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セーレン(3569)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

繊維製品 素材・化学

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    セーレングループは、自動車内装材、衣料品、エレクトロニクス、環境・生活資材、メディカル製品など、幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いていると考えられます。
  • グローバルな製造・販売網
    米国、中国、タイ、インドなど世界各地に子会社を設立し、製造から販売までを一貫して行っています。これにより、各地域のニーズに合わせた製品供給と効率的なサプライチェーンを構築し、国際市場での競争力を高めています。
  • 高付加価値製品の提供
    電磁波シールド材、人工衛星部品、医療用基材、化粧品など、高い技術力と専門知識を要する製品を製造・販売しています。特にビスコテックス・システムのような独自の技術を活用し、高機能・高品質な製品で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車内装材事業
    売上高1098.16億円、営業利益139.54億円と、セーレングループの主要な収益源です。自動車シート材やエアバッグの製造・販売を手掛けており、米国、中国、タイ、インドなど世界各地に生産・販売拠点を持ち、グローバルに展開しています。
  • ハイファッション事業
    売上高219.11億円、営業利益15.44億円で、各種衣料用繊維製品の製造・販売を行っています。KBセーレン㈱が合成繊維の製造を担い、グンセン㈱が染色加工を行うなど、グループ内で一貫した生産体制を構築しています。
  • エレクトロニクス事業
    売上高106.96億円、営業利益18.29億円と、比較的小規模ながら高い利益率を誇る事業です。電磁波シールド材やビスコテックス・システムの販売、人工衛星部品の製造・販売、シリコンウェーハの成膜加工など、高度な技術を要する製品を提供しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AutomotiveInteriorReportableSegment 事業 1,098 140 12.7%
HighFashion 事業 219 15 7.0%
Electronics 事業 107 18 17.1%
EnvironmentAndLifeMaterialsReportableSegment 事業 97 9 9.0%
Medical 事業 68 7 10.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,194 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社27社(うち連結子会社25社)及び関連会社1社で構成され、「車輌資材」「ハイファッション」「エレクトロニクス」「環境・生活資材」「メディカル」を主な事業として展開しております。 当社及び当社の関係会社が営む主な事業内容と、当該事業における位置づけは、次のとおりであります。 車輌資材事業は、車輌シート材及びエアバックの製造・販売を行っております。主な関係会社は、当社、KBセーレン㈱、Seiren North America, LLC(米国)、Saha Seiren Co.,Ltd.(タイ)、世聯汽車内飾(蘇州)有限公司(中国)、世聯汽車内飾(河北)有限公司(中国)、広東世聯美仕汽車内飾有限公司 (中国)、Seiren Produtos Automotivos Ltda.(ブラジル) 、SEIREN INDIA PRIVATE LIMITED(インド)、PT. SEIREN INDONESIA(インドネシア)、Seiren Viscotec Mexico S.A. de C.V.(メキシコ)及びSEIREN Hungary Kft.(ハンガリー)であります。 ハイファッション事業は、各種衣料用繊維製品の製造・販売を行っております。主な関係会社は、当社、KBセーレン㈱、グンセン㈱及びSaha Seiren Co.,Ltd.であります。また、KBセーレン㈱では、合成繊維の製造・販売を行っており、KBセーレン・DTY㈱が仮撚加工及びサイジング工程を担っております。エレクトロニクス事業は、当社が、電磁波シールド材の製造・販売の他、ビスコテックス・システムの販売、人工衛星及び人工衛星部品の製造・販売等を行っております。また、KBセーレン㈱は工業用ワイピングクロスやエンプラ繊維等を製造・販売し、セーレン電子㈱が各種電子機器の製造・販売を行っております。セーレンKST㈱ではシリコンウェーハの成膜加工、SOIウェーハ製造・販売及び各種基板販売を行っております。環境・生活資材事業は、当社が建築用資材、インテリア用資材及び健康・介護商品を製造・販売している他、KBセーレン㈱が各種生活資材の製造・販売を行っております。 メディカル事業は、当社が化粧品及び医療用基材を製造・販売しております。KBセーレン㈱では貼付剤基布、絆創膏基布等医療用繊維製品や逆浸透膜スペーサー基材の製造・販売を行っております。 その他の事業は、セーレン商事㈱で保険代理業、システムの開発及び販売、セーレンコスモ㈱で人材派遣事業、㈱ナゴヤセーレンで不動産賃貸管理事業を行っております。 セーレンケーピー㈱では主として当社製品の編織加工を行い、セーレン商事㈱及び世聯美仕生活用品(上海)有限公司(中国)では物品の販売等を行っており、当社は原材料等を仕入れております。 事業の系統図は次のとおりであります。 子会社及び関連会社は、次のとおりであります。連結子会社 KBセーレン株式会社各種繊維製品の製造、販売セーレン商事株式会社各種物品の販売、保険代理業、不動産管理業、システムの開発及び販売セーレン電子株式会社各種電子機器の製造、販売株式会社ナゴヤセーレン不動産賃貸管理事業グンセン株式会社各種繊維製品の染色加工セーレンケーピー株式会社各種繊維・織編物の製造セーレンアルマ株式会社婦人服の企画、縫製株式会社デプロ捺染用及びスクリーン印刷用製版、販売セーレンコスモ株式会社労働者派遣業セーレンKST株式会社シリコンウェーハの成膜加工、SOIウェーハ製造、販売及び各種基板販売KBセーレン・DTY株式会社仮撚加工、織物用サイジング、織布Seiren U.S.A. Corporation米国、中国関連会社の統括、管理Seiren North America, LLC自動車内装材の企画、製造、販売Seiren Design Center North America, LLC自動車内装材の企画世聯汽車内飾(蘇州)有限公司自動車内装材等の企画、製造、販売世聯電子(蘇州)有限公司各種電子機器の販売世聯美仕生活用品(上海)有限公司各種物品の販売Saha Seiren Co., Ltd.自動車内装材及び衣料等の企画、製造、販売Seiren Produtos Automotivos Ltda.自動車内装材の企画、製造、販売SEIREN INDIA PRIVATE LIMITED自動車内装材の企画、製造、販売PT. SEIREN INDONESIA自動車内装材の企画、製造、販売Seiren Viscotec Mexico S.A. de C.V.自動車内装材の企画、製造、販売世聯汽車内飾(河北)有限公司自動車内装材の製造、販売広東世聯美仕汽車内飾有限公司自動車内装材の製造、販売SEIREN Hungary Kft.自動車内装材の製造、販売 非連結子会社 福井大手町ビル株式会社建物及び附属設備の管理運営及びメンテナンスセーレンシステムテクノロジー株式会社ソフトウェアの開発、販売、保守 関連会社 ケーシーアイ・ワープニット株式会社生地製造、起毛 (注)株式会社キューテックアイは、2025年6月16日付でセーレンシステムテクノロジー株式会社に  社名変更しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
エネルギー・原材料価格の変動リスクがあり、仕入価格が原油価格の変動の影響を大きく受ける可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
各事業分野における急速な技術革新に対応するための研究開発力と、ビスコテックスなどの独自システム。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:海外活動に潜在するカントリーリスク / 為替相場の変動 / エネルギー・原材料価格の変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

セーレンは「ビスコテックス」という染色加工技術で知られるが、特許による独占性は限定的。ブランド力はBtoB中心で一般消費者への浸透度は低い。特定の規制ライセンスやIPによる明確な優位性は見出しにくい。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車内装材やアパレル向け機能性素材において、顧客(自動車メーカー、アパレルブランド)は品質、納期、コスト、デザイン性など多岐にわたる要求を満たすサプライヤーとの取引を重視する。一度採用された素材や加工技術は、開発・評価コスト、サプライチェーンの再構築リスクから、他社への切り替えが容易ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

セーレンの事業モデルは、ユーザーが増えることでサービスの価値が増すネットワーク効果を直接的に生まない。BtoB取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の経験と技術蓄積による生産効率の向上は見られるが、繊維業界全体としてグローバルな価格競争に晒されており、構造的な圧倒的コスト優位を確立しているとは言えない。一部の特殊加工においてはコスト優位性を持つ可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

自動車内装材やアパレル向け機能性素材分野において、一定の生産規模とグローバルな供給網を持つ。特に自動車業界では、大手サプライヤーとして一定の地位を確立しており、規模の経済による効率的な生産・供給体制を構築している。

  • グローバルな生産体制
    セーレングループは、米国、中国、タイ、インド、メキシコ、ハンガリーなど世界各地に生産拠点を持ち、地域ごとの需要に応じた製品供給が可能です。これにより、為替変動リスクの軽減や、最適な場所での生産・調達によるコスト効率の向上を図っています。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    自動車資材からハイファッション、エレクトロニクス、メディカルまで多岐にわたる事業を展開しており、特定の市場の変動に左右されにくい安定した収益構造を持っています。これにより、リスク分散と持続的な成長の可能性を高めています。
  • 独自の技術力と開発力
    電磁波シールド材や人工衛星部品、医療用基材など、高度な技術を要する製品を開発・製造しています。特にビスコテックス・システムのような独自の技術は、他社との差別化を図り、高付加価値製品の提供を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「21世紀のグッドカンパニー」の実現を目指し、株主・取引先・社員・地域社会の皆様方から高い信頼を得られる企業経営を基本方針としております。この方針のもと、株主、お客様の視点に立ち、「五ゲン主義(原理・原則・現場・現物・現実)」活動を共通の意識として、企業構造の革新と企業体質の改革に積極的に取り組んでおります。また「のびのび いきいき ぴちぴち」の経営理念のもと、社員一人ひとりが自主性・責任感・使命感を持ち、不条理・矛盾を許さないフェア精神とコンプライアンス精神とを持って企業活動を行っております。これらを確実に推進することによって、より高い付加価値の創造と企業価値の向上、さらには企業の社会的責任を果たすことにつながるものと考えております。(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題等経済社会活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなかで、景気は緩やかな回復基調となったものの、エネルギー及び原材料価格の高騰や急激な為替の変動に加え、米国の経済政策の動向や地政学リスクの高まり等により、依然として先行き不透明な状況が続き、経営環境については一層の注視が必要です。セーレングループは、変化し続ける経営環境においても、常にお客様のニーズに応え、かつ安定した収益確保と継続的な企業成長を果たすため、当社グループの企業文化である「五ゲン主義」に立ち返り、「個々の役割と責任のもと、一人ひとりが付加価値を創り出す」という原理に基づき仕事を行ってまいります。 その基本戦略は下記の4点であります。①「IT化・ビジネスモデル転換」・・ITを活用し、新しいビジネスモデルを構築②「非衣料・非繊維化」・・・・・オンリーワン技術の活用による新規事業の創出③「グローバル化」・・・・・・・地球規模での事業展開④「企業体質の改革」・・・・・・のびのび いきいき ぴちぴちで、強い企業体質へ これら4つの基本戦略の制定から今日に至るまで、幾たびの経済環境や社会構造、そして流通構造の激しい変化がありました。それらを越えた今、得られた成果を評価すると、この基本戦略は、いつの時代においても将来を見据えた確かな戦略であったと確信しております。次の新たな飛躍を目指し、「素材から製品化、BtoBからBtoC」を中期事業戦略におき、従来よりも付加価値の高い流通ポジションにおける販売事業拡大を進め、高収益モデルへの転換に取り組んでまいります。① IT化・ビジネスモデル転換企画・製造・販売の「流通一貫機能」と原糸製造から縫製までの「一貫生産体制」による「小ロット・短納期・在庫レス・オンネット・低コスト・省資源・省エネルギー」を進化させ、生活者のニーズ・CS(顧客満足度)に100%対応しつつ、ムダ・ロスのゼロを実現する21世紀型ビジネスモデルの完成を目指します。1)DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、当社独自のデジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」とSCM(サプライチェーン・マネジメント)システムをさらにレベルアップさせ、ビジネスモデルの基盤を強化。2)パーソナルオーダーシステム「Viscotecs make your brand®」の販売拡大に向け、バーチャル試着など利便性を高めたシステムやコンテンツを改良。在庫レス小売を目指した新しいビジネスモデルによるSPA事業を拡大するとともに、BtoBビジネスにおいても、同システムの事業を展開。3)原糸製造から縫製までの「一貫生産体制」を活用し、製品化・部品化の拡大及びBtoCビジネスの拡大。4)AIやロボットを活用した生産工場のスマートファクトリー化による業務効率化・生産性向上推進。② 非衣料・非繊維化繊維技術をコアとして、そこから派生する繊維加工技術、応用化学、機械工学、ITを活用し、「次世代車種シート材」「一貫生産エアバッグ」「炭素繊維」「人工衛星」「半導体」「エレクトロニクス素材」「環境・メディカル」「非繊維ビスコテックス」の8つの成長分野の事業を拡大してまいります。 1)車輌内装材向けの高級感と優れた機能性を備えた“本革を超えた新素材”「クオーレ®」の拡販及びファッション、産業資材分野等における新規用途開拓。さらなる快適機能や高耐久性能の付加、非繊維ビスコテックスとの融合による高付加価値品の開発と拡販。2)エアバッグ向けPET素材の拡販及び糸からの一貫生産による事業拡大。 3)炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の生産性と物理特性を変える新型プリプレグ「セレカーボ®」の用途開発と拡販。4)人工衛星及び人工衛星部品の開発・製造・販売等、宇宙関連分野の事業拡大。5)セーレンKST㈱の独自技術である、厚膜熱酸化膜付ウェーハや各種SOIウェーハの拡販。6)柔軟性、伸縮性、耐屈曲性に優れた導電性ファブリック「メタフレックス®」の用途開発と市場拡大及び拡販。7)KBセーレン㈱のエンプラ繊維である、LCP繊維「ゼクシオン®」及びPPS繊維「グラディオ®」の用途開発と市場開拓及び拡販。8)シルクたんぱく質「セリシン」をベースにした当社オリジナル化粧品「コモエース®」シリーズやヘルスケア商品の拡販、及びセリシンの優れた機能である保湿、美白、酵素安定、細胞保護、抗酸化機能などを応用した医療分野などへの参入・拡販。9)瞬間消臭機能を備えた「デオエスト®」(用途:アンダーウエア)、「イノドールクイック瞬感消臭®」シリーズ(用途:ブランケット、シーツ、介護商品など)の拡販。10)ビスコテックスによる非繊維材料(金属、陶器、樹脂、ガラス、コンクリートなど)に対する加飾ビジネスの顧客開拓及び拡販。(用途:車輌用インストルメントパネル、外壁資材など)③ グローバル化世界経済の動向や米国関税政策など、国際的な市場環境の変化を注視し、柔軟かつ迅速な対応を行ってまいります。また、少子高齢化による人口減少、国内市場縮小が見込まれるなか、今後さらなる経済成長が期待される新興国市場での収益拡大を図るとともに、グローバルでの最適地生産・最適地仕入等、グループ経営の強化を進めてまいります。1)海外生産能力増強による車輌資材事業の世界シェア拡大。SEIREN Hungary Kft.(ハンガリー)を拠点に、環境意識の高い欧州における合成皮革の車輌シート材の拡販。 2)上海を拠点とする世聯美仕生活用品(上海)有限公司(中国)によるセーレングループ差別化商材の拡販。④ 企業体質の改革1)意識改革A)仕事の目的を理解し、その目的を完遂するための役割と責任の明確化。B)企業理念「のびのび いきいき ぴちぴち」「五ゲン主義(原理・原則・現場・現物・現実)」の徹底。仕組みとしての「整流」「見える化」「見つけましたね運動」「革命的VA活動」等の浸透・定着。2)研究開発力の強化技術開発、設備開発、ソフト開発などへの積極的な投資と環境づくり。3)資本効率の向上と収益力の強化PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本当期純利益率)、PER(株価収益率)などの向上。4)グループ連結経営の強化グループ企業価値を最大化すべく、グローバル本社体制による、グループ企業のガバナンス強化。グループ各社の役割・責任を明確にし、効率的で最適な企業統治システムを構築するとともに、各社の事業の見直し・選択と集中を行う。 5)本社改革スピード経営のための仕組みやシステムの構築、会長・社長スタッフとしての役割機能強化。 6)人材の育成・確保、雇用安定21世紀型の高付加価値新規事業の創出やグローバル事業の拡大にあたり不足する新たなニーズにマッチングする人材の育成及び確保。中期戦略を見据えた、グループ全体の人員戦略見直しと、ローテーションや人材育成を含めた適切な施策実施。 7)サステナビリティへの取り組みA)省エネルギー活動及び環境対応型製品の開発に取り組むことにより、ロス・ムダの削減、リサイクルの推進、環境負荷の低減を図る。B)「21世紀型企業への変革」を進めるためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、活力溢れることが不可欠との考えのもと、健康経営に取り組む。C)会社法、金融商品取引法に基づいたコーポレート・ガバナンスや内部統制システムを構築・推進し、企業統治や企業活動の透明性を高める。 以上、今後も“変えよう、変わろう”を合言葉に、改革の手を緩めることなくこれらの課題を着実に具現化し、「生活価値創造企業」を目指して邁進していきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「21世紀のグッドカンパニー」の実現を目指し、株主・取引先・社員・地域社会の皆様方から高い信頼を得られる企業経営を基本方針としております。この方針のもと、株主、お客様の視点に立ち、「五ゲン主義(原理・原則・現場・現物・現実)」活動を共通の意識として、企業構造の革新と企業体質の改革に積極的に取り組んでおります。また「のびのび いきいき ぴちぴち」の経営理念のもと、社員一人ひとりが自主性・責任感・使命感を持ち、不条理・矛盾を許さないフェア精神とコンプライアンス精神とを持って企業活動を行っております。これらを確実に推進することによって、より高い付加価値の創造と企業価値の向上、さらには企業の社会的責任を果たすことにつながるものと考えております。(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題等経済社会活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなかで、景気は緩やかな回復基調となったものの、エネルギー及び原材料価格の高騰や急激な為替の変動に加え、米国の経済政策の動向や地政学リスクの高まり等により、依然として先行き不透明な状況が続き、経営環境については一層の注視が必要です。セーレングループは、変化し続ける経営環境においても、常にお客様のニーズに応え、かつ安定した収益確保と継続的な企業成長を果たすため、当社グループの企業文化である「五ゲン主義」に立ち返り、「個々の役割と責任のもと、一人ひとりが付加価値を創り出す」という原理に基づき仕事を行ってまいります。 その基本戦略は下記の4点であります。①「IT化・ビジネスモデル転換」・・ITを活用し、新しいビジネスモデルを構築②「非衣料・非繊維化」・・・・・オンリーワン技術の活用による新規事業の創出③「グローバル化」・・・・・・・地球規模での事業展開④「企業体質の改革」・・・・・・のびのび いきいき ぴちぴちで、強い企業体質へ これら4つの基本戦略の制定から今日に至るまで、幾たびの経済環境や社会構造、そして流通構造の激しい変化がありました。それらを越えた今、得られた成果を評価すると、この基本戦略は、いつの時代においても将来を見据えた確かな戦略であったと確信しております。次の新たな飛躍を目指し、「素材から製品化、BtoBからBtoC」を中期事業戦略におき、従来よりも付加価値の高い流通ポジションにおける販売事業拡大を進め、高収益モデルへの転換に取り組んでまいります。① IT化・ビジネスモデル転換企画・製造・販売の「流通一貫機能」と原糸製造から縫製までの「一貫生産体制」による「小ロット・短納期・在庫レス・オンネット・低コスト・省資源・省エネルギー」を進化させ、生活者のニーズ・CS(顧客満足度)に100%対応しつつ、ムダ・ロスのゼロを実現する21世紀型ビジネスモデルの完成を目指します。1)DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、当社独自のデジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」とSCM(サプライチェーン・マネジメント)システムをさらにレベルアップさせ、ビジネスモデルの基盤を強化。2)パーソナルオーダーシステム「Viscotecs make your brand®」の販売拡大に向け、バーチャル試着など利便性を高めたシステムやコンテンツを改良。在庫レス小売を目指した新しいビジネスモデルによるSPA事業を拡大するとともに、BtoBビジネスにおいても、同システムの事業を展開。3)原糸製造から縫製までの「一貫生産体制」を活用し、製品化・部品化の拡大及びBtoCビジネスの拡大。4)AIやロボットを活用した生産工場のスマートファクトリー化による業務効率化・生産性向上推進。② 非衣料・非繊維化繊維技術をコアとして、そこから派生する繊維加工技術、応用化学、機械工学、ITを活用し、「次世代車種シート材」「一貫生産エアバッグ」「炭素繊維」「人工衛星」「半導体」「エレクトロニクス素材」「環境・メディカル」「非繊維ビスコテックス」の8つの成長分野の事業を拡大してまいります。 1)車輌内装材向けの高級感と優れた機能性を備えた“本革を超えた新素材”「クオーレ®」の拡販及びファッション、産業資材分野等における新規用途開拓。さらなる快適機能や高耐久性能の付加、非繊維ビスコテックスとの融合による高付加価値品の開発と拡販。2)エアバッグ向けPET素材の拡販及び糸からの一貫生産による事業拡大。 3)炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の生産性と物理特性を変える新型プリプレグ「セレカーボ®」の用途開発と拡販。4)人工衛星及び人工衛星部品の開発・製造・販売等、宇宙関連分野の事業拡大。5)セーレンKST㈱の独自技術である、厚膜熱酸化膜付ウェーハや各種SOIウェーハの拡販。6)柔軟性、伸縮性、耐屈曲性に優れた導電性ファブリック「メタフレックス®」の用途開発と市場拡大及び拡販。7)KBセーレン㈱のエンプラ繊維である、LCP繊維「ゼクシオン®」及びPPS繊維「グラディオ®」の用途開発と市場開拓及び拡販。8)シルクたんぱく質「セリシン」をベースにした当社オリジナル化粧品「コモエース®」シリーズやヘルスケア商品の拡販、及びセリシンの優れた機能である保湿、美白、酵素安定、細胞保護、抗酸化機能などを応用した医療分野などへの参入・拡販。9)瞬間消臭機能を備えた「デオエスト®」(用途:アンダーウエア)、「イノドールクイック瞬感消臭®」シリーズ(用途:ブランケット、シーツ、介護商品など)の拡販。10)ビスコテックスによる非繊維材料(金属、陶器、樹脂、ガラス、コンクリートなど)に対する加飾ビジネスの顧客開拓及び拡販。(用途:車輌用インストルメントパネル、外壁資材など)③ グローバル化世界経済の動向や米国関税政策など、国際的な市場環境の変化を注視し、柔軟かつ迅速な対応を行ってまいります。また、少子高齢化による人口減少、国内市場縮小が見込まれるなか、今後さらなる経済成長が期待される新興国市場での収益拡大を図るとともに、グローバルでの最適地生産・最適地仕入等、グループ経営の強化を進めてまいります。1)海外生産能力増強による車輌資材事業の世界シェア拡大。SEIREN Hungary Kft.(ハンガリー)を拠点に、環境意識の高い欧州における合成皮革の車輌シート材の拡販。 2)上海を拠点とする世聯美仕生活用品(上海)有限公司(中国)によるセーレングループ差別化商材の拡販。④ 企業体質の改革1)意識改革A)仕事の目的を理解し、その目的を完遂するための役割と責任の明確化。B)企業理念「のびのび いきいき ぴちぴち」「五ゲン主義(原理・原則・現場・現物・現実)」の徹底。仕組みとしての「整流」「見える化」「見つけましたね運動」「革命的VA活動」等の浸透・定着。2)研究開発力の強化技術開発、設備開発、ソフト開発などへの積極的な投資と環境づくり。3)資本効率の向上と収益力の強化PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本当期純利益率)、PER(株価収益率)などの向上。4)グループ連結経営の強化グループ企業価値を最大化すべく、グローバル本社体制による、グループ企業のガバナンス強化。グループ各社の役割・責任を明確にし、効率的で最適な企業統治システムを構築するとともに、各社の事業の見直し・選択と集中を行う。 5)本社改革スピード経営のための仕組みやシステムの構築、会長・社長スタッフとしての役割機能強化。 6)人材の育成・確保、雇用安定21世紀型の高付加価値新規事業の創出やグローバル事業の拡大にあたり不足する新たなニーズにマッチングする人材の育成及び確保。中期戦略を見据えた、グループ全体の人員戦略見直しと、ローテーションや人材育成を含めた適切な施策実施。 7)サステナビリティへの取り組みA)省エネルギー活動及び環境対応型製品の開発に取り組むことにより、ロス・ムダの削減、リサイクルの推進、環境負荷の低減を図る。B)「21世紀型企業への変革」を進めるためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、活力溢れることが不可欠との考えのもと、健康経営に取り組む。C)会社法、金融商品取引法に基づいたコーポレート・ガバナンスや内部統制システムを構築・推進し、企業統治や企業活動の透明性を高める。 以上、今後も“変えよう、変わろう”を合言葉に、改革の手を緩めることなくこれらの課題を着実に具現化し、「生活価値創造企業」を目指して邁進していきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況経済社会活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなかで、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、エネルギー及び原材料価格の高騰や急激な為替の変動に加え、米国の経済政策の動向や地政学リスクの高まり等により、依然として先行き不透明な状況となりました。このような厳しい経営環境においても、当社グループは、中期方針「未知の可能性への挑戦!」に基づき、変化し続けるお客様ニーズに応え、安定した収益確保と継続的な成長を果たすため、“イノベーションと顧客開発”及び“企業体質の再建”を柱とした事業戦略を推進しております。併せて、企業の潜在力である人材力、開発力、環境対応力を高める経営を継続し、企業体質の強化に取り組んでおります。当連結会計年度の連結業績は、売上高1,596億53百万円(前連結会計年度比12.5%増)、営業利益178億65百万円(同27.0%増)、経常利益192億77百万円(同18.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益138億87百万円(同14.2%増)となりました。売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を更新しました。当連結会計年度のセグメントの概況は、次のとおりであります。(車輌資材事業)国内事業は、国内自動車メーカーの生産停止の影響を受け、受注が減少しました。原材料、輸送費等の高騰やカーボンニュートラル実現に向けて導入したバイオマスボイラ―の償却費増等の影響があったものの、高付加価値商品が伸張するなど商品構成の変化があり、減収・増益となりました。海外事業(2024年1~12月)では、北米及び東南アジアにおいて、ファブリック及び合皮によるカーシート表皮、並びにエアバッグの売上が増加しました。また、各拠点における品質改善や経費削減活動が功を奏し、増収・増益となりました。その結果、車輌資材事業全体では、増収・増益となりました。当事業の売上高は1,098億16百万円(前連結会計年度比16.9%増)、営業利益は139億54百万円(同30.3%増)となりました。(ハイファッション事業)アパレル業界において環境に配慮したモノづくりへの関心が高まるなか、当社は差別化商品を小ロット・短納期・在庫レスで製造する独自の「Viscotecs®」を活用したビジネスモデルの展開に加え、リサイクル素材や生分解性素材の開発・製造を進めております。アウトドアを含むアウター素材やインナー素材が好調に推移しました。KBセーレン㈱においては、不採算商品の販売縮小により売上は減少したものの、販売価格の見直しにより増益となりました。その結果、ハイファッション事業全体では増収・増益となりました。当事業の売上高は219億11百万円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益は15億44百万円(同54.9%増)となりました。(エレクトロニクス事業)ゲーム機やモバイル端末向け新規商材及び車載モニター用の商材が順調に推移しましたが、人工衛星事業がロケット打ち上げ計画変更に伴う納入延期の影響を受けたことにより、単体では増収・減益となりました。その他、KBセーレン㈱においては、エンプラ繊維「ゼクシオン」が伸び悩んだ一方、生成AIデータセンター向けHDDワイピングクロス「ザヴィーナ」の需要が回復し、セーレンKST㈱においてはシリコンウェーハの酸化膜加工やSOIウェーハが順調に推移しました。その結果、エレクトロニクス事業全体では増収・増益となりました。当事業の売上高は106億96百万円(前連結会計年度比8.0%増)、営業利益は18億29百万円(同18.1%増)となりました。(環境・生活資材事業)スエード調素材や、病院・介護施設向けベッド商材の売上が順調に推移したものの、高付加価値商材が伸び悩みました。KBセーレン㈱においては、民生資材が一部客先の在庫調整の影響を受け、伸び悩みました。その結果、環境・生活資材事業全体では増収・減益となりました。当事業の売上高は97億14百万円(前連結会計年度比1.9%増)、営業利益は8億75百万円(同7.4%減)となりました。(メディカル事業)化粧品及び人工血管基材が順調に推移したものの、衛生ケミカル製品が一部客先の在庫調整の影響を受け、伸び悩みました。KBセーレン㈱においては、貼付材の売上が減少したとともに、逆浸透膜スペーサー向け「ベルカップル」と絆創膏用途の「エスパンシオーネ」が一部客先の在庫調整の影響を受けました。その結果、メディカル事業全体としては減収・減益となりました。当事業の売上高は67億86百万円(前連結会計年度比9.0%減)、営業利益は6億90百万円(同22.1%減)となりました。(その他の事業)㈱ナゴヤセーレンの不動産賃貸管理事業やセーレン商事㈱の保険代理業は堅調に推移しました。当事業の売上高は7億27百万円(前連結会計年度比16.0%減)、営業利益は5億17百万円(同11.1%増)となりました。 ② 財政状態(資産の部) 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して117億65百万円増加の1,992億23百万円となりました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産や有価証券の増加等により、前連結会計年度末と比較して99億80百万円の増加となりました。固定資産は、投資有価証券の増加に加え、設備投資や、海外子会社の財務諸表の換算レートが円安になったことにより有形固定資産が増加し、前連結会計年度末と比較して17億84百万円の増加となりました。(負債の部)負債の部は、支払手形及び買掛金などが増加した一方で、新株予約権付社債の転換が進んだことにより全体で74億28百万円減少し、553億40百万円となりました。(純資産の部)純資産は、為替換算調整勘定の変動や利益剰余金の増加のほか、新株予約権付社債の転換に自己株式を交付したことなどにより、全体で191億93百万円増加し、1,438億82百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フローの状況につきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は403億17百万円となり、前連結会計年度末より27億71百万円増加しました。「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、205億38百万円の収入(前連結会計年度は134億89百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益193億5百万円があったことによるものです。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、118億10百万円の支出(前連結会計年度は52億79百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出56億62百万円や有価証券及び投資有価証券の取得による支出71億32百万円があったことによるものです。「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、78億2百万円の支出(前連結会計年度は70億48百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出59億84百万円や配当金の支払いによる支出34億54百万円があったことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)車輌資材53,82416.3ハイファッション12,8484.7エレクトロニクス6,82310.5環境・生活資材2,6257.7メディカル3,498△17.8合計79,62111.5 (注) 1. 当社企業集団の各事業は、素材の支給を受けて委託加工を行う事業と素材を仕入れて加工を行い販売する事業から成り、各々の加工高を生産実績としております。2. セグメント間の取引については、内部振替前の数値によっております。 b. 受注状況当社及び連結子会社は、受注生産形態をとらない製品が多いため、セグメントごとに受注状況は記載しておりません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)車輌資材109,81616.9ハイファッション21,9118.2エレクトロニクス10,6968.0環境・生活資材9,7141.9メディカル6,786△9.0その他727△16.0合計159,65312.5 (注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。2. 相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える相手先がいないため、主な相手先に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載は省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 経営成績の分析(売上高と営業利益)当連結会計年度の売上高と営業利益の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要① 経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上高原価率は72.4%と前連結会計年度比0.6ポイントの低下、また、売上高営業利益率は11.2%と前連結会計年度比1.3ポイントの上昇となりました。 (営業外損益と経常利益)当連結会計年度の営業外損益は14億11百万円の利益となり、前連結会計年度の21億46百万円の利益から7億34百万円の減少となりました。これは、受取利息が4億70百万円 増加した一方で、為替差益が4億92百万円減少したことや有価証券評価損が6億28百万円発生したことなどによります。この結果、経常利益は192億77百万円と、前連結会計年度比30億63百万円(18.9%)の増益となりました。 (特別損益)当連結会計年度の特別損益は28百万円の利益となり、前連結会計年度の2億3百万円の利益から1億74百万円の減少となりました。これは、固定資産処分益が47百万円増加した一方で、助成金収入が2億41百万円減少したことなどによるものです。 (親会社株主に帰属する当期純利益)経常利益の192億77百万円に特別損益の利益28百万円を加えた結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は193億5百万円となりました。ここから税金費用53億40百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益77百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は138億87百万円となり、前連結会計年度比17億31百万円(14.2%)の増益となりました。この結果、1株当たり当期純利益は242円29銭となり、前連結会計年度の226円53銭から15円76銭増加しました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当連結会計年度のフリー・キャッシュフローは87億27百万円となりました。 b.資本の財源及び資金の流動性係る情報当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、海外子会社を中心とした生産能力増強やエネルギー転換などの環境対応のための設備投資であります。当社グループは、事業の拡大や新規事業構築のための戦略的設備投資、グローバル化投資、研究開発投資及びM&A等に資金を機動的に活用するとともに、リスクを許容できる十分な株主資本の水準を保持することを基本方針としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるとともに、不足分については、基本的に銀行借り入れによる調達を実施しております。なお、キャッシュ・フロー等に関する主要指標の推移は、下記のとおりであります。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)55.058.262.366.071.7時価ベースの自己資本比率(%)72.176.874.481.472.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.73.12.01.40.5インタレスト・カバレッジ・レシオ260.1310.9340.4146.774.7 (注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い    1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。 2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しています。3. 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、短期借入金、長期借入金及び新株予約権付社債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しています。 ④ 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの会計方針のうち、見積り等の重要性が高いものは以下のとおりです。 (固定資産及びのれんの減損会計における将来キャッシュ・フロー)固定資産及びのれんのうち減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、固定資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。この回収可能価額については、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローによる見積りに依存するため、経営環境の変化等によりその見積り額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。なお、減損会計に係る会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (繰延税金資産の回収可能性)将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を評価した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績及び事業計画等に基づいて見積っておりますが、税制改正や経営環境の変化等によりその見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載のとおりです。 ⑤ 目標とする経営指標の達成状況等当社及び当社グループは、グループトータルの企業価値を最大にするための連結経営を基本としております。その目標とする連結経営指標は、売上高営業利益率10%以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目標としております。さらには、ROA(総資産事業利益率)、自己資本比率、キャッシュ・フローなどを念頭に、企業価値を高めるための経営を行ってまいります。なお、当連結会計年度の連結売上高営業利益率は11.2%(前連結会計年度9.9%)、ROEは10.4%(同10.7%)となりました。

事業リスク

  • 海外事業活動のリスク
    米国、中国、タイなど多くの国で事業を展開しており、各国の法制度や税制の変更、政治・経済情勢の変動といったカントリーリスクに直面する可能性があります。これらの予期せぬ変化は、グループ全体の業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替相場の変動リスク
    グローバルに事業を展開しているため、現地通貨建ての財務諸表を円換算する際の為替レートの変動が、グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。また、為替変動は製品の価格競争力や原材料の仕入れコストにも影響を及ぼす可能性があります。
  • エネルギー・原材料価格の変動
    原油・ガス・電気を主要なエネルギー源とし、石油化学製品を原材料とする製品が多いため、エネルギー価格や原材料価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。特に電気料金の上昇や原油価格の高騰は、製造コスト増加に直結するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,694 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあり、いずれも関連する当社事業グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。なお、文中における将来に関するリスクは、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 海外活動に潜在するリスクについて当社グループは、グローバル化に対応するため、海外(米国、ブラジル、タイ、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ハンガリー)に子会社を設立し製造・販売活動を行っておりますが、これらの地域・国において、各国の法制や税制の変更、政治的・社会的・経済的状況の変化に伴う様々なカントリーリスクが内在しています。グループ内や外部機関などを通じた情報収集を行い、その予防・回避に努めておりますが、当社の予想を超える範囲でこれらの事象が生じる可能性があります。(2) 為替相場の変動について当社グループは、グローバルに事業を展開しており、各地域における現地通貨建て財務諸表の各項目は、円換算時の為替レートの変動により、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、為替レートの変動は製品の相対的な価格や、仕入コストに影響を与える可能性があります。これに対し当社グループでは、グローバルに生産拠点を配置し、最適地生産・最適地仕入を行うなど、このリスクを軽減するよう努めております。(3) エネルギー・原材料価格の変動リスクについて当社グループは、エネルギー源として、主に原油・ガス・電気を使用しておりますが、再生可能エネルギー発電促進賦課金の上昇や電力調達コスト増加に伴い電気料金の価格が上昇すると、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの製品は、石油化学製品を原材料にしているものが多く、その仕入価格が原油価格の変動の影響を大きく受ける可能性があります。これらのリスクに対し当社グループでは、エネルギー転換や合理化投資を進めるとともに、企画・製造・販売の機能連携により徹底した原価低減に取り組んでおります。(4) 急速な技術革新について当社グループの各事業分野において新しい技術が急速に発展しております。特にエレクトロニクスなどの分野においては技術革新の速度は顕著であり、これらに対して競争力を維持するため迅速かつ優れた費用対効果による研究開発や製造・販売のための施策を講じています。しかし、最大限の注意・努力を払って施策を講じたとしても、全てが必ず成功する保証はなく、これらが予定どおり進展しなかった場合は、競争力を保てない可能性があります。(5) 訴訟などについて法令の遵守や知的財産侵害の防止については、専門部署などで万全のチェック体制をとっていますが、最大限のチェックを行ったとしても解釈の相違などにより訴えられる可能性があり、その場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(6) 事故・災害・感染症等について当社グループは、事故・災害等の未然防止に向けて、安全衛生対策、防災教育、防災訓練、防火設備点検等の事故・災害拡大防止対策を積極的に推進しています。しかしながら、大規模事故や地震・洪水・台風・感染症の流行等の大規模災害が発生した場合、生産能力への影響やサプライチェーンの機能不全等により、事業活動が遅延または中断する可能性があります。(7)製造物責任について当社グループは、品質管理には万全を期しておりますが、予期し得ない重大な品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。そうした事態に備えるため保険にも加入しておりますが、万が一、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が発生した場合、当社グループの評価に重大な影響を与え、多額の追加コストが発生し、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。(8)情報管理について当社グループは、BtoC事業など様々な事業活動を通じ、個人情報をはじめとする多数の重要な機密情報を取り扱います。これらの情報については、社内規程に基づく運用管理、システムの整備やセキュリティソフトの導入を行い、情報システム等に対する徹底した従業員教育により対策を講じておりますが、不測の事故による情報流出が発生した場合は、当社グループの評価に重大な影響を与え、損害賠償などの費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。(9) 人材確保について少子高齢化に伴い労働力人口が減少するなか、21世紀型の高付加価値新規事業の創出やグローバル事業の拡大を重点的に推し進めるうえで、新たなニーズにマッチングする人材の不足が懸念されます。専門性を有した人材の確保、育成ができない場合、当社グループの競争力の低下や、事業活動が停滞するなど悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、新卒採用に加え積極的なキャリア採用に取り組んでおり、社外のあらゆるチャネルを活用するとともに、社内における挑戦マインドを刺激し、多様な人材確保を進めてまいります。なお、人材の育成及び社内環境整備に関する方針については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。(10) 人権についてサプライチェーンを含む人権課題に対する対応が不十分である場合、顧客との取引の停止や会社に対する社会的信頼の喪失につながり、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。セーレングループでは、国内外の関係法令や社会規範を遵守するのはもちろんのこと、基本的人権に配慮した形での企業活動に取り組んでいます。また、取引先に対してもESGに関する調査を実施し、人権・労働に関する問題がないか確認を行っております。(11) 気候変動について気候変動に関する制度変更等に対する取組みが不十分である場合、会社に対する社会的信頼の喪失につながり、当社グループの業績及び財政状態に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、地球環境保全と持続可能な循環型社会の実現に向けた取り組みは、企業に課せられた重要な経営課題の一つと認識し、省エネルギー活動や環境対応型製品の開発に取り組むことにより、ロス・ムダの削減、リサイクルの推進、環境負荷の低減を図っております。

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