6【研究開発活動】当社グループは、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進する「オプティカル事業」、主に創薬、再生医療及びiPS細胞等に関連した培養技術の開発や各種細胞培養装置や次世代加工・研磨装置を中心とする各種自動化装置を開発・販売する「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を柱としております。現在の研究開発活動は、これら事業の関連技術を中心に実施しており、主にX線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子、独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置及び独自の加工・計測技術をもとにした各種加工・研磨装置等を中心に研究開発を継続しております。さらに、昨年度に引き続き、競争的資金をもとに研究開発事業(委託研究事業、研究助成事業)を進め、製品化を目指しております。なお、研究開発費については、細胞培養センターで行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用10,591千円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は282,569千円であります。当社の細胞培養センターでは、当連結会計年度は当社が開発した自動細胞培養装置KB2000、MakCell®および上市を目指している新しい培養容器や分離容器の培養評価等の実施や、大阪大学工学部、大阪大学医学部、東京大学医科学研究所、横浜市立大学医学部との共同研究を実施いたしました。今後も大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施してまいります。 (1) オプティカル事業当連結会計年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ナノミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発国内外で放射光施設の新設およびアップグレードが多く計画されており、それによって高精度の放射光用X線ミラーの需要が急増しております。当連結会計年度では特に、この需要増に対し品質および納期の観点で安定した供給ができるよう生産効率の改善を取り組み、一部の工程では15%の工期短縮を実現しております。今後も積極的に生産効率の向上を図り、売上の拡大を目指してまいります。 ② 放射光施設向けの次世代商品の開発形状可変ミラー、回転楕円ミラー、回転ウォルターミラー、チャネルカット結晶等、製品開発を進めてまいりました。特に当連結会計年度は、名古屋大学との共同研究において開発した新しい手法の形状可変ミラーの性能実証が完了し、学会や論文によって広く成果が報告されました。 ③ X線光学素子の新しい事業展開を目指した計測・加工技術の適用化開発これまで大阪大学との継続的な共同研究において、放射光用X線ミラーの生産性および精度の向上活動を進めてきましたが、当連結会計年度からは東京工芸大学との共同研究を新たに加え、これまで以上にサイズと開口数の大きなミラーの製造ができるよう研究開発を開始しました。今後は宇宙、半導体分野への展開を加速してまいります。 その結果、オプティカル事業に係る当連結会計年度の研究開発費は157,368千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業当連結会計年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の通り大学での先進的加工技術を用いた半導体機器開発や競争的資金(委託研究事業、研究助成事業)を積極的に活用した再生医療関連の研究等を推進してまいりました。以下、その概要について報告いたします。 ① 汎用型自動細胞培養装置の開発MakCell®(iPS細胞用の自動細胞培養装置CellPet®シリーズの後継機種)の量産化開発を完了し、製薬・創薬等の関連市場へのPRと本格販売を開始するとともに、食品・化粧品等の新たな市場への探索を開始しています。 ② 再生医療関連の研究開発<当連結会計年度継続の委託研究事業>「ヒト弾性軟骨デバイスを用いた小児顔面醜形に対する新規治療法の開発」令和5年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム シーズF」日本医療研究開発機構(AMED):2023年~2027年度、研究代表機関:東京大学、橋渡し研究支援機関:大阪大学、その他参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション及びその他関連大学、医療機関、再生医療会社本研究開発事業では、東京大学らと共同で鞍鼻症の小児患者の形成治療を目的としました再生医療等製品開発を推進しています。AMEDの中間審査において初期2年間の成果が認められ、2025~2027年度の事業継続が決定しました。現在、当初の計画通りに医師主導治験を実施するべく、倫理委員会や規制当局であるPMDAへの申請準備を進めており、順調に承認がなされると次年度第1四半期から当社で初めてとなります治験がスタートいたします。 ③ 医療機器の開発当社は、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構と日本光電工業株式との共同研究のもと、2025年3月末まで製品化・実用化に資する脳梗塞治療用幹細胞分離機器の試作機器の更なる安定動作、再現性等を備える改良を実施してまいりました。現在、大阪府八尾市にある病院において2025年1月から神戸医療産業都市推進機構が中心となり実施しています自己幹細胞による認知症の症状改善を見込んだ自由診療の結果を注視しているところであり、改善傾向の結果が得られた場合において、幹細胞分離機器の病院への導入を早急に図る予定です。 ④ 機器開発事業の取組み<次世代加工・研磨装置の開発>当社は独自の表面ナノ加工技術の開発に注力しており、主に半導体基板の次世代表面研磨装置としての商品化を進めております。本独自の表面ナノ加工技術は、以前より進めている大阪大学の「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、「触媒基準エッチング法(CARE)」、「プラズマ援用研磨法(PAP)」、「電気化学機械研磨法(ECMP)」の4本柱で開発を推進しております。これらの加工技術は半導体材料であるSi、SiO2、SiC、GaN、LN/LT、単結晶ダイヤモンドなどを材料とした半導体基板の平坦化に適しています。ますます高精度化が要求される将来の半導体基板の加工・研磨技術として期待されており、ナノレベルの表面を創成する装置として商品化を進めております。特に先行して製品化に成功した「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」は水晶振動子用SiO2基板の厚みを均一に加工する量産加工システムとして本格販売へと進め、昨年度は国内及び台湾の顧客へ納入し、お客様の水晶振動子の量産に寄与しています。今後は本システムをパワーデバイスやMEMSに用いられるSOIウェハ向け等に用途拡大を進めてまいります。また、「プラズマ援用研磨法(PAP)」および「電気化学機械研磨法(ECMP)」はダイヤモンド、SiCの研磨において、加工速度、仕上げ面粗さとも従来の加工法に比べて優れた結果が得られており、お客様の実基材を用いた試作・評価を進めています。その結果、今年度はダイヤモンド研磨用PAP装置を国内顧客に2台納入いたしました。今後も試作評価とお客様の仕様・要望に応じたプロセス・装置の最適化を進め、市場への浸透を図っていきます。「触媒基準エッチング法(CARE)」につきましては、懸案であった触媒パッドの長寿命化に一定のめどがつき、来期より実用化を念頭に置いた顧客との本格的な試作評価を開始していきます。 その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当連結会計年度の研究開発費は71,005千円となりました。 (3) その他事業電子科学株式会社の昇温脱離分離装置(TDS)は当社のオプティカル事業の海外チャンネルを用い、営業の強化を図ってまいります。さらに、同社の装置製造はファブレス方式のため、当社のライフサイエンス・機器開発事業の生産体制と同方式であることから、今後は、当社の生産管理体制をもとに同社の体制を強化し、外注加工先の活用も含めて、製造の効率化を図ってまいります。また、同社の分析技術と当社の自動化技術を融合し、特に半導体分野において、共同で新しい製品の企画、開発を進めてまいります。第一弾として水素量の計測に特化した昇温脱離水素分析装置「Cryo TDS-100H2」や現行装置に自動サンプルセット機能を追加した「TDS 1200ⅡALS」の共同開発に成功いたしました。このように、当社とは営業面だけでなく、製造面や開発面でもシナジー効果が期待できます。 その結果、その他事業に係る当連結会計年度の研究開発費は43,603千円となりました。
FY2024|3,142 文字
6【研究開発活動】当社グループは、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進する「オプティカル事業」、主に創薬、再生医療及びiPS細胞等に関連した培養技術の開発や各種細胞培養装置や次世代加工・研磨装置を中心とする各種自動化装置を開発・販売する「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を柱としております。現在の研究開発活動は、これら事業の関連技術を中心に実施しており、主にX線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子、独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置及び独自の加工・計測技術をもとにした各種加工・研磨装置等を中心に研究開発を継続しております。さらに、昨年度に引き続き、競争的資金をもとに研究開発事業(委託研究事業、研究助成事業)を進め、製品化を目指しております。なお、研究開発費については、細胞培養センターで行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用19,364千円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は290,242千円であります。当社の細胞培養センターでは、当連結会計年度は当社が開発した自動細胞培養装置KB2000、MakCell®および上市を目指している新しい培養容器や分離容器の培養評価等の実施や、大阪大学工学部、大阪大学医学部、東京大学医科学研究所、横浜市立大学医学部との共同研究を実施いたしました。今後も大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施してまいります。 (1) オプティカル事業当連結会計年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ナノミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発<当連結会計年度継続の研究助成事業>「X線測定・分析の高効率化に資する高精度2次元集光X線ミラーの製造法の開発」令和3年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省2021年~2023年度、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学、名古屋大学、宇宙科学研究所(JAXA)、アドバイザー:理化学研究所、高輝度光科学研究センター当連結会計年度に研究事業は終了し、計画通り高精度2次元集光X線ミラーの製造法を確立し、放射光X線ミラーの製品拡大を実現しており、今後さらに宇宙、半導体分野への展開を図ってまいります。 ② 放射光施設向けの次世代商品の開発形状可変ミラー、回転楕円ミラー、回転ウォルターミラー、チャネルカット結晶等、製品開発を進めてまいりました。 ③ X線光学素子の新しい事業展開を目指した計測・加工技術の適用化開発研究助成事業で確立した新しい計測技術(CGH干渉計)等の独自計測技術や「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、及び「触媒基準エッチング法(CARE)」などの独自加工技術を用い、従来では加工困難であった光学素子を実現し、半導体、宇宙分野での光学素子への適用化開発を進めております。 その結果、オプティカル事業に係る当連結会計年度の研究開発費は175,284千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業当連結会計年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の通りの機器開発や競争的資金(委託研究事業、研究助成事業)を積極的に活用し、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 汎用型自動細胞培養装置の開発MakCell®(iPS細胞用の自動細胞培養装置CellPet®シリーズの後継機種)の量産化開発に成功し、本格販売を実施しております。 ② 再生医療関連の研究開発<当連結会計年度継続の委託研究事業>「ヒト弾性軟骨デバイスを用いた小児顔面醜形に対する新規治療法の開発」令和5年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム シーズF」日本医療研究開発機構(AMED):2023年~2027年度、研究代表機関:東京大学、橋渡し研究支援機関:大阪大学、その他参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション及びその他関連大学、医療機関、再生医療会社本研究開発事業では、東京大学らと共同で鞍鼻症の小児患者の形成治療を目的としました再生医療等製品開発を推進しています。現在、当初の計画通りに来年度の医師主導治験のスタートを目指し、当社の培養装置で製造した弾性軟骨組織による治験申請データ取得を進めているところです。 ③ 医療機器の開発<当連結会計年度継続の委託研究事業> 「治療機序に基づき最適化した効率的な脳梗塞治療用幹細胞分離機器の研究開発」令和3年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2021年~2023年度研究代表機関:公益財団法人神戸医療産業都市推進機構、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、日本光電工業株式会社 当連結会計年度に研究事業は終了し、計画通り脳梗塞治療用幹細胞分離機器の試作装置の開発に成功しました。そこで、本装置は認知症改善が期待できることがわかっており、早期に製品化を推進するために、第一弾として認知症治療に適用する自由診療への展開、商品化を進めております。 ④ 機器開発事業の取組み<次世代加工・研磨装置の開発>当社は独自の表面ナノ加工技術の実用開発を進めており、主に次世代の加工・研磨装置として商品化を進めております。本独自の表面ナノ加工技術は大阪大学の「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、「触媒基準エッチング法(CARE)」、「プラズマ援用研磨法(PAP)」と本年度はさらに立命館大学の「電気化学機械研磨法(ECMP)」も加わり共同開発を推進しております。これら加工技術は半導体材料であるSiC、GaN、LN/LT、単結晶ダイヤモンドなどを材料とした半導体基板の平坦化に適しており、将来の加工・研磨技術として期待されており、パワー半導体、SAWフィルター、SOIウェハやダイヤモンド素材等、様々な半導体等材料の加工・研磨工程での適用拡大を図り、製品化を進めております。特に先行して製品化に成功した「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」は水晶振動子ウエハの厚みを均一に加工する量産加工システムとして、パイロットユーザーでの稼働実績をもとに本格販売へと進め、当連結会計年度は国内及び台湾の水晶発振器メーカーへの納入を実現しております。今後は本システムを水晶振動子ウェハだけでなくSOIウェハやパワー半導体向けとして実用化を進めてまいります。 その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当連結会計年度の研究開発費は65,382千円となりました。 (3) その他事業電子科学株式会社の昇温脱離分離装置(TDS)は当社のオプティカル事業の海外チャンネルを用い、営業の強化を図ってまいります。さらに、同社の装置製造はファブレス方式のため、当社のライフサイエンス・機器開発事業の生産体制と同方式であることから、今後は、当社の生産管理体制をもとに同社の体制を強化し、製造の効率化も図ってまいります。また、同社の分析技術と当社の自動化技術を融合し、特に半導体分野において、共同で新しい製品の企画、開発を進めてまいります。第一弾として水素量の計測に特化した昇温脱離水素分析装置「Cryo TDS-100H2」や現行装置に自動サンプルセット機能を追加した「AT-TDS1200Ⅱ」の共同開発に成功いたしました。このように、当社とは営業面だけでなく、製造面や開発面でもシナジー効果が期待できます。 その結果、その他事業に係る当連結会計年度の研究開発費は30,210千円となりました。
FY2023|2,834 文字
6【研究開発活動】当社グループは、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進する「オプティカル事業」、主に創薬、再生医療及びiPS細胞等に関連した培養技術の開発や各種細胞培養装置や次世代加工・研磨装置を中心とする各種自動化装置を開発・販売する「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を柱としております。現在の研究開発活動は、これら事業の関連技術を中心に実施しており、主にX線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子、独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置及び独自の加工・計測技術をもとにした各種自動化装置等を中心に研究開発を継続しております。さらに、現在同時に3件の競争的資金をもとに研究開発事業(委託研究事業、研究助成事業)を進め、製品化を目指しております。なお、研究開発費については、細胞培養センターで行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用17,423千円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は263,006千円であります。 (1) オプティカル事業当連結会計年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発<当連結会計年度継続の研究助成事業>「X線測定・分析の高効率化に資する高精度2次元集光X線ミラーの製造法の開発」令和3年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省2021年~2023年度、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学、名古屋大学、宇宙科学研究所(JAXA)、アドバイザー:理化学研究所、高輝度光科学研究センター ② 放射光施設向けの次世代商品の開発形状可変ミラー、回転楕円ミラー、回転ウォルターミラー、チャネルカット結晶等 ③ X線光学素子の新しい事業展開を目指した計測・加工技術の適用化開発大気圧プラズマを利用したドライエッチング技術である「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、及び「触媒表面基準エッチング法(CARE)」の実用化開発を実施し、半導体、宇宙分野での光学素子への適用化開発を進めております。 その結果、オプティカル事業に係る当連結会計年度の研究開発費は163,393千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業当連結会計年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の通りの機器開発や競争的資金(委託研究事業、研究助成事業)を積極的に活用し、以下の研究開発を推進してまいりました。 汎用型自動細胞培養装置の開発MakCell®(iPS細胞用の自動細胞培養装置CellPet®シリーズの後継機種)の量産化開発を実施いたしました。 再生医療関連の研究開発<当連結会計年度継続の委託研究事業>「ヒト弾性軟骨デバイスを用いた小児顔面醜形に対する新規治療法の開発」令和5年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム シーズF」日本医療研究開発機構(AMED):2023年~2027年度、研究代表機関:東京大学、橋渡し研究支援機関:大阪大学、その他参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーションを含む4社<当連結会計年度継続の研究助成事業> 「iPS 細胞等による分化製造プロセスにおける高効率な大量細胞凝集塊分散技術ならびに自動化装置の研究開発」令和2年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省:2020年~2022年度参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学医学部、大阪大学工学部③ 医療機器の開発<当連結会計年度継続の委託研究事業> 「治療機序に基づき最適化した効率的な脳梗塞治療用幹細胞分離機器の研究開発」令和3年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2021年~2023年度研究代表機関:公益財団法人神戸医療産業都市推進機構、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、日本光電工業株式会社 本開発を通じて医療機器として脳梗塞治療用の幹細胞分離機器の製造販売を目指します。<薬剤徐放デバイス製造装置(東北大学医学部から東京医科歯科大学に研究拠点を移動)>第2相の治験での適用を目指し、上記装置を試作開発しました。 ④ 機器開発事業の取組み<次世代加工・研磨装置の開発>一昨年にパイロットユーザーへ納入し、実績を上げました独自の「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」を用いた水晶振動子ウエハの厚みを均一に加工する量産加工システムの拡販に向けた改良、開発を継続しました。今後は、国内外の水晶振動子メーカーに販売してまいります。また、「触媒基準エッチング法(CARE)」を技術導入して実用化開発を進めてまいりました。本技術を用いてパワー半導体やSAWフィルタなど半導体デバイス向けの研磨装置の試作開発へと進めてまいります。更に、昨年11月には大阪大学と「プラズマ援用研磨法(PAP)」に関するノウハウ供与契約を締結いたしました。PAPは大阪大学の独自研磨技術であり、本研磨技術はSiC、GaN、単結晶ダイヤモンドなどを材料とした半導体基板の平坦化に適する将来の技術として期待されていることから、実用化開発を推進して半導体分野への適用を図ってまいります。 その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当連結会計年度の研究開発費は72,103千円となりました。 また、当社の細胞培養センターでは、当連結会計年度は当社が開発した自動細胞培養装置KB2000、MakCell®や新しい培養容器の上市に向けた培養評価等の実施や、大阪大学工学部、大阪大学医学部、東京大学医科学研究所、横浜市立大学医学部との共同研究を実施しました。また、その他大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施してまいりました。 (3) その他事業電子科学株式会社の昇温脱離分離装置(TDS)は当社のオプティカル事業の海外チャンネルを用い、営業の強化を図ってまいりますが、さらに同社の装置製造は、ファブレス方式のため、当社のライフサイエンス・機器開発事業の生産体制と同方式で、今後は、当社の生産管理をもとに体制を強化し、製造の効率化も図ってまいります。また、同社の分析技術と当社の自動化技術を融合し、特に半導体分野において、共同で新しい製品の企画、開発を進めてまいります。第一弾として水素量に特化した昇温脱離水素分析装置「Cryo TDS-100H2」や現行装置を元に自動サンプルセット機能を追加した「TDS-1200Ⅱ ALS」の共同開発を急いでおります。このように、当社とは営業面だけでなく、製造面や開発面でもシナジー効果が期待できます。 その結果、その他事業に係る当連結会計年度の研究開発費は10,086千円となりました。
FY2022|2,626 文字
5【研究開発活動】当社グループは、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進する「オプティカル事業」、及び主に創薬、再生医療及びiPS細胞等に関連した培養技術の開発や各種細胞培養装置や各種自動化装置販売する「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を柱としております。現在の研究開発活動は、これら事業の関連技術を中心に実施しており、主にX線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子、独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置及び独自の加工・計測技術をもとにした各種自動化装置等を中心に研究開発を継続しております。さらに、現在同時に4件の競争的資金をもとに研究開発事業(委託研究事業、研究助成事業)を進め、製品化を目指しております。なお、研究開発費については、細胞培養センターで行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用11,065千円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は263,396千円であります。 (1) オプティカル事業当連結会計年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発・当連結会計年度継続の研究助成事業 「X線測定・分析の高効率化に資する高精度2次元集光X線ミラーの製造法の開発」令和3年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省2021年~2023年度、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学、名古屋大学、宇宙科学研究所(JAXA)、アドバイザー:理化学研究所、高輝度光科学研究センター ② 放射光施設向けの次世代商品の開発・形状可変ミラー、回転楕円ミラー、回転ウォルターミラー等 ③ X線光学素子の新しい事業展開を目指した計測・加工技術の適用化開発 大気圧プラズマを利用したドライエッチング技術である「プラズマCVM」、及び触媒表面基準エッチング技術である「CARE」の実用化開発を実施し、半導体、宇宙分野での光学素子への適用化開発を進めております。 その結果、オプティカル事業に係る当連結会計年度の研究開発費は142,971千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業当連結会計年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の通りの機器開発や競争的資金(委託研究事業、研究助成事業)を積極的に活用し、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 汎用型自動細胞培養装置の開発・MakCell®(iPS細胞用の自動細胞培養装置CellPet®シリーズの後継機種)の量産化開発を実施しました。 ② 再生医療関連の研究開発・当連結会計年度継続の委託研究事業 「ヒト弾性軟骨デバイスを用いた頭頚部形態異常疾患に対する新規治療法の開発」令和2年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2020年~2021年度、研究代表機関:横浜市立大学、参加機関:東京大学、神奈川県立こども医療センター、株式会社ジェイテックコーポレーション・その他の共同研究 iPS細胞による心筋細胞の臨床研究(大阪大学医学部との共同研究)を目指した共同研究を実施しました。・当連結会計年度継続の研究助成事業 「iPS 細胞等による分化製造プロセスにおける高効率な大量細胞凝集塊分散技術ならびに自動化装置の研究開発」令和2年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省:2020年~2022年度参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学医学部、大阪大学工学部 ③ 医療機器の開発・当連結会計年度継続の委託研究事業 「治療機序に基づき最適化した効率的な脳梗塞治療用幹細胞分離機器の研究開発」令和3年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2021年~2023年度研究代表機関:公益財団法人神戸医療産業都市推進機構、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、日本光電工業株式会社 医療機器として脳梗塞治療用の幹細胞分離機器の製造販売を目指します。・薬剤徐放デバイス製造装置(東北大学医学部) 第2相の治験での適用を目指し、上記装置を試作開発しました。 ④ 機器開発事業の取組み・水晶振動子ウエハ加工システム(PCVM加工装置、膜厚検査装置及び搬送ユニット)の機器開発 昨年パイロットユーザーに納入し、実績を上げました独自のプラズマCVM加工技術を用いた水晶振動子ウエハの厚みを均一に加工する量産加工システムの拡販に向けた改良、開発を継続しました。今後は、国内外の水晶振動子メーカーに販売してまいります。 さらに新しくCARE(触媒基準エッチング法)加工を技術導入して実用化開発を進めてまいりました。本技術を用いてパワー半導体や半導体デバイス向けの研磨装置の試作開発へと進めてまいります。 その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当連結会計年度の研究開発費は88,738千円となりました。 また、当社の細胞培養センターでは、当連結会計年度は当社が開発した自動細胞培養装置KB2000、MakCell®や新しい培養容器の上市に向けた培養評価等の実施や、大阪大学医学部や横浜市立大学医学部との共同研究を実施しました。また、その他大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施してまいりました。 (3) その他事業電子科学株式会社の昇温脱離分離装置(TDS)は当社のオプティカル事業の海外チャンネルを用い、営業の強化を図ってまいりますが、さらに同社の装置製造は、ファブレス方式のため、当社のライフサイエンス・機器開発事業の生産体制と同方式で、今後は、当社の生産管理をもとに体制を強化し、製造の効率化も図ってまいります。また、同社の分析技術と当社の自動化技術を融合し、特に半導体分野において、共同で新しい製品の企画、開発を進めてまいります。第一弾として水素量に特化した昇温脱離水素分析装置「Cryo TDS-100H2」の共同開発を急いでおります。このように、当社とは営業面だけでなく、製造面や開発面でもシナジー効果が期待できます。 その結果、その他事業に係る当連結会計年度の研究開発費は20,619千円となりました。
FY2021|3,198 文字
5【研究開発活動】当社は、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進する「オプティカル事業」及び、主に創薬、再生医療及びiPS細胞等に関連した培養技術の開発や各種細胞培養装置や各種自動化装置販売する「ライフサイエンス・機器開発事業」の2つの事業を柱としております。現在の研究開発活動は、これら事業の関連技術を中心に実施しており、主にX線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子、独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置及び独自の加工・計測技術をもとにした各種自動化装置等を中心に研究開発を継続しております。さらに、継続中の2件の競争的資金(委託研究事業及び研究助成事業)に加え、今年度は新たに2件の競争的資金を提案・採択され、同時に4件の研究開発事業を進め、製品化を目指しております。なお、研究開発費については、細胞培養センターで行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用21,732千円が含まれており、当事業年度の研究開発費の総額は233,836千円であります。 (1) オプティカル事業当事業年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発・ナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSIの高精度化、効率化を目指した研究開発このナノ加工技術と計測技術の実用化に成功した本事業について、2020年6月経済産業省により、世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する企業を選定する「2020 年版グローバルニッチトップ企業100選」に素材・化学部門で選定されましたが、今年度はさらに下記の研究助成事業に採択されました。「X線測定・分析の高効率化に資する高精度2次元集光X線ミラーの製造法の開発」令和2年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省:2021年~2023年度株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学、名古屋大学、宇宙科学研究所(JAXA)、アドバイザー:理化学研究所、高輝度光科学研究センター 上記研究開発は、当社の加工技術と計測技術の高度化を目指すもので、半導体・宇宙分野など新しい産業分野への適用を図るための基盤技術となります。・大気圧プラズマを利用したドライエッチング技術である「プラズマCVM」及び、触媒表面基準エッチング技術である「CARE」の実用化開発 上記実用化開発は、当社の独自ナノ加工技術EEMの更なる高精度化や前加工工程での適用を図り、国内外の競合メーカーに対して技術的優位性を維持し、製造の効率化を目指すものであります。 ② 放射光施設向けの次世代商品の開発・形状可変ミラーのバージョンアップ及びアプリケーションのソフト開発・回転楕円ミラー・回転ウォルターミラー ③ X線光学素子の新しい事業展開を目指した計測・加工技術の適用化開発・半導体、宇宙分野でのX線ミラー及び回折格子等の適用化開発・次世代フォトマスク基板での当社独自のEEMナノ加工技術の適用化開発 その結果、オプティカル事業に係る当事業年度の研究開発費は94,773千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業当事業年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の通りの機器開発や競争的資金(委託研究事業、研究助成事業)を積極的に活用し、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 汎用型自動細胞培養装置の開発・昨年度試作開発したMakCell®(iPS細胞用の自動細胞培養装置CellPet®シリーズの後継機種)の量産化開発を実施しました。 ② 再生医療関連の研究開発・当該事業年度継続の委託研究事業「ヒト弾性軟骨デバイスを用いた頭頚部形態異常疾患に対する新規治療法の開発」令和2年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2020年~2021年度研究代表機関:横浜市立大学、参加機関:東京大学、神奈川県立こども医療センター、株式会社ジェイテックコーポレーション・その他の共同研究心筋細胞の前臨床研究(大阪大学医学部との共同開発)iPS細胞を用いた再生医療を目指し、共同研究を実施しました。・当事業年度継続の研究助成事業「iPS 細胞等による分化製造プロセスにおける高効率な大量細胞凝集塊分散技術ならびに自動化装置の研究開発」令和2年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省:2020年~2022年度株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学医学部、大阪大学工学部・商品開発当社の3次元回転浮遊培養装置“CellPet® 3D-iPS”細胞小片化装置“CellPet® FT”を用いた細胞の高品質・安定性を実現した当社独自の拡大培養技術“J-iSS”が、近畿経済産業局(経済産業省)の「関西ものづくり新撰2021」に選定されました。このCellPet 3D-iPS®をもとにオルガノイド培養専用の培養装置CellPet® CUBEや酸素透過型の培養容器等を開発しました。 ③ 医療機器の開発・脳梗塞治療用幹細胞分離機器今年度新たに上記装置開発に関連する委託研究事業に採択されました。「治療機序に基づき最適化した効率的な脳梗塞治療用幹細胞分離機器の研究開発」令和3年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2021年~2023年度研究代表機関:公益財団法人神戸医療産業都市推進機構、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、日本光電工業株式会社医療機器として脳梗塞治療用の幹細胞分離機器の製造販売を目指します。・薬剤徐放デバイス製造装置(東北大学医学部)第2相の治験での適用を目指し、上記装置を試作開発しました。 ④ 第3の事業を目指した取組み・水晶振動子ウエハ加工システム(PCVM加工装置、膜厚検査装置及び搬送ユニット)の機器開発当社の「プラズマCVM」技術をもとに開発した水晶振動子ウエハ加工装置本体を中心に膜厚検査装置及び搬送ユニットで構成された全自動化システムで、水晶振動子ウェハのガラス基板の厚みをナノメートルオーダーで均一に加工をします。当事業年度は、量産システムの開発に成功し、パイロットユーザーに納入いたしました。今後は、国内外の水晶振動子メーカーに販売してまいります。 さらに、企業からの委託開発として半導体製造工場内で用いられる揮発性有機化合物(VOC)除去装置の試作開発を実施しました。 その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当事業年度の研究開発費は117,330千円となりました。 また、当社の細胞培養センターでは、当事業年度は当社が開発した自動細胞培養装置KB2000、MakCell®や新しい培養容器の上市に向けた培養評価等の実施や、大阪大学医学部や横浜市立大学医学部との共同研究を実施しました。また、その他大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施してまいりました。 (3) その他事業電子科学株式会社の昇温脱離分離装置(TDS)は当社のオプティカル事業の海外チャンネルを用い、営業の強化を図ってまいりますが、同社の装置製造は、ファブレス方式のため、当社のライフサイエンス・機器開発事業の生産体制と同方式で、今後は、当社の生産管理をもとに体制を強化し、製造の効率化を図ってまいります。また、同社の分析技術と当社の自動化技術を融合し、特に半導体分野において、共同で新しい製品の企画、開発を進めてまいります。このように、当社とは営業面だけでなく、製造面や開発面でもシナジー効果が期待できます。
FY2020|2,310 文字
5【研究開発活動】当社は、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進する「オプティカル事業」及び主に創薬、再生医療及びiPS細胞等に関連した各種細胞培養装置を開発販売する「ライフサイエンス・機器開発事業」の2つの事業を柱としておりますが、現在研究開発活動はこれら事業の関連技術を中心に実施しており、主にX線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子及び独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置を中心に開発を継続しております。なお、研究開発費については、細胞培養センターで行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用26,639千円が含まれており、当事業年度の研究開発費の総額は207,955千円であります。 (1) オプティカル事業当事業年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発・ナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSIの高精度化、効率化を目指した研究開発なお、このナノ加工・計測技術の実用化に成功した本事業について、2020年6月経済産業省により、世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する企業を選定する「2020 年版グローバルニッチトップ企業100 選」に素材・化学部門で選定されました。これは、当社主力製品である「大型放射光施設及びX線自由電子レーザー施設などで用いられる放射光用X線ミラー」が評価されたことによるものであります。・大気圧プラズマを利用したドライエッチング技術である「プラズマCVM」の実用化開発・触媒表面基準エッチング技術である「CARE」の実用化開発 ② 放射光施設向けの次世代商品の開発・形状可変ミラーのアプリケーションのソフト開発・回転楕円ミラー・ウォルターミラー ③ 第3の事業を目指したX線ミラー及び加工技術の適用化開発・半導体、宇宙分野でのX線ミラー及び回折格子等の適用化開発・次世代フォトマスク基板での当社独自のEEMナノ加工技術の適用化開発 その結果、オプティカル事業に係る当事業年度の研究開発費は97,352千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業当事業年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の通りの機器開発や競争的資金・開発助成金を積極的に活用し、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 各種自動細胞培養装置の開発・MakCell(iPS細胞用の自動細胞培養装置CellPet®シリーズの後継機種)・KB2000(100枚程度のプレートを同時培養可能な中規模の自動細胞培養装置) ② 再生医療関連の研究開発・当該事業年度に採択されたステップアップ研究事業「ヒト弾性軟骨デバイスを用いた頭頚部形態異常疾患に対する新規治療法の開発」(令和2年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2020年~2021年度)横浜市立大学、東京大学、神奈川県立こども医療センター、株式会社ジェイテックコーポレーション・その他の共同研究心筋細胞の前臨床研究(大阪大学医学部との共同開発) ③ iPS細胞関連の研究開発及び商品開発・当事業年度中に終了した研究助成事業3次元培養技術CELLFLOAT®を用いたiPS細胞等の3次元大量培養技術の開発(当事業年度継続の研究助成事業)「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養技術の実用化開発」(戦略的基盤技術高度化支援事業 中小企業経営支援等対策費補助金、経済産業省:2017年9月~2020年3月)大阪大学医学部、大阪大学工学部、株式会社ジェイテックコーポレーション・当事業年度に採択された新たな研究助成事業iPS細胞等の大量細胞凝集塊分散技術の開発「iPS 細胞等による分化製造プロセスにおける高効率な大量細胞凝集塊分散技術ならびに自動化装置の研究開発」(令和2年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)経済産業省:令和2年度~令和4年度:3ヶ年):株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学医学部、大阪大学工学部・商品開発CellPet® CUBE(オルガノイド培養向けに特化した培養装置)、酸素透過型の培養容器 ④ その他当事業年度に採択された新たな助成研究事業・「再生医療・創薬の実用化研究に寄与するiPS細胞等の培養ベッセル開発」令和元年度補正・令和二年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金 全国中小企業団体中央会(経済産業省):令和2年度:株式会社ジェイテックコーポレーション ⑤ 第3の事業を目指した取組み・水晶振動子ウエハ加工システム(PCVM加工装置、膜厚検査装置及び搬送ユニット)の機器開発 ⑥ 医療機器の開発医療機器の製造販売を目指し、大学や研究機関との共同研究を進めております。・薬剤徐放デバイス製造装置(東北大学医学部)・骨髄単核球分離装置(先端医療振興財団) その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当事業年度の研究開発費は83,963千円となりました。 また、当社の細胞培養センターでは、当事業年度は当社が開発した自動細胞培養装置KB2000、MakCell®や新しい培養容器の上市に向けた培養評価等の実施や、大阪大学医学部や横浜市立大学医学部との共同研究を実施しました。また、その他大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施してまいりました。
FY2019|6,433 文字
5【研究開発活動】当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する。」を経営理念とし、「日本の成長戦略の科学技術、特に創薬、医療技術のイノベーションの推進に寄与するシステムを提供する」という経営方針のもと、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しております。現在、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進するオプティカル事業及び主にiPS細胞やその他の創薬や再生医療等に関連した各種細胞培養装置を開発販売するライフサイエンス・機器開発事業の2つの事業を柱とし、研究開発活動はこれら事業の関連技術を中心に実施しております。2013年に関西イノベーション国際戦略総合特区の研究事業に下記の2つのプロジェクトが認定されました。「放射光とシミュレーション技術を組み合わせた革新的な創薬開発の実施」概要:ジェイテック(注1)の開発センターにおいて、実験設備などの整備を行う。タンパク質の解析等を行う高性能の「X線ナノ集光ミラー」の開発を目指す。「先端医療技術(再生医療・細胞治療等)の早期実用化」概要:臨床研究のための移植に有効な大型の軟骨組織等の細胞組織を培養することができる「全自動細胞培養システム」の開発を目指す。当初これらプロジェクトをメインテーマとして研究開発を進め、現在本プロジェクト終了後も、X線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子、及び独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置システムを中心に開発を推進しております。当事業年度の当社の研究開発費は183,433千円であります。(注1):ジェイテックは2013年当時の当社社名であります。当社は2016年5月に株式会社ジェイテックから株式会社ジェイテックコーポレーションへ商号変更を行っております。 (1) オプティカル事業当事業年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発本事業の主要製品であるX線ナノ集光ミラーは、放射光X線をある一定の角度で全反射させ、特定の一点にナノメートルレベルに集中(集光)させることが特長です。本ミラーによりナノメートルレベルに集光されたX線は、従来製品と比べ、様々な物質を短時間で、高精度、高分解能に分析することが可能となります。たとえば医薬品の開発において新たな製品の開発等に必要な観察や同定を行ううえで重要な役割を担っており、物質科学、生命科学、医学など様々な分野で幅広く利用され、さらに環境・エネルギー、化学、自動車など企業の素材や製品開発に活用され、産業利用ニーズが高まっております。このようなX線ナノ集光ミラーを製造するためには、ナノメートルレベルの精細な表面ナノ加工技術が必要なだけでなく、設計通りに加工されたことを確認するためのナノメートル精度のナノ計測技術が必要不可欠となります。当社では大阪大学の超平坦化基盤技術であるナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSIを、大阪大学より技術移転を受け、実用化に成功し、海外の競合他社では利用できない独自のナノ加工技術として確立しました。しかし海外の競合企業では研究開発が活発で、技術的優位性を保持するためには絶え間ない技術開発が必要不可欠であると考えており、昨年同様にナノ加工技術の高精度化、効率化を目指した研究開発を推進しております。また、新たに更なる高精度化を目指した表面ナノ加工技術「CARE」<注28>の実用化開発に着手し、計測対象の形状多様性に対応した新計測装置の開発も推進しております。尚、このナノ加工・計測技術の実用化に成功した本事業により経済産業省の2016年「はばたく中小企業・小規模事業者300社の生産技能部門生産性優良企業」に選定されました。 ② 放射光施設向けの次世代商品の開発2017年度に採択された研究事業「回折限界下で集光径可変な次世代高精度集光ミラーの製造技術の開発」(2017年度兵庫県最先端技術研究事業(COEプログラム)、兵庫県2017年9月~2018年3月、共同研究先:㈱ジェイテックコーポレーション、(財)高輝度光科学研究センター、(独)理化学研究所、大阪大学)において形状可変ミラー(集光径を自在に変える)の製造技術の開発成功し、2018年4月には上市し、早期に複数のパイロットユーザーに納入し、評価テストを実施いたしました。本ミラーにより次世代の放射光施設向けに対応した世界で初めて回折限界で集光径を自在に制御することに成功しました。③ 第3の事業を目指した加工技術の研究開発オプティカル事業に係る研究開発は、大阪大学の森勇藏名誉教授及び山内和人教授の長年の研究成果で、世界に類を見ない原子レベルの究極の加工技術を基にしたもので、自由な曲面をナノメートルレベルの形状精度で実現し、現在は放射光用X線ミラーだけでなく、その他産業分野にも当社のX線光学素子を供給し、または独自のナノ加工技術の適用を図るために大学及び企業と積極的に研究開発を進めております。例えば、半導体分野では、次世代EUV露光装置関連で用いられる光学素子はナノメートルレベルの形状精度が必要不可欠となり、本加工技術が唯一実現できるものであると評価され、装置製造企業と実用化に向けた開発を推進しております。またウェハの評価検査を可能としたX線顕微鏡用のX線光学素子の開発にも成功しました。さらにフォトマスク分野でも当社独自のEEMナノ加工技術の適用の期待が高く、平坦度10nm以下を目指し、当社の表面加工技術を用いた加工・評価テストを推進しております。 その結果、オプティカル事業に係る当事業年度の研究開発費は106,870千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業事業年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① iPS細胞用自動培養装置CellPet®のバージョンアップ開発2013年に商品化に成功したiPS細胞用自動培養装置CellPet®は、iPS細胞研究者のために毎日の煩わしい培地交換作業の自動化を実現した装置ですが、2015年度 おおさか地域創造ファンド重点プロジェクト事業助成金を得て、ユーザーからの新しい要望に応えるために細胞観察機能等新機能を実現するためのユニット開発を実施してまいりました。当該事業年度では、バージョンアップしたCellPet®Ⅱの販売を開始いたしました。 ② 3次元培養技術CELLFLOAT®を用いたiPS細胞等の3次元大量培養技術の開発当社独自の3次元培養技術CELLFLOAT®は、2005年より産業技術総合研究所と共同研究を推進してきた独自の回転浮遊培養技術であり、ディッシュやフラスコを用いた静置培養法と比べ、湿重量で5倍の細胞組織を形成し、培養時間も1/3に短縮し、100%正常細胞の培養が実現可能という研究成果を得ております。また、従来の3次元浮遊培養技術と比べ、閉鎖系(汚染リスク排除)で、細胞に対してストレスが適度で、栄養・酸素補給、排泄物除去などの効率性に優れており、3次元培養技術では有効な方法であると評価されております。2014年度からの3ヶ年の戦略的基盤技術高度化支援事業(中小企業経営支援等対策費補助金 経済産業省)に採択され、産業技術総合研究所、大阪大学と創薬スクリーニング用の3次元組織細胞を大量に培養可能な回転浮遊培養装置CellPet® 3Dの開発とその3次元組織細胞を用いた創薬スクリーニング操作の自動化システムを開発してまいりました。(テーマ「iPS細胞等の3次元大量培養技術の開発」)本事業ではさらに本大量培養技術の深堀り研究として、iPS細胞に特化したスフェロイド大量培養技術の開発も推進し、CellPet 3D-iPS®及びCellPet FT®の製品化に成功しました。本装置を使った新しい継代培養技術は「JiSS」と名付け、従来のiPS細胞の継代培養に代わる画期的な培養技術として評価されており、2017年度にはさらに下記の助成事業に採択されました。 ・今年度継続助成事業「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養技術の実用化開発」(戦略的基盤技術高度化支援事業 中小企業経営支援等対策費補助金、経済産業省:2017年9月~2020年3月予定)共同研究先:大阪大学再生医療への大きな期待により、国や企業が多額の研究費により難治性疾患治療法の確立が急務となっております。しかし、再生医療には高品質で大量のiPS細胞が必要ですが、現在iPS細胞は主に手作業で培養されており、生存率などの品質が低く、細胞の形質にバラつきが多く、また手間やコストもかかるのが現状です。そこで、本研究では、CellPet 3D-iPS®及びCellPet FT®をもとに臨床現場に普及し易い低コストの大量継代培養自動化システムを構築し、品質、バラつき、コストを満足する細胞の提供を目指しております。本事業年度はこのiPS細胞向けの大量継代培養自動化システムを完成させました。次年度には大阪大学医学部に導入し、フィールドテストを実施する予定です。 ③ 再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発2013年度からの3ヶ年の京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区事業(課題解決型医療機器等開発事業、医工連携事業化推進事業)で、横浜市立大学、大阪大学及び産業技術総合研究所と当社の3次元培養技術CELLFLOAT®を用いたCellPet® 3Dを内蔵する再生医療向け3次元細胞培養システム(CellMeister® 3D)を試作開発してまいりました。(テーマ「再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発」)本CellMeister® 3Dは世界初の弾性軟骨デバイスを用いた再生医療の実現を目指し、臨床前研究を実施してまいりましたが、2016年度には新たに横浜市立大学と神奈川県立こども医療センターと共同で、下記の国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の委託研究事業に採択されました。 ・今年度継続委託研究事業「臨床試験を目指す3次元細胞培養システムを用いた革新的ヒト弾性軟骨デバイスの創出」(産学連携医療イノベーション創出プログラム 日本医療研究開発機構(AMED):2016年10月~2019年3月)共同研究先:横浜市立大学、神奈川県立こども医療センター本研究事業は、2016年4月に大阪大学吹田キャンパス内の産学共創本部B棟に開設いたしました当社独自の細胞培養センターでも本研究を引継いで実施しております。再生医療等に用いる数十mm以上の大きさの弾性軟骨の大型組織細胞の培養を可能とする3次元細胞培養システムを開発して製品化の目途を立てており、まずは第一弾として難治性の鼻咽腔閉鎖不全症を対象疾患の治療として来年以降の医師主導の治験の準備を進めております。本治療では十㎜程度の弾性軟骨で十分ですが、現在は30㎜大の組織培養が可能となっており、将来的には市場規模が格段に大きい、膝・耳・鼻等対象疾患への適用拡大が期待できますまた第2弾として大阪大学医学部と心筋細胞の培養に当社独自の3次元浮遊培養技術「Cell Float®」を導入しまいりましたが、従来培養方法と比べ優位性が証明され、国際学会(大阪大学医学部、アメリカ心臓協会2018.11)で発表いたしました。今後は臨床研究への導入に向けて共同研究を継続いたします。ところで本研究を通じて再生医療の培養技術を習得するだけでなく、PMDAなどの事前相談などを再生医療業務のノウハウとして取得しており、当社の開発した再生医療向け自動細胞培養装置である専用CO2インキュベータ付属のセルプロセッシングアイソレータシステム(CellMeister® 3D)や本システムに必要不可欠な消耗品である培養容器を販売するだけではなく、ユーザーとなる大学病院や再生医療会社に対して本システムの運営に関してのノウハウを提供するコンサルティング・支援サービス業務なども含めたトータルシステムの販売を目指しております。また当細胞培養センターでは大学や企業と獲得した競争的資金で進める共同研究を推進するために、本技術を用いた細胞培養装置の培養評価や培養技術の開発だけでなく、大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施しております。なお、当細胞培養センターにおける研究開発は、ライフサイエンス・機器開発事業に含んでおりません。 ④ 水晶振動子<注29>ウェハ加工装置及び検査装置の研究開発当社はプラズマCVM<注30>などナノ加工技術の実用化開発を進めてまいりましたが、本加工装置は大手企業からの委託で、当社のプラズマCVMすなわち大気圧プラズマを利用して水晶振動子ウェハの厚さのばらつきをナノメートルレベルまで超高精度に表面加工するもので、これにより水晶素子の振動数のばらつきを低減します。当事業年度では大阪大学の協力をへて、大気圧プラズマを利用した水晶振動子ウェハの加工テストを実施し、試作装置の試作開発に成功しました。さらにウェハの厚さを高速で評価する膜厚検査装置も同時に開発に着手しております。 その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当事業年度の研究開発費は53,076千円となりました。 注28:「CARE」(Catalyst Referred Etching)触媒機能を持つパッド(PtやNi等の触媒を成膜)を加工対象物上で超純⽔を加⼯液として動かすことで被加工表⾯上の凸部のみ化学的に除去する触媒作用を利用した独自のエッチング技術。ガラスやSiCを始めとする様々な材料表面を原⼦スケールで平坦化します。当社EEMナノ加工技術は既に形状精度Si原⼦4個分(Peak to Valley (P-V値)1nm)の平坦度を⻑さ1mのミラーで実現していますが、CAREは更にP-V0.7nmを実現し、将来的には原⼦1個分も可能な究極の加⼯法です(図G参照)。 図G CAREの加工原理 注29:水晶振動子水晶振動子は、デジタル回路の信号タイミングを同期させるための基準周波数発生素子でパソコン、スマートフォンやカーナビなどのデジタル機器に欠かせない重要部品であり、全てのデジタル機器には必ず使用されておちます。これらのデジタル機器は年々集積度が上がり、それに使用される素子も小型化・高速化が求められております。この水晶振動子が発振する振動数は、その厚さに依存しますが、素子の小型化に伴い、水晶振動子ウェハの厚さのばらつきが大きいと、そこから小片化して作られる水晶素子の振動数のばらつきも大きくなります。 注30:プラズマCVM(Chemical Vaporization Machining)⼤気圧プラズマを利⽤したドライエッチング技術。⾼圧⼒雰囲気(主として⼤気圧のHe)中で電極周りに⾼周波プラズマを発⽣させ、⾼密度で反応性の⾼いラジカルを局所的に⽣成し、被加⼯物表⾯原⼦と反応させて揮発性の物質に変えることで除去するという加⼯法です。同法による数値制御加⼯は、加⼯量をプラズマの滞在時間で制御するため、機械精度等の影響を受けにくく、被加⼯物表⾯の原⼦配列を乱さないのが特徴です。当社ではさらに大阪大学の独自の技術である多電極数値制御法の実用化を図り、加工効率の格段の向上を目指しています(図H参照)。 図H プラズマCVMの加工原理
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5【研究開発活動】当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する。」を経営理念とし、「日本の成長戦略の科学技術、特に創薬、医療技術のイノベーションの推進に寄与するシステムを提供する」という経営方針のもと、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しております。現在、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進するオプティカル事業及びiPS細胞やその他の創薬や再生医療等に関連した各種細胞培養装置を開発販売するライフサイエンス・機器開発事業の2つの事業を柱とし、研究開発活動はこれら事業の関連技術を中心に実施しております。具体的には、平成25年に関西イノベーション国際戦略総合特区の研究事業に認定されたプロジェクト「放射光とシミュレーション技術を組み合わせた革新的な創薬開発の実施」(プロジェクト概要:ジェイテック(注1)の開発センターにおいて、実験設備などの整備を行う。タンパク質の解析等を行う高性能の「X線ナノ集光ミラー」の開発を目指す。)及び「先端医療技術(再生医療・細胞治療等)の早期実用化」(プロジェクト概要:臨床研究のための移植に有効な大型の軟骨組織等の細胞組織を培養することができる「全自動細胞培養システム」の開発を目指す。)を中心に研究開発を進め、現在本プロジェクト終了後も、X線ナノ集光ミラー及び各種細胞培養システムを中心に開発を推進しております。当事業年度の当社の研究開発費は173,902千円であります。(注1):ジェイテックは平成25年当時の当社社名であります。当社は平成28年5月に株式会社ジェイテックから株式会社ジェイテックコーポレーションへ商号変更を行っております。 (1) オプティカル事業当事業年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 放射光施設用X線集光ミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発本事業の主要製品であるX線ナノ集光ミラーは、放射光X線をある一定の角度で全反射させ、特定の一点にナノメートルレベルに集中(集光)させることが特長です。本ミラーによりナノメートルレベルに集光されたX線は、従来製品と比べ、様々な物質を短時間で、高精度、高分解能に分析することが可能となります。たとえば医薬品の開発において新たな製品の開発等に必要な観察や同定を行ううえで重要な役割を担っており、物質科学、生命科学、医学など様々な分野で幅広く利用され、医療・産業技術の発展に貢献しております。また最近は、基礎研究分野に加えて医療・バイオだけでなく、環境・エネルギー、化学、自動車など企業の素材や製品開発に活用され、産業利用ニーズが高まっております。このようなX線ナノ集光ミラーを製造するためには、ナノメートルレベルの精細な表面加工技術が必要だけでなく、設計通りに加工されたことを確認するためのナノメートル精度の計測技術が必要不可欠となります。当社では大阪大学の超平坦化基盤技術であるナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSIを、大阪大学より技術移転を受け、実用化に成功し、海外の競合他社では利用できない独自のナノ加工技術として確立しました。しかし海外の競合企業でも研究開発が活発で、技術的優位性を保持するためには絶え間ない技術開発が必要不可欠であると考えております。なお、本ナノ加工技術を実用化した事業により経済産業省の平成28年「はばたく中小企業・小規模事業者300社の生産技能部門生産性優良企業」に選定されました。 ② 放射光施設向けの次世代商品の開発当事業年度では下記の研究事業に申請・採択され、最近世界各地で計画されている次世代の放射光施設向けに対応した形状可変ミラーの実用化研究を推進し、商品化に成功しました。 ・新規採択の研究事業「回折限界下で集光径可変な次世代高精度集光ミラーの製造技術の開発」(平成29年度兵庫県最先端技術研究事業(COEプログラム):兵庫県平成29年9月~平成30年3月)共同研究先:㈱ジェイテックコーポレーション、(財)高輝度光科学研究センター、(独)理化学研究所、大阪大学現在世界各国で建設・稼働し始めている次世代放射光施設の高輝度化に伴い,同じ試料を同時に様々な分析手法で測定するために,集光径を自在に変えるミラーの需要が高まっており、大阪大学と理化学研究所はナノレベルで任意形状に変形できる形状可変ミラーを開発し,世界で初めて回折限界で集光径を自在に制御することに成功しました。本研究事業では,当社はこの成果を基に大阪大学と理化学研究所の協力を得て、高精度形状可変ミラーの実用化のための製造技術を開発に成功し、平成30年4月に上市いたしました。 ③ 第3の事業を目指した加工技術の研究開発オプティカル事業に係る研究開発は、大阪大学の森勇藏名誉教授及び山内和人教授の長年の研究成果で、世界に類を見ない原子レベルの究極の加工技術を基にしたもので、自由な曲面をナノメートルレベルの形状精度で実現し、現在は放射光用X線ミラーだけでなく、その他産業分野にも適用を図るために大学及び企業と研究開発を進めております。例えば、半導体分野で使用されるX線光学素子に関し、次世代装置では1ナノメートルレベルの形状精度が必要不可欠となり、本加工技術が唯一実現できるものであると評価され、分析装置や製造装置メーカーと研究開発を推進しております。 この結果、オプティカル事業に係る当事業年度の研究開発費は90,459千円となりました。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業事業年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。 ① 当社製品のiPS細胞用自動培養装置CellPetのバージョンアップ開発平成25年に商品化に成功したiPS細胞用自動培養装置CellPetは、iPS細胞研究者のために毎日の煩わしい培地交換作業の自動化を実現した装置ですが、平成27年度 おおさか地域創造ファンド重点プロジェクト事業助成金を得て、ユーザーからの新しい要望に応えるために細胞観察機能等新機能を実現するためのユニット開発を実施してまいりました。当該事業年度では、バージョンアップしたCellPet Ⅱの追加の検証実験を実施してまいりました。 ② 当社独自の3次元培養技術CELLFLOATを用いた「iPS細胞等の3次元大量培養技術の開発」当社の3次元培養技術CELLFLOATは、平成17年より産業技術総合研究所と共同研究を推進してきた独自の回転浮遊培養技術であり、ディッシュやフラスコを用いた静置培養法と比べ、湿重量で5倍の細胞組織を形成し、培養時間も1/3に短縮し、100%正常細胞の培養が実現可能という研究成果を得ております。また、従来の3次元浮遊培養技術と比べ、閉鎖系(汚染リスク排除)で、細胞に対してストレスが適度で、栄養・酸素補給、排泄物除去などの効率性に優れており、3次元培養技術では有効な方法であると評価されております。平成26年度から28年度まで戦略的基盤技術高度化支援事業(平成28年度中小企業経営支援等対策費補助金 経済産業省)に採択され、産業技術総合研究所、大阪大学と創薬スクリーニング用の3次元組織細胞を大量に培養可能な回転浮遊培養装置CellPet 3Dの開発とその3次元組織細胞を用いた創薬スクリーニング操作の自動化システムを開発してまいりました。(テーマ「iPS細胞等の3次元大量培養技術の開発」)本事業ではさらに本大量培養技術の深堀り研究として、iPS細胞に特化したスフェロイド大量培養技術の開発も推進し、CellPet 3D-iPS及びCellPet FTの製品化に成功しました。本装置を使った新しい継代培養技術は「JiSS」と名付け、従来のiPS細胞の継代培養に代わる画期的な培養技術として評価されており、昨年度さらに下記の助成事業に採択され、本3次元大量継代培養技術の実用化開発を推進し、当事業年度も研究開発を継続実施いたしました。 ・今年度継続助成事業「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養技術の実用化開発」(戦略的基盤技術高度化支援事業 平成29年度中小企業経営支援等対策費補助金、経済産業省:平成29年9月~平成32年3月予定)共同研究先:大阪大学再生医療への大きな期待により、国や企業が多額の研究費により難治性疾患治療法の確立が急務となっております。しかし、再生医療には高品質で大量のiPS細胞が必要ですが、現在iPS細胞は主に手作業で培養されており、生存率などの品質が低く、細胞の形質にバラつきが多く、また手間やコストもかかるのが現状です。そこで、本研究では臨床現場に普及し易い低コストの大量継代培養自動化システムを構築し、品質、バラつき、コストを満足する細胞の提供を目指しております。 ③ 再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発平成25年から27年度まで京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区事業(課題解決型医療機器等開発事業、医工連携事業化推進事業)に採択され、横浜市立大学、大阪大学及び産業技術総合研究所と当社の3次元培養技術CELLFLOATを用いた再生医療向け3次元細胞培養システム(CELL MEISTER-3D)を試作開発してまいりました。(テーマ「再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発」)CELL MEISTER-3Dは世界初の弾性軟骨デバイスを用いた再生医療の実現を目指し、臨床前研究を実施してまいりましたが、昨年度には新たに横浜市立大学と神奈川県立こども医療センターと共同で、下記の国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の委託研究事業に採択され、臨床研究を目指し、下記の本研究開発事業に採択され、大型の3次元培養技術の開発、培養ベッセルの試作開発及び本3次元細胞培養システムCELL MEISTER-3Dの改良等を実施し、当事業年度も研究開発を継続実施いたしました。 ・今年度継続委託研究事業「臨床試験を目指す3次元細胞培養システムを用いた革新的ヒト弾性軟骨デバイスの創出」(産学連携医療イノベーション創出プログラム 日本医療研究開発機構(AMED):平成28年10月~平成31年3月予定)共同研究先:横浜市立大学、神奈川県立こども医療センター本研究事業の一部は、平成28年4月に大阪大学吹田キャンパス内の産学共創本部B棟に開設いたしました当社独自の細胞培養センターへと引き継いでおります。再生医療等に用いる数十mm以上の大きさの弾性軟骨の大型組織細胞の培養を可能とする3次元細胞培養システムを開発して製品化の目途を立てており、来年以降の医師主導の治験を目指して準備を進めております。さらに、弾性軟骨の大型化に伴い、膝・耳・鼻等対象疾患の拡大が期待でき、本研究を通じて再生医療の培養技術を習得し、当社の開発した3次元培養装置の販売だけでなく、システム全体のサービスも含めたトータルシステムの販売を目指しております。 なお、当細胞培養センターでは大学や企業と獲得した競争的資金で進める共同研究を推進するために、本技術を用いた細胞培養装置の培養評価や培養技術の開発だけでなく、大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施しております。当細胞培養センターにおける研究開発は、ライフサイエンス・機器開発事業に含まれております。 その結果、細胞培養センターにおける研究開発費を含む本事業に係る当事業年度の研究開発費は83,443千円となりました。