事業の概要
- 店舗転貸借事業イノベーションホールディングスは、不動産オーナーから店舗物件を借り上げ、それを飲食店などの店舗出店者に転貸する事業が主力です。これにより、不動産オーナーは安定した賃料収入と物件管理の手間軽減、店舗出店者は初期費用を抑えた居抜き物件の利用といったメリットを享受できます。同社は、賃料収入を継続的に得る「ランニング収益」と、礼金や造作売却益などの一時的な「イニシャル収益」で稼いでいます。
- 不動産売買事業子会社のアセットイノベーションを通じて、店舗不動産の仕入れと販売も行っています。これは、取引先の不動産売買ニーズに応えつつ、不動産業者との関係を強化する目的があります。この事業からの収益は、販売用不動産の売却によって計上されます。
- 店舗家賃保証事業子会社のセーフティーイノベーションが、店舗出店者向けの家賃保証事業を展開しています。これは、店舗出店者が家賃を支払えなくなった際に、代わりに貸主へ家賃を支払うサービスで、保証料を収益としています。この事業は、主力である店舗転貸借事業の報告セグメントに含まれています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 店舗転貸借事業この事業は、不動産オーナーから借りた店舗物件を、飲食店などの店舗出店者に転貸することで収益を得ています。売上高は151億6,238万円、営業利益は12億3,824万円と、同社の主要な稼ぎ頭であり、安定した賃料収入が特徴です。
- 不動産売買事業この事業では、店舗不動産の仕入れと販売を行っています。取引先の不動産売買ニーズに応えながら、不動産業者との関係を強化しています。売上高は14億9,704万円、営業利益は1億4,336万円であり、店舗転貸借事業に次ぐ収益源となっています。
- 店舗家賃保証事業店舗出店者が家賃を支払えなくなった際に、代わりに貸主へ家賃を支払う保証サービスを提供しています。この事業は、店舗転貸借事業のセグメントに含まれており、保証料を収益としています。具体的な売上高や利益は店舗転貸借事業に合算されています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| StoreSubleaseBusiness | 地域 | 152 | 12 | 8.2% |
| RealEstateTradingBusiness | 地域 | 15 | 1 | 9.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社3社により構成されており、「貢献創造~挑戦と進化~」を企業理念に掲げ、東京を中心に飲食店等の店舗物件に特化した店舗転貸借事業及び不動産売買事業を展開しております。当社子会社である株式会社テンポイノベーションが営む店舗転貸借事業は、株式会社テンポイノベーションが不動産オーナーから賃借した店舗物件を店舗出店者に転貸する事業であります。当社グループでは、店舗転貸借事業の展開により、店舗物件に係る不動産オーナー、不動産業者、店舗出店者、店舗撤退者という多くの方々にメリットを提供できると考えております。また、当社子会社である株式会社アセットイノベーションが営む不動産売買事業では、取引先における不動産売買のニーズに応えつつ、不動産業者とのリレーションシップを強化すべく、店舗不動産の仕入れ販売を行っております。なお、当社子会社である株式会社セーフティーイノベーションが営む店舗家賃保証事業(店舗出店者等の事業用不動産の借主と締結した保証委託契約に基づき、借主が貸主に対して家賃等を支払えなくなった際に、借主に代わり、貸主に対し家賃を支払う対価として、保証料を受け取る事業)は、報告セグメントの店舗転貸借事業に含めております。 ・不動産オーナー株式会社テンポイノベーションが店舗物件を賃借することで、不動産オーナーは負担となることの多い賃料回収業務が不要となり、賃貸料収入が安定すると考えられます。また、店舗出店者の管理について、店舗の専門家である株式会社テンポイノベーションに任せることができ、飲食事業者等との各種交渉に対応する煩わしさからも解放されると考えられます。株式会社テンポイノベーションでは、店舗物件を自ら借り受け、貸し出す当事者として携わってきた経験から、漏水・臭気や物件の使用方法等店舗物件の賃借にかかわるトラブルの発生件数を減らし、深刻化を防ぐノウハウを所持しており、これらを日々実践することで、不動産オーナーに対して安心・安全の実現を目指しております。・不動産業者不動産業者は、株式会社テンポイノベーションを店舗物件の専門家である借り手として、不動産オーナーに紹介することができます。また、広く行われている不動産オーナーと出店希望者を仲介する取引と比べ、株式会社テンポイノベーションに店舗物件を紹介した場合、紹介した店舗物件に対し、さらに出店希望者を仲介することで収益獲得機会を増やすことができ、仲介手数料を収益の源泉とする不動産会社にとってはメリットとなると考えております。・店舗出店者株式会社テンポイノベーションが紹介する店舗物件は、転貸借契約を前提としており、専門の部署による調査を経た賃借需要が見込まれる物件に限られている点、また、出店費用を抑えることができる居抜き物件(これまで利用していた造作・設備・什器等が付いたままの物件)を多く扱っている点が特徴であります。これらは特に専門の店舗開発部署を持たない小規模・中規模の事業者において株式会社テンポイノベーションを選ぶメリットとなっていると考えております。・店舗撤退者店舗撤退者においては、株式会社テンポイノベーションが居抜きのままで物件を引き受けることで、原状回復工事費等のコストを削減し、造作代金を受領する等により閉店コストを削減できるメリットがあると考えております。併せて、閉店に伴う煩雑な業務の負担を軽減することができると考えております。 当社グループの事業は店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)と不動産売買事業であり、収益の計上区分により、収益が継続して計上されるランニングと一時的に計上されるイニシャル、店舗家賃保証及び不動産売買に区分され、その主な内容は以下のとおりであります。①ランニングランニングは、転貸借物件(当社が賃借した店舗物件のうち、店舗出店者と転貸借契約を締結している物件)において、店舗出店者より受領する賃料であり、継続的(通常は毎月)に計上される収益であります。また、転貸借契約の更新時に受領する更新料についても、更新毎に継続的に計上されるものであり、ランニングとなります。②イニシャルイニシャルは、賃借物件を店舗出店者に転貸した際に受領する礼金等の手数料であり、ランニングと異なり、一時的に計上される収益であります。また、居抜き物件(これまで利用していた造作・設備・什器等が付いたままの物件)における造作等の店舗出店者への売却等についても、一時的に計上される収益であり、イニシャルとなります。 ③店舗家賃保証店舗家賃保証は、保証委託契約に基づき、店舗出店者等から当社子会社である株式会社セーフティーイノベーションに保証料が支払われることにより計上される収益であります。④不動産売買不動産売買は、販売用不動産の売却等により計上される収益であります。 店舗転貸借事業での一般的な案件における業務の流れは、以下のとおりであります。a.店舗物件賃借駅別に専任した営業担当者による不動産業者への営業活動、提携先・既存出店先からの紹介等を通じて、また、店舗の買取に特化したWEBサイト「店舗買取り.com」による店舗撤退を検討している先からの直接の申し出を受けて、店舗物件の情報を収集し、株式会社テンポイノベーションにて取扱う物件の調査を進めていきます。物件の目利きについては、店舗物件を取扱ってきた経験やその後の検証・分析により、ノウハウを蓄積しております。また、各物件の調査においても、物件管理担当者の経験や専門知識により培われたノウハウに基づき行われており、物件の取扱いを支えております。物件調査の後、取扱候補物件の貸主もしくは不動産業者との交渉を経て、賃貸借契約の内容を擦り合わせ、保証金等の契約金を支払い、不動産オーナーと株式会社テンポイノベーションとの間で賃貸借契約を締結します。b.店舗物件転貸株式会社テンポイノベーションが賃貸借契約を締結した店舗物件については、不動産業者による仲介や当社グループのWEBサイト「居抜き店舗.com」の会員への紹介等により出店希望者を募ります。「居抜き店舗.com」は、居抜き店舗物件を中心に店舗物件の情報を会員向けに提供し、出店希望者が物件を探索することができる仕組みであります。当該サイトでは、日々入手する物件情報をスピーディに掲載・更新することにより情報の価値を高めております。2025年3月末における当該サイトの会員数は107,544名となっており、出店希望者とのマッチングを実現する株式会社テンポイノベーションの強みの一つとなっております。加えて、株式会社テンポイノベーションからの営業活動も行うことで、幅広い層の店舗出店希望者に対するアプローチを実現しております。店舗出店希望者より物件に対する申込みを受領した後、株式会社テンポイノベーションの与信審査を経て転貸借契約の内容を擦り合わせ、保証金等の契約金を受領し株式会社テンポイノベーションと店舗出店希望者との間で転貸借契約を締結します。また、家賃滞納への対応として、店舗出店者と株式会社セーフティーイノベーションは保証委託契約を締結し、株式会社セーフティーイノベーションは店舗出店者より保証料を受領します。c.物件管理物件管理業務では、不動産オーナーや物件管理会社を悩ませる賃料回収やトラブル対応といった問題に対し、株式会社テンポイノベーションではこれまで培ってきたノウハウを活かして、オペレーションの構築を図っております。さらにトラブルを未然に防ぐ、または早期に発見・対処するために、物件のチェックや情報の収集、店舗出店者等との関係性の構築に努めております。なお、株式会社テンポイノベーションでは、管理物件数が増加していく中で、管理の質を落とさずに対応し続ける組織を構築・強化することが重要であると認識しております。これに対し、株式会社テンポイノベーションでは、日々の活きた経験を基に、店舗物件のプロフェッショナルの育成に注力しており、株式会社テンポイノベーションの強みとなっております。また、毎月、各期日までに賃料等の回収が確実に行われるよう、管理指標を設け取り組んでおります。また、不動産売買事業での一般的な案件における業務の流れは、以下のとおりであります。a.不動産の仕入株式会社アセットイノベーションにおいて、不動産業者や不動産オーナーからの情報提供等により、候補となる店舗物件の情報を収集し、物件の調査を進めていきます。取り扱い物件は、市場性の高い都心の中小型物件を主要な対象としておりますが、土地を購入又は借りた後に小型ビルを建築する場合もあります。対象物件の検討については、店舗転貸借事業により積み重ねてきた経験やノウハウを活かしつつ、保有リスクや転貸借事業への影響等を検討のうえ、行っております。対象物件の売主もしくは不動産業者との交渉を経て、売買契約の内容を擦り合わせ、手付金等の契約金を支払い、売主と株式会社アセットイノベーションとの間で売買契約を締結します。その後、売買契約に基づき、残代金の決済とともに株式会社アセットイノベーションに所有権を移転します。b.不動産の売却株式会社アセットイノベーションにおいて、主に不動産業者経由で購入希望者を募り、相手方との間で売買条件の交渉を行います。契約条件が擦り合ったのち、手付金を受領し、買主と株式会社アセットイノベーションとの間で売買契約を締結します。その後、売買契約に基づき、残代金の受領とともに株式会社アセットイノベーションから買主へ所有権を移転します。 [事業系統図]・店舗転貸借事業 ・不動産売買事業 ※当社は持株会社としてグループの経営管理を行っております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 物件仕入れルートの構築の難易度が高いことや、人的な先行投資が必要。 |
|---|---|
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:事業環境に関わるリスク / 親会社グループとの関係 / 競合
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
イノベーションホールディングス(証券コード 3484)の財務データは主要TOPIX企業以外は未収録であり、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は確認できない。不動産業界全体としても、無形資産による明確な競争優位性は限定的である。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
不動産賃貸事業においては、入居者と管理会社間の契約関係が存在するが、一般的に賃貸借契約の更新や乗り換えは比較的容易であり、顧客のスイッチング・コストは低いと考えられる。ただし、特定の物件や長期契約においては一定の粘着性が見られる可能性はある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
不動産賃貸事業は、基本的に個別の物件単位で完結するビジネスモデルであり、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は期待できない。プラットフォーム型ビジネスではないため、このモートは該当しない。
コスト優位★☆☆☆☆
不動産管理・運営においては、規模の経済や効率化によるコスト削減の余地はあるが、イノベーションホールディングス特有の構造的なコスト優位性を示す具体的な情報は現時点では確認できない。一般的な不動産管理会社との差別化は限定的。
規模の経済★★☆☆☆
不動産賃貸事業は、物件数や管理戸数が増加するにつれて、運営効率や交渉力が向上する可能性がある。イノベーションホールディングスが一定規模のポートフォリオを保有している場合、効率規模のメリットは限定的に働く可能性があるが、業界全体で見ると寡占度は低い。
- 店舗物件専門ノウハウ同社は店舗物件の賃貸借に特化しており、物件の目利きやトラブル対応に関する豊富なノウハウを蓄積しています。漏水や臭気といった店舗特有の問題への対応力が高く、不動産オーナーに安心・安全な賃貸管理を提供できる点が強みです。
- 広範な顧客ネットワーク店舗物件の専門家として、不動産業者に対しては物件の借り手として紹介され、収益機会を増やすことができます。また、10万を超える会員を抱える「居抜き店舗.com」を通じて、多くの店舗出店希望者と物件をマッチングできる強力なネットワークを持っています。
- 居抜き物件の強み店舗出店者に対しては、初期費用を抑えられる居抜き物件を多く提供しています。これにより、特に専門の店舗開発部署を持たない中小規模の事業者にとって、同社を選ぶ大きなメリットとなっており、競合との差別化に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「貢献創造~挑戦と進化~」を企業理念に掲げ、不動産オーナー、不動産業者、飲食店舗出店者・撤退者等に対して、敬意と感謝の念を持ち、常に初心を忘れることなく、事業用不動産領域におけるプロフェッショナルとして、責任ある行動に尽力し、事業を展開しております。 (2)経営戦略 前記の経営方針のもと、当社グループは東京を中心とした1都3県において転貸借物件数の増加を図るため、不動産業者とのリレーションシップの強化を目指し、きめ細かな営業活動を展開しております。また、当社グループでは「事業用不動産を科学する」ことで取引先との信頼関係を構築し、店舗物件を中心とした事業用不動産を安心安全に使用収益できる環境の実現を図ります。 (3)経営環境 当社グループの主要事業である店舗物件の転貸借事業における経営環境につきましては、明確な市場が形成されていないものの、東京を中心とした1都3県における店舗物件は約13.2万件といわれており、その潜在的な市場規模は大きいと認識しております。また、特に飲食店舗については、他の業種と比較して入れ替わりが多く、当社が転貸借事業の展開を拡大する機会は多いと認識しております。 なお、店舗物件を扱う不動産業者の場合、一般的には仲介業務を主力事業として行うことが多く、また、店舗の転貸借事業は物件仕入れルートの構築難易度が高いことや、人的な先行投資が必要になりストックビジネスとして事業の収益化に長期間を要することもあり他社の参入及び展開が限定的であり、この分野において、先駆者として事業を展開する当社は優位性を有していると認識しております。 また、米国の政策動向の影響や、中国経済の先行きが懸念されるなかで、海外景気の下振れ、物価上昇、金融資本市場の変動等のリスクもあり、先行きは不透明な状況にあります。外食業界においてインバウンドを含む人流の増加や価格改定(値上げ)が進み都市部や観光地を中心に活況が見込まれるなかで、引き続き営業人員を拡充しつつ、市場性の高い店舗物件の仕入れに注力する方針であります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの主要事業である店舗転貸借事業につきましては、東京を中心とした1都3県において転貸借物件を積み上げております。東京を中心とした地域における飲食店舗の出店需要は引き続き高く、居抜き物件に対する需要も高い一方、店舗物件の総数に対する転貸借物件数の割合が未だ僅少であることから、事業の拡大余地は大きいと認識しております。当社グループとしては、店舗物件のスタンダードを確立すべく、専門性を追求し、また組織の充実を図り、今後とも転貸借物件数を積み上げていく方針であります。その推進に際しては、以下の項目を対処すべき課題として、取り組んでまいります。 ① 優良物件の確保 当社グループが安定的かつ着実な事業拡大を図る上では、優良な店舗物件にこだわり、転貸借物件を増加させていくことが重要であると考えております。そのため、各地域の不動産業者・当社グループのWEBサイト「店舗買取り.com」等により物件情報を収集し、日々調査・検討を行っておりますが、さらに情報入手先の多様化・関係性の強化に努め、店舗経営者のニーズを踏まえた優良物件の確保を進めてまいります。また、不動産売買事業において不動産売買取引を行うことで取引の間口を広げ、不動産会社とのリレーションシップ強化を図っております。 ② 人材の採用・教育の強化 当社グループの事業は人的資源に大きく依存するビジネスモデルとなっており、当社グループの安定的かつ継続的成長には、店舗物件、飲食業界、街、飲食設備、法務といった専門知識及びノウハウを身に付けた優秀な人材を継続して確保・育成することが重要だと考えております。人材採用においては、シニアクラスの営業担当者を責任者とする専門部署を設置し採用に注力しております。また当社グループにおいて必要となるスキルやノウハウの習得、育成については、eラーニングを活用した教育プログラムを実施していくことで、効率的・効果的に当社グループの成長を支える社員の育成を行っていく方針であります。 ③ 当社グループ及び店舗転貸借事業の認知度向上 当社グループ及び店舗転貸借事業については、一般的な認知度は低く、また、転貸借契約について、ネガティブなイメージを持たれることもあり、今後も継続的な成長を図るためには認知度を向上させ、本事業の魅力及び利点を訴求していく必要があると認識しております。そのため、WEBサイトでの情報発信、広告宣伝活動及びIR活動等を通じた積極的な情報開示に努めてまいります。 ④ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化 当社グループの継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は重要な課題であると認識しております。そのため、コンプライアンスを重視した企業経営を推進し、また業務運営の効率化やリスク管理の徹底など内部管理体制のさらなる強化に努めてまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、事業展開上、転貸借物件数の増加を最重要事項に位置付けており、中長期的な経営目標として転貸借物件数5,500件を目標としております。また、転貸借契約数の最大化を通じて、サブスクリプション型収益である賃料差益の最大化を実現し、企業価値の積極的な向上を図る方針であります。これを踏まえ、転貸借物件数、売上高及び売上高営業利益率を重要な指標としております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「貢献創造~挑戦と進化~」を企業理念に掲げ、不動産オーナー、不動産業者、飲食店舗出店者・撤退者等に対して、敬意と感謝の念を持ち、常に初心を忘れることなく、事業用不動産領域におけるプロフェッショナルとして、責任ある行動に尽力し、事業を展開しております。 (2)経営戦略 前記の経営方針のもと、当社グループは東京を中心とした1都3県において転貸借物件数の増加を図るため、不動産業者とのリレーションシップの強化を目指し、きめ細かな営業活動を展開しております。また、当社グループでは「事業用不動産を科学する」ことで取引先との信頼関係を構築し、店舗物件を中心とした事業用不動産を安心安全に使用収益できる環境の実現を図ります。 (3)経営環境 当社グループの主要事業である店舗物件の転貸借事業における経営環境につきましては、明確な市場が形成されていないものの、東京を中心とした1都3県における店舗物件は約13.2万件といわれており、その潜在的な市場規模は大きいと認識しております。また、特に飲食店舗については、他の業種と比較して入れ替わりが多く、当社が転貸借事業の展開を拡大する機会は多いと認識しております。 なお、店舗物件を扱う不動産業者の場合、一般的には仲介業務を主力事業として行うことが多く、また、店舗の転貸借事業は物件仕入れルートの構築難易度が高いことや、人的な先行投資が必要になりストックビジネスとして事業の収益化に長期間を要することもあり他社の参入及び展開が限定的であり、この分野において、先駆者として事業を展開する当社は優位性を有していると認識しております。 また、米国の政策動向の影響や、中国経済の先行きが懸念されるなかで、海外景気の下振れ、物価上昇、金融資本市場の変動等のリスクもあり、先行きは不透明な状況にあります。外食業界においてインバウンドを含む人流の増加や価格改定(値上げ)が進み都市部や観光地を中心に活況が見込まれるなかで、引き続き営業人員を拡充しつつ、市場性の高い店舗物件の仕入れに注力する方針であります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの主要事業である店舗転貸借事業につきましては、東京を中心とした1都3県において転貸借物件を積み上げております。東京を中心とした地域における飲食店舗の出店需要は引き続き高く、居抜き物件に対する需要も高い一方、店舗物件の総数に対する転貸借物件数の割合が未だ僅少であることから、事業の拡大余地は大きいと認識しております。当社グループとしては、店舗物件のスタンダードを確立すべく、専門性を追求し、また組織の充実を図り、今後とも転貸借物件数を積み上げていく方針であります。その推進に際しては、以下の項目を対処すべき課題として、取り組んでまいります。 ① 優良物件の確保 当社グループが安定的かつ着実な事業拡大を図る上では、優良な店舗物件にこだわり、転貸借物件を増加させていくことが重要であると考えております。そのため、各地域の不動産業者・当社グループのWEBサイト「店舗買取り.com」等により物件情報を収集し、日々調査・検討を行っておりますが、さらに情報入手先の多様化・関係性の強化に努め、店舗経営者のニーズを踏まえた優良物件の確保を進めてまいります。また、不動産売買事業において不動産売買取引を行うことで取引の間口を広げ、不動産会社とのリレーションシップ強化を図っております。 ② 人材の採用・教育の強化 当社グループの事業は人的資源に大きく依存するビジネスモデルとなっており、当社グループの安定的かつ継続的成長には、店舗物件、飲食業界、街、飲食設備、法務といった専門知識及びノウハウを身に付けた優秀な人材を継続して確保・育成することが重要だと考えております。人材採用においては、シニアクラスの営業担当者を責任者とする専門部署を設置し採用に注力しております。また当社グループにおいて必要となるスキルやノウハウの習得、育成については、eラーニングを活用した教育プログラムを実施していくことで、効率的・効果的に当社グループの成長を支える社員の育成を行っていく方針であります。 ③ 当社グループ及び店舗転貸借事業の認知度向上 当社グループ及び店舗転貸借事業については、一般的な認知度は低く、また、転貸借契約について、ネガティブなイメージを持たれることもあり、今後も継続的な成長を図るためには認知度を向上させ、本事業の魅力及び利点を訴求していく必要があると認識しております。そのため、WEBサイトでの情報発信、広告宣伝活動及びIR活動等を通じた積極的な情報開示に努めてまいります。 ④ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化 当社グループの継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は重要な課題であると認識しております。そのため、コンプライアンスを重視した企業経営を推進し、また業務運営の効率化やリスク管理の徹底など内部管理体制のさらなる強化に努めてまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、事業展開上、転貸借物件数の増加を最重要事項に位置付けており、中長期的な経営目標として転貸借物件数5,500件を目標としております。また、転貸借契約数の最大化を通じて、サブスクリプション型収益である賃料差益の最大化を実現し、企業価値の積極的な向上を図る方針であります。これを踏まえ、転貸借物件数、売上高及び売上高営業利益率を重要な指標としております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果もあり、企業収益及び雇用情勢には総じて改善傾向が、個人消費には持ち直しの動きがみられました。先行きについては、米国の政策動向の影響や、中国経済の先行きが懸念されるなかで、海外景気の下振れ、物価上昇、金融資本市場の変動、地政学的なリスクもあり、不透明な状況にあります。 当社グループを取り巻く環境について、外食業界においては、円安に後押しされたインバウンドを含む人流の増加や価格改定による単価上昇によって都市部や観光地を中心に売上高が伸長した一方で、利益面は原材料と光熱費の高騰に加え、国内消費者の節約志向もあり、厳しさの残る状況となりました。また、飲酒業態においては、中小規模の宴会が増加し、遅い時間帯の来客と大規模宴会需要も徐々に戻りつつあるものの、店舗数の減少も影響し、回復に遅れがみられました。東京主要地域の不動産市況については、インバウンドによる需要増の恩恵を受ける地域を中心に、出店増と賃料の上昇傾向が確認できる一方で、固定費が膨らむ大型の店舗物件、ブランド力に乏しい駅外周部等の店舗物件については、出店需要に弱さが残る状況となりました。 このような環境のなかで、当社グループの主要事業である店舗転貸借事業においては、旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応した「好立地」「小規模」「居抜き」店舗物件の積極的な仕入れと共に、リーシングの最適化に向けた業務別分業型への移行と市場価格に沿ったこまやかな家賃設定をおこないました。また、営業力向上に向けた採用及び教育の強化を実施しました。不動産売買事業においては、会社設立を契機に組織力・営業力を強化し、積極的な情報収集と顧客開拓に注力すると共に、店舗転貸借事業との連携による既存転貸物件の売却情報取得を継続しました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高16,659,432千円(前年同期比16.8%増)、営業利益1,381,611千円(同41.8%増)、経常利益1,431,468千円(同41.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,029,126千円(同54.5%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 店舗転貸借事業 当連結会計年度における新規契約件数及び後継付け件数(閉店した店舗に対し新規出店者と転貸借契約を締結したもの)の転貸借契約件数の合計は488件(前年同期比4.7%増)となりました。また、当連結会計年度末における転貸借物件数は前連結会計年度末より261件純増し、合計2,706件となりました。この結果、店舗転貸借事業の当連結会計年度の業績は、売上高15,162,389千円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益1,238,244千円(同52.9%増)となりました。 なお、株式会社セーフティーイノベーション(旧店舗セーフティー株式会社)が営む店舗家賃保証事業の収益は、店舗転貸借事業のセグメント収益に含んでおります。 最近5年間における転貸借物件数の推移は、以下のとおりであります。(単位:件) 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期期末転貸借物件数1,7061,9512,2162,4452,706 不動産売買事業 当連結会計年度においては、経済社会活動の正常化に伴い、都心の事業用不動産においては値上がり傾向も見られるなかで8物件を売却、8物件を取得し、当連結会計年度末における保有物件数は4件となりました。この結果、不動産売買事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,497,042千円(前年同期比110.8%増)、セグメント利益は主に人件費の増加及びセグメント費用の配分方法変更の影響により143,367千円(同12.8%減)となりました。②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて952,692千円増加し、4,283,926千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は1,019,594千円(前年同期は455,224千円の獲得)となりました。これは主に差入保証金の増加額560,849千円、法人税支払額328,093千円等の資金の減少に対して、税金等調整前当期純利益1,489,345千円、預り保証金の増加額379,011千円等の資金の増加によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は177,222千円(前年同期は87,938千円の使用)となりました。これは主に敷金の差入による支出9,693千円の資金の減少に対して、保険積立金の解約による収入132,905千円、有形固定資産売却による収入67,991千円の資金の増加によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は244,075千円(前年同期は537,298千円の使用)となりました。これは長期借入による収入103,000千円の資金の増加に対して、配当金の支払額335,475千円の資金の減少によるものであります。 ③生産、仕入及び販売の実績 a.生産実績 該当事項はありません。 b.仕入実績 当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。セグメント名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)不動産売買事業1,223,686131.3(注)仕入が発生する不動産売買事業のみ記載しております。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。セグメント名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)店舗転貸借事業 ランニング13,928,820110.4 イニシャル1,233,569130.8不動産売買事業 不動産売買等1,497,042210.7合計16,659,432116.7(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,955,114千円増加し、15,652,426千円となりました。これは主に現金及び預金が952,692千円、差入保証金が570,542千円それぞれ増加したことによるものであります。(負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,262,538千円増加し、11,635,808千円となりました。これは主に預り保証金が379,011千円、未払法人税等が279,904千円、前受収益が134,298千円それぞれ増加したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ692,575千円増加し、4,016,617千円となりました。これは主に利益剰余金が693,650千円増加したことによるものであります。 b.経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ2,395,590千円増加し、16,659,432千円となりました。これは主に転貸借物件数の増加に伴いランニング収入が1,318,114千円増加したことによるものであります。(売上総利益) 当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ1,731,732千円増加し、13,421,648千円となりました。これは主に転貸借物件数の増加に伴い賃借料が883,893千円増加したことによるものであります。この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ663,857千円増加し、3,237,783千円となりました。(営業利益) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ256,544千円増加し、1,856,171千円となりました。この結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ407,312千円増加し、1,381,611千円となりました。(経常利益) 当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ10,886千円増加し、99,055千円となりました。また営業外費用は、前連結会計年度に比べ1,855千円減少し、49,198千円となりました。この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ420,054千円増加し、1,431,468千円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度は特別利益として固定資産売却益57,877千円を計上しております。また、法人税等合計は、461,244千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ363,048千円増加し、1,029,126千円となりました。 最近5年間における営業利益及び営業利益率の推移は、以下のとおりであります。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期営業利益(千円)731,819909,8531,212,175974,2991,381,611営業利益率(%)7.18.09.36.88.3(注)2023年3月期以降の数値は連結であり、2022年3月期以前の数値は単体であります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。 当社グループは事業運営上必要な資金について、転貸借物件の賃料等の支払と受領の差額を積み上げることを基本として、安定的な資金調達を実現しております。 なお、当連結会計年度におけるフリーキャッシュ・フローは1,196,816千円となりました。(単位:千円)回次第17期第18期第19期決算年月2023年3月2024年3月2025年3月営業活動によるキャッシュ・フロー1,073,814455,2241,019,594投資活動によるキャッシュ・フロー△21,908△87,938177,222財務活動によるキャッシュ・フロー△1,018,178△537,298△244,075現金及び現金同等物の期末残高3,501,2453,331,2334,283,926フリーキャッシュ・フロー1,051,905367,2861,196,816前年増減額197,524△684,619829,530(注)第17期の前年増減額は第16期の単体実績との比較情報になります。フリーキャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。フリーキャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 (販売用不動産の評価) 当社グループは販売用不動産について、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を正味売却価額まで減額し、当該減少額を評価損として計上します。正味売却価額の算定に当たっては慎重に検討しておりますが、販売計画や市場価格の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には評価損が必要となる可能性があります。なお、販売用不動産における正味売却価額の見積りについては、販売用不動産の現状の市場価格、物件における収益利回り等に基づいて算定しております。
事業リスク
- 事業環境変動リスク同社の主要事業は飲食店舗を中心とした店舗転貸借事業であるため、飲食業界や不動産業界の景気動向、地価、不動産市況、外食産業市場動向、金融動向などの急激な変動は、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 地域集中リスク同社が賃貸借している店舗物件のほとんどが東京都とその近郊に集中しています。この地域で火災、テロ、地震、津波などの不測の事故や自然災害が発生し、物件が損壊したり使用不能になった場合、業績や財政状態に大きな影響が出る可能性があります。
- 差入保証金リスク同社は店舗物件の賃貸借契約で多額の保証金を賃貸人に差し入れており、総資産の約46.5%を占めています。賃貸人の破産や倒産などにより、この保証金が回収できなくなった場合、同社の業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業環境に関わるリスクについて 当社グループの主要事業は、不動産オーナーから賃借した店舗物件を店舗出店者に転貸する店舗転貸借事業であります。また、当該店舗物件は飲食店舗を中心としております。このため、飲食業界、不動産業界に影響を与える景気動向、地価動向、不動産市況、外食産業市場動向、金融動向等の急激な変動等によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)親会社グループとの関係について 当社グループの親会社である株式会社クロップスは、2025年3月末現在、当社発行済株式総数の56.8%(10,044,400株)を所有しております。株式会社クロップスは、今後も当社グループを連結グループ子会社として資本関係を維持していく予定であります。親会社グループは、移動体通信事業を主たる事業とし、その他に人材派遣事業、ビルメンテナンス事業、卸事業及び海外事業を行っており、当社グループは、親会社グループにおいて唯一の店舗転貸借事業及び不動産売買事業を営む会社であります。当社グループと親会社グループとの間に競合関係、重要な取引はなく、親会社グループからの出向者はおらず、当社グループの事業活動に影響を与えるものはありません。株式会社クロップスの代表取締役前田有幾が当社の非常勤取締役に就任しておりますが、当社グループの経営判断については、親会社の承認を必要とする事項はなく、当社グループが独自に検討のうえ決定し、独立性は確保していると認識しております。現在、親会社グループとの関係について大きな変更を想定しておりませんが、将来において、親会社グループとの関係に大きな変化が生じた場合は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。 (3)競合について 当社グループが展開する店舗転貸借事業については、物件仕入れルートの構築の難易度が高いことや、人的な先行投資が必要になりストックビジネスとして事業の収益化に長期間を要することもあって他社の参入及び展開がこれまで限定的であり、この分野において、当社グループは優位性を有していると認識しております。しかしながら、不動産業界等においては、大手事業者が多数存在しており、今後において、この分野に関して本格的な参入等により競合が激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)不測の事故・災害等のリスクについて 当社グループが賃貸借している店舗物件数は2,706件(2025年3月末現在)であり、その全てが東京都及びその近郊に集中しております。このため、これらの地域での火災、テロ、地震、津波等の不測の事故、自然災害等により店舗物件が毀損もしくは使用不能等の状態となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの不測の事故、自然災害等により消費者の外食意欲が低下し、飲食店舗の出店希望者が減少した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)差入保証金について 当社グループは店舗物件の賃貸借契約において、賃貸人に対して保証金等を差し入れております。2025年3月末現在の店舗物件に係る差入保証金の残高は7,282,846千円であり、総資産に占める割合は46.5%となっております。賃貸人に対しては、取引の開始時及び賃貸借契約後定期的に調査を行う等、与信管理に注意を払っておりますが、賃貸人の破産・倒産・抵当権実行等により多額の差入保証金を回収することができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)空き家賃について 不動産オーナーとの賃貸借契約において、当社グループは転借人(テナント入居者)の有無または当社が受け取る家賃の額に関係なく、毎月定額の家賃を支払う内容となっております。当社グループは空き店舗の発生による業績への影響を低減するために、新規仕入を行った際には速やかにテナント入居者を探し、一定期間見つからない場合には解約をすることにしておりますが、入居者が見つからない期間は、空き家賃が発生するとともに、解約になる場合には解約費が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)法的規制等について 当社グループが取扱う店舗の造作物の売買においては、古物営業法による規制を受けております。当社グループでは当該法令を遵守し、事業を運営しております。しかしながら、法令違反が発生した場合、予期しない当該法令の改正や新たな法令等の制定により当社の事業に何らかの制約を受けた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは事業運営に際して、古物営業法に定める古物商の許可を得ております。現状、当該許可の取消となる事由はありません。しかしながら、何らかの事情により許可の取消し等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (許認可等の状況)許認可等の名称許認可登録番号有効期間関係法令許認可等の取消事由古物商許可第304360809505号なし古物営業法同法第6条 (8)法令変更のリスクについて 当社グループは、飲食店舗等の転貸借において、民法や借地借家法等の現行における法律・制度等に基づき、これらを遵守し行っております。しかしながら、これらの法律等に予期しない変更等があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)情報管理について 当社グループは、事業運営に際して、賃借先、賃貸先等の情報を取得しており、個人情報の保護に関する法律等による規制を受けております。当社グループでは、情報保護に関するフローを整備し、細心の注意を払って管理に努めております。しかしながら、万が一、当社グループの関係者等の故意または過失により外部に流出した場合には、損害賠償請求を受けるリスクや社会的信用失墜により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)訴訟等の発生について 当社グループの事業運営に際しては、転貸した店舗物件に係るトラブルまたはこれに起因する訴訟、その他の請求等が発生する可能性があります。このため、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)人材の確保・育成について 当社グループは、事業を拡大する上で、優秀な人材確保及び育成が重要な経営課題であると認識しております。今後も優秀な人材確保及び育成を積極的に行っていく方針であります。しかしながら、優秀な人材の確保が十分にできなかった場合、現在在籍している人材が流出していく事態となった場合、育成が計画どおりに進まなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)小規模組織について 当社グループは組織規模が小さいため、内部管理体制もこのような事業規模に応じたものとなっております。今後、事業規模の拡大に伴い人員の増強や内部管理体制の一層の強化・充実を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的対応ができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)販売用不動産の在庫リスクについて 不動産売買事業では、販売用不動産を保有しております。これらの不動産については、販売計画に基づいて適切な不動産管理を行っておりますが、当初の販売計画から大幅な乖離が発生する可能性があります。また、不動産は市場動向によっては滞留または販売価格の見直しが発生する可能性があります。この場合には、不動産の評価損の計上等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。