、建設市場の拡大が重要であると考えております。しかしながら、建設市場の収縮傾向が急激・長期的に発生した場合には、業況悪化や倒産等の発生懸念先が出現する可能性が高く、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社では、与信管理を徹底するとともに、市場シェア拡大による特定顧客に依存しない顧客基盤づくりに努めることでリスクの低減を図ってまいります。 ② 特定のサービス「SPIDERPLUS」への依存について当社は、エンジニアリング事業を2022年1月4日に譲渡しており、今後、ICT事業を主軸とした事業展開に注力していく方針です。そのため、当社の事業成長は当該事業に依存しており、ICT事業の売上高の大部分を「SPIDERPLUS」が占めております。「SPIDERPLUS」は、直ちに契約が解約される性質のサービスでなく、併せて現場説明会の実施や、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施しているため、安定的な収益を見込んでおりますが、当該サービスに何らかの深刻な問題が生じた場合や、競合企業や新規参入企業との競争激化等が、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境について当社は、顧客のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、建設業に特化したSaaSソリューションを提供しております。第三者が新たに建設業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社と同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、資金力、ブランド力を有する有力な競合企業が、その資本力、営業力等を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組み、当社の想定している以上に競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品・サービスの開発及び提供を進めるとともに、積極的なマーケティング活動と営業力強化による「SPIDERPLUS」の導入社数及び利用者数の増加と、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化による高い顧客満足度を実現することにより、競争力を高めていく方針であります。 ④ 技術革新への対応について当社の主力製品であるSPIDERPLUSは、顧客ニーズに対応したサービスの拡充、開発を適時かつ継続的に行うことが重要です。とりわけ、クラウドサービスを取り巻く技術革新のスピードは大変速く、先端的なニーズに合致するクラウドサービスを提供し続けるためには、常に先進的な技術ノウハウを獲得し、当社の開発プロセス・組織に取り入れていく必要があります。このため、当社は、エンジニアの採用・教育や創造的な職場環境・開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見・ノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、当社の競争力が低下する可能性があります。このように当社が技術革新に対する対応が遅れた場合又は競合他社がより優れたサービス展開した場合には、当社の競争力が低下する可能性ががあります。このように、当社が技術革新に対して、適時かつ適切に対応することができなかった場合には、当社の技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力や業界での地位の低下を招き、また、対応のための支出の増大により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムリスクについて当社は、PC、スマートフォン、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績は影響を受けます。また、当社のサービスは、外部クラウドサーバーを活用し、提供しており、外部クラウドサーバーの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。当社では外部クラウドサーバーが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社の想定していない事象の発生により外部クラウドサーバーが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又は外部クラウドサーバーとの契約が解除される等により既存のクラウドサーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社の追加費用負担、又は当社のブランドの毀損などにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システムリニューアルについて当社のサービスは、販売開始から10年以上稼働しており、改修を重ねたことでシステムが複雑化しています。その結果、必要以上に改修工数や障害対応工数がかかる場合があるため、2022年12月期中を目途にシステムリニューアルを行い、改修や障害対応への高速化を予定しております。またシステムリニューアルにかかる障害や、不具合の発生リスクに対しては、十分なテストを行ったうえでのリリースだけでなく、部門横断的なプロジェクトチームにより多方面からの検討を行って備えております。またリリース後、何らかの理由で大きな障害が発生し、すぐに復旧ができない際には、改めて既存のシステムでの利用ができる体制となっております。しかしながら、想定しえない理由により、システムリニューアルの障害や不具合が発生し、システムリニューアルが遅れた場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります ⑦ Apple Inc.の動向について当社のiOSアプリはApple Inc.が運営する各アプリマーケット上において提供しており、当社の売上高に占める当該iOSアプリによる売上高の割合は高くなっております。利用規約の変更など、プラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換並びに動向によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 自然災害等について大地震や台風等の自然災害や事故等により、当社の事業活動に必要な設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社が提供するサービスの継続に支障をきたす場合があります。また、損害を被った設備等の修復や、被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生する可能性があります。事業環境の変化に応じてバックアップサーバーの整備などの事業継続に関する取り組みをしておりますが、これらの事象が発生した場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 新型コロナウイルスの影響について新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、景気の後退懸念や先行きに対する不透明感が増している状況となっております。このような状況のもと、当社はリード獲得やアポイント獲得の遅れ、顧客企業内での検討の長期化等といった影響が顕在化しているものの、オンラインマーケティングによるリード獲得に注力するとともに、オンラインでの顧客面談等により営業活動を進めるなど、事業環境の変化に対して柔軟な対応を図っており、引き続き高い安定性を維持しています。しかしながら、本書提出日現在においても、新型コロナウイルスの収束の時期について明確な見通しは立っておらず、今後収束時期やその他状況の変化によっては、当社の営業活動に支障が生じる可能性や当社の顧客の業績悪化による当社サービスの解約が生じる可能性があります。その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大による事業の影響を注視してまいります。 (2) 事業体制に関する事項① 顧客から預かる情報の管理について当社は、サービス利用者の登録情報等を利用していることから、「個人情報保護法」が定める個人情報取扱事業者であります。 当社は、個人情報の外部漏洩、改竄等の防止のため、個人情報の厳正な管理を事業運営上の重要課題と位置付けており、個人情報取扱管理規程、秘密情報管理規程など、重要な情報資産の保護に関する規程等を整備運用するとともに、個人情報・機密事項を格納するファイルサーバへの適切なアクセス権限の付与や、パソコンと外部記憶媒体の接続を物理的に不可とするなど、重要な情報資産の管理について組織的かつ技術的、物理的な安全管理措置を講じております。また、すべての役員・従業員を対象に情報セキュリティ教育を実施するとともに「機密保持及び個人情報管理に関する誓約書」を徴求するなど、個人情報を含む重要な情報資産の保護並びに外部漏洩の未然防止に努めております。加えて、当社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)のISO27001認証を取得しています。 しかしながら、万が一、外部からの不正アクセス等を防止できず、個人情報等を含む重要な情報が社外に漏洩した場合、風評被害や社会的信用の失墜により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社が損害賠償請求の対象となる可能性もあります。 ② 既存ユーザ企業の継続率及び単価向上について当社のSaaSサービスのビジネスモデルは、サブスクリプション型のリカーリングモデルであることから、当社の継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び単価向上が重要と考えております。既存顧客の維持については、その継続率が非常に重要な要素であり、機能の追加開発やサポートの充実により、継続率の維持・向上を図っております。予算及び経営計画には、実績を基に一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社のサービスの魅力の低下、競合会社に対する競争力の低下、追加機能やサポートに対する満足殿の低下等により、当社の想定を大幅に下回る継続率となる可能性があります。単価向上については、当社は、ユーザ企業当たりのユーザID数の増加によるARPUの増加、既存顧客へのアップセルやクロスセルを促進する戦略をとっております。しかしながら、既存顧客の事業が成長しない、中堅規模の企業の顧客獲得が奏功しない、又は当社のサービスが顧客のニーズに合致しないことに等により、想定した顧客単価の向上が実現しない可能性があります。これらの結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります ③ オプション開発を含む機能の充実が想定どおりに進まないことによるリスクについて当社では、「SPIDERPLUS」のオプション開発を含む機能の充実について、何らかの理由で開発が想定どおりに進まなかった場合には、当社の想定する事業展開ができない、または遅延することにより、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、最新の技術動向に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積などに積極的に取組んでおります。 ④ 販売取次パートナー企業との関係について当社は、「SPIDERPLUS」の事業拡大を図るにあたって、国内のパートナー企業と販売取次契約を締結し、販売の取次及び債権回収などを委託しています。当社は、パートナー企業に対して、営業・技術支援の強化を推進しており、各パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。なお、現状では大口取引先などを含め、全体売上の過半数の債権回収をジャパンギャランティサービス株式会社に依頼しており、当事業年度末の貸借対照表における営業債権のうち、62.6%が特定の大口取次店に対するものであります。今後、主要取次パートナー企業との取引関係継続が困難となった場合、各パートナー企業の事業戦略に変化が生じた場合または信用リスクが生じた場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、パートナー企業に対して、毎月定例の情報交換の場を設けるなど、営業・技術支援の強化を推進しており、各パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。 ⑤ 特定の人物への依存に係るリスクについて当社創業者である伊藤謙自は、当社の代表取締役社長かつ大株主(本書提出日の前月末現在において議決権保有割合56.1%)であり、当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として、重要な役割を果たしております。同氏は、業界内での知名度も高く、総合的に当社の経営に多大な影響力を有しております。当社では、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進める組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体性の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 人材の確保及び育成について当社において優秀な人材の確保、育成及び定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。しかしながら、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合、又は採用後の人材流出が進んだ場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 内部管理体制について当社では、企業価値の持続的な増大を図るにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 継続的な先行投資と赤字計上について当社の主力サービスである「SPIDERPLUS」は、サブスクリプションモデルであり、早急な市場シェアの獲得が重要であると考えております。市場シェア獲得のためには、既存顧客からの追加IDの獲得に加え、新規顧客の獲得が重要であります。市場シェアを獲得するためには、顧客ニーズに即した魅力的なプロダクトを提供し続ける必要があると考えております。そのために、先行的に顧客ニーズに即したプロダクトを提供するためのシステム開発人員及び営業人員に係る人件費、並びに新規商談数獲得や「SPIDERPLUS」の認知度向上のためのマーケティング活動費用として広告宣伝費を投下するとともに、「SPIDERPLUS」のシステムリニューアルを含むサービス開発投資を積極的に行い、継続的に先行投資を実施する方針としています。また、今後一定期間については、黒字化よりも売上高成長率を重視して経営していく方針です。当社では、収益性の向上に努め、具体的にはユニットエコノミクス(注1)などを参考指標とし、費用対効果を見ながら、先行的な投資を継続的に実施する方針により、一定期間においては赤字計上の継続を想定しております。経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注) 1.ユニットエコノミクスとは、「(1契約あたりの生涯に生み出す収益(Life Time Value))÷(1契約あたりの顧客獲得コスト(Customer Acquisition Cost))」を表し、当社では「(対前月増加MRR×粗利率÷社数ベースの月次解約率)÷(ICT事業に係る月次人件費+広告宣伝費+地代家賃+販売手数料+交通費等営業費用)」により算出しております。2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。 (3) 法的規制に関する事項① 知的財産権について当社では、運営するサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要性が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社が保有する権利の権利化ができてない場合もあります。こうした場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訴訟について当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、当社が提供するサービスの不備、情報漏洩により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御の為に費用と時間を要する可能性があるほか、当社の社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事項① 調達資金の使途について株式上場時における公募増資及び自己株式の処分による調達資金の使途については、主に既存事業の拡大に係る人件費、その採用費、広告宣伝費及びシステム開発費、システムリニューアル費、借入金の返済などに充当する予定であります。しかしながら、当社が属する業界においては変化が著しく、環境変化に柔軟に対応するため、調達資金を現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあります。このような場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について当社では、株主価値の最大化を図るための中長期的なインセンティブを与え、株主との一層の価値共有を目的として、役員、従業員、社外協力者等に対するストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。これらの新株予約権について行使が行われた場合や譲渡制限付株式報酬制度に基づき新株式が発行された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。 これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は3,777,300株であり、発行済株式総数33,477,500株の11.3%に相当しております。 ③ 税務上の繰越欠損金について当社は、当事業年度末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が事業計画どおりに順調に推移しない場合には、繰越欠損金を使用できなくなることによって当社のタックス・プランニングに影響を与える可能性があります。
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2 【事業等のリスク】以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは言えない内容についても、投資家の判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な開示の観点から開示いたします。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に務める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関する事項① 建設業界の動向について当社は、建設業を主な対象としたソリューションを提供するICT事業と、建設業であるエンジニアリング事業を展開しており、建設業界の景気動向の影響を受けやすい傾向があります。今後、建設業界の景気悪化や建設需要が縮小した場合、当社の「SPIDERPLUS」の利用者数が当社想定を下回る、または当社想定計画から遅延することにより、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、建設業界の景気の動向を慎重に見極め、景気動向を踏まえた施策の実行及びコストコントロールを徹底することでリスクの低減を図ってまいります。 ② 特定のサービス「SPIDERPLUS」への依存について当社は、ICT事業を主力事業として位置付けており、今後も当該事業を主軸とした事業展開に注力していく方針であることから、当社の事業成長は当該事業に依存しているものと認識しております。「SPIDERPLUS」の売上が全体の約7割(当事業年度実績)であり、今後更に高まっていくものと推測されます。「SPIDERPLUS」は、直ちに契約が解約される性質のサービスでなく、併せて現場説明会の実施や、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施しているため、安定的な収益を見込んでおりますが、当該サービスに何らかの深刻な問題が生じた場合や、競合企業や新規参入企業との競争激化等が、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境について当社のICT事業の分野においては、既に数多くの競合企業が存在しております。また、当該事業分野が成長市場であること及び大きな参入障壁がないことから、今後、他社の新規参入により競争が激化する可能性があります。競合企業の営業方針、価格設定及び提供する製品・サービス等は、当社が属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合企業に対して効果的な差別化を行うことができない場合には、当社が想定している事業展開が図れない可能性があります。そのため当社では、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品・サービスの開発及び提供を進めるとともに、積極的なマーケティング活動と営業力強化による「SPIDERPLUS」の導入社数及び利用者数の増加と、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化による高い顧客満足度を実現することにより、競争力を高めていく方針であります。 ④ 技術革新への対応について当社の主力サービスである「SPIDERPLUS」は、インターネット関連技術に基づき事業展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化の激しい業界となっております。例えば、「SPIDERPLUS」を利用するためのデバイスであるタブレットやスマートフォンなどの端末の技術については、技術革新が急速に進んでおり、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。当社では、最新の技術動向に関する継続的な情報収集と新技術・新サービスの積極的な活用などに日々取り組んでおりますが、このような技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、新技術への対応のための追加的なシステム投資や開発費などの支出が拡大し、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムリスクについて当社のICT事業は、PC、タブレット、スマートフォン、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績は影響を受けます。また、当社のサービスは、外部クラウドサーバー(アイテック阪急阪神株式会社(以下、「アイテック社」))が提供するマネージドサービスにて提供しており、当該クラウドサーバーの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社の想定していない事象の発生により、クラウドサーバーが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、アイテック社との契約が解除される等により当該クラウドサーバーの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社の追加費用負担、又は当社のブランドの毀損などにより、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、外部クラウドサーバーに起こりうる障害発生時の対応を記したフローチャート並びに、対応マニュアルを作成して管理・運用を行っております。また、アイテック社では当該クラウドサーバーの稼働状況を常時監視し、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。更に、当社ではアイテック社に対して、月次の報告会及び半期毎のセキュリティチェックに関する書面での確認などを行い、業務の適切性を確認しております。 ⑥ システムリニューアルについて当社のサービスは、販売開始から10年以上稼働しており、改修を重ねたことでシステムが複雑化しています。その結果、必要以上に改修工数や障害対応工数がかかる場合があるため、2021年12月期中を目途にシステムリニューアルを行い、改修や障害対応への高速化を予定しております。またシステムリニューアルにかかる障害や、不具合の発生リスクに対しては、十分なテストを行ったうえでのリリースだけでなく、部門横断的なプロジェクトチームにより多方面からの検討を行って備えております。またリリース後、何らかの理由で大きな障害が発生し、すぐに復旧ができない際には、改めて既存のシステムでの利用ができる体制となっております。しかしながら、想定しえない理由により、システムリニューアルの障害や不具合が発生し、システムリニューアルが遅れた場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります ⑦ Apple Inc.の動向について当社のサービス「SPIDERPLUS」は、iOSアプリとして「Apple Developer Program License Agreement」に基づきApple Inc.が運営するプラットフォーム上において提供しており、システム基盤を当該プラットフォームに依存しております。当社のシステムが、Apple Inc.側の要件を十分に満たさない等の理由によりシステム提供に関する契約を締結または継続できない場合や、Apple Inc.の事業方針の変更や手数料率の変動等があった場合及び、Apple Inc.において不測の事態が発生してApple Inc.を介してユーザーに当社システムを提供できなくなる可能性があります。そのため当社では、アプリのアップデート時に常に審査を受け適切性を担保するようにしております。また、本書提出日現在において、契約継続等に影響を及ぼす事態は発生しておりません。 ⑧ 自然災害等について大地震や台風等の自然災害や事故等により、当社の事業活動に必要な設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社が提供するサービスの継続に支障をきたす場合があります。また、損害を被った設備等の修復や、被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生する可能性があります。事業環境の変化に応じてバックアップサーバーの整備などの事業継続に関する取り組みをしておりますが、これらの事象が発生した場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 新型コロナウイルスの影響について新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、景気の後退懸念や先行きに対する不透明感が増している状況となっております。このような状況のもと、当社はリード獲得やアポイント獲得の遅れ、顧客企業内での検討の長期化等といった影響が顕在化しているものの、オンラインマーケティングによるリード獲得に注力するとともに、オンラインでの顧客面談等により営業活動を進めるなど、事業環境の変化に対して柔軟な対応を図っており、引き続き高い安定性を維持しています。しかしながら、本書提出日現在においても、新型コロナウイルスの収束の時期について明確な見通しは立っておらず、今後収束時期やその他状況の変化によっては、当社の営業活動に支障が生じる可能性や当社の顧客の業績悪化による当社サービスの解約が生じる可能性があります。その結果、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大による事業の影響を注視してまいります。 (2) 事業体制に関する事項① 顧客から預かる情報の管理について当社は、個人情報の外部漏洩、改竄等の防止のため、個人情報の厳正な管理を事業運営上の重要課題と位置付けており、当社は、サービス利用者の登録情報等を利用していることから、「個人情報保護法」が定める個人情報取扱事業者であります。万が一、外部からの不正アクセス等を防止できず、個人情報等を含む重要な情報が社外に漏洩した場合、風評被害や社会的信用の失墜により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社が損害賠償請求の対象となる可能性もあります。そのため当社では、個人情報取扱管理規程、秘密情報管理規程など、重要な情報資産の保護に関する規程等を整備運用するとともに、個人情報・機密事項を格納するファイルサーバーへの適切なアクセス権限の付与や、パソコンと外部記憶媒体の接続を物理的に不可とするなど、重要な情報資産の管理について組織的かつ技術的、物理的な安全管理措置を講じております。また、すべての役員・従業員を対象に情報セキュリティ教育を実施するとともに「機密保持及び個人情報管理に関する誓約書」を徴求するなど、個人情報を含む重要な情報資産の保護並びに外部漏洩の未然防止に努めております。加えて、当社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)のISO27001認証を取得しています。 ② 想定以上の解約が生じるリスクについて当社の主力サービスである「SPIDERPLUS」は、サブスクリプションモデルであることから、当社の継続的な成長には新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の継続が重要であると考えております。予算及び経営計画には、実績をもとに一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、「SPIDERPLUS」の魅力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下などにより、当社の想定以上の解約が生じた場合には、当社の事業展開開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、現場説明会の実施や、カスタマーサポート及びカスタマーサクセス体制の強化によって顧客満足度を高める施策を実施するとともに、機能開発やサポートの充実により継続率の維持・向上を図っております。なお、当事業年度の月次平均解約率は0.6%と低い水準を保っております。 ③ オプション開発を含む機能の充実が想定どおりに進まないことによるリスクについて当社では、「SPIDERPLUS」のオプション開発を含む機能の充実について、何らかの理由で開発が想定どおりに進まなかった場合には、当社の想定する事業展開ができない、または遅延することにより、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、最新の技術動向に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積などに積極的に取組んでおります。 ④ 販売取次パートナー企業との関係について当社は、「SPIDERPLUS」の事業拡大を図るにあたって、国内のパートナー企業と販売取次契約を締結し、販売の取次及び債権回収などを委託しており、現状では大口取引先などを含め、全体売上の半数程度の債権回収をジャパンギャランティサービス株式会社に依頼しており、当事業年度末の貸借対照表における営業債権のうち、58.7%が特定の大口取次店に対するものであります。今後、主要取次パートナー企業との取引関係継続が困難となった場合、各パートナー企業の事業戦略に変化が生じた場合または信用リスクが生じた場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、パートナー企業に対して、毎月定例の情報交換の場を設けるなど、営業・技術支援の強化を推進しており、各パートナー企業との契約に基づき、安定的かつ長期的な取引関係の構築に努めております。 ⑤ 特定の人物への依存に係るリスクについて当社創業者である伊藤謙自は、当社の代表取締役社長かつ大株主(本書提出日現在において議決権保有割合59.1%)であり、当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として、重要な役割を果たしております。同氏は、業界内での知名度も高く、総合的に当社の経営に多大な影響力を有しております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、経営幹部として代表取締役社長以外の社内取締役4名に加え、執行役員3名を任命し、権限移譲を進めることで、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めております。 ⑥ 人材の確保及び育成について当社において、事業拡大のためには優秀な人材の確保、育成及び定着は最重要課題であります。しかしながら、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合、又は採用後の人材流出が進んだ場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。そのため当社では、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。 ⑦ 内部管理体制について当社は、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。しかしながら、事業の急速な拡大により、事業規模に適した内部管理体制の構築が追いつかない場合には、業務運営に支障をきたし、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、更に健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識し、内部管理体制の充実に努めております。 ⑧ 継続的な先行投資と赤字計上について当社の主力サービスである「SPIDERPLUS」は、サブスクリプションモデルであり、早急な市場シェアの獲得が重要であると考えております。市場シェア獲得のためには、既存顧客からの追加IDの獲得に加え、新規顧客の獲得が重要でありますが、当事業年度は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、新規商談獲得方法を従前の展示会からデジタルマーケティング中心の方法へシフトすることにいたしました。また、市場シェアを獲得するためには、顧客ニーズに即した魅力的なプロダクトを提供し続ける必要があると考えております。そのために、先行的に顧客ニーズに即したプロダクトを提供するためのシステム開発人員及び営業人員に係る人件費、並びに新規商談数獲得や「SPIDERPLUS」の認知度向上のためのマーケティング活動費用として広告宣伝費を投下し、当事業年度第4四半期以降、継続的に先行投資を実施する方針としています。また、今後一定期間については、黒字化よりも売上高成長率を重視して経営していく方針です。当社では、収益性の向上に努め、具体的にはユニットエコノミクス(注1)などを参考指標とし、費用対効果を見ながら、先行的な投資を継続的に実施する方針により、一定期間においては赤字計上の継続を想定しております。経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該方針に基づき当第4四半期にTVCMを主とした広告宣伝による先行投資を実施した結果、当事業年度の第3四半期累計期間には181,907千円の営業利益を計上しておりますが、当第4四半期会計期間において営業損失を計上しております。(単位:千円) 当第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)当事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)売上高1,454,3311,973,405売上総利益750,8561,048,746営業利益181,907112,984 (注) 1.ユニットエコノミクスとは、「(1契約あたりの生涯に生み出す収益(Life Time Value))÷(1契約あたりの顧客獲得コスト(Customer Acquisition Cost))」を表し、当社では「(対前月増加MRR×粗利率÷社数ベースの月次解約率)÷(ICT事業に係る月次人件費+広告宣伝費+地代家賃+販売手数料+交通費等営業費用)」により算出しております。2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。 (3) 法的規制に関する事項① 知的財産権について当社事業分野における第三者の特許権、商標権、意匠権等(以下、「知的財産権」という。)の状況を完全に把握することは困難であることから、当社の事業に関連する知的財産権について、第三者における、当社が認識しない知的財産権が既に存在した場合又は新たな特許等が成立した場合、当該第三者より知的財産権の侵害を理由とした損害賠償又は使用差止等の請求を受ける可能性があり、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、第三者の知的財産権を侵害することなく事業を行うため、事前の調査、検討及び評価等を随時実施しております。また、関係部署に所属する役員及び従業員に対して定期的な研修を実施する等、内部管理体制の強化に努めております。 ② 訴訟について当社では、コンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図ることを目的に、コンプライアンス規程を整備し従業員へ周知することで、法令違反などの発生リスクの低減に努めており、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。しかしながら、今後なんらかの事情によって当社に関連する訴訟、紛争が行われる可能性は否定できず、係る事態となった場合、その経過又は結果によっては、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事項① 調達資金の使途について株式上場時における公募増資及び自己株式の処分による調達資金の使途については、主に既存事業の拡大に係る人件費、その採用費、広告宣伝費及びシステム開発費、システムリニューアル費、借入金の返済などに充当する予定であります。しかしながら、当社が属する業界においては変化が著しく、環境変化に柔軟に対応するため、調達資金を現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあります。このような場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について当社は、当社取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、本書提出日現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は4,300,000株であり、発行済株式総数31,808,100株の13.5%に相当しております。 ③ 税務上の繰越欠損金について当社は、当事業年度末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が事業計画どおりに順調に推移しない場合には、繰越欠損金を使用できなくなることによって当社のタックス・プランニングに影響を与える可能性があります。