有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
年度を切り替えて推移を確認できます。
FY2025|10,156 文字|出典 docID: S100W5FQ
3 【事業の内容】(1)企業理念とミッション当社グループは、当社、ローコード技術によるプラットフォーム事業を展開する連結子会社の株式会社OPENMODELS、投資事業を展開する連結子会社の株式会社BlueMeme Partners及び福岡を拠点にDX事業を展開する連結子会社のマイクロコート株式会社の計4社で構成されており、「新たな価値を創造し、常識を変え、文化を進化させる」という経営理念を持っております。当社の社名に含まれている「光り輝く」という語源を持つ「Blue」と、「人から人へ文化を伝える様々な情報」を意味する「Meme」には、これまでの常識に囚われることなく、新しい文化を形成するための新しい価値の創造を目指していくという、強い理念を込めております。インターネットやスマートフォンなどの情報技術の急速な発展は、歴史上、類を見ないスピードで私たちの生活を大きく変え続けています。これらを支える最も重要なものは、あらゆる情報を処理し、コンピューター機器を動かすための情報システムです。当社グループは、この情報社会を支える「情報システムを開発する技術」にフォーカスし、顧客企業と共に新たな価値を生み出すことで、「日本企業の国際的競争力を向上させる」ことを事業のミッションとしております。 (2)事業概要国内企業における情報システムの開発は、主にシステムインテグレーター(注1)と呼ばれるシステム開発を請け負う事業者に対して、開発業務を委託する受託開発型(注2)と呼ばれる方法で実施されています。AIやロボットによって様々な作業が自動化される中、この受託開発型においては、未だにゼロから手作業で情報システムを作り上げるスクラッチ開発(注3)が主流となっています。このスクラッチ開発を行うためには、長期間にわたって多くのIT人材を確保しなければならないため、多くの国内企業において、豊富なIT人材を抱える大手のシステムインテグレーターにシステム開発を任せることが一般的でした。しかしながら、急速な社会環境の変化や、ECサイト等に代表されるデジタル経済(注4)の拡大に伴い、スピード重視のIT投資が求められています。これまでの受託開発型による大手システムインテグレーターを中心とした多重下請け構造や、外部の大手システムインテグレーターへの依存による過度なIT部門の空洞化は、IT人材の不足の問題とともに、国内企業のIT戦略における重要な経営課題として認識されつつあります。当社グループは、これまでの大人数のエンジニアを必要とする労働集約型のシステム開発から、ローコード・ノーコード・AIを活用することで、高度なエンジニアを必要としないシステム開発を実現し、システムインテグレーターに依存しないシステム開発の内製化を促進します。また、最新技術を活用した当社グループ独自の開発方法論(注5)「AGILE-DX」を用いることで、低コストかつ短期間で品質の高いシステム開発を実現し、顧客と共にシステム開発のノウハウを蓄積することで、スピード重視のIT投資を可能にします。当社グループは、独自に開発した「ローコード型アジャイル手法」を用いた業務システムの開発サービスを中堅・大手の事業会社向けに提供する事業を、DX事業として展開しております。当社グループが開発する業務システムは、販売管理や生産管理、倉庫管理等の企業活動の中心となるシステムが多くを占めます。当社グループは、「ローコード型アジャイル手法」を用いることで、安定した人材確保とシステム開発コストの削減を実現いたします。なお、当社グループは、受託開発サービス及び技術者向けトレーニングを提供する「プロフェッショナルサービス」と、ローコード開発ツール(注6)等のソフトウェアを販売する「ソフトウェアライセンス販売」から構成されるDX事業の単一セグメントとなっております。 (当社グループの主要事業である業務システムの開発サービス) (3)事業の特徴と優位性多くの企業がシステム開発をする目的として、予測できない社会環境の変化に対応するために、様々な技術を活用した「継続的な業務改革」が挙げられます。システム化による業務改革を実現するには「業務を理解できる技術者」との円滑なコミュニケーションが必須となります。当社グループは、企業のシステム開発における「理解力」「技術力」「コスト」「対応力」に強みを持つことで特徴と優位性を持っております。今日のデジタル経済の急速な発展により、様々な業界において、これまで作業効率化の手段であった情報システムが、重要な経営戦略の実現手段の一つとなりつつあります。これによりシステム開発は、コストパフォーマンスだけでなくタイムパフォーマンスも重要視されるようになり、少人数かつ短期間で情報システムを開発できるアジャイル手法や、手作業で行われているプログラミングを自動化できるローコード技術やAIが注目されています。当社グループでは、このアジャイル手法とローコード技術・AIを組み合わせ、それを当社グループ独自のローコード型アジャイル手法の開発方法論「AGILE-DX」で管理を行うユニークな受託開発サービスを提供しております。一般的にアジャイル手法は、ウォーターフォール型(注7)と呼ばれる従来型の手法と比較して、業務分析や要件定義等の上流工程に関する手法が定義されていません。このため、ウォーターフォール型と比較して、プロジェクトの管理が困難であることから、国内企業においては広く活用されていないのが現状です。また、手作業で行っていたプログラミングを自動化するローコード開発ツールにおいても、従来型のスクラッチ開発と比較してプログラミングの作業工数は数分の一になるものの、ローコード開発ツール向けの要件管理や設計手法が定まっておらず、部分的かつ小規模な活用にとどまっています。国内のシステムインテグレーターやコンサルティング会社が提供する中規模から大規模なシステムを開発するための受託開発サービスの多くはウォーターフォール型のスクラッチ開発で実施されることが多く、アジャイル手法を活用する場合でもスクラッチ開発が採用されています。これは国内のシステムインテグレーターやコンサルティング会社のほとんどが、これまでの豊富なシステム開発経験をもとに、ゼロから情報システムを作り上げるスクラッチ開発の膨大なノウハウを蓄積し、それらを活用したシステム開発を実施していることが要因であると考えられます。また、小規模なシステム開発やエンジニア派遣を行うような会社、ローコード開発ツールを提供する先進的なソフトウェアベンダー(以下「ローコード開発ツールベンダー(注8)」という)のような比較的小さい規模のシステムに対応するような場合には、アジャイル手法を活用することもありますが、そのソフトウェアの適用範囲を広くするために、すでにプロジェクト管理手法が確立されたウォーターフォール型を採用することが一般的だと考えられます。当社グループが提供している、ローコード型アジャイル手法は他の開発会社が適用できない中規模から大規模なシステムを開発するための受託開発に最新技術であるローコード技術やAI等を使用したアジャイル手法による独自の開発方法論を適用し、他社と比較してユニークなポジションを確立しております。その特徴は、上流工程である業務分析や業務設計、システム要件定義、設計・製造・テストから運用・保守に至るまで全ての工程をワンストップでサービス提供できることであります。また、顧客のコストを最適化するための構造設計も同時に実施することで他社にはない特徴を有しております。 (当社グループのIT業界におけるポジショニング) ① BlueMemeの理解力:豊富な開発実績に基づくコミュニケーション力当社グループは、これまでに様々な業種・業界の顧客に対してサービス提供を行ってまいりました。特定の業種・業界に依存しない豊富な開発実績に基づくノウハウがあることから、企業の課題を解決するためのコミュニケーションを円滑に行うことができます。 ② BlueMemeの技術力:ローコード領域において全世界で最上位の評価今後の業務システム開発の6割はローコードによって作られると予測されており、ローコードの需要は全世界で拡大しております。大きな市場である大規模なシステム開発には、未だローコードがほとんど導入されておりません。その理由は、ローコードで大規模なシステムを開発するには、従来型のシステム開発とは異なる手法と技術力が必要となることであります。当社グループは、ローコードによる大規模なシステム開発を得意とし、多くの取引者数と開発サービス実績数があります。また、当社はOutSystemsのパートナー制度における最上位であるプレミアパートナーにアジアで初めて認定されており、全世界でも9社(全パートナーの約2%)のみ認定を受けているものであります。 ③ BlueMemeのコスト:ローコードを最大限に活用して開発コストを抑制当社が独自に開発したローコード型アジャイル手法は、従来型のスクラッチ開発と比較して、開発生産性を2倍以上に高めることが可能となっております。ローコードは「プログラミングの自動化」を実現できるため、システム開発に必要な技術者の数を大幅に削減することができます。また、自動化によって品質が向上することから開発工数だけでなく、試験工数も大幅に削減することができます。 ④ BlueMemeの対応力:企業内に内製化チームを構築することで迅速な対応一般的なシステム開発は、不具合の修正や新規機能追加を行うためには、開発を委託する業者との間で多くのやり取りが必要になり長期化する傾向があります。それを迅速に行うためには、システム開発を社内で実施できる内製化チームの構築が必須となります。当社の開発サービスにおいて業務システムの開発ノウハウを提供することで、「内製化チーム」の構築を支援いたします。「内製化チーム」を構築した場合には、手間のかかる外部の業者とのやり取りを行うことなく、迅速な業務システムのアップデートが可能になります。 ⑤ ローコード開発市場の参入障壁当社は、OutSystemsというローコード技術を日本で初めて導入し、大規模システム向けのローコード市場を牽引してきました。日本では最も長くローコード技術を扱っており、独自の開発方法論を用いたローコード型アジャイル手法は、一般的なアジャイル手法では難しい大規模システムの開発やシステム開発の内製化を実現しております。 ⑥ 新たな受託システム開発を実現するためのデジタルレイバーと収益構造のイメージローコードの活用が進むにつれて、企業は複数のローコード製品を同時に使用しなければならないマルチローコード時代が訪れることが予想されます。ローコードの進化に伴い、複数のローコード製品を扱えるような人材が不足することが予想され、新たな人材不足の問題が発生する可能性が高いと考えております。当社グループでは複数のローコードを操ることが出来るデジタルレイバーを活用することで、この問題を解決します。 (マルチローコード時代のデジタルレイバーによる新たな人材不足の解消) これまでのシステム開発では、技術者を増やせば事業が拡大できるビジネスモデルが主流でしたが、IT人材の確保が難しい場合には成長のボトルネックになっていました。当社グループでは、デジタルレイバー技術の開発に投資することで、回収フェーズにおいてはデジタルレイバー技術の効果で原価の伸びを抑制し、パートナーシップによる間接販売の増加で売上高を拡大させます。 (収益構造のイメージ) (4)サービス内容当社グループは、この当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」を使用した受託開発サービスを中心に、そのサービス提供に関連したソフトウェアの販売と、顧客企業の技術者へのトレーニングサービスを提供しています。 (事業系統図) (事業会社におけるシステム開発の一般的な流れの中での当社グループのビジネスの流れ)① プロフェッショナルサービス当社グループは、「AGILE-DX」を用いた受託開発サービスと、ローコード開発ツールを使用する顧客企業の技術者向けのトレーニングの2つのサービスを「プロフェッショナルサービス」として提供しています。受託開発サービスは、顧客企業の内製化のレベルに合わせて、サービスの提供を行っております。まずは、当社グループの全ての顧客企業には、ローコード型アジャイル手法によるコンサルティングやシステム開発サービスを提供します。当社グループの顧客企業のうち、ローコード・ノーコード・AIを活用したシステム開発の内製化を担う次世代型IT人材の教育を必要とする顧客には、内製化のための人材教育サービスを提供します。 ② ソフトウェアライセンス販売当社グループでは、ローコード技術を中心とした情報システム開発の生産性を向上させるソフトウェアのライセンスを、年単位で使用権を販売するサブスクリプションライセンス契約で販売しております。顧客企業が自ら情報システムの開発を行う場合に、プロフェッショナルサービスの提供とともにソフトウェアライセンスを販売しております。当社グループが販売する主なソフトウェアは、下記の通りです。 ローコード開発プラットフォーム OutSystems®当社グループでは、2009年の事業開始以来、ソフトウェアの設計情報を基に、ソフトウェアのソースコードを自動生成する技術の研究及び調査を行ってまいりました。2012年には、ソフトウェアの設計情報から正しく動作するソースコードを自動生成可能な、当時ポルトガルに本社を置いていたOutSystems社のローコード開発プラットフォーム「OutSystems®」の提供を開始しました。OutSystems®は、自動生成されるソフトウェアの品質の高さと、運用までサポートする機能充足度の高さ、また技術者の学習コストの低さが高く評価されております。実装フェーズにおける開発スピードはスクラッチ開発(注3)と比較して約10倍を誇ります。現在、OutSystems社は米国のボストンに本社を置き、導入企業は世界に数千社存在します(注9)。日本国内においては、2017年にOutSystemsジャパン社が設立されましたが、それまでは当社が日本国内の総代理店業務を行っておりました。現在、当社はOutSystems社認定の正規販売代理店であり、アジア太平洋地域全域において、2024年度には「受注登録最多賞」や、普及促進における実績と高い影響力が評価されたパートナーに対してOutSystems社から授与される「OutSystemsパートナーインパクトアワード」を受賞しており(注10)、日本国内及びアジア地域におけるOutSystems®の導入数は、当社グループがトップクラスとなっております。また、当社はOutSystemsのパートナー制度の最上位であり、高い技術力を持ち、かつ一定の販売実績を持つ企業のみが認定されるOutSystems®プレミアパートナーにアジア企業として初めて認定されております。 ユーザー主導のDXを実現するノーコードプラットフォーム Creatio®Creatio®は、マーケティングやセールス、サービス提供など、複数の部署や役割を持つ業務ユーザーが使えるノーコード開発基盤です。協働しながら業務を進めていくこれらの領域では、業務プロセスが分断されていたり、必要な業務プロセスの変更に時間が掛かりすぎたりするといった課題に直面しておりますが、Creatio®は業務部門が抱えるこれらの問題を解決します。Creatio®の特徴はノーコード技術とBPM(ビジネスプロセス管理)を統合しており、開発画面が直感的なので、プログラミングに慣れ親しんでいない業務ユーザーでも、複数部署が協働する業務プロセスを構築できます。これにより、一つのプラットフォーム上にある同じデータを複数の業務ユーザーが共有しながらマーケティングやセールス、サービス提供の業務プロセスを進めることができます。Creatio®にはマーケティングやセールス、サービス提供に必要な標準機能に加えて、400以上の拡張機能や、数多くの業務システム、SaaS等クラウドサービスと連携できる連携用部品が提供されています。これらを活用することで、Creatio®の導入から業務プロセスの稼働までが、圧倒的な速さで実現します。また、ノーコード技術を活用することで、技術者に頼ることなく、直接業務ユーザーが業務プロセスを素早く変更・追加できます。Creatio®は2023年現在、アメリカやヨーロッパ等の先進国におけるマーケティングやセールス、サービス提供の現場で利用されています。GartnerやForresterなど、ソフトウェア市場リサーチおよびアドバイザリー会社からも、高い評価を受けています。 クラウド型APIインテグレーションプラットフォーム Workato®インターネット上に存在する情報システムの多くは、他の情報システムと様々なデータの連携を行いながら動作しています。クラウドサービスの拡大とともに、これまで企業内に設置されていた情報システムは、インターネット上に配置され、それら情報システム間のデータ連携のニーズが世界的なデジタル・トランスフォーメーションの流れによって急速に高まっています。インターネット上に存在する様々なサービスと、社内で使用している情報システムの間でデータ連携をリアルタイムに行うことによって、新たな情報システムを構築することなく、業務プロセスの自動化や効率化を実現することが可能となります。当社グループでは、数百種類以上の既存のクラウドサービスと情報システムとのデータ連携をローコード開発で実現する、クラウド型のAPIインテグレーション(注11)プラットフォーム Workato®を提供しております。Workato®は、米国のカリルフォルニアに本社を置く企業向けインテグレーションサービス会社であるWorkato社が開発及び販売を行っております。Workato®は、高度なプログラミングを行うことなく、数百種類以上の既存のクラウドサービスとITシステムとのデータ連携を実現するクラウド型のAPIインテグレーションプラットフォームです。クラウド型ではない従来型のインテグレーションプラットフォームの保守及び運用には、多くの専門的な人材と運用に関する費用を必要としていました。Workato®は、これらの保守及び運用にかかる作業を自動化し、さらに400種類以上のデータ連携用の部品をあらかじめ提供することによって、様々なアプリケーションのデータ連携を容易にし、業務プロセスの効率化と自動化を実現しています。 マルチモデルデータベースプラットフォーム MarkLogic®情報システムの最も重要な役割は、「デジタル化された電子データ」を情報として処理及び保存することです。DXにおいて、どのようなデータをどのような方式で管理するかは、情報システムの価値を決定するための重要な要素となると考えております。今日の情報システムの多くは、リレーショナルデータベースと呼ばれるソフトウェアを使用して、データの保存や検索等を行っています。リレーショナルデータベースは、文字や数字を表形式で保存して管理するため、会計システムのような大量の伝票処理や集計等を中心に行う情報システムに適していますが、Googleのような全文検索や、画像や文書ファイル等の表形式で管理しにくいデータの管理には適していません。当社グループでは、あらゆる情報のデジタル化を実現するために、多種多様な電子データを管理することが可能なマルチモデル型のデータベース MarkLogic®を販売しております。MarkLogic®は、2001年に米国カリフォルニアで創業した企業向けソフトウェア会社MarkLogic社によって開発・発売された製品でグローバルに2,000社以上の多様な業種の顧客を有します。Marklogic社は2023年2月に、同じく企業向けソフトウェア開発・販売を行う米国Progress社に買収・統合され(注12)、Progress社の主要販売製品の1つとして位置付けられております。MarkLogic®は、XMLやJSON、バイナリファイル等の様々な種類のデータを事前の設計無しでそのまま取込み、統合管理することができる大規模データ処理に対応したデータベースです。リレーショナルデータベースでは、データをデータベースに取り込むときに、事前にテーブル定義やデータベースの設計作業を技術者が行う必要があります。MarkLogic®は、マルチモデル型のデータベースの特徴を活かすことで、技術者による事前のテーブル設計や正規化を行うことなく、データの統合を可能にし、DXに関する様々なデータ管理のニーズに対応することが可能です。 <用語集> 注1システムインテグレーター主として情報システムの開発、運用などの業務をシステムのオーナーとなる顧客から一括して請け負う企業のことです。注2受託開発型顧客企業が作りたいシステムの概要をまとめ、外部の開発会社に情報システムの開発を委託する方法です。注3スクラッチ開発一般的に製品を開発する際に、すでに存在する何かを土台とせずにゼロから新たに作り上げることを指します。情報システム開発においては、システム全体をゼロから手作業でプログラミングを行うことで、新規に作成する、あるいは作り直すことを指します。注4デジタル経済インターネットを中心に情報通信技術によって生み出された経済現象を示したものであり、インターネットによるショッピングや映画や音楽等のネット配信、電子決済等のサービス等に基づく経済を示します。注5開発方法論ソフトウェア開発を行うときの標準的な工程や管理手順、作成すべき成果物等を定義し体系化したものです。注6ローコード開発ツールプログラミングを自動化するローコード技術を活用して作成されたもので、プログラマーがこれまで手作業で行っていた作業の多くを自動化することができるツールの総称です。 注7ウォーターフォール型 1970年代に提唱された、大規模なシステム受託開発を行う場合の作業の流れのことであり、日本のシステム受託開発において主流となっている手法です。具体的には、まず作りたいソフトウェアの要求を全て定義して合意し、それを基に設計を全て行い、それに基づくプログラムを全て製造し、最後にそれらが正しく動作するかを検証する手法です。この手法は、作りたいソフトウェアの要求を最初に全て決定する必要があるため、要件定義後に発生する要求の変更に対応することができません。このためこの手法では、昨今の急速な社会環境の変化や技術の進化による要件の変化や新規追加に対応することが難しくなっています。注8ローコード開発ツールベンダーローコード開発ツールの開発及び販売を行っている企業の総称です。注9導入企業は世界に数千社存在しますOutSystems 社の公開情報に基づきます。 https://www.outsystems.com/company/注102024年度には「受注登録最多賞」、「OutSystemsパートナーインパクトアワード」を受賞しております。「受注登録最多賞」の受賞については、以下を参照:https://www.bluememe.jp/press-release2025-04-17/「OutSystems」パートナーインパクトアワード」の受賞については、以下を参照:https://www.bluememe.jp/press-release2024-10-22/注11APIインテグレーション異なるシステム間で、データのやりとりを行い、機能連携をさせることを指します。これまでのシステム間の連携は、連携相手を特定した密な結合の連携がほとんどでしたが、近年ではAPIと呼ばれる不特定多数の相手を前提としたデータ連携の繋ぎ口を予めシステムに持たせることにより、疎結合連携を行うようになっています。注12Marklogic社は2023年2月に、同じく企業向けソフトウェア開発・販売を行う米国Progress社に買収・統合されました。Progress社の公開情報に基づきます。 https://jp.marklogic.com/news/progress-completes-acquisition-of-marklogic/
FY2024|10,196 文字|出典 docID: S100TYD7
3 【事業の内容】(1)企業理念とミッション当社グループは、当社、ローコード技術によるプラットフォーム事業を展開する連結子会社の株式会社OPENMODELS及び投資事業を展開する連結子会社の株式会社BlueMeme Partnersの計3社で構成されており、「新たな価値を創造し、常識を変え、文化を進化させる」という経営理念を持っております。当社の社名に含まれている「光り輝く」という語源を持つ「Blue」と、「人から人へ文化を伝える様々な情報」を意味する「Meme」には、これまでの常識に囚われることなく、新しい文化を形成するための新しい価値の創造を目指していくという、強い理念を込めております。インターネットやスマートフォンなどの情報技術の急速な発展は、歴史上、類を見ないスピードで私たちの生活を大きく変え続けています。これらを支える最も重要なものは、あらゆる情報を処理し、コンピューター機器を動かすための情報システムです。当社グループは、この情報社会を支える「情報システムを開発する技術」にフォーカスし、顧客企業と共に新たな価値を生み出すことで、「日本企業の国際的競争力を向上させる」ことを事業のミッションとしております。 (2)事業概要国内企業における情報システムの開発は、主にシステムインテグレーター(注1)と呼ばれるシステム開発を請け負う事業者に対して、開発業務を委託する受託開発型(注2)と呼ばれる方法で実施されています。AIやロボットによって様々な作業が自動化される中、この受託開発型においては、未だにゼロから手作業で情報システムを作り上げるスクラッチ開発(注3)が主流となっています。このスクラッチ開発を行うためには、長期間にわたって多くのIT人材を確保しなければならないため、多くの国内企業において、豊富なIT人材を抱える大手のシステムインテグレーターにシステム開発を任せることが一般的でした。しかしながら、急速な社会環境の変化や、ECサイト等に代表されるデジタル経済(注4)の拡大に伴い、スピード重視のIT投資が求められています。これまでの受託開発型による大手システムインテグレーターを中心とした多重下請け構造や、外部の大手システムインテグレーターへの依存による過度なIT部門の空洞化は、IT人材の不足の問題とともに、国内企業のIT戦略における重要な経営課題として認識されつつあります。当社グループは、これまでの大人数のエンジニアを必要とする労働集約型のシステム開発から、ローコード・ノーコード・AIを活用することで、高度なエンジニアを必要としないシステム開発を実現し、システムインテグレーターに依存しないシステム開発の内製化を促進します。また、最新技術を活用した当社グループ独自の開発方法論(注5)「AGILE-DX」を用いることで、低コストかつ短期間で品質の高いシステム開発を実現し、顧客と共にシステム開発のノウハウを蓄積することで、スピード重視のIT投資を可能にします。当社グループは、独自に開発した「ローコード型アジャイル手法」を用いた業務システムの開発サービスを中堅・大手の事業会社向けに提供する事業を、DX事業として展開しております。当社グループが開発する業務システムは、販売管理や生産管理、倉庫管理等の企業活動の中心となるシステムが多くを占めます。当社グループは、「ローコード型アジャイル手法」を用いることで、安定した人材確保とシステム開発コストの削減を実現いたします。なお、当社グループは、受託開発サービス及び技術者向けトレーニングを提供する「プロフェッショナルサービス」と、ローコード開発ツール(注6)等のソフトウェアを販売する「ソフトウェアライセンス販売」から構成されるDX事業の単一セグメントとなっております。 (当社グループの主要事業である業務システムの開発サービス) (3)事業の特徴と優位性多くの企業がシステム開発をする目的として、予測できない社会環境の変化に対応するために、様々な技術を活用した「継続的な業務改革」が挙げられます。システム化による業務改革を実現するには「業務を理解できる技術者」との円滑なコミュニケーションが必須となります。当社グループは、企業のシステム開発における「理解力」「技術力」「コスト」「対応力」に強みを持つことで特徴と優位性を持っております。今日のデジタル経済の急速な発展により、様々な業界において、これまで作業効率化の手段であった情報システムが、重要な経営戦略の実現手段の一つとなりつつあります。これによりシステム開発は、コストパフォーマンスだけでなくタイムパフォーマンスも重要視されるようになり、少人数かつ短期間で情報システムを開発できるアジャイル手法や、手作業で行われているプログラミングを自動化できるローコード技術やAIが注目されています。当社グループでは、このアジャイル手法とローコード技術・AIを組み合わせ、それを当社グループ独自のローコード型アジャイル手法の開発方法論「AGILE-DX」で管理を行うユニークな受託開発サービスを提供しております。一般的にアジャイル手法は、ウォーターフォール型(注7)と呼ばれる従来型の手法と比較して、業務分析や要件定義等の上流工程に関する手法が定義されていません。このため、ウォーターフォール型と比較して、プロジェクトの管理が困難であることから、国内企業においては広く活用されていないのが現状です。また、手作業で行っていたプログラミングを自動化するローコード開発ツールにおいても、従来型のスクラッチ開発と比較してプログラミングの作業工数は数分の一になるものの、ローコード開発ツール向けの要件管理や設計手法が定まっておらず、部分的かつ小規模な活用にとどまっています。国内のシステムインテグレーターやコンサルティング会社が提供する中規模から大規模なシステムを開発するための受託開発サービスの多くはウォーターフォール型のスクラッチ開発で実施されることが多く、アジャイル手法を活用する場合でもスクラッチ開発が採用されています。これは国内のシステムインテグレーターやコンサルティング会社のほとんどが、これまでの豊富なシステム開発経験をもとに、ゼロから情報システムを作り上げるスクラッチ開発の膨大なノウハウを蓄積し、それらを活用したシステム開発を実施していることが要因であると考えられます。また、小規模なシステム開発やエンジニア派遣を行うような会社、ローコード開発ツールを提供する先進的なソフトウェアベンダー(以下「ローコード開発ツールベンダー(注8)」という)のような比較的小さい規模のシステムに対応するような場合には、アジャイル手法を活用することもありますが、そのソフトウェアの適用範囲を広くするために、すでにプロジェクト管理手法が確立されたウォーターフォール型を採用することが一般的だと考えられます。当社グループが提供している、ローコード型アジャイル手法は他の開発会社が適用できない中規模から大規模なシステムを開発するための受託開発に最新技術であるローコード技術やAI等を使用したアジャイル手法による独自の開発方法論を適用し、他社と比較してユニークなポジションを確立しております。その特徴は、上流工程である業務分析や業務設計、システム要件定義、設計・製造・テストから運用・保守に至るまで全ての工程をワンストップでサービス提供できることであります。また、顧客のコストを最適化するための構造設計も同時に実施することで他社にはない特徴を有しております。 (当社グループのIT業界におけるポジショニング) ① BlueMemeの理解力:豊富な開発実績に基づくコミュニケーション力当社グループは、これまでに様々な業種・業界の顧客に対してサービス提供を行ってまいりました。特定の業種・業界に依存しない豊富な開発実績に基づくノウハウがあることから、企業の課題を解決するためのコミュニケーションを円滑に行うことができます。 ② BlueMemeの技術力:ローコード領域において全世界で最上位の評価今後の業務システム開発の6割はローコードによって作られると予測されており、ローコードの需要は全世界で拡大しております。大きな市場である大規模なシステム開発には、未だローコードがほとんど導入されておりません。その理由は、ローコードで大規模なシステムを開発するには、従来型のシステム開発とは異なる手法と技術力が必要となることであります。当社グループは、ローコードによる大規模なシステム開発を得意とし、多くの取引者数と開発サービス実績数があります。また、当社はOutSystemsのパートナー制度における最上位であるプレミアパートナーにアジアで初めて認定されており、全世界でも9社(全パートナーの約2%)のみ認定を受けているものであります。 ③ BlueMemeのコスト:ローコードを最大限に活用して開発コストを抑制当社が独自に開発したローコード型アジャイル手法は、従来型のスクラッチ開発と比較して、開発生産性を2倍以上に高めることが可能となっております。ローコードは「プログラミングの自動化」を実現できるため、システム開発に必要な技術者の数を大幅に削減することができます。また、自動化によって品質が向上することから開発工数だけでなく、試験工数も大幅に削減することができます。 ④ BlueMemeの対応力:企業内に内製化チームを構築することで迅速な対応一般的なシステム開発は、不具合の修正や新規機能追加を行うためには、開発を委託する業者との間で多くのやり取りが必要になり長期化する傾向があります。それを迅速に行うためには、システム開発を社内で実施できる内製化チームの構築が必須となります。当社の開発サービスにおいて業務システムの開発ノウハウを提供することで、「内製化チーム」の構築を支援いたします。「内製化チーム」を構築した場合には、手間のかかる外部の業者とのやり取りを行うことなく、迅速な業務システムのアップデートが可能になります。 ⑤ ローコード開発市場の参入障壁当社は、OutSystemsというローコード技術を日本で初めて導入し、大規模システム向けのローコード市場を牽引してきました。日本では最も長くローコード技術を扱っており、独自の開発方法論を用いたローコード型アジャイル手法は、一般的なアジャイル手法では難しい大規模システムの開発やシステム開発の内製化を実現しております。 ⑥ 新たな受託システム開発を実現するためのデジタルレイバーと収益構造のイメージローコードの活用が進むにつれて、企業は複数のローコード製品を同時に使用しなければならないマルチローコード時代が訪れることが予想されます。ローコードの進化に伴い、複数のローコード製品を扱えるような人材が不足することが予想され、新たな人材不足の問題が発生する可能性が高いと考えております。当社グループでは複数のローコードを操ることが出来るデジタルレイバーを活用することで、この問題を解決します。 (マルチローコード時代のデジタルレイバーによる新たな人材不足の解消) これまでのシステム開発では、技術者を増やせば事業が拡大できるビジネスモデルが主流でしたが、IT人材の確保が難しい場合には成長のボトルネックになっていました。当社グループでは、デジタルレイバー技術の開発に投資することで、回収フェーズにおいてはデジタルレイバー技術の効果で原価の伸びを抑制し、パートナーシップによる間接販売の増加で売上高を拡大させます。 (収益構造のイメージ) (4)サービス内容当社グループは、この当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」を使用した受託開発サービスを中心に、そのサービス提供に関連したソフトウェアの販売と、顧客企業の技術者へのトレーニングサービスを提供しています。 (事業系統図) (事業会社におけるシステム開発の一般的な流れの中での当社グループのビジネスの流れ)① プロフェッショナルサービス当社グループは、「AGILE-DX」を用いた受託開発サービスと、ローコード開発ツールを使用する顧客企業の技術者向けのトレーニングの2つのサービスを「プロフェッショナルサービス」として提供しています。受託開発サービスは、顧客企業の内製化のレベルに合わせて、サービスの提供を行っております。まずは、当社グループの全ての顧客企業には、ローコード型アジャイル手法によるコンサルティングやシステム開発サービスを提供します。当社グループの顧客企業のうち、ローコード・ノーコード・AIを活用したシステム開発の内製化を担う次世代型IT人材の教育を必要とする顧客には、内製化のための人材教育サービスを提供します。 ② ソフトウェアライセンス販売当社グループでは、ローコード技術を中心とした情報システム開発の生産性を向上させるソフトウェアのライセンスを、年単位で使用権を販売するサブスクリプションライセンス契約で販売しております。顧客企業が自ら情報システムの開発を行う場合のような、顧客企業の内製化レベルが高い場合に、プロフェッショナルサービスの提供とともにソフトウェアライセンスを販売しております。当社グループが販売する主なソフトウェアは、下記の通りです。 ローコード開発プラットフォーム OutSystems®当社グループでは、2009年の事業開始以来、ソフトウェアの設計情報を基に、ソフトウェアのソースコードを自動生成する技術の研究及び調査を行ってまいりました。2012年には、ソフトウェアの設計情報から正しく動作するソースコードを自動生成可能な、当時ポルトガルに本社を置いていたOutSystems社のローコード開発プラットフォーム「OutSystems®」の提供を開始しました。OutSystems®は、自動生成されるソフトウェアの品質の高さと、運用までサポートする機能充足度の高さ、また技術者の学習コストの低さが高く評価されております。実装フェーズにおける開発スピードは手作業と比較して約10倍を誇ります。現在、OutSystems社は米国のボストンに本社を置き、導入企業は世界に数千社存在します(注9)。日本国内においては、2017年にOutSystemsジャパン社が設立されましたが、それまでは当社が日本国内の総代理店業務を行っておりました。現在、当社はOutSystems社認定の正規販売代理店であり、アジア太平洋地域全域において、2017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しており(注10)、日本国内及びアジア地域におけるOutSystems®の導入数は、当社グループがトップクラスとなっております。また、当社はOutSystemsのパートナー制度の最上位であり、高い技術力を持つ企業のみが認定されるOutSystems®プレミアパートナーにアジア企業として初めて認定されております。 ユーザー主導のDXを実現するノーコードプラットフォーム Creatio®Creatio®は、マーケティングやセールス、サービス提供など、複数の部署や役割を持つ業務ユーザーが使えるノーコード開発基盤です。協働しながら業務を進めていくこれらの領域では、業務プロセスが分断されていたり、必要な業務プロセスの変更に時間が掛かりすぎたりするといった課題に直面しておりますが、Creatio®は業務部門が抱えるこれらの問題を解決します。Creatio®の特徴はノーコード技術とBPM(ビジネスプロセス管理)を統合しており、開発画面が直感的なので、プログラミングに慣れ親しんでいない業務ユーザーでも、複数部署が協働する業務プロセスを構築できます。これにより、一つのプラットフォーム上にある同じデータを複数の業務ユーザーが共有しながらマーケティングやセールス、サービス提供の業務プロセスを進めることができます。Creatio®にはマーケティングやセールス、サービス提供に必要な標準機能に加えて、400以上の拡張機能や、数多くの業務システム、SaaS等クラウドサービスと連携できる連携用部品が提供されています。これらを活用することで、Creatio®の導入から業務プロセスの稼働までが、圧倒的な速さで実現します。また、ノーコード技術を活用することで、技術者に頼ることなく、直接業務ユーザーが業務プロセスを素早く変更・追加できます。Creatio®は2023年現在、アメリカやヨーロッパ等の先進国におけるマーケティングやセールス、サービス提供の現場で利用されています。GartnerやForresterなど、ソフトウェア市場リサーチおよびアドバイザリー会社からも、高い評価を受けています。 クラウド型APIインテグレーションプラットフォーム Workato®インターネット上に存在する情報システムの多くは、他の情報システムと様々なデータの連携を行いながら動作しています。クラウドサービスの拡大とともに、これまで企業内に設置されていた情報システムは、インターネット上に配置され、それら情報システム間のデータ連携もインターネット上で行われるようになり、そのニーズは世界的なデジタル・トランスフォーメーションの流れによって急速に高まっています。インターネット上に存在する様々なサービスと、社内で使用している情報システムの間でデータ連携をリアルタイムに行うことによって、新たな情報システムを構築することなく、業務プロセスの自動化や効率化を実現することが可能となります。当社グループでは、数百種類以上の既存のクラウドサービスと情報システムとのデータ連携をローコード開発で実現する、クラウド型のAPIインテグレーション(注11)プラットフォーム Workato®を提供しております。Workato®は、米国のカリルフォルニアに本社を置く企業向けインテグレーションサービス会社であるWorkato社が開発及び販売を行っております。Workato®は、数百種類以上の既存のクラウドサービスとITシステムとのデータ連携を、高度なプログラミングを行うことなく、Webブラウザだけで実現するクラウド型のAPIインテグレーションプラットフォームです。クラウド型ではない従来型のインテグレーションプラットフォームの保守及び運用には、多くの専門的な人材と運用に関する費用を必要としていました。Workato®は、これらの保守及び運用にかかる作業を自動化し、さらに400種類以上のデータ連携用の部品をあらかじめ提供することによって、様々なアプリケーションのデータ連携を容易にし、業務プロセスの効率化と自動化を実現しています。 マルチモデルデータベースプラットフォーム MarkLogic®情報システムの最も重要な役割は、「デジタル化された電子データ」を情報として処理及び保存することです。DXにおいて、どのようなデータをどのような方式で管理するかは、情報システムの価値を決定するための重要な要素となると考えております。今日の情報システムの多くは、リレーショナルデータベースと呼ばれるソフトウェアを使用して、データの保存や検索等を行っています。リレーショナルデータベースは、文字や数字を表形式で保存して管理するため、会計システムのような大量の伝票処理や集計等を中心に行う情報システムに適していますが、Googleのような全文検索や、画像や文書ファイル等の表形式で管理しにくいデータの管理には適していません。当社グループでは、あらゆる情報のデジタル化を実現するために、多種多様な電子データを管理することが可能なマルチモデル型のデータベース MarkLogic®を販売しております。MarkLogic®は、2001年に米国カリフォルニアで創業した企業向けソフトウェア会社MarkLogic社によって開発・発売された製品でグローバルに2,000社以上の多様な業種の顧客を有します。Marklogic社は2023年2月に、同じく企業向けソフトウェア開発・販売を行う米国Progress社に買収・統合され(注12)、Progress社の主要販売製品の1つとして位置付けられております。MarkLogic®は、XMLやJSON、バイナリファイル等の様々な種類のデータを事前の設計無しでそのまま取込み、統合管理することができる大規模データ処理に対応したデータベースです。リレーショナルデータベースでは、データをデータベースに取り込むときに、事前にテーブル定義やデータベースの設計作業を技術者が行う必要があります。MarkLogic®は、マルチモデル型のデータベースの特徴を活かすことで、技術者による事前のテーブル設計や正規化を行うことなく、データの統合を可能にし、DXに関する様々なデータ管理のニーズに対応することが可能です。 <用語集> 注1システムインテグレーター主として情報システムの開発、運用などの業務をシステムのオーナーとなる顧客から一括して請け負う企業のことです。注2受託開発型顧客企業が作りたいシステムの概要をまとめ、外部の開発会社に情報システムの開発を委託する方法です。注3スクラッチ開発一般的に製品を開発する際に、すでに存在する何かを土台とせずにゼロから新たに作り上げることを指します。情報システム開発においては、システム全体をゼロから手作業でプログラミングを行うことで、新規に作成する、あるいは作り直すことを指します。注4デジタル経済インターネットを中心に情報通信技術によって生み出された経済現象を示したものであり、インターネットによるショッピングや映画や音楽等のネット配信、電子決済等のサービス等に基づく経済を示します。注5開発方法論ソフトウェア開発を行うときの標準的な工程や管理手順、作成すべき成果物等を定義し体系化したものです。注6ローコード開発ツールプログラミングを自動化するローコード技術を活用して作成されたもので、プログラマーがこれまで手作業で行っていた作業の多くを自動化することができるツールの総称です。 注7ウォーターフォール型 1970年代に提唱された、大規模なシステム受託開発を行う場合の作業の流れのことであり、日本のシステム受託開発において主流となっている手法です。具体的には、まず作りたいソフトウェアの要求を全て定義して合意し、それを基に設計を全て行い、それに基づくプログラムを全て製造し、最後にそれらが正しく動作するかを検証する手法です。この手法は、作りたいソフトウェアの要求を最初に全て決定する必要があるため、要件定義後に発生する要求の変更に対応することができません。このためこの手法では、昨今の急速な社会環境の変化や技術の進化による要件の変化や新規追加に対応することが難しくなっています。注8ローコード開発ツールベンダーローコード開発ツールの開発及び販売を行っている企業の総称です。注9導入企業は世界に数千社存在しますOutSystems 社の公開情報に基づきます。 https://www.outsystems.com/company/注102017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しております。2019年(18年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/apac-partner-year-award-winners/2020年(19年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/partner-award-winners-2020/注11APIインテグレーション異なるシステム間で、データのやりとりを行い、機能連携をさせることを指します。これまでのシステム間の連携は、連携相手を特定した密な結合の連携がほとんどでしたが、近年ではAPIと呼ばれる不特定多数の相手を前提としたデータ連携の繋ぎ口を予めシステムに持たせることにより、疎結合連携を行うようになっています。注12Marklogic社は2023年2月に、同じく企業向けソフトウェア開発・販売を行う米国Progress社に買収・統合されProgress社の公開情報に基づきます。 https://jp.marklogic.com/news/progress-completes-acquisition-of-marklogic/
FY2023|9,577 文字|出典 docID: S100R8PK
3 【事業の内容】(1)企業理念とミッション当社グループは、当社、ローコード技術によるプラットフォーム事業を展開する連結子会社の株式会社OPENMODELS及び投資事業を展開する連結子会社の株式会社BlueMeme Partnersの計3社で構成されており、「新たな価値を創造し、常識を変え、文化を進化させる」という経営理念を持っております。当社の社名に含まれている「光り輝く」という語源を持つ「Blue」と、「人から人へ文化を伝える様々な情報」を意味する「Meme」には、これまでの常識に囚われることなく、新しい文化を形成するための新しい価値の創造を目指していくという、強い理念を込めております。インターネットやスマートフォンなどの情報技術の急速な発展は、歴史上、類を見ないスピードで私たちの生活を大きく変え続けています。これらを支える最も重要なものは、あらゆる情報を処理し、コンピューター機器を動かすための情報システムです。当社グループは、この情報社会を支える「情報システムを開発する技術」にフォーカスし、顧客企業と共に新たな価値を生み出すことで、「日本企業の国際的競争力を向上させる」ことを事業のミッションとしております。 (2)事業コンセプト国内企業における情報システムの開発は、主にシステムインテグレーター(注1)と呼ばれるシステム開発を請け負う事業者に対して、開発業務を委託する受託開発型(注2)と呼ばれる方法で実施されています。AIやロボットによって様々な作業が自動化される中、この受託開発型においては、未だにゼロから手作業で情報システムを作り上げるスクラッチ開発(注3)が主流となっています。このスクラッチ開発を行うためには、長期間にわたって多くのIT人材を確保しなければならないため、多くの国内企業において、豊富なIT人材を抱える大手のシステムインテグレーターにシステム開発を任せることが一般的でした。しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症等の急速な社会環境の変化や、ECサイトに代表されるデジタル経済(注4)の拡大に伴い、スピード重視のIT投資が求められています。これまでの受託開発型による大手システムインテグレーターを中心とした多重下請け構造や、外部の大手システムインテグレーターへの依存による過度なIT部門の空洞化は、IT人材の不足の問題とともに、国内企業のIT戦略における重要な経営課題として認識されつつあります。当社グループは、これまでの大人数のエンジニアを必要とする労働集約型のシステム開発から、ローコード・ノーコード・AIを活用することで、高度なエンジニアを必要としないシステム開発を実現し、システムインテグレーターに依存しないシステム開発の内製化を促進します。また、最新技術を活用した当社グループ独自の開発方法論(注5)「AGILE-DX」を用いることで、低コストかつ短期間で品質の高いシステム開発を実現し、顧客と共にシステム開発のノウハウを蓄積することで、スピード重視のIT投資を可能にします。当社グループは、ローコード・ノーコード・AIなどの最新技術や当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」を活用したシステム開発に関する事業を、DX事業として展開しております。なお、当社グループは、受託開発サービス及び技術者向けトレーニングを提供する「プロフェッショナルサービス」と、ローコード開発ツール(注6)等のソフトウェアを販売する「ソフトウェアライセンス販売」から構成されるDX事業の単一セグメントとなっております。 (システムインレグレーターに依存しない内製化によるシステム開発) (3) 事業の特徴と強み当社グループの事業の特徴と強みは以下の通りです。 ① アジャイル手法とローコード技術・AIの活用に特化したユニークな受託開発サービス今日のデジタル経済の急速な発展により、様々な業界において、これまで作業効率化の手段であった情報システムが、重要な経営戦略の実現手段の一つとなりつつあります。これによりシステム開発は、コストパフォーマンスだけでなくタイムパフォーマンスも重要視されるようになり、少人数かつ短期間で情報システムを開発できるアジャイル手法や、手作業で行われているプログラミングを自動化できるローコード技術やAIが注目されています。当社グループでは、このアジャイル手法とローコード技術・AIを組み合わせ、それを当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」で管理を行うユニークな受託開発サービスを提供しております。一般的にアジャイル手法は、ウォーターフォール型(注7)と呼ばれる従来型の手法と比較して、業務分析や要件定義等の上流工程に関する手法が定義されていません。このため、ウォーターフォール型と比較して、プロジェクトの管理が困難であることから、国内企業においては広く活用されていないのが現状です。また、手作業で行っていたプログラミングを自動化するローコード開発ツールにおいても、従来型のスクラッチ開発と比較してプログラミングの作業工数は数分の一になるものの、ローコード開発ツール向けの要件管理や設計手法が定まっておらず、部分的かつ小規模な活用にとどまっています。国内のシステムインテグレーターが提供する受託開発サービスの多くは、ウォーターフォール型のスクラッチ開発で実施されることが多く、アジャイル手法を活用する場合でもスクラッチ開発が採用されています。これは国内のシステムインテグレーターのほとんどが、これまでの豊富なシステム開発経験をもとに、ゼロから情報システムを作り上げるスクラッチ開発の膨大なノウハウを蓄積し、それらを活用したシステム開発を実施していることが要因であると考えられます。また、ローコード開発ツールを提供する先進的なソフトウェアベンダー(以下「ローコード開発ツールベンダー(注8)」という)においては、アジャイル手法を活用することもありますが、そのソフトウェアの適用範囲を広くするために、すでにプロジェクト管理手法が確立されたウォーターフォール型を採用することが一般的だと考えられます。当社グループが提供している、アジャイル手法と最新技術であるローコード技術やAI等を使用した独自の開発方法論を適用する受託開発サービスは、他社と比較してユニークなポジションを確立しております。 (当社グループの受託開発サービスのポジション) ② プロジェクト管理が難しいアジャイル手法を独自の手法で管理することにより安定的な開発を実現一般的なアジャイル手法には、スピードとテストを重視した開発を優先するため、業務分析や要件定義、機能設計等の上流工程と呼ばれるフェーズの手法は定義されていません。このため、プロジェクト管理は難しく、特に大規模なシステム開発には不向きと考えられていました。当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」では、アジャイル手法に不足している上流工程とテスト工程の作業を標準化することで安定的なアジャイル手法によるシステム開発を実現し、様々な最新技術と組み合わせることで大規模なシステム開発を実現しています。(ウォーターフォール型とアジャイル手法、及び「AGILE-DX」の比較) ③ プログラミングを自動化するローコード技術に特化した開発方法論ローコード開発ツールを用いたシステム開発は、従来型のスクラッチ開発と比較して、数倍のスピードで実装を行うことができますが、そのスピードに合わせた開発方法論が存在しないため、技術者が要件定義の完了を待つ時間が発生してしまい、ローコード技術の特性を活かすことが出来ていません。当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」では、要件定義を利用者の要望によって変化しにくい静的要件と、利用者の要望によって変化しやすい動的要件に分離する(注9)ことで、従来型のウォーターフォール型の利点である標準化された要件管理手法と、アジャイル手法の利点であるスピーディーな開発手法の統合を実現しています。これにより、技術者が要件定義を待つ時間を削減し、ローコード開発ツールの実装スピードを最大限に活かした開発方法論を確立しております。 (顧客の要件に合わせて実装スピードを最大限に活かした開発方法論) ④ システム開発における4つの工程の作業工数を削減することで少人数かつ短期間での開発を実現一般的なシステム開発は、大きく区分して業務分析・要件定義、設計、実装、テストの4つのフェーズで実施されます。従来型の受託開発では、それぞれのフェーズを別の事業者に委託したり、すべてのフェーズを同一事業者に委託した場合でもフェーズ毎に異なるチーム体制で実施することが多く、フェーズ間で様々な情報やデータを引き継ぐために膨大な量の資料や文書を作成したり、前フェーズへの手戻りを防止するための入念なチェックと詳細な机上検証を行う必要がありました。また各フェーズで作成する資料や文書は、顧客企業の中で標準化が進んでいないことが多く、システム開発の度に、異なる様式や表記方法で業務分析や要件定義の資料を再作成する必要がありました。当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」では、この4つのフェーズを少人数の1チームで実施できるように、フェーズ間の引き継ぎのための資料や文書を大幅に削減し、業務分析や設計手法の標準化を行い、並行的に開発を進めるためのシステムの連携技術をローコード技術と組み合わせることで、従来型の受託開発と比較して、低コストかつ短期間でのシステム開発を実現しています。 (「AGILE-DX」を使用したワンチームの開発) ⑤ IT人材不足に対応したローコード技術者の短期育成と将来のビジネスモデル変革のための人材戦略これまで一般的に提供されていたスクラッチ開発による受託開発を行うには、様々な要素技術を基礎から学ぶ必要があり、3年から5年の現場経験が技術者に必要だと考えられてきました。当社グループでは、ローコード開発ツールベンダー認定資格のトレーニングと豊富な受託開発のノウハウを活用することで、ローコード開発ツールを用いてシステム開発を行うIT人材の新規創出を、3ヶ月から6ヶ月で実現する実践的な教育プログラムを保有しております。 (ローコード開発技術者の育成イメージ) 現在のIT人材不足に対応するローコード技術者の短期育成は、将来的には次世代型のエンジニアであるビジネスアーキテクトの育成につながるものであり、当社グループの事業がシステム開発の領域から、顧客企業の事業戦略に貢献するコンサルティング領域へと成長していくための人材戦略となります。 (成長ビジョンのコアとなる人材戦略) ⑥ 新たな受託システム開発を実現するためのデジタルレイバーローコードの活用が進むにつれて、企業は複数のローコード製品を同時に使用しなければならないマルチローコード時代が訪れることが予想されます。ローコードの進化に伴い、複数のローコード製品を扱えるような人材が不足することが予想され、新たな人材不足の問題が発生する可能性が高いと考えております。当社グループでは複数のローコードを操ることが出来るデジタルレイバーを活用することで、この問題を解決します。 (マルチローコード時代のデジタルレイバーによる新たな人材不足の解消)これまでのシステム開発では、技術者を増やせば事業が拡大できるビジネスモデルが主流でしたが、IT人材の確保が難しい場合には成長のボトルネックになっていました。当社グループが提供する新たなシステム受託開発では、IT人材の過剰な確保が不要になります。 (デジタルレイバーが実現する新たなシステム受託開発のイメージ) (4)サービス内容当社グループは、この当社グループ独自の開発方法論「AGILE-DX」を使用した受託開発サービスを中心に、そのサービス提供に関連したソフトウェアの販売と、顧客企業の技術者へのトレーニングサービスを提供しています。 (事業系統図) ① プロフェッショナルサービス当社グループは、「AGILE-DX」を用いた受託開発サービスと、ローコード開発ツールを使用する顧客企業の技術者向けのトレーニングの2つのサービスを「プロフェッショナルサービス」として提供しています。受託開発サービスは、顧客企業の内製化のレベルに合わせて、サービスの提供を行っております。 (顧客の内製化レベルに合わせて提供する3つのサービス) まずは、当社グループの全ての顧客企業には、ローコード・ノーコード・AIに特化したコンサルティングやシステム受託開発である次世代型のシステム開発サービスを提供します。当社グループの顧客企業のうち、ローコード・ノーコード・AIを活用したシステムの内製化を担う次世代型IT人材の教育を必要とする顧客には、内製化のための人材教育サービスを提供します。 ② ソフトウェアライセンス販売当社グループでは、ローコード技術を中心とした情報システム開発の生産性を向上させるソフトウェアのライセンスを、年単位で使用権を販売するサブスクリプションライセンス契約で販売しております。顧客企業が自ら情報システムの開発を行う場合のような、顧客企業の内製化レベルが高い場合に、プロフェッショナルサービスの提供とともにソフトウェアライセンスを販売しております。当社グループが販売する主なソフトウェアは、下記の通りです。 ローコード開発プラットフォーム OutSystems®当社グループでは、2009年の事業開始以来、ソフトウェアの設計情報を基に、ソフトウェアのソースコードを自動生成する技術の研究及び調査を行ってまいりました。2012年には、ソフトウェアの設計情報から正しく動作するソースコードを自動生成可能な、当時ポルトガルに本社を置いていたOutSystems社のローコード開発プラットフォーム「OutSystems®」の提供を開始しました。OutSystems®は、自動生成されるソフトウェアの品質の高さと、運用までサポートする機能充足度の高さ、また技術者の学習コストの低さが高く評価されております。実装フェーズにおける開発スピードは手作業と比較して約10倍を誇ります。現在、OutSystems社は米国のボストンに本社を置き、導入企業は世界に数千社存在します(注10)。日本国内においては、2017年にOutSystemsジャパン社が設立されましたが、それまでは当社が日本国内の総代理店業務を行っておりました。現在、当社はOutSystems社認定の正規販売代理店であり、アジア太平洋地域全域において、2017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しており(注11)、日本国内及びアジア地域におけるOutSystems®の導入数は、当社グループがトップクラスとなっております。 クラウド型APIインテグレーションプラットフォーム Workato®インターネット上に存在する情報システムの多くは、他の情報システムと様々なデータの連携を行いながら動作しています。クラウドサービスの拡大とともに、これまで企業内に設置されていた情報システムは、インターネット上に配置され、それら情報システム間のデータ連携もインターネット上で行われるようになり、そのニーズは世界的なデジタル・トランスフォーメーションの流れによって急速に高まっています。インターネット上に存在する様々なサービスと、社内で使用している情報システムの間でデータ連携をリアルタイムに行うことによって、新たな情報システムを構築することなく、業務プロセスの自動化や効率化を実現することが可能となります。当社グループでは、数百種類以上の既存のクラウドサービスと情報システムとのデータ連携をローコード開発で実現する、クラウド型のAPIインテグレーション(注12)プラットフォーム Workato®を提供しております。Workato®は、米国のカルフォルニアに本社を置く企業向けインテグレーションサービス会社であるWorkato社が開発及び販売を行っております。Workato®は、数百種類以上の既存のクラウドサービスとITシステムとのデータ連携を、高度なプログラミングを行うことなく、Webブラウザだけで実現するクラウド型のAPIインテグレーションプラットフォームです。クラウド型ではない従来型のインテグレーションプラットフォームの保守及び運用には、多くの専門的な人材と運用に関する費用を必要としていました。Workato®は、これらの保守及び運用にかかる作業を自動化し、さらに400種類以上のデータ連携用の部品をあらかじめ提供することによって、様々なアプリケーションのデータ連携を容易にし、業務プロセスの効率化と自動化を実現しています。 マルチモデルデータベースプラットフォーム MarkLogic®情報システムの最も重要な役割は、「デジタル化された電子データ」を情報として処理及び保存することです。DXにおいて、どのようなデータをどのような方式で管理するかは、情報システムの価値を決定するための重要な要素となると考えております。今日の情報システムの多くは、リレーショナルデータベースと呼ばれるソフトウェアを使用して、データの保存や検索等を行っています。リレーショナルデータベースは、文字や数字を表形式で保存して管理するため、会計システムのような大量の伝票処理や集計等を中心に行う情報システムに適していますが、Googleのような全文検索や、画像や文書ファイル等の表形式で管理しにくいデータの管理には適していません。当社グループでは、あらゆる情報のデジタル化を実現するために、多種多様な電子データを管理することが可能なマルチモデル型のデータベース MarkLogic®を販売しております。MarkLogic®は、2001年に米国カルフォルニアで創業した企業向けソフトウェア会社MarkLogic社によって開発・発売された製品でグローバルに2,000社以上の多様な業種の顧客を有します(注13)。Marklogic社は2023年2月に、同じく企業向けソフトウェア開発・販売を行う米国Progress社に買収・統合され(注14)、Progress社の主要販売製品の1つとして位置付けられております。MarkLogic®は、XMLやJSON、バイナリファイル等の様々な種類のデータを事前の設計無しでそのまま取込み、統合管理することができる大規模データ処理に対応したデータベースです。リレーショナルデータベースでは、データをデータベースに取り込むときに、事前にテーブル定義やデータベースの設計作業を技術者が行う必要があります。MarkLogic®は、マルチモデル型のデータベースの特徴を活かすことで、技術者による事前のテーブル設計や正規化を行うことなく、データの統合を可能にし、DXに関する様々なデータ管理のニーズに対応することが可能です。 <用語集> 注1システムインテグレーター主として情報システムの開発、運用などの業務をシステムのオーナーとなる顧客から一括して請け負う企業のことです。注2受託開発型顧客企業が作りたいシステムの概要をまとめ、外部の開発会社に情報システムの開発を委託する方法です。注3スクラッチ開発一般的に製品を開発する際に、すでに存在する何かを土台とせずにゼロから新たに作り上げることを指します。情報システム開発においては、システム全体をゼロから手作業でプログラミングを行うことで、新規に作成する、あるいは作り直すことを指します。注4デジタル経済インターネットを中心に情報通信技術によって生み出された経済現象を示したものであり、インターネットによるショッピングや映画や音楽等のネット配信、電子決済等のサービス等に基づく経済を示します。注5開発方法論ソフトウェア開発を行うときの標準的な工程や管理手順、作成すべき成果物等を定義し体系化したものです。注6ローコード開発ツールプログラミングを自動化するローコード技術を活用して作成されたもので、プログラマーがこれまで手作業で行っていた作業の多くを自動化することができるツールの総称です。 注7ウォーターフォール型 1970年代に提唱された、大規模なシステム受託開発を行う場合の作業の流れのことであり、日本のシステム受託開発において主流となっている手法です。具体的には、まず作りたいソフトウェアの要求を全て定義して合意し、それを基に設計を全て行い、それに基づくプログラムを全て製造し、最後にそれらが正しく動作するかを検証する手法です。この手法は、作りたいソフトウェアの要求を最初に全て決定する必要があるため、要件定義後に発生する要求の変更に対応することができません。このためこの手法では、昨今の急速な社会環境の変化や技術の進化による要件の変化や新規追加に対応することが難しくなっています。注8ローコード開発ツールベンダーローコード開発ツールの開発及び販売を行っている企業の総称です。注9静的要件、動的要件 システム開発における要件を、システムの内部構造を静的とし、システムの利用者が直接的に影響する外部構造を動的として2つに分けることです。 注10導入企業は世界に数千社存在しますOutSystems 社の公開情報に基づきます。 https://www.outsystems.com/company/注112017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しております。2019年(18年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/apac-partner-year-award-winners/2020年(19年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/partner-award-winners-2020/注12APIインテグレーション異なるシステム間で、データのやりとりを行い、機能連携をさせることを指します。これまでのシステム間の連携は、連携相手を特定した密な結合の連携がほとんどでしたが、近年ではAPIと呼ばれる不特定多数の相手を前提としたデータ連携の繋ぎ口を予めシステムに持たせることにより、疎結合連携を行うようになっています。注13全世界で十数か所に拠点を有し、顧客は2,500社以上存在しますMarkLogic社の公開情報に基づきます。 https://jp.marklogic.com/customers/注14Marklogic社は2023年2月に、同じく企業向けソフトウェア開発・販売を行う米国Progress社に買収・統合されProgress社の公開情報に基づきます。 https://jp.marklogic.com/news/progress-completes-acquisition-of-marklogic/
FY2022|8,795 文字|出典 docID: S100OJVL
3 【事業の内容】(1)企業理念とミッション当社グループは、当社及びローコード技術によるプラットフォーム事業を展開する連結子会社の株式会社OPENMODELSの計2社で構成されており、「新たな価値を創造し、常識を変え、文化を進化させる」という経営理念を持っております。当社の社名に含まれている「光り輝く」という語源を持つ「Blue」と、「人から人へ文化を伝える様々な情報」を意味する「Meme」には、これまでの常識に囚われることなく、新しい文化を形成するための新しい価値の創造を目指していくという、強い理念を込めております。インターネットやスマートフォンなどの情報技術の急速な発展は、歴史上、類を見ないスピードで私たちの生活を大きく変え続けています。これらを支える最も重要なものは、あらゆる情報を処理し、コンピューター機器を動かすための情報システムです。当社グループは、この情報社会を支える「情報システムを開発する技術」にフォーカスし、顧客企業と共に新たな価値を生み出すことで、「日本企業の国際的競争力を向上させる」ことを事業のミッションとしております。 (2)事業コンセプト国内企業における情報システムの開発は、主にシステムインテグレーター(注1)と呼ばれるシステム開発を請け負う事業者に対して、開発業務を委託する受託開発型(注2)と呼ばれる方法で実施されています。AIやロボットによって様々な作業が自動化される中、この受託開発型においては、未だにゼロから手作業で情報システムを作り上げるスクラッチ開発(注3)が主流となっています。このスクラッチ開発を行うためには、長期間にわたって多くのIT人材を確保しなければならないため、多くの国内企業において、豊富なIT人材を抱える大手のシステムインテグレーターにシステム開発を任せることが一般的でした。しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症等の急速な社会環境の変化や、ECサイトに代表されるデジタル経済(注4)の拡大に伴い、スピード重視のIT投資が求められています。これまでの受託開発型による大手システムインテグレーターを中心とした多重下請け構造や、外部の大手システムインテグレーターへの依存による過度なIT部門の空洞化は、IT人材の不足の問題とともに、国内企業のIT戦略における重要な経営課題として認識されつつあります。 (日本型のシステム開発) 当社グループでは、最新技術を活用した当社独自の開発方法論(注5)「AGILE-DX」を用いることで、低コストかつ短期間で品質の高いシステム開発を実現し、顧客と共にシステム開発のノウハウを蓄積することで、スピード重視のIT投資を可能にします。当社グループは、この当社独自の開発方法論「AGILE-DX」を活用したシステム開発に関する事業を、DX事業として展開しております。なお、当社グループは、この「AGILE-DX」を活用した受託開発サービス及び技術者向けトレーニングを提供する「プロフェッショナルサービス」と、ローコード開発ツール(注6)等のソフトウェアを販売する「ソフトウェアライセンス販売」から構成されるDX事業の単一セグメントとなっております。 (内製化人材を中心としたアジャイル型のシステム開発) (3) 事業の特徴と強み当社グループの事業の特徴と強みは以下の通りです。 ① アジャイル手法とローコード技術に特化したユニークな受託開発サービス今日のデジタル経済の急速な発展により、様々な業界において、これまで作業効率化の手段であった情報システムが、重要な経営戦略の実現手段の一つとなりつつあります。これによりシステム開発は、コストパフォーマンスだけでなくタイムパフォーマンスも重要視されるようになり、少人数かつ短期間で情報システムを開発できるアジャイル手法や、手作業で行われているプログラミングを自動化できるローコード技術が注目されています。当社グループでは、このアジャイル手法とローコード技術を組み合わせ、それを当社独自の開発方法論「AGILE-DX」で管理を行うユニークな受託開発サービスを提供しております。一般的にアジャイル手法は、ウォーターフォール型(注7)と呼ばれる従来型の手法と比較して、業務分析や要件定義等の上流工程に関する手法が定義されていません。このため、ウォーターフォール型と比較して、プロジェクトの管理が困難であることから、国内企業においては広く活用されていないのが現状です。また手作業で行っていたプログラミングを自動化するローコード開発ツールにおいても、従来型のスクラッチ開発と比較してプログラミングの作業工数は数分の一になるものの、ローコード開発ツール向けの要件管理や設計手法が定まっておらず、部分的かつ小規模な活用にとどまっています。国内のシステムインテグレーターが提供する受託開発サービスの多くは、ウォーターフォール型のスクラッチ開発で実施されることが多く、アジャイル手法を活用する場合でもスクラッチ開発が採用されています。これは国内のシステムインテグレーターのほとんどが、これまでの豊富なシステム開発経験をもとに、ゼロから情報システムを作り上げるスクラッチ開発の膨大なノウハウを蓄積し、それらを活用したシステム開発を実施していることが要因であると考えられます。また、ローコード開発ツールを提供する先進的なソフトウェアベンダー(以下「ローコード開発ツールベンダー(注8)」という)においては、アジャイル手法を活用することもありますが、そのソフトウェアの適用範囲を広くするために、すでにプロジェクト管理手法が確立されたウォーターフォール型を採用することが一般的だと考えられます。当社グループが提供を行っている、最新技術であるアジャイル手法とローコード技術を使用し独自の開発方法論を適用する受託開発サービスは、他社と比較してユニークなポジションを確立しております。 (当社グループの受託開発サービスのポジション) ② プロジェクト管理の難しいアジャイル手法を当社独自の手法により安定的な開発を実現一般的なアジャイル手法には、スピードとテストを重視した開発を優先するため、業務分析や要件定義、機能設計等の上流工程と呼ばれるフェーズの手法は定義されていません。このため、プロジェクト管理は難しく、特に大規模なシステム開発には不向きと考えられていました。当社独自の開発方法論「AGILE-DX」では、アジャイル手法に不足している上流工程とテスト工程の作業を標準化することで安定的なアジャイル手法によるシステム開発を実現し、様々な最新技術と組み合わせることで大規模なシステム開発を実現しています。 (ウォーターフォール型とアジャイル手法、及び「AGILE-DX」の比較) ③ プログラミングを自動化するローコード技術に特化した開発方法論ローコード開発ツールを用いたシステム開発は、従来型のスクラッチ開発と比較して、数倍のスピードで実装を行うことができますが、そのスピードに合わせた開発方法論が存在しないため、技術者が要件定義の完了を待つ時間が発生してしまい、ローコード技術の特性を活かすことが出来ていません。当社独自の開発方法論「AGILE-DX」では、要件定義を利用者の要望によって変化しにくい静的要件と、利用者の要望によって変化しやすい動的要件に分離する(注9)ことで、従来型のウォーターフォール型の利点である標準化された要件管理手法と、アジャイル手法の利点であるスピーディーな開発手法の統合を実現しています。これにより、技術者が要件定義を待つ時間を削減し、ローコード開発ツールの実装スピードを最大限に活かした開発方法論を確立しております。 (顧客の要件に合わせて実装スピードを最大限に活かした開発方法論) ④ システム開発における4つの工程の作業工数を削減することで少人数かつ短期間開発を実現一般的なシステム開発は、大きく区分して業務分析・要件定義、設計、実装、テストの4つのフェーズで実施されます。従来型の受託開発では、それぞれのフェーズを別の事業者に委託したり、すべてのフェーズを同一事業者に委託した場合でもフェーズ毎に異なるチーム体制で実施することが多く、フェーズ間で様々な情報やデータを引き継ぐために膨大な量の資料や文書を作成したり、前フェーズへの手戻りを防止するための入念なチェックと詳細な机上検証を行う必要がありました。また各フェーズで作成する資料や文書は、顧客企業の中で標準化が進んでいないことが多く、システム開発の度に、異なる様式や表記方法で業務分析や要件定義の資料を再作成する必要がありました。当社独自の開発方法論「AGILE-DX」では、この4つのフェーズを少人数の1チームで実施できるように、フェーズ間の引き継ぎのための資料や文書を大幅に削減し、業務分析や設計手法の標準化を行い、並行的に開発を進めるためのシステムの連携技術をローコード技術と組み合わせることで、従来型の受託開発と比較して、低コストかつ短期間でのシステム開発を実現しています。 ⑤ IT人材不足に対応したローコード技術者の短期育成これまで一般的に提供されていたスクラッチ開発による受託開発を行うには、様々な要素技術を基礎から学ぶ必要があり、3年から5年の現場経験が技術者に必要だと考えられてきました。当社グループでは、ローコード開発ツールベンダー認定資格のトレーニングと豊富な受託開発のノウハウを活用することで、ローコード開発ツールを用いてシステム開発を行うIT人材の新規創出を、約3ヶ月から6ヶ月で実現する実践的な教育プログラムを保有しております。 (ローコード開発技術者の育成イメージ) (4)サービス内容当社グループは、この当社独自の開発方法論「AGILE-DX」を使用した受託開発サービスを中心に、そのサービス提供に関連したソフトウェアの販売と、顧客企業の技術者へのトレーニングサービスを提供しています。 (事業系統図) ① プロフェッショナルサービス当社グループは、「AGILE-DX」を用いた受託開発サービスと、ローコード開発ツールを使用する顧客企業の技術者向けのトレーニングの2つのサービスを「プロフェッショナルサービス」として提供しています。受託開発サービスは、顧客企業のニーズに合わせて、主に3パターンのローコード・アジャイルチーム体制を構築して、システム開発を行っております。 一つ目は、顧客企業がシステム開発に関するすべての業務を当社グループに委託する場合です。この場合は、ローコード・アジャイルチームのすべての要員は当社グループの人材で構成されます。二つ目は、顧客企業が社内の人材を活用してシステム開発を行う場合です。この場合のローコード・アジャイルチームの要員は、顧客企業と当社グループの人材による混成チームで構成されます。顧客企業の技術者は、混成チームを形成することで、アジャイル手法とローコード技術によるシステム開発のノウハウを開発現場で学ぶことができ、情報システムの内製化に向けた新たなIT人材の育成を行うことが可能となります。三つ目は、顧客企業が全ての開発に関する業務を社内の人材で行いたい場合です。この場合は、ローコード・アジャイルチームの要員はすべて顧客企業の人材によって構成され、そのチームに対して当社グループの人材が、外部からローコード開発ツールの使い方やプロジェクト管理に関する問題解決等の技術的な支援やコンサルティングを行います。 ② ソフトウェアライセンス販売当社グループでは、ローコード技術を中心とした情報システム開発の生産性を向上させるソフトウェアのライセンスを、年単位で使用権を販売するサブスクリプションライセンス契約で販売しております。主にプロフェッショナルサービスの提供とともにソフトウェアライセンスを販売しておりますが、顧客企業が自ら情報システムの開発を行う場合は、ソフトウェアライセンスのみの販売を行っております。当社グループが販売する主なソフトウェアは、下記の通りです。 ローコード開発プラットフォーム OutSystems®当社グループでは、2009年の事業開始以来、ソフトウェアの設計情報を基に、ソフトウェアのソースコードを自動生成する技術の研究及び調査を行ってまいりました。2012年には、ソフトウェアの設計情報から正しく動作するソースコードを自動生成可能な、当時ポルトガルに本社を置いていたOutSystems社のローコード開発プラットフォーム「OutSystems®」の提供を開始しました。OutSystems®は、自動生成されるソフトウェアの品質の高さと、運用までサポートする機能充足度の高さ、また技術者の学習コストの低さが高く評価されております。実装フェーズにおける開発スピードは手作業と比較して約10倍を誇ります。0現在、OutSystems社は米国のボストンに本社を置き、導入企業は世界に数千社存在します(注10)。日本国内においては、2017年にOutSystemsジャパン社が設立されましたが、それまでは当社が日本国内の総代理店業務を行っておりました。現在、当社はOutSystems社認定の正規販売代理店であり、アジア太平洋地域全域において、2017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しており(注11)、日本国内及びアジア地域におけるOutSystems®の導入数は、当社グループがトップクラスとなっております。 クラウド型APIインテグレーションプラットフォーム Workato®インターネット上に存在する情報システムの多くは、他の情報システムと様々なデータの連携を行いながら動作しています。クラウドサービスの拡大とともに、これまで企業内に設置されていた情報システムは、インターネット上に配置され、それら情報システム間のデータ連携もインターネット上で行われるようになり、そのニーズは世界的なデジタル・トランスフォーメーションの流れによって急速に高まっています。インターネット上に存在する様々なサービスと、社内で使用している情報システムの間でデータ連携をリアルタイムに行うことによって、新たな情報システムを構築することなく、業務プロセスの自動化や効率化を実現することが可能となります。当社グループでは、数百種類以上の既存のクラウドサービスと情報システムとのデータ連携をローコード開発で実現する、クラウド型のAPIインテグレーション(注12)プラットフォーム Workato®を提供しております。Workato®は、米国のカルフォルニアに本社を置く企業向けインテグレーションサービス会社であるWorkato社が開発及び販売を行っております。Workato®は、数百種類以上の既存のクラウドサービスとITシステムとのデータ連携を、高度なプログラミングを行うことなく、Webブラウザだけで実現するクラウド型のAPIインテグレーションプラットフォームです。クラウド型ではない従来型のインテグレーションプラットフォームの保守及び運用には、多くの専門的な人材と運用に関する費用を必要としていました。Workato®は、これらの保守及び運用にかかる作業を自動化し、さらに400種類以上のデータ連携用の部品をあらかじめ提供することによって、様々なアプリケーションのデータ連携を容易にし、業務プロセスの効率化と自動化を実現しています。 マルチモデルデータベースプラットフォーム MarkLogic®情報システムの最も重要な役割は、「デジタル化された電子データ」を情報として処理及び保存することです。DXにおいて、どのようなデータをどのような方式で管理するかは、情報システムの価値を決定するための重要な要素となると考えております。今日の情報システムの多くは、リレーショナルデータベースと呼ばれるソフトウェアを使用して、データの保存や検索等を行っています。リレーショナルデータベースは、文字や数字を表形式で保存して管理するため、会計システムのような大量の伝票処理や集計等を中心に行う情報システムに適していますが、Googleのような全文検索や、画像や文書ファイル等の表形式で管理しにくいデータの管理には適していません。当社グループでは、あらゆる情報のデジタル化を実現するために、多種多様な電子データを管理することが可能なマルチモデル型のデータベース MarkLogic®を販売しております。MarkLogic社は米国のカルフォルニアに本社を置く2001年に創業された企業向けソフトウェア会社であり、主にデータベースMarkLogic®を開発及び販売しております。全世界で十数か所に拠点を有し、顧客は2,500社以上存在します(注13)。MarkLogic®は、XMLやJSON、バイナリファイル等の様々な種類のデータを事前の設計無しでそのまま取込み、統合管理することができる大規模データ処理に対応したデータベースです。リレーショナルデータベースでは、データをデータベースに取り込むときに、事前にテーブル定義やデータベースの設計作業を技術者が行う必要があります。MarkLogic®は、マルチモデル型のデータベースの特徴を活かすことで、技術者による事前のテーブル設計や正規化を行うことなく、データの統合を可能にし、DXに関する様々なデータ管理のニーズに対応することが可能です。 <用語集> 注1システムインテグレーター主として情報システムの開発、運用などの業務をシステムのオーナーとなる顧客から一括して請け負う企業のことです。注2受託開発型顧客企業が作りたいシステムの概要をまとめ、外部の開発会社に情報システムの開発を委託する方法です。注3スクラッチ開発一般的に製品を開発する際に、すでに存在する何かを土台とせずにゼロから新たに作り上げることを指します。情報システム開発においては、システム全体をゼロから手作業でプログラミングを行うことで、新規に作成する、あるいは作り直すことを指します。注4デジタル経済インターネットを中心に情報通信技術によって生み出された経済現象を示したものであり、インターネットによるショッピングや映画や音楽等のネット配信、電子決済等のサービス等に基づく経済を示します。注5開発方法論ソフトウェア開発を行うときの標準的な工程や管理手順、作成すべき成果物等を定義し体系化したものです。注6ローコード開発ツールプログラミングを自動化するローコード技術を活用して作成されたもので、プログラマーがこれまで手作業で行っていた作業の多くを自動化することができるツールの総称です。 注7ウォーターフォール型 1970年代に提唱された、大規模なシステム受託開発を行う場合の作業の流れのことであり、日本のシステム受託開発において主流となっている手法です。具体的には、まず作りたいソフトウェアの要求を全て定義して合意し、それを基に設計を全て行い、それに基づくプログラムを全て製造し、最後にそれらが正しく動作するかを検証する手法です。この手法は、作りたいソフトウェアの要求を最初に全て決定する必要があるため、要件定義後に発生する要求の変更に対応することができません。このためこの手法では、昨今の急速な社会環境の変化や技術の進化による要件の変化や新規追加に対応することが難しくなっています。注8ローコード開発ツールベンダーローコード開発ツールの開発及び販売を行っている企業の総称です。注9静的要件、動的要件 システム開発における要件を、システムの内部構造を静的とし、システムの利用者が直接的に影響する外部構造を動的として2つに分けることです。 注10導入企業は世界に数千社存在しますOutSystems 社の公開情報に基づきます。 https://www.outsystems.com/company/注112017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しております。2019年(18年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/apac-partner-year-award-winners/2020年(19年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/partner-award-winners-2020/注12APIインテグレーション異なるシステム間で、データのやりとりを行い、機能連携をさせることを指します。これまでのシステム間の連携は、連携相手を特定した密な結合の連携がほとんどでしたが、近年ではAPIと呼ばれる不特定多数の相手を前提としたデータ連携の繋ぎ口を予めシステムに持たせることにより、疎結合連携を行うようになっています。注13全世界で十数か所に拠点を有し、顧客は2,500社以上存在しますMarkLogic社の公開情報に基づきます。 https://www.marklogic.com/company/about/
FY2021|9,138 文字|出典 docID: S100LVAM
3 【事業の内容】(1)企業理念とミッション当社グループは、当社及びローコード技術によるプラットフォーム事業を展開する連結子会社の株式会社OPENMODELSの計2社で構成されており、「新たな価値を創造し、常識を変え、文化を進化させる」という経営理念を持っております。当社の社名に含まれている「光り輝く」という語源を持つ「Blue」と、「人から人へ文化を伝える様々な情報」を意味する「Meme」には、これまでの常識に囚われることなく、新しい文化を形成するための新しい価値の創造を目指していくという、強い理念を込めております。インターネットやスマートフォンなどの情報技術の急速な発展は、歴史上、類を見ないスピードで私たちの生活を大きく変え続けています。これらを支える最も重要なものは、あらゆる情報を処理し、コンピューター機器を動かすための情報システムです。当社グループは、この情報社会を支える「情報システムを開発する技術」にフォーカスし、顧客企業と共に新たな価値を生み出すことで、「日本企業の国際的競争力を向上させる」ことを事業のミッションとしております。 (2)事業コンセプト国内企業における情報システムの開発は、主にシステムインテグレーター(注1)と呼ばれるシステム開発を請け負う事業者に対して、開発業務を委託する受託開発型(注2)と呼ばれる方法で実施されています。AIやロボットによって様々な作業が自動化される中、この受託開発型においては、未だにゼロから手作業で情報システムを作り上げるスクラッチ開発(注3)が主流となっています。このスクラッチ開発を行うためには、長期間にわたって多くのIT人材を確保しなければならないため、多くの国内企業において、豊富なIT人材を抱える大手のシステムインテグレーターにシステム開発を任せることが一般的でした。しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症等の急速な社会環境の変化や、ECサイトに代表されるデジタル経済(注4)の拡大に伴い、スピード重視のIT投資が求められています。これまでの受託開発型による大手システムインテグレーターを中心とした多重下請け構造や、外部の大手システムインテグレーターへの依存による過度なIT部門の空洞化は、IT人材の不足の問題とともに、国内企業のIT戦略における重要な経営課題として認識されつつあります。 (従来の受託開発型における問題) 当社グループでは、最新技術を活用した当社独自のプロジェクト管理手法(注5)「AGILE-DX」を用いることで、低コストかつ短期間で品質の高いシステム開発を実現し、顧客と共にシステム開発のノウハウを蓄積することで、スピード重視のIT投資を可能にします。 当社グループは、この当社独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」を活用したシステム開発に関する事業を、DX事業として展開しております。なお、当社グループは、この「AGILE-DX」を活用した受託開発サービス及び技術者向けトレーニングを提供する「プロフェッショナルサービス」と、ローコード開発ツール(注6)等のソフトウェアを販売する「ソフトウェアライセンス販売」から構成されるDX事業の単一セグメントとなっております。 (当社グループが提供する受託開発サービスのイメージ) (3) 事業の特徴と強み当社グループの事業の特徴と強みは以下の通りです。 ① アジャイル手法とローコード技術に特化したユニークな受託開発サービス今日のデジタル経済の急速な発展により、様々な業界において、これまで作業効率化の手段であった情報システムが、重要な経営戦略の実現手段の一つとなりつつあります。これによりシステム開発は、コストパフォーマンスだけでなくタイムパフォーマンスも重要視されるようになり、少人数かつ短期間で情報システムを開発できるアジャイル手法や、手作業で行われているプログラミングを自動化できるローコード技術が注目されています。当社グループでは、このアジャイル手法とローコード技術を組み合わせ、それを当社独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」で進捗管理を行うユニークな受託開発サービスを提供しております。一般的にアジャイル手法は、ウォーターフォール型(注7)と呼ばれる従来型の手法と比較して、業務分析や要件定義等の上流工程に関する手法が定義されていません。このため、ウォーターフォール型と比較して、プロジェクトの管理が困難であることから、国内企業においては広く活用されていないのが現状です。また手作業で行っていたプログラミングを自動化するローコード開発ツールにおいても、従来型のスクラッチ開発と比較してプログラミングの作業工数は数分の一になるものの、ローコード開発ツール向けの要件管理や設計手法が定まっておらず、部分的かつ小規模な活用にとどまっています。国内のシステムインテグレーターが提供する受託開発サービスの多くは、ウォーターフォール型のスクラッチ開発で実施されることが多く、アジャイル手法を活用する場合でもスクラッチ開発が採用されています。これは国内のシステムインテグレーターのほとんどが、これまでの豊富なシステム開発経験をもとに、ゼロから情報システムを作り上げるスクラッチ開発の膨大なノウハウを蓄積し、それらを活用したシステム開発を実施していることが要因であると考えられます。また、ローコード開発ツールを提供する先進的なソフトウェアベンダー(以下「ローコード開発ツールベンダー(注8)」という。)においては、アジャイル手法を活用することもありますが、そのソフトウェアの適用範囲を広くするために、すでにプロジェクト管理手法が確立されたウォーターフォール型を採用することが一般的だと考えられます。当社グループが提供を行っている、最新技術であるアジャイル手法とローコード技術を使用し独自の管理手法を適用する受託開発サービスは、他社と比較してユニークなポジションを確立しております。 (当社グループの受託開発サービスのポジション) ② プロジェクト管理の難しいアジャイル手法を当社独自の手法により安定的な開発を実現一般的なアジャイル手法には、スピードとテストを重視した開発を優先するため、業務分析や要件定義、機能設計等の上流工程と呼ばれるフェーズの手法は定義されていません。このため、プロジェクト管理は難しく、特に大規模なシステム開発には不向きと考えられていました。当社独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」では、アジャイル手法に不足している上流工程とテスト工程の作業を標準化することで安定的なアジャイル手法によるシステム開発を実現し、様々な最新技術と組み合わせることで大規模なシステム開発を実現しています。 (ウォーターフォール型とアジャイル手法、及び「AGILE-DX」の比較) ③ プログラミングを自動化するローコード技術に特化した管理手法ローコード開発ツールを用いたシステム開発は、従来型のスクラッチ開発と比較して、数倍のスピードで実装を行うことができますが、そのスピードに合わせた管理手法が存在しないため、技術者が要件定義の完了を待つ時間が発生してしまい、ローコード技術の特性を活かすことが出来ていません。当社独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」では、要件定義を利用者の要望によって変化しにくい静的要件と、利用者の要望によって変化しやすい動的要件に分離する(注9)ことで、従来型のウォーターフォール型の利点である標準化された要件管理手法と、アジャイル手法の利点であるスピーディーな開発手法の統合を実現しています。これにより、技術者が要件定義を待つ時間を削減し、ローコード開発ツールの実装スピードを最大限に活かしたプロジェクト管理手法を確立しております。 (顧客の要件に合わせて実装スピードを最大限に活かしたプロジェクト管理手法) ④ システム開発における4つの工程の作業工数を削減することで少人数かつ短期間開発を実現一般的なシステム開発は、大きく区分して業務分析・要件定義、設計、実装、テストの4つのフェーズで実施されます。従来型の受託開発では、それぞれのフェーズを別の事業者に委託したり、すべてのフェーズを同一事業者に委託した場合でもフェーズ毎に異なるチーム体制で実施することが多く、フェーズ間で様々な情報やデータを引き継ぐために膨大な量の資料や文書を作成したり、前フェーズへの手戻りを防止するための入念なチェックと詳細な机上検証を行う必要がありました。また各フェーズで作成する資料や文書は、顧客企業の中で標準化が進んでいないことが多く、システム開発の度に、異なる様式や表記方法で業務分析や要件定義の資料を再作成する必要がありました。当社独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」では、この4つのフェーズを少人数の1チームで実施できるように、フェーズ間の引き継ぎのための資料や文書を大幅に削減し、業務分析や設計手法の標準化を行い、並行的に開発を進めるためのシステムの連携技術をローコード技術と組み合わせることで、従来型の受託開発と比較して、低コストかつ短期間でのシステム開発を実現しています。 (「AGILE-DX」による各開発フェーズでのメリット) *図中 並行開発を実現する疎結合アーキテクチャ(注10) ⑤ IT人材不足に対応したローコード技術者の短期育成これまで一般的に提供されていたスクラッチ開発による受託開発を行うには、様々な要素技術を基礎から学ぶ必要があり、3年から5年の現場経験が技術者に必要だと考えられてきました。当社グループでは、ローコード開発ツールベンダー認定資格のトレーニングと豊富な受託開発のノウハウを活用することで、ローコード開発ツールを用いてシステム開発を行うIT人材の新規創出を、約3ヶ月から6ヶ月で実現する実践的な教育プログラムを保有しております。 (ローコード開発技術者の育成イメージ) (4)サービス内容当社グループは、この当社独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」を使用した受託開発サービスを中心に、そのサービス提供に関連したソフトウェアの販売と、顧客企業の技術者へのトレーニングサービスを提供しています。 (事業系統図) ① プロフェッショナルサービス当社グループは、「AGILE-DX」を用いた受託開発サービスと、ローコード開発ツールを使用する顧客企業の技術者向けのトレーニングの2つのサービスを「プロフェッショナルサービス」として提供しています。受託開発サービスは、顧客企業のニーズに合わせて、主に3パターンのローコード・アジャイルチーム体制を構築して、システム開発を行っております。 一つ目は、顧客企業がシステム開発に関するすべての業務を当社グループに委託する場合です。この場合は、ローコード・アジャイルチームのすべての要員は当社グループの人材で構成されます。二つ目は顧客企業が社内の人材を活用してシステム開発を行う場合です。この場合のローコード・アジャイルチームの要員は、顧客企業と当社グループの人材による混成チームで構成されます。顧客企業の技術者は、混成チームを形成することで、アジャイル手法とローコード技術によるシステム開発のノウハウを開発現場で学ぶことができ、情報システムの内製化に向けた新たなIT人材の育成を行うことが可能となります。三つ目は顧客企業が全ての開発に関する業務を社内の人材で行いたい場合です。この場合は、ローコード・アジャイルチームの要員はすべて顧客企業の人材によって構成され、そのチームに対して当社グループの人材が、外部からローコード開発ツールの使い方やプロジェクト管理に関する問題解決等の技術的な支援やコンサルティングを行います。 ② ソフトウェアライセンス販売当社グループでは、ローコード技術を中心とした情報システム開発の生産性を向上させるソフトウェアのライセンスを、年単位で使用権を販売するサブスクリプションライセンス契約で販売しております。主にプロフェッショナルサービスの提供とともにソフトウェアライセンスを販売しておりますが、顧客企業が自ら情報システムの開発を行う場合は、ソフトウェアライセンスのみの販売を行っております。当社グループが販売する主なソフトウェアは、下記の通りです。 ローコード開発プラットフォーム OutSystems®当社グループでは、2009年の事業開始以来、ソフトウェアの設計情報を基に、ソフトウェアのソースコードを自動生成する技術の研究及び調査を行ってまいりました。2012年には、ソフトウェアの設計情報から正しく動作するソースコードを自動生成可能な、当時ポルトガルに本社を置いていたOutSystems社のローコード開発プラットフォーム「OutSystems®」の提供を開始しました。OutSystems®は、自動生成されるソフトウェアの品質の高さと、運用までサポートする機能充足度の高さ、また技術者の学習コストの低さが高く評価されております。実装フェーズにおける開発スピードは手作業と比較して約10倍を誇ります。現在、OutSystems社は米国のボストンに本社を置き、導入企業は世界に数千社存在します(注11)。日本国内においては、2017年にOutSystemsジャパン社が設立されましたが、それまでは当社が日本国内の総代理店業務を行っておりました。現在、当社はOutSystems社認定の正規販売代理店であり、アジア太平洋地域全域において、2017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しており(注12)、日本国内及びアジア地域におけるOutSystems®の導入数は、当社グループがトップクラスとなっております。 クラウド型APIインテグレーションプラットフォーム Workato®インターネット上に存在する情報システムの多くは、他の情報システムと様々なデータの連携を行いながら動作しています。クラウドサービスの拡大とともに、これまで企業内に設置されていた情報システムは、インターネット上に配置され、それら情報システム間のデータ連携もインターネット上で行われるようになり、そのニーズは世界的なデジタル・トランスフォーメーションの流れによって急速に高まっています。インターネット上に存在する様々なサービスと、社内で使用している情報システムの間でデータ連携をリアルタイムに行うことによって、新たな情報システムを構築することなく、業務プロセスの自動化や効率化を実現することが可能となります。当社グループでは、数百種類以上の既存のクラウドサービスと情報システムとのデータ連携をローコード開発で実現する、クラウド型のAPIインテグレーション(注13)プラットフォーム Workato®を提供しております。Workato®は、米国のカルフォルニアに本社を置く企業向けインテグレーションサービス会社であるWorkato社が開発及び販売を行っております。Workato®は、数百種類以上の既存のクラウドサービスとITシステムとのデータ連携を、高度なプログラミングを行うことなく、Webブラウザだけで実現するクラウド型のAPIインテグレーションプラットフォームです。クラウド型ではない従来型のインテグレーションプラットフォームの保守及び運用には、多くの専門的な人材と運用に関する費用を必要としていました。Workato®は、これらの保守及び運用にかかる作業を自動化し、さらに400種類以上のデータ連携用の部品をあらかじめ提供することによって、様々なアプリケーションのデータ連携を容易にし、業務プロセスの効率化と自動化を実現しています。 マルチモデルデータベースプラットフォーム MarkLogic® 情報システムの最も重要な役割は、「デジタル化された電子データ」を情報として処理及び保存することです。DXにおいて、どのようなデータをどのような方式で管理するかは、情報システムの価値を決定するための重要な要素となると考えております。今日の情報システムの多くは、リレーショナルデータベースと呼ばれるソフトウェアを使用して、データの保存や検索等を行っています。リレーショナルデータベースは、文字や数字を表形式で保存して管理するため、会計システムのような大量の伝票処理や集計等を中心に行う情報システムに適していますが、Googleのような全文検索や、画像や文書ファイル等の表形式で管理しにくいデータの管理には適していません。当社グループでは、あらゆる情報のデジタル化を実現するために、多種多様な電子データを管理することが可能なマルチモデル型のデータベース MarkLogic®を販売しております。 MarkLogic社は米国のカルフォルニアに本社を置く2001年に創業された企業向けソフトウェア会社であり、主にデータベースMarkLogic®を開発及び販売しております。全世界で十数か所に拠点を有し、顧客は数千社存在します(注14)。MarkLogic®は、XMLやJSON、バイナリファイル等の様々な種類のデータを事前の設計無しでそのまま取込み、統合管理することができる大規模データ処理に対応したデータベースです。リレーショナルデータベースでは、データをデータベースに取り込むときに、事前にテーブル定義やデータベースの設計作業を技術者が行う必要があります。MarkLogic®は、マルチモデル型のデータベースの特徴を活かすことで、技術者による事前のテーブル設計や正規化を行うことなく、データの統合を可能にし、DXに関する様々なデータ管理のニーズに対応することが可能です。 <用語集> 注1システムインテグレーター主として情報システムの開発、運用などの業務をシステムのオーナーとなる顧客から一括して請け負う企業のことです。注2受託開発型顧客企業が作りたいシステムの概要をまとめ、外部の開発会社に情報システムの開発を委託する方法です。注3スクラッチ開発一般的に製品を開発する際に、すでに存在する何かを土台とせずにゼロから新たに作り上げることを指します。情報システム開発においては、システム全体をゼロから手作業でプログラミングを行うことで、新規に作成する、あるいは作り直すことを指します。注4デジタル経済インターネットを中心に情報通信技術によって生み出された経済現象を示したものであり、インターネットによるショッピングや映画や音楽等のネット配信、電子決済等のサービス等に基づく経済を示します。注5プロジェクト管理手法ソフトウェア開発を行うときの標準的な工程や管理手順、作成すべき成果物等を定義し体系化したものです。注6ローコード開発ツールプログラミングを自動化するローコード技術を活用して作成されたもので、プログラマーがこれまで手作業で行っていた作業の多くを自動化することができるツールの総称です。 注7ウォーターフォール型 1970年代に提唱された、大規模なシステム受託開発を行う場合の作業の流れのことであり、日本のシステム受託開発において主流となっている手法です。具体的には、まず作りたいソフトウェアの要求を全て定義して合意し、それを基に設計を全て行い、それに基づくプログラムを全て製造し、最後にそれらが正しく動作するかを検証する手法です。この手法は、作りたいソフトウェアの要求を最初に全て決定する必要があるため、要件定義後に発生する要求の変更に対応することができません。このためこの手法では、昨今の急速な社会環境の変化や技術の進化による要件の変化や新規追加に対応することが難しくなっています。注8ローコード開発ツールベンダーローコード開発ツールの開発及び販売を行っている企業の総称です。注9静的要件、動的要件 システム開発における要件を、システムの内部構造を静的とし、システムの利用者が直接的に影響する外部構造を動的として2つに分けることです。 注10疎結合アーキテクチャ 工業製品のように規格やサイズを合わせ、複数の部品をぴったりと組み合わせて製品を作るのではなく、異なる規格のソフトウェア同士を、密に結合することなく、アダプターなどの結合用のソフトウェアを介して、ソフトウェア同士を組み合わせながら開発を行った場合の構造のことを指します。アダプターなどを介することで、容易にソフトウェアの交換ができるようになり、拡張性と柔軟性を確保することが可能となります。 注11OutSystemsについて導入企業は世界に数千社存在します。OutSystems 社の公開情報に基づきます。 https://www.outsystems.com/company/注122017年度には「新規売上最高賞」と「年度クローズ案件最多賞」、2018年度には「年間新規顧客最多賞」、2019年度には「案件登録最多賞」と「新規案件受注額最多賞」を受賞しております。2019年(18年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/apac-partner-year-award-winners/2020年(19年度含む)の受賞については、以下を参照: https://www.outsystems.com/news/partner-award-winners-2020/注13APIインテグレーション異なるシステム間で、データのやりとりを行い、機能連携をさせることを指します。これまでのシステム間の連携は、連携相手を特定した密な結合の連携がほとんどでしたが、近年ではAPIと呼ばれる不特定多数の相手を前提したデータ連携の繋ぎ口を予めシステムに持たせることにより、疎な結合の連携を行うようになっています。注14MarkLogic社について、全世界で十数か所に拠点を有し、顧客は数千社存在します。MarkLogic社の公開情報に基づきます。 https://www.marklogic.com/company/about/