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【完全解説】バフェットが買わない3つの業種
— 例外と判断基準

「私は理解できない事業には投資しない」── ウォーレン・バフェットが長年公言してきた投資哲学。彼が避け続けてきた3つの業種「IT」「製薬」「規制業界」と、近年のApple・BYD投資という重要な例外、そして日本株投資家が学ぶべき教訓を解説します。

バフェットの「サークル・オブ・コンピテンス」

バフェットは1996年の株主への手紙で「投資家にとって本当に重要なのは、自分の能力の範囲を正確に知ること」と述べました。彼にとってその範囲外にあったのが、長らくIT・製薬・規制業界の3つでした。

私たちは、自分が理解できない事業の競争優位性を予測できない。だから、それらの分野には投資しない。 — ウォーレン・バフェット 株主への手紙 1999年

業種1: IT・テクノロジー

避けてきた理由

1990年代後半のITバブルの最中、バフェットはMicrosoft・Cisco等が高騰する中、頑なに買いませんでした。その後ITバブル崩壊(2000-2002年)で多くの個人投資家が大損する中、バフェットは無傷でした。

例外: Apple(2016年〜現在)

バフェットの最大の方針転換が、2016年からのApple大量買いです。バークシャー保有株式の25-40%を占める巨大ポジション。なぜ彼は方針を変えたのか?

私はAppleをテック企業として見ていない。
これは消費財企業だ。圧倒的なブランドロイヤリティを持ち、エコシステムによる強力なスイッチング・コストがある。 — ウォーレン・バフェット 2018年 CNBC

Appleの本質はテックではなく「消費財ブランド + エコシステムによるスイッチング・コスト」と再定義したことが、バフェットを動かしました。詳しくはモートの5類型を参照。

業種2: 製薬・バイオテック

避けてきた理由

製薬業界の経済性を理解しているとは言えない。
特定のパイプラインが成功するか、特許切れで何が起こるか、予測できない。 — バフェット & マンガー 株主総会 2003年

例外: J&J、ファイザー等への小口投資

バフェットも実は、ジョンソン&ジョンソン、ファイザー等の超大手製薬を短期保有したことがあります。ただし、買値が異常に安かった時期(リーマンショック直後など)に限定。「分散の一環」として、コア戦略ではない位置づけでした。

日本株への適用

日本の製薬大手(武田薬品、アステラス製薬、第一三共等)にも同じ論理が当てはまります。特に第一三共のエンハーツ(がん治療薬)が成功する前後で株価が大きく変動した事例は、製薬株の予測困難性を示しています。

業種3: 規制業界(航空・通信・電力・銀行の特殊形態)

避けてきた理由

航空業界は、ライト兄弟が飛行に成功した瞬間にどれだけの株主価値を破壊したか、誰かが計算すべきだ。 — ウォーレン・バフェット(航空株への嘲笑)

例外1: 鉄道(BNSF、2009年買収)

バフェットは2009年に米国第二位の鉄道会社BNSFを買収。鉄道は規制業種ですが、「2社寡占の地理的独占」「インフラ参入障壁」「コスト優位性」を評価しました。詳しくはモートの5類型のコスト優位・効率規模を参照。

例外2: 米国大手銀行(バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ)

金融規制は重いですが、巨大銀行の「顧客ロックイン」「規模の経済」「低コスト預金調達力」を高く評価しました。ただし、不祥事が発覚した際は容赦なく売却(ウェルズ・ファーゴの不正口座問題後の縮減等)。

近年の例外パターンに見る判断基準

Apple、BYD(中国EV、2008年投資)、商社株(2020年)など、近年のバフェットの「例外」には共通点があります:

  1. 「テック」ではなく「消費財ブランド」として再定義できる(Apple)
  2. カーボン関連の長期トレンド(BYD、EV市場)
  3. 歴史的に異常な割安価格(5大商社、PER 6倍)
  4. マンガーが背中を押した(特にBYD)

つまり、「業種を避ける」ことは絶対のルールではなく、「本質を見極めた上で例外を作る判断力」こそが投資家の腕。

日本株投資家への教訓

教訓1: 「業種」より「ビジネスモデル」で判断

IT業界全体を避けるのではなく、「サブスクリプション × 高スイッチングコスト × FCFポジティブ」のSaaS企業など、本質を見極めれば投資可能です。

教訓2: 自分のサークルを把握する

「私はこの業種を本当に理解しているか?」と問い直す習慣を持ちましょう。理解できない業種を「人気だから」「成長性があるから」で買うのは最悪です。

教訓3: 例外を作るときは「3重チェック」

例外を作る際は、①ビジネス本質の再定義、②圧倒的な割安価格、③他のバリュー投資家の判断 — の3つで検証してから。

日本株で「バフェット的に避ける」業種

まとめ — 「No」と言える勇気が長期リターンを守る

バフェットの最大の強みは「分からないものに『No』と言う能力」です。ITバブル、リーマンショック、コロナ・スタートアップバブル — 彼は全ての熱狂で買わないことを選び、それゆえに損失も最小化してきました。

私たちのお気に入りの保有期間は「永遠」だ。
だからこそ、何を買わないかを決めるのに、何を買うかと同じくらい時間を使う。 — ウォーレン・バフェット

関連記事:バフェット銘柄選び15基準 / モートの5類型 / マンガーのインバージョン

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