2204

中村屋(2204)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 菓子製造販売
    中村屋は、和菓子、洋菓子、パン類といった幅広い菓子製品を製造し、消費者に販売しています。長年の歴史とブランド力を背景に、多様なニーズに応える商品展開で収益を上げています。
  • 食品製造販売・レストラン経営
    業務用食材や市販用食品、調理缶詰の製造販売に加え、レストラン経営も手掛けています。これにより、BtoB(企業向け)とBtoC(消費者向け)の両方で食に関する事業を展開し、収益源を多角化しています。
  • 不動産賃貸事業
    商業ビルや土地の賃貸を行うことで、安定的な賃料収入を得ています。これは、本業である食品事業とは異なる収益の柱として、会社の財務基盤を支える役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 菓子事業
    和菓子、洋菓子、パン類の製造販売を主とする事業です。最新年度の売上高は268.3357億円、営業利益は25.45351億円と、中村屋の事業の中で最も大きな規模を誇り、収益の大部分を稼ぎ出す主力事業となっています。
  • 食品事業
    業務用食材、市販用食品、調理缶詰の製造販売に加え、レストラン経営も行う事業です。最新年度の売上高は94.97097億円、営業利益は4.53453億円であり、菓子事業に次ぐ規模で、多様な食のニーズに応えることで収益に貢献しています。
  • 不動産賃貸事業
    商業ビルや土地の賃貸を行う事業です。最新年度の売上高は9.1696億円、営業利益は4.52581億円です。売上規模は小さいものの、安定した賃料収入をもたらし、会社の収益基盤を支える重要な役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Confectionery 事業 268 25 9.5%
Grocery 事業 95 5 4.8%
Leasing 事業 9 5 49.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|235 文字
3 【事業の内容】当社が営んでいる主な事業内容は、次のとおりであります。なお、区分方法についてはセグメント情報における事業区分と同一であります。 (1) 菓子事業当社が和菓子類、洋菓子類及びパン類を製造販売しております。(2) 食品事業当社が業務用食材類、市販用食品類及び調理缶詰類を製造販売するほか、レストランの経営を行っております。(3) 不動産賃貸事業当社が商業ビル及び土地の賃貸事業を行っております。 以上の事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格の変動リスクや気候変動による販売実績への影響が大きい
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
長年の事業活動による品質保証体制の確立と商品開発力
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:食の安全・安心に関するリスク / 原材料の調達価格変動に関するリスク / 取引先への依存リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

中村屋は「中村屋」ブランドの認知度は高いが、特許や独占的IPによる明確な優位性は見出しにくい。老舗としての歴史や伝統はブランド価値に寄与するものの、競合他社も同様の戦略を取りうるため、無形資産による競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

主力商品であるパンや菓子類は、消費者の嗜好が多様化しており、ブランドや価格、利便性で容易に乗り換えが発生しうる。特にPB商品や新興ブランドとの競争が激化しており、顧客のスイッチング・コストは低いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

食料品製造・販売業であり、プラットフォーム型ビジネスではないため、ネットワーク効果は期待できない。製品の利用が増えることで、その製品自体の価値が向上するような構造は存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた調達力や生産ノウハウは一定のコスト優位性をもたらす可能性がある。しかし、原材料価格の変動や人件費の上昇、競合他社の効率化により、持続的なコスト優位性を確立するには課題がある。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内の食料品市場において一定の規模を持つが、業界全体で見ると多数のプレイヤーが存在する競争環境にある。大手食品メーカーと比較すると、規模の経済による圧倒的な優位性は限定的であり、少数寡占市場とは言えない。

  • 長年のブランド力と信頼
    中村屋は、長年にわたり「食の安全・安心」を最優先課題とし、品質保証体制を確立しています。FSSC22000等の食品安全規格の導入や、アレルギー物質・残留農薬検査の実施により、消費者からの厚い信頼を得ており、これが強力な競争優位となっています。
  • 多角的な事業展開
    菓子事業、食品事業、不動産賃貸事業と、複数の事業を展開している点が強みです。特定の事業に依存せず、異なる市場や収益源を持つことで、経済状況の変化や市場トレンドの変動に対するリスクを分散し、安定した経営基盤を築いています。
  • 品質管理体制の徹底
    企画開発から原材料調達、生産、販売まで一貫した品質保証体制を確立しており、高い品質基準を維持しています。これにより、顧客満足度を高め、リピーターを獲得することで、競合他社との差別化を図り、市場での優位性を保っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、創業者の商業経営哲学を現在に受け継ぎ新たな歴史を築いていくために、理念体系を経営判断や日々の仕事の拠りどころとし、お客様にとって価値のある商品・サービスを提案することで社会の役に立つことを経営の基本としております。 中村屋の理念体系・経営理念「真の価値を追求し、その喜びを分かち合う」お客様が求める不変の価値と時代の変化に応じて変わる新たな価値を、中村屋で働く全員の力で実現し、お客様とともに喜び、ともに成長・発展してまいります。・ミッションお客様に対して「独自性を磨き、どこよりもおいしい商品を提供することで、感動と笑顔をお届けする」従業員に対して「ひとりひとりが覚悟と熱意をもって仕事に挑戦し、成長することで働く喜びが生まれる 風土をつくる」社会に対して「持続可能な社会の実現に貢献し、ステークホルダーとの信頼を築く」 ・ビジョン「中村屋は、創意工夫と挑戦で、これからのくらしに溶け込む、喜んでもらえる食を提案する」・ブランドステートメント(中村屋の約束)「変わらない「おいしい」を、いつもあたらしく。」 (2) 目標とする経営指標2026年3月期の業績目標につきましては、下記の目標達成を目指し、企業価値の向上を図ってまいります。経営指標目標●売上高377億円●営業利益6.6億円●営業利益率1.8% (3) 中長期的な会社の経営戦略① 基本方針当社は直近の業績動向や外部環境の変化を踏まえ、2022年度を初年度とする3ヵ年計画「2022年-2024年 中期経営計画」の見直しを図り、新たに、事業戦略の実行、それを支えるインフラ整備、組織文化の構築を促進「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」を策定いたしました。中期的な方向性として、4つの基本方針を掲げております。・理念経営の実践意思決定においては理念を判断軸にする・バリューチェーン・インフラの再構築企画・開発から生産、物流、販売に至るバリューチェーンの再構築戦略実行をモニタリングするインフラの整備・ブランド・人財育成への投資独自価値の体現や顧客接点の強化によるブランドイメージの向上戦略実行を担う人財育成や企業文化の醸成・「くらしに溶け込む食」による価値創造「選択と集中」と「独自価値の体現」による、顧客ニーズに合った食の提供 ② セグメント別事業戦略の骨子 ア.菓子事業中華まんビジネスにおいて、冬の季節商品から脱却し年間の定番商品を目指します。菓子類ビジネスにおいて、高付加価値な菓子で日常に彩りを添えていきます。 イ.食品事業市販食品及び業務用食品ビジネスにおいて、様々な「中食」の提案でゆとりある食生活に貢献します。レストランビジネスにおいて、ブランド発信の舞台として顧客の良体験を創出します。 ウ.不動産賃貸事業新宿中村屋ビルなど保有する土地資産を最大限活用し、安定的な収益確保による経営の安定化に努めます。 (4) 経営環境及び対処すべき課題景気は緩やかな回復傾向が見られるものの、原材料・エネルギー価格の高止まりや物流業界をはじめとする労働力不足の深刻化、貿易摩擦などによる世界経済の不確実性の高まりなど、当社を取り巻く環境は依然として先行きの不透明な状況が続くものと思われます。このような状況の中、当社は、2023年に策定した「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」で掲げた戦略に基づき、経営目標達成に向けた取組みを進めております。具体的には、中華まんビジネスでは、中華まんが年間を通じて「手軽に食べられる食」として定着するための取組みを続けるとともに、発酵・包餡技術を活かした新商品を開発・発売していきます。食品ビジネスにおいては、事業拡大に向けた営業戦略の見直しや新定番となるレトルト商品の創出に努めるとともに、調理技術の効果的な活用と原材料高騰への対応を目的とした規格の見直しを行っていきます。菓子ビジネスにおいては、日常使いの‘デイリー菓子’定着に向けてラインナップの充実を進めるとともに、利益改善のための商品政策の見直しや物流・営業体制の効率化に取り組んでいきます。また、「ものづくり」に関する技能伝承のためのマイスター制度や社内コミュニケーションの促進によってエンゲージメントを高め、人的資本の最大化を図り、戦略を着実に実行していきます。さらに、食の安全・安心を確保するための品質保証体制の強化を進めていきます。以上の取組みを通じて利益体質のビジネスモデルに変革させ、企業としての価値向上及び財務的な体力の強化を実現します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、創業者の商業経営哲学を現在に受け継ぎ新たな歴史を築いていくために、理念体系を経営判断や日々の仕事の拠りどころとし、お客様にとって価値のある商品・サービスを提案することで社会の役に立つことを経営の基本としております。 中村屋の理念体系・経営理念「真の価値を追求し、その喜びを分かち合う」お客様が求める不変の価値と時代の変化に応じて変わる新たな価値を、中村屋で働く全員の力で実現し、お客様とともに喜び、ともに成長・発展してまいります。・ミッションお客様に対して「独自性を磨き、どこよりもおいしい商品を提供することで、感動と笑顔をお届けする」従業員に対して「ひとりひとりが覚悟と熱意をもって仕事に挑戦し、成長することで働く喜びが生まれる 風土をつくる」社会に対して「持続可能な社会の実現に貢献し、ステークホルダーとの信頼を築く」 ・ビジョン「中村屋は、創意工夫と挑戦で、これからのくらしに溶け込む、喜んでもらえる食を提案する」・ブランドステートメント(中村屋の約束)「変わらない「おいしい」を、いつもあたらしく。」 (2) 目標とする経営指標2026年3月期の業績目標につきましては、下記の目標達成を目指し、企業価値の向上を図ってまいります。経営指標目標●売上高377億円●営業利益6.6億円●営業利益率1.8% (3) 中長期的な会社の経営戦略① 基本方針当社は直近の業績動向や外部環境の変化を踏まえ、2022年度を初年度とする3ヵ年計画「2022年-2024年 中期経営計画」の見直しを図り、新たに、事業戦略の実行、それを支えるインフラ整備、組織文化の構築を促進「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」を策定いたしました。中期的な方向性として、4つの基本方針を掲げております。・理念経営の実践意思決定においては理念を判断軸にする・バリューチェーン・インフラの再構築企画・開発から生産、物流、販売に至るバリューチェーンの再構築戦略実行をモニタリングするインフラの整備・ブランド・人財育成への投資独自価値の体現や顧客接点の強化によるブランドイメージの向上戦略実行を担う人財育成や企業文化の醸成・「くらしに溶け込む食」による価値創造「選択と集中」と「独自価値の体現」による、顧客ニーズに合った食の提供 ② セグメント別事業戦略の骨子 ア.菓子事業中華まんビジネスにおいて、冬の季節商品から脱却し年間の定番商品を目指します。菓子類ビジネスにおいて、高付加価値な菓子で日常に彩りを添えていきます。 イ.食品事業市販食品及び業務用食品ビジネスにおいて、様々な「中食」の提案でゆとりある食生活に貢献します。レストランビジネスにおいて、ブランド発信の舞台として顧客の良体験を創出します。 ウ.不動産賃貸事業新宿中村屋ビルなど保有する土地資産を最大限活用し、安定的な収益確保による経営の安定化に努めます。 (4) 経営環境及び対処すべき課題景気は緩やかな回復傾向が見られるものの、原材料・エネルギー価格の高止まりや物流業界をはじめとする労働力不足の深刻化、貿易摩擦などによる世界経済の不確実性の高まりなど、当社を取り巻く環境は依然として先行きの不透明な状況が続くものと思われます。このような状況の中、当社は、2023年に策定した「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」で掲げた戦略に基づき、経営目標達成に向けた取組みを進めております。具体的には、中華まんビジネスでは、中華まんが年間を通じて「手軽に食べられる食」として定着するための取組みを続けるとともに、発酵・包餡技術を活かした新商品を開発・発売していきます。食品ビジネスにおいては、事業拡大に向けた営業戦略の見直しや新定番となるレトルト商品の創出に努めるとともに、調理技術の効果的な活用と原材料高騰への対応を目的とした規格の見直しを行っていきます。菓子ビジネスにおいては、日常使いの‘デイリー菓子’定着に向けてラインナップの充実を進めるとともに、利益改善のための商品政策の見直しや物流・営業体制の効率化に取り組んでいきます。また、「ものづくり」に関する技能伝承のためのマイスター制度や社内コミュニケーションの促進によってエンゲージメントを高め、人的資本の最大化を図り、戦略を着実に実行していきます。さらに、食の安全・安心を確保するための品質保証体制の強化を進めていきます。以上の取組みを通じて利益体質のビジネスモデルに変革させ、企業としての価値向上及び財務的な体力の強化を実現します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当期におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大に加え、政策による雇用・所得環境改善の効果もあり、緩やかな回復が見られました。一方で、米国の経済政策転換や中国経済の低迷、地政学リスクなど依然として先行きが不透明な状況が続きました。このような状況の中、当社は経営理念「真の価値を追求し、その喜びを分かち合う」のもと、「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」に掲げた戦略に基づき、経営目標達成に向けた取組みを進めました。具体的には、中華まんビジネスにおいて、春夏向けの新商品を発売することでさらなる需要の掘り起こしを図り、売上の拡大につなげました。菓子ビジネスでは、日常使いの“デイリー菓子”について、他社とのコラボレーション商品の展開や高付加価値商品の取扱販路を拡げることで増収を図るとともに、親しい間柄で贈り合うギフトの需要拡大に対応しました。食品ビジネスでは、消費者の嗜好や利用シーンの変化に対応すべく、主力のレトルトカレーや中華調理用ソースの改良や品揃え強化を行うとともに、業務用販路において拡大する中食業態への提案を強化し、売上確保に努めました。また、2024年10月にリニューアル10周年を迎えた新宿中村屋本店では、期間限定商品の発売や記念イベントを実施しました。SNSなどでの反響も大きく、新たな中村屋ファンの獲得とブランドイメージの発信につなげました。これらの取組みに加え、原材料価格の高騰をはじめとする様々な利益圧迫要因に対し、商品の価格や規格の見直しを実施するとともに、アイテムの絞り込みによる製造コスト低減や工場稼働率の平準化を推進し、収益体質の強化を図りました。以上のような取組みを行いましたが、消費意欲を充分に喚起するまでには至らず、当事業年度における売上高は、37,247,627千円、前年同期に対し522,333千円、1.4%の減収となりました。利益面につきましては、売上高は減収となったものの、収益体質の強化を図った結果、営業利益は1,070,417千円、前年同期に対し239,944千円、28.9%の増益、経常利益は1,277,064千円、前年同期に対し281,482千円、28.3%の増益、当期純利益は884,947千円、前年同期に対し479,838千円、118.4%の増益となりました。 セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。 ① 菓子事業菓子類では、ギフト商品全般のパッケージデザインを見直し、手軽さと上質感の向上を図ると同時に、「月の菓」をはじめとする主力商品の品質改良を実施しました。また、焼菓子の新商品「月のしらべ」「あんバタパイ」を発売し、品揃えの強化を進めました。夏のデザート類では、手軽な価格帯の「夏いろか」を新発売することで、変化するギフト需要への対応に努めました。日常使いの“デイリー菓子”類では、「ご褒美喫茶」シリーズの品質・パッケージ改良や他社とのコラボレーション商品を展開し、拡販を図りました。また、メディアに取り上げられ話題となった「逸品どら焼」に続いて「逸品カステラ」を新たに発売し、素材や製法にこだわった独自価値の高い商品のラインナップを増やしました。中華まん類では、量販店販路を中心に個包装のまま電子レンジで温められる手軽さをアピールし、年間を通じた拡販を目指すとともに、お客様により様々なシーンで中華まんを楽しんで頂けるよう「担々肉まん」「塩レモン肉まん」「てりやきチキンまん」などの新商品を発売しました。あわせて主力商品「肉まん」「あんまん」の品質改良を行い、商品力の強化に努めました。コンビニエンスストア販路では、「肉まん」「ピザまん」など基本商品の改良や「明太もちチーズまん」「ルーローまん」といったバラエティ豊かな商品の発売により売場展開の強化を目指すとともに、人気キャラクターとコラボレーションした商品を期間限定で展開し、顧客層の拡大を図りました。新宿中村屋本店「スイーツ&デリカBonna」では、リニューアル10周年イベントとして、期間限定で「できたて手包み肉まん」「できたてサンド月餅」の実演販売を行いました。店舗展開では、キャラメルスイーツ専門店「CARAMEL MONDAY」において、季節限定商品の発売やターミナル駅構内・商業施設での催事出店を継続的に実施することで、ブランド認知度の向上ならびに土産需要への対応に努め、売上拡大を目指しました。以上のような営業活動を行った結果、菓子事業全体の売上高は26,833,570千円、前年同期に対し663,370千円、2.4%の減収、営業利益は2,545,351千円、前年同期に対し79,293千円、3.0%の減益となりました。② 食品事業市販食品では、より多様化する消費者のニーズに対応するための取組みを進めました。レトルト食品類においては、主要商品の品質向上を図るとともに、「インドカリー」シリーズに電子レンジ調理対応の新商品「バターチキン」を投入し、簡便性が高い商品のラインナップを充実させることで、売上の拡大に努めました。また、2024年2月の発売以来ご好評を頂いている、味わいの濃さ・深さを追求した「THE 濃厚」シリーズでは、新商品「ブラックスパイシー」を発売し、新たな顧客層の獲得に努めました。中華調理用ソース「本格四川」シリーズでは、パッケージデザインのリニューアルを行い、ブランド訴求を強化しました。業務用食品では、レストランで培った調理技術を活かし、中食・内食販路へ向けた開発・提案を継続して推進しました。コンビニエンスストア向けでは、夏のキャンペーン限定の新商品「チキンカレー」を発売し、売上の確保につなげました。また、会員制倉庫型小売チェーン向けでは、レトルトカレーの展開に加え、フードコートのメニューとしてスープが採用となり、拡販につながりました。さらに、専門店小売業チェーン向けでは、前年メディアに取り上げられ高い評価を得たPB商品のレトルトカレーが引き続き好調に推移し、売上の拡大に大きく貢献しました。直営レストランでは、新宿中村屋本店「カジュアルダイニングGranna」「レストラン&カフェManna」において、リニューアル10周年を記念し、スパイスを使ったインドの食文化をお楽しみ頂けるオリジナルカリーのセットやコースを期間限定で販売しました。「オリーブハウス」では、季節感のあるメニューを発売し、お客様の満足度向上に努めることで集客力の強化を図りました。以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は9,497,097千円、前年同期に対し53,678千円、0.6%の増収、営業利益は453,453千円、前年同期に対し64,603千円、16.6%の増益となりました。 ③ 不動産賃貸事業不動産賃貸事業では、商業ビル「新宿中村屋ビル」において快適で賑わいのある商業空間の提供に努め、満室稼働の維持につなげました。また、武蔵工場の敷地の一部に設定した事業用定期借地権や、旧東京事業所跡地の一般定期借地権による地代収入により、安定した売上を確保しました。以上のような営業活動を行った結果、売上高は916,960千円、前年同期に対し87,359千円、10.5%の増収、営業利益は452,581千円、前年同期に対し70,090千円、18.3%の増益となりました。 (2) 当期の財政状態の概況資産、負債及び純資産の状況当事業年度末における総資産は、現金及び預金の増加1,478,205千円があったものの、売掛金の減少627,200千円、建物の減少461,585千円、機械及び装置の減少246,926千円、原材料及び貯蔵品の減少222,741千円等により、前事業年度末に比べ8,575千円減少し、43,508,953千円となりました。負債は、長期前受収益の増加3,155,108千円等があったものの、短期借入金の減少2,500,000千円、退職給付引当金の減少754,527千円、未払法人税等の減少256,473千円等により、前事業年度末に比べ440,805千円減少し、16,471,006千円となりました。純資産は、固定資産圧縮積立金の減少113,253千円等があったものの、繰越利益剰余金の増加649,785千円等により、前事業年度末に比べ432,230千円増加し、27,037,947千円となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、1,479,153千円増加し、2,615,667千円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5,165,354千円の収入(前事業年度は4,707,494千円の収入)となりました。これは主に、退職給付引当金の減少額△754,527千円等があったものの、長期前受収益の増加額3,155,108千円、減価償却費1,486,930千円、税引前当期純利益1,217,738千円等があったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、653,747千円の支出(前事業年度は109,963千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入182,344千円等があったものの、有形固定資産の取得による支出△685,573千円等があったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,032,451千円の支出(前事業年度は4,678,877千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の減少額△2,500,000千円、配当金の支払額△346,737千円等があったことによるものです。 (4) 生産、受注及び販売の状況① 生産実績当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)菓子事業14,139,8253.3食品事業4,238,6343.8合計18,378,4593.4 (注) 金額は製造原価によっております。 ② 受注状況当社は受注生産をしておりません。 ③ 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)菓子事業26,833,570△2.4食品事業9,497,0970.6不動産賃貸事業916,96010.5合計37,247,627△1.4 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前事業年度当事業年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)㈱セブン-イレブン・ジャパン14,178,36537.514,373,35638.6 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 (1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績の分析(売上高)売上高は37,247,627千円、前事業年度と比較し522,333千円、1.4%の減収となりました。菓子事業においては、日常使いの“デイリー菓子”について、他社とのコラボレーション商品の展開や高付加価値商品の取扱販路を拡げることで増収を図るとともに、親しい間柄で贈り合うギフトの需要拡大に対応しました。中華まんにおいては、春夏向けの新商品を発売することでさらなる需要の掘り起こしを図り、売上の拡大につなげました。また、コンビニエンスストア販路では、中華まんの基幹商品に加えバラエティ商品や人気キャラクターとのコラボレーション商品を期間限定で発売し、売場展開強化と顧客層の拡大に努めました。しかしながら、歳末ギフトや季節菓子を絞り込んだ影響もあり、前事業年度と比較し663,370千円、2.4%の減収となりました。食品事業においては、消費者の嗜好や利用シーンの変化に対応すべく、主力のレトルトカレーや中華調理用ソースの改良や品揃え強化を行うとともに、業務用販路において拡大する中食業態への提案を強化し、売上確保に努めました。また、2024年10月にリニューアル10周年を迎えた新宿中村屋本店では、期間限定商品の発売や記念イベントを実施しました。SNSなどでの反響も大きく、新たな中村屋ファンの獲得とブランドイメージの発信につなげた結果、前事業年度と比較し53,678千円、0.6%の増収となりました。不動産賃貸事業においては、新宿中村屋ビルの満室稼働に加え、前事業年度の期中に締結した旧東京事業所跡地の再開発に伴う一般定期借地権設定契約を締結した結果、前事業年度と比較し87,359千円、10.5%の増収となりました。(売上原価)売上原価は、原材料価格や輸送費の高騰など様々なコストアップ要因に対し、価格の改定や商品企画の見直しによる価値向上を実施するとともに、自社工場の平準化生産や商品の絞り込みによる効率化を推進した結果、対売上高比率は63.2%と前事業年度と比較し0.4ポイントの低減となりました。(販売費及び一般管理費)販売費及び一般管理費は、各事業の商品絞り込みによるリソースの集中化を図るとともに、多様な働き方を推進した結果、対売上高比率は33.9%、前事業年度より0.3ポイント改善となりました。(特別損益)特別損益は、投資有価証券売却益122,767千円を特別利益に、固定資産売却損127千円、固定資産除却損7,218千円、減損損失174,748千円を特別損失に計上し、当期純利益は884,947千円(前事業年度は当期純利益405,109千円)となりました。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び流動性についての分析当社の資金の状況は、当事業年度末には2,615,667千円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、長期前受収益の増加等により、資金の収入は5,165,354千円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、資金の支出は653,747千円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少等により、資金の支出は3,032,451千円となりました。 当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。 (2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なることがあります。また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 食の安全・安心に関するリスク
    食品を扱う企業として、食中毒や異物混入などの問題が発生した場合、消費者の信頼を失い、売上減少やブランドイメージの毀損につながる可能性があります。厳格な品質管理体制を敷いていますが、想定外の事態が発生するリスクは常に存在します。
  • 原材料価格の変動と調達リスク
    主力商品の原材料価格が、天候不順、自然災害、為替変動、国際情勢などにより高騰する可能性があります。また、海外からの輸入に依存する原材料については、輸入規制やカントリーリスクにより調達が困難になることもあり、これが業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 取引先への依存と気候変動リスク
    生産委託先の生産能力不足や、特定の販売先の営業方針変更により、売上や製品供給に影響が出る可能性があります。また、冷夏や暖冬といった異常気象は、季節性商品の販売実績に直接影響を与え、在庫過剰や業績悪化につながるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,268 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、事態の発生回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、当社の事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。 (1) 食の安全・安心に関するリスクについて当社は、お客様に満足していただける価値ある商品とサービスをお届けするために、企画開発から原材料調達、生産、販売まで一貫した品質保証体制を確立し、日常の管理を万全な体制で取り組むとともに、品質監査体制においても、生産工場にFSSC22000等の食品安全規格を導入し食品安全マネジメントシステムを運用しております。さらに、分析評価技術研究センターにおいて、アレルギー物質検査や残留農薬検査及び残留動物用医薬品検査を実施することで、食の安全・安心を最優先課題とした自主管理体制及び安全確保の強化に努めておりますが、取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料の調達価格変動に関するリスクについて当社で製造販売しております主力商品の原材料につきまして、安全かつ安定的な供給先の確保、計画的在庫の備蓄、事前の価格交渉、適正な為替決済等を行い、価格変動リスクを可能な限り抑えております。しかしながら、産地の天候不順や自然災害等の不測の事態が発生した場合や、海外からの輸入に依存している原材料において、各種の衛生問題発生による輸入規制や、投機等による価格の高騰など想定を超えた状況が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 海外仕入れに関する商品のカントリーリスクについて当社の一部商品につきましては、海外より原材料調達を行っております。しかしながら、この原材料調達については、様々なカントリーリスクが考えられるため、調達が困難となり、一部商品の供給を停止せざるを得ない状況が発生する可能性があります。 (4) 取引先への依存リスクについて当社の多くの商品につきましては、協力会社に生産委託しております。生産委託は長期にわたる信頼関係による取引が続いており、安定的な製品供給が確保されると判断しておりますが、これらの委託先にて充分な生産ができない場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は多数の得意先を有しておりますが、特定の販売先が売上高に占める割合が高い状況にあります。販売先とは今後も良好かつ緊密な関係を維持し、取引を拡大していく方針ですが、販売先の営業方針等により、当社との取引が相当程度減少した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 気候変動に関するリスクについて当社は、主力商品のほか、多くの季節性商品を販売しており、気候変動による冷夏・暖冬・長雨といった異常気象により、販売実績だけでなく、商品供給の停滞による在庫過剰と、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 自然災害に関するリスクについて当社では、全国の販売店舗での営業展開や製造工場での生産を実施しております。これらの地域において地震や台風などの自然災害が発生した場合に備えて、防災や事故対応マニュアルの整備、防災訓練の実施、安否確認システムの導入と地震災害に対する事業継続計画(BCP)の策定など社内体制を整備し、緊急時に備えてはおりますが、危機管理対策の想定範囲を超えた天変地異の発生には対応できるとは限りません。その場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 金利変動に関するリスクについて当社は、必要資金の一部を金融機関からの借入れによって調達しております。将来の金利変動に対しては、常に対応策を講じているものの、急速かつ大幅な金利変動があれば金利負担の増加などにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 有価証券時価下落等のリスクについて当社は、売却可能な有価証券を保有しております。これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における著しい時価変動等があれば、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 情報システムに関するリスクについて当社は、生産、販売、管理等の情報をコンピュータにより管理をしており、運用につきましては、ウイルス感染によるシステム障害やハッキングなどによる被害及び外部への社内情報の漏洩が生じないよう最大限の対策を実施しております。しかしながら、予期し得ない事象により当社のシステムに障害の発生や、外部へ社内情報が漏洩する可能性があり、対応費用等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 不動産賃貸事業に関するリスクについて当社は、商業ビルの賃貸事業を行っておりますが、商業ビル需要も景気の動向に影響を受けやすい傾向にあります。経済情勢の低迷により商業ビル需要が悪化した場合は、当社の不動産賃貸事業に悪影響を及ぼし、また、所有資産の価値の低下につながる可能性があります。

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