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伊藤園(優先株式)(2593)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 茶葉・飲料の製造販売
    伊藤園グループは、茶葉(リーフ)製品と飲料(ドリンク)製品の製造販売を主要事業としています。緑茶、麦茶、ウーロン茶などを自社で製造・販売するほか、飲料製品は外部メーカーに製造委託し、完成品を仕入れて全国に販売しています。
  • 飲食関連事業の展開
    タリーズコーヒージャパン株式会社を通じて、スペシャルティコーヒーの飲食店経営やフランチャイズ展開も行っています。これにより、飲料事業とは異なる収益源を確保し、事業の多角化を図っています。
  • 海外展開と多角化
    米国、中国、オーストラリア、東南アジアなどでも事業を展開しており、茶葉の栽培から製造、販売までを一貫して行ったり、現地での製品販売を行ったりしています。また、米国ではサプリメントの製造販売も手掛けており、事業領域を広げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 茶葉・飲料事業
    伊藤園グループの主要な収益源であり、売上高4203.28億円、営業利益190.25億円を計上しています。茶葉(リーフ)製品と飲料(ドリンク)製品の製造販売を国内外で行っており、特に「お~いお茶」ブランドを中心とした緑茶飲料が事業を牽引しています。
  • 飲食関連事業
    タリーズコーヒージャパン株式会社が展開するスペシャルティコーヒーの飲食店経営・フランチャイズ事業です。売上高437.69億円、営業利益35.18億円を計上しており、飲料事業とは異なる顧客層にアプローチし、グループ全体の収益基盤を多様化しています。
  • その他の関連事業
    米国でのサプリメント製造販売など、上記の主要事業以外の活動が含まれます。具体的な売上や利益の記載はありませんが、事業の多角化と新たな収益機会の創出を目指す取り組みの一環として位置づけられています。
2025-04 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TeaLeavesBeveragesBusiness 地域 4,203 190 4.5%
RestaurantBusiness 地域 438 35 8.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,228 文字
3【事業の内容】当社の企業集団は、当社、子会社38社、関連会社8社により構成されており、茶葉(リーフ)、飲料(ドリンク)の製造販売を主たる事業とし、飲食関連事業ならびにその他の関連事業も行っております。当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、以下のとおりであります。なお、以下の事業区分は、「セグメント情報」における事業区分と同一であります。 <リーフ・ドリンク関連事業>当社は茶葉(リーフ)製品を仕入製造し、緑茶、麦茶、ウーロン茶等を中心に全国に販売しております。ただし、沖縄地区・北海道地区におきましては、それぞれ㈱沖縄伊藤園・㈱北海道伊藤園が当社製品を仕入れて販売しております。また、伊藤園産業㈱及び㈱伊藤園関西茶業は緑茶、麦茶等を製造加工し、その大部分を当社が仕入れております。当社は飲料(ドリンク)製品を企画・開発しており、生産につきましては当社グループ外のメーカーに製造委託した後、完成品として仕入れ、全国に販売しております。ネオス㈱は、当社製品を仕入れて自動販売機を通じた飲料の販売を行っております。また、伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ㈱は、製品を仕入れて当社へ販売しております。チチヤス㈱は、乳類の処理加工販売、発酵乳等の製造販売を行っております。なお、国内のリーフ・ドリンク関連事業における当社の物流業務は、主にトーウンロジテム㈱に委託しております。海外におきましては、ITO EN(Hawaii)LLCが製品を製造し、米国ハワイ州を中心に販売を行っております。ITO EN(North America)INC.は当社製品を仕入れ、米国を中心に販売を行っております。Distant Lands Trading Co.は米国を中心にコーヒー豆の栽培から販売までを行っております。当社はDistant Lands Trading Co.より原料等の一部を仕入れております。福建新烏龍飲料有限公司は、製品を製造し、中国・香港を中心に販売しており、伊藤園飲料(上海)有限公司は、福建新烏龍飲料有限公司より製品を仕入れ、中国国内で販売しております。ITO EN AUSTRALIA PTY. LIMITEDは、現地で茶葉を栽培し、製造したティーバッグ製品等に加え、当社から仕入れた製品をオーストラリア中心に販売しております。ITO EN Asia Pacific Holdings Pte. Ltd.は、当社製品を仕入れ、東南アジアを中心に販売を行っております。 <飲食関連事業>タリーズコーヒージャパン㈱は、国内でスペシャルティコーヒーの飲食店を経営・フランチャイズ展開しております。なお、Distant Lands Trading Co.より原料等の一部を仕入れております。 <その他>Mason Distributors,Inc.は、米国でサプリメントの製造及び販売を行っております。事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
飲料製品の低価格化が続き、競争激化に起因する販売額の伸び悩みが顕著。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「お~いお茶」ブランドを中心とした緑茶飲料の市場拡大とグローバルブランド化。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:政治・経済・社会動向に起因するリスク / 食品・飲料市場動向に起因するリスク / 原材料調達に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

「お~いお茶」ブランドは長年にわたり高い認知度と信頼を獲得しており、日本の緑茶飲料市場において圧倒的な地位を確立している。この強力なブランド力は、新規参入障壁として機能している。また、健康志向の高まりと共に、機能性表示食品などの開発力も強みとなっている。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

飲料製品は一般的にスイッチングコストが低いが、「お~いお茶」ブランドへの愛着や習慣化により、一部の顧客は他社製品への乗り換えを躊躇する可能性がある。しかし、これは限定的であり、価格やプロモーションの影響を受けやすい。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

伊藤園のビジネスモデルには、直接的なネットワーク効果は見られない。製品の価値は、ユーザー数が増えることで向上するような構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

原料調達(茶葉)、製造、物流における効率化を進めているが、競合他社も同様の取り組みを行っており、顕著なコスト優位性を確立しているとは言えない。ただし、長年の経験に基づくノウハウは一定の効率性をもたらしている。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内飲料市場において、特に緑茶カテゴリーで高いシェアを誇る。大規模な生産・販売網は、効率的なオペレーションを可能にし、一定の競争優位性を生み出している。しかし、グローバル市場での規模の経済は限定的である。

  • 「お~いお茶」ブランド力
    伊藤園の飲料製品全体に占める「日本茶飲料」の割合は63%と非常に高く、特に「お~いお茶」ブランドは国内外で高い認知度と信頼を得ています。この強力なブランド力は、市場での競争優位性を確立し、安定した収益基盤を支えています。
  • 茶葉の安定調達と生産体制
    就農人口の減少や茶園面積の減少といった課題がある中で、茶産地育成事業への取り組みや人手に依存しない生産方法の確立を通じて、主要事業に不可欠な茶葉の安定供給に努めています。これにより、原材料調達のリスクを軽減し、持続的な製品供給を可能にしています。
  • 効率的な生産・物流ネットワーク
    全国を5つのブロックに分けた効率的な生産・物流体制を構築しており、グループ内工場と複数の外部委託工場を組み合わせることで、安定した製品供給と迅速な配送を実現しています。これにより、災害時などの不測の事態にも対応できる強固なサプライチェーンを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年7月23日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)当社グループの経営の基本方針 当社グループは創業以来、「お客様第一主義」の経営理念に基づき、全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」を考え、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の製品開発コンセプトに基づき、お客様にお喜びいただける製品の開発と、お客様に密着したサービスに努めてまいりました。 当社グループの考える「お客様」とは、「消費者の皆様・株主の皆様・販売先の皆様・仕入先の皆様・金融機関の皆様・地域社会の皆様」であり、単に消費者の皆様にとどまらず、当社グループと関わりを持たれるすべての方々を「お客様」と定義しております。 全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」の精神を持ち、「お客様」にお喜びいただける最良のサービスをご提供することが、最良の経営につながるものと確信しております。 今後も、当社グループは「お客様第一主義」の経営理念に基づき、継続的に企業価値を高め、より一層株主価値を向上させる経営に努めてまいります。 (2)当社グループの中期的な経営戦略 当社グループは、2024年6月に2029年4月期までを対象とする新たな「伊藤園グループ 中期経営計画」(以下、中期経営計画)を発表しました。 中期経営計画では、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会を実現するため、2041年4月期の将来像実現に向けて、より迅速な事業展開を推進します。当社グループは、「お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現」を使命として、「健康創造企業」をグループのミッションとして掲げています。新たに策定した中期経営計画に基づき、今後も「心身の健康」「社会の健康」「地球環境の健康」の価値創造に取り組み、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 中期経営計画 5つの重点戦略 (3)当社グループの対処すべき課題 当社グループは今後、法令及び社会的規範の遵守、製品の安全性並びに品質管理体制等、企業の社会的責任に消費者の厳しい目が向けられる中、経営理念であります「お客様第一主義」を徹底し、企業価値を高め、一層の株主価値を向上させるために、以下の項目を中心に取り組んでまいります。 ①ブランドの確立1.製品開発 当社は、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」を製品開発コンセプトに、全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」を考え、当社独自の提案制度であるVoice制度(お客様のご不満やご要望を製品開発に取り入れる提案制度)を活用し、積極的に新製品の開発及び既存製品の改良を行っております。今後もVoice制度を積極的に活用し、お客様のニーズに即した製品開発・改良に努めてまいります。 2.研究開発 当社の研究開発は、特に「健康・安全・おいしい」、及び持続可能な社会への貢献として環境に重点を置き、基礎・応用研究を進めております。当社が提供する製品が、人々の健康維持に有用であることを、様々な試験を通じて検証し、常に最新情報を発信し続けます。さらに健康価値を表示できる特定保健用食品や機能性表示食品の開発にも力を注いでまいります。また、飲料のおいしさに関与する成分研究や物性に関する研究を進め、より優れた製品開発に向けた技術提案を行ってまいります。環境については、「お~いお茶(Oi Ocha)」などの飲料製造工程で発生する茶殻を、肥料や飼料への再利用のほか、新たなアップサイクル製品へと生まれ変わる「茶殻リサイクルシステム」を推進してまいります。 3.ブランド強化政策 「伊藤園(ITO EN)」という総称ブランドを軸に、「お~いお茶(Oi Ocha)」「健康ミネラルむぎ茶」「TULLY'S COFFEE」「1日分の野菜」などの個別ブランドの強化を図ってまいります。 特に主力製品であります「お~いお茶(Oi Ocha)」につきましては、1985年の発売から続いている原料と製法にこだわり、自然のままのおいしさを引き出し、お客様へご提供してまいります。また、緑茶飲料が様々な飲用シーンでお楽しみいただけるよう、容量、容器バリエーションの充実を図るとともに、緑茶飲料を初めて発売した当社ならではの技術力で、季節に合わせた製品や「濃い茶・ほうじ茶・玄米茶・抹茶」など、茶葉の特徴を取り入れ、飲用価値を訴求した製品を発売し、より一層のブランド強化に努めてまいります。 ②営業基盤の強化1.ルートセールス ルートセールスとは、製品、サービスをお客様へ直接ご提供する販売システムのことであります。当社はこのシステムを採用することにより、当社とお客様をダイレクトに結びつけ、地域に密着した営業活動を展開しております。 また、機能性・携帯性に優れたルートセールス担当営業員用のポータブル端末を活用することで、お客様に効率的かつ的確なサービスをご提供できるよう努めております。 2.お客様へのサービスの強化 これまでもルートセールスにより、お客様へのサービスに努めてまいりましたが、確固たる営業基盤を築くため、新しいお客様の開拓に努めるとともに、既存のお客様への訪問の強化を行っております。また、お客様のご不満を聞き、お客様にご満足していただける製品開発や魅力的な売り場づくりなど、総合的なご提案をルートセールスにより行っております。 ③総コストの削減1.委託生産方式 飲料製品におきましては、「ファブレス(fabless 自社工場を持たない)」方式により、設備投資リスクの軽減を図り、市場環境の変化に迅速に対応できる体制にしております。 また、全国を5つの地域に分けて生産管理を行う5ブロック生産体制を敷くことにより、迅速な製品供給を行うとともに、物流の効率化も可能となっております。 2.原材料調達力の強化 当社は、緑茶のトップメーカーとして国内荒茶生産量の約4分の1を取扱い、長年にわたり生産者との信頼関係を築き上げた結果、高品質の原料を安定的に確保できる極めて強力な原料調達力を持っております。また、これまでに蓄積したノウハウと高い製造技術により、高品質の飲料用原料を自社製造で調達することができる飲料メーカーであります。 国内では就農者の高齢化と後継者不足のため、就農人口、茶園面積の減少が進んでおります。そこで当社は、日本農業の課題解決と、今後も需要増加が見込まれる緑茶飲料用を中心とした原料の安定調達の両立を目指して1976年より茶産地育成事業を行っております。各地の茶農家から茶葉を全量買い取りする“契約栽培”と、荒廃農地などを大規模な茶園に造成して茶葉を生産する“新産地事業”で茶産地をサポートしています。新産地事業では、九州5県に加え静岡県及び埼玉県にて、苗木の選定から茶園づくり、そしてその茶園を機械化、IT化により低コストで管理できる栽培及び荒茶加工ノウハウを、当社から農家に対し提供することで、生産性と環境保全を両立した茶園経営を推進し、より高品質な原料茶の安定調達を目指すとともに、荒廃農地の活用及び生産農家の後継者育成並びに雇用の創出など茶業界と地域の活性化にも寄与しております。 原料を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。たとえば、気候変動に伴う異常気象や自然災害の頻発、生産地域の変更や栽培面積の縮小といった課題が顕在化しています。さらに、エネルギー費、肥料費、人件費、物流費の高騰や、相場・為替の変動、地政学的リスクや社会情勢の変化など、調達環境は多様なリスクにさらされています。 このような状況下においても、コーヒー豆の調達については、当社グループ間で連携し、世界各地の産地やサプライヤーと協力して、安定的な原料調達を推進しています。 また、「1日分の野菜」等の主要原料である人参に関しては、当社専用の人参を使用しており、50品種の中から厳選した、栄養価・風味・生産効率に優れた品種を採用しております。在来品種についても計画的に品種の見直しを行い、それらを継続的に評価しております。 さらに、原料の調達においては、供給エリア、生産時期、地政学リスク、輸送ルートなどを総合的に考慮し、供給先の分散化を推進しております。主要原料については、複数の供給元からの購買を徹底することで、安定供給体制を構築しております。 ④海外事業の強化 連結子会社であるITO EN (North America) INC. が米国における緑茶市場の創造と開拓を進めるため、全米のナチュラルフードマーケットや、ナショナルチェーン店等に対し営業活動を行い、日本茶を米国に普及させると同時に、「伊藤園(ITO EN)」及び「お~いお茶(Oi Ocha)」ブランドの確立を図っております。「ITO EN MATCHA GREEN TEA」につきましては、これまで米国市場には無かった高品質のティーバッグ製品や抹茶製品として、また「お~いお茶(Oi Ocha)」につきましては、日本と同様にティーバッグからインスタント、抹茶、飲料製品に至るフルラインアップによって、米国での日本茶市場の拡大に大きく貢献しており、今後も強化してまいります。中国、東南アジア、豪州、欧州などにつきましても、引き続き販売強化を進めてまいります。また、近年世界的に需要が急拡大している抹茶に関しましては、国内の調達・生産・加工体制を強化するとともに、全世界への供給網を整備しており、抹茶事業を新たな事業として捉え、取り組んでおります。 ⑤サステナビリティ経営の推進当社グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき、サステナビリティ経営の推進と実践により、社会・環境課題の解決と企業価値向上の両立(共有価値の創造:CSV)を目指しています。2022年度に「伊藤園グループにとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の双方向から評価した7つのマテリアリティを特定していました。しかし、気候変動による影響広まり、グローバルサプライチェーンの混乱や人権問題の顕在化、ウェルビーイングへの関心の高まりなど、急激な変化が起きていることから、経営環境の変化とグローバル化を成長戦略とする中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)を踏まえて、2024年度にマテリアリティの見直しを行い、新たに7つのマテリアリティを特定しました(2025年3月特定)。当社グループ全体で中期経営計画とマテリアリティに取り組み、サステナビリティ経営を推進していきます。詳細は、「第2 事業等の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年7月23日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)当社グループの経営の基本方針 当社グループは創業以来、「お客様第一主義」の経営理念に基づき、全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」を考え、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の製品開発コンセプトに基づき、お客様にお喜びいただける製品の開発と、お客様に密着したサービスに努めてまいりました。 当社グループの考える「お客様」とは、「消費者の皆様・株主の皆様・販売先の皆様・仕入先の皆様・金融機関の皆様・地域社会の皆様」であり、単に消費者の皆様にとどまらず、当社グループと関わりを持たれるすべての方々を「お客様」と定義しております。 全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」の精神を持ち、「お客様」にお喜びいただける最良のサービスをご提供することが、最良の経営につながるものと確信しております。 今後も、当社グループは「お客様第一主義」の経営理念に基づき、継続的に企業価値を高め、より一層株主価値を向上させる経営に努めてまいります。 (2)当社グループの中期的な経営戦略 当社グループは、2024年6月に2029年4月期までを対象とする新たな「伊藤園グループ 中期経営計画」(以下、中期経営計画)を発表しました。 中期経営計画では、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会を実現するため、2041年4月期の将来像実現に向けて、より迅速な事業展開を推進します。当社グループは、「お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現」を使命として、「健康創造企業」をグループのミッションとして掲げています。新たに策定した中期経営計画に基づき、今後も「心身の健康」「社会の健康」「地球環境の健康」の価値創造に取り組み、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 中期経営計画 5つの重点戦略 (3)当社グループの対処すべき課題 当社グループは今後、法令及び社会的規範の遵守、製品の安全性並びに品質管理体制等、企業の社会的責任に消費者の厳しい目が向けられる中、経営理念であります「お客様第一主義」を徹底し、企業価値を高め、一層の株主価値を向上させるために、以下の項目を中心に取り組んでまいります。 ①ブランドの確立1.製品開発 当社は、「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」を製品開発コンセプトに、全社員が「STILL NOW(今でもなお、お客様は何を不満に思っているか)」を考え、当社独自の提案制度であるVoice制度(お客様のご不満やご要望を製品開発に取り入れる提案制度)を活用し、積極的に新製品の開発及び既存製品の改良を行っております。今後もVoice制度を積極的に活用し、お客様のニーズに即した製品開発・改良に努めてまいります。 2.研究開発 当社の研究開発は、特に「健康・安全・おいしい」、及び持続可能な社会への貢献として環境に重点を置き、基礎・応用研究を進めております。当社が提供する製品が、人々の健康維持に有用であることを、様々な試験を通じて検証し、常に最新情報を発信し続けます。さらに健康価値を表示できる特定保健用食品や機能性表示食品の開発にも力を注いでまいります。また、飲料のおいしさに関与する成分研究や物性に関する研究を進め、より優れた製品開発に向けた技術提案を行ってまいります。環境については、「お~いお茶(Oi Ocha)」などの飲料製造工程で発生する茶殻を、肥料や飼料への再利用のほか、新たなアップサイクル製品へと生まれ変わる「茶殻リサイクルシステム」を推進してまいります。 3.ブランド強化政策 「伊藤園(ITO EN)」という総称ブランドを軸に、「お~いお茶(Oi Ocha)」「健康ミネラルむぎ茶」「TULLY'S COFFEE」「1日分の野菜」などの個別ブランドの強化を図ってまいります。 特に主力製品であります「お~いお茶(Oi Ocha)」につきましては、1985年の発売から続いている原料と製法にこだわり、自然のままのおいしさを引き出し、お客様へご提供してまいります。また、緑茶飲料が様々な飲用シーンでお楽しみいただけるよう、容量、容器バリエーションの充実を図るとともに、緑茶飲料を初めて発売した当社ならではの技術力で、季節に合わせた製品や「濃い茶・ほうじ茶・玄米茶・抹茶」など、茶葉の特徴を取り入れ、飲用価値を訴求した製品を発売し、より一層のブランド強化に努めてまいります。 ②営業基盤の強化1.ルートセールス ルートセールスとは、製品、サービスをお客様へ直接ご提供する販売システムのことであります。当社はこのシステムを採用することにより、当社とお客様をダイレクトに結びつけ、地域に密着した営業活動を展開しております。 また、機能性・携帯性に優れたルートセールス担当営業員用のポータブル端末を活用することで、お客様に効率的かつ的確なサービスをご提供できるよう努めております。 2.お客様へのサービスの強化 これまでもルートセールスにより、お客様へのサービスに努めてまいりましたが、確固たる営業基盤を築くため、新しいお客様の開拓に努めるとともに、既存のお客様への訪問の強化を行っております。また、お客様のご不満を聞き、お客様にご満足していただける製品開発や魅力的な売り場づくりなど、総合的なご提案をルートセールスにより行っております。 ③総コストの削減1.委託生産方式 飲料製品におきましては、「ファブレス(fabless 自社工場を持たない)」方式により、設備投資リスクの軽減を図り、市場環境の変化に迅速に対応できる体制にしております。 また、全国を5つの地域に分けて生産管理を行う5ブロック生産体制を敷くことにより、迅速な製品供給を行うとともに、物流の効率化も可能となっております。 2.原材料調達力の強化 当社は、緑茶のトップメーカーとして国内荒茶生産量の約4分の1を取扱い、長年にわたり生産者との信頼関係を築き上げた結果、高品質の原料を安定的に確保できる極めて強力な原料調達力を持っております。また、これまでに蓄積したノウハウと高い製造技術により、高品質の飲料用原料を自社製造で調達することができる飲料メーカーであります。 国内では就農者の高齢化と後継者不足のため、就農人口、茶園面積の減少が進んでおります。そこで当社は、日本農業の課題解決と、今後も需要増加が見込まれる緑茶飲料用を中心とした原料の安定調達の両立を目指して1976年より茶産地育成事業を行っております。各地の茶農家から茶葉を全量買い取りする“契約栽培”と、荒廃農地などを大規模な茶園に造成して茶葉を生産する“新産地事業”で茶産地をサポートしています。新産地事業では、九州5県に加え静岡県及び埼玉県にて、苗木の選定から茶園づくり、そしてその茶園を機械化、IT化により低コストで管理できる栽培及び荒茶加工ノウハウを、当社から農家に対し提供することで、生産性と環境保全を両立した茶園経営を推進し、より高品質な原料茶の安定調達を目指すとともに、荒廃農地の活用及び生産農家の後継者育成並びに雇用の創出など茶業界と地域の活性化にも寄与しております。 原料を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。たとえば、気候変動に伴う異常気象や自然災害の頻発、生産地域の変更や栽培面積の縮小といった課題が顕在化しています。さらに、エネルギー費、肥料費、人件費、物流費の高騰や、相場・為替の変動、地政学的リスクや社会情勢の変化など、調達環境は多様なリスクにさらされています。 このような状況下においても、コーヒー豆の調達については、当社グループ間で連携し、世界各地の産地やサプライヤーと協力して、安定的な原料調達を推進しています。 また、「1日分の野菜」等の主要原料である人参に関しては、当社専用の人参を使用しており、50品種の中から厳選した、栄養価・風味・生産効率に優れた品種を採用しております。在来品種についても計画的に品種の見直しを行い、それらを継続的に評価しております。 さらに、原料の調達においては、供給エリア、生産時期、地政学リスク、輸送ルートなどを総合的に考慮し、供給先の分散化を推進しております。主要原料については、複数の供給元からの購買を徹底することで、安定供給体制を構築しております。 ④海外事業の強化 連結子会社であるITO EN (North America) INC. が米国における緑茶市場の創造と開拓を進めるため、全米のナチュラルフードマーケットや、ナショナルチェーン店等に対し営業活動を行い、日本茶を米国に普及させると同時に、「伊藤園(ITO EN)」及び「お~いお茶(Oi Ocha)」ブランドの確立を図っております。「ITO EN MATCHA GREEN TEA」につきましては、これまで米国市場には無かった高品質のティーバッグ製品や抹茶製品として、また「お~いお茶(Oi Ocha)」につきましては、日本と同様にティーバッグからインスタント、抹茶、飲料製品に至るフルラインアップによって、米国での日本茶市場の拡大に大きく貢献しており、今後も強化してまいります。中国、東南アジア、豪州、欧州などにつきましても、引き続き販売強化を進めてまいります。また、近年世界的に需要が急拡大している抹茶に関しましては、国内の調達・生産・加工体制を強化するとともに、全世界への供給網を整備しており、抹茶事業を新たな事業として捉え、取り組んでおります。 ⑤サステナビリティ経営の推進当社グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき、サステナビリティ経営の推進と実践により、社会・環境課題の解決と企業価値向上の両立(共有価値の創造:CSV)を目指しています。2022年度に「伊藤園グループにとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の双方向から評価した7つのマテリアリティを特定していました。しかし、気候変動による影響広まり、グローバルサプライチェーンの混乱や人権問題の顕在化、ウェルビーイングへの関心の高まりなど、急激な変化が起きていることから、経営環境の変化とグローバル化を成長戦略とする中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)を踏まえて、2024年度にマテリアリティの見直しを行い、新たに7つのマテリアリティを特定しました(2025年3月特定)。当社グループ全体で中期経営計画とマテリアリティに取り組み、サステナビリティ経営を推進していきます。詳細は、「第2 事業等の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により緩やかな回復が見られた一方、米国の政策動向や東欧・中東地域における紛争の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替変動による影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような状況の中、当社グループは、すべてのお客様を大切にすることが経営の基本であるという経営理念「お客様第一主義」のもと、当社グループと関わるすべての方々をお客様と位置づけ、ご意見やご要望に真摯に向き合い、常にお客様の立場に立った対応を図りながら、一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。  この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,727億16百万円(前期比4.1%増)、営業利益229億69百万円(前期比8.2%減)、経常利益229億73百万円(前期比13.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益141億56百万円(前期比9.5%減)となりました。  セグメント別の業績は次のとおりであります。 <リーフ・ドリンク関連事業> リーフ・ドリンク関連事業における当連結会計年度の売上高は、「お~いお茶」ブランド製品を中心に堅調に推移しました。一方で利益面は、原材料をはじめとする各種コスト上昇の影響や、競争激化に伴うリベート等の増加、広告宣伝費の先行投資もあり減益となりました。 当社の主力ブランドである「お~いお茶」は、現在40以上の国と地域で販売しており、1989年の発売以来、累計販売本数は450億本を突破しました(500mlペットボトル換算/2024年12月末時点)。本年3月には同ブランドから“お茶の常識、すてましょう。”を合言葉に、お茶の伝統を引き継ぎつつグローバルで日本の茶文化を伝播させる新シリーズとして、「お~いお茶 PURE」シリーズを発売しました。本シリーズは米国やアジア市場の動向を基に、海外で求められている嗜好に沿うため、日本茶の苦みや渋みを抑えつつ「後味のすっきりさ」「爽やかな香り」を楽しめる味わいを製品のベースとしました。発売1週間で出荷1,000万本を突破するなど、ご好評いただいております。 今後も長期ビジョンである「世界のティーカンパニー」を実現するため、「お~いお茶」のグローバルブランド化をより一層進めてまいります。  この結果、売上高は4,203億28百万円(前期比3.6%増)、営業利益は190億25百万円(前期比13.9%減)となりました。 <飲食関連事業> タリーズコーヒージャパン㈱は、春を彩る季節限定ドリンクとして、昨今話題のアサイーを使用したフローズンドリンク「豆乳アサイーバナナスワークルⓇ」を発売し、甘酸っぱいアサイーテイストのフローズンにバナナの果肉がマッチした味わいがご好評をいただいております。フードメニューでは、日本の素材の魅力をお届けする『FUN FAN JAPAN!』プロジェクトメニューとして、瀬戸内産レモンを使用した「グリルチキンの瀬戸内レモンパスタ ~青唐辛子風味~」を発売し、ごろっとした具材感と春を感じる爽やかな味わいが支持され、好調に推移しました。また、紙カップや抽出後のコーヒー粉のリサイクルなど、環境への配慮を目的とした取り組みも積極的に推進することで、企業としての役割を社会に向けて発信し続けています。新規出店に関しましては、タリーズが掲げる“5つの最高”を体現するコンセプト店舗「タリーズコーヒー プライムファイブ グラングリーン大阪店」や、『&TEA』の旗艦店となる「タリーズコーヒー &TEA 虎ノ門ヒルズ店」のオープンなど、話題性のある施設への出店が順調に進み、2025年4月末の総店舗数は818店舗となっております。  この結果、売上高は437億69百万円(前期比8.5%増)、営業利益は35億18百万円(前期比8.7%増)となりました。 <その他> 売上高は86億19百万円(前期比7.6%増)、営業利益は7億66百万円(前期比112.8%増)となりました。  財政状態の状況は次のとおりであります。 (流動資産) 当連結会計年度末における流動資産は2,319億95百万円で、前連結会計年度末に比べて117億54百万円減少しております。これは主に「現金及び預金」が194億5百万円減少、「売掛金」が44億86百万円増加、「商品及び製品」が26億51百万円増加、「未収入金」が13億27百万円増加したことによるものであります。(固定資産) 当連結会計年度末における固定資産は1,126億3百万円で、前連結会計年度末に比べて24億60百万円増加しております。これは主に「建物及び構築物」が28億95百万円増加、「工具、器具及び備品」が12億29百万円増加、「繰延税金資産」が14億98百万円減少したことによるものであります。(流動負債) 当連結会計年度末における流動負債は1,081億20百万円で、前連結会計年度末に比べて114億55百万円増加しております。これは主に「買掛金」が36億76百万円増加、「短期借入金」が97億34百万円増加、「未払法人税等」が22億22百万円減少したことによるものであります。(固定負債) 当連結会計年度末における固定負債は605億5百万円で、前連結会計年度末に比べて135億5百万円減少しております。これは主に「長期借入金」が123億4百万円減少したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は1,759億71百万円で、前連結会計年度末に比べて72億44百万円減少しております。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」により「利益剰余金」が141億56百万円増加、「剰余金の配当」により「利益剰余金」が54億83百万円減少、「自己株式の取得」により「自己株式」が148億87百万円増加、「自己株式の消却」により「資本剰余金」及び「自己株式」が182億7百万円それぞれ減少したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ198億32百万円減少し、当連結会計年度末には855億65百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 <営業活動によるキャッシュ・フロー> 営業活動によるキャッシュ・フローは、180億38百万円の収入(前期は254億82百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益222億31百万円、減価償却費87億45百万円、法人税等の支払額86億27百万円によるものであります。 <投資活動によるキャッシュ・フロー> 投資活動によるキャッシュ・フローは、133億33百万円の支出(前期は107億37百万円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出122億86百万円によるものであります。 <財務活動によるキャッシュ・フロー> 財務活動によるキャッシュ・フローは、232億36百万円の支出(前期は122億13百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入120億円、長期借入金の返済による支出135億22百万円、自己株式の取得による支出148億87百万円、配当金の支払額54億74百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比増減率(%)リーフ・ドリンク関連事業 (販売用製品)62,1503.9(自社製品用原料)21,8757.7リーフ・ドリンク関連事業計84,0264.9その他 (販売用製品)2,70720.4合計86,7335.3(注)1 販売用製品の金額は販売価格、自社製品用原料の金額は原価によっております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。3 上記生産実績には外部へ製造委託している仕入製品は含まれておりません。 b.仕入実績  当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比増減率(%)リーフ・ドリンク関連事業227,9801.8飲食関連事業12,6615.3その他2,821△9.3合計243,4631.9(注)1 金額は仕入原価によっております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。 c.受注実績  当社グループは受注生産を行っておりません。 d.販売実績  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比増減率(%)リーフ・ドリンク関連事業420,3283.6飲食関連事業43,7698.5その他8,6197.6合計472,7164.1(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。  a.リベートに係る未払費用 顧客に対して支払われるリベートに係る未払費用については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 b.貸倒引当金 当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、販売先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 c.棚卸資産 当社グループが販売する棚卸資産は市場の需給の影響を受け、市場価格が低下する場合があるため、評価基準として、総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しております。なお、在外連結子会社につきましては、先入先出法又は移動平均法による低価法を採用しております。 d.賞与引当金 賞与引当金は、従業員に対する翌連結会計年度賞与支給見込額のうち当期間対応額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には、追加の費用計上が必要となる可能性があります。 e.退職給付に係る資産・負債 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。 f.有価証券の評価 当社グループは価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価又は減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損が発生し、利益に影響を与える可能性があります。 g.繰延税金資産 当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積っております。将来の不確実な経済条件の変動により、この見積りに変動があった場合、繰延税金資産の調整により、利益に影響を与える可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.財政状態   当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 b.経営成績当連結会計年度の売上高は4.1%増の4,727億16百万円となりました。これは「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、リーフ・ドリンク関連事業及び飲食関連事業の売上高が堅調に推移したことによるものであります。当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ8.2%減の229億69百万円となり、営業利益率は0.7ポイント減の4.9%となりました。これは原材料をはじめとする各種コスト上昇の影響や、競争激化に伴うリベート等の増加、広告宣伝費の先行投資等により、売上原価が5.9%増、販売費及び一般管理費が3.0%増となったことによるものであります。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ13.9%減の229億73百万円となり、経常利益率は1.0ポイント減の4.9%となりました。これは、主に営業利益が減益となったことに加え、為替相場の変動により為替差損益が悪化したことによるものであります。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ9.5%減の141億56百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益率は0.5ポイント減の3.0%となりました。これは、経常利益が37億7百万円減少、減損損失が13億26百万円減少、法人税、住民税及び事業税が18億57百万円減少、法人税等調整額が10億47百万円増加したことによるものであります。 c.キャッシュ・フロー 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループは、収益性の強化によるキャッシュ・フローを高め、さらに投資効果を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めてまいります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3.事業等のリスク」に記載しております。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 a.資金需要   当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、リーフ・ドリンク関連事業における製品製造のための原材料の仕入や製造経費のほか、販売費及び一般管理費等であります。また、設備投資需要としては、リーフ・ドリンク関連事業における自動販売機等への投資や飲食関連事業における新規出店等への投資であります。 b.財務政策   当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に調達するため、内部資金の活用に加え、金融機関からの借入及び社債の発行等による資金調達を行っております。資金調達に際しては、調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図っております。 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、2029年4月期までの中期経営計画の実現に向け、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)当社グループの中期的な経営戦略」に記載した取り組みを実施してまいります。 なお、中期経営計画における定量目標は以下のとおりであります。 2025年4月期実績2029年4月期目標値連結売上高伸長率 4.1%年平均伸長率 2%以上(海外8%以上 ※為替影響除く)営業利益率4.9%8%以上自己資本利益率(ROE)8.0%10%以上総還元性向144.0%40%以上

事業リスク

  • 政治・経済・社会動向リスク
    国内外の景気変動、為替相場の変動、特定国の政策変更、国際情勢の混乱(戦争など)は、個人消費の動向やサプライチェーンの不安定化を通じて、伊藤園グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に原材料や燃料、輸送コストの高騰は、利益を圧迫する要因となります。
  • 食品・飲料市場の競争激化
    飲料製品の低価格化や競争激化、消費者の嗜好変化、デジタルマーケティングやD2C市場の拡大により、市場環境は常に変化しています。これらの変化に十分に対応できない場合、販売額の伸び悩みやシェアの低下により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料調達コスト上昇リスク
    茶葉の生産量減少や需要増大による需給悪化、輸入原料(穀物・野菜、PET容器原料など)の価格高騰、為替変動は、調達コストの上昇を招き、原価高の要因となる可能性があります。また、プラスチック製品に対する規制強化は、コスト増や販売機会の損失につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,031 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年4月30日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 ①政治・経済・社会動向に起因するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループは国内外において事業を展開しております。そのため、景気や為替相場の変動、特定国の政策の変更、国際秩序の変化や混乱・戦争の発生などによる、政治・経済・社会動向の変動や、これらに影響を受ける個人消費動向の変動、サプライチェーンの不安定化は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、ロシア・ウクライナに拠点を有しておらず、また同地域向けの事業も手掛けておりません。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻の発生に伴い、世界経済の混乱や原材料・燃料・輸送等のコスト上昇が想定以上に長期化・深刻化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループを取り巻く政治・経済・社会動向や関係業界の動向等の外部環境変化に起因するリスクに関しては、長期経営計画委員会を中心として、各本部・部署及び各委員会が連携して管理し、当社グループへの影響を最小限に止めるための体制整備に取り組んでおります。 サプライチェーンについては、製造委託先や物流業者の分散、現地生産の検討、サプライチェーンの変更が必要な場合の対応策の策定を進めております。 ②食品・飲料市場動向に起因するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当連結会計年度の販売数量のうち、当社の飲料製品全体に占める「日本茶飲料」の割合は63%と、高い比率を占めております。 当社グループでは、今後も緑茶飲料市場の成長が期待され、市場の拡大とともに「お~いお茶」ブランドを中心とした緑茶飲料も伸長するものと予測しております。特に海外市場の拡大を重要な成長機会と位置づけ、「お~いお茶」のグローバルブランド化に向け経営資源を集中させてまいります。 ただし、飲料製品の低価格化が続き、競争激化に起因する販売額の伸び悩みが顕著となっている現状に加え、販売チャネル等の変化によりデジタルマーケティングやD2C市場の拡大により、依然として飲料各社の激しい競争が続いております。また、カテゴリー間でのシェア争いや、消費者の嗜好の変化により、製品のライフサイクルが短い傾向です。 このような市場環境のなか、当社グループは緑茶飲料を中心としたお客様のニーズに沿った製品の提供や、ルートセールスを中心とするお客様へのサービスに努めております。 今後も継続してこれらの施策を実施するとともに、市場動向を予測し、競争に打ち勝つ施策を展開してまいりますが、これらの施策が市場環境の変化に十分対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループを取り巻く国内・世界経済の動向や関係業界の動向等の外部環境変化に起因するリスクに関しては、長期経営計画委員会を中心として、各本部・部署及び各委員会が連携して管理し、当社グループへの影響を最小限に止めるための体制整備に取り組んでおります。 また、市場調査・分析体制の強化に加え、健康に対する研究や成果の発信、嗜好軸の変化に応じた製品の開発、オープンイノベーション推進に向けた社内・社外におけるコラボレーション強化、D2C事業及びECチームの強化など、市場動向を予測し、お客様のニーズに沿った新しい価値の提供を目指す対応策の策定を進めております。 ③原材料調達に関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループの主要事業は、茶系飲料を中心とする飲料製品でありますが、就農人口の減少や、茶園面積の減少による茶生産量の減少に加え、飲料用茶葉の需要増大により、当社グループが必要とする茶葉の確保が出来ない場合の需給関係の悪化や、輸入原料(穀物・野菜等)及びPET容器原料の石油価格の高騰、為替の影響により調達コストが上昇し、原価高の要因となる可能性があります。 また、プラスチック製品に対する国際社会全体における輸出・販売規制強化の傾向により、プラスチック税支払いによるコスト上昇や、プラスチック使用製品の棚落ち、取引停止等が発生する可能性があります。 当社グループが今後これらの市場環境の変化に対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 「伊藤園グループ調達方針」を定め、顧客に安全・安心な製品を持続的に提供するため、サプライチェーンの取引先とともに、社会・環境課題にも配慮した良識ある公正な調達活動を推進しております。茶葉原料調達に関しては、人手に依存しない生産方法の確立や、茶産地育成事業の取り組みを通じ、当社の主要事業推進に欠かせない茶葉の安定供給に努めております。併せて、商品設計や使用資材の見直し、資材費高騰・プラスチック使用製品への規制強化に対する対応策の策定を進めております。 ④生産・物流体制に関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループでは、グループ内工場で茶葉製品の大部分と、飲料製品の原料製造を行っております。また、飲料製品の大部分と茶葉製品の一部は、グループ外の委託工場で製造しております。また当社グループでは、全国を5ブロックに分けた効率的な生産・物流体制を構築しております。 安心・安全な製品を持続的に提供するため、生産・物流体制の整備に努めておりますが、天災や2024年問題の深刻化等による生産・物流への影響を完全に排除できる保証はなく、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 グループ内工場におきましては、生産設備が突発的に停止することがないよう、定期的に設備点検等を実施しております。また、委託工場につきましては、不測の事態が発生した場合に備えて、全国各地に複数の委託工場を確保しております。加えて、製品を安定的に提供するため、全国を5ブロックに分けた生産・物流体制の構築や、他業種との協業検討による物流総量の確保等により、効率的な生産・物流体制の整備に努めております。 今後も、社会・環境に配慮した持続可能な生産・物流体制の実現に向けた取り組みを推進してまいります。 ⑤広告宣伝・営業販売に関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループでは、国内・海外に向けたデジタルメディア経由を含む広告宣伝活動や、ルートセールスや通信販売等の営業活動及び販売促進活動等を通じて、「健康創造企業」としてのマーケティングコミュニケーションを行っております。こうした活動および製品表示においては、世界標準に即し、科学的根拠に基づいた誰もがわかりやすい表現で伝えることに努めております。 ただし、消費者動向の変化、関連法案の改定等により、広告宣伝・営業販売に対するニーズや期待、要請に合致した広告宣伝・営業販売活動を展開できない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ICC(国際商業会議所)制定の基準を踏まえ「伊藤園グループ責任あるマーケティングに関する方針」を定め、責任あるマーケティングコミュニケーションの展開や、適正でわかりやすく、誤解を招かない製品表示の徹底を推進しております。また、広告宣伝・販売促進活動の展開前・展開後において、その適正性の確認やモニタリングを徹底しております。 ⑥食品の安全性・衛生管理、品質管理に関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループは、食品の安全性・衛生管理、品質管理を経営上の最重要課題と認識しており、原料の調達から製品の提供まで、徹底した品質管理とトレーサビリティを確保しております。 しかしながら、こうした厳重な品質管理に向けた取り組みにもかかわらず異物混入及びアレルゲン表示が不適切な製品の流通、原材料由来による禁止添加物の使用及び残留農薬問題(連鎖的風評被害を受ける場合を含む)、食中毒等の衛生問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業界、社会全体に及ぶ品質問題等、当社グループの取り組みを超える事態が発生した場合も、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 「伊藤園グループ品質方針」を設定、これを遵守し食品の安全性・衛生管理、品質管理を確実にするため、当社に品質管理部及び品質保証部を設置しております。両部では自主基準を設け、製品の安全性について品質検査を行うとともに原材料に由来する異物混入及び禁止添加物等の使用を防止するための確認、トレーサビリティシステム(原材料、加工、流通など製品履歴の遡及、追跡)の維持管理、外部委託工場への品質管理指導と監査を実施しております。また、定期的に開催する品質会議において、当社グループ製造担当者、外部委託工場担当者に監査結果とさまざまな品質情報をフィードバックしております。これらの活動によりサプライチェーン全体の食品の安全性・衛生管理、品質管理に対する意識向上と一層の体制強化、リスクの極小化を図っております。 当社グループが国内で展開する直営店事業につきましては、食品衛生法の規制対象となっているものがあります。これらの事業につきましては、法令の遵守に加え、出店先の衛生基準及び当社マニュアルに基づいた衛生管理を徹底しております。 また、「製品リスク対策委員会」を常設し、お客様相談室を中心に、万が一品質事故・問題が発生した場合の対応フロー策定・対応シミュレーションの実施を推進しております。 ⑦気候変動・自然災害・事故等に起因するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 地球温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨などの異常気象による洪水・土砂災害、酷暑や熱波による干ばつ、水資源の変化、感染症等、世界各地で様々な被害をもたらしています。当社グループの主力製品の原料は、茶、大麦、コーヒー、野菜、果実等の農産物であるため、国内外における生産地での気候変動の影響による不作が生じた場合、原料調達価格の上昇及び必要量の不足に伴う販売機会損失などが想定されます。 気候変動による悪影響、感染症の拡大、及び地震などの自然災害が想定範囲を超えた場合、本社機能や生産、物流体制に支障をきたすことが想定され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 併せて、当社の事業活動が環境に十分に配慮しておらず、エシカル消費等対応が不十分であると判断された場合、消費者の信頼やブランド価値の低下等の影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、リスクマネジメント委員会(委員長:代表取締役社長)において、気候変動リスクを重要リスクの1つとして認識し、全社的なリスクマネジメント体制に統合して管理をしております。気候変動を含む環境上のリスクに関しては、TCFD提言に基づく気候変動シナリオ分析における定期的なリスクの把握と共に、環境マネジメントシステムの管理手法により環境リスクへの対応を全社的な環境問題として取り組んでおります。 当社グループでは、環境負荷低減のため、温室効果ガス排出量の削減や持続可能な水資源の利用、廃棄物削減、資源循環、生物多様性など様々な課題に取り組んでおります。また、気候変動による原料の不作リスクに関して、原料となる農作物の産地分散、気候変動に強い農作物の開発、気候変動に強くなる肥料や栽培方法の活用等に取り組んでおり、今後も、継続的に気候変動が事業に及ぼす影響を把握し、適切に対応できる体制を整備してまいります。また、災害対策委員会において、災害や感染症拡大等の危機的事項の発生に備え、対応の周知徹底やBCP(事業継続計画)の見直しを図り、生産工場・配送方法の分散化に取り組んでおります。また危機的事項の発生時には、代表取締役社長を本部長とする対策本部を設置して、迅速な対応を行い被害の拡大を防止し、最小限に止める体制を整えております。具体的な気候変動への対応については合わせて「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動への対応」をご参照ください。 ⑧海外事業に関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループでは、国内のみならず、北米、中国、東南アジア、豪州を中心に海外の事業を展開しております。また、2024年に欧州市場に本格進出し、「お~いお茶」飲料製品の生産販売を拡充しております。一方で、企業活動のグローバル化に伴い、海外事業の重要性がますます増大しておりますが、予測し得ない国家間対立の悪化、戦争・紛争の勃発、テロ破壊活動、政治不安、保護主義的政策、各国における競争環境の激化、各国の法規制の変更等の政治的、経済的、法的な要因による重要な変化が発生する場合があります。これらの重要な変化があった場合、不買運動や関税の引き上げ、当該国における生産・供給活動の停止等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、欧州をはじめとする海外諸国では、環境・人権デューデリジェンスの法制化が進められております。そのため、当社グループが海外事業を展開するにあたって、サプライチェーンも含めた、適切なアセスメントやリスクマネジメント体制を整備できず、環境・人権関連等の問題が生じた場合、当該国における法的措置や罰金やブランド価値の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 海外事業活動において発生しうるリスクに関しては、長期ビジョンである「世界のティーカンパニー」の実現及びその通過地点である「お~いお茶」のグローバルブランド化に向け、対応をより一層強化するべく、国際本部を中心として管理体制整備に取り組んでおります。海外事業におけるリスクは多岐にわたりますが、国家間対立の悪化等に向けた生産拠点の増加や事業撤退基準の設定、各国の法規制の変更等に向けた現地での法令確認体制の整備など、リスクが顕在化した際の影響を低減するための適切な対策の検討を進めております。 ⑨法規制・コンプライアンスに関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループでは、事業の遂行に当たって、食品衛生法、製造物責任法(PL法)、表示関連法規制、労働関連法規制、競争関連法規制、個人情報保護規制、環境関連法規制等、様々な法的規制の適用を受けております。 当社グループがこれらの法令に違反した場合や、その他社会的要請に反した行動をとった場合には、法令による処罰、訴訟の提起、社会的制裁などを受けたり、お客様からの信用が失われる可能性があります。 今後、新法の制定、法改正、法令の解釈変更にて法的規制を遵守することが著しく困難になった場合や、気候変動対策等の規制強化によりコスト負担が増えた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、グループ全体のリスクを統合的かつ戦略的に管理し、グループガバナンスの実効性を高めております。しかし、新規グループ会社設立および統合等に伴い、対応すべき法規制等が増加し、管理すべきリスクの範囲や粒度が変化する可能性があります。こうしたグループガバナンスに関連するリスク対応拡充により、当社グループにおける他の取り組みの進捗が遅延した場合にも、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 伊藤園グループ行動規範により、コンプライアンスの徹底を図るため、法務部を中心として全社的なコンプライアンス教育を実施し推進しております。また、当社グループでは、業務の適正性や効率性を確保するため、内部統制推進委員会を中心に、内部統制の推進に取り組んでおり、内部監査の強化を進めております。 また、グループ経営推進部を中心に、各グループ会社のリスクマネジメント活動の推進支援を行い、グループ会社における遵守・徹底すべき法規制やコンプライアンスの動向の分析、およびそれらに関連するリスク概況の管理等、グループガバナンスの実効性向上を図る取り組みを進めてまいります。 また、人権の尊重は、伊藤園グループ経営理念「お客様第一主義」の根幹をなすものであり、全ての事業活動の根幹となるものとして捉えております。当社グループでは、人権に関する専門知識・実務経験を有する外部有識者の助言を踏まえて「伊藤園グループ人権方針」を策定し、人権リスクの特定、予防、是正、救済に取り組む仕組みである人権デューデリジェンスを構築し、実施をしております。具体的な人権尊重の取り組みについては合わせて当社ウェブサイト「人権尊重の取組み」をご参照ください。 ⑩情報セキュリティに関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループは、生産・販売活動をはじめとする各種事業活動を効率的に行うために情報システムを利用しております。しかしながら、当社およびグループ会社を対象とするサイバー攻撃が発生し、情報システムに障害が発生した場合、各種業務の中断・停止や金銭的被害の発生、社会的信用の低下等が発生する可能性があります。 また、当社グループは、ルートセールスや通信販売等の営業取引や消費者キャンペーンを含む販売促進活動等を通じて、相当数お客様情報を保有しているほか、当社グループで実施している「新俳句大賞」の募集により、潜在的なお客様の情報も保有しております。これらのお客様の個人情報は、当社グループで管理するほか、一部はグループ外の管理会社に管理を委託しております。 しかしながら、今後これらの情報が停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、ウイルスの感染、不正アクセス等の予期せぬ事態の発生により、情報の消失、外部へ漏洩する等の事態が起きた場合、当社グループの信用低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、昨今のサイバー攻撃の多様化・複雑化を受けて、各種業務を安全に効率的かつ正確に行うための適切な情報セキュリティ対策を実施しております。当社および各グループ会社を標的としたサイバー攻撃対策として、不正アクセスやマルウェアの自動感知・削除、駆除できない場合においてはアラートを発報し、当社DXセキュリティ推進部及び情報セキュリティ会社と連携して対応を実施出来るよう、体制を整備しております。 また、個人情報を含めた重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。情報保護に関しては、伊藤園グループにおける個人情報保護方針を定めており、個人情報の安全管理の徹底と漏洩を未然に防止するとともに、情報管理に関する規程の遵守意識の維持及び向上を目的として、適切な情報保護対策の推進に取り組んでおります。また、業務上の情報管理に関しては、社内での個人情報保有状況や社内ルールの把握を実施することで、情報保護対策の強化に努めております。 ⑪人的資本に関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループでは、経営環境の変化を踏まえたうえで持続的な成長のため、人的資本は当社の経営基盤の要となっております。しかしながら、昨今の人材獲得競争の激化、DXの加速や企業活動のグローバル化による人材需要の増加や必要スキルの変化・高度化等により、必要な経営幹部及び一般社員の確保、維持、育成が困難な事態に陥った場合、事業活動の停滞や経営戦略の実行に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、「伊藤園グループ人材方針」を定め、最も大切な財産は「人」であると捉えております。 経営戦略の実行に必要な人材の確保、育成に関しては、多様な人材が柔軟な働き方を選択できる環境を整備し、社員全員がいきいきと働くことができるようにすることで、会社全体の活性化と社員の生産性の向上を目指しています。また、伊藤園独自の自己啓発やキャリア支援制度を設け、戦略的な人材育成計画を行い、経営戦略と人材戦略を連動させた人材マネジメント施策を実行しております。 具体的な人的資本への対応については合わせて「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本」をご参照ください。 ⑫財務・税務に関するリスクリスク概況リスク管理体制・対応策 当社グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があります。また、企業活動のグローバル化に伴い、海外事業を展開している各国の税制の適用を受けており、今後、予期し得ない税制改正や当局からの更正処分を受ける可能性があります。これらの重要な事象が発生し、減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 財産保全上のリスクに関しましては、債権管理基準に従い、与信管理及び債権回収管理を徹底し、取引先倒産による貸倒損失の発生を未然に防止するよう努めております。また、製品、原料、資材等棚卸資産管理に努め不良在庫等の発生を未然に防止する体制整備に取り組んでおります。併せて、買収した子会社や保有する不動産・有価証券等を含めた資産価値の毀損・低下防止に向けて取締役を中心とした検討体制を整備しております。 税務上のリスクに関しましては、伊藤園グループ税務方針を定め、税務の透明性を確保し、納税義務を確実に果たすための適正な管理体制を構築しており、税務リスクに重大な影響を与える可能性を低減しています。

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